JP3487692B2 - 分波器 - Google Patents

分波器

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JP3487692B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、分波器に関し、
より詳細には、弾性表面波共振器により構成される弾性
表面波フィルタを用いた分波器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型で軽量な自動車電話、携帯電
話等の移動通信端末が急速に普及している。これらの端
末のRF部(高周波部)には、送・受信信号の分岐あるい
は合成を行うための分波器が用いられる。従来、この分
波器は、誘電体フィルタにより構成されていた。
【0003】しかし、最近の移動通信端末等の小型、軽
量化の要請から、分波器の小型、軽量化も所望されてい
る。その有望な手段として、弾性表面波フィルタからな
る分波器が提案されている。最近弾性表面波フィルタ
は、電極設計技術の進歩による周波数特性の向上、ある
いは電極材料の改良による耐電力性の改善により、かな
り信頼性が向上している。
【0004】図20に、従来の分波器の一般的な構成を
示す。共通信号端子T0には、伝送線路(分布定数線路)
B1及び帯域ろ波器Q1と、伝送線路(分布定数線路)B2
び帯域ろ波器Q2とが並列接続され、各帯域ろ波器Q1、Q2
は入出力信号端子T1、T2をそれぞれ有している。
【0005】帯域ろ波器Q1、Q2の信号通過周波数は互い
に異なり、共通信号端子T0から入力された信号は、帯域
ろ波器Q1、Q2により分波され、入出力信号端子T1、T2
り出力される。また、共通信号端子T0から入力された信
号は、帯域ろ波器Q2のみ通過し入出力信号端子T2より出
力され、あるいは、入出力信号端子T1から入力された信
号が、帯域ろ波器Q1を介して共通信号端子T0より出力さ
れる。
【0006】このような分波器に用いられる帯域ろ波器
Q1、Q2は、単独で用いられる場合と、分波器として構成
される場合では同一の特性に維持される必要があり、並
列接続されることにより特性劣化があってはならない。
【0007】図20において、回路の特性インピーダン
スをZ0、伝送線路B1及び帯域ろ波器Q1、伝送線路B2及び
帯域ろ波器Q2のインピーダンスをそれぞれZ1、Z2とする
と、共通信号端子T0から見たインピーダンスは次の(1)
式のように表される。 Z0=(Z1・Z2)/(Z1+Z2)…………(1) 帯域ろ波器Q1の特性が分波器として構成する前と同じに
なるためには、Z0=Z1となる必要がある。
【0008】そのためには、(1)式を変形した次の(2)式 Z0=Z1/((Z1/Z2)+1)…………(2) からわかるように、Z2=∞でなければならない。同様
に、帯域ろ波器Q2の特性が分波器として構成する前と同
じになるためには、Z1=∞でなければならない。
【0009】しかし、帯域ろ波器のインピーダンス特性
は周波数依存性を持っている。したがって、上記条件を
満たすには、帯域ろ波器(例えば、帯域ろ波器Q1)の通
過帯域においては回路インピーダンスZ0に近い値をも
ち、かつ、他方の帯域ろ波器(例えば、帯域ろ波器Q2
の通過帯域となる阻止帯域においては回路インピーダン
スZ0よりはるかに大きな値となる必要がある。
【0010】この種の分波器としては、特開昭62−1369
01号公報に開示された分波器がある。この従来例の分波
器は、第1の低域通過ろ波器および第1の帯域ろ波器
と、第2の低域通過ろ波器及び第2の帯域ろ波器とを並
列に接続した構成を有する。そして、この分波器では、
帯域ろ波器として誘電体フィルタを用い、低域通過ろ波
器として直列にインダクタンス、並列にキャパシタンス
を複数段用いている。しかし、誘電体フィルタは分波器
を小型化するには不向きである。
【0011】最近、誘電体フィルタに比べて小型化が可
能な弾性表面波フィルタを帯域ろ波器として用いた分波
器が提案されている。たとえば特開平2−20111号公報
には、2つのフィルタ(帯域ろ波器)が共にトランスバ
ーサル型の弾性表面波フィルタで構成された分波器が記
載されている。
【0012】また、送、受信フィルタ(帯域ろ波器)
が、共に共振器型の弾性表面波フィルタで構成されてい
る分波器として、文献IEEE Ultrason. Sym. Proc. pp15
-24, 1993がある。図21に、この文献の分波器を構成
する受信フィルタ(Rx)と送信フィルタ(Tx)の構成
を示す。同図に示すように、どちらのフィルタも弾性表
面波フィルタとキャパシタとの組合せで構成されている
が、信号線に対して並列に接続される回路には、キャパ
シタのみのものもある。また、受信フィルタは帯域フィ
ルタとして利用されるが、送信フィルタは帯域消去フィ
ルタとして利用される。さらに、送信フィルタ、受信フ
ィルタとも、それぞれLiTaO3とLiNbO3の2種類
の基板から構成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のもので
は、次のような問題点がある。特開平2−20111号
公報に示す分波器のように、トランスバーサル型の弾性
表面波フィルタを用いた場合、一般に通過域の損失が大
きい、相手側フィルタの帯域のインピーダンスを大きく
とれない、耐電力性が弱い等の問題がある。
【0014】図22に、トランスバーサル型と共振器型
のフィルタ特性の相違を示す。これはAMPS(Advanc
ed Mobile Phone Service)の送信フィルタ(帯域82
4〜849MHz)のS21パラメータとS11パラメータ
のスミスチャートを示したものである。図22(a)の
21パラメータの比較では、トランスバーサル型(IID
T)のフィルタの方が、共振器型(Resonator)よりも全
体的に損失が大きいことがわかる。
【0015】送信フィルタ及び受信フィルタを組み合わ
せて分波器を構成する場合、損失劣化を防ぐためには、
理想的には、図22(c)に示すように各フィルタの通
過帯域は入力インピーダンスの50Ω近傍領域(X)に
配置されるようにし、相手側のフィルタの通過帯域は高
インピーダンス領域(Y)に配置されるようにしなけれ
ばならない。
【0016】図22(b)は、低域通過ろ波器を備えて
分波器を構成する前の、フィルタの特性を示したスミス
チャートである。しかし、図22(b)のスミスチャー
トにおいて、トランスバーサル型(IIDTType)のもので
は、送信通過域(図のマーカ1−2間)と受信通過域
