JP3493881B2 - 印刷装置およびその制御方法 - Google Patents

印刷装置およびその制御方法

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JP3493881B2 JP6963596A JP6963596A JP3493881B2 JP 3493881 B2 JP3493881 B2 JP 3493881B2 JP 6963596 A JP6963596 A JP 6963596A JP 6963596 A JP6963596 A JP 6963596A JP 3493881 B2 JP3493881 B2 JP 3493881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドットマトリクス
プリンターあるいはビットイメージプリンターなどの印
刷装置に関し、特に、個々のドットを形成するノズルや
ワイヤーなどを用いたドット印刷手段が複数の列に交互
に配置された印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インパクトタイプのドットプリンター
や、ノンインパクトタイプのドットプリンター、例え
ば、インクジェットプリンターにおいては、高解像度を
実現するためにワイヤーやノズル等を用いて個々のドッ
トを印刷するドット印刷手段を千鳥状に配置したプリン
ターヘッドを採用しているものがある。図9に、これら
のプリンターにおいて、ビットマップイメージに展開さ
れた印刷データをプリンターヘッドに転送する一般的な
回路を示してある。プリンターヘッドの印刷部10に
は、図10に示すように、ビットマップ化された印刷デ
ータの各々のビットに対応してドットを印刷する複数の
ノズル8がドット印刷手段として2列に配置されてお
り、例えば、計128個のドットを印刷できるようにな
っている。これらのノズルの内、奇数番目のノズルが第
1のライン11に配置され、この第1のライン11から
距離lだけ離れた位置に偶数番目のノズルが第2のライ
ン12に沿って配置されている。ヘッド10は紙面を横
あるいは縦に往復運動しながら印刷を行うので、このよ
うな千鳥状にノズル8を配置することによって、個々の
ノズル8、およびノズル8に必要な機構の占めるスペー
スを減らさずに解像度の高い印刷を行うことができる。
図10に示した印刷ヘッド10では、ノズル同士の間隔
は2dであるが、ドット同士の間隔はその半分のdとな
る解像度の高い印刷を行うことができる。
【0003】図9に示したような従来の回路では、イメ
ージバッファ20内にビットマップ化されて記憶された
印刷データ21から、ヘッドの移動する方向によってラ
イン11または12のいずれか一方の先に印刷される方
のライン(n番目の列)の全てのドット(例えば128
ドット)分のビットデータがパラレル−シリアル変換回
路25によってシリアルデータに変換されプリンターヘ
ッドに送られる。しかし、ヘッド10のノズルは千鳥状
に配置されており、ノズル列11および12は距離lだ
け離れているので、イメージバッファ20から送られて
きたn番目の列(n列)のビットデータをそのままノズ
ル列11および12に設定できない。そこで、選択回路
18を設け、これによって奇数番目のドットに相当する
ビットデータと、偶数番目のドットに相当するビットデ
ータを選択し、先に印刷されるラインのノズル(例え
ば、奇数番目のノズル列11)のビットデータを先にシ
リアル−パラレル変換回路13によってパラレルデータ
に変換し、ラッチ回路15によってノズル列11に設定
する。そして、残りの偶数ノズルの列12用のビットデ
ータは、バッファ回路19にいったん記憶する。そし
て、偶数ノズル列12がバッファ回路19に記憶された
ビットデータを印刷する位置に移動すると、残りのビッ
トデータをシリアル−パラレル変換回路14およびラッ
チ回路16を介して偶数ノズル列12に設定し、印刷す
る。
【0004】従って、バッファ回路19は、2つのノズ
ル列11および12の距離lに印刷されるビットマップ
化されたデータを記憶可能なメモリーと、このメモリー
を制御する回路を備えている必要があり、さらに、プリ
ンターヘッドの移動する双方向で印刷するには、先行し
て印刷するノズル列11あるいは12によってバッファ
回路19と選択回路18の接続を切り替える必要があ
る。また、バッファ回路19とシリアル−パラレル変換
回路13あるいは14との接続も切り替える必要があ
る。あるいは、それぞれのノズル列11および12に対
応して複数のバッファ回路を設けておく必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、プリンターの小
