JP3491329B2 - 有機薄膜電界発光素子およびその製造法 - Google Patents

有機薄膜電界発光素子およびその製造法

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JP3491329B2 JP07991494A JP7991494A JP3491329B2 JP 3491329 B2 JP3491329 B2 JP 3491329B2 JP 07991494 A JP07991494 A JP 07991494A JP 7991494 A JP7991494 A JP 7991494A JP 3491329 B2 JP3491329 B2 JP 3491329B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面光源やディスプレ
イに使用される有機薄膜電界発光素子(以下、EL素子
と略す。)およびその製造法に関する。さらに、詳しく
は、低い駆動電圧で、強い発光強度と高い発光効率が得
られ、該性能の保存安定性に優れたEL素子および該E
L素子を簡易に、安定生産することのできる製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物の有する高い蛍光効率は、古
くから多くの研究者に着目されており、有機化合物の電
界発光性能を利用した素子の研究も盛んに行われてい
る。そして、W.Helfrish, W.G.Scneiderらは、アントラ
セン単結晶を用いた青色発光素子の製作に成功しており
(J.Chem.Phys.,44,2902(1966))、Vincett や Barlow
らは、真空蒸着法を用いた縮合多環系化合物からなる発
光素子の製作に成功している (Thin Solid Films, 99,
171(1982))。これらの素子は、発光性能のある有機化
合物(以下、発光材料という。)を発光層として、一対
の電極に挟持したものであり、一方の電極からは電子が
注入され、もう一方の電極からは正孔が注入され、注入
された電子と正孔が、発光層内で再結合する時に発光す
るものである。しかし、前記の素子では、高い駆動電圧
を必要とし、発光強度および発光効率が低いため、実用
レベルには達しなかった。
【0003】そこで、低い駆動電圧で、強い発光強度と
高い発光効率が得られるという発光素子として必要な性
能を実用レベルまで向上させるため、近年、陽極から注
入される正孔を移動し、発光層内の発光材料に正孔を効
率良く与えることのできる化合物(以下、正孔注入輸送
材料という。)からなる正孔注入輸送層を陽極上に蒸着
し、さらにその上に発光層を逐次蒸着積層したEL素子
(Appl. Phys. Lett.,51,913(1987)などに記載) や上
記EL素子の発光層の上にさらに陰極から注入される電
子を移動し、発光層内の発光材料に電子を効率良く与え
ることのできる化合物(以下、電子注入輸送材料とい
う。)からなる電子注入輸送層を逐次蒸着積層したEL
素子(化学と工業、42巻、P2023、1989年などに記載)
および蒸着法により作成した正孔注入輸送層上へ、さら
に発光材料と電子注入輸送材料を各々の蒸着源から同時
に共蒸着させて発光層を積層したEL素子(J. Appl. P
hys., 65,3610(1989)などに記載)の研究が行われてお
り、強い関心を集めている。しかし、これらのEL素子
を得るためには、前記の各層を厳しく管理された製膜条
件のもとで、数千オングストローム以下の有機薄膜とし
なくてはならない上、前記の製造方法では、1つのEL
素子を得るために、数回の製膜(積層)工程を経なけれ
ばならないので、どうしても製造が煩雑となってしま
い、再現性の良い有機薄膜が得られないという生産安定
性に欠ける。
【0004】製造方法の簡易化させるために、前記のよ
うな煩雑な逐次積層工程を行なわない方法として、特開
平2−291696号公報に、正孔注入輸送材料と電子
注入輸送能を有する発光材料からなる発光層を単層とし
て共蒸着させる方法、特開平4−212286号公報
に、正孔注入輸送材料、電子注入輸送材料および発光材
料の3種類を同時に共蒸着させて単層の発光層を得る方
法が開示されている。これらの方法は、複数の薄膜を逐
次積層する必要のないところから、製造工程が簡略化で
きた。
【0005】しかし、このような製造法では、複数の蒸
発温度の異なる化合物を用いて、任意の組成比を有する
発光層(有機薄膜)に作成しなくてはならないので、厳
しく管理された製膜条件で実施しなくてはならない。つ
まり、発光層の成分組成比を均一に保つために、複数の
化合物の蒸発速度を厳しく制御しなくてはならないので
ある。一般に、上記の発光層の蒸着は、日本化学会
編,”第4版実験化学講座12,物質の機能性”,P21
2,丸善(1993)に記載されているように、水晶振動子モ
ニターでモニターしながら蒸着速度を0.1から0.2
nm/秒に制御しながら行なわれるが、水晶振動子モニ
ターの分解能は、一般的なもので密度1g/cm3 で0.