(図のマーカ3−4間)が近接しているため、共振器型
のものに比べて損失劣化が大きいと言うことができる。
【0017】すなわち、低域通過ろ波器を備えた分波器
を構成した場合は、図22(b)のスミスチャートが低
域通過ろ波器によって位相回転させられ図22(c)に
示す理想的な特性に対応したものが得られるが、トラン
スバーサル型では、送信通過域を図22(c)の領域
(X)に入れたとしても、受信通過域は、図22(c)
の高インピーダンス領域(Y)に入らないため、分波器
としては、良い特性のものが得られない。
【0018】また特開平2−20111号公報に示す分波器
のように、分波回路にマイクロストリップラインを用い
た場合、その線路長が近似的にλ/4と長くなる。例え
ば、厚さ1mmのガラスエポキシ基板に50Ωになるように
導体を形成した場合、その線路長は受信側で60mm、送信
側で84mm必要であるため、小型化、低コスト化に障害と
なる。
【0019】また、前記文献IEEEで示された弾性表面波
フィルタは、送信フィルタと受信フィルタとの構成が異
なり、それぞれ2種類の回路基板を用いているため、サ
イズが大きいという問題点がある。また、フィルタ外部
の位相整合回路には、送信フィルタ及び受信フィルタと
もそれぞれ5個の集中定数型素子が使用されているた
め、サイズが大きい。
【0020】この発明は、以上のような事情を考慮して
なされたものであり、帯域ろ波器として梯子型に接続し
た弾性表面波共振器を用い、低域通過ろ波器としてイン
ダクタ及びキャパシタを用いることによって、分波器を
構成する弾性表面波フィルタの構成の簡素化と所望の特
性を確保した小型の分波器を提供することを目的とす
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】図1に、この発明の基本
構成図を示す。同図に示すように、この発明は、任意の
第1の周波数信号を通過させる第1の低域通過ろ波器L
1と第1の帯域ろ波器F1とが直列に接続された第1ろ波
部1と、前記第1の周波数信号と異なる第2の周波数信
号を通過させる第2の低域通過ろ波器L2と第2の帯域
ろ波器F2とが直列に接続された第2ろ波部2とを、一
端を共通化させた共通信号端子T0で並列に接続し、前
記第1及び第2の帯域ろ波器(F1,F2)が梯子型に接
続された複数の弾性表面波共振器からなる弾性表面波フ
ィルタにより構成され、前記第1及び第2の低域通過ろ
波器(L1,L2)が集中定数型のインダクタ及びキャパ
シタにより構成されることを特徴とする分波器を提供す
るものである。
【0022】図2に、この発明の第2の基本構成図を示
す。同図に示すように、この発明は前記第1及び第2の
帯域ろ波器(F1,F2)を構成する複数の弾性表面波共
振器が、前記周波数信号が入力される信号線に対して並
列に接続される並列型の弾性表面波共振器(P1
1'、……Pn、Pn')と、直列に接続される直列型の
弾性表面波共振器(S1、S1'……Sn、Sn')とから構
成され、前記第1及び第2の低域通過ろ波器(L1
2)を構成する前記キャパシタが前記周波数信号が入
力される信号線に対して並列に接続され、前記インダク
タが直列に接続されることを特徴とする分波器を提供す
るものである。ここで、図2に示すように、第1及び第
2の帯域ろ波器(F1,F2)の共通信号端子T0側に、
共通信号端子T0に並列となる並列型の弾性表面波共振
器P1及びP1’を備えることが好ましい。
【0023】また、前記第1及び第2の低域通過ろ波器
(L1,L2)が、前記周波数信号が入力される信号線に
対して並列に接続された2つの並列キャパシタ(C1
2、C3、C4)と、この2つの並列キャパシタの間で
あって前記周波数信号が入力される信号線に対して直列
に接続された直列インダクタ(I1、I2)とから形成さ
れることが好ましい。ここで、第1及び第2の低域通過
ろ波器(L1,L2)は、並列キャパシタ−直列インダク
タ−並列キャパシタといういわゆる3セクション構成を
とることを意味する。
【0024】また、前記第1の帯域ろ波器F1及び第1
の低域通過ろ波器L1からなる第1ろ波部1と、前記第
2の帯域ろ波器F2及び第2の低域通過ろ波器L2からな
る第2ろ波部2との少なくとも一方の通過帯域における
入力インピーダンスの平均値が50Ω以上であることが
好ましい。
【0025】図3に、この発明の第3の基本構成図を示
す。同図に示すように、この発明は、前記第1及び第2
の低域通過ろ波器(L1、L2)がそれぞれ少なくとも2
つのキャパシタを備え、前記共通信号端子T0において
前記第1の低域通過ろ波器L1を構成する1つのキャパ
シタと、前記第2の低域通過ろ波器L2を構成する1つ
のキャパシタとが共通化されて1つのキャパシタC5
よって形成されることを特徴とする分波器を提供するも
のである。
【0026】また、前記第1ろ波部の共通信端子T0
から見た通過帯域におけるインピーダンスの平均値と、
前記第2ろ波部の共通信号端子側から見た通過帯域にお
けるインピーダンスの平均値のうち、少なくとも一方が
50Ω以上、かつ100Ω以下であるようにすることが
好ましい。
【0027】また、前記第1及び第2の帯域ろ波器(F
1、F2)は、その表面にイオン注入を施した弾性表面波
フィルタから構成されることが好ましい。
【0028】また、前記弾性表面波フィルタは電極を備
えているが、この電極が、AlにCuを添加したAl−
Cu膜と、CuのみからなるCu膜とを交互に配置した
多層膜で形成されることが好ましい。ここでたとえば、
図7に示す電極の断面図のように、前記電極は、2つの
Al−Cu膜12の間に、Cu膜11を配置した3層構
造を持つようにすることが好ましい。
【0029】図8に、この発明の分波器の斜視図を示
す。同図に示すように、この発明は、前記弾性表面波フ
ィルタ(F1'、F2')が表面実装型のセラミックパッケ
ージに封入され、この弾性表面波フィルタ(F1'、
2')、前記インダクタ(I1、I2)、前記キャパシタ
(C1、C2、C3、C4)、前記共通信号端子T0及び弾
性表面波フィルタの入出力信号端子(T1、T2)を1つ
の回路基板Pに搭載し一体化して形成することが好まし
い。
【0030】また、図10に示すように、弾性表面波フ
ィルタは、その表面に回路素子がむき出しのベアチップ
(F1''、F2'')によって構成してもよい。
【0031】また、図9に示すように、前記回路基板P
に搭載された各回路素子及び端子を接続する配線パター
ンが、回路基板の中心線に対して左右対称であることが
好ましい。
【0032】また、図8に示すように、前記回路基板上