型化や低価格化が進み、プリンターヘッドの小型化およ
び軽量化が望まれている。また、高速で印字品質の高い
小型化されたプリンターの実現も望まれている。そこ
で、本発明においては、解像度の高い印刷を行うため
に、2つあるいはそれ以上の列にノズルが交互に配置さ
れた印刷装置において、ビットマップ化されたデータを
印刷する際に、上記のようなバッファ回路や複雑な切り
替え制御を用いずに印刷が可能な制御方法および印刷装
置を提供することを目的としている。そして、ビットデ
ータの入出力や、ビットデータの並び替えに費やしてい
たソフト処理をなくし、処理速度の向上とCPUの負荷
を軽減できる制御方法および回路構成を提供し、高速で
印刷品質の良いプリンターを提供することを目的として
いる。さらに、バッファ回路を省略することによって基
板上の制御回路の占める面積を低減し、プリンターヘッ
ドを小型化・軽量化できる印刷装置を提供することも目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、印刷ヘッドのノズルにビットデータを設定する際
に、ビットマップ化された印刷データの内から先行する
一方のノズル列に対応するビット列を転送し、後で印刷
するビットデータをバッファに一時的に保管するのでは
なく、それぞれのノズル列に対応する複数のビット列を
ビットデータをノズルに設定する度に転送するようにし
ている。そして、それぞれのビット列の中からノズルに
対応するビットデータを選択して設定し、その後、印刷
を行うようにしている。従って、本発明においては、切
り替え制御やバッファ回路を省くことができる。
【0007】 すなわち、本発明の、複数のドット印刷
手段を備えた印刷ヘッドが紙面上を動いてビットマップ
化された印刷データを印刷し、ドット印刷手段が印刷ヘ
ッドの動く方向と直交する少なくとも第1および第2の
ラインに沿って千鳥状に配置された印刷装置の制御方法
においては、第1のラインに配置された第1のドット印
刷手段に対し、印刷データの内から第1のラインに対応
する第1のビット列をパラレル−シリアル変換して転送
し、シリアルデータ化された第1のビット列から第1の
ドット印刷手段対応するビットデータを選択するシリ
アル−パラレル変換を行い、該第1のドット印刷手段に
ビットデータを設定する第1の工程を行うと共に、
のラインに配置された第2のドット印刷手段に対し、印
刷データの内から第2のラインに対応する第2のビット
列をパラレル−シリアル変換して転送し、シリアルデー
タ化された第2のビット列から第2のドット印刷手段
対応するビットデータを選択するシリアル−パラレル変
を行い、該第2のドット印刷手段にビットデータを
定する第2の工程を行い、その後、第1および第2のド
ット印刷手段によって印刷を行うようにしている。この
ような制御方法を採用することによって、ビットデータ
を一時的に保管する必要はないのでバッファ回路は不要
であり、また、印刷ヘッドの動く方向が変わっても制御
方法を変える必要がないので、制御が非常に簡易化さ
れ、制御回路の占める面積も縮減できる。
【0008】 印刷ヘッドにノズルなどのドット印刷手
段が2列に配置されている場合は、第1のドット印刷手
段は第1のラインに沿って奇数番目または偶数番目のい
ずれか一方のビットデータの印刷を行うように配置し、
第2のドット印刷手段は第2のラインに沿って第1のド
ット印刷手段と異なる偶数番目または奇数番目のいずれ
か一方のビットデータの印刷を行うように配置できる。
そして、パラレル−シリアル変換は第1のクロック信
号によって行い、第1の工程におけるシリアル−パラレ
ル変換は第1のクロック信号を1/2に分周した第2
のクロック信号によって行うことにより、それぞれのビ
ット列から奇数番目あるいは偶数番目のビットデータを
選択できる。第2の工程におけるシリアル−パラレル変
換は、第2のクロック信号となる期間に供給される第
1のクロック信号を1/2に分周した第3のクロック信
号を用いることによって可能である
【0009】 このような制御方法は、第1のラインに
配置された第1のドット印刷手段に対し、印刷データの
内から第1のラインに対応する第1のビット列をパラレ
ル−シリアル変換して転送し、2のラインに配置され
た第2のドット印刷手段に対し、印刷データの内から第
2のラインに対応する第2のビット列をパラレル−シリ
アル変換して転送するパラレル−シリアル変換手段と、
シリアルデータ化された第1のビット列から第1のドッ
ト印刷手段対応するビットデータを選択するシリアル
−パラレル変換を行い、該第1のドット印刷手段にビッ
トデータを設定する第1のシリアル−パラレル変換手段
と、さらに、シリアルデータ化された第2のビット列か
