JP3492405B2 - ゲルおよびゲル電気泳動の方法 - Google Patents

ゲルおよびゲル電気泳動の方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】この発明は分子の電気泳動分離のための
マトリックスとしての新規なゲルおよびこれらゲルの用
途に関する。
【0002】
【発明の背景】電気泳動は電界における荷電された種の
異なる移動度に基づきこれら種の分離を行なう方法であ
る。移動度は電気泳動媒質、電界強度、ならびに実効表
面電荷、大きさおよび形状を含むイオン自体の特性に依
存する。金属イオン等の小さな種やウィルス等の大きな
種も電気泳動技術により分離されてきた。しかしなが
ら、電気泳動は現在ではほとんどがたんぱく質、核酸、
およびそれらの誘導体を含む生物学的巨大分子の分離に
利用されている。この方法は通常電気泳動媒質としての
水性ゲル中を分子を移動させることにより行なわれる。
ゲルは天然または合成ポリマーから構成され得る。アガ
ロースが最も広く利用される天然物質でありかつポリア
クリルアミドゲルが最も一般的な合成マトリックスであ
る。ゲルは本質的には垂直と水平の2つのタイプの電気
泳動装置において流される。水平装置では、電極とゲル
との接触は直接的にまたはウィック(Wicks )により成
立し得る。代替的には、ゲルを、電極とゲルとの間の導
電性媒質として作用する緩衝液に浸漬してもよい。この
フォーマットは液中ゲル電気泳動として知られかつ最も
作業が簡単である。液中ゲル電気泳動は核酸の分析に広
く利用されかつアガロースゲルが最もよく使用されるマ
トリックスである。
【0003】たんぱく質および核酸の分析に関して新し
い合成マトリックスが Kozulic他により導入されている
(米国特許出願第328,123号、分析生化学(Anal
ytical Biochemistry 163(1987年)、506−
512、および分析生化学170(1988年),47
8−484)。このマトリックスは、アクリルモノマー
である、N−アクリロイル−トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン(NAT)系のものである。ポリ(N
AT)ゲルはポリアクリルアミドゲルに比べ多孔性が勝
るが、アガロースゲルよりは劣ることがわかっている。
ゲルは約50から数千塩基対の範囲の大きさのDNA分
子の分離に特に適していた。しかしながら、 Kozulic
(PCT/EP92/00363)に記載されるとお
り、(同文献についてはここに引用により援用する)、
液中ゲル電気泳動モードで泳動を行なったポリ(NA
T)ゲルにおけるDNAの分解能は垂直方式のものより
も劣っていた。次に、驚いたことには、液中ゲル中分離
されたDNAのバンドは曲がっており、垂直軸から傾斜
していることが観察された。このような屈曲は分解能に
ついて良い影響を与えず、というのもゲル上に置かれた
カメラで作られるゲルの記録上では、分離されたバンド
は広くかつ拡散しているように見えるからである。この
屈曲の原因はほとんどがゲルのイオン組成と、電気泳動
緩衝液に関係していた。この屈曲は上述の文献に開示さ
れるようにゲルのイオン組成を調節することによりなく
なるかまたは多大に低減され得る。この調節は総モノマ
ー濃度、電気泳動緩衝液またはゲルの寸法をかなり変え
るたびごとに行なう必要がある。これら3つの変数はあ
る大きさの範囲にわたっての分解能を改善するために実
験研究においてはよく変更されるものなので、異なるゲ
ル濃度および寸法でDNAのバンドの屈曲の悪影響を受
けずに、数千塩基対までの範囲で良好なDNA分解能を
出すことができるゲルがあれば、かなりの作業量が省か
れ得ることは明らかである。
【0004】約0.6から1%のポリマーを含むアガロ
ースゲルが数千から数万の塩基対の範囲の大きさのDN
A分子の分離に適している。この大きさの範囲はプラス
の電界電気泳動により数百万塩基対まで延ばすことがで
きる( Cantor 他の Ann. Rev. Biophys. Biophys. Che
m.)17(1988年)287−304)。先行技術で
周知のとおり、より小さいDNA分子では良好な分解能
を得るのにより高いアガロース濃度が必要である。しか
しながら、より濃度の高いアガロースゲルはアガロース
溶液の粘性が高いために調製が難しい。さらに、ゲルが
不透明であるために分離されたバンドを見ることが難し
い。Guisely の米国特許第3,956,273号に開示
されるとおり、アガロースの水酸基を誘導することでア
ガロース溶液の粘性およびゲルの不透明性が低減され
る。このようにヒドロキシエチル化されたアガロース誘
導体は商標名シープラク(Sea-Plaque)およびヌシーブ
(NuSieve )(FMC社)で知られる商業的に入手可能
な製品である。ヌシーブアガロースは約2から8%の濃
度のポリマーで典型的に使用されかつこのアガロースに
おいて小さいDNAの分解能が向上したことが報告され
ている(DumaisおよびNochumson 、BioTechniques 、5
(1987年)62)。しかしながら、ポリ(NAT)
ゲルの場合よりもその程度は下がるものの、ポリマーを
4%しか含まないヌシーブアガロースゲルにおいても分
離されたDNAバンドは曲がっていた(Kozulic 、PC
T/EP92/00368)。この屈曲はゲルのイオン
組成を調節することにより低減することができるが、上
に述べたとおり、そのような調節を必要としないゲルを
得ることが好ましいと考えられる。
【0005】上記の屈曲作用はいくつかの要素により影
響を受けるが、ほとんどが電気泳動緩衝液とその緩衝液
に浸漬されるゲルとの導電性の違いに関連していた。こ
のような導電性の違いは緩衝イオンの移動に対するゲル
ポリマーの抵抗により引起こされる。この抵抗およびひ
いては導電性における違いはおそらくはゲルのポリマー
濃度を下げることにより低減されるかもしれない。しか
しながら、先行技術においてはポリマーの濃度を下げる
ことでより小さい生体分子の分解能が犠牲になることを
示す多くの報告がある。たとえば、小さいDNA分子の
最適分解能を得るには8−9%のポリマー乾燥重量まで
の誘導アガロース濃度の増加が必要である( Dumais お
よびNochumson ,BioTechniques 、5(1987年)6
2)。またたんぱく質の分解能の改善はまずアガロース
を部分的に脱重合させかつその後ポリマーの含有量がお
よそ5−6%のゲルを調製することで達成され得る点に
留意されたい(Nochumson 他、PCT/US90/00
184)。
【0006】小さい生体分子の分解には高いポリマー濃
度のゲルが必要であるとする考え方はゲル電気泳動の拡
張オグストン( Ogsten )モデルに基づく理論により支
持されている。このモデルはゲルを繊維のでたらめな網
目ととらえて、巨大分子の電気泳動移動度がその巨大分
子が進入することができるゲルの孔の体積分率に比例す
ると述べている(Rodbard およびChrambach 、Proc. Na
tl. Acad. Sci.USA65(1970年)907−97
7および Tietz、 Adv. Electrophoresis 2(1988
年)109−169)。このモデルはまた移動する分子
とゲル繊維との間には接触がないと仮定する。測定され
た電気泳動移動度μは半径Rの移動する分子の溶液にお
ける自由移動度μo およびゲルパーセントT、ゲル繊維
の全長l′、および繊維の半径rに関連し得る。
【0007】
【数1】
【0008】この式はRodbard とChrambach (Proc. Na
tl. Acad. Sci.65(1970年)970−977)の
式25に対応する。この式から、Kraが減少すると、
すなわちDNAフラグメントaのサイズが小さくなる
と、フラグメントaおよびbの分解に必要なゲル濃度T
が増大することがわかる。しかしながら、上記のとお
り、高いポリマー濃度のゲルが液中電気泳動モードで泳
動が行なわれると、分離されたバンドが曲がる。したが
って、先行技術からは、分離されたバンドの屈曲を制御
するため、ゲルイオン組成の必要な調節を行なわずに液
中ゲル電気泳動による最適分解能を達成することは不可
能のように思われた。
【0009】拡張オグストンモデルは、イオンの半径R
が0でも、遅延係数は0より大きいので大変小さなイオ
ンもゲル内で遅延されることを教示する(式1)。しか
しながら、この式から、あるとしても、どの最小ゲル濃
度で緩衝液イオンの移動に対する抵抗が、ゲルと緩衝液
との導電性の違いがバンドの屈曲にあまり影響を与えな
い程度まで小さくなるかは予測できない。低いパーセン
テージのアガロースゲルにおける小さいサイズの巨大分
子の分解が劣ることが知られているので、合成ポリマー
を含むそのようなゲルがあるかどうかを見つけ出そうと
して実験が行なわれた。実際には、合成ゲルの最も低い
作用可能な濃度はその機械的安定性により決定され、こ
の安定性は低濃度の開始モノマー溶液の重合効率にほと
んど依存する。このことはアクリルアミドのみならず K
ozulicおよびHeimgartner の米国特許出願第293,8
40号および第696,696号に開示される他の多く
の親水性および両親媒性のゲルに当てはまる。これらの
文献についてはここに引用により援用する。実際的に最
も低いゲルの濃度は多くの場合4%前後である。4%の
ゲル中でバンドの屈曲が依然としてわかるので( Kozul
ic, PCT/EP92/00368)、これよりも低い
パーセンテージのゲルを調製する方法を見つけることが
重要であると思われた。先行技術の多くのゲルは2つの
ビニル二重結合を有する架橋剤の存在下に重合された
が、架橋剤が多数の二重結合を有するポリマーである場
合もあった。この架橋剤はアクリルエイド(Acryl Aid
e)(FMC社の商標)として知られるアリルグリシジ
ルエーテル(Nochumson の米国特許第4,504,64
1号)で置換したアガロースポリマーであった。機械的
により安定した低いパーセンテージのゲルが望ましいの
で、そのようなゲルを得る試みとしてアクリルエイド
(商標)アガロースポリマーを共重合化の前にその水酸
基を介して架橋した。単一の大きくて枝分かれした架橋
されたビニルアガロースポリマーが、重合化の際に重合
化するモノマーから形成される多くの鎖を架橋しかつし
たがってマトリックスの機械的な安定性と小さい生体分
子の分解を改善すると考えられた。最初の実験では、6
%のポリ(NAT)ゲルが異なる量の架橋されたビニル
アガロースで重合された。結果として得られたゲルの透
明度と機械的強度は標準的なもののようであった。電気
泳動の際のブロモフェノールブルートラッキング染料の
移動速度は正常なものであった。しかしながら、全く予
想に反して、DNA分子の分解は、架橋ビニルアガロー
スの量が増えるとともに次第に失われて、ある架橋剤濃
度では分解は全くなくなった。驚くべきことに、DNA
フラグメントが対照ゲルにおけるものと本質的に同じ距
離を移動した際でさえ分解は失われた。より高い架橋剤
の濃度では分解の損失に加えて移動速度が減少した。分
解の損失は低い分子重量範囲でまず発生した。
【0010】上記の実験データの重要性は実際的には限
られたもののように思われるが、ゲルにおける巨大分子
の電気泳動のための新たなモデルの開発への手掛りであ
った。そのモデルについて以下に記載する。ゲルはラン
ダムに分布したポリマー鎖および水を含むブロックとみ
なす。ポリマー鎖は長さに応じた異なる動きの自由度を