35nm/秒(日本真空技術(株)社製CMTM−50
00)なので、機器の精度限界を越えて、蒸着速度を制
御し、共蒸着を実施することとなるので、一定組成の混
合蒸着薄膜を作成するのは、通常でも非常に難しい技術
なのである。その上、上記製造法では、該制御は各々の
蒸着源温度を調節することでしか行えないので、該制御
が煩雑となり、各々の化合物を蒸発させる蒸着源の位置
も異なっているため、上記製造法を用いて、発光層内の
成分組成比を均一にすることは極めて困難なのである。
一方、J. Appl. Phys., 65,3610(1989) などに記載され
ているように混合物よりなる発光層を有するEL素子
は、発光層内の組成比により発光波長および発光効率が
変化するので、品質の良いEL素子を得るには、発光層
組成比を均一に保つ必要がある。
【0006】また、有機薄膜の製造方法として、特開平
3−790号公報には、スピンコート法を用いる製造方
法が開示されており、応用物理61巻,P1044 (1992)に
は、浸漬塗工法を用いる製造方法が報告されている。こ
れらの製造方法により得られるEL素子は、前記の逐次
積層により得られるEL素子に比べ、有機薄膜の保存安
定性が改善され、これらの製造方法は、前記の蒸着法に
比べ、製造工程が簡易化される。しかし、これらの製造
方法では、短絡などの原因となる不純物の混入を避ける
ことが非常に困難であること、および日本化学会編,”
第4版実験化学講座12,物質の機能性”,P210,丸善
(1993)に記載されているように、EL素子に用いる有機
材料は溶解性に乏しいため使用ができる材料が制限され
てしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来技術の問題点を解決し、低い駆動電圧で、強い
発光強度と高い発光効率が得られ、該性能の保存安定性
に優れたEL素子を提供することであり、該EL素子を
簡易に、安定生産することのできる製造法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、前記問題点
を鋭意研究したところ、EL素子の有機薄膜を製造する
際、特定の有機化合物および/または有機金属化合物を
用い、同一の蒸着源から、フラッシュ蒸着法によって製
膜すると、前記問題点を解決することができることを見
い出し、本発明を完成した。
【0009】本発明は下記の構成を有する。 I)少なくとも一方が透明もしくは半透明な一対の電極
間に、正孔注入輸送材料、電子注入輸送材料および発光
材料として用いられる2種類以上の有機化合物、2種類
以上の有機金属化合物もしくは1種類以上の有機化合物
と1種類以上の有機金属化合物とからなる少なくても1
層の有機薄膜が挟持された有機薄膜電界発光素子を得る
ための製造法において、有機薄膜を1つの蒸着源からフ
ラッシュ蒸着法により得る有機薄膜電界発光素子の製造
法。 II)前記第I項記載の製造法によって得られる有機薄膜
薄膜電界発光素子。 III)有機薄膜が発光層単層である前記第II項記載の有機
薄膜電界発光素子。
【0010】本発明のEL素子は、少なくとも一方が透
明もしくは半透明な一対の電極(陽極と陰極)間に少な
くとも1層の有機薄膜が挟持されたものである。該有機
薄膜には、2種類以上の正孔注入輸送材料からなる正孔
注入輸送層(A)、2種類以上の電子注入輸送材料から
なる電子注入輸送層(B)、1種類以上の正孔注入輸送
材料と1種類以上の電子注入輸送能を有する発光材料か
らなる正孔注入輸送能および電子注入輸送能を有する発
光層(C)、1種類以上の正孔注入輸送能を有する発光
材料と1種類以上の電子注入輸送材料からなる正孔注入
輸送能および電子注入輸送能を有する発光層(D)、1
種類以上の正孔注入輸送材料と1種類以上の発光材料か
らなる正孔注入輸送能を有する発光層(E)、1種類以
上の電子注入輸送材料と1種類以上の発光材料からなる
電子注入輸送能を有する発光層(F)、1種類以上の正
孔注入輸送材料、1種類以上の電子注入輸送材料および
1種類以上の発光材料からなる正孔注入輸送能および電
子注入輸送能を有する発光層(G)などが挙げられる
が、この中でも発光層(C、D、G)が好ましく、発光
層(G)が最も好ましい。
【0011】本発明のEL素子にかかる発光層には、
i)電界印加時に、陽極により正孔を注入することがで
き、かつ陰極より電子を注入することができる注入機
能、ii)注入した電荷(正孔と電子)を電界の力で移動
させる輸送機能、iii)正孔と電子の再結合の場を発光層
内部に提供し、これを発光につなげる発光機能などを有
しており、直流印加時に均質な面発光が得られることと
長時間経ても有機膜の変質による素子の劣化がみられな
いものであり、本発明のEL素子を構成する有機薄膜に
は、少なくても1層の発光層が存在していることが好ま
しい。
【0012】本発明のEL素子は、少なくとも一方が透
明もしくは半透明な一対の電極(陽極と陰極)間に、発
光層、正孔注入輸送層、電子注入輸送層のいずれかの有
機薄膜を単独もしくは組み合わせた少なくとも1層の有
機薄膜を挟持させたものである。具体的には、A)陽極
/発光層/陰極、B)陽極/正孔注入輸送層/発光層/
陰極、C)陽極/発光層/電子注入輸送層/陰極、D)
陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
などの構成を挙げることができる。正孔注入輸送層や電
子注入輸送層は、EL素子の発光性能を向上させるのに
効果的である。
【0013】本発明のEL素子は、基板に支持されてい