ら第2のドット印刷手段対応するビットデータを選択
するシリアル−パラレル変換を行い、該第2のドット印
刷手段にビットデータを設定する第2のシリアル−パラ
レル変換手段とを有する印刷装置に適用できる。パラレ
ル−シリアル変換手段に第1および第2のシリアル−パ
ラレル変換手段をそれぞれ接続してシリアルデータ化さ
れたビット列を転送しても良く、あるいは、第2のシリ
アル−パラレル変換手段を第1のシリアル−パラレル変
換手段を介してパラレル−シリアル変換手段と接続する
ことも可能である。この場合は、パラレル−シリアル変
換手段は第1のシリアル−パラレル変換手段に対し、第
2および第1のビット列をこの順番に送り、第1のシリ
アル−パラレル変換手段は第1のクロック信号を分周し
た第2のクロック信号によって第2のビット列から第2
のドット変換手段に対応するビットデータを選択して第
2のシリアル−パラレル変換手段にビットデータを転送
し、さらに、第2のクロック信号と相の反転した第3
のクロック信号によって第1のビット列から第1のドッ
ト印刷手段に対応するビットデータを選択するシリアル
−パラレル変換を行い第1のドット印刷手段にビットデ
ータを設定すれば良い。一方、第2のシリアル−パラレ
ル変換手段は、第1のシリアル−パラレル変換手段から
転送されたットデータを第3のクロック信号によって
2のドット印刷手段に定できる。
【0010】また、記憶手段に印刷ヘッドの動く方向に
対応する印刷データの両側に空白のダミーデータを設け
ることにより、紙面の端を印刷する際に第1あるいは第
2のドット印刷手段に設定するビット列がない場合であ
ってもダミーデータが自動的に送られる。このため、紙
面の端を印刷するときも制御を切り換える必要はなく、
さらに制御回路の簡素化を図ることができる。
【0011】もちろん、ドット印刷手段の配列されたラ
インは3つ以上であっても良く、この場合はそれぞれの
ラインに配置されたドット印刷手段にビットデータを設
定するクロック信号の分周量および位相のずれをライン
の数によって調整すれば良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。
【0013】[実施例1]図1に、本発明の実施例1の
印刷装置1の回路構成をブロック図を用いて示してあ
り、特に、イメージバッファ20から印刷ヘッド5にデ
ータを送る制御回路の構成を示してある。本例の印刷装
置1は、奇数番目のノズルと偶数番目のノズルが千鳥状
に配置された印刷ヘッド5を備えており、その印刷部1
0には、奇数番目のノズル列11と偶数番目のノズル列
12が距離lだけ離れてほぼ並列している。奇数番目の
ノズル列11には、イメージバッファ20からのパラレ
ル−シリアル変換されたデータがシリアル−パラレル変
換回路13およびラッチ回路15を介して設定され、偶
数番目のノズル列12には、シリアル−パラレル変換回
路14およびラッチ回路16を介してデータが設定され
る。
【0014】イメージバッファ20には、印刷するキャ
ラクターやシンボルなどのデータがビットマップイメー
ジに展開された印刷データ21が格納されている。本例
のイメージバッファ20内には、さらに、印刷データ2
1の両側、すなわち、印刷ヘッド5の移動方向に相当す
る行の外側に少なくとも距離lに相当するダミーデータ
22aおよび22bが設けられている。このダミーデー
タ22aおよび22bは、空白、すなわち、ノズル列1
1および12においてドットを印刷しないデータによっ
て満たされている。ダミーデータ22は、予めイメージ
バッファ20の所定のエリアに設けられていても良い
し、あるいは印刷する情報をビットマップ化する際に、
その両側に自動的に形成しても良い。
【0015】イメージバッファ20からは、ビットマッ
プ化されたデータがパラレル−シリアル変換回路25を
介してプリンターヘッド5に送られる。本例のパラレル
−シリアル変換回路25には、セレクタ29を介して2
つのデータ列が順次入力されるようになっている。この
セレクタ29は、イメージバッファ20に展開されてい
るデータの中から印刷する距離がlだけ離れた2つのデ
ータ列を選択信号39によって順次選択するようになっ
ている。例えば、距離lがl列のデータに相当すると仮
定すると、偶数ノズル列12が印刷するn列のデータ2
3aと、奇数ノズル列11が印刷するn+l列のデータ
23bを選択し、次に、n+1列のデータと、(n+
l)+1列のデータを選択する。さらに、セレクタ29
は、用意されたダミーデータ22aおよび22bも印刷
データ21と同様に取り扱う。このため、例えば、奇数
ノズル列11が印刷データ21の行端から外になったと
きは、奇数ノズル列11には空白のダミーデータが送ら