有している。動きの自由度が高い領域は低い動き自由度
の点により分離され、この点が合成ゲルにおける架橋点
に対応する。透明のゲル内には決まった形状または大き
さの孔はない。したがって、電界中を泳動し始める前に
巨大分子が入ることのできる規定された空間または容積
は存在しない。ひとたび移動を開始すると、巨大分子は
ポリマー鎖を押して占有する空間を作り出す。巨大分子
ははっきり分かれたステップで経路に沿って移動し各ス
テップごとに1つのゲル層を通過する。ゲルの層は移動
する分子の方向に直角をなすゲルの断面として定義す
る。ゲルの層はポリマー鎖の半径よりも厚いが、移動す
る巨大分子の半径または長さよりは薄い。したがって、
移動する分子は第1の層を完全に通過する前に第2の層
に遭遇し得るが、その移動に対する抵抗は第2の層によ
ってのみ与えられる。このモデルには、巨大分子が層を
通過し得る2つの方法がある点が重要である。すなわ
ち、分子は途中にポリマーの動き自由度が高い領域に遭
遇するとポリマー鎖を押しのける。このようにして巨大
分子は層に「扉」をあけることになる。途中にポリマー
の動き自由度が低い領域に遭遇すると、巨大分子は層を
変形させて開口を形成する。この開口は1つまたは2つ
以上のポリマー鎖が終る場所またはポリマー鎖がより少
なく架橋されるか絡まっている場所に作られる。巨大分
子はこうして層の中に「廊下」を作り出す。1つの層に
「廊下」を作り出した後上下少なくとも1つの層のいく
つかのポリマー鎖の位置が変えられる。移動する巨大分
子が次の層で類似する場所に遭遇した場合、分子は再び
廊下をあける。これらの2つの「廊下」がつながれて1
つの廊下になりかつひいては同じ「廊下」がいくつかの
層にわたってつながることも可能である。
【0011】巨大分子が層を通過する途中にもっぱら
「扉」をあけるかまたは「廊下」をあけるかは、完全に
2つの力のバランスに依存する。層に対し作用する第1
の力とは界面動力でありかつこれは電界中を移動するす
べてのマクロイオンにより出される。この力は層を含む
ポリマー鎖の抵抗により対抗される。ポリマー鎖はそれ
らの配列におけるいかなる変化に対しても抵抗を示し、
というのもゲル形成の間にそれらがエネルギ的に最も好
ましい位置を得ているからである。ポリマー鎖の抵抗に
対する界面動力が低い場合には「廊下」がもっぱら形成
されることになる。2つの力が類似する大きさである場
合には、開口の一部が扉となりかつ一部が「廊下」とな
る。界面動力と抵抗の比が大さい場合には、層における
開口はもっぱら「扉」となる。
【0012】時間的に見ると、「扉」の形成は「廊下」
の形成よりも速い、というのも移動する巨大分子にとっ
ては多くのポリマー鎖からなるゲル層の一部を変形させ
ることよりも1つ以上のポリマー鎖を押しのけて開口を
形成する方が速いからである。一定の電荷対サイズ比を
有するDNAフラグメントの場合には、フラグメントが
長いほど生じる力は強くなるが、移動の速度は遅くな
る、というのもこれらが作る開口はほとんどが「廊下」
になるからである。巨大分子が層を通過する途中に
「扉」と「廊下」の双方をあける場合には巨大分子の分
解は良好であると考えられる。分子が「扉」のみまたは
「廊下」のみをあける場合にはほとんど分解が起こらな
いかまたは分解が皆無であるが、ゲルの構造は、巨大分
子が「廊下」をあけることができるようにする必要があ
る。したがって、異なる層のポリマーが「廊下」をあけ
るのに十分に位置を変えられ得るような態様に接続され
る必要がある。異なる層のポリマー鎖が上に述べたもの
のような大きい枝分かれした架橋剤で接続される場合に
は「廊下」があけられ得ず分解も起こらない。
【0013】新しいモデルでは、いくつかの分子がほと
んどの層に「廊下」をあけ、「扉」と「廊下」の双方を
あけるものよりも速く移動するであろうと予測する、と
いうのも1つの「廊下」はいくつかの層にわたることが
可能で、そのような分子は1つのステップでこれらの層
を通過し得るからである。言いかえれば、あるゲルにお
いては、低い電界強度でもより大きい分子がより小さい
分子よりも速く移動し得る。この予測を裏付ける例をこ
こに提示する。ビス(Bis )で架橋された標準6%ポリ
(NAT)ゲル中では7V/cmで単向性電界において
23kbpDNAフラグメントが9.4kbpフラグメ
ントよりも速く移動したことがわかった。この結果は拡
張オグストンモデルでは説明がつかない、というのも式
1によれば大きな分子が常に高い遅延係数を有しており
かつしたがって、移動がより遅いからである。さらに、
上記の結果は、ある大きさを上回るDNA分子は均一な
電界中では同じ速度ですべて移動するのでこれら分子の
分解が失われると述べている、DNAゲル電気泳動の繰
り返しモデルに合致しない(Lumpkin 他のBiopolymers
24(1985年)1573−1593)。先行技術に
おいて報告された、説明の難しいまたは説明の不可能だ
った多くの実験による発見は本明細書中に提示するモデ
ルにより説明がつくが、それは本筋から外れる。
【0014】先行技術では、より速いまたはより遅い電
気泳動は一般により高いまたはより低いゲルの多孔性に
関連していた。本明細書中に提示するモデルは、孔が存
在していないので透明のゲル中では巨大分子が孔を通っ
て移動しないことを記載しているが、「多孔性」および
「有効多孔性」という用語を先行技術に報告される結果
との対比をより容易にするためにここで使用することに
する。もう1つの理由は、先行技術の多くの報告には使
用されたゲルの透明度ついての言及がないからである。
【0015】上記のモデルは合成ポリマーを含むゲルで
得られた実験データに基づいていた。新しいモデルをよ
りよくするためには、天然ポリマーを含むゲルを使用し
た根拠となる結果を得ることが望ましかった。架橋され
たビニルアガロースポリマーを上記の重要な実験におい
てゲル成分として使用したので、架橋されたアガロース
ゲルが同じような行動すなわち架橋の後に分解が劣化す
ると考えることが妥当と思われた。アガロースポリマー
が高温で溶解しかつ冷却することで電気泳動に適したゲ
ルを形成することは広く知られている。架橋反応が、ア
ガロースポリマーが依然として完全に溶液状態にある温
度で行なわれた場合、ゲルが形成されると、結果として
形成されたゲル中に「廊下」があかないような態様で架
橋することが考えられた。この仮説を確証するために、
1%アガロース溶液中にエピクロロヒドリンと水酸化ナ
トリウムとを添加してその混合物を45℃と65℃でイ
ンキュベートした。架橋剤を加えない対照アガロース溶
液はこの2つの温度のいずれでも取扱い可能なゲルの状
態まで凝固しないことが観察されたが、エピクロロヒド
リンの存在下では、その双方の温度でゲルが形成され
た。驚くべきことに、標準1%アガロースゲルの特徴的
な不透明性とは対照的に、双方のゲルともに完全に透明
であった。DNAフラグメントの電気泳動は65℃、特
に200−600bp範囲で架橋されたゲル中では劣っ
た分解しか示さなかった。しかしながら予想に反して4
5℃で架橋したゲル中では同じ条件下で電気泳動を行な
ったところ同じ200−600bp範囲において大変良
好なDNAフラグメントの分解が見られた。この驚くべ
き結果がえられたので、他の架橋剤および架橋条件をテ
ストすることが妥当であった。上記の実験の一般的な特
徴は一定したままであった、すなわちゲルの形成と架橋
反応は溶解したアガロースの水溶液中で同時に進行し
た。ゲルは常に連続する吸着床の形であった。さらに、
架橋剤はポリマーの水酸基と反応して荷電基をゲル中に
取入れることなくエーテル結合を形成した。
【0016】いくつかの異なる架橋されたアガロース誘
導体が先行技術において知られている。 Ghetie の米国
特許第3,507,851号はエピクロロヒドリンでア
ガロース粒子を架橋することを開示する。 Porath 他の
米国特許第3,959,251号および英国特許1,3
52,613号は還元剤の存在下にいくつかの二価性試
薬で架橋することによりアガロースビーズを安定させる
ことを開示する。結果として得られるビーズはより剛性
で、クロマトグラフィーのためにカラムにパックされた
際にはより高い流量を示した。 Ghetie と Porath の方
法および生産物は本件に示されるものとは明らかに相違
する。すなわち、架橋反応はゲルが形成された後に行な
われてかつ結果として得られた生成物は粒子の形であ
る。
【0017】プレート形状の架橋されたアガロースゲル
も知られている。すなわちHonkanenの米国特許第3,8
60,573号は塩化アシル、塩化スルホニル、および
イソチオシアナトから選択された2つの等しい官能基を
含む二価性試薬で架橋したアガロースゲルを開示する。
架橋反応は懸濁されかつ溶解していないアガロースポリ
マーで有機溶媒中で行なわれた。上に述べた官能基を有
する化合物は水と素早く反応するので、この反応は水中
ではうまく行なわれなかった。二価性試薬で形成された
結合はエステル、スルホン酸またはチオカルバメートで
あった。さらに、1つの官能基を通してのみ反応した架
橋剤分子もあったはずで、他の官能基はゲルを水と接触
させた際に加水分解した。この副作用でカルボン酸基お
よびスルホン酸基といった荷電基がマトリックス中に取
込まれた。上記の違いにより、Honkanenの方法および生
成物はここに開示する本件のものとはかなり相違する。
【0018】多糖ゲルの処理のためのもう1つの方法は
Tixierの米国特許第3,956,272号に開示される
ような2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジ
ンの溶液中に多糖ゲルを懸濁または溶解させるステップ
を含む。結果として得られる強化されたゲルはプレート
の形状になり得る。 Tixier の方法に関しては、開始架
橋剤のトリアジン環がアガロースマトリックス中に取込
まれる点に留意されたい。さらに、3つの架橋剤塩素原
子の各々がアガロースの水酸基または水のいずれかと反
応する可能性があった。したがって、取込まれたトリア
ジン分子のいくつかがシアヌル酸誘導体すなわち最初に
塩素に結合される炭素原子で1つまたは2つの水酸基を
含む化合物に転換されることは避けられない。これらの
水酸基は低いpK値を有していることが知られておりか
つこれらは高いpHで荷電される。さらに、各トリアジ
ン環は3つの窒素原子を含んでおりかつ第3アミンとし
てトリアジンは低いpHでプロトン化されることにな
る。したがって、 Tixier の架橋反応はゲル中に荷電さ
れた化学基を導入する。
【0019】Honkanenと Tixier は、架橋されたアガロ
ースゲルが電気泳動のための媒質として使用され得る点
を報告している。これらのマトリックスの特性に関して
は、Honkanen は、大きい分子(たんぱく質)の動きは
架橋されたアガロース中でより急速であり、これが架橋
反応による有効多孔性の増大を示していると考えられる
点を教示する。 Tixier は処理されたゲルがふるい分け
および分解指数については処理されていないゲルと本質
的に同じ特徴を有していたことを開示する。 Tixier の
結果は Porath の報告に合致する(J. Chromatogr.10
3(1975年)49−62)、 Porath は架橋された
アガロースビーズがその多孔性を変化させないことを発
見した。したがって、本明細書中に開示する架橋された
ゲルにおいて観察された大きいたんぱく質分子および中
くらいの大きさのDNAの移動の減少と劇的に改善され
た分解とは全く予期されていない。さらに、本願のゲル