Pで、前記第1及び第2の低域通過ろ波器(L1、L2
を構成するインダクタ(I1、I2)の間に、少なくとも
1つのキャパシタ(C1、C3)が挿入され、前記回路基
板P上で前記インダクタ(I 1、I2)が互いに隣接しな
いように配置されることが好ましい。
【0033】また、この発明の分波器において、図2に
示すように、前記第1、2の帯域ろ波器(F1,F2)が、
共通信号端子(T0)の側において、該共通信号端子
(T0)に並列に接続された弾性表面波共振器(P1
P'1)を備えることが好ましい。
【0034】また、図3に示したこの発明の分波器で
は、前記第1、2の低域通過ろ波器を形成する分波回路
12は、合計3個の並列キャパシタと2個の直列インダ
クタからなることが好ましい。また、図10に示した構
成を備えた分波器は、全体を導体カバーSCで覆うこと
が好ましい。
【0035】また、図8又は図9に示した分波器におい
て、共通信号端子(T0)、前記第1の帯域ろ波器と前記
第2の帯域ろ波器の各入出力信号端子(T1,T2)のう
ち、いずれか1端子は別の側、すなわち他の端子が設置
される回路基板上の端面とは反対側の端面に設けられる
ことが好ましい。
【0036】図8及び図10に示すこの発明の分波器に
おいて、前記第1、2の帯域ろ波器(F1',F2',F1'',
F2'')が設置される領域と、インダクタ(I1,I2)およ
びキャパシタ(C1,C2,C3,C4)が設置される領域は、
2つに分離されていることが好ましい。また、この発明
の分波器は、図8に示すように、前記集中定数型のイン
ダクタとして空芯コイル(I1,I2)を使用することが好
ましい。
【0037】この発明によれば、分波器を構成する第1
及び第2の帯域ろ波器が、梯子型に接続した複数の弾性
表面波共振器からなる弾性表面波フィルタにより構成さ
れているので、簡単な構成となり、他方の弾性表面波フ
ィルタの通過帯域となる阻止帯域におけるインピーダン
スを十分大きくとれる。
【0038】また、分波回路を形成する第1ろ波部と第
2ろ波部を低域通過ろ波器により構成するため、高周波
域でのハーモニック等の不要ふく射を抑えることが可能
である。さらに、低域通過ろ波器を構成する集中定数型
のインダクタおよびキャパシタは、チップ型素子を用い
ることができるので、上記弾性表面波フィルタと組合せ
ることによって、分波器の小型化が可能である。
【0039】図2に示す分波器のように、第1及び第2
の帯域ろ波器が共通信号端子T0の側に、この共通信号
端子に並列に接続された弾性表面波共振器(P1
1’)を備えているため、分波器を構成したときの通
過帯域での損失劣化量を低減することができる。
【0040】図3に示すように、第1及び第2の低域通
過ろ波器を構成するキャパシタのうち、共通信号端子T
0の部分のキャパシタを共通化して1つのキャパシタと
しているので、低域通過ろ波器を構成する集中定数型の
素子数を減らすことができ、したがって低コスト化、小
型化を図ることができる。また、第1ろ波部の共通信号
端子側T0から見た通過帯域におけるインピーダンスの
平均値と、前記第2ろ波部の共通信号端子T0側から見
た通過帯域におけるインピーダンスの平均値のうち、少
なくとも一方が50Ω以上、かつ100Ω以下となるよ
うにしているので、より損失の少ない良好な特性を持つ
分波器を構成することができる。
【0041】この発明によれば、第1及び第2の帯域ろ
波器として、表面にイオン注入処理を施した弾性表面波
フィルタを用いることにより、Q値の高い、急峻な減衰
特性を有する弾性表面波フィルタを得ることができる。
したがって、他方の弾性表面波フィルタの通過帯域とな
る阻止帯域におけるインピーダンスを十分大きくとれる
ようになり、この弾性表面波フィルタを用いて分波器を
構成すれば、通過帯域での損失劣化をより低減できる。
【0042】また、弾性表面波フィルタを構成する電極
として、図7に示すように、AlにCuを添加した膜とCu膜
とが交互に形成された多層膜を用いているので、弾性表
面波フィルタの耐電力性を向上でき、1W程度と言われ
る分波器への入力電力に対しても問題なく使用できるよ
うになる。
【0043】図8に示すように、表面実装型セラミック
パケージに封入した弾性表面波フィルタ、集中定数型の
インダクタとキャパシタ、および共通信号端子と弾性表
面波フィルタの各入出力信号端子を同一回路基板にモジ
ュルとして設けているので、新たに損失を発生すること
なく、小型の分波器を構成できる。さらに、弾性表面波
フィルタを表面実装型のパッケージに封入しているた
め、それぞれ特性評価を行った後モジュールに組み上げ
ることができ、特性基準を満たさない部品の廃却の無駄
を低減できる。
【0044】図10に示すように、弾性表面波フィルタ
のベアチップ、集中定数型のインダクタとキャパシタ、
および共通信号端子と弾性表面波フィルタの各入出力信
号端子を同一回路基板にモジュールとして設ける場合に
は、新たに損失を発生することなく、さらに小型の分波
器を構成できる。
【0045】また、前記第1の帯域ろ波器を構成する弾
性表面波フィルタの入出力信号端子と、前記第2の帯域
ろ波器をろ波器を構成する弾性波フィルタの入出力端子
と、共通信号端子T0のうち、いずれか1つの端子が、
他の端子が設置される回路基板上の端面とは反対側の端
面に設置されるようにしているので、各端子間の絶縁を
十分にとることができ、損失劣化の少ない分波器を得る
ことができる。
【0046】この発明によれば、回路基板上の配線パタ
ーンを所定の中心線に対して左右対称にしているので、
インダクタとキャパシタおよび弾性表面波フィルタを左
右入れ換えるだけで送信回路、受信回路の位置を簡単に
置換できる。したがって、この分波器を搭載する機器の
仕様設計に応じた配置が容易となる。
【0047】また、梯子型の弾性表面波フィルタを用い
た、第1及び第2の低域通過ろ波器を、前記したような
並列キャパシタ−直列インダクタ−並列キャパシタの3
セクション構成にしているので、最も効率良く、他方の
弾性表面波フィルタの通過帯域となる阻止帯域における
インピーダンスを十分大きくとることができ、分波器を
構成したときの通過帯域での損失劣化を低減できる。
【0048】また、インダクタ同士が隣接しないように
間にキャパシタを挿入した配列としているので、インダ
クタ同士の電磁結合による信頼性の劣化を防止すること
ができる。
【0049】また、回路基板を導体カバーで覆うことに
より、その気密性、放熱性および電磁波シールド性を確
保することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施例に基づいて
