JP3489920B2 - カットパイル布帛用短繊維素材 - Google Patents

カットパイル布帛用短繊維素材

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、椅子張りあるい
は、家具、カーペット、車両等のカットパイル布帛用素
材として用いるポリエステル短繊維素材に関する。更に
詳しくは、本発明は紡績性、パイルカット性に優れ、且
つパイル糸の毛倒れによる白ボケを防ぎ、さらにパイル
糸の濃染化を可能にしたカットパイル布帛用ポリエステ
ル短繊維素材(以下、単にポリエステル短繊維と略記す
ることもある。)に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリエステル短繊維はカットパイル布帛
用素材として、椅子張りあるいは家具、カーペット、車
両用内装材として広く使用されている。その要求特性
は、布帛表面がソフトなタッチであること、パイル
糸が毛倒れしにくいこと、パイル糸の毛倒れによる白
ボケを防ぐこと、を挙げることができる。これらを満足
するため、各種の提案がなされている。例えば断面形状
について種々検討し、特開昭63―12737号公報に
記載のように、断面偏平率が高く、図4に示すような3
個のくびれ部を有する、串団子状の偏平断面糸が提案さ
れている。この形状と成すことにより、繊維2次断面モ
ーメントが下がり、かつて得られなかったソフト感を有
し、毛倒れし難くコシのあるカットパイル布帛が得られ
た。 【0003】ここで、白ボケとは、カットパイル布帛の
表面を指などで部分的に触れた場合に接触した部分が雲
形状のモヤモヤとした陰影斑が生じることである。 【0004】これは、図2に示すように、地糸部(図2
中7)とパイル糸とからなるカットパイル布帛の毛並み
の側面部(図2中6)を見る場合、すなわち図2におい
て(A)の方向から見た場合を順目方向といい、パイル
糸束の側面部(図2中5)を見る場合、すなわち図2に
おいて(B)の方向から見た場合を逆目方向というが、
パイル布帛を見たとき、順目方向では白っぽく見え、一
方、逆目方向では濃く見えるので、色の濃度差が大きく
なり、カットパイル布帛を見る角度により、色の濃淡が
出てきて、例えば、図3に示すように、パイル糸の先端
部を指で触れて押さえたとき、該部分は横に倒れて、図
2において(A)の方向からパイル糸側面部6を見るの
と同様に、図3において(A′)の方向から毛並みの側
面部(図3中6′)を見ることになり、図3において
(B)方向との色の濃度差がわかりやすくなるので、色
が白くぼけたようになり、商品価値を著しく低下させ
る。 【0005】上記問題を解決するためにポリエステル短
繊維に酸化チタンを添加することにより、該短繊維の透
明度が下がり、パイル糸の断面部と側面部との光の反射
率の差を小さくすることができる。すなわち、該断面部
と側面部との色の濃度差を小さくすることで、カットパ
イル布帛の品位を高いものにすることができる。 【0006】このように、酸化チタンをポリエステル短
繊維に添加することで、現在でも、優れたカットパイル
布帛を得ることができる。 【0007】ところが、上述の解決手段を用いることに
より、新たな問題点が生じている。すなわち、酸化チタ
ンをポリエステル短繊維に添加することにより、鮮明
性、深色性が阻害されてしまい、染色したパイル布帛
が、パステル調の色になってしまう。また、繊維が脆く
なり、パイル糸の耐久性が下がり、使用範囲が限定され
てしまう。 【0008】更に、カットパイル布帛製造工程でパイル
糸をナイフで切断する際のナイフの磨耗が激しく、短時
間で切れ味が低下することからミスカットが発生しカッ
トパイル布帛の品位が著しく損なわれてしまうのでナイ
フの頻繁な交換が必要になり、作業性も著しく低下して
しまう、等の問題点があった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