の透明度の改善は驚くべきほどで、というのも Honkane
n または Tixier のいずれもゲルの不透明性が架橋で変
化した点については述べていないからである。
【0020】先行技術ではまた誘導されたアガロースを
含む電気泳動ゲルも知られている。すなわちGuisely の
米国特許第3,956,273号と Cook の第4,31
9,975号は多くの誘導されたアガロースポリマーを
開示する。誘導反応の後、ポリマーは精製されかつ乾燥
される。電気泳動用のゲルを形成するため、乾燥粉末粒
子が熱湯に溶解されて、この溶液が冷却される。修飾試
薬のほとんどは単官能性であったが、二価性試薬を用い
ることもできる。しかしながら、Guisely は二価性試薬
のアガロースに対する比および誘導条件は、ポリマー鎖
が架橋されないようにする必要があると教示している、
その理由は、さもなければ結果として得られる生成物は
後の電気泳動ゲルの調製段階で必要な再溶解ができない
可能性があるからである。したがって、Guisely と本願
の方法は共通する架橋剤であるエピクロロヒドリンを使
用するが、本願の方法では架橋剤反応と電気泳動用ゲル
の形成が同時に行なわれかつ架橋剤のアガロースに対す
る比率がずっと高いので、これら2つの方法は相違して
いる。このような相違により異なる生成物が得られるの
で、本願の生成物はとりわけ水不溶性であるという特徴
を有し、一方Guisely と Cook のアガロースゲルは加熱
で再溶解し得るという特徴を有する。
【0021】先行技術には、アガロースゲルの特性を変
えるほかの方法も知られている。たとえば、電気浸透は
アガロースを他の多糖と混合することによりなくすこと
ができ(米国特許第4,290,911号)、LDHイ
ソ酵素分解能は酸性多糖の添加により改善することが可
能で(米国特許第4,321,121号)、かつゲルの
多孔性はゲル化の際の塩勾配を利用して連続的に変化さ
せるこが可能である(米国特許第5,009,759
号)。
【0022】上述のゲルはアガロースポリマーを含んで
いた。これらのポリマーはアルファ1−4結合で結合さ
れかつしたがって線状ポリマーを形成するD−ガラクト
ースおよび3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースから
構成される。枝分かれした多糖ポリマーも広く知られて
おり、かつそのいくつかは電気泳動用のゲルの調製に使
用されている。すなわち、デンプンから作られるゲルが
電気泳動用の最も古い媒質の1つである。Soderberg の
米国特許第4,094,832号に開示されるとおり、
誘導されたデキストランポリマーも電気泳動用ゲルの成
分として使用され得る。デキストランポリマーは、グル
コースユニット中の水酸基が二重結合を含む官能基で置
換されるような態様で化学的に修飾されていた。これら
の二重結合が小さな分子重量のモノマーと重合または共
重合した際に遊離基重合によりゲルの形成が発生した。
Soderberg は電気泳動用ゲルを製作するためにデキスト
ラン鎖を小さな架橋剤と架橋する可能性について述べて
はいるが、拡散によって架橋反応の副産物を取除くのに
数ヵ月もかかることからこの可能性は非現実的であると
思われる。このことは垂直スラブまたはチューブゲルに
も当てはまるが、これらゲルの上側がオープンでかつ拡
散経路が短いために液中ゲル電気泳動のためのゲル中で
は副産物は素早く除去される。Soderberg から、副産物
の除去のための実際的な方法が見つかるとすれば、架橋
されたデキストランからなるゲルが電気泳動に適してい
ると思われる点が推論され得る。しかしながら、以下に
述べるとおり、この枝分かれした多糖からなるゲルは不
適当であることがわかった。
【0023】
【発明の目的】この発明の目的は小さい生体分子の分解
能を改善する電気泳動ゲルを提供することである。
【0024】この発明のもう1つの目的はゲル中で分離
したバンドが屈曲しない低ポリマー濃度の電気泳動ゲル
を提供することである。
【0025】この発明のさらなる目的は光学特性が改善
した電気泳動ゲルを提供することである。
【0026】この発明のさらにもう1つの目的はこの発
明のゲルを電気泳動用媒質として使用する新規な方法を
提供することである。
【0027】この発明の他の特徴および利点は添付の図
面とともに以下の記載を読むことにより、より明らかに
なることであろう。
【0028】
【発明の説明】高いポリマー濃度で泳動用緩衝液と同じ
緩衝液を含む液中電気泳動ゲル中では分離した種を表わ
すバンドが曲がる。この屈曲作用は電気泳動緩衝液とそ
の緩衝液中に浸漬されるゲルとの間の電流密度/導電率
の比における違いに関連する(Kozulic 、PCT/EP
92/00368)。この違いは、ポリマー鎖の緩衝
液イオンの移動に対する抵抗とおそらくはゲルと緩衝液
中のイオンの相対的移動速度の変化により存在する。抵
抗およびひいては導電性における違いはゲルのポリマー
濃度を下げることにより低減され得る。適当にポリマー
濃度の低い合成ゲルが存在するかどうかを見出すため、
新しい巨大分子の枝分かれした架橋剤を、この架橋剤
が、重合の際に重合するモノマーから形成される多くの
鎖を架橋結合することによりゲルの安定性と分解能を向
上させることを仮定して調製した。この架橋剤およびこ
れで架橋されるゲルの調製については例1に記載する。
図1は枝分かれした架橋剤の含まれる濃度を上げたゲル
中のDNA制限フラグメントの分離を示す。枝分かれし
た架橋剤に加えて、各ゲルは、そこから枝分かれしたも
のが調製される線状ポリマー架橋剤を含んでいた。2つ
の架橋剤の総重量はすべてのゲルにおいて一定であっ
た。図1からわかるとおり、既に少量の枝分かれした架
橋剤が低い分子重量の範囲では分解を妨げておりかつ分
解能の損失は枝分かれした架橋剤比が高いところではよ
り顕著である。より大きいフラグメントの間では分解は
徐々に悪化しかつ分解能は枝分かれした架橋剤のある量
で完全に失われる。枝分かれした架橋剤で架橋されたゲ
ルは本質的には線状架橋剤のみを含むゲルと同じくらい
透明であった。
【0029】図1に示す結果は、巨大分子が移動してい
く際にゲルの層を変形させることを述べるゲル電気泳動
の新しいモデルにより説明することができる。枝分かれ
した架橋剤はゲル層の変形に干渉されるので分解能が失
われる。新しいモデルを裏付けるもう1つの結果が図2
に示される。図2は6%ポリ(NAT)ゲル中での2.
0から23kbpの範囲の様々な大きさのDNAフラグ
メントの二次元電気泳動を示す写真である。第1の次元
では、DNA分子は2V/cmで32時間流され、その
後ゲルは90度回転させられて、電気泳動は7V/cm
で5時間続けられた。2V/cmでDNAフラグメント
の移動順序は予想されたとおりであった、すなわち最大
のフラグメントが最も短い距離を移動したのである。し
かしながら、7V/cmでは最大のフラグメント(23
kbp)がその次に大きいフラグメント(9.4kb
p)よりも速く移動した。この実験結果はゲル電気泳動
の拡張オグストンモデル改良型または反復モデルでは説
明ができない。
【0030】例1で使用した枝分かれした架橋剤はアガ
ロースの誘導体であった。ゲル電気泳動のこの新しいモ
デルをより確実なものにするため、誘導されていないア
ガロースポリマーが、枝分かれしたビニル架橋剤の調製
に使用される同じ架橋剤エピクロロヒドリンで架橋され
た。架橋剤対アガロース比はビニル−アガロースポリマ
ーを架橋するのに使用したものと本質的に等しくした。
架橋反応は、アガロースポリマーが広い温度範囲でゲル
形態と平衡状態にあるため、様々な温度で行なった(F
MCソースブック)。こうして、水酸化ナトリウムとエ
ピクロロヒドリンを1%アガロース溶液に添加した後、
この混合物を45℃と65℃でインキュベートした。対
照として、エピクロロヒドリンを含まずかつ水酸化ナト
リウムを加えたアガロース溶液を同じ温度でインキュベ
ートした。一晩インキュベートした後、対照アガロース
溶液を調べたところ2つの温度いずれのものも取扱い可
能なゲルには凝固していなかったが、エピクロロヒドリ
ンの存在下ではゲルは双方の温度で形成されていた。標
準1%アガロースゲルの特徴的な不透明性に比べて、架
橋されたゲルは完全に透明であった。DNAフラグメン
トの電気泳動の後、65℃で架橋したゲル(図3)にお
いては、特に200−600bp範囲で分解能は劣って
いた。予想に反して、45℃で架橋したゲル中で同じ条
件下で電気泳動を行なったところ同じ200−600b
p範囲(図4)でDNAフラグメントの大変良好な分解
が得られた。このような驚くべき結果が得られたので、
図4に示されるゲルが例外的なものなのか、または高い
分解能の電気泳動に同じように適したゲルを生じる他の
架橋剤、ポリマーおよび架橋条件が存在するかについて
検証するため他の架橋剤および架橋条件をテストするこ
とが妥当であった。最初の架橋実験の一般的な特徴は一
定したままであった、すなわちゲルの形成と架橋反応は
溶解したポリマーの水溶液中で同時に進行した。ゲルは
常に連続するベッドの形態であった。さらに、架橋剤は
ポリマーの水酸基と反応して荷電基をゲル内に取込むこ
となくエーテル結合を形成した。
【0031】ポリマーを含む多くの水酸基およびこれら
水酸基と反応してエーテル結合を形成することができる
多くの架橋剤が存在する。ポリマーは合成または天然由
来のものでよく、かつ典型的なものにはポリビニル・ア
ルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルセルロース、寒天、アガロース、ゲラン、プル
ラン、デンプンおよびデキストランが含まれる。ヒドロ
キシエチル・セルロースのようなポリマーは粘性水溶液
のままであるが、アガロースのように熱可逆性ゲルを形
成するものもある。適切な架橋剤は同じまたは異なる反
応性の官能基を有してよく、かつ典型的な例にはビス−
エポキシド、ハロ−エポキシド、ビス−ハロアルカン、
ビス−ハロアルコール、アルカンジオールビス−アルキ
ルまたはアリールスルホネートおよびジビニル−スルホ
ンが含まれる。架橋剤の反応基は異なるタイプでもよい
が、ポリマーからの水酸基との反応の後双方の基からエ
ーテル結合を形成する必要がある。ここで言及しなかっ
た他のポリマーおよび架橋剤についても使用できる。
【0032】本願のゲルは、水酸基含有ポリマーを、エ
ーテル結合を介してポリマー鎖を結合することができる
架橋剤と反応させることにより形成される。このように
形成されるゲルの特性は特定のポリマーおよび架橋剤の
みに依存するのではなく架橋条件にも依存する。この事
実については既に示した(図3−4)が、以下にさらに
説明する。架橋条件を選択する際に考慮する必要がある
いくつかの重要な要素がある。すなわち反応の際にはポ
リマーは安定している必要があり、すなわち存在すれば
他の官能基が不特定に影響されないようにする必要があ
る。たとえばビスエポキシドは酸性および塩基性条件下
の双方で水酸基と反応するが、ポリマーが多糖の場合、
多糖におけるグリコシド結合は低いpHでは安定ではな
いので、塩基性pHで架橋反応を行なう必要がある。さ
らに、架橋反応は、架橋剤の官能基との反応の後ゲル内
に荷電基を導入するような化合物なしで行なう必要があ
る。特に、アミンを避ける必要がある。この原則の例外
があるとすれば、開始ポリマーがわずかに荷電されてお
りかつマトリックスのプラスとマイナスの電荷の平衡を
とるためゲル中に少数の逆の電荷が導入される必要があ
る場合であり、この理由については米国特許第4,31
2,739号に開示されている。架橋反応の際に所望で