この発明を詳述する。なお、この発明はこれによって限
定されるものではない。
【0051】図2はこの発明に係わる分波器の基本構成
を示すとともに、一実施例の回路構成を示した図であ
る。以下に、まず、図2及び図4から図9を用いて、分
波器の構成と部品配置、SAWフィルタの構成について
の一実施例について述べる。この分波器は、2つの帯域
ろ波器(F1,F2)と、2つの低域通過ろ波器(L 1
2)とによって構成される。2つの帯域ろ波器(F1
2)は、1ポート弾性表面波共振器を梯子型に接続し
た共振器型の弾性表面波フィルタ(Surface Acoustic W
ave filter:SAWフィルタと呼ぶ)が用いられ、一方の帯
域ろ波器F1は、送信フィルタとして用いられ、他方の
帯域ろ波器F2は、受信フィルタとして用いられる。低
域通過ろ波器(L1,L2)は、集中定数ローパスフィル
タ(LPF)が用いられ、SAWフィルタと共通信号端
子T0との間に位相整合回路として設けられる。
【0052】送信フィルタ(F1)の一端は、LPF
(L1)を介して共通信号端子T0に共通に接続され、他
端は入出力用端子(送信端子)T1を通して送信回路に
接続される。受信フィルタ(F2)の他端は、入出力用
端子(受信端子)T2であり、受信回路に接続される。
【0053】図4に、図2に用いられるSAWフィルタ
(F1,F2)の等価回路の一例を示す。これは、共通信
号端子T0に接続された信号線に対して並列に接続され
る3つの並列型の弾性表面波共振器(P1,P2,P3
と、直列に接続される2つの直列型の弾性表面波共振器
(S1,S2)とから構成されるSAWフィルタである。
一般には、SAWフィルタは、並列型の弾性表面波共振
器Pn(nは正の整数)と直列型の弾性表面波共振器S
nとが多段接続された構成を持つ。
【0054】図5に、図4に示したSAWフィルタの配
置例を示す。これは、SAWフィルタの表面を上方から
見た図である。LiTaO3等で形成した基板表面上に
Al−Cu等で形成した電極が図のようにパターン化さ
れる。図の上方部の端子は入力側であり、LPFに接続
され、下方部の端子は出力側であり、フィルタの入出力
用端子T1又はT2に接続され、SAWフィルタ(P1
2,P3)の右端はアースに接続される。
【0055】ここで、図6に示すように各弾性表面波共
振器(P1,P2,P3,S1,S2)は、すべて同様の構
造を持つ。すなわち、2つの反射器(C,D)と1組の
くし型電極(A,B)とから構成される。
【0056】ただし、くし型電極において、互いにつき
出た枝部分の間隔(図6に示すλ)が直列型の弾性表面
波共振器(S)と並列型の弾性表面波共振器(P)とで
異なるようにする。これは、直列型の弾性表面波共振器
(S)と並列型の弾性表面波共振器(P)の共振周波数
を異ならせるためであり、通常、並列型のλを直列型の
λよりも大きくする。
【0057】たとえば、送信フィルタとして構成される
場合、直列型の弾性表面波共振器(S)のλは4.59
μm、並列型の弾性表面波共振器(P)のλは4.79
μmが用いられる。また、受信フィルタとして構成され
る場合、直列型の弾性表面波共振器(S)のλは4.3
7μm、並列型の弾性表面波共振器(P)のλは4.5
7μmが用いられる。
【0058】2つのLPFは図2に示すように、集中定
数型素子である2つのキャパシタと1つのインダクタに
よって構成される。送信側のLPFは、並列キャンパシ
タC 1と直列インダクタI1と並列キャパシタC2、受信
側のLPFは、並列キャパシタC3と直列インダクタI2
と並列キャパシタC4とからなる。このように送・受信
フィルタにSAWフィルタを、LPFに集中定数型素子
を用いることで、分波器全体を小型化することができ
る。
【0059】また、このSAWフィルタが高い送信電力
に対して耐久性を備えるために、表面弾性波共振器を構
成する電極を、図7に示したように材質の異なる2つの
金属膜を交互に配置した多層膜で形成することが好まし
く、さらにこの図7のような3層構造にすることが好ま
しい。図7において、11はCuのみからなるCu膜で
あり、12はAlにCuを添加したAl−Cu膜であ
り、13は回路基板である。
【0060】Al−Cu膜12としては、たとえばAl
に2%のCuを混合したものを用い、Cu膜11の厚み
は20nm、Al−Cu膜12の厚みは120nm程度
のものを用いることができる。また、回路基板13の材
料としては、たとえばLiTaO3,LiNbO3を用い
ることができる。
【0061】図11に、電極の耐電力性の比較図を示
す。ここで、従来の電極としては、Al-2%Cu(300nm)の
単層膜のものを用い、この発明の電極としては、Al-2%
Cu(120nm)/Cu(20nm)/Al-2%Cu(120nm)の3層膜を用い
た。また、AMPS用の送信フィルタを測定対象とし、
印加周波数は、送信フィルタの通過域で最も耐電力性が
弱い849MHzとした。また、チップ温度を一定に保
ち、入力電力に関して加速試験を行い、アレニウスプロ
ットから環境温度85℃、印加電圧1wでの寿命を求
め、両者を比較した。
【0062】図11において、従来の電極では1600
時間の寿命であって比較的短いのに対し、この発明の3
層構造の電極の寿命は50万時間となり、これは、十分
実用的な使用に耐え得る寿命であると言うことができ
る。
【0063】図8及び図9に、この発明の分波器におけ
る各部品の配置例の斜視図を示す。ここで、表面実装型
セラミックパッケージに封入した送・受信フィルタ
F1',F 2'(3.8×3.8×1.5mm)およびLPFを同一回路
基板Pにモジュールとして設けている。さらに、これを
一つの部品とし全体を導体カバーSCで覆っている。L
PFは、インダクタ(I1,I2)、キャパシタ(C1
2,C3,C4)から構成され、さらに、回路基板Pの
一端面側に共通信号端子T0が設けられる。
【0064】図9は、回路基板Pの表面と裏面の配線パ
ターンの一例を示したものであるが、共通信号端子T0
が設けられた回路基板Pの一端面側とは異なる端面側に
SAWフィルタの入出力端子T1,T2を設けている。ま
た、回路基板Pの裏面と表面の回路パターンを接続する
ための複数個のスルーホールが適切な位置に設けられて
おり、裏面には、不要な高周波信号による影響を回避
し、端子間の絶縁を良好なものとするため、アースパタ
ーンが広く設けられている。
【0065】また、この部品配置の特徴は、送、受信側
ともLPF領域(A)とSAWフィルタ領域(B)に分
離して配置し、中心線Cに対して送信側、受信側は左右