問題点を解決し、カットパイル布帛と成した際にソフト
なタッチを有し、毛倒れによる白ボケ抑制性に優れ、且
つ濃染性、紡績性、パイルカット性、耐久性が大幅に改
善されたカットパイル布帛用ポリエステル短繊維素材を
提供することにある。 【0010】 【課題を解決する手段】本発明者らは上記従来技術に鑑
み、高品位のカットパイル布帛を得ることの出来る、カ
ットパイル布帛用ポリエステル短繊維素材について鋭意
検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。 【0011】すなわち、本発明によれば、ポリマー重量
を基準として、酸化チタンを0.05〜1.0重量%、
且つ硫酸バリウムを1.0〜5.0重量%含有し、単繊
維デニールが0.5〜10デニールであることを特徴と
するカットパイル布帛用ポリエステル短繊維素材が提供
される。 【0012】本発明において使用されるポリエステルと
しては、テレフタル酸および/またはそのエステル形成
性誘導体とエチレングリコールおよび/または1,4―
ブタンジオールとの重合体、すなわちポリエチレンテレ
フタレートおよびポリブチレンテレフタレートまたはそ
れらを主体とする共重合体を好ましく用いることができ
る。該共重合体の酸成分としてはイソフタル酸、スルホ
イソフタル酸、5―ナトリウムスルホイソフタル酸、ジ
フェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、p―オキ
シ安息香酸、p―β―オキシエトキシ安息香酸などのオ
キシカルボン酸が、ジオール成分としては1,3―プロ
パンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコールなどの脂肪族ジオール、1,4―ビス(β
―オキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族ジオール、ポ
リエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポ
リアルキレングリコール等が挙げられる。これらの成分
を第3成分として単独あるいは2種類以上を同時に共重
合させたものでも構わない。 【0013】本発明において、ポリエステル短繊維に添
加混練される酸化チタンおよび硫酸バリウムの含有量
は、ポリマー重量を基準として酸化チタンを0.05〜
1.0重量%、およびポリマー重量を基準として硫酸バ
リウムを1.0〜5.0重量%の範囲であることが必要
である。 【0014】酸化チタンを添加することで、前述の従来
技術同様、カットパイル布帛の白ボケに対して大きな抑
制効果を示すが、前記したような種々の問題点を含むた
め最大1.0重量%が限度である。また、酸化チタンが
0.05重量%以下の場合には白ボケ抑制効果がない。 【0015】一方、硫酸バリウムの含有量については、
1.0重量%未満の場合には十分に本発明の目的を達成
することができない。また、5.0重量%を越える場合
には、粒子がポリマー中に安定して均一に分散できず紡
糸が極めて困難になるため、1.0〜5.0重量%の範
囲、更には2.0〜4.0重量%の範囲であることが望
ましい。硫酸バリウムの平均粒径は分散性の観点から
0.3〜1μmの範囲にあることが好ましい。 【0016】ポリエステル短繊維に酸化チタンと硫酸バ
リウムを含有させる方法としては、テレフタル酸、エチ
レングリコール等の混合物(スラリー)と同じくエステ
ル交換反応槽に添加してもよいし、重縮合反応槽の前で
添加してもよい。また、ポリマーに直接添加をしてもよ
く、分散性の良い方法を取ることが好ましい。分散性の
観点からいえば、先ず酸化チタンを添加、十分に分散さ
せて後、硫酸バリウムを添加する方法が硫酸バリウムの
分散性をもっとも高められる。 【0017】本発明で使用されるポリエステル短繊維
は、上記した酸化チタンと硫酸バリウムとを本発明が必
要とする量含有したポリエステルポリマーを用い公知の