あれば、水酸基を有する化合物または反応基を有してい
ない化合物が存在してもよい。
【0033】本願の教示によれば、架橋反応は水中で行
なわれるので、架橋剤に存在する反応基の加水分解は避
けられない副作用である。この副作用については詳しく
考慮する必要がある。エピクロロヒドリンを架橋剤とし
て考えると、1つの水分子との反応で、塩化物が置換さ
れるかエポキシドが開かれるか否かに依存してグリシド
ールまたは3−クロロ−1,2−プロパンジオールが得
られる。双方ともに、もう1つの水分子との反応はグリ
セロールを生じることになる。グリセロールと3−クロ
ロ−1,2−プロパンジオールもポリマー水酸基と反応
し得る。そのような反応の後はポリマー鎖の架橋は起こ
らず、代わりにポリマーがグリセロール(プロパン−
2,3−ジオール)部分で置換されることになる。ポリ
マー上のこのグリセロール部分がエピクロロヒドリンと
反応可能でかつひいてはポリマー鎖の架橋に加わる。代
替的には、ポリマーグリセロール部分がもう1つのグリ
シドールまたは3−クロロ−1,2−プロパンジオール
分子と反応して、それにより置換基の長さを伸ばし得
る。さらに、グリシドールまたは3−クロロ−1,2プ
ロパンジオールがエピクロロヒドリン分子と反応して新
たな架橋剤を形成する可能性がある。この新たな架橋剤
中の官能基は間隔が離れておりかつしたがって新たな架
橋剤は単一のエピクロロヒドリン分子で架橋するには離
れすぎているポリマー上の2つの水酸基と反応すること
ができる。さらに、形成されたグリセロールが、3つの
官能基で新規な架橋剤を形成する3つのエピクロロヒド
リン分子と反応し得る。他の多官能性架橋剤の形成につ
ながる類似する反応は処方が容易である。このような化
合物の形成については既に示唆したが、ポリマー水酸基
がエピクロロヒドリン由来のこれら二次的な架橋剤を介
してもっぱら反応することが指摘されている(EP0
203 049B1)。
【0034】上記の反応にはいくつかの重要な結果が生
じる。すなわち架橋の長さは分子間であれ分子内であ
れ、一定ではなくかなり変化する。さらに、開始架橋剤
が二価性のものであった場合でもそれが2つのポリマー
水酸基のみがすべての架橋に加わることを意味していな
いことは明らかである。単一の新たに形成された多官能
性架橋剤が2つだけではなく3つ以上の水酸基すなわち
2つ以上のポリマー鎖を架橋するかもしれない。先行技
術においては、三官能および四官能架橋剤が知られてお
り(EP 0 132 244 B1)、かつ所望であ
ればこれらを開始架橋剤として使用してもよい。
【0035】上記の考察より、ゲル構造がポリマーおよ
び架橋剤由来のユニットを含んでいることは明らかであ
る。架橋剤由来のユニットはヘテロジニアスであり、す
なわちサイズおよび構造が様々である。これらのユニッ
トは長いものも短いものもありかつ枝分かれしていたり
または線状のものである可能性もある。ゲルの特性は架
橋点の数にのみ依存するのてはなく架橋の大きさおよび
構造にも依存する。ポリマー鎖上では架橋ではない置換
基が存在することは避けられない。架橋および置換基な
らびにその大きさおよび構造の相対比率は開始ポリマー
/架橋剤比、架橋のタイプならびに温度、pHおよび反
応時間を含むいくつかの変数に依存する。架橋反応およ
びこれに伴うゲルの形成の複雑さゆえ好ましい特性のゲ
ルを生じる正確な実験条件を予測することは難しい。こ
のようなゲルは反応パラメータを系統的に変化させるこ
とによってのみ得られ得る。
【0036】本願を実施する際には、ゲルの特性に大き
な影響を及ぼすいくつかの重要なパラメータがある。す
なわち、開始ポリマーの選択は大変重要である。水酸基
を有する合成または天然ポリマーを使用することが可能
である。合成ポリマーは通常より化学的に安定しており
かつ微生物の攻撃により抵抗があり、この特徴がゲルを
長い期間保管する場合には重要かもしれない。一方、合
成ポリマーは天然のものよりも疎水性が高い傾向にある
ので、生体分子の電気泳動分離が電荷と大きさにのみ基
づいている場合には、天然ポリマーが好ましい。ポリマ
ーの選択はまた水溶性と大きさに依存する。ポリマーを
少なくとも1%(w/v)、好ましくは約10%まて溶
解することが有利である。ポリマーの分子量は約10,
000Daを下回るべきではなく、数百万ダルトン程度
でもよく、好ましくは50,000から500,000
Daの範囲にすべきである。ポリマーの水溶液は、pH
または温度を変えることでゲルが形成するようものでよ
い。代替的には、ポリマーは全温度(0−100℃)お
よび全pH(0−14)範囲にわたって水溶液のままで
もよい。所望であれば、上記のポリマーの2つ以上を使
用して単一のゲルが異なるポリマー由来のユニットを含
むようにしてもよい。
【0037】ポリマー鎖を架橋する試薬の選択も非常に
重要である。架橋はポリマーの安定性と両立する条件下
で水溶液中のポリマーからの水酸基と容易に反応する化
学基を有している必要がある。架橋剤自体は変化しては
ならずかつマトリックス中に組込まれ得る荷電化合物を
生じさせる副作用の原因となってはならない。架橋剤も
親水性である必要がある。水とその反応基との反応はア
ルコールを形成するはずである。架橋剤分子中の反応基
は化学的に等価かまたは異なる化学反応性のものでもよ
い。ポリマーからの水酸基と架橋剤の反応基との間の反
応は、付加、置換、または開環等の異なるタイプのもの
でもよい。反応は酸または塩基による触媒反応でもよ
く、かつ1つまたは2つ以上の塩基等価物が反応の間に
消費され得る。塩が副産物として生成される場合もあ
る。もちろん、マトリックスが2つ以上の架橋剤由来の
ユニットを含むように少なくとも2つの架橋剤の混合物
を使用することが可能である。架橋剤はポリマーの水溶
液中に添加される前に溶媒で希釈され得る。
【0038】上記のとおり、本願の実施においては合成
および天然双方のポリマーを使用することができる。天
然ポリマーが好ましいのは、その顕著な親水性による。
天然由来の親水性ポリマーは多く存在するが、電気泳動
の用途に適したものは本質的に電荷のないまたはほんの
わずかな数の電荷しか有していないものだけである。こ
のようなポリマーのうち最も一般的なものはアガロー
ス、誘導されたセルロース、デンプンおよびデキストラ
ンである。可能な架橋剤のための要件を満たす多くの化
合物のうち好ましいのは分子重量が500を下回る比較
的小さい分子である。オキシラン基を有する化合物はオ
キシランおよびハロ基を有するものとともに特に適切で
ある。他の適切な架橋剤は2つ以上のハロ基またはハロ
ゲン以外の良好な脱離基を有するものである。その反応
性二重結合が水酸基と反応する化合物も適している。オ
キシラン基を有する架橋剤の例としては、エピクロロヒ
ドリン、ブタンジオールジグリシジルエーテル、および
エチレングリコールジグリシジルエーテルがある。ハロ
基を有する架橋剤には、1,2−ジブロモ−プロパノー
ルおよび1,3−ジクロロプロパノールが含まれ、かつ
ジビニルスルホンは活性二重結合を有する適切な架橋剤
の一例である。
【0039】より高いpHの好ましい多糖ポリマーのよ
り良好な安定性により、架橋反応は塩基性の条件下で行
なわれた。異なる塩基を使用してもよいが、無機水酸化
物が好ましく、かつ最も好ましいのは水酸化ナトリウム
およびカリウムである。架橋剤のタイプに応じて、塩基
は反応の触媒として作用するかまたは反応中に消費され
得る。すなわちジビニルスルホンまたはブタンジオール
ジグリシジルエーテルを使用する場合には塩基の消費は
ないが、塩基の1モルが各エピクロロヒドリン分子につ
いて消費される。たとえば1,3−ジクロロプロパノー
ルでの架橋反応には2つの塩基等価物が必要である。架
橋反応の間の塩基の消費は反応の開始にかなりの量のア
ルカリ水酸化物の添加を必要とする。ゲル形成の妨げに
なり得るため周期的に添加を行なうことは不可能であ
る。このことは、少なくとも最初、反応条件はこのよう
な架橋剤が使用されるときにより厳しいことを意味す
る。さらに、塩が副産物として生成される。ゲル化の間
に塩が存在することでゲルの構造が影響を受けるかもし
れない場合もあり、アガロースゲルについてのそのよう
なケースが報告された(米国特許第5,009,759
号)。さらに、電気泳動分離の前には塩を取除く必要が
あるので、ゲル内部の塩の濃度が高い場合には、ゲルの
平衡を行なうのにより長い時間および/またはより長い
洗浄が必要である。
【0040】ゲルの特性はポリマーの濃度にも依存す
る。ポリマーの濃度の選択はその水溶性と機械的安定性
および分離範囲等の望ましいゲル特性に依存する。良好
な構造的安定性および最適分離は、ゲルが異なる開始ポ
リマーを含んでいる場合には異なるポリマー濃度で達成
された。たとえば、標準的な商業ベースのアガロース調
製物での好ましい多糖ポリマー濃度は約0.5から2%
であった。取扱い可能なポリマー溶液と適切なゲルを生
じるヒドロキシエチルセルロースポリマーの濃度は約3
から約6%であった。デキストランポリマーは、ポリマ
ー濃度が約5から10%である場合に良好な機械的安定
性のゲルを形成した。上記のゲルにおける生体分子の分
離はポリマーのタイプと濃度の双方に依存した。すなわ
ち、分離の質はデキストランゲルよりもアガロースおよ
びヒドロキシエチルセルロースの場合の方が良好であっ
た。さらに、テギストランゲルはサンプルウェルが変形
するような強い膨張傾向を示し、分離されたバンドのシ
ャープさをさらに混乱させた。もう1つの枝分かれした
多糖であるデキストランに架橋を試みたところテストし
た実験条件下では取扱い可能なゲルは生じなかった。し
たがって、開始ポリマーがすべて多糖であっても、それ
らを架橋することによって形成されるゲルは異なってい
た。線状多糖類を含むゲルが電気泳動用途に優れている
ことは本明細書に示されたゲル電気泳動のモデルと合致
する。
【0041】架橋剤のタイプおよび濃度もゲルの特性を
決定する。適切な架橋剤の濃度は架橋剤のタイプに強く
依存していたが、このことは架橋剤の化学基のかなり異
なる反応性を考えれば驚くにはあたらない。すなわちジ
ビニルスルホンはテストされたすべての架橋剤のうち最
も低い濃度(0.1−0.5%、v/v)でゲルを生成
し、一方他の架橋剤の濃度は典型的には約1%、v/v
であった。架橋剤の反応基はポリマー中の水酸基よりも
1モル余剰であった。架橋剤が余分に必要であること
は、水との反応がポリマー水酸基との反応よりも速いこ
とを示している。ジビニルスルホンはポリマー水酸基に
関して最も良好な選択性を有しているように思われる
が、その毒性が心配である。
【0042】架橋反応は異なる時間期間にわたって進め
られた。一般に反応速度は温度とともに増大するので、
化学反応の反応時間と温度は相互に関係していることが
知られている。本願の教示に従うゲルの調製では、反応
時間は約15分から5日の範囲にわたる。ジビニルスル
ホンで最も短い時間期間が可能であったが、ジビニルス
ルホンはある条件下で反応溶液がモールドに注がれ得る
前にゲルが形成されるほど速く反応した。一方、ビス−
オキシラン架橋剤は、DNAフラグメントの電気泳動パ
ターンに変化がなかったことが数日間のインキュベーシ
ョンを経た後にやっと示され得るほどにゆっくり反応し
た。
【0043】ゲル形成の間に副産物が形成される。それ
らには、非イオンおよびイオン種が含まれる。イオン種
は脱離基を有する架橋剤から生じる。形成されたゲルは
触媒および/または反応物として使用される塩基も含ん
でいた。ゲルは反応条件が最適でない場合にはいくらか
の未反応の架橋剤を含んでいるかもしれない。電気泳動
