JP3486497B2

JP3486497B2 - 口紅用組成物

Info

Publication number: JP3486497B2
Application number: JP34774795A
Authority: JP
Inventors: 美和曽山; 昭夫那須
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1994-12-16
Filing date: 1995-12-15
Publication date: 2004-01-13
Anticipated expiration: 2015-12-15
Also published as: JPH08225432A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は口紅用組成物、特に
二次付着性及びうるおい感の改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】口紅は極めてポピュラーな化粧品の一つ
であるが、口唇に塗布するという性質上、口唇に対し無
刺激、無害であること、不快な味や匂いがないことなど
が要求される。ところで最近、口紅を口唇に塗布した
後、該口紅がカップなど口唇に接触する部位に転写され
てしまう、いわゆる二次付着性の改善が強く要望されて
いる。

【０００３】そこで、近年この二次付着性の改善を目的
とした「耐うつり性の改善された化粧料組成物」とし
て、特開平６−１９９６３０号公報に記載されたものが
報告されている。この化粧料組成物は、揮発性溶媒と、
シリコン樹脂と、ワックスと、粉末と、油分を含むこと
を特徴としている。そしてこのような化粧料組成物を用
いたならば、二次付着性が改善されるというものであ
る。

【０００４】しかしながら、前記化粧料組成物において
も塗布時の伸びやなめらかな使用感の点で課題が残って
いる。また、二次付着性の問題も完全に解消された訳で
はない。これに対して、本発明者らは、撥水性ポリマー
とともに粉体を配合することにより、なめらかな使用
感、二次付着性が改善された口紅用組成物を得ることを
見出した（特開平７−２６７８２６号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、口紅は
口唇にうるおい感を付与し、しかもこのうるおい感が維
持されることも要求され、うるおい感の優れた効果とそ
の維持を付与する適切な改善がきわめて困難であり、前
記口紅用組成物においてもうるおい感の改善の点では未
だ不十分なものであった。本発明は前記従来技術の課題
に鑑みなされたものであり、その目的はうるおい感の持
続と共に二次付着性の改善された口紅用組成物を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討を行なった結果、撥水性ポリマ
ーと共に粉体を配合することにより、なめらかな使用
感、二次付着性の両者が改善され、かつ該口紅用組成物
にさらに水を配合すると、うるおい感に優れた口紅用組
成物となることを見出し、本発明の完成に至った。

【０００７】すなわち、本発明にかかる口紅用組成物
は、揮発性油分と、下記平均式化２により示され、１，
５００〜２０，０００の平均分子量を有し、且つ前記揮
発性油分に溶解する撥水性ポリマーと、前記揮発性油分
が存在しない状態で、前記撥水性ポリマーに被覆され得
る粉体と、前記揮発性油分と相溶性を有する非揮発性油
分と、水とを含み、前記粉体の少なくとも一部はシリカ
であり、該シリカを１〜１０重量％含有することを特徴
とする。

【化２】Ｒ _ｎＳｉＯ _{（４−ｎ）／２} （Ｒは炭素数１〜６までの炭化水素基又はフェニル基を
表し、ｎは１．０〜１．８までの値を示す。）なお、前
記口紅用組成物は、前記揮発性油分を２０〜６０重量
％、前記撥水性ポリマーを５〜２０重量％、前記非揮発
性油分を５〜３０重量％、水を０．０５〜５重量％含む
ことが好ましい。

【０００８】また、前記口紅用組成物においては、揮発
性油分が揮発性シリコーン油であり、撥水性ポリマーが
シリコーン樹脂であることが好ましい。また、前記口紅
用組成物においては、撥水性ポリマー／非揮発性油分が
１／２〜２／１の重量比であることが好ましい。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をさら
に詳細に説明する。本発明において好適に用いられる揮
発性油分としては、デカメチルテトラシロキサン、ヘキ
サメチルジシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン
などの鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの
環状ポリシロキサン、シェルソル（シェル化学）、アイ
ソパー（エッソ化学）等の軽質流動イソパラフィン等が
挙げられる。また、本発明において用いられる撥水性ポ
リマーとしては、シリコン樹脂が挙げられる。具体的に
は平均式化３

【００１０】

【化３】Ｒ_ｎＳｉＯ_{（４−ｎ）／２} （Ｒは炭素数１〜６までの炭化水素基又はフェニル基を
表し、ｎは１．０〜１．８までの値を示す）で表される
シリコーン樹脂が挙げられる。このシリコーン樹脂は、
Ｒ_３ＳｉＯ_１／２単位、Ｒ_２ＳｉＯ単位、ＲＳｉＯ
_３／２単位、及びＳｉＯ_２単位のうち適当な組合せから
なり、約１，５００〜２０，０００までの平均分子量を
有することが好ましい。

【００１１】また、本発明において好適に用いられる粉
体としては、通常化粧品に用いられる粉末ならばいずれ
も使用可能であり、例えばタルク、カオリン、絹雲母
（セリサイト）、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、
黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バ
リウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ
酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウ
ム、シリカ、ゼオライト、ベントナイト、硫酸バリウ
ム、焼成硫酸カルシウム（焼石膏）、リン酸カルシウ
ム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミ
ックパウダー、窒化ホウ素、二酸化チタン、酸化亜鉛な
どの無機粉末、ポリアミド樹脂粉末、ナイロン粉末、ポ
リエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、ポリエステル粉
末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、
スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、シリコーン
樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチ
レン粉末、セルロース粉末などの有機粉末が挙げられ
る。