ることが好ましく、該基板に付いては特に制限はなく、
従来のEL素子に慣用的に使用されているガラス、透明
プラスチック、石英などを用いることができる。
【0014】本発明のEL素子における陽極には、仕事
関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化
合物及びこれらの混合物からなる電極物質を基板に積層
したものが用いられる。該電極物質の具体例としては、
Auなどの金属、CuI、ITO、SnO2 、ZnOな
どの導電性透明材料、ポリアニリンなどの有機導電性化
合物などを挙げることができる。該陽極は、蒸着、スパ
ッタリング、塗布などの方法により、基板に対し該電極
物質の薄膜を形成させることにより作製することができ
る。該電極より発光を取り出すには、透過率を10%よ
り大きくすることが望ましく、また、陽極層のシート抵
抗は、数十Ω/square以下が望ましい。さらに、
膜厚は材料により異なるが、通常0.01〜1μm、好
ましくは0.01〜0.3μmの範囲で選ばれる。
【0015】一方、陰極には、仕事関数の小さい(4e
V以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混
合物からなる電極物質を基板に積層したものが用いられ
る。該電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリ
ウム−カリウム合金、カルシウム、マグネシウム、リチ
ウム、アルミニウム/リチウム合金、マグネシウム/銀
合金、Al/AlO2 、インジウムなどが挙げることが
できる。該陰極は、蒸着やスパッタリングなどの方法に
より、基板に対し該電極物質の薄膜を形成させることに
より作製することができる。陰極層のシート抵抗は、数
十Ω/square以下が好ましく、膜厚は通常0.0
1〜1μm、好ましくは0.05〜0.2μmの範囲で
選ばれる。本発明のEL素子においては、該陽極または
該陰極のいずれか一方が透明または半透明であると、発
光を透過させ、発光の取出し効率もよい。
【0016】本発明のEL素子にかかる正孔注入輸送層
は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を
有するので、該正孔注入輸送層を陽極と発光層との間に
介在させることにより、低い電界で多くの正孔が発光層
に注入され、発光層に陰極または電子注入輸送層より注
入された電子が、発光層と正孔注入輸送層の界面に存在
する電子の障壁により、該発光層内の界面付近に蓄積さ
れ、発光効率が向上し、発光性能の優れたEL素子を得
るのに有効である。
【0017】これは、正孔注入輸送層を構成する正孔注
入輸送材料が、発光材料まで正孔を輸送し、注入する機
能を有するものであり、正孔注入輸送材料が可視領域で
蛍光する場合、正孔注入輸送能を有する発光材料として
用いることができる。該正孔注入輸送材料は、正孔注入
輸送層や発光層に使用することができる。
【0018】本発明に用いる正孔注入輸送材料は、電界
を与えられた一対の電極間に配置されて、陽極から正孔
が注入された時、該正孔を適切に発光層および発光材料
へ輸送しうる化合物であれば差し支えないが、104
106V/cmの電界印加時に、少なくとも10-7cm2
/V・秒 の正孔移動度を有する公知の光導電材料や正
孔電荷輸送材料として用いられている有機化合物および
有機金属化合物が好ましい。
【0019】該有機化合物および有機金属化合物の具体
例としては、トリアゾール誘導体(米国特許第3,112,19
7 号明細書に記載のもの)、オキサジアゾール誘導体
(米国特許第3,189,447 号明細書に記載のもの)、イミ
ダゾール誘導体(特公昭37-16096号公報に記載のも
の)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許第3,615,
402号明細書、同3,820,989 号明細書、同3,542,544 号
明細書、特公昭45-555号公報、同51-10983号公報、特開
昭51-93224号公報、同55-17105号公報、同56-4148 号公
報、同55-108667 号公報、同55-156953 号公報、同56-3
6656号公報に記載のもの)、ピラゾリン誘導体及びピラ
ゾロン誘導体(米国特許第3,180,729 号明細書、同4,27
8,746 号明細書、特開昭55-88064号公報、同55-88065号
公報、同49-105537 号公報、同55-51086号公報、同56-8
0051号公報、同56-88141号公報、同57-45545号公報、同
54-112637 号公報、同55-74546号公報に記載のもの)、
フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404 号明
細書、特公昭51-10105号公報、同46-3712 号公報、同47
-25336号公報、特開昭54-53435号公報、同54-110536 号
公報、同54-119925 号公報に記載のもの)、アリールア
ミン誘導体(米国特許第3,567,450 号明細書、同3,180,
703 号明細書、同3,240,597 号明細書、同3,658,520 号
明細書、同4,232,103 号明細書、同4,175,961 号明細
書、同4,012,376 号明細書、特公昭49-35702 号公報、
同39-27577号公報、特開昭55-144250号公報、同56-1191
32 号公報、同56-22437号公報、西独特許第1,110,518
