JP3486653B2 - 芳香族ポリアミドフィルムの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレンズの保護フィルムな
どに用いられる透明性に優れた芳香族ポリアミドフィル
ムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド特に全パラ置換芳香族
ポリアミドは、これまで知られている高分子の中でも最
も高い引張弾性率を有する高分子の1つである。該芳香
族ポリアミドから得られたフィルムは、その非常に高い
引張弾性率のために、厚さ数μmの薄膜化が可能であ
り、また非常に高い融点または分解温度のために優れた
耐熱性も有する。
【0003】しかし、該芳香族ポリアミドは、濃硫酸な
どの極性の高い特殊な溶媒にしか溶解しないため取扱い
が困難である上に、リオトロピック液晶性を有するため
通常の溶液キャスト法では微結晶を数多く含有する失透
した強度の低いフィルムしか得られなかった。
【0004】透明な芳香族ポリアミドフィルムの製造方
法として、特開昭62−246719号公報には、N−
メチルピロリドンなどの溶媒中で重合させた芳香族ポリ
アミドを一旦重合体として分離し、ついで該重合体を濃
硫酸に溶解させて得られた光学異方性濃硫酸溶液を高温
で加湿することにより光学等方化し、凝固、洗浄して得
られたフィルムを300〜500℃で緊張下に熱処理す
る方法が記載されている。しかし、該方法では、工程数
が多く、複雑な操作を必要とする上、使用する設備は耐
硫酸仕様でなければならず、コストが非常に高くなる問
題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ポリアミドを濃硫酸に溶解させる工程を経ないで、芳
香族ポリアミドドープから直接的に、高強度で高耐熱性
を有する、透明な芳香族ポリアミドフィルムを製造でき
る、生産性の優れた、耐酸仕様の設備を必要としない安
価な芳香族ポリアミドフィルムの製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
を解決するため鋭意検討した結果、芳香族ポリアミドが
極性アミドに溶解している光学等方性の溶液(以下、ド
ープということがある)を膜状にした後、膜状のドープ
を低温の極性溶媒中に浸漬し、次に乾燥させることによ
り透明なフィルムが得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、芳香族ポリアミドが
極性アミドに溶解している光学等方性のドープを膜状に
して、次に膜状のドープを−20℃以下に保たれた極性
溶媒中に浸漬しフィルム状物にして、次に該フィルム状
物を乾燥することを特徴とする透明性に優れた芳香族ポ
リアミドフィルムの製造方法に関する。
【0008】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明において、芳香族ポリアミドが極性アミドに溶解し
ている光学等方性のドープとは、極性アミド系の溶媒に
芳香族ポリアミドが溶解している光学等方性の溶液をい
う。芳香族ポリアミドが極性アミドに溶解している光学
等方性のドープとしては、アルカリ金属またはアルカリ
土類金属の塩化物を溶解させた極性アミド溶液中で芳香
族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドとを重合させ
て得られる溶液(以下、芳香族ポリアミドドープという
ことがある)またはその希釈溶液が挙げられる。
【0009】本発明において、芳香族ポリアミドとして
は、例えば、全パラ置換芳香族ポリアミドが挙げられ
る。該全パラ置換芳香族ポリアミドとは、パラ配向芳香
族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとの
重縮合により得られるものであり、アミド結合が芳香族
環のパラ位で結合される繰り返し単位から実質的になる
もので、例えば、パラフェニレンジアミンとテレフタル
酸ジクロライドとの重縮合により得られるポリ(パラフ
ェニレンテレフタルアミド)を具体的に挙げることがで
きる。
【0010】また、該全パラ置換芳香族ポリアミドに
は、上記以外の単位、例えば、オルト配向芳香族、メタ
配向芳香族、核置換芳香族、ジフェニル、ジフェニルエ
ーテルまたは脂肪族、等の骨格を有する、アミド結合、
エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、尿素結合
またはイミド結合、等を本発明の効果を損なわない範囲
で含有してもよい。
【0011】芳香族ポリアミドとして、具体的には下記
反復構造単位(A)および(B)からなるものが挙げら
れる。
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】また、前記反復構造単位(A)および
(B)の他に少数部の下記反復構造単位(C)が含まれ
るものや反復構造単位(C)からなるものが挙げられ
る。
【化5】
【0014】また、本発明において用いられる芳香族ポ
リアミドの対数粘度数は、1.0〜2.5dl/gのも
のが好ましい。該対数粘度数が1.0dl/g未満では
得られるフィルムの強度が低くなるので好ましくない。
また、2.5dl/gを超える場合は、該芳香族ポリア
ミドドープの粘度が著しく高くなったり、該芳香族ポリ
アミドの析出が見られたりして、ドープの状態が不安定
になるため好ましくない。
【0015】ここで、対数粘度数は、0.50g/dl
に調整した芳香族ポリアミドの濃硫酸溶液および芳香族
ポリアミド溶液に使用したものと同じ濃硫酸についてウ
ベローデ型粘度計により30℃における流下時間を測定
し、求めた流下時間の比から次式に従って算出される。 η=〔ln(T/To )〕/C (単位:dl/
g) T:芳香族ポリアミドの濃硫酸溶液の流下時間 To :濃硫酸の流下時間 C:芳香族ポリアミドの濃硫酸溶液の濃度(g/dl) ここで用いた濃硫酸は97%以上のものである。
【0016】本発明で用いられる極性アミドとしては、
例えば、N−メチルピロリドン(以下、NMPというこ
とがある)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素などが挙げら
れる。
【0017】芳香族ポリアミドドープ中の該芳香族ポリ
アミド濃度は1.0wt(重量)%以上4.5wt%以
下であることが好ましい。芳香族ポリアミドドープ中の
該芳香族ポリアミド濃度が1.0wt(重量)%未満で
あれば、乾燥前のフィルム強度が弱く破断し易いため好
ましくない。また、芳香族ポリアミド濃度が4.5wt
%を超えると、該ドープが液晶相となり、凝固後のフィ
ルム状物が不透明となるので好ましくない。
【0018】本発明の方法において、芳香族ポリアミド
が極性アミドに溶解している光学等方性のドープを膜状
にする方法は特に限定されず、例えば、バーコーター、
ロールコーターまたはトクターブレードなどのコーター
を用いて表面の滑らかな支持体の上に流延する方法、或
いは該ドープをスリットを通して押し出す方法が挙げら
れる。
【0019】ここで支持体としては、鉄鋼やステンレス
などの金属、ポリエステル、フッ素樹脂もしくはエンジ
ニアリングプラスチックなどのプラスチックまたは離型
紙などで少なくともその表面が形成されたバンド、フィ
ルムまたはドラムを用いることができる。
【0020】また、支持体側を固定してコーター側を動
かしてドープを流延する場合は、金属板、樹脂板に加
え、ガラス板を使用することができる。
【0021】ついで、得られた芳香族ポリアミドの膜状
のドープを−20℃以下に保たれた極性溶媒中に浸漬す
る。該膜状のドープは該極性溶媒中で光学等方性を失う
ことなく凝固されフィルム状物となる。該フィルム状物
からの極性アミド溶媒や塩類の除去はこの極性溶媒を用
いた凝固工程で達成することができるが、後述するよう
に、該凝固工程の後に、必要に応じて適切な溶媒で洗浄
する工程を導入することが好ましい。
【0022】該極性溶媒の保たれる温度は、−20℃以
下、好ましくは−30℃以下、さらに好ましくは−40
℃以下である。−20℃を越える場合は、該フィルム状
物が、該極性溶媒に浸漬中に光学等方性を失ってしま
い、失透したフィルムしか得られないので好ましくな
い。また、−100℃以上の温度の方が設定するのが容
易であり、工業的に有利なので好ましい。
【0023】本発明において用いられる極性溶媒は、膜
状に形成された芳香族ポリアミドドープを凝固させるた
めのものであり、該極性溶媒の凝固点は好ましくは−2
5℃以下、さらに好ましくは−35℃以下、さらにより
好ましくは−45℃以下、特に好ましくは−100℃未
満である。