に適用する場合には、ゲルのイオン組成がよく明らかに
されていることが重要である。このゴールを達成する最
も簡単なやり方はゲルを水中で洗浄した後所望の電気泳
動緩衝液中でインキュベーすることである。ゲルが液中
ゲル電気泳動における使用を意図されている場合には、
少なくともゲルの5つの側面がオープンなので拡散経路
が短くなるため平衡化は容易である。簡単に取扱うため
には、ゲルをその形成中にゲルボンド(FMC社)等の
プラスチック支持部に固定することが便利である。本願
のゲルは2つのプレート間の垂直モードにもかたどるこ
とができる。このようなゲルは電気泳動的に平衡させる
ことが可能で、つまり電圧勾配を与えると、すべてのイ
オン種がゲルから出ていくからである。しかしながら、
架橋剤のすべての反応基が反応したとすると、依然とし
て非イオン副産物が残り、これらの副産物はアルコール
のみが考えられかつその存在は生体分子の電気泳動と両
立するものである。
【0044】様々な架橋条件下で多くの異なるポリマー
架橋剤の組合わせを反応させることにより形成されたゲ
ルについて例を挙げて説明する。DNAとたんぱく質の
電気泳動分離を含むこれらのゲルの特性は特定の例にお
いて報告されるが、報告された結果に基づいていくつか
の一般的な結論が導き出され得る。すなわち、特定のポ
リマー/架橋剤については、良好な条件下で、ある大き
さの範囲の生体分子の電気泳動分離に関して最適な特性
を有するゲルを与えるポリマーと架橋剤の濃度がある。
同じ条件下で同じポリマーを他の架橋剤と架橋させる
と、異なる分離特性を有するゲルが形成される。たとえ
ば、DNAフラグメントはブタンジオールジグリシジル
エーテルで架橋した1%ゲルよりもエピクロロヒドリン
で架橋した1%アガロースポリマーを含むゲルにおいて
より移動した(例4および6)。1を超えるポリマーを
含むゲルも良好な分離を示した。これらのゲルにおける
移動距離はポリマー濃度のみならずポリマーの相対比に
も依存した(例16)。ゲル化多糖であるアガロースが
使用された場合には単に温度により誘起されるゲル化に
よって見られる標準的ゲルのものに比べ新規なゲルのい
くつかの特性には顕著な変化が見られた。すなわち、本
願のゲルは加熱することによっては再溶解されない。ま
た、アガロース溶液を冷却することにより得られるゲル
は堅くて脆く、この発明により形成されるゲルは軟らか
くて弾性に富んでいた。J. Chromatogr. 103(19
75年)49−62および米国特許第3,959,25
1号に記載されるように、クロマトグラフィーでは本願
のアガロースゲルの改善された弾性は架橋されたアガロ
ースゲルの増大した剛性とは対照的である。さらに、ポ
リマー濃度が一定で架橋剤濃度を増大させた溶液から調
製されたアガロースゲル中にはある架橋剤の濃度までの
み生体分子の移動速度の緩やかな減少を示すものもあっ
た。架橋剤濃度をその値より上に上げると、驚くべきこ
とにより架橋剤が少ないゲルの場合よりも長い距離を生
体分子が移動した(例7)。
【0045】アガロースゲルを含みかつ本願に従い調製
されたゲルは先行技術で知られるアガロースゲルとはか
なり異なる光学特性を有している。図5は標準的なアガ
ロースゲルのスペクトル(400−800nm)を示
し、かつ図6は同じ濃度の同じアガロースポリマーを含
む新規なゲルのスペクトルを示す。可視スペクトル全体
を通して、新規なゲルは標準アガロースゲルの吸収のほ
んのわずかな部分しか吸収がないことがわかる。誘導さ
れたアガロースポリマーを使用することで光学的透明度
が改善されたゲルが生じることが報告されている(米国
特許第3,956,273号および第4,319,97
5号)。商業ベースのヒドロキシエチル化アガロースポ
リマーから調製されるこのようなゲルのスペクトルを図
7に示す。可視領域では、ゲルの吸収値は実に同じ濃度
の標準アガロースゲルのものの約半分であるが(図
5)、それでもこれは本願により調製されたゲルの吸収
(図6)よりもかなり高い。ヒドロキシエチル化したア
ガロースポリマーを本件のゲルの調製に使用し、そのよ
うなゲルの1つのスペクトルを図8に示す。明らかに、
このゲルのバックグラウンド吸収はほとんど存在してい
ないに等しい。それは大きさでいえば同じだが架橋され
ていないヒドロキシエチル化アガロースポリマーからな
る対応のゲルのものよりも1桁以上小さい(図7)。ゲ
ルのバックグラウンド吸収が低いことは分離されたバン
ドの高品質記録にとっては重要なことである。特に、分
離された分子が米国特許第4,930,893号に開示
するような光学装置により染色を伴わずに検出される場
合には特にそうである。
【0046】上記の光学特性は標準アガロースゲルより
も合成ゲルにより類似している。二次元電気泳動(図
9)は1.5%アガロースポリマーと1.3−ジクロロ
プロパノール由来のユニットを含むゲル中では、23k
bpDNAフラグメントが9.4DNAフラグメントよ
りも遠くまで移動したことを示す。同じ結果が同じ電気
泳動条件下で流した6%ポリ(NAT)ゲル中の二次元
電気泳動の後にも得られた(図2)ので、これらのデー
タによりこれら2つのゲルの構造は、その化学組成が全
く異なるにもかかわらず類似していることが示される。
すなわち光学特性における変化は単に量的なものではな
く、ゲルの構造に大きな変化をもたらす。
【0047】この新しいゲルの分離範囲はポリマーのタ
イプ、その濃度、架橋剤のタイプ、架橋剤の濃度に依存
しかつ架橋条件に依存する。たとえば、アガロースポリ
マーを使用した場合、ブタンジオールジグリシジルエー
テル(20ml中に0.5ml)で架橋した1%ポリマ
ーを含むゲルが、7V/cmで1時間55分の電気泳動
を行なったところ、約150から3000bpの範囲の
大きさのDNAフラグメントについてかなり良い分離を
与えた。同じ成分(20ml中に1ml)を含みかつ同
じ条件下で流した1.5%ゲルは約50から700bp
の範囲の大きさで良好な分解を与えた。もう1つの架橋
剤である1,3−ジクロロプロパノールが使用された場
合(10ml中に1mmol)、1%ゲルに関しては分
離範囲は約200から4000bpであった。この分離
範囲は、当業者に知られる公開されたデータから予想さ
れるとおり、電気泳動条件、主に電界と実行時間にも依
存する。すなわち1%アガロースポリマーとブタンジオ
ールジグリシジルエーテル(20ml中に0.5ml)
を含むゲルで低い電圧(2V/cm)で16時間泳動が
行なわれた場合、分離範囲は約800から20000b
pの範囲であった。
【0048】調製のやり方から、本願のゲルが線状多糖
ポリマーおよび架橋剤由来の繰り返し単位を含んでいる
ことは明らかであろう。上記のとおり、同じポリマーで
異なる架橋剤を使用すると生体分子の電気泳動分離に関
して異なる特性を示すゲルが生じた。したがって、本願
のゲルを通して電界中を移動する生体分子の選択的遅延
にポリマーおよび架橋剤双方由来の繰り返し単位が加わ
っているようである。約1%のアガロースポリマーを含
む本件のゲルにおける小さな(200−600bp)D
NAフラグメントの大変良好な分解は先行技術に照らし
て驚くべきものであるが、ゲル構造がゲルポリマー濃度
よりもより重要である本件のモデルと一致するものであ
る。すなわち、ゲル構造は、あるタイプの架橋されたポ
リマーの低濃度が他のタイプの架橋されたポリマーのよ
り高い濃度と同じような移動巨大分子に対する抵抗を生
じさせるようなものであればよい。「扉」および「廊
下」をあけるためにはポリマー鎖の構成における異なる
大きさの変化が必要でありかつこれらの変化に対しそれ
らが与える抵抗は明らかにポリマーのタイプとポリマー
鎖が架橋される態様に依存する。
【0049】上記のとおり、液中電気泳動モードにおい
て泳動が行なわれる多くのゲルでは、分離されたバンド
が曲がっていた。本願のゲルにおけるDNAフラグメン
トの分離の後は、いくらかのゲルをカットしてDNAバ
ンドの形状を、その側面からゲルの断片を観察すること
により調べた。約2%以上の多糖ポリマーを含むすべて
のゲルにおいて本質的にバンドが曲がっているのが見ら
れた。屈曲はゲルの厚みと実行条件にも依存しており、
一般により高い電界強度でより大きな屈曲が生じた。1
%前後のアガロースポリマーを含むゲルにおいては、こ
の屈曲は無視できる程度でありかつ約1.5%の濃度で
は大変小さいものであった。これらの2つの濃度のゲル
はDNAフラグメントを大変よく分離し(図10および
図11)かつしたがって本件のゲルはバンドの屈曲とい
う妨げなしに小さな生体分子を分離することができる電
気泳動マトリックスに対する需要を満たす。
【0050】この発明について以下に例を挙げてさらに
説明するが、これらは明細書中に特に示す場合を除いて
は限定として意図されていない。
【0051】例1 分枝ビニル架橋剤の調製。アリルグリシジルエーテル
(アクリル・エイド(Acryl Aide)、FMC社(FMC Co
rporation ))で誘導された2%水性アガロースポリマ
ーは、ポリマーを完全に溶解するようにゆっくりと暖め
られた。その後、12グラムの溶液は12グラムの蒸留
水を含むフラスコに移された。マグネチックスターラー
により、0.220mlの10N水酸化ナトリウム溶液
が加えられ、その後0.156mlのエピクロルヒドリ
ンが加えられた。フラスコは栓をされ、溶液は室温で4
時間激しく撹拌された。その後、24mlの蒸留水が反
応混合物に加えられ、撹拌は室温で4日間続けられた。
結果として生じた粘性ポリマー溶液は、まず水に対し
て、それから30mMのトリス−アセタート−EDTA
緩衝液pH8.0(TAE緩衝液)に対して広範に透析
された。透析された溶液は回復され、室温で濃い色のビ
ン中で保存された。透析のステップの間の希釈は無視で
きるほどであるため、架橋されたポリマー溶液のポリマ
ー濃度は0.5%であった。
【0052】ゲルの調製。一連のポリ(NAT)ゲルが
調製された。すべてのゲルは全部で6%のモノマー
(T)と3%の架橋剤(C)とを含んでいた。架橋剤は
もとのアクリル・エイドポリマーか、またはこの線状ポ
リマーと上述のそのポリマーの架橋誘導体との混合物の
どちらかであった。2つの架橋剤の重量和は常に3%で
あった。ゲル(20ml)はTEMED(0.045m
l)および過硫酸ナトリウム(0.300mlの22m
g/ml溶液)で18mM TAE緩衝液中で重合化さ
れた。ゲルは重合化の間ゲル・ボンド(Gel Bond)(F
MC)に固定された。すべてのゲルの透明性は同じであ
った。2セットの商業用DNA標品、1kbpラダー
(BRL)およびpBR322/Hae III(Boeh
ringer)が、各ゲル中で泳動された。ゲルはSEA−2
000電気泳動装置(Elchrom )において、30mM
TAE緩衝液中で19℃で2時間20分の間、7V/c
mで泳動した。この装置は、Kozulic とHeimgartner の
「分析生化学」(Analytical Biochemistry )198
(1991)256−262に詳細に説明される。分離
したDNAフラグメントはエチジウムブロミドで染色さ
れた。図1は分枝架橋剤の濃度が増大している8つの異
なるゲル(a−h)におけるDNAパターンを示す。ゲ
ルaは分枝架橋剤を含まず、ゲルbにおいては、分枝架
橋剤対線状架橋剤の比は0.1:2.9であり、ゲルc
においてはこの比は0.2:2.8であり、ゲルdにお
いてはこの比は0.4:2.6であり、ゲルeにおいて
はこの比は0.6:2.4であり、ゲルfにおいては
0.8:2.2であり、ゲルgにおいては1.0:2.
