JP3492784B2 - 化粧方法 - Google Patents

化粧方法

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JP3492784B2
JP3492784B2 JP26448894A JP26448894A JP3492784B2 JP 3492784 B2 JP3492784 B2 JP 3492784B2 JP 26448894 A JP26448894 A JP 26448894A JP 26448894 A JP26448894 A JP 26448894A JP 3492784 B2 JP3492784 B2 JP 3492784B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧塗膜が衣服に移ら
ず、メイクをつけたまま洗顔が行えるメイクアップ化粧
料を使用した後に、専用のふきとり化粧料を使用する化
粧方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】本発
明者は、微粒子粉体の凝集力を利用することで、化粧塗
膜が衣服に移らず、メイクをつけたまま洗顔が行えるメ
イクアップ化粧料を得ることに成功した。そして、トリ
メチルシロキシケイ酸、アクリルシリコーンを含む油性
成分をさらに配合することで、よりその性質を強めるこ
とに成功した。
【0003】しかしながら、このメイクアップ化粧料は
従来の洗顔フォームやクレンジング料では落とすことが
できない問題が発生した。そこで、このメイクアップ化
粧料を落とすためのふきとり化粧料を開発する必要があ
った。
【0004】そこで本発明者は鋭意研究した結果、環状
シリコーン、スクワランから選ばれる成分を配合したふ
きとり化粧料を使用することで、容易に化粧落としが可
能であることを見いだした。
【0005】したがって、本発明は、化粧塗膜が衣服に
移らず、メイクをつけたまま洗顔が行えるメイクアップ
化粧料を使用した後に、専用のふきとり化粧料を使用す
ることで化粧落としが可能となる化粧方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、一
次粒子径が5〜350nmの範囲にある微粒子粉体であ
って、白色粉体および有色粉体が含まれていることを必
須とする微粒子粉体一種類以上と油性成分を、環状シリ
コーンを含む溶媒中で、湿式媒体型粉砕機またはローラ
ーミルを用いて上記微粒子粉体の二次凝集体を破壊し
散したメイクアップ化粧料(A)を使用した後に、環状
シリコーン、スクワランから選ばれる成分を配合したふ
きとり化粧料(B)を使用する化粧方法である。
【0007】また、本発明の請求項2は、油性成分とし
て、トリメチルシロキシケイ酸および/またはアクリル
シリコーンが含まれていることを特徴とする請求項1に
記載の化粧方法である。
【0008】以下に本発明の構成を詳説する。本発明の
メイクアップ化粧料で用いる微粒子粉体は、5〜350
nmの範囲の一次粒子径を持つ。微粒子粉体の配合量
は、メイクアップ化粧料100重量部に対して好ましく
は3〜60重量部、さらに好ましくは5〜40重量部で
ある。
【0009】また、本発明のメイクアップ化粧料で用い
る微粒子粉体は、メイクアップ化粧料中に配合される全
粉体重量の15〜100%が好ましく、さらに好ましく
は30〜100%である。さらに、一次粒子径が10〜
100nmの範囲にある微粒子粉体に特定すれば、メイ
クアップ化粧料中に配合される全粉体重量の25〜10
0%の範囲で配合されていることが特に好ましい。
【0010】本発明で用いる微粒子粉体は白色粉体およ
び有色粉体からなる。白色粉体としては、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化珪素(無水珪酸)、
酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫
酸バリウム等が挙げられる。酸化チタンは、ルチル、ア
ナターゼ、アモルファス等の結晶型、非結晶型のいずれ
を用いても構わない。また、有色粉体としては、無機粉
体、有機粉体を問わない。たとえば、黄色酸化鉄、ベン
ガラ、黒色酸化鉄、鉄含有酸化チタン、低次酸化チタ
ン、酸化セリウム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、
チタン酸リチウムコバルト、チタン・酸化チタン焼結
体、銅クロロフィル、ポルフィリン系化合物、金、銀、
白金、カーボンブラック、炭化珪素、有機色素、有機染
料等が挙げられる。
【0011】これらの素材は、それぞれ複合化が行われ
ていても、また酸化アルミニウム、酸化珪素(無水珪
酸)、酸化ジルコニウム等の粉体との複合化が行われて
いても構わない。さらに、シリコーン処理、フッ素化合
物処理、シランカップリング剤処理、アシル化リジン処
理、脂肪酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理等の表面
処理が施してあっても構わないが、活性の強い微粒子粉
体を用いることから、安全性を向上させるためにも、表
面処理もしくは複合化処理が行ってあることが好まし
い。
【0012】これらの微粒子粉体の内、酸化鉄・酸化チ
タン焼結物や色素染着粉体の様な着色粉体は、化粧料中