【0024】また、該極性溶媒の誘電率は、25℃にお
いて好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上で
ある。該極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、1−ブタノールもしくは
1,3−プロパンジオールなどのアルコール類、または
該アルコール類を主成分とする該アルコール類とNMP
および/または水との混合物などが挙げられる。
【0025】−20℃以下に保たれた極性溶媒中に浸漬
されてフィルム状物に凝固した芳香族ポリアミドを、つ
いで、必要に応じて洗浄溶媒により洗浄する。好ましい
洗浄溶媒として、メタノール、アセトンまたは水の中か
ら選ばれる少なくとも一種の溶媒を挙げることができ
る。
【0026】ついで、凝固、洗浄が行われて得られたフ
ィルム状物を乾燥する。乾燥は、ステンレス、木材、樹
脂等の丈夫で溶剤に侵されない材質で作成した枠や、つ
かみ具で固定され、収縮を防ぎながら行なわれることが
好ましい。
【0027】乾燥条件は特に限定されるものではなく、
例えば、室温から450℃、好ましくは室温から200
℃において、風乾、減圧乾燥または熱風循環乾燥などを
行なう方法が挙げられる。450℃を超える温度では、
該芳香族ポリアミドの分解が生じるため好ましくない。
また、温度は一定に設定してもよいし、段階的あるいは
連続的に昇温させてもよい。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これらは本発明を限定するものではない。実施例
における諸物性の測定方法について次に示す。
【0029】(1)対数粘度数 本発明における対数粘度数は0.50g/dlに調整し
た芳香族ポリアミドの濃硫酸溶液および芳香族ポリアミ
ド溶液に使用したものと同じ濃硫酸についてウベローデ
型粘度計により30℃における流下時間を測定し、求め
た流下時間の比から次式に従って算出した。 η=〔ln(T/To )〕/C (単位:dl/
g) T:芳香族ポリアミドの濃硫酸溶液の流下時間 To :濃硫酸の流下時間 C:芳香族ポリアミドの濃硫酸溶液の濃度(g/dl) ここで用いた濃硫酸は97%以上のものであった。
【0030】(2)引張試験 得られたフィルムからダンベル社製ダンベルカッターS
DMK−1223にて試験片を打ち抜いて、インストロ
ンジャパン社製のインストロン万能引張試験機mode
l 4301を用い、JIS K−7127に準じて引
張強度と引張弾性率を求めた。
【0031】(3)ヘーズ測定 得られたフィルムをスガ試験機械(株)製の 直読ヘー
ズコンピューターHGM−2DPの光学系にセットし、
C光源を用い透過光について測定した。
【0032】実施例1〜4 500mlセパラブルフラスコにイカリ型攪拌翼、50
ml側管付添加器、ジムロート冷却管、三方コックを取
り付け、十分に窒素置換した。この中に予め200℃で
2時間以上真空乾燥させたCaCl2 15gと十分水分
を除いたNMP200gを仕込み、オイルバス中で10
0℃、1時間加熱攪拌した。ついで、CaCl2 が十分
NMPに溶解したことを確認した後、室温まで放冷し
た。このNMP溶液にドライボックス中で秤量したパラ
フェニレンジアミン(以下、PPDということがある)
3.6g(0.033mol)を添加し攪拌溶解させ
た。PPDが十分NMPに溶解したことを確認した後、
氷水にて冷却した。
【0033】次に、ドライボックス中で秤量したテレフ
タル酸ジクロライド(以下、TPCということがある)
6.8g(0.033mol)をNMP50mlに溶解
させ側管付添加器よりこのNMP溶液に添加した。TP
CのNMP溶液添加は内温を0〜10℃に保持しながら
20分間かけて行った。
【0034】TPCのNMP溶液添加終了後、内温を0
〜5℃に保持しながら1時間攪拌を続けた。その後さら
に30分間系内を真空ポンプで減圧し、低沸点化合物を
除去した後、窒素を流して系内を常圧にもどし、重合を
完了した。上述の芳香族ポリアミド合成はすべて乾燥窒
素雰囲気下で行ない、外気、特に水分の系内混入を極力
防いだ。このようにして光学等方性の芳香族ポリアミド
のNMP溶液(以下、ドープということがある)を得
た。このドープ中の芳香族ホリアミド濃度は、2.7w
t%であり、この芳香族ポリアミドの対数粘度数は1.