0であり、かつゲルhにおいては1.2:1.8であ
る。理解されるように、分解能は分枝架橋剤の濃度が増
大するに伴って徐々に悪化する。この悪化はまず低分子
量の範囲(ゲルd−f)において発生する。分枝架橋剤
のより高い濃度においては、分解能は全サイズ範囲にわ
たって(ゲルgおよびh)失われ、すべてのDNAフラ
グメントの移動は非常に少ない。特筆すべきは、他の分
枝された高分子架橋剤も同じ効果を示すことである。し
たがって、エチレングリコールに溶解した線状ポリアク
リルアミドポリマー(MW5,000,000ポリサイ
エンス(Polysciences))をエチレンジアミンと反応さ
せ、それに続いて透析およびアクリロイル化を行なうこ
とによって調製された架橋剤は、6%のポリ(NAT)
ゲルにおいて一層強い遅延および分解能の喪失を引起こ
した。これらのゲルのいくつかにおいては、DNA分子
は全く泳動することができなかった。
【0053】例2 6%ポリ(NAT)ゲル中のDNAフラグメントの2次
元電気移動。23,130、9,416、6,557、
4,361、2,322および2,027bpのフラグ
メントを含む、Lambda/HIND III 消化物からのDNAフ
ラグメントは、2V/cmで32時間、第1の次元で分
離された。泳動緩衝液は例1で説明したのと同じ液中ゲ
ル装置において30mM TAEであった。32時間
後、ゲルは90度回転された。同じフラグメントを含む
サンプルが他のゲル側面に沿って位置決めされる別のサ
ンプルウェルに与えられ、電気泳動は7V/cmで5時
間継続された。ゲルはエチジウムブロミドで染色され、
図2はこうして得られたパターンを示す。電気泳動は2
V/cmで上から下へ向かっており、かつ7V/cmで
左から右へ向かっていた。最大のものである23,13
0bpフラグメントは2V/cmで移動の距離が最も短
かったが、7V/cmでは9,416bpフラグメント
(上2つのバンド)よりも多く移動した。底部のレーン
を見ると一層よくわかるように、実際には6,557フ
ラグメントよりわずか向こうに移動した。より大きなD
NAフラグメントは常に相対的に弱い均一の電界の中で
よりゆっくりと泳動するという一般的見解とは反対に、
この場合には当てはまらないということを図2に示す。
この予期しない結果なしには、7V/cmで移動するレ
ーン中のバンドの識別は不正確だったであろうというこ
とが理解されるべきである。2,027、2,232お
よび4,361DNAフラグメントは予想される順序で
移動し、かつ両方の電界の強さでうまく分解された。
【0054】例3 架橋されたアガロースゲルの調製。特に示されなけれ
ば、サーバ(Serba )(Cat.No.11401)からのエレクト
ロエンドオスモシスなしのアガロースが、以下のすべて
の実験に用いられた。調製は架橋剤の有害な性質のため
に排気装置内で実行された。選ばれた濃度のアガロース
ポリマーの溶液は次の方法で調製された。撹拌棒付のビ
ーカーが計量され、所望される水量のうちの約80%が
それに加えられた。その後、計算された量のアガロース
ポリマーがビーカー中に移され、このビーカーはそれか
ら一片のサラン(Saran )でカバーされてヒーター/ス
ターラー上に置かれた。懸濁液は沸騰するまで加熱さ
れ、すべてのポリマーが溶解するまで沸騰したままにさ
れた。撹拌の間、溶液は65−75℃に冷却され、その
後再び計量された。所望される濃度を得るために残りの
量の水が加えられ、その後架橋反応剤が加えられた。こ
れらの反応剤の容積がアガロース溶液の容積の約5%を
超えると、それに対応して加える水の量は少なくされ
た。
【0055】1%のアガロース溶液(72ml)が上述
のように調製され、0.660mlの10N NaOH
が撹拌しながら加えられた。この溶液の12グラムのア
リコート3つが取上げられてゲル型中に流し込まれた。
残りの溶液には0.234mlのエピクロルヒドリンが
加えられ、この溶液は約2−3分間激しく撹拌された。
その後、溶液は他の3つのゲル型に移された。一方はエ
ピクロルヒドリンを有し、他方は有さない各ゲル型のう
ちの2つが、水蒸気で雰囲気を飽和状態に保つのに十分
な水の入った密閉したポリプロピレンの箱中に置かれ
た。これらの箱は45℃、55℃および65℃でインキ
ュベータ中に置かれた。ゲル型はポリメタクリル酸メチ
ルからなり、かつサンプルウェルフォーマーを含んだ。
ゲルの寸法は92×62mmであり、厚さは1.5mm
であった。ゲルは、ゲル形成の間、一片のゲル・ボンド
(アガロースゲルのため、FMC)上に固定された。
【0056】上に特定した温度で一晩インキュベーショ
ンした後、ゲルは検査された。3つの温度のいずれにお
いてもエピクロルヒドリンを含まない溶液からは取扱い
可能なゲルは形成されなかった。対照的に、エピクロル
ヒドリンを含む溶液からは3つすべての温度においてプ
ラスチック支持体に強力に固着したゲルが形成された。
3つのゲルすべては十分に透明性があった。ゲルは蒸留
水中に浸され、8時間内に3回1リットル変えられ、そ
の後30mM TAE緩衝液中に一晩浸された。2つの
異なるDNA標品が各ゲル内で電気泳動した。DNAフ
ラグメントは、1kbラダー(BRL)からの次のサイ
ズ:12216,11198,10180,9162,
8144,7126,6108,5090,4072,
3054,2036,1636,1018,516,5
06,396,344,298,220,201,15
4,134および75の塩基対のものであった。他のサ
ンプルは、サイズ587,540,504,458,2
67,234,213,192,184,124,12
3,104,89,80,64,57および51bpの
pBR322/Hae III (Boehringer)からのフラグメ
ントを含むものであった。ゲルは7v/cmで1時間5
0分間泳動され、その後エチジウムブロミドで染色され
た。
【0057】図3は65℃でインキュベートされたゲル
中のDNAパターンを示す。全サイズ範囲中の分解能は
不良である。55℃でインキュベートされたゲルは幾分
良好な分解能を示す(図示せず)。全サイズの範囲にわ
たっての分解能は45℃でインキュベートされたゲルの
方がはるかに優れている(図4)。
【0058】例4 アガロースポリマーを異なる濃度のエピクロルヒドリン
で架橋することによって調製されるゲル。エレクトロエ
ンドオスモシス(シーケム(SeaKem)GTグレード、F
MC)を用いたアガロースが使用された。1%のアガロ
ース溶液(40ml)中へ、エピクロルヒドリンおよび
水酸化ナトリウム(10N溶液)が、常に水酸化ナトリ
ウムが1.1モルだけ超過するような比率で加えられ
た。エピクロルヒドリンの最終量は0、1、2、4、
4、6および10mモルであった。ゲルの厚さは3mm
であり、かつ室温で一晩放置された。ゲルの透明性は架
橋剤の濃度が増大するとともに向上した。水で洗浄し、
かつTAE緩衝液に対して平衡させた後、例3に説明し
たように、DNAフラグメントはこれらのゲル中で分析
された。いかなる架橋剤も含まないゲルにおいては、1
kbpラダーからの517と506、220と201お
よび154と134bpフラグメント間は分解されなか
った。1、2および4mモルの架橋剤で架橋されたゲル
中のバンドパターンにはわずかな差しかなかった。しか
しながら、6mモルで架橋されたゲルにおいては、上記
の3つの二重線は部分的に分離され、かつ10mモルの
エピクロルヒドリンで架橋されたゲルにおいてはそれら
は完全に分離された。泳動の距離もまた最後の2つのゲ
ルにおいてははるかに短く、そのため75bpフラグメ
ントはこれらのゲルから外には泳動しなかった。これら
の結果が示すことは、分解能の質はポリマー/架橋剤比
に依存するということである。約2%より少ないポリマ
ーを含む上記のゲルおよび他のゲルは、外気中でプラス
チック支持体を曲げることなく薄いフィルムに乾燥させ
ることができる。乾燥したゲルは水に入れられると再水
和され、かつ再水和度はポリマーと架橋剤のタイプおよ
び質に依存する。
【0059】例5 反応混合物を異なる温度で異なる時間にわたってインキ
ュベートすることによって調製される、アガロースおよ
びエピクロルヒドリンを含むゲル。これらのゲルは40
ml中に0.6グラムのアガロース(FMC、GTグレ
ード)、0.780mlのエピクロルヒドリンおよび1
mlの10N NaOHを含んでいた。溶液をゲル型中
に注いだ後、第1のゲルは室温で一晩、第2のゲルは3
5℃で3日間、第3のゲルは45℃で一晩、および第4
のゲルは最初4℃で一晩それから室温で2日間インキュ
ベートされた。これらのゲルは上述のように洗浄されか
つ平衡された。様々なDNAフラグメントが1時間45
分の間7V/cmでこれらのゲル中で電気泳動された。
エチジウムブロミドで染色した後、第1の3つのゲル中
には非常に鮮明なバンドが観察されたが、これらのバン
ドは第4のゲルにおいてはあまり鮮明ではなかった。pB
R 322/Hae III からの587bpフラグメントの移動の
距離は第4のゲルにおいて最も短く、これは本質的には
第1および第2のゲル中の距離と同じである。123/
124bpフラグメントはすべてのゲルにおいて本質的
に同じ距離を移動した。184および192bpフラグ
メントはすべてのゲルにおいて解像されたが、分解能は
第2のゲルが最良であった。
【0060】同じ組成の別の2つのゲルが調製されかつ
室温で一晩インキュベートされたが、1つのゲルはさら
に45℃で2日間インキュベートされた。電気泳動は7
V/cmで2時間30分にわたって行なわれた。双方の
ゲルにおいて鮮明なバンドが観察された。すべてのDN
Aバンドの移動は45℃でさらにインキュベートされた
ゲルにおいては少なかった。これらの結果が示すこと
は、分解能の質はゲル形成の温度および時間を変化させ
ることにより制御可能であるということである。一片
(約1×1cm)の第2のゲルが沸騰した湯の中で加熱
された。ゲルは溶解しなかった。
【0061】例6 異なるポリマー/架橋剤比で調製されかつ異なる時間期
間にわたって様々な温度でインキュベートされたアガロ
ースおよびブタンジオールジグリシジルエーテルを含む
ゲル。ゲル(厚さ1.5mm)は、NaOH中で0.1
Mにされかつ0.05、0.1、0.2、0.4、0.
6mlのブタンジオールジグリシジルエーテルを含む1
%のアガロース溶液10mlから調製された。上記の反
応混合物を含んだ型は室温で4日間インキュベートされ
た。電気泳動(7V/cm、1時間50分)の後、DN
Aフラグメントの泳動距離はブタンジオールジグリシジ
ルエーテルの濃度が増大するにつれて減少することが観
察された。より濃度の高い架橋試薬において分解能はよ
り優れていた。次の実験においては、20ml中に0.
1M NaOHおよび0.5mlのブタンジオールジグ
リシジルエーテルを含む、一連の1%のアガロースゲル
が、室温で16時間、24時間、2日、4日および5日
間インキュベートされた。DNAフラグメントの電気泳
動の分解能は16時間インキュベートされたゲルにおい
ては不良であった。インキュベーションが長くなると、
泳動距離は短くなりかつ分解能が向上した。4日間イン
キュベートされたゲルと5日間インキュベートされたゲ
ルとの間には本質的に差はなかった。たんぱく質(フェ
リチンおよびチログロブリン)がこれらのゲルのいくつ
かのサンプルウェル中に与えられ、同時にDNAととも
に電気泳動された。泳動の最後に、ゲルは切断されかつ
たんぱく質を含む部分はクーマシー・ブルー(Coomassi
e Blue)で染色された。チログロブリンは1日よりも4
日間および5日間インキュベートされたゲルにおいて
は、フェリチンに比べて泳動が少ない。
【0062】20ml中に0.1M NaOHおよび
0.5mlのブタンジオールジグリシジルエーテルを含
む1%のアガロース溶液を含む3つのゲルは、35℃、
55℃または65℃で2日間インキュベートすることよ
って形成された。DNAフラグメント、特に小さいもの
の分解能は65℃でインキュベートされたゲルにおいて
は不良であったが、35℃でインキュベートされたゲル
においては優れていた(図10)。分解能は、1.5%
のアガロースを含みかつ0.1M NaOH中の20m
lのアガロース溶液を35℃で2日間、1mlの架橋剤
でインキュベートすることによって形成された他のゲル
においてもまた優れていたが、分解の範囲は異なってい
た(図11)。したがって、123bpフラグメントは
1%のゲルから泳動したが、これは1.5%のゲルの底
部から1.5cm以上離れていた。約500bpよりも
上のDNAフラグメントの分解能は1%ゲルにおいてよ
り優れており、かつより小さなフラグメントの分解能は
1.5%のゲルにおいて優れていた。
【0063】例7 異なるポリマー/架橋剤比で調製され、かつ異なる時間
期間にわたってインキュベートされたアガロースおよび
1,3−ジクロロプロパノールを含むゲル。一連のゲル
は、1%アガロースポリマー10mlに0.25、0.