号明細書に記載のもの)、アミノ置換カルコン誘導体
(米国特許第3,526,501 号明細書に記載のもの)、オキ
サゾール誘導体(米国特許第3,257,203 号明細書に記載
のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56-462
34号公報に記載のもの)、フルオレノン誘導体(特開昭
54-110837 号公報に記載のもの)、ヒドラゾン誘導体
(米国特許第3,717,462 号明細書、特開昭54-59143号公
報、同55-52063号公報、同55-52064号公報、同55-46760
号公報、同55-85495号公報、同57-11350号公報、同57-1
48749 号公報に記載されているもの)、スチルベン誘導
体(特開昭61-210363 号公報、同61-228451 号公報、同
61-14642号公報、同61-72255号公報、同62-47646号公
報、同62-36674号公報、同62-10652号公報、同62-30255
号公報、同60-93445号公報、同60-94462号公報、同60-1
74749 号公報、同60-175052 号公報に記載のもの)など
を挙げることができる。
【0020】特に、本発明にかかる有機化合物および有
機金属化合物としては、ポリフィリン化合物(特開昭63
-295695 号公報に記載のもの)及び芳香族第三級アミン
化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,41
2 号明細書、特開昭53-27033号公報、同54-58445号公
報、同54-149634 号公報、同54-64299号公報、同55-794
50号公報、同55-144250 号公報、同56-119132 号公報、
同61-295558 号公報、同61-98353号公報、同63-295695
号公報に記載のもの)、該芳香族第三級アミン化合物が
好ましい。
【0021】該ポリフィリン化合物としては、ポリフィ
リン、5,10,15,20−テトラフェニル−21
H,23H−ポリフィリン銅(II)、5,10,15,
20−テトラフェニル−21H,23H−ポリフィリン
亜鉛(II)、5,10,15,20−テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)−21H,23H−ポリフィリ
ン、シリコンフタロシアニンオキシド;アルミニウムフ
タロシアニンクロリド、フタロシアニン(無金属)、ジ
リチウムフタロシアニン、銅テトラメチルフタロシアニ
ン、銅フタロシアニン、クロムフタロシアニン、亜鉛フ
タロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニウムフタロシ
アニンオキシド、マグネシウムフタロシアニン、銅オク
タメチルフタロシアニンなどを挙げることができる。
【0022】また、該芳香族第三級化合物及びスチリル
アミン化合物としては、N,N,N’,N’,−テトラ
フェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−
ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−
4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−ジ
−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサ
ン、 N,N,N’,N’,−テトラ−p−トリル−
4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ
−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘ
キサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’
−ジ(4−メチキシフェニル)−4,4’−ジアミノビ
フェニル、N,N’−テトラフェニル−4,4’−ジア
ミノビフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニル
アミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−
トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミン)−4’
−[4(ジ−p−トリルアミン)スチリル]スチルベ
ン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニル
ビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフ
ェニルアミノスチルベン、N−フェニルカルバゾールな
どを挙げることができる。これらの有機化合物および有
機金属化合物は、単独で用いても、2種類以上の混合物
として使用してもどちらでもよい。また、前記化合物と
別種の化合物との混合物として使用してもよい。
【0023】本発明のEL素子にかかる電子注入輸送層
は、陰極より注入された電子を発光層に注入輸送する機
能を有するものである。これは、電子注入輸送層を構成
する電子注入輸送材料が、発光材料まで電子を輸送し、
注入する機能を有するからであり、電子注入輸送材料が
可視領域で蛍光する場合、電子注入輸送能を有する発光
材料として用いることができる。該電子注入輸送材料
は、電子注入輸送層や発光層に使用することができる。
【0024】本発明に用いる電子注入輸送材料は、公知