溶融紡糸装置を用いて紡糸し、延伸、捲縮、熱固定を行
いスクエアーカットまたはバイアスカットしてステープ
ルとし紡績工程に供することができる。但し、単繊維デ
ニールは0.5〜10デニールの範囲であることが必要
である。更に家具、車両用のカットパイル布帛に使用す
る場合は、品位より耐久性を重視し、2〜8デニールが
好ましい。0.5デニール未満では紡績性が落ち、パイ
ル糸の濃染化も難しくなり、硫酸バリウムを添加する効
果が薄れてしまう。また、10デニールを越えると風合
が硬くなり、カットパイル布帛用短繊維素材として用い
ることができない。 【0018】本発明において、ポリエステル短繊維の繊
維長が、15〜75mmの範囲内にあることが好まし
い。該繊維長が15mm未満であると、パイル長の長く
且つソフトなタッチを有するカットパイル布帛を得にく
く、逆に該繊維長が75mmを越えると、ポリエステル
短繊維を紡績工程に供するとき、紡績糸として絡合性、
撚効率に劣る。 【0019】本発明において、ポリエステル短繊維の断
面形状は本発明の効果を損なわない範囲であれば丸断面
を始め、偏平断面、多角断面、多葉断面、T断面等の異
形断面にしてもよい。 【0020】更に、該短繊維には、本発明の目的を奏す
る範囲内であれば顔料、紫外線吸収剤、防炎剤、蛍光増
白剤、消臭剤、抗菌剤、芳香性添加剤等の各種付与物質
が含有および/または付与されていてもよい。 【0021】本発明のポリエステル短繊維は、公知の方
法によりカットパイル布帛用紡績糸として紡績される
が、その際、該紡績糸は英式綿番手で7〜15番手であ
ることが好ましい。 【0022】該綿番手が7〜15番手の範囲内に無い
と、カットパイル布帛となした時、ソフトなタッチを有
しない、等の問題が生じる。 【0023】更に、本発明の効果を奏する限り、単糸使
い、双糸使い、3子使い、またはそれ以上に合撚して用
いてもよい。 【0024】本発明のポリエステル短繊維よりなるカッ
トパイル用紡績糸は、本発明が目的とする効果を奏する
限りは、パイル糸重量を基準としてポリエステル短繊維
100重量%から構成されていなくてもよく、本発明の
ポリエステル短繊維と通常のポリエステル短繊維、その
他の合成繊維、半合成繊維、天然繊維等からなる紡績糸
でもよい。 【0025】更に本発明以外の短繊維には、本発明の目
的を奏する範囲内であれば、顔料、紫外線吸収剤、防炎
剤、蛍光増白剤、消臭剤、抗菌剤、芳香性添加剤等の各
種特性付与物質が含有および/または付与されていても
よい。 【0026】例えば、偏平断面形状で酸化チタン、硫酸
バリウムを本発明で特定した量を含むポリエステル短繊
維100重量%でパイル糸を構成すると、風合の優れた
カットパイル布帛ができるが、断面形状の特性からヘタ
リ易いものとなる。そこで、偏平断面形状ポリエステル
短繊維と本発明の丸断面形状のポリエステル短繊維とか
らパイル糸を構成すると、ソフトな風合を保ちつつ、白
ボケ抑制性、耐ヘタリ性に優れたパイル糸を得ることが
できるなど、本発明の効果をより一層高めることができ
る。 【0027】更に本発明のポリエステル短繊維よりなる
カットパイル布帛は、本発明の効果を奏する限り、アル
カリ減量してもよい。 【0028】 【作用】特開平6―116825号公報には、単にポリ
エステル中空短繊維に対して、酸化チタン、硫酸バリウ
ム等を添加した後、紡績糸となし、該糸を用いて製織し
た織物をアルカリ減量して、ドライ感のある、麻ライク
のポリエステル織物を得る、という開示がある。 【0029】また、特公平4―9205号公報には、ポ
リエステル繊維に対し、硫酸バリウムを単独で添加した
後、製編織した布帛をアルカリ減量して、布の腰張りを
持たせながら、シルエットやドレープ性を改善し、更に
は染色したとき、パステル調になることがなく、光沢の
艶消し効果や風合改良効果を残しつつアタリの欠点が発
生しない布帛を得るという開示がある。 【0030】しかし、上記の公報においてはいずれも、