【００１２】これらの粉末のうち、透明性が高いものの
方が口紅の有する色調を害することがないため好まし
く、また前記揮発性油分として揮発性シリコーン油、撥
水性ポリマーとしてシリコーン樹脂を用いた場合には、
これらとの相性から特にシリカが好ましい。

【００１３】また、本発明において好適に用いられる非
揮発性油分としては、皮膚安全性の高いものであれば、
いずれの使用も可能である。例えば流動パラフィン、ス
クワラン、ヒマシ油、オリーブ油、ホホバ油、グリセリ
ルジイソステアレート、トリメチロールプロパントリ２
エチルイソステアレート、イソプロピルミリステート、
セチル２エチルヘキサノエート、グリセリルトリイソス
テアレート、２ヘプチルウンデシルパルミテート、メチ
ルポリシロキサン、ポリブテン、トリイソステアリン酸
グリセリン、ジイソステアリルマレート、ラノリンなど
が挙げられ、これらの中から１種又は２種以上が任意に
選択される。

【００１４】その他、棒状口紅を製造する場合には、保
形剤としてセレシンワックス、カルナバワックス、ポリ
エチレンワックス、パラフィンワックスなどを５〜２０
重量％程度配合することが好適である。本発明におい
て、組成物中における前記揮発性油分の好適な配合量
は、２０〜６０重量％である。２０重量％未満である
と、相対的に他の成分が多くなり、口唇への塗布時のの
びに欠ける場合がある。また、６０重量％を越えると、
相対的に他の成分が少なくなり、液状となる場合があ
る。

【００１５】また、本発明において、組成物中における
撥水性ポリマーの好適な配合量は、５〜２０重量％、特
に好ましくは７〜１５重量％である。撥水性ポリマーの
配合量が５重量％未満であると、二次付着性の改善が充
分でない場合がある。一方、撥水性ポリマーの配合量が
２０重量％を越えると、べたつきを生じる場合がある。

【００１６】本発明において、組成物中における粉体の
配合量は、１〜２０重量％が好適である。粉体が１重量
％未満の場合には、べたつきを抑える効果に乏しい場合
があり、また２０重量％を越える場合には使用感触が悪
化する場合がある。特にシリカを１〜１０重量％、さら
に好ましくは１〜８重量％用いると、使用感触、二次付
着性ともに好適である。

【００１７】本発明において、組成物中における非揮発
性油分の好適な配合量は、５〜３０重量％、特に好まし
くは７〜１５重量％である。非揮発性油分が５重量％未
満の場合には、塗布・乾燥後の感触が悪く、しかも場合
により固型を保持するのが困難なことがある。また、３
０重量％を越えるとべたつきを生じる場合がある。

【００１８】本発明に用いられる水は水道水、精製水、
天然水のいずれでも良いが、うるおい感の改善のために
は天然水を配合することが好適である。天然水は、地下
水、地表水であって飲用に供しうる程度のものであれ
ば、いずれの使用も可能であるが、特に富士山麓（山
梨、静岡県各地）兵庫県六甲山、群馬県谷川岳、南アル
プス山麓、北アルプス山麓、大阪府北摂山系、岩手県大
峰山系、京都府山崎、京都府鞍馬山、鹿児島県霧島山
系、鹿児島県屋久島、福島県及び山形県吾妻山系等が好
適なものとして挙げられる。

【００１９】その他、栃木県那須山系、日光連山、群馬
県赤城山系、埼玉県武蔵丘陵、秩父山系、千葉県山武
群、東京都目白台、神奈川県丹沢山系、山梨県富士山西
麓、朝霧高原、甲府御坂峠、富士山麓下部温泉、笹子
峠、西桂町、南アルプス甲斐駒ヶ岳、静岡県沼津市、竜
が岩洞、長野県松本、安雲野、上高地、軽井沢、木曾御
嶽、中央アルプス駒ヶ岳ふもと、新潟県越後山系、石川
県白山、滋賀県音羽山系、京都府北山、鞍馬山、大文字
温泉、大阪府金剛山麓、能勢吉野山、丹波、和歌山県護
摩壇山山麓、岡山県中蒜山、広島県賀茂台地などが例示
される。

【００２０】本発明においては、これらの採水地の天然
水の一種又は二種以上を選択して用いることができる。
本発明の組成物において水の配合量は特に限定されない
が、口紅用組成物全量中、０．０５〜５重量％、特に好
ましくは０．１〜２重量％である。０．０５重量％未満
では、本発明の効果が十分に発揮されない場合がある、
５重量％を越えると二次付着性に悪影響を及ぼす。

【００２１】本発明の口紅用組成物に水を配合するには
通常の乳化技術で配合しうる。従って乳化剤は、特に限
定されないがポリオキシアルキレン変性オルガノポリシ
ロキサン、水膨張性粘土鉱物及び有機変性モンモリロナ
イトクレーの一種若しくは二種以上を組み合わせて使用
するのが望ましく、ポリオキシアルキレン変性オルガノ
ポリシロキサンと水膨潤性粘土鉱物を併用するのが最も
望ましい。

【００２２】さらに、本発明にかかる口紅用組成物に
は、各種薬剤、例えば、ビタミンＡ、Ｂ₁、Ｂ₂、Ｂ₆、
Ｂ₁₂、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｋ、Ｕ及びその塩類又は誘導
体、パントテン酸及びその塩類又は誘導体、ビオチン、
ローヤルゼリー抽出液、塩酸ピロドキシン、ニコチン酸
及びその塩類又は誘導体、葉酸、γ−オリザノール等の
ビタミン類、グリチルレチン酸ステアリル、