の電子注入輸送材料の中から任意のものを選択して用い
る事ができるが、具体的には、
【0025】
【化1】
【0026】などのニトロ置換フルオレノン誘導体、
【0027】
【化2】
【0028】などのチオピランオキシド誘導体、
【0029】
【化3】
【0030】などのジフェニルキノン誘導体(Polymer
Preprints,Japan,37(9),P681(1988年)に記載のもの)、
あるいは、
【0031】
【化4】
【0032】などの化合物(J.Appl.Phys.,27,269(198
8) に記載のもの)や、アントラキノジメタン誘導体
(特開昭57-149259 号公報、同58-55450号公報、同61-2
25151 号公報、同61-233750 号公報、同63-104061 号公
報に記載のもの)、フルオレニリデンメタン誘導体(特
開昭60-69657号公報、同61-143764 号公報、同61-14815
9 号公報などに記載のもの)、アントロン誘導体(特開
昭61-225151 号公報、同61-233750 号公報などに記載の
もの)、特開昭59-194393 号公報に記載されている2,
5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾキサ
ゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−ビ
ス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾキサゾリル)ス
チルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−
2−ベンゾキサゾリル)チオフェン、2,2’−(p−
フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール、4,
4’−ビス(2−ベンゾキサゾリル)ビフェニル、2,
5−ビス[5−(α,α−ジメチルベンジル)−2−ベ
ンゾオキサゾリル]チオフェン、4,4’−ビス[5,
7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾキザ
ゾリル]スチルベン、2,5−ビス[5,7−ジ−(2
−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾキサゾリル]−
3,4−ジフェニルチオフェン、2−{2−[4−(2
−ベンゾイミダゾリル)フェニル]ビニル}ベンゾイミ
ダゾール、5−メチル−2−{2−[4−(5−メチル
−2−ベンゾキサゾリル)フェニル]ビニル}ベンゾキ
サゾール、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾキサ
ゾリル)チオフェン、2−[2−(4−カルボキシフェ
ニル)ビニル]ベンゾイミダゾール、2−[2−(4−
クロロフェニル)ビニルナフト[1,2−d]オキサゾ
ール、特開昭63-295695 号公報に記載されている8−ヒ
ドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、応用物
理 61,1044(1992)や特開昭4-363894号公報に記載されて
いるオキサジアゾール系化合物などが好ましい。
【0033】また、本発明に用いる発光材料には、高分
子学会編 高分子機能材料シリーズ”光機能材料”、共
立出版(1991)、P236 に記載されているような昼光蛍光材
料、蛍光増白剤、レーザー色素、有機シンチレータ、各
種の蛍光分析試薬などの公知の発光材料を用いることが
できるが、具体的には、アントラセン、フェナントレ
ン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、ルブレ
ン、キナクリドンなどの多環縮合化合物、クオーターフ
ェニルなどのオリゴフェニレン系化合物、1,4−ビス
(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−
メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチル
−5−フェニル−2−オキザゾリル)ベンゼン、1,4
−ビス(5−フェニル−2−オキサゾリル)ベンゼン、
2,5−ビス(5−タシャリー−ブチル−2−ベンズオ
キサゾリル)チオフェン、1,4−ジフェニル−1,3
−ブタジエン、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキ
サトリエン、1,1,4,4−テトラフェニル−1,
3,−ブタジエンなどの液体シンチレーション用シンチ
レータ、特開昭63-264692 号公報記載のクマリン染料、
ジシアノメチレンピラン染料、ジシアノメチレンチオピ
ラン染料、ポリメチン染料、オキソベンズアントラセン
染料、キサンテン染料、カルボスチリル染料およびペリ
レン染料、独国特許2534713 公報に記載のオキサジン系
化合物および特開平4-363891号公報記載のオキサジアゾ
ール系化合物が好ましい。
【0034】本発明のEL素子の製造方法は、基板上
に、陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましく
は0.1〜0.3μmの範囲の膜厚になるように、蒸着
やスパッタリングなどの方法により形成させ、陽極を作
製したのち、この上に発光層をフラッシュ蒸着法により
形成する。発光層として用いる材料は、正孔注入輸送材
料、電子注入輸送材料および発光材料として用いられる