製編織後の布帛に対してアルカリ減量処理を行なって金
属塩を除去し、繊維表面部に微細な凹凸を形成させ、深
色性とドライな風合を得ることを目的としており、カッ
トパイル布帛において、パイル糸の毛倒れによるパイル
糸断面部とパイル糸側面部との色相濃度差がもたらす布
帛表面の白ボケを酸化チタンと硫酸バリウムとを併用し
て抑制するといった本発明の技術思想は見受けられな
い。 【0031】すなわち、本発明の技術思想は、以下のと
おりである。硫酸バリウムは第一に酸化チタンの二次凝
集粒子よりも粒子径が小さいのでポリエステル短繊維中
に微分散しやすく、第2にその屈折率がポリエステル短
繊維の屈折率とほぼ等しいので、多量にポリエステル短
繊維に加えても該短繊維の屈折率が上がらずに、パイル
布帛を染色したときパステルカラーになり難いことを挙
げることができる。 【0032】更に、ポリエステル短繊維中に酸化チタン
が含有されるとき、該短繊維の光の透過率が下がり、パ
イル糸の断面部とパイル糸の側面部との色相濃度差が小
さくなり、カットパイル布帛の白ボケ抑制に対して、そ
の効果が顕著になる。 【0033】その詳細な理由は、明らかではないが、酸
化チタンと硫酸バリウムとが何等かの相乗作用を互いに
及ぼしているものと推察される。 【0034】しかも、硫酸バリウムは分散性が良好で、
且つ粒子径が酸化チタンの二次凝集粒子径よりも小さい
ため、スカムが発生し難く、更にカットパイル布帛製造
工程でパイル糸をナイフで切断する際のナイフの磨耗を
防ぎ、パイルカット性が優れている。 【0035】更に、硫酸バリウムは、ポリエステル短繊
維中で微分散することから、該短繊維のフィブリル化抑
制効果も示す。 【0036】一方、ポリエステル短繊維中の酸化チタン
含有量が多すぎると、該短繊維の屈折率が高くなるため
に、該短繊維表面での光の乱反射が増え、染色してもパ
ステルカラーに見えてしまう上、紡績の際スカムが発生
し、各糸道やカード機の針等に堆積して、製造される紡
績糸の品質を悪化させる、あるいはスカム除去に時間が
費やされて、生産性が落ちる等の問題が生じるので、両
者の含有量は前述の範囲に収めることが必要である。 【0037】以上のことから見ても、前掲の公報に記載
された発明と本発明とは、その技術思想を異にすること
は明らかである。 【0038】 【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明は、これらによって何等限定されるもの
ではない。なお、実施例中の値は以下の方法により測定
した。 【0039】1)繊度:JIS L1015 7―5―
1A法により測定した。 【0040】2)色相濃度差:下記するように各種染
料、助剤等を繊維重量に対する重量%の割合で調合し
て、かせ巻きの紡績糸の束を浸漬し、130℃で60分
間染色した。 【0041】 Distet Navy Blue SPL 7.0重量% ND Auto Blue No.1 1.0重量% Disper Yellow YL 0.9重量% ND Auto Red No.1 0.2重量% 酢酸 0.1g/l サンソルト RM340 (分散剤) 1.0g/l シバテックス LF-N(紫外線吸収剤) 2.0重量% 【0042】染色後のかせ巻き紡績糸の束を先端が揃う
ように切断し、切断した先端を針布で丹念に充分毛捌き
してから、先端をもう一度揃えて切断し、その切断面と
糸束の側面の色相L*値をマクベスカラーアイのM20
20PL形により測定し、次式を用いて、色相濃度差Y
を求めた。 【0043】 【数1】色相濃度差Y=L*a /L*b (但し、L*a は糸束の側面方向の明度、L*b は切断
面方向の明度を示す。) 【0044】3)その他:官能検査により評価した。 【0045】[実施例1]酸化チタンを0.5重量%、
硫酸バリウムを2.5重量%含有するポリエチレンテレ
フタレートを溶融紡糸し延伸処理した後、単繊維デニー