8dl/gであった。
【0035】こうして得られた光学等方相の芳香族ポリ
アミドドープをよく磨いたガラス板の上に流下し、ガラ
ス棒を用いて厚さ約0.4mmとなるよう膜状に流延し
た。こうして得られた膜状ドープをドライアイスにより
表1記載の各温度に保持したメタノール中に30分間浸
漬することによって、冷却凝固を行なった。
【0036】冷却凝固により得られた芳香族ポリアミド
のフィルム状物をテフロン製の内径10cm、外径15
cm、厚さ5mmの環状の枠2枚にはさみ、クリップで
固定した。なお、テフロン枠と該芳香族ポリアミドのフ
ィルム状物との間には枠にはさまれた部分の乾燥を促進
するためにろ紙を挿入した。
【0037】このようにして枠に固定された芳香族ポリ
アミドのフィルム状物を12時間以上風乾させて、透明
な芳香族ポリアミドフィルムを得た。得られた芳香族ポ
リアミドフィルムについてヘーズ(Haze)値の測定
を行なった結果を表1に示した。
【0038】比較例1、2 表1記載の各温度で凝固を行なった以外はすべて実施例
1と同様にして芳香族ポリアミドフィルムを作成し、ヘ
ーズ値の測定を行なった結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例5 500mlセパラブルフラスコにイカリ型攪拌翼、ジム
ロート冷却管、三方コックを取り付け、十分に窒素置換
した。この中に予め200℃で2時間以上真空乾燥させ
たCaCl2 31.90gと十分水分を除いたNMP4
63.5gを仕込み、オイルバス中で100℃、1時間
加熱攪拌した。CaCl2 が十分NMPに溶解したこと
を確認した後、室温まで放冷した。このNMP溶液にド
ライボックス中で秤量したPPD14.62g(0.1
35mol)を添加し攪拌溶解させた。PPDが十分N
MPに溶解したことを確認した後、氷水にて冷却した。
【0041】次に、ドライボックス中で秤量したTPC
26.53g(0.131mol)をこのNMP溶液に
添加した。TPCの添加は、窒素気流下で数回に分け、
内温を0〜10℃に保持しながら20分間かけて行っ
た。TPCの添加終了後、内温を0〜5℃に保持しなが
ら1時間攪拌を続けた。その後さらに30分間系内を真
空ポンプで減圧し、低沸点化合物を除去した後、窒素を
流して系内を常圧にもどし、重合を完了した。上述の芳
香族ポリアミド合成はすべて乾燥窒素雰囲気下で行な
い、外気、特に水分の系内混入を極力防いだ。このよう
にして光学異方相の芳香族ポリアミドドープを得た。こ
のドープ中の芳香族ホリアミド濃度は、6wt%であ
り、この芳香族ポリアミドの対数粘度数は1.72dl
/gであった。
【0042】こうして得られた光学異方相の芳香族ポリ
アミドドープをNMPで希釈し、3wt%光学等方相の
芳香族ポリアミドドープを調製した。こうして調製した
芳香族ポリアミドドープをよく磨いたガラス板の上に流
下し、テスター産業(株)製自動塗工装置PI−121
0および松尾産業(株)製ウェッジバーを用いて厚さ
0.6mmとなるように膜状に流延し、これをドライア
イスを用いて−70℃以下に保持したメタノール中に3
0分間浸漬し、冷却凝固を行なった。
【0043】冷却凝固により得られた芳香族ポリアミド
のフィルム状物をテフロン製の内径10cm、外径15
cm、厚さ5mmの環状の枠2枚にはさみ、クリップで
固定した。なお、テフロン枠と該芳香族ポリアミドのフ
ィルム状物との間には枠にはさまれた部分の乾燥を促進
するためにろ紙を挿入した。このようにして枠に固定さ
れた芳香族ポリアミドのフィルム状物を12時間以上風
乾させた後、200℃で2時間乾燥させて、透明な芳香
族ポリアミドフィルムを得た。得られた芳香族ポリアミ
ドフィルムについて引張試験を行なった結果を表2に示
した。
【0044】実施例6 凝固溶媒としてエタノールを用いた以外はすべて実施例
5と同様にして芳香族ポリアミドフィルムの作成を試み
た。このようにして得られた芳香族ポリアミドフィルム
について引張試験を行なった結果を表2に示した。
【0045】比較例3〜5 冷却凝固に際して凝固溶媒として極性の低いアセトン、
トルエンまたはn−ヘキサンを用いた以外はすべて実施
例5と同様にして芳香族ポリアミドフィルムの作成を試
みたが、十分に凝固した芳香族ポリアミドのフィルム状
物は得られず、目的の芳香族ポリアミドフィルムは得ら
れなかった。
【0046】
【表2】
【0047】実施例7、8 500mlセパラブルフラスコにイカリ型攪拌翼、ジム
ロート冷却管、三方コックを取り付け、十分に窒素置換
した。この中に予め200℃で2時間以上真空乾燥させ
たCaCl2 21.37gと十分水分を除いたNMP3
09.0gを仕込み、オイルバス中で100℃、1時間
加熱攪拌した。CaCl2 が十分NMPに溶解したこと
を確認した後、室温まで放冷した。このNMP溶液にド
ライボックス中で秤量したPPD9.70g(0.08
97mol)を添加し攪拌溶解させた。PPDが十分N
MPに溶解したことを確認した後、氷水にて冷却した。
【0048】次に、ドライボックス中で秤量したTPC
17.77g(0.0875mol)をこのNMP溶液