れる。従って、奇数ノズル列11では印刷が行われず、
偶数ノズル列12でのみ印刷データ21による印刷が行
われる。印刷データ21の逆側の行端においても同様で
ある。従って、セレクタ29は、行端であるか否かを識
別せずにパラレル−シリアル変換回路25にビットデー
タを送ることができる。これによって、千鳥状にノズル
の配置されたプリンターにおける行端の処理が非常に簡
易化される。
【0016】2つのシリアル−パラレル変換回路13お
よび14には、クロック制御回路30を介してクロック
信号36が供給される。このクロック信号36は、クロ
ック制御回路30によってパラレル−シリアル変換回路
25に供給される第1のクロック信号35が1/2に分
周された信号である。このため、クロック制御回路30
は、第1のクロック信号を1/2に分周する分周部31
と、シリアル−パラレル変換回路14および13のそれ
ぞれにクロック信号36を供給する選択部32を備えて
いる。従って、本例のプリンター1においては、データ
を送る側のパラレル−シリアル変換回路25は第1のク
ロック信号35で動作し、ノズル列11および12にデ
ータを設定するシリアル−パラレル変換回路13および
14は、第1のクロック信号35の2倍の周期のクロッ
ク信号36によって動作する。
【0017】本例のプリンター1において、イメージバ
ッファ20からプリンターヘッド5にデータが送られ、
印刷が行われる工程を図2のフローチャートおよび図3
のタイミングチャートを参照して説明する。
【0018】ステップ51において、時刻t1にパラレ
ル−シリアル変換回路25がn列のデータのパラレル−
シリアル変換を開始する。パラレル−シリアル変換回路
25は、第1のクロック信号35で動作し、n列のデー
タを1ビット目から128ビット目までの順番にシリア
ル−パラレル変換回路13および14に供給する。これ
と同時に、分周されたクロック信号36が偶数ノズルの
シリアル−パラレル変換回路14に供給され、転送され
ているn列のシリアルデータの中の偶数番目のデータが
選択される。分周されたクロック信号36は、クロック
制御回路30において、第1のクロック信号35の立ち
下がりのタイミングで1/2に分周されたクロック信号
であり、図3に示したタイミングでパラレル−シリアル
変換回路25が変換を開始した時にシリアル−パラレル
変換回路14に供給され、このクロック信号36によっ
てn列のデータからは偶数番目に送られてきたデータが
選択される。従って、偶数番目のノズルで印刷するビッ
トデータを得ることができる。この間、クロック制御回
路の選択部は選択信号39によって奇数ノズル側のシリ
アル−パラレル変換回路13にはクロック信号が供給さ
れないようにしているので、n列のデータは奇数ノズル
側では選択されない。
【0019】パラレル−シリアル変換回路25は、n列
の最終データ、すなわち、本例では128ビット目を送
り終わると、ステップ52において、次に、時刻t2か
らn+l列のデータをパラレル−シリアル変換する。こ
の際、n列の最終ビットと、n+l列の最初のビットの
間に1クロックの間隔を開けて、クロック信号36との
ビット列との位相を反転させるようにしている。このた
め、n+l列のデータをパラレル−シリアル変換を開始
するとともに、分周されたクロック信号36が奇数ノズ
ル側のシリアル−パラレル変換回路13に供給される
と、n+l列の奇数番目のデータが選択される。従っ
て、奇数番目のノズルで印刷するビットデータを得るこ
とができる。この間、クロック制御回路の選択部は選択
信号39によって偶数ノズル側のシリアル−パラレル変
換回路14には、クロック信号が供給されないようにし
ているので、n+l列のデータは偶数ノズル側では選択
されない。
【0020】n+l列の最終のデータである127ビッ
ト目がシリアル−パラレル変換回路13にセットされる
と、シリアル−パラレル変換回路13および14のデー
タがラッチ回路15および16によってラッチされ、ス
テップ53においてn列の偶数番目とn+l列の奇数番
目のドットイメージの印刷が行われる。印刷が終了する
と、ステップ51に戻って、次のビット列の処理を行
う。
【0021】上記のような工程により千鳥状に配置され
た複数のノズルのうち、奇数ノズル11にはn+l列の
奇数番目のデータが、また、偶数ノズル12にはn+l
列から距離lだけ離れたn列の偶数番目のデータが設定
される。従って、この工程を繰り返し、印刷を行うこと
によって、千鳥状に配置されたノズルを用いて解像度の
高い印刷を行うことができる。
【0022】本例のプリンター1は、それぞれのノズル
列の位置に対応したビット列のデータをそれぞれ転送し
印刷するステップを繰り返すことで高品質の印刷を行っ
