JP3490090B2 - 流れ出さない点眼先端部および点眼器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、通常小滴の形で差す必要がある目薬の点眼
に有用な液体供給用先端部およびキャップと、このよう
な器具を製作する新規な方法に関する。

発明の背景 本発明は液体を供給する器具の技術に関し、更に詳し
く言えば、液体の小滴を正確に供給するための供給用先
端部に関する。本発明は目薬を差すための点眼器として
使用するために特に応用でき、したがって、特にそれに
関して説明することにするが、本発明は他のより広い用
途を有することがわかるであろう。

本発明に関連する種類の医薬滴投与器は、人の眼の治
療および痛みを和らげるために使用可能な数多くの医薬
および溶液用に種々の寸法および形状で使用できる。そ
のような点眼器は、基本的に、比較的小型の圧縮できる
プラスチック容器からなり、供給用先端部およびキャッ
プを備えている。

従来の点眼器に伴う一つの問題は供給する医薬品の
量、すなわち供給する小滴の数を正確に調整することが
困難なことである。従来の多くの点眼器は１滴の調整を
行うために一つの方法またはいくつかの方法の組合せを
利用している。

一つの方法は、使用者が押し縮めると、小滴が供給さ
れる非常に柔らかいプラスチックびんを用いる。びんを
強く押し縮めると薬びんの内部の空気圧が高くなり、そ
の空気圧により液体が先端部を通じて押し出される。液
状医薬品の連続した流れが押し出されることを防止し、
単一の小滴を生ずるために、それらのびんは先端部また
はノズルの入口に流れ制限部を組み込むことがある。こ
の流れ制限部は、１回の押し縮めで押し出される小滴の
数を制限する。それは点眼器から出る連続流ではなく
て、点眼器から出る個々の小径を形成する液状医薬品の
流量を制限する。残念ながら、直径がしばしば0.005イ
ンチ（0.13mm）と非常に小さい、成型オリフィスの作成
は製作が困難である。というのは、プラスチックの射出
成型には細くて折れやすい（直径0.005インチ/0.13mm）
心ピンを対応して備える必要があるからである。

発明の概要 本発明は、小滴が流れ出さないように制御する点眼先
端部及びキャップシステムであって、該先端部が一方の
側でヒンジ止めされる内部成型された除去可能な障壁を
有し、該キャップがノズル先端部の内部にはめ込まれる
ような形にされたスタッドを有し、軸線方向下向きへの
キャップの動きにより、障壁が部分的にまたは完全に移
動する点眼先端部及びキャップシステムを開示するもの
である。先端部の内側流路に流れ制限溝またはスロット
を成型できる。器具のキャップは、キャップを下向きに
動かした時に、先端部の障壁が部分的に移動し、続いて
障壁がそれの開放位置に機械的に捕らえられて流れ制限
部を形成するように構成される。キャップは、キャップ
の下向き運動により先端部の障壁が完全に移動し、続い
て障壁がそれの開放位置に機械的に捕えられて流れ制限
部を形成するように構成できる。

図面の簡単な説明 第１図は、障壁膜５が作動スタッド（６）に対して傾
斜しており、非作動位置にある時のびんに取り付けられ
た先端部及び、これに対応するキャップの横断面図であ
る。

第１（ａ）図は、障壁膜50の形が円形であり作動スタ
ッド（６）の面に対して平行に、かつ先端部（１）に対
して垂直に置かれており、非作動位置にある時のびんに
取り付けられた先端部及びこれに対応するキャップの横
断面図である。

第１（ｂ）図は、障壁膜51の形が球面であり先端部
（１）に取り外しできるように取り付けられている、非
作動位置にある時のびんに取り付けられた先端部及びこ
れに対応するキャップの横断面図である。

第２図は、第１図の部分２−２に沿った横断面図であ
る。

第２（ａ）図は、一つのスロット（８）ではなく四つ
のスロット（８）を示す部分２−２に沿った横断面図で
ある。

図２（ｂ）図は、複数のスロット（８）を示す部分２
−２に沿った横断面図である。

第３図は先端部とキャップの一部とに沿った作動後の
障壁を示す横断面図である。

第３（ａ）図および第３（ｂ）図は、障壁50と51がそ
の元の位置から完全に除去されている作動位置にある第
１（ａ）図および第１（ｂ）図の器具を示す図である。

第４図は、図示の流路（10）を有する逆の位置にある
先端部の横断面図である。

第４（ａ）図および第４（ｂ）図は第１（ａ）図およ
び第１（ｂ）図にそれぞれ示す器具の図示の流路（10）
を有する逆さにされた位置にある先端部の横断面図であ
る。

第５図は、医薬品を供給するための射出成型されたび
んの一部として一体に成型された時の先端部の側面図お
よび横断面図である。

発明の詳細な説明 本発明は、上記した製造上の諸困難を克服し、液体医
薬品の小滴を希望の場所に個々の小滴として正確に供給
する、点眼用の新規かつ改良した先端部およびキャップ
を目的とするものである。当該技術分野では普通である
体積が約30〜50マイクロリットルのもの、またはこれよ
り大きいものでも小さいものでも先端部の寸法と形状を
調整することにより、小滴を一滴づつ供給できる。