に添加した。TPCの添加は、窒素気流下で数回に分
け、内温を0〜10℃に保持しながら20分間かけて行
った。TPCの添加終了後、内温を0〜5℃に保持しな
がら1時間攪拌を続けた。その後さらに30分間系内を
真空ポンプで減圧し、低沸点化合物を除去した後、窒素
を流して系内を常圧にもどし、重合を完了した。上述の
芳香族ポリアミド合成はすべて乾燥窒素雰囲気下で行な
い、外気、特に水分の系内混入を極力防いだ。このよう
にして光学異方相の芳香族ポリアミドドープを得た。こ
のドープ中の芳香族ホリアミド濃度は、6wt%であ
り、この芳香族ポリアミドの対数粘度数は1.91dl
/gであった。
【0049】こうして得られた光学異方相の芳香族ポリ
アミドドープを実施例5と同様にして膜状にして、表3
記載の各温度で冷却凝固を行い芳香族ポリアミドのフィ
ルム状物を得た。ついで該芳香族ポリアミドのフィルム
状物を室温のメタノールに30分浸漬することによって
洗浄した。洗浄された芳香族ポリアミドのフィルム状物
を12時間以上風乾燥した後、100℃で3時間乾燥
し、芳香族ポリアミドフィルムを得た。得られた芳香族
ポリアミドフィルムのヘーズ値および引張試験の結果を
表3に示した。
【0050】比較例6 凝固に用いたメタノールの温度を表3記載の各温度に保
持した以外はすべて実施例7と同様にして芳香族ポリア
ミドフィルムを作成した。こうして得られた芳香族ポリ
アミドフィルムのヘーズ値および引張試験の結果を表3
に示した。
【0051】
【表3】
【0052】本発明の方法で得られる透明性に優れた芳
香族ポリアミドフィルムは、その優れた耐熱性、耐薬品
性、耐摩耗性、電気絶縁性を生かし、レンズの保護被
膜、自動車、列車、航空機などのフロントガラスの保護
被膜、ボイラーのぞき窓の保護被膜や電線、光ファイバ
ーの被覆テープ、フレキシブルプリント基板、記録用磁
気テープなどに利用可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリアミドフィルムの製
造方法は、硫酸溶液からフィルムを製造する方法に比べ
て、工程数が少なくでき、生産性よく、耐酸仕様の設備
も必要なく、高強度、高耐熱性を有する、透明性に優れ
た芳香族ポリアミドフィルムを製造することができると
いう点で工業的に非常に有利である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−913(JP,A) 特開 平6−16836(JP,A) 特開 昭52−57253(JP,A) 特開 平2−202926(JP,A) 特開 平2−133434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C08G 69/00 - 69/50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリアミドが極性アミドに溶解して
    いる光学等方性のドープを膜状にして、次に膜状のドー
    プを−20℃以下に保たれた極性溶媒中に浸漬しフィル
    ム状物にして、次に該フィルム状物を乾燥することを特
    徴とする透明性に優れた芳香族ポリアミドフィルムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】芳香族ポリアミドが、下記反復構造単位
    (A)および(B)からなる請求項1記載の透明性に優
    れた芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。 【化1】 【化2】
  3. 【請求項3】前記ドープが、アルカリ金属またはアルカ
    リ土類金属の塩化物を溶解させた極性アミド溶液中で芳
    香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドとを重合さ
    せて得られた溶液またはその希釈溶液である請求項1記
    載の透明性に優れた芳香族ポリアミドフィルムの製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記極性溶媒が、メタノール、エタノー
    ル、1−プロパノールもしくは1,3−プロパンジオー
    ルから選ばれた少なくとも1種のアルコールまたは該ア
    ルコールを主成分とする該アルコールとN−メチルピロ
    リドンおよび/または水との混合物である請求項1記載
    の透明性に優れた芳香族ポリアミドフィルムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】膜状のドープを−20℃以下に保たれた極
    性溶媒中に浸漬しフィルム状物にした後、メタノール、
    アセトンまたは水の中から選ばれる少なくとも一種の洗
    浄溶媒により洗浄した後に乾燥する請求項1記載の透明
    性に優れた芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
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