ている。さらに、本例のプリンターは、プリンターヘッ
ドのノズルにそれぞれのノズルが並んでいるラインに対
応するデータをイメージバッファから転送する回路を、
イメージバッファ内のデータをパラレル−シリアル変換
する回路と、プリンターヘッドにおいてデータをシリア
ル−パラレル変換する回路を接続した非常に簡易な回路
によって実現している。従って、各ノズル列のデータを
一時的に蓄積しておくためのバッファ回路は不要であ
り、また、プリンタヘッドの印刷方向によって切り替え
制御を行う必要もない。さらに、本例のプリンターで
は、イメージバッファ20の中に空白のダミーデータ2
2を用意してあるので、行端において一方のノズル列の
印刷を取り止める等の処理は不要である。従って、ドッ
トを印刷するノズルが千鳥状に配置されたドットプリン
ターにおけるデータ転送を高速化でき、これにかかるC
PUの負荷を低減できる。また、データの転送に関連す
る回路を簡素化できるので、バッファ回路などを構成す
るために用いていた回路要素を大幅に縮減できゲートア
レイを小さくし、制御回路の占める面積を削減できる。
【0023】また、プリンタヘッドの印刷方向によって
切り換え制御を行う必要がないので、1つの経路によっ
てイメージバッファ20からプリンターヘッド5にデー
タを転送することができる。従って、プリンターヘッド
の小型化、軽量化を図れ、また、高速で印刷品質の良い
プリンターを提供できる。
【0024】[実施例2]図4に、本発明の実施例2に
かかるプリンターの回路構成をブロック図を用いて示し
てある。本例のプリンターは、ノズルが千鳥状に配置さ
れたプリンターヘッド5を有し、上記の実施例とほぼ同
様のプリンターである。従って、共通する部分について
は同じ符号を付して説明を省略する。
【0025】本例のプリンター1においては、イメージ
バッファ20内のデータはパラレル−シリアル変換回路
25を介して、プリンターヘッド5の奇数ノズル側のシ
リアル−パラレル変換回路13に送られる。そして、奇
数ノズル側のシリアル−パラレル変換回路13は、偶数
側のシリアル−パラレル変換回路14と連絡されてい
る。従って、偶数ノズル側のシリアル−パラレル変換回
路14には、奇数ノズル側のシリアル−パラレル変換回
路13を介してイメージバッファ20からのデータが送
られる。
【0026】本例のクロック制御回路30は、分周部3
1および選択部32に加え、分周された第2のクロック
信号を反転して第3のクロック信号を形成する反転部3
3を備えている。選択部32は選択信号39によって、
両方のシリアル−パラレル変換回路13および14に、
分周された第2のクロック信号を供給したのち、続けて
第3のクロック信号を供給する。
【0027】本例のプリンターにおいてイメージバッフ
ァ20からプリンターヘッド5にデータが送られ、印刷
が行われる工程を図5のフローチャートおよび図6のタ
イミングチャートを参照して説明する。
【0028】ステップ56において、時刻t11にパラ
レル−シリアル変換回路25がn列のデータのパラレル
−シリアル変換を開始する。これと同時にクロック制御
回路30から奇数ノズル側および偶数ノズル側のシリア
ル−パラレル変換回路13および14に、分周された第
2のクロック信号が供給される。これによって、奇数ノ
ズル側のシリアル−パラレル変換回路13においてn列
のデータの偶数番目のデータが順番に選択される。
【0029】n列の偶数番目の最後のデータである12
8ビット目がシリアル−パラレル変換回路13に送られ
ると、ステップ57において、n列のデータと連続して
時刻t13からn+l列のデータがパラレル−シリアル
変換回路25によって変換され、奇数ノズル側のシリア
ル−パラレル変換回路13に送られる。これと同時に、
クロック制御回路30から奇数ノズル側および偶数ノズ
ル側のシリアル−パラレル変換回路13および14に、
位相の反転した分周されたクロック信号(第3のクロッ
ク信号)が供給される。これによって、奇数ノズル側の
シリアル−パラレル変換回路13がn+l列のデータの
奇数番目のデータを順次選択される。さらに、偶数ノズ
ル側のシリアル−パラレル変換回路14へは、シリアル
−パラレル変換回路13からn列のデータの偶数番目の
データを順次送られる。従って、奇数ノズル側のシリア
ル−パラレル変換回路13にn+l列のデータの奇数番
目のデータが全て設定されると、偶数ノズル側のシリア
ル−パラレル変換回路14にn列のデータの偶数番目の
データが全て設定される。設定が終了すると、ステップ
53において、上記の実施例1と同様にn列の偶数番目
とn+l列の奇数番目のドットが印刷され、高解像度の
印刷結果が得られる。
【0030】n列のデータとn+l列のデータを連続し