5、1.0、1.5、2.0および2.5mモルの1,
3−ジクロロプロパノール(DCP)、ならびに0.5
5、1.1、2.2、3.3、4.4および5.5mモ
ルの水酸化ナトリウムをそれぞれ溶解したものから調製
された。このように、水酸化物のモルは塩化物に対して
常に超過していた(10%)。この溶液はゲル型中に注
がれ、かつ35℃で2日間インキュベートされた。7V
/cmでの1時間50分のDNAの電気泳動により、D
NAフラグメントの泳動距離および分解能が異なること
が示された。すなわち、267bpフラグメント(pBR3
22/Hae III)は、0.25mモルDCPで架橋されたゲ
ルにおいてちょうどボトムであったが、これは2.5m
モルDCPで架橋されたゲルにおけるボトムから1cm
以上離れていた。
【0064】1.5%のアガロース水溶液を調製し、か
つ1,3−ジクロロプロパノール(1、2、3および4
mモル)ならびに10N NaOH(2.2、4.4、
6.6および8.8mモル)を10mlの温いアガロー
ス溶液に加えることによって、別の一連のゲルが作られ
た。ゲル化は4日間にわたって35℃で行なわれた。D
NAフラグメントの電気泳動により、1mモルの1,3
−ジクロロプロパノールを有するゲルにおいてよりも2
および3mモルを有するゲルにおける方がより鮮明なバ
ンドが得られた。注目すべきことは、500bpを上回
るより大きなDNAフラグメントは3mモルの架橋剤を
有するゲルにおいてよりも4mモルの架橋剤を有するゲ
ルにおいての方がはるかに泳動が大きかったことであ
る。フェリチンに比べてチログロブリンは4mモルの架
橋剤を有するゲルにおいてより多く泳動した。さらに、
そのゲルはまた架橋剤の少ないゲルよりも軟らかであっ
た。したがって、最良の架橋剤の濃度が存在し、それを
超えると分解能だけではなく機械的な安定性をも悪化さ
せ得る。
【0065】10ml中に2%のアガロースポリマー、
0、0.1、0.2、0.4、0.6、1.0、2.0
および4.0mモルの1,3−ジクロロプロパノール、
ならびに塩素に対してモルが10%多いNaOHを含む
一連のゲルが、35℃で4日間インキュベーションする
ことによって調製された。各ゲル溶液の約1.5mlの
部分(3連)が、パラフィン油をかぶせられたポリスチ
レンキュベット中に置かれ、同じ条件でインキュベート
された。DNAフラグメントの電気泳動(7V/cm、
1時間50分)は、架橋剤濃度が約1mモルまで増大す
るにつれ1000bpより下のDNAフラグメントの分
解能が向上し、かつ架橋濃度4.0mモルまでは良好な
ままであったことを示した。ゲルの透明度は500nm
での吸光度を測定し(表1参照)、かつ室温で一晩平衡
されたゲルの可視スペクトル(400−800nm)を
記録することにより決定された。
【0066】
【表1】
【0067】架橋剤を含まないアガロースゲルのスペク
トルが図5に示される。架橋剤濃度が増大するとすべて
の波長での吸光度の値は減少し、かつ濃度が1mモルを
超えると本質的に一定となった。10ml中の2mモル
の1,3−ジクロロプロパノールで調製されたゲルの可
視スペクトルが図6に示される。このゲルの500nm
での吸光度は、標準的なアガロースゲルのものよりも1
桁以上低い(表1参照)。ゲルを水晶キュベット中に移
した後に記録されたUVスペクトルは、300−400
nm領域では吸光度が低く、260nmあたりが肩部分
で、かつ約230nmを下回ると急激に上昇することを
示した。
【0068】lambda/Hind III フラグメントの二次元電
気泳動は、10ml当り1.5mモルの1,3−ジクロ
ロプロパノールで架橋された1.5%のアガロースポリ
マーを含むゲル中で実行された。第1次元において、ゲ
ルは2V/cmで16時間にわたって泳動された。ゲル
を90度回転させた後、第二次元の電気泳動が7V/c
mで4時間の間行なわれた。図9では、7V/cmで2
3kbpフラグメントが9.4kbpフラグメントより
も多く泳動したことが示される。この結果は図2に示し
たものと同じであるため、両方のゲルにおけるDNA泳
動のメカニズムは同じであることが示される。
【0069】例8 ヒドロキシエチル化されたアガロースおよび1,3−ジ
クロロプロパノールを異なるポリマー/架橋剤比で含む
ゲル。2%のヒドロキシル化されたアガロースポリマー
(シー・プラク(SeaPlaque )、FMC)および架橋剤
を含む一連のゲルが例7で説明した方法で調製された。
DNAフラグメントの電気泳動の分解能は向上し、標準
的なゲルに比べて最低の架橋剤の濃度においても既には
っきりと認識できた。500nmでの吸光度を測定する
と10ml中に約0.6mモルを上回る架橋剤の濃度で
は本質的に変化はないことが示された。標準的シー・プ
ラクゲルの可視スペクトルが図7に示される。図8はヒ
ドロキシル化されたアガロースポリマーおよび10ml
中に1.0mモルの1,3−ジクロロプロパノールを含
むゲルのスペクトルを示す。ヒドロキシル化されたアガ
ロースを含むゲルの吸光度は可視領域において非誘導ア
ガロースの吸光度の約半分を示す(図5と図7とを比較
されたい)。一方、同じポリマーに加えて架橋剤を含む
このゲルの吸光度は、架橋剤を含まないゲルの吸光度の
10分の1以下であることを示した。実際に、ヒドロキ
シル化されたアガロースとより多量の架橋剤とを含むこ
のゲルの吸光度は可視領域中ではほとんど存在しない
(図8)。
【0070】例9 異なるポリマー/架橋剤比で調製されたアガロースおよ
び2,3−ジブロモプロパノールを含むゲル。10ml
中に1%のアガロースポリマー、および0.25、0.
5、1.0、1.5、2.0および2.5mモルの2,
3−ジブロモプロパノールを含む一連のゲルが調製され
た。このゲル溶液はまた臭化物に対してモルが10%多
い水酸化ナトリウムを含んでいた。これらのゲルは35
℃で2日間インキュベートされた。DNAフラグメント
の電気泳動の分解能は分子量の小さい範囲、特に架橋剤
1−2mモルにおいて向上することを示した。分解能
は、1,3−ジクロロプロパノールで架橋されたゲルで
達成されたものよりも幾分劣っていた。場合により、ゲ
ル中に小さな泡が認められ得る。
【0071】例10 異なるポリマー/架橋剤比で調製されたアガロースおよ
びエチレングリコールジグリシジルエーテルを含むゲ
ル。10ml中に0.1M NaOHにおいて、1%の
アガロースポリマーと、0.05、0.1、0.2、
0.4および0.6mlのエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルを含む一連のゲルが、室温で4日間インキ
ュベーションすることによって調製された。電気泳動に
よる移動距離は架橋剤の濃度が増大するに従い減少し
た。分解能はブタンジオールジグリシジルエーテルを用
いて得られたものよりも劣っていた。
【0072】例11 異なるポリマー/架橋剤比、様々なpH値で異なる時間
にわたって調製されたアガロースおよびジビニルスルホ
ンを含むゲル。0.1M NaOH中1%の温かいアガ
ロース溶液中に、0.010mlのジビニルスルホンが
急激に撹拌しながら加えられた。溶液はすぐにゲル型中
に移された。ゲルは数分で固った。この凝固は、かかる
ゲルを再現可能に調製することを実質的に不可能にする
より高い架橋剤濃度においてより速かった。電気泳動の
移動距離は標準的なゲルのものと比べて著しく減少を示
した。
【0073】アガロース溶液(1%)は、pH8、9.
5および11.0で0.2Mの重炭酸−炭酸緩衝液中で
調製された。これらの溶液各々20ml中に、0.1m
lのジビニルスホンが加えられ、かつゲル溶液は35℃
で2日間インキュベートされた。DNAフラグメントの
移動は少なく、pH9.5よりもpH8で形成されたゲ
ルにおいての方がバンドはより鮮明に見えた。pH11
で形成されたゲルにおいては、フラグメントの移動は2
つのゲルのうちのいずれよりも少なかった。DNAの小
さなフラグメントに対応するバンドはこのゲルにおいて
は最も鮮明であった。
【0074】20mlにつき10mMのNaOH中1%
のアガロースと、0.020、0.040、0.06
0、0.080および0.100mlのジビニルスルホ
ンとを含んだ一連のゲルが調製された。架橋剤を加えた
後、各ゲルは即座にゲル型中に流し込まれ、15分間放
置された。0.100mlの架橋剤を含むゲルは引続き
取扱うには脆すぎた。他のゲルは水で洗浄され、かつT
AE緩衝液中で平衡された。電気泳動の移動距離は架橋
剤の濃度が増大するにつれて減少を示した。4つすべて
のゲル中のDNAバンドは、pH11で2日間架橋され
た上記のゲルにおいてよりももっと拡散していた。
【0075】例12 架橋剤試薬を異なる温度でポリマー溶液に加えることに
よるアガロースおよびブタンジオールジグリシジルエー
テルを含むゲル。0.1M NaOH中1%アガロース
溶液に、架橋剤を50℃および70℃で激しく撹拌しな
がら加えた(20ml当り0.5ml)。このゲル溶液
はすぐにゲル型中に注がれ、35℃で3日間インキュベ
ートされた。3つのゲルにおけるDNAフラグメントの
電気泳動は本質的に同じ結果を示し、つまりゲルを7V
/cmで1時間50分の間泳動した後に移動距離は1−
2mm以上は相違しなかった。1,3−ジクロロプロパ
ノールを架橋剤として用いた場合にも同様の結果が得ら
れた。
【0076】例13 ヒドロキシエチルセルロースおよびブタンジオールジグ
リシジルエーテルを含むゲル。ヒドロキシエチルセルロ
ース(Fluka 、Cat. No.54290 )の5%溶液は、撹拌を
続けることにより(1−2日間)0.1M NaOH中
で調製された。この溶液10ml中へ0.5mlのブタ
ンジオールジグリシジルエーテルが撹拌しながら加えら
れ、かつ溶液は室温で3日間インキュベートされた。ポ
リマー溶液を0.1M NaOHで4%に希釈し、かつ
同量の架橋剤を加えることによって別のゲルが調製され
た。機械的に安定性の優れた完全に透明なゲルが両方の
溶液から形成された。洗浄および平衡に続いて、DNA
フラグメントの電気泳動は、4%のゲル中で75から2
000bpのサイズの範囲でのDNAフラグメントの非
常に鮮明なバンドと良好な分解能とを示した。5%のゲ
ルにおいてはすべてのフラグメントの泳動はそれよりも
非常に少なく、かつ分解能は4%のゲルにおいてほど良
好ではなかった。35℃でインキュベートされたいくつ
かの同様のゲルにおいて、おそらくゲルの収縮によって
引起こされる小さな泡が時々観察された。
【0077】例14 デキストランおよびブタンジオールジグリシジルエーテ
ルを含むゲル。0.1M NaOH中のデキストラン
(Fluka 、Cat. No31392)の溶液(6.8%および10
%)が調製され、これらの溶液の各々20ml中に0.