本発明によれば、閉じた圧縮可能な容器に用いるため
の改良された先端部（１）、また、小滴投与器が得られ
る。好ましくは、先端部（１）は簡単な一体成型された
器具として、対応するキャップ（２）と一緒に組み込ま
れる。このキャップは添付図面を参照することにより最
も良く理解される。先端部／キャップの組合せは、使用
できるようになった場合のみに作動（開く）できる密閉
した先端部を提供する手段としても作用する。これはキ
ャップ（２）が先端部（１）の内部で膜（５）または障
壁（５）、（50）または（51）を移動させないように、
キャップ（２）を先端部（１）に部分的にのみ組み込む
ことにより行うことができる。したがって、先端部は密
閉されたままの状態であり、長期保管しても、わずかな
漏れや蒸発の可能性もなくなる。

第１図は、周囲のねじ溝にキャップをねじ込んだ一体
成型された先端部の垂直断面図である。

第２図は、制限流路横スロットを示す第１図の２−２
線に沿って切断した第１図の横断面図ある。第2a図およ
び第2b図は、他の制限スロットまたは溝を示す代替実施
形態である。

第３図および第４図は、キャップと、流出を阻止する
制限流路とを開く動作を示す先端部の垂直断面図であ
る。

第3A図、第4A図および第3B図、第4B図は、それぞれこ
の器具の他の実施形態を示す。

第５図は、キャップが取り付けられた本発明の先端部
を有する目薬容器の一例を示す図である。

びんを実際に設計することは本発明の重要な部分では
ない。現在利用できるどのような目薬容器も本発明の先
端部に使用できる。1993年12月22日に出願されたU.S.S.
N.08/200,676号整理番号19140で特許請求されている発
明に記載されているような、制限された移動範囲を有す
るものが好ましい。

図を参照して本発明の重要な態様について以下に説明
する。

第１図で、全体として（１）で示す眼科先端部はねじ
溝（３）を介して取り付けられているキャップ（２）に
より保護される。目薬を供給するために有用な任意の種
類のびんであるびんを（４）で全体的に示す。

キャップ（２）は「シールブレーク」として作用す
る。先端部は開口部を横切る除去可能な膜または障壁
（５）で形成される。図示の実施形態は楕円形をしてお
り、横スロット（８）の上の点で、先端部のより高い内
部に取り付けられるように斜めになっている。第1A図お
よび第1B図に示す他の実施形態は、周囲が先端部（１）
の内壁に取り付けられる円形障壁（50）または球面障壁
（51）を含むことができる。ノズル開口部の上に取り付
けられたキャップ（２）の内部には適当な寸法および適
当な形状で一体成型されたスタッド（６）がはめ込まれ
る。キャップ（２）の最後の時計回り半回転でスタッド
（６）を障壁または膜（５）、（50）または（51）に対
して押し付け、それがヒンジ点（９）で内壁（７）に取
り付けられたままでいる間にそれを下向きに押すように
キャップ（２）を構成できる。あるいは、キャップ
（２）に軸線方向の力を加えることによりスタッド
（６）が障壁（５）に対して下向きに動くようにキャッ
プ（２）とびん（４）を構成できる。本発明の他の実施
形態は、障壁（51、51）を新しい位置まで完全に除去す
るスタッド（６）を有する。そうすると、密閉シールが
破られて適当な流れ制限部が生ずる。すべての場合に、
障壁は摩擦係合、アンダーカットまたはその他の機械的
な手段によってその新しい開放位置に捕えられ、供給の
間にびんの内部に生ずる内圧に抵抗できる流れ制御部と
して機能できるようにする。あるいは、種々の流体の流
れ特性および粘性を取り扱えるようにするために、第２
図のスロット（８）を種々の寸法のものにできる。スロ
ット（８）は、流れ特性で示すように、任意の数の浅い
スロットで構成することもできる。