ル3.0デニール、繊維長51mm、断面形状が丸断面
のポリエチレンテレフタレート短繊維を得た。これをカ
ットパイル糸用素材として用い上撚係数2.8(396
T/m)、下撚係数2.6(520T/m)で26/2
英式綿番手の紡績糸を用い、且つ地糸用経糸にはポリエ
ステル(T)/レーヨン(R)=65/35の混率(以
下T/R=65/35と称する)で英式綿番手20/2
の紡績糸を用いて図1に示す一越組織(図1中1)のモ
ケットを作成した。 【0046】図1は一越組織のモケットを作成するとき
のパイルカット時の断面図であり、上下各々の経方向、
緯方向の地糸で製織される布帛の間にパイル糸が往復し
て添毛され、二重織を形成しており、この二重組織をナ
イフで2枚に分離するところを示す。次いで毛捌きして
のちパイル糸表面をシャーリングしてパイル長2.5m
mの内装用カットパイル布帛を得た。 【0047】得られたカットパイル布帛の表面は、落ち
着いた光沢を有し、ナイロン繊維で作成したモケットに
似たソフトな風合のものであり、パイル糸の断面と側面
の色相濃度差は1.8で白ボケも少なく、染色性の良
い、高品位の布帛が得られた。また、紡績工程でのスカ
ムの発生を少なく、更にパイルカット、シャーリング時
のカッターの刃の寿命も長くなり、生産性を上げること
ができた。結果を表1に示す。 【0048】[実施例2〜4および比較例1〜4]実施
例1において、ポリエステル短繊維中の酸化チタン並び
に硫酸バリウム含有量、単繊維デニール、断面形状、パ
イル糸の構成を表1のように変更すること以外は、実施
例1と同様の操作を行なった。結果を表1に示す。 【0049】表1中比較例1では紡績性が劣り、紡績糸
を得ることができなかった。 【0050】 【表1】【0051】 【発明の効果】本発明によれば、酸化チタン粒子のみを
添加した場合と同じ効果(白ボケ抑制性、ソフトタッ
チ)が高水準で得られ、且つ酸化チタン粒子のみを添加
した際の問題点(耐フィブリル性、濃色性、紡績性、パ
イルカット性)を解決した優れた品質のカットパイル布
帛を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のポリエステル短繊維よりなるカットパ
イル布帛の組織の一例であり、一越組織のモケットをパ
イルカットして作成する様子を模式的に示した断面図で
ある。 【図2】カットパイル布帛を見る方向について模式的に
図示したものである。 【図3】カットパイル布帛のパイル糸が毛倒れした状態
を示した模式図である。 【図4】従来公知の方法により得ることができる偏平断
面糸の断面図の一例である。 【符号の説明】 1 パイル糸カット用のナイフ 2 カットパイル布帛の緯糸方向の地糸 3 カットパイル布帛の経糸方向の地糸 4 パイル糸 5 パイル糸の断面部 6 パイル糸の側面部 6′ 毛倒れ状態のパイル糸の側面部 7 カットパイル布帛の地糸部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−12848(JP,A) 特開 昭63−227828(JP,A) 特開 昭63−12737(JP,A) 特開 平3−124852(JP,A) 特開 平1−92411(JP,A) 特公 平4−9205(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/62 D01F 6/92 D03D 15/00 D03D 27/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリマー重量を基準として、酸化チタン
    を0.05〜1.0重量%、且つ硫酸バリウムを1.0
    〜5.0重量%含有し、単繊維デニールが0.5〜10
    デニールであることを特徴とするカットパイル布帛用ポ
    リエステル短繊維素材。
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