5mlの架橋剤が加えられた。溶液は室温で3日間イン
キュベートされた。水での洗浄中およびTAE緩衝液中
での平衡の間、すべてのゲルが膨張したことが観察され
た。この膨張はほとんど閉じられたサンプルウェルの歪
みを伴い、これによりサンプルアプリケーションが困難
となる。DNAフラグメントの電気泳動の分解能は6%
ゲルにおいて普通であり、8%および10%ゲルにおい
ては非常にまずいことを示した。すべてのゲルにおいて
DNAバンドの形状は三日月形状であった。
【0078】例15 デンプンおよびブタンジオールジグリシジルエーテルを
含むゲルの調製を試みた。デンプンの2%溶液(Fluka,
Cat.No.85645 )が0.1M NaOH中で調製され、
かつ0.5、1.0および1.5mlの架橋剤がポリマ
ー溶液20mlごとに加えられた。35℃で2日間イン
キュベーションした後、操作可能なゲルは形成されなか
った。
【0079】例16 アガロース、ブタンジオールジグリシジルエーテルまた
は1,3−ジクロロプロパノール、ならびにヒドロキシ
エチルセルロース、ポリビニルアルコール、デンプン、
およびデキストランを含むその他のポリマーを含むゲ
ル。1%のアガロースポリマーおよび0.5%のデンプ
ンの溶液が0.1M NaOH中で調製され、この溶液
20mlに対して0.5mlのブタンジオールジグリシ
ジルエーテルが加えられた。35℃で2日間インキュベ
ーションした後に形成されたゲルは、100−2000
bpの範囲におけるDNAフラグメントの分解能が非常
に優れていた。別のゲルが同じ条件下で調製されたが、
これはデンプンの代わりに0.5%のデキストランを含
んでいた。分解範囲は同じであったが、DNAバンドは
デンプンを含むゲルにおいてほど鮮明ではなかった。
0.5%のヒドロキシエチルセルロースおよび1%のア
ガロースポリマーを含むゲルもまた35℃で1日間イン
キュベーションすることによって調製された。DNAフ
ラグメントの分解能は非常に良好であり、かつ104b
pフラグメントはデンプンを含むゲルにおいてよりも約
0.5cmだけ泳動が少なかった。1%のアガロースポ
リマーに加えて0.5%および1%のポリビニルアルコ
ールを含む2つのゲルが同じ方法で調製された。0.5
%のポリビニルアルコールを含むゲルではバンドはより
鮮明であり、120から3000bpのサイズ範囲での
分解能は非常に優れていた。
【0080】試薬の添加の順序が変えられたゲルもまた
調製された。すなわち、あるゲルは2.5mモルの1,
3−ジクロロプロパノールをアガロースとヒドロキシエ
チルセルロース(10ml、両方とも1%のポリマー)
の溶液に加えることによって調製され、かつ他方のゲル
は2.5mモルの1,3−ジクロロプロパノールをアガ
ロースの溶液に加え、さらにヒドロキシエチルセルロー
スを加えることによって調製された。各ポリマーの最終
濃度は1%であった。これらの溶液は架橋剤を加える前
は5mモルのNaOHを含んでいた。35℃で2日間イ
ンキュベーションを行なった後、DNAフラグメントの
電気泳動の移動距離は、2つのゲル中で移動した同じD
NAフラグメント間で本質的に差はないことを示した。
【0081】例17 架橋剤をポリマー溶液に加える前に希釈することによっ
て調製されたアガロースおよびエピクロルヒドリンを含
むゲル。1.1mモルのNaOHを含む9mlの1.1
%アガロース溶液に架橋剤が加えられる前に、ジオキサ
ン(1ml)が架橋剤(1mモル)を希釈するために用
いられた。このゲル溶液は35℃で2日間インキュベー
トされた。洗浄および平衡の後、電気泳動によるDNA
フラグメントの分解能は非常に優れていた。
【0082】本発明は特定の図面および例によって例示
されかつ説明されてきたが、前掲の特許請求の範囲に説
明される本発明の範囲から逸脱することなく変形および
変化がなされ得るということが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1で説明されるように、モノマーおよび架橋
剤濃度は同じだが(T=6およびC=3%)、線状ポリ
マー架橋剤と分枝ポリマー架橋剤との比が異なる、8つ
の異なるポリ(NAT)ゲル(a−h)における電気泳
動写真である。分枝架橋剤の比はaからhへ増大する。
【図2】2V/cm(第一次元、上から下へ)および7
V/cm(第二次元左から右へ)で6%のポリ(NA
T)ゲル中で泳動されたDNAフラグメント(lambda/H
ind III )の二次元電気泳動を示す写真である。
【図3】65℃でエピクロルヒドリンで架橋された1%
のアガロースゲル中で分解したDNAフラグメント(1
kbpラダーおよびpBR322/Hae III)の分解能を示す電
気泳動写真である。
【図4】図3と同様のDNAフラグメントであるが45
℃で架橋されたゲル中で分解されたものを示す電気泳動
写真である。
【図5】標準的な2%アガロースゲルの可視スペクトル
を示すグラフである。
【図6】10mlのゲル化溶液中に2%のアガロースポ
リマーと2mモルの1,3−ジクロロプロパノールとを
含むゲルの可視スペクトルを示すグラフである。
【図7】ヒドロキシエチル化されたアガロース(シー・
プラク)から調製された2%のゲルの可視スペクトルを
示すグラフである。
【図8】10mlのゲル化溶液中に2%のヒドロキシル
化されたアガロースポリマー(シー・プラク)と1.0
mモルの1,3−ジクロロプロパノールとを含むゲルの
可視スペクトルを示すグラフである。
【図9】2V/cm(第一次元、上から下へ)および7
V/cm(第二次元、右から左へ)で泳動された1.5
%のアガロースポリマーと1,3−ジクロロプロパノー
ルから誘導されたユニットとを含むゲルにおけるDNA
フラグメント(lambda/Hind III )の二次元電気泳動を
示す写真である。
【図10】20mlのゲル化溶液中に1%アガロースポ
リマーと0.5mlのブタンジオールジグリシジルエー
テルとを含むゲルにおける様々なDNAフラグメントの
分離を示す電気泳動写真である。
【図11】20mlのゲル化溶液中に1.5%のアガロ
ースポリマーと1mlのブタンジオールジグリシジルエ
ーテルとを含むゲルにおける様々なDNAフラグメント
の分離を示す電気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 27/447 G01N 27/26 315F

Claims (43)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状多糖および架橋剤から誘導されたユ
    ニットを含む連続ベッド形状の水不溶性の実質的に透明
    なゲルであって、架橋剤反応およびゲル形成は同時に発
    生しており、かつ架橋剤は、ジハロアルキルアルコー
    ル、ハロヒドリン、ビスエポキシド、ジビニルスルホン
    もしくはアルカンジオールジアルキルまたはジアリール
    スルホネートを含む化合物のグループから選択される、
    ゲル。
  2. 【請求項2】 多糖はアガロースである、請求項1に記
    載のゲル。
  3. 【請求項3】 多糖はヒドロキシエチルセルロースであ
    る、請求項1に記載のゲル。
  4. 【請求項4】 多糖はヒドロキシエチルアガロースであ
    る、請求項1に記載のゲル。
  5. 【請求項5】 線状多糖および分枝多糖を含む、請求項
    1に記載のゲル。
  6. 【請求項6】 線状多糖はアガロースであり、分枝多糖
    はデキストランである、請求項5に記載のゲル。
  7. 【請求項7】 線状多糖はアガロースであり、分枝多糖
    はデンプンである、請求項5に記載のゲル。
  8. 【請求項8】 1つ以上の線状多糖を含む、請求項1に
    記載のゲル。
  9. 【請求項9】 アガロースおよびヒドロキシエチルセル
    ロースを含む、請求項8に記載のゲル。
  10. 【請求項10】 1つ以上の線状多糖および分枝多糖を
    含む、請求項1に記載のゲル。
  11. 【請求項11】 アガロース、ヒドロキシエチルセルロ
    ース、およびデキストランを含む、請求項10に記載の
    ゲル。
  12. 【請求項12】 アガロース、ヒドロキシエチルセルロ
    ース、およびデンプンを含む、請求項10に記載のゲ
    ル。
  13. 【請求項13】 水酸基を有する合成ポリマーを含む、
    請求項2ないし12のいずれかに記載のゲル。
  14. 【請求項14】 合成ポリマーはポリビニルアルコール
    である、請求項13に記載のゲル。
  15. 【請求項15】 架橋剤反応およびゲル形成はpH値8
    −14で行なわれる、請求項2ないし14のいずれかに
    記載のゲル。
  16. 【請求項16】 架橋剤反応およびゲル形成は4℃−6
    5℃の温度で行なわれる、請求項2ないし14のいずれ
    かに記載のゲル。
  17. 【請求項17】 架橋剤反応およびゲル形成は15分か
    ら5日間にわたって行なわれる、請求項2ないし14の
    いずれかに記載のゲル。
  18. 【請求項18】 架橋剤反応およびゲル形成は溶媒とし
    ての水中で行なわれる、請求項14ないし17のいずれ
    かに記載のゲル。
  19. 【請求項19】 架橋剤反応およびゲル形成は水−有機
    溶媒混合物中で行なわれる、請求項14ないし17のい
    ずれかに記載のゲル。
  20. 【請求項20】 ゲルは支持体に固定される、請求項1
    ないし29のいずれかに記載のゲル。
  21. 【請求項21】 電気泳動マトリックスとして請求項1
    ないし20のいずれかに記載のゲルを用いることを含む
    電気泳動の方法。
  22. 【請求項22】 高分子は低分子よりも速く泳動するよ
    うにされるゲル電気泳動の方法であって、電界の強さは
    10V/cmより小さく、電界は一方向であり、かつ複
    数のゲル層にわたって開口を作ることによりゲル中で高
    分子が移動する、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 巨大分子の分枝架橋剤を含むゲルを用
    いる電気泳動の方法であって、高分子量イオンの泳動は
    前記ゲル中で阻止されるかまたは大幅に低減されること
    を特徴とする、請求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 線状多糖および架橋剤から誘導された
    ユニットを含む、水不溶性の実質的に透明なゲルの連続
    ベッドを調製する方法であって、線状多糖を溶媒中に溶
    解するステップと、架橋剤を加えかつ架橋剤反応とゲル
    形成とを同時に発生させるステップとを含み、架橋剤
    は、ジハロアルキルアルコール、ハロヒドリン、ビスエ
    ポキシド、ジビニルスルホンもしくはアルカンジオール
    ジアルキルまたはジアリールスルホネートを含む化合物
    のグループから選択される、方法。
  25. 【請求項25】 多糖はアガロースである、請求項24
    に記載の方法。
  26. 【請求項26】 多糖はヒドロキシエチルセルロースで
    ある、請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 多糖はヒドロキシエチルアガロースで
    ある、請求項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】 線状多糖および分枝多糖を含む、請求
    項24に記載の方法。
  29. 【請求項29】 線状多糖はアガロースであり、分枝多
    糖はデキストランである、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 線状多糖はアガロースであり、分枝多
    糖はデンプンである、請求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 1つ以上の線状多糖を含む、請求項2
    4に記載の方法。
  32. 【請求項32】 アガロースおよびヒドロキシエチルセ
    ルロースを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 1つ以上の線状多糖および分枝多糖を
    含む、請求項24に記載の方法。
  34. 【請求項34】 アガロース、ヒドロキシエチルセルロ
    ース、およびデキストランを含む、請求項33に記載の
    方法。
  35. 【請求項35】 アガロース、ヒドロキシエチルセルロ
    ース、およびデンプンを含む、請求項33に記載の
    法。
  36. 【請求項36】 水酸基を有する合成ポリマーを含む、
    請求項25ないし35のいずれかに記載の方法。
  37. 【請求項37】 合成ポリマーはポリビニルアルコール
    である、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 架橋剤反応およびゲル形成はpH値8
    −14で行なわれる、請求項25ないし37のいずれか
    に記載の方法。
  39. 【請求項39】 架橋剤反応およびゲル形成は4℃−6
    5℃の温度で行なわれる請求項25ないし37のいずれ
    かに記載の方法。
  40. 【請求項40】 架橋剤反応およびゲル形成は15分か
    ら5日間にわたって行なわれる、請求項25ないし37
    のいずれかに記載の方法。
  41. 【請求項41】 架橋剤反応およびゲル形成は溶媒とし
    ての水中で行なわれる、請求項35ないし40のいずれ
    かに記載の方法。
  42. 【請求項42】 架橋剤反応およびゲル形成は水−有機
    溶媒混合物中で行なわれる、請求項35ないし40のい
    ずれかに記載の方法。
  43. 【請求項43】 ゲルは支持体に固定される、請求項2
    4ないし42のいずれかに記載の方法。
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