2種類以上の有機化合物、2種類以上の有機金属化合物
もしくは1種類以上の有機化合物と1種類以上の有機金
属化合物とからなる混合材料であり、該混合材料を構成
する各化合物は、真空蒸着可能な分子量1000以下の
ものが好ましい。また、発光材料の代わりに、素子を可
視領域で発光させる正孔注入輸送材料もしくは電子注入
輸送材料を用いても良い。
【0035】本発明にかかるフラッシュ蒸着法とは、前
記混合材料を加熱した蒸着源に供給して、該混合材料を
急速に蒸発させることにより、基板表面に有機化合物混
合体の蒸着薄膜(有機薄膜)を得る方法である。この方
法を用いると、蒸着作業の簡易化を図ることができ、良
好な素子が安定的に生産することができる。また、この
方法により得られる有機薄膜をEL素子として用いる
と、低い駆動電圧で、強い発光強度と高い発光効率が得
られ、かつ該性能を長期間に渡り持続することができ
る。
【0036】フラッシュ蒸着法は、日本学術振興会薄膜
第131委員会編,”薄膜ハンドブック”,p114,
オーム社(1983)記載の方法を有機材料に応用する
ことにより容易に実施することができる。フラッシュ蒸
着法のような高温蒸着法は、一般に有機化合物に不適と
される蒸着法であり、通常は無機物に用いられる蒸着法
である。有機化合物や有機金属化合物に、該フラッシュ
蒸着法を応用し、EL素子を製造したことは、本発明が
初めてのことである。
【0037】フラッシュ蒸着を行う際に使用する蒸着源
には、前記文献に記載のタングステン線のコニカルバス
ケット型以外に、モリブデン線、タンタル線、レニウム
線およびニッケル線などのコニカルバスケット型、石英
製、アルミナ製およびグラファイト製などのるつぼまた
はタングステン製、タンタル製またはモリブデン製のボ
ートを使用することもできる。フラッシュ蒸着は、あら
かじめ乳鉢またはボールミルなどで混合した有機薄膜用
の混合材料を300〜600℃、好ましくは400〜6
00℃に加熱した蒸着源に落下させ、該混合材料を一気
に蒸発させることにより、基板正面へ蒸着する前の混合
材料とほぼ同一の組成の蒸着薄膜を作成することができ
る。また、蓋に穴のあいた蓋付きの昇華金属用ボートを
用いて、あらかじめ該混合材料をボート内に入れておい
て、急激に電流を流すことによって、ボートを急激に昇
温させ、蒸着を行っても良い。
【0038】フラッシュ蒸着法の蒸着条件は、有機薄膜
の構成成分である各有機化合物の種類、分子累積膜の目
的とする結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般
に蒸着源加熱温度300〜600℃、真空度10-5〜1
-2Pa、蒸着速度5〜50nm/秒、基板温度−20
0〜+300℃、膜厚0.005〜5μmの範囲で適宜
選ぶ事が望ましい。
【0039】最後に、発光層(フラッシュ蒸着によって
得られた有機薄膜)の上に、陰極用物質からなる1μm
以下の薄膜を、蒸着やスパッタリング等の方法により形
成させ、所望のEL素子が得られる。本発明のEL素子
の製造方法においては、基板に対し、陰極および陽極の
どちらから形成しても差し支えなく、形成の順序に制限
はない。
【0040】また、陽極と発光層との間に正孔注入輸送
層が存在するEL素子を製造する時は、陽極を形成した
後、その上に、正孔注入輸送材料からなる薄膜を蒸着
法、スピンコート法などにより形成し、正孔注入輸送層
を設ける。蒸着に用いる正孔注入輸送材料を構成する化
合物が1種類の場合、その蒸着条件は、用いる正孔注入
輸送材料の種類、分子累積膜の目的とする結晶構造、会
合構造などにより異なるが、一般に蒸着源加熱温度15
0〜500℃、真空度10-5〜10-3Pa、蒸着速度
0.1〜50nm/秒、基板温度−200〜+300
℃、膜厚0.005〜5μmの範囲で適宜選ぶ事が望ま
しい。蒸着に用いる正孔注入輸送材料を構成する化合物
が2種類以上の場合、その蒸着条件は、前記発光層の薄
膜形成の条件に準じることが望ましい。スピンコート法
を採用する場合、その条件は、使用する材料の種類、溶
媒の種類などにより異なるが、一般に溶液濃度0.00
1〜90重量部、スピンナー回転数100〜10000
0回転/分、基板温度−200〜300℃、これらの条
件により膜厚を0.005〜5μmの範囲になる様に調
整することが望ましく、スピンコート後に、窒素やアル
ゴンなどの不活性気体雰因気下30〜400℃で10分
〜24時間熱処理を施すことが望ましい。正孔注入輸送
層を形成させる順序は、陽極、正孔注入輸送層、発光層
の順でも、発光層、正孔注入輸送層、陽極の順でもどち
らから行っても良い。
【0041】また、陰極と発光層との間に電子注入輸送
層が存在するEL素子を製造する時は、陰極(もしくは
発泡層)を形成した後、その上に、電子注入輸送材料か
らなる薄膜を蒸着法、スピンコート法などにより形成
し、電子注入輸送層を設ける。蒸着法、スピンコート法
は、正孔注入輸送層を形成させる時と同様の条件で実施
することができる。また、電子注入輸送層を形成させる
順序は、陰極、電子注入輸送層、発光層の順でも、発光
層、電子注入輸送層、陰極の順でもどちらから行っても
良い。
【0042】得られた有機薄膜EL素子の発光性は、該
素子の陽極側にプラス、該素子の陰極側にマイナスの直
流電圧2〜40V程度を印加し、透明または半透明の電
極側から発する光を観測することにより評価することが
できる。
【0043】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。
【0044】(実施例−1)25mm×75mm×1.