対称である点にある。したがって、送、受信領域は互い
に置き換えることができる。
【0066】さらに、インダクタ同士の相互作用を避け
るために、インダクタ(I1,I2)が互いに隣接しない
ように間にキャパシタ(C1,C3)を挿入した配列とし
ている。このように、インダクタが互いに隣接しないよ
うにするのは、次のような理由による。すなわち、イン
ダクタが隣接するように配置した場合、インダクタ同士
が電磁結合を起こし、単独のインダクタ値よりも見かけ
上その値が小さくなったかのようにふるまい、回路設計
の不安定要因が増す。したがって、2つのインダクタの
間にキャパシタを挿入した配置とすれば、電磁結合によ
る不安定要因を取り除くことができ、分波器の信頼性を
確保することができる。
【0067】なお、図8において、例えば、C1,C2
3,C4に1608のチップキャパシタ(1.6×0.8×0.8m
m)と、I1,I2として0.2φの線を内径0.6φで数回巻
いた空芯コイルを用いれば、LPF部分の小型化をする
ことができる。ここで、I1、I2として空芯コイルを用
いるのは、空芯コイルの方がチップタイプのインダクタ
よりも内部抵抗が小さいため、分波器として構成したと
きの特性劣化を抑制できるからである。
【0068】以上のように構成したモジュールの外径寸
法は、8×6×2.5mmとなった。誘電体フィルタを用い
た従来の分波器のサイズは、最も小型のもので14×23×
4mmであるので、この実施例で示した分波器は、体積比
で誘電体フィルタの9.3%、床面積比で15%の大きさと
なり、かなり小型化できることがわかる。
【0069】また、チップキャパシタ1608をさらに小型
の1005を用いた場合、その外径寸法を8×5.1×2.5mmと
することができる。このように、小型のチップコンデン
サを用いれは、プリント基板の配線パターン間の距離に
余裕を持たせることができ、製造時のショート不良を減
らすことができる。また、たとえば、I1=8.5 nH, I2
7.5 nH, C1=6 pF, C2=4 pF, C3=4 pF,C4=4 pFの素
子を使用することで、良好な特性のLPFを構成するこ
とができる。
【0070】次に、以上のような構成を持つ分波器のフ
ィルタ特性について述べる。図12に、LPFを挿入し
ないで、SAWフィルタ単体のみで分波器を構成した場
合のフィルタのS21の周波数特性の図を示す。図13
に、LPFを挿入し、図2及び図8に示すような分波器
を構成した場合のフィルタのS21の周波数特性の図を示
す。ここで、図2に示すキャパシタ、インダクタとし
て、C1=4 pF, I1=8.7 nH, C3=4 pFのものを用いた。
【0071】図12のSAWフィルタのみでは、高周波
数側(図の右側)での減衰が少ないことがわかる。図1
3のように、LPFを入れることで、高周波数側で減衰
が大きくなり、高周波成分の抑圧効果があることがわか
る。図13において、たとえば、特に減衰が必要とされ
る1.6975GHz(MARKER 3), 2.4725GHz(MARKER 4), 2.5475
GHz(MARKER 5)の各周波数において、図12と比べてそ
れぞれ2.621dB, 17.59dB, 17.968dBの改善があった。し
たがって、図2及び図8のようにLPFを構成すること
で、高周波成分が抑圧され、全体として良好なフィルタ
特性を持つ分波器を得ることができた。
【0072】図14に、弾性表面波フィルタのS11特性
の比較図を示す。これは、弾性表面波フィルタの共通信
号端子側に、並列に接続された弾性表面波共振器を有す
る場合(図14(a))と、直列に接続された弾性表面
波共振器を有する場合(図14(b))とのS11特性を
比較したものである。ここで、図14(a),(b)と
も、分波器を構成する前のAMPS用Rxフィルタの単
体のS11特性を示している。
【0073】図14(b)では、Rx通過域(マーカ3
−4間)とTx通過域(マーカ1−2間)が接近してい
るため、分波器を構成したときの損失劣化量が大きい。
これに対して、図14(a)に示すように、この発明の
図2の実施例の弾性表面波フィルタにおいて共通信号端
子側に並列に接続された弾性表面波共振器(P 1
1’)を有する場合には、RX通過域(マーカ3−4
間)とTX通過域(マーカ1−2間)が離れているた
め、図14(b)に比べて損失劣化量が少ないことがわ
かる。
【0074】次に、分波器の回路構成を、さらに合理化
した一実施例について、図3、図15及び図16を用い
て説明する。図2に示した実施例では、いずれも送・受
信フィルタの共通信号端子T0、すなわちアンテナ側
は、初段キャパシタ(C1,C3)が2つ別々に構成され
ている。しかし、図3はこの初段キャパシタを1つのキ
ャパシタ(C5)にまとめて構成したものである。すな
わち、第1及び第2の低域通過ろ波器(L1,L2)にお
ける共通信号端子T0側のキャパシタC1とC3とを共通
化した1つのキャパシタC5によってそれぞれの低域通
過ろ波器を構成する。図2に示した実施例では、LPF
を形成する分波回路は3つのキャパシタと3つのインダ
クタからなる6セクション構成であったが、図3に示す
実施例では、3つのキャパシタ(C2,C4,C5)と、
2つのインダクタ(I1,I2)とによって分波回路L12
が構成され、部品数を1つ少なくすることができる。こ
こで、キャパシタC5の容量は、C1+C3の容量に等し
いものを用いる。
【0075】図15と図16を用いて、図2及び図3に
示した分波器の特性の比較を示す。図15は、図2のよ
うに構成したAMPS用の分波器のS21特性図である。
ここでC1=4.5pF, I1=8.5nH, C2=5.5pFのLPFと、C
3=4pF, I2=7.5nH, C 4=4pFのLPFを用いた。図16
は、図3のように構成したAMPS用の分波器のS21
性図である。ここで共通のキャパシタとして、C5=9.5p
Fのものを使用した。
【0076】図15、図16において、Txは、共通信
号端子T0と入出力端子T1との間の通過特性を示してお
り、Rxは、共通信号端子T0と入出力端子T2との間の
通過特性を示している。図15と図16を比較すると、
共通信号端子T0側のキャパシタを共通化したことによ
る劣化は見られず、S21特性は、どちらもほとんど変わ
らないことがわかる。
【0077】たとえば、図15のTx側において、減衰
量が824MHxzで-2.33dB, 849MHzで-2.43dBであるのに対
し、図16のTX側において、824 MHzで-2.43 dB, 849M
Hz で-2.36dBであり、ほとんど差は見られない。図15