てパラレル−シリアル変換して送る場合は、本例のよう
に偶数側のデータを選択してシリアルデータ化した最後
のデータを選択した後、次のシリアルデータの最初のデ
ータ、すなわち、奇数側のデータを選択することが望ま
しい。逆に、奇数側、偶数側の順番で送ると、奇数側の
データの選択から偶数側のデータの選択に移行する際に
余分なクロック信号が出力されるのでシリアル−パラレ
ル変換するクロック信号をマスクしないと、n列のデー
タからn+l列のデータに移行するときに偶数ビットの
データあるいは奇数ビットのデータを奇数ノズル側ある
いは偶数ノズル側のシリアル−パラレル変換回路が取り
込む可能性がある。
【0031】[実施例3]図7に、本発明の実施例3の
プリンターのデータ転送を行う回路構成をブロック図を
用いて示してある。本例のプリンターもノズルが千鳥状
に配置された上記の実施例とほぼ同様のプリンターであ
り、共通する部分には同じ符号を付して説明を省略す
る。
【0032】本例のプリンターは2つのパラレル−シリ
アル変換回路26および27を備えている。パラレル−
シリアル変換回路26は、イメージバッファ20内の偶
数ノズル12の位置に対応するデータ(図示した場合は
n列のデータ)を変換して偶数ノズル側のシリアル−パ
ラレル変換回路14に送る。パラレル−シリアル変換回
路27は、イメージバッファ20内の奇数ノズル11の
位置に対応するデータ(図示した場合はn+l列のデー
タ)を変換して奇数ノズル側のシリアル−パラレル変換
回路13に送る。
【0033】クロック制御回路30は、第1のクロック
信号35を分周する分周部31と、分周したクロック信
号を反転する反転部33を備えている。そして、クロッ
ク制御回路30から偶数ノズル側のシリアル−パラレル
変換回路14に分周した第2のクロック信号が供給さ
れ、さらに、奇数ノズル側のシリアル−パラレル変換回
路13に反転した第3のクロック信号が供給される。
【0034】本例のプリンターにおいては、2つのパラ
レル−シリアル変換回路26および27を備えているの
で、図8のフローチャートに示したように、ステップ6
1および62においてn列とn+l列のデータが同時に
パラレル−シリアル変換されプリンターヘッド側に送ら
れる。そして、プリンターヘッド側でも同時にシリアル
−パラレル変換される。ステップ61においては、分周
された奇数用のクロック信号が奇数ノズル側のシリアル
−パラレル変換回路13に供給されn+l列のデータか
ら奇数番目のデータが選ばれて設定される。同時に、ス
テップ62においては、奇数用のクロック信号が反転さ
れた偶数用のクロック信号が偶数ノズル側のシリアル−
パラレル変換回路14に供給されn列のデータから偶数
番目のデータが選ばれて設定される。奇数番目のデータ
と偶数番目のデータの設定が終了するとステップ53に
おいて上記の実施例1および2と同様に解像度の高い印
刷が行われる。
【0035】本例のプリンターでは、2つのパラレル−
シリアル変換回路を設けることによって、2つの列のデ
ータを並列処理し、同時にプリンターヘッド側に送るこ
とができる。従って、データの転送にかかる処理時間を
さらに短縮することが可能となる。
【0036】なお、上記の実施例においては、ドットを
印刷する複数のノズルが千鳥状に2つの列に交互に配置
されたプリンターを用いて説明しているが、3つ以上の
列にノズルが配置されたプリンターであっても本発明が
適用できる。また、本発明は、ノズルを用いたノンイン
パクトタイプのドットプリンターに限定されるものでな
く、ワイヤードットプリンター等のインパクトタイプの
ドットプリンターにも適用できることはもちろんであ
る。
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明により、
2つあるいはそれ以上の列にドットを印刷するノズルあ
るいはワイヤー等が交互に配置され、高解像度の印刷が
可能な印刷装置において、バッファ回路や複雑な切り替
え制御を省き、ビットマップ化されたデータを簡単な回
路構成と制御によってそれぞれのドット印刷手段に設定
できる。このため、ビットデータの入出力や、ビットデ
ータの並び替えに費やしていたソフト処理の時間を低減
し、処理速度の向上とCPUの負荷の軽減が図れる。ま
た、バッファ回路等を省略でき、また、複雑な切り替え
制御も不要なので、制御回路の占める面積を大幅に縮減
でき、印刷ヘッドを小型化、軽量化できる。このため、
さらに品質の良い印刷を高速で行える小型化された印刷
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかるプリンターのデータ
転送を行う回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す印刷用のデータを転送する工程を示