の色分離が起こりにくいことから好ましい。また、形状
については、強い凝集力が得られる点から球形が好まし
いが、針状、棒状、不定型等の形状であっても構わな
い。
【0013】本発明のメイクアップ化粧料で用いる溶媒
としては、揮発速度と凝集力の関係から、環状シリコー
ン〔オクタメチルシクロテトラシロキサン(4量体環状
シリコーン)〕、デカメチルシクロペンタシロキサン
(5量体環状シリコーン)が好ましい)を含むことが必
要である。ただし、季節によっては、オクタメチルシク
ロテトラシロキサンのみでは揮発速度が早すぎる場合が
あるため、オクタメチルシクロテトラシロキサンとデカ
メチルシクロペンタシロキサンを混合した溶媒が最も好
ましい。
【0014】その他の溶媒成分としては、エタノール、
イソプロピルアルコール等の低級アルコール、イソパラ
フィン、6量体以上の環状シリコーン、テトラメチルテ
トラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、エーテル
類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリド
ン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン等が
挙げられるが、溶媒としての機能を有し、安全性の問題
がなければ特に限定されない。
【0015】また、環状シリコーンを配合した溶媒成分
の配合量は、メイクアップ化粧料100重量部に対して
好ましくは20〜95重量部、さらに好ましくは30〜
85重量部である。
【0016】本発明のメイクアップ化粧料を調製する際
に微粒子粉体と油性成分を溶媒中に強分散する方法とし
ては、強い機械的粉砕力を用いて微粒子粉体を解砕する
方法を用いる。微粒子粉体は通常、二次凝集体を形成し
て安定化しており、粒子間の凝集力は一次粒子単独と比
べて大幅に減少している。化粧料使用時により強い凝集
力を与えるためにこの二次凝集体を破壊しておくことが
必要である。機械的粉砕の手法としては、ローラーミ
ル、または好ましくは連続式で粉砕力の強い湿式媒体
型粉砕機、たとえばペイントコンディショナー、ビーズ
ミル、サンドミル、ダイノミル、マイクロス、ダイヤモ
ンドファインミル等粉砕力の強い装置が挙げられる。湿
式媒体型粉砕機の粉砕媒体としては、たとえばアルミ
ナ、ジルコニア、ガラスビーズ等が挙げられるが特に限
定されない。
【0017】本発明のメイクアップ化粧料では、上記の
各成分以外に従来化粧品に使用されてきた粉体類、油
剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、粘剤、殺菌剤、防腐
剤、酸化防止剤、抗炎症剤、ビタミン類、香料、色素、
染料を配合することが可能である。
【0018】ここで、化粧料に配合される各成分のう
ち、粉体、微粒子粉体、溶媒、色素、染料以外の成分を
まとめて油性成分と呼ぶ。
【0019】粉体類の例としては、ナイロンビーズ、シ
リコーンビーズ、ウレタンビーズ等の樹脂粉体、黄酸化
鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、酸化コバル
ト、群青、紺青、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニ
アム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、雲
母チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、色素、
レーキ色素等が挙げられ、さらにシリコーン処理、フッ
素化合物処理、シランカップリング剤処理、シラン処
理、有機チタネート処理、アシル化リジン処理、脂肪酸
処理、金属石鹸処理、油剤処理、アミノ酸処理等の表面
処理が施してあっても構わない。ただし、セリサイト等
の板状鉱物は、本発明のメイクアップ化粧料の転写防止
効果を低下させ、また色ぐすみの原因ともなるため使用
量を少なくする必要がある。
【0020】油性成分としては、トリメチルシロキシケ
イ酸、アクリルシリコーン、HLB値1〜6のポリエキ
シアルキレン変性オルガノポリシロキサン、HLB値1
〜6のパーフルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共
変性オルガノポリシロキサン、ジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキ
シケイ酸、シリコーン生ゴム、フルオロシリコーン、ワ
セリン、スクワラン、オキシステアリン酸オクチル、エ
チレン・α−オレフィン・コオリゴマー、有機系紫外線
吸収剤から選ばれる成分が配合されていることが好まし
い。
【0021】本発明のメイクアップ化粧料では、微粒子
粉体、樹脂粉体、粉体等の粉体成分と油性成分の配合割
合としては、たとえば粉体成分100重量部に対して、
油性成分が好ましくは1〜100重量部、さらに好まし
くは5〜40重量部である。
【0022】環状シリコーン、スクワランの配合量は、
ふきとり化粧料100重量部に対して、好ましくは20
〜100重量部、さらに好ましくは30〜100重量部
である。20重量部未満では、メイクアップ化粧料
(A)がふきとりにくくなる問題が発生してくる傾向に