のRx側において、減衰量が869MHzで-4.27dB, 894MHzで
-3.33dBであるのに対し、図16のRx側においても、86
9MHzで-4.56dB, 894MHzで-3.34dBとなり、ほとんど差は
見られない。
【0078】したがって、図3に示す分波器のように、
共通信号端子側のキャパシタを共通化しても、フィルタ
特性の劣化はみられず、キャパシタを共通化することに
よってキャパシタを1個減らすことができるため、図2
に示す分波器よりもさらに小型化、低コスト化を図るこ
とができる。
【0079】図8に、送・受信フィルタとして表面実装
型セラミックパッケージに封入したSAWフィルタを用
いた例を示したが、図10に示すように、ベアチップ状
態の送・受信フィルタでモジュール部品を構成してもよ
い。表面実装型セラミックパッケージをベアチップで置
き換えた場合、その外形寸法は8×4.5×2.5mmとなり、
さらに小型化をはかることができる。なお、図10の場
合も、全体を導体カバーで覆うことが好ましい。
【0080】次に、図1の第1ろ波部及び第2ろ波部の
入力インピーダンスをある範囲に限定した場合の実施例
について述べる。図1の第1ろ波部1及び第2ろ波部2
の通過帯域における入力インピーダンスの平均値を、5
0Ω以上にした場合と50Ω以下にした場合のS21パラ
メータによる損失の比較を図17及び図18に示す。図
17は、第1ろ波部1及び第2ろ波部2の共通信号端子
0側から見た通過帯域における入力インピーダンスの
平均値を50Ω以上(73.1Ω及び69.5Ω)にした場合の
21の特性を示し、図18は、入力インピーダンスの平
均値を50Ω以下(48.8Ω及び47.3Ω)した場合のS21
の特性を示す。また、それぞれの図には、TXフィルタ
を含む第1ろ波部1及びRXフィルタを含む第2ろ波部
2の構成図、及び相手帯域のインピーダンスと分波器構
成後のS 21の損失も示している。
【0081】この図17及び図18の測定結果を比較す
ると次のことが言える。まず、TXフィルタの896MHz及
び894MHzの周波数において、相手側のRXフィルタのイ
ンピーダンスは、通過帯域のインピーダンスの平均値を
50Ω以上(73.1Ω)とした方が大きい。またRX
フィルタの824MHz及び849MHzの周波数においても、同様
に、通過帯域のインピーダンスの平均値を50Ω以上
(69.5Ω)とした方が、相手側のR Xフィルタのイ
ンピーダンスを大きくすることができる。また、TX
ィルタの824MHz及び849HMzでのS21パラメータを比較す
ると、通常帯域のインピーダンスの平均値を50Ω以上
(73.1Ω)とした方が値が小さくなり損失が減少し
ていることがわかる。このS21パラメータの比較に関し
ては、RXフィルタについても同様に損失が減少してい
ると言える。したがって、図17及び図18の測定結果
より、図17に示したような入力インピーダンスの平均
値を50Ω以上にした方が、相手帯域のインピーダンス
を大きくすることができ、分波器を構成したときのS21
の損失を減少させることができるため、より良好な特性
を持つ分波器が得られると言える。
【0082】また、一般に、自動車電話や携帯電話に使
用されるSAWフィルタでは、実用上フィルタの特性を
表す電圧定在波比VSWRの基準が2以下であることが
必要とされる。一般に、このVSWRと反射係数Γと
は、次式の関数がある。 VSWR=(1+Γ)/(1−Γ) また、反射係数Γと通常帯域のインピーダンスの平均値
Z(Ω)とは、次式の関係がある。 Γ=(Z−50)/(Z+50) このとき、VSWR〈2という条件を満たす場合には、
Z〈100(Ω)と規定できる。したがって、図17及
び図18の測定結果と上記の実用上の条件から、図1、
図2及び図3に示した構成を持つこの発明の分波器にお
いて、第1ろ波部及び第2ろ波部の通過帯域のインピー
ダンスの平均値を50Ω以上100Ω以下にすることが
好ましい。
【0083】次に、イオン注入処理をしたSAWフィル
タの実施例について述べる。図1、図2及び図3に示す
第1及び第2の帯域ろ波器として、基板表面にAr2+のイ
オン注入処理をしたSAWフィルタを用いることによ
り、通過特性の角形比が良好になり、分波器の特性を向
上させることができる。
【0084】図19にイオン注入処理を施した場合と、
未処理の場合のS21特性の比較を示す。ここで1.5GHz帯
のSAWフィルタを利用した。また、イオン注入処理
は、電極形成前にLiTaO3基板表面上にAr2+、180Ke
V、5×1013/cm2の条件で行い、その後450℃、1h
rの熱処理を施した。
【0085】角型比=“-20dBでの帯域幅/-3dBでの帯
域幅”と定義すると、イオン注入処理をした場合は、角
度比=1.7、未処理の場合は角型比=2.3となる。一般に
理想的には、角型比は1となるべきものであるので、イ
オン注入処理した場合の方が角型比が改善されることが
わかる。
【0086】この発明の分波器をAMPS用に利用する
場合には、送信帯域=824〜849MHa、受信帯域=869〜89
4MHzであり、その間隔は20MHzと非常に狭いため、角型
比の良い通過特性を持つものが要求される。したがって
上記したようなイオン注入処理を施した帯域ろ波器を用
いて、この発明の分波器を構成することがさらに好まし
い。
【0087】
【発明の効果】この発明によれば、分波器を構成する第
1及び第2の帯域ろ波器が、梯子型に接続した複数の弾
性表面波共振器からなる弾性表面波フィルタにより構成
されているので、簡単な構成となり、他方の弾性表面波
フィルタの通過帯域となる阻止帯域におけるインピーダ
ンスを十分大きくとれる。また、分波回路を形成する第
1ろ波部と第2ろ波部を低域通過ろ波器により構成する
ため、高周波域でのハーモニック等の不要ふく射を抑え
ることが可能である。さらに、低域通過ろ波器を構成す
る集中定数型のインダクタおよびキャパシタは、チップ
型素子を用いることができるので、上記弾性表面波フィ
ルタと組合せることによって、分波器の小型化が可能で
ある。この発明によれば、第1及び第2の帯域ろ波器が
共通信号端子の側に、この共通信号端子に並列に接続さ
れた弾性表面波共振器を備えているため、分波器を構成
したときの通過帯域での損失帯域での損失劣化量を低減
することができる。この発明によれば、第1及び第2の
低域通過ろ波器を構成するキャパシタのうち、共通信号
端子の部分のキャパシタを共通化して1つのキャパシタ
としているので、低域通過ろ波器を構成する集中定数型
の素子数を減らすことができ、したがって低コスト化、
小型化を図ることができる。