1mmのガラス基板上にITOをスパッタリング蒸着法
にて180nmの厚さで製膜したもの(東京三容真空
(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を
市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホルダーに
固定し、正孔注入輸送材料としてN,N’−ジフェニル
−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−4,4’
−ジアミンを40重量部および電子注入輸送能を有する
発光材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ)アル
ミニウム60重量部からなる混合材料をメノー乳鉢でよ
く混合して昇華金属用Moボート(日本バックスメタル
(株)製SS−1−9型)に入れ、8×10-4Paの真
空度でボートに70Aの電流を流し、蒸着速度10nm
/秒以上で該混合材料を透明支持基板上に蒸着し、膜厚
100nmの正孔注入輸送能および電子注入輸送能を有
する発光層(有機薄膜)を製膜させた。この時のMoボ
ートの温度は、450℃であった。次に、該発光層の上
に1×10-3Paの真空度でマグネシウムをグラファイ
ト製るつぼから蒸着速度1〜1.2nm/秒および銀を
グラファイト製るつぼから蒸着速度0.08〜0.11
nm/秒でシャドーマスクを介して0.25cm2 の面
積に150nmの厚さでマグネシウム−銀電極を共蒸着
して陰極を得、EL素子を作成した。得られたEL素子
に、ITO電極を陽極およびマグネシウム−銀電極を陰
極として直流電圧を印加すると、大気中で黄みの緑色の
安定した面発光が得られた。その輝度は、10Vにおい
て120cd/m2であった。このEL素子を窒素雰因
気下40℃で48時間の保存後に2000倍顕微鏡観察
で有機膜の変化は観察されず、また直流電圧を印加した
ところきれいな面発光が得られた。
【0045】(実施例−2)発光層(有機薄膜)用の混
合材料の組成比を、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス−(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミンが
39.5部重量部、トリス(8−ヒドロキシキノリノ)
アルミニウムが59.5重量部、発光材料としての4−
(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチ
ル−アミノスチリル)−4H−ピランが1重量部とした
以外は、実施例1に準拠しEL素子を作成した。得られ
たEL素子に、ITO電極を陽極およびマグネシウム−
銀電極を陰極として直流電圧を印加すると、大気中で黄
みの橙色の安定した面発光が得られた。その輝度は、1
0Vにおいて1200cd/m2であった。このEL素
子を窒素雰因気下40℃で48時間の保存後に2000
倍顕微鏡観察で有機膜の変化は観察されず、また直流電
圧を印加したところきれいな面発光が得られた。
【0046】(実施例−3)発光層(有機薄膜)用の混
合材料の組成比を、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス−(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミンが
39.5部重量部、トリス(8−ヒドロキシキノリノ)
アルミニウムが59.5重量部、発光材料としての3−
(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマ
リンが1重量部とした以外は、実施例1に準拠しEL素
子を作成した。得られたEL素子に、ITO電極を陽極
およびマグネシウム−銀電極を陰極として直流電圧を印
加すると、大気中で黄みの緑色の安定した面発光が得ら
れた。その輝度は、10Vにおいて1500cd/m2
であった。このEL素子を窒素雰因気下40℃で48時
間の保存後に2000倍顕微鏡観察で有機膜の変化は観
察されず、また直流電圧を印加したところきれいな面発
光が得られた。
【0047】(実施例−4)発光層(有機薄膜)用の混
合材料の組成比を、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス−(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミンが
39.85部重量部、トリス(8−ヒドロキシキノリ
ノ)アルミニウムが59.85重量部、発光材料として
のキナクリドンが0.3重量部とした以外は、実施例1
に準拠しEL素子を作成した。得られたEL素子に、I
TO電極を陽極およびマグネシウム−銀電極を陰極とし
て直流電圧を印加すると、大気中で黄みの緑色の安定し
た面発光が得られた。その輝度は、10Vにおいて25
00cd/m2であった。このEL素子を窒素雰因気下
40℃で48時間の保存後に2000倍顕微鏡観察で有
機膜の変化は観察されず、また直流電圧を印加したとこ
ろきれいな面発光が得られた。
【0048】(実施例−5)発光層(有機薄膜)用の混
合材料の組成比を、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス−(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミンが
39.5部重量部、トリス(8−ヒドロキシキノリノ)
アルミニウムが59.5重量部、発光材料としての9−
ジエチルアミノ−5H−ベンゾ[α]フェノキサジン−
5−オンが1重量部とした以外は、実施例1に準拠しE
L素子を作成した。得られたEL素子に、ITO電極を
陽極およびマグネシウム−銀電極を陰極として直流電圧
を印加すると、大気中で赤みの橙色の安定した面発光が
得られた。その輝度は、10Vにおいて150cd/m
2であった。このEL素子を窒素雰因気下40℃で48
時間の保存後に2000倍顕微鏡観察で有機膜の変化は
観察されず、また直流電圧を印加したところきれいな面
発光が得られた。
【0049】(比較例−1)有機薄膜(発光層)を製造
する際、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3
−メチルフェニル)−4,4’−ジアミンを8×10-4
Paの真空度で蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で石英
製るつぼから透明支持基板上に蒸着して、膜厚50nm
の正孔注入輸送層を製膜させた後、8×10-4Paの真
空度でトリス(8−ヒドロキシキノリノ)アルミニウム
を石英製るつぼから0.3〜0.4nm/秒で膜厚50