ある。特に、本発明のメイクアップ化粧料中にトリメチ
ルシロキシケイ酸および/またはアクリルシリコーンが
配合されている場合には、メイクアップ化粧料の皮膚へ
の付着力が強くなっているため、環状シリコーン、スク
ワランの配合量を増やすことが好ましい。
【0023】環状シリコーンとしては、4量体〜6量体
の環状ジメチルポリシロキサンを用いることが好まし
い。環状シリコーン、スクワラン以外の成分としては、
従来化粧料に使用されてきた各種の成分を使用すること
が可能である。たとえば、溶媒、粉体類、油剤、界面活
性剤、粘剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、抗炎症剤、
ビタミン類、香料、色素、染料を配合することが可能で
ある。
【0024】溶媒としては、低級アルコール、イソパラ
フィン、水等が挙げられる。粉体としては、スクラブ剤
として配合可能なゼラチン、デンプン、樹脂ビーズ、樹
脂粉体、糖類、カゼイン類等が挙げられる。
【0025】本発明の化粧方法では、メイクアップ化粧
料(A)を使用した後に、ふきとり化粧料(B)を使用
する。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
詳細に説明する。本発明で用いる実施例および比較例の
評価方法は以下の通りである。
【0027】評価方法 20〜40歳の女性パネラー10名に、実施例および比
較例で作製したふきとり化粧料を使用させ、ついで洗顔
を行った。洗顔後、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ンをしみこませたコットンを顔面上で擦り、メイクアッ
プ化粧料が残っているか否かを目視確認した。評価は表
1に示す基準に従って行った。結果は各評価状態の人数
を以て評価した。なお、化粧料を使用する前に、ダブル
洗顔を行ってから、皮膚が乾燥した状態でメイクアップ
化粧料を使用し、1時間後に化粧落とし操作を行った。
【0028】
【表1】
【0029】製造例1 表2の処方にて、メイクアップ化粧料(ファンデーショ
ン)を作製した。
【0030】
【表2】
【0031】(製造法)各成分の混合物を、ペイントコ
ンディショナーを用いて強分散した後、密閉容器にステ
ンレスボールと共に充填して製品とした。
【0032】製造例2 表3の処方にて、ふきとり化粧料を作製した。
【0033】
【表3】
【0034】(製造法)各成分を混合し、容器に充填し
て製品とした。
【0035】製造例3 表4の処方にて、ふきとり化粧料を作製した。
【0036】
【表4】
【0037】(製造法)エタノール、精製水以外の各成
分を混合した後、エタノール、精製水を加えて撹拌し、
ついでアルミナボールと共に容器に充填して製品とし
た。
【0038】実施例1 製造例1のメイクアップ化粧料を使用した後、製造例2
のふきとりローションをコットンにしみこませて使用し
た。
【0039】実施例2 製造例1のメイクアップ化粧料を使用した後、製造例3
のふきとりローションをコットンにしみこませて使用し
た。
【0040】比較例1 製造例1のメイクアップ化粧料を使用した後、市販の洗
顔フォーム(環状シリコーン、スクワランを含まない)
を使用した。
【0041】比較例2 製造例1のメイクアップ化粧料を使用した後、市販のジ
ェルタイプクレンジング料(グリセリン配合、環状シリ
コーン、スクワランを含まない))を使用した。
【0042】比較例3 製造例1のメイクアップ化粧料を使用した後、市販の乳
化型クレンジング料(環状シリコーン、スクワランを含
まない)を使用した。
【0043】実施例および比較例について、前記評価法
に従って評価した結果を、表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】表5の結果から、実施例では本発明のメイ
クアップ化粧料を落とすことができるのに対して、各種
の市販品を用いた比較例では本発明のメイクアップ化粧
料を落とすことができなかった。なお、製造例1は化粧
塗膜が衣服に移ることがなかった。
【0046】
【発明の効果】以上のことから、本発明は、化粧塗膜が
衣服に移らず、メイクをつけたまま洗顔が行えるメイク
アップ化粧料を使用した後に、専用のふきとり化粧料を
使用することで化粧落としが可能となる化粧方法を提供
することは明かである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次粒子径が5〜350nmの範囲にあ
    る微粒子粉体であって、白色粉体および有色粉体が含ま
    れていることを必須とする微粒子粉体一種類以上と油性
    成分を、環状シリコーンを含む溶媒中で、湿式媒体型粉
    砕機またはローラーミルを用いて上記微粒子粉体の二次
    凝集体を破壊し分散したメイクアップ化粧料(A)を使
    用した後に、環状シリコーン、スクワランから選ばれる
    成分を配合したふきとり化粧料(B)を使用する化粧方
    法。
  2. 【請求項2】 油性成分として、トリメチルシロキシケ
    イ酸および/またはアクリルシリコーンが含まれている
    ことを特徴とする請求項1に記載の化粧方法。
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