【0088】 この発明によれば、第1ろ波部の共通信
号端子側から見た通過帯域におけるインピーダンスの平
均値と、前記第2ろ波部の共通信号端子側から見た通過
帯域におけるインピーダンスの平均値のうち、少なくと
も一方が50Ω以上、かつ100Ω以下となるようにし
ているので、より損失の少ない良好な特性を持つ分波器
を構成することができる。この発明によれば、第1及び
第2の帯域ろ波器として、表面にイオン注入処理を施し
た弾性表面波フィルタを用いることにより、Q値の高
い、急峻な減衰特性を有する弾性表面波フィルタを得る
ことができる。したがって、他方の弾性表面波フィルタ
の通過帯域となる阻止帯域におけるインピーダンスを十
分大きくとれるようになり、この弾性表面波フィルタを
用いて分波器を構成すれば、通過帯域での損失劣化をよ
り低減できる。この発明によれば、弾性表面波フィルタ
を構成する電極として、図7に示すように、AlにCuを添
加した膜とCu膜との多層膜を用いているので、弾性表面
波フィルタの耐電力性を向上でき、1W程度と言われる
分波器への入力電力に対しても問題なく使用できるよう
になる。この発明によれば、表面実装型セラミックパケ
ージに封入した弾性表面波フィルタ、集中定数型のイン
ダクタとキャパシタ、および共通信号端子と弾性表面波
フィルタの各入出力信号端子を同一回路基板にモジュー
ルとして設けているので、新たに損失を発生することな
く、小型の分波器を構成できる。さらに、弾性表面波フ
ィルタを表面実装型のパッケージに封入しているため、
それぞれ特性評価を行った後モジュールに組み上げるこ
とができ、特性基準を満たさない部品の廃却の無駄を低
減できる。
【0089】 この発明によれば、第1の帯域ろ波器を
構成する弾性表面波フィルタの入出力信号端子と、前記
第2の帯域ろ波器を構成する弾性波フィルタの入出力端
子と、共通信号端子のうち、いずれか1つの端子が、他
の端子が設置される回路基板上の端面とは反対側の端面
に設置されるようにしているので、各端子間の絶縁を十
分にとることができ、損失劣化の少ない分波器を得るこ
とができる。この発明によれば、回路基板上の配線パタ
ーンを所定の中心線に対して左右対称にしているので、
インダクタとキャパシタおよび弾性表面波フィルタを左
右入れ換えるだけで送信回路、受信回路の位置を簡単に
置換できる。したがって、この分波器を搭載する機器の
仕様設計に応じた配置が容易となる。この発明によれ
ば、インダクタ同士が隣接しないように間にキャパシタ
を挿入した配列としているので、インダクタ同士の電磁
結合による信頼性の劣化を防止することができる。この
発明によれば、回路基板を導体カバーで覆うことによ
り、その気密性、放熱性および電磁波シールド性を確保
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の基本構成ブロック図である。
【図2】この発明の第2の基本構成ブロック図である。
【図3】この発明の第3の基本構成ブロック図である。
【図4】この発明のSAWフィルタの等価回路例であ
る。
【図5】この発明のSAWフィルタの配置図の一例であ
る。
【図6】この発明で用いる弾性表面波共振器の構造図の
例である。
【図7】この発明の弾性表面波フィルタの電極の断面図
である。
【図8】この発明の分波器の一実施例の斜視図である。
【図9】この発明の分波器の回路基板Pの配線パターン
図である。
【図10】この発明の分波器のベアチップを利用した実
施例の斜視図である。
【図11】電極の耐電力性の比較図である。
【図12】LPFを挿入しない場合のSAWフィルタの
21特性図である。
【図13】LPFを挿入した場合のSAWフィルタのS
21特性図である。
【図14】弾性表面波フィルタのS11特性の比較図を示
す。
【図15】図2に示した分波器のS21特性図である。
【図16】図3に示した分波器のS21特性図である。
【図17】入力インピーダンスの平均値が50Ω以上の
場合のS21特性図を示す。
【図18】入力インピーダンスの平均値が50Ω以下の
場合のS21特性図を示す。
【図19】イオン注入処理に関するS21特性の比較図を
示す。
【図20】従来の分波器の一般的な構成図である。
【図21】従来の分波器の一実施例の回路図である。
【図22】トランスバーサル型と共振器型のフィルタ特
性の比較図である。
【符号の説明】
1 第1ろ波部 2 第2ろ波部 11 Cu膜 12 Al−Cu膜 13 回路基板 L1 第1低域ろ波器 L2 第2低域ろ波器 L12分波回路 C1,C2,C3,C4,C5 キャパシタ I1,I2 インダクタ P1,P1', …,Pn , Pn ' 並列型の弾性表面波共振
器 S1,S1', …,Sn , Sn ' 直列型の弾性表面波共振
器 B1 伝送線路(分布定数線路) B2 伝送線路(分布定数線路) F1 第1の帯域ろ波器 F2 第2の帯域ろ波器 T0 共通信号端子 T1 入出力信号端子 T2 入出力信号端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 良夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−10718(JP,A) 特開 平6−350307(JP,A) 特開 平7−38376(JP,A) 特開 平9−98056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 7/46 H03H 9/145 H03H 9/72 H04B 1/52

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の第1の周波数信号を通過させる第
    1の低域通過ろ波器L1と第1の帯域ろ波器F1とが直列
    に接続された第1ろ波部と、 前記第1の周波数信号と異なる第2の周波数信号を通過
    させる第2の低域通過ろ波器L2と第2の帯域ろ波器F2
    とが直列に接続された第2ろ波部とを、一端を共通化さ
    せた共通信号端子T0で並列に接続し、前記第1及び第
    2の帯域ろ波器が梯子型に接続された複数の弾性表面波
    共振器からなる弾性表面波フィルタにより構成され、前
    記第1及び第2の低域通過ろ波器が集中定数型のインダ
    クタ及びキャパシタにより構成され、前記第1及び第2の帯域ろ波器(F 1 、F 2 )が、前記共
    通信号端子T 0 側に、この共通信号端子に並列に接続さ
    れた並列型の弾性表面波共振器を備える ことを特徴とす
    る分波器。