nmの発光層を正孔注入輸送層上に製膜させた以外は、
実施例1に準拠しEL素子を作成した。得られたEL素
子に、ITO電極を陽極およびマグネシウム−銀電極を
陰極として直流電圧を印加すると、大気中で黄みの緑色
の面発光が得られた。その輝度は、10Vにおいて10
00cd/m2であった。このEL素子を窒素雰因気下
40℃で48時間の保存後、目視で有機薄膜が白化して
いるのが確認された。このEL素子に直流電圧を印加し
たが面発光は得られなかった。
【0050】(比較例−2)有機薄膜(発光層)を製造
する際、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3
−メチルフェニル)−4,4’−ジアミンを8×10-4
Paの真空度で蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で石英
製るつぼから透明支持基板上に蒸着して、膜厚50nm
の正孔注入輸送層を製膜させた後、8×10-4Paの真
空度で4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−
(p−ジメチル−アミノスチリル)−4H−ピランを石
英製るつぼから0.003〜0.004nm/秒および
電子注入輸送材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリ
ノ)アルミニウムを石英製るつぼから0.3〜0.4n
m/秒で共蒸着法により膜厚50nmの発光層を正孔注
入輸送層上に製膜させた以外は、実施例1に準拠しEL
素子を作成した。得られたEL素子に、ITO電極を陽
極およびマグネシウム−銀電極を陰極として直流電圧を
印加すると、大気中で黄みの橙色の面発光が得られた。
その輝度は、10Vにおいて2000cd/m2であっ
た。このEL素子を窒素雰因気下40℃で48時間の保
存後、目視で有機薄膜が白化しているのが確認された。
この素子に直流電圧を印加したが面発光は得られなかっ
た。
【0051】(実施例−6)透明支持基板の大きさを1
50mm×150mm×1.1mmに代え、発光層(有
機薄膜)用の混合材料の組成比を、N,N’−ジフェニ
ル−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−4,
4’−ジアミンが39.5部重量部、トリス(8−ヒド
ロキシキノリノ)アルミニウムが59.5重量部、発光
材料としての4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−
6−(p−ジメチル−アミノスチリル)−4H−ピラン
が1重量部とし、200cm2 の面積に150nmの厚
さでマグネシウム−銀電極を共蒸着して陰極を得た以外
は、実施例1に準拠してEL素子を作成した。得られた
EL素子に、ITO電極を陽極およびマグネシウム−銀
電極を陰極として直流電圧を印加すると、全面で均一な
黄みの橙色の面発光が得られた。
【0052】(比較例−3)150mm×150mm×
1.1mmのガラス基板上にITOをスパッタリング蒸
着法にて180nmの厚さで製膜したもの(東京三容真
空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板
を市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホルダー
に固定し、A)正孔注入輸送材料としてN,N’−ジフ
ェニル−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−
4,4’−ジアミン、B)電子注入輸送能を有する発光
材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ)アルミニ
ウム、C)発光材料として4−(ジシアノメチレン)−
2−メチル−6−(p−ジメチル−アミノスチリル)−
4H−ピランをそれぞれ昇華金属用Moボートに入れ、
8×10-4Paの真空度でボートに流れる電流を調節
し、3つの蒸着源から、各々の材料を蒸着速度0.3n
m/秒で共蒸着させ、A:B:Cが重量比で39.5:
59.5:1の組成比となるように発光層を透明支持基
板上に蒸着し、膜厚100nmの正孔注入輸送能および
電子注入輸送能を有する発光層(有機薄膜)を製膜させ
た。次に、該発光層の上に1×10-3Paの真空度でマ
グネシウムをグラファイト製るつぼから蒸着速度1〜
1.2nm/秒および銀をグラファイト製るつぼから蒸
着速度0.08〜0.11nm/秒でシャドーマスクを
介して200cm2 の面積に150nmの厚さでマグネ
シウム−銀電極を共蒸着して陰極を得、EL素子を作成
した。得られたEL素子に、ITO電極を陽極およびマ
グネシウム−銀電極を陰極として直流電圧を印加する
と、大気中で黄みの橙色の面発光が得られたが、発光層
共蒸着の際、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−
6−(p−ジメチル−アミノスチリル)−4H−ピラン
の蒸着源に近かった発光層の部分が橙色が濃い発光色と
なり、遠かった発光層の部分が黄色みかかった薄い発光
色となってしまい、全面で均一な面発光が得られなかっ
た。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明のEL素子は、低
い駆動電圧で、強い発光強度と高い発光効率が得られ、
該性能の保存安定性に優れているため、平面光源やディ
スプレイ用発光素子として極めて有効である。また、本
発明の製造法は、該EL素子を簡易に、安定生産するこ
とのできるので、工業的価値が極めて高い。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明もしくは半透明な一
    対の電極間に、正孔注入輸送材料、電子注入輸送材料お
    よび発光材料として用いられる2種類以上の有機化合
    物、2種類以上の有機金属化合物もしくは1種類以上の
    有機化合物と1種類以上の有機金属化合物とからなる少
    なくても1層の有機薄膜が挟持された有機薄膜電界発光
    素子を得るための製造法において、有機薄膜を1つの蒸
    着源からフラッシュ蒸着法により得ることを特徴とする
    有機薄膜電界発光素子の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の製造法によって得られるこ
    とを特徴とする有機薄膜薄膜電界発光素子。
  3. 【請求項3】有機薄膜が発光層単層であることを特徴と
    する請求項2記載の有機薄膜電界発光素子。
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