すフローチャートである。
【図3】図1に示す印刷用のデータを転送する際のタイ
ミングチャートである。
【図4】本発明の実施例2にかかるプリンターのデータ
転送を行う回路の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す印刷用のデータを転送する工程を示
すフローチャートである。
【図6】図4に示す印刷用のデータを転送する際のタイ
ミングチャートである。
【図7】本発明の実施例3にかかるプリンターのデータ
転送を行う回路の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す印刷用のデータを転送する工程を示
すフローチャートである。
【図9】従来の印刷用のデータを転送する回路の構成を
示すブロック図である。
【図10】複数のノズルが千鳥状に配置されたヘッドの
印刷部の概要を示す図である。
【符号の説明】
1・・プリンター 5・・プリンターヘッド 8・・ノズル 10・・プリンターヘッドの印刷部 11・・奇数ノズルの列 12・・偶数ノズルの列 13、14・・シリアル−パラレル変換回路 15、16・・ラッチ回路 20・・イメージバッファ 21・・印刷データ 22・・ダミーデータ 25、26、27・・パラレル−シリアル変換回路 30・・クロック制御回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/045 - 2/055 B41J 2/255 B41J 2/355 B41J 2/51

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のドット印刷手段を備えた印刷ヘッ
    ドが紙面上を動いてビットマップ化された印刷データを
    印刷する印刷装置の制御方法であって、前記ドット印刷
    手段は、前記印刷ヘッドの動く方向と直交する少なくと
    も第1および第2のラインに沿って千鳥状に配置されて
    おり、 前記第1のラインに配置された第1の前記ドット印刷手
    段に対し、前記印刷データの内から前記第1のラインに
    対応する第1のビット列をパラレル−シリアル変換して
    転送し、シリアルデータ化された前記第1のビット列か
    ら前記第1のドット印刷手段対応するビットデータを
    選択するシリアル−パラレル変換を行い、該第1のドッ
    ト印刷手段にビットデータを設定する第1の工程と、 記第2のラインに配置された第2の前記ドット印刷手
    段に対し、前記印刷データの内から前記第2のラインに
    対応する第2のビット列をパラレル−シリアル変換して
    転送し、シリアルデータ化された前記第2のビット列か
    ら前記第2のドット印刷手段対応するビットデータを
    選択するシリアル−パラレル変換を行い、該第2のドッ
    ト印刷手段にビットデータを設定する第2の工程と、 前記第1および第2のドット印刷手段によって印刷を行
    う工程とを有することを特徴とする印刷装置の制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1のドット印
    刷手段は前記第1のラインに沿って奇数番目または偶数
    番目のいずれか一方の前記ビットデータの印刷を行うよ
    うに配置され、前記第2のドット印刷手段は前記第2の
    ラインに沿って前記第1のドット印刷手段と異なる偶数
    番目または奇数番目のいずれか一方の前記ビットデータ
    の印刷を行うように配置されており、 前記パラレル−シリアル変換は第1のクロック信号に
    よって行われ、前記第1の工程における シリアル−パラレル変換は
    記第1のクロック信号を1/2に分周した第2のクロッ
    ク信号によって行われ、さらに、 前記第2の工程におけるシリアル−パラレル変換は、前
    2のクロック信号と異なる期間に供給される前記第
    1のクロック信号を1/2に分周した第3のクロック信
    号によって行われることを特徴とする印刷装置の制御方
    法。
  3. 【請求項3】 複数のドット印刷手段を備え、紙面上を
    動いて印刷を行う印刷ヘッドと、 ビットマップ化された印刷データを記憶する記憶手段と
    を有し、 前記ドット印刷手段は、前記印刷ヘッドの動く方向と直
    交する少なくとも第1および第2のラインに沿って千鳥
    状に配置されており、さらに、 前記第1のラインに配置された第1の前記ドット印刷手
    段に対し、前記印刷データの内から前記第1のラインに
    対応する第1のビット列をパラレル−シリアル変換して