  2. 【請求項2】 任意の第1の周波数信号を通過させる第
    1の低域通過ろ波器L 1 と第1の帯域ろ波器F 1 とが直列
    に接続された第1ろ波部と、 前記第1の周波数信号と異なる第2の周波数信号を通過
    させる第2の低域通過ろ波器L 2 と第2の帯域ろ波器F 2
    とが直列に接続された第2ろ波部とを、一端を共通化さ
    せた共通信号端子T 0 で並列に接続し、前記第1及び第
    2の帯域ろ波器が梯子型に接続された複数の弾性表面波
    共振器からなる弾性表面波フィルタにより構成され、前
    記第1及び第2の低域通過ろ波器が集中定数型のインダ
    クタ及びキャパシタにより構成され、 前記第1及び第2の低域通過ろ波器(L 1 、L 2 )がそれ
    ぞれ少なくとも2つのキャパシタを備え、 前記共通信号端子T 0 において前記第1の低域通過ろ波
    器L 1 を構成する1つのキャパシタと、前記第2の低域
    通過ろ波器L 2 を構成する1つのキャパシタとが共通化
    されて1つのキャパシタによって形成されることを特徴
    とする分波器。
  3. 【請求項3】 前記第1ろ波部の共通信端子側から見た
    通過帯域におけるインピーダンスの平均値と、前記第2
    ろ波部の共通信号端子側から見た通過帯域におけるイン
    ピーダンスの平均値のうち、少なくとも一方が50Ω以
    上、かつ100Ω以下であることを特徴とする請求項1
    に記載した分波器。
  4. 【請求項4】 任意の第1の周波数信号を通過させる第
    1の低域通過ろ波器L 1 と第1の帯域ろ波器F 1 とが直列
    に接続された第1ろ波部と、 前記第1の周波数信号と異なる第2の周波数信号を通過
    させる第2の低域通過ろ波器L 2 と第2の帯域ろ波器F 2
    とが直列に接続された第2ろ波部とを、一端を共通化さ
    せた共通信号端子T 0 で並列に接続し、前記第1及び第
    2の帯域ろ波器が梯子型に接続された複数の弾性表面波
    共振器からなる弾性表面波フィルタにより構成され、前
    記第1及び第2の低域通過ろ波器が集中定数型のインダ
    クタ及びキャパシタにより構成され、 前記第1及び第2の帯域ろ波器が、その表面にイオン注
    入を施した弾性表面波フィルタからなることを特徴とす
    る分波器。
  5. 【請求項5】 任意の第1の周波数信号を通過させる第
    1の低域通過ろ波器L 1 と第1の帯域ろ波器F 1 とが直列
    に接続された第1ろ波部と、 前記第1の周波数信号と異なる第2の周波数信号を通過
    させる第2の低域通過ろ波器L 2 と第2の帯域ろ波器F 2
    とが直列に接続された第2ろ波部とを、一端を共通化さ
    せた共通信号端子T 0 で並列に接続し、前記第1及び第
    2の帯域ろ波器が梯子型に接続された複数の弾性表面波
    共振器からなる弾性表面波フィルタにより構成され、前
    記第1及び第2の低域通過ろ波器が集中定数型のインダ
    クタ及びキャパシタにより構成され、 前記弾性表面波フィルタが電極を備え、この電極が、A
    lにCuを添加したAl−Cu膜と、Cuのみからなる
    Cu膜とを交互に配置した多層膜で形成されることを特
    徴とする分波器。
  6. 【請求項6】 任意の第1の周波数信号を通過させる第
    1の低域通過ろ波器L 1 と第1の帯域ろ波器F 1 とが直列
    に接続された第1ろ波部と、 前記第1の周波数信号と異なる第2の周波数信号を通過
    させる第2の低域通過ろ波器L 2 と第2の帯域ろ波器F 2
    とが直列に接続された第2ろ波部とを、一端を共通化さ
    せた共通信号端子T 0 で並列に接続し、前記第1及び第
    2の帯域ろ波器が梯子型に接続された複数 の弾性表面波
    共振器からなる弾性表面波フィルタにより構成され、前
    記第1及び第2の低域通過ろ波器が集中定数型のインダ
    クタ及びキャパシタにより構成され、 前記弾性表面波フィルタが電極を備え、この電極が、A
    lにCuを添加したAl−Cu膜の上部にCuのみから
    なるCu膜を配置し、さらに、このCu膜の上部にAl
    −Cu膜を配置した3層構造であることを特徴とする分
    波器。
  7. 【請求項7】 任意の第1の周波数信号を通過させる第
    1の低域通過ろ波器L 1 と第1の帯域ろ波器F 1 とが直列
    に接続された第1ろ波部と、 前記第1の周波数信号と異なる第2の周波数信号を通過
    させる第2の低域通過ろ波器L 2 と第2の帯域ろ波器F 2
    とが直列に接続された第2ろ波部とを、一端を共通化さ
    せた共通信号端子T 0 で並列に接続し、前記第1及び第
    2の帯域ろ波器が梯子型に接続された複数の弾性表面波
    共振器からなる弾性表面波フィルタにより構成され、前
    記第1及び第2の低域通過ろ波器が集中定数型のインダ
    クタ及びキャパシタにより構成され、 前記弾性表面波フィルタが表面実装型のセラミックパッ
    ケージに封入され、この弾性表面波フィルタ、前記イン
    ダクタ、前記キャパシタ、前記共通信号端子T 0 及び弾
    性表面波フィルタの入出力信号端子を1つの回路基板に
    搭載し一体化して形成することを特徴とする分波器。
  8. 【請求項8】 前記第1の帯域ろ波器を構成する弾性表
    面波フィルタの入出力信号端子と、前記第2の帯域ろ波
    器を構成する弾性波フィルタの入出力端子と、前記共通
    信号端子T 0 のうち、いずれか1つの端子が、他の端子
    が設置される回路基板上の端面とは反対側の端面に設置
    されることを特徴とする請求項7記載の分波器。
  9. 【請求項9】 前記回路基板に搭載された各回路素子及
    び端子を接続する配線パターンが、回路基板の中心線に
    対して左右対称であることを特徴とする請求項7に記載
    した分波器。
  10. 【請求項10】 前記回路基板上で、前記第1及び第2
    の低域通過ろ波器を構成するインダクタの間に、少なく
    とも1つのキャパシタが挿入され、前記回路基板上で前
    記インダクタが互いに隣接しないように配置されること
    を特徴とする請求項7に記載した分波器。
  11. 【請求項11】 前記回路基板を導体カバーで覆ったこ
    とを特徴とする請求項7に記載した分波器。
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