制限流路横スロット（８）は、医薬品の流れを阻止す
る助けとなる、本発明の重要な部分である。それの横断
面形状を第２図に示し、代替実施形態を第2A図および第
2B図に示す。それらの図ではスロットはノズル流路内の
成型されたスロット（８）または溝として明瞭に示され
る。

キャップ（２）を先端部（１）の上に押し下げたり、
回して押し下げると、障壁（５）は下向きに移動し、逆
さの垂直断面図である第４図に示すように、液体内容物
が障壁（５）の周囲を流れることによって横スロット
（８）を通って出ることができる。第４図の矢印（10）
は流体の流路を示す。キャップ（２）のスタッド（６）
は、スタッド（６）が、作動後にキャップを再びはめた
時にびんの漏れ防止ふたとして作用するように構成され
る。第4A図および第4B図に示す他の実施形態は、先に述
べたものと同じである。

製造方法の重要な改良を表す本発明の他の態様は流れ
制限部を形成する方法に関するものである。面積が非常
に小さいオリフィスを液体医薬品が通る時に流れ制限が
生ずる。射出成型の場合には、これは通常、しばしば直
径0.13mmというように細く、長さがそれに対応して1mm
である金属製心ピンによって形成される開口部を意味す
る。このような寸法および細さを有する鋼製心ピンは、
頻繁な修理および交換を必要とする、もろい心であると
通常考えられている。これとは対照的に、本発明では、
流れ制限を生じさせるために開放スロットと、除去でき
るプラスチック部材とを使用する。小さいスロットの成
型は、スロットを形成する心ピンの非常に小さい部分
が、その全長にわたって太い心ピンに完全に取り付けら
れて折れにくくなるので、完全に囲まれたオリフィスを
成型することによりかなり有利である。

本発明の眼科用点眼先端部およびキャップは、ポリエ
チレンまたはポリプロピレンなどの適当なプラスチック
で射出成型できる。

一つの好ましい実施形態においては、本発明の先端部
は、第５図に示すような変位が制限されている側方部材
を有するびんの部分として成型される。この投与先端部
における変位が制限されているびんと流れ制限との組合
せは、流出を防止する一つの方法である。第５図は、本
発明の先端部とキャップを含む点眼容器を示す図であ
る。前に述べたように、第５図のびんの発明は、独立の
発明、1993年12月22日出願のU.S.S.N.08/200,676であ
る。

第５図は、圧縮可能なプラスチック容器または薬びん
（20）と、キャップ部材（21）と、底ふた（22）とで構
成される、上記の独立の発明のびんの所定の場所に配置
された本発明の先端部とキャップを示すものである。容
器または薬びん（20）は、小滴の形で供給すべき液体、
たとえば医薬品の供給源（23）を含む。容器（20）は直
径が細くなった一体の開放首部（24）を有する。その首
部の端部の最も上の部分には、第５図に示すように、外
部らせんねじ溝（25）が設けられている。ねじ溝（25）
はキャップ部材（21）における内部溝（26）にかみ合っ
て、キャップ部材を液密関係で容器（20）の所定場所に
取り付けるようになされる。

キャップ部材（21）は全体として円筒形の装着部すな
わちベース部（27）と、そこから端の方に突き出る内部
ノズル端部（28）とを備える。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 47/18

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】小滴が流れ出さないように点眼先端部が液
   体を制御する、ボトルに取り付け用の点眼先端部及びキ
   ャップシステムであって、該システムが内部流路を有す
   るノズル、内部流路を通って投与される液体を受けるた
   めに該流路に付けられた流れ制限スロット、および流路
   および流れ制限スロットに封をする内部成型された除去
   可能な障壁を有し、先端部上に適合させるキャップが、
   ノズル先端部の内部穴にはめ込まれるような形にされた
   スタッドを有し、先端部内へのキャップの下向きの動き
   により、流れ制限スロットを開くように障壁がノズル先
   端部内に移動することを特徴とする前記点眼先端部およ
   びキャップシステム。
2. 【請求項２】内部流路に複数の流れ制限スロットが成型
   された請求の範囲第１項に記載の先端部およびキャップ
   システム。
3. 【請求項３】キャップが下向きに動かされることによっ
   て障壁が部分的に移動させられ、続いて障壁および流れ
   制限スロットが開放位置に機械的に捕えられて流れ制限
   部を形成する請求の範囲第１項に記載の先端部およびキ
   ャップシステム。
4. 【請求項４】キャップの下向きに動かされることによっ
   て障壁が完全に移動させられ、続いて障壁および流れ制
   限スロットが開放位置に機械的に捕えられて流れ制限部
   を形成する請求の範囲第１項に記載の先端部およびキャ
   ップシステム。