    転送し、記第2のラインに配置された第2の前記ドッ
    ト印刷手段に対し、前記印刷データの内から前記第2の
    ラインに対応する第2のビット列をパラレル−シリアル
    変換して転送するパラレル−シリアル変換手段と、 シリアルデータ化された前記第1のビット列から前記第
    1のドット印刷手段対応するビットデータを選択する
    シリアル−パラレル変換を行い、該第1のドット印刷手
    段にビットデータを設定する第1のシリアル−パラレル
    変換手段と、 シリアルデータ化された前記第2のビット列から前記第
    2のドット印刷手段対応するビットデータを選択する
    シリアル−パラレル変換を行い、該第2のドット印刷手
    段にビットデータを設定する第2のシリアル−パラレル
    変換手段とを有することを特徴とする印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記記憶手段は、前
    記印刷ヘッドの動く方向に対応する前記印刷データの両
    側に空白のダミーデータを備えていることを特徴とする
    印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記第1のドット印
    刷手段は前記第1のラインに沿って奇数番目または偶数
    番目のいずれか一方の前記ビットデータの印刷を行うよ
    うに配置され、前記第2のドット印刷手段は前記第2の
    ラインに沿って前記第1のドット印刷手段と異なる偶数
    番目または奇数番目のいずれか一方の前記ビットデータ
    の印刷を行うように配置されており、 前記パラレル−シリアル変換手段は第1のクロック信号
    によって動作し、前記第1のシリアル−パラレル変換手
    段は前記第1のクロック信号を1/2に分周した第2の
    クロック信号によって動作し、前記第2のシリアル−パ
    ラレル変換手段は前記第2のクロック信号と異なる期間
    に供給される前記第1のクロック信号を1/2に分周し
    第3のクロック信号によって動作することを特徴とす
    る印刷装置。
  6. 【請求項6】 複数のドット印刷手段を備え、紙面上を
    動いて印刷を行う印刷装置において、 前記ドット印刷手段は、印刷ヘッドの動く方向と直交す
    る少なくとも第1および第2のラインに沿って千鳥状に
    配置されており、 記第1のドット印刷手段は前記第1のラインに沿って
    奇数番目または偶数番目のいずれか一方の前記ビットデ
    ータの印刷を行うように配置され、前記第2のドット印
    刷手段は前記第2のラインに沿って前記第1のドット印
    刷手段と異なる偶数番目または奇数番目のいずれか一方
    前記ビットデータの印刷を行うように配置されてお
    り、前記第2のラインに配置された第2の前記ドット印刷手
    段に対し、印刷データの内から前記第2のラインに対応
    する第2のビット列をパラレル−シリアル変換して転送
    し、その後、前記第1のラインに配置された第1の前記
    ドット印刷手段に対し、前記印刷データの内から前記第
    1のラインに対応する第1のビット列をパラレル−シリ
    アル変換して転送するパラレル−シリアル変換手段を有
    し、 前記パラレル−シリアル変換手段は第1のクロック信号
    によって1のシリアル−パラレル変換手段に対し前記
    第2および第1のビット列をこの順番に送り、2のシ
    リアル−パラレル変換手段は前記第1のシリアル−パラ
    レル変換手段を介して前記パラレル−シリアル変換手段
    と接続されており、 前記第1のシリアル−パラレル変換手段は、前記第1の
    クロック信号を1/2に分周した第2のクロック信号に
    よって前記第2のビット列から前記第2のドット印刷手
    段に対応するビットデータを選択して前記第2のシリア
    ル−パラレル変換手段に該ビットデータを転送しさら
    に、前記第2のクロック信号と相の反転した第3のク
    ロック信号によって前記第1のビット列から前記第1の
    ドット印刷手段に対応するビットデータを選択するシリ
    アル−パラレル変換を行い前記第1のドット印刷手段に
    ビットデータを設定し、 前記第2のシリアル−パラレル変換手段は、前記第3の
    クロック信号によって前記第1のシリアル−パラレル変
    換手段から転送されたビットデータを前記第2のドット
    印刷手段に設定することを特徴とする印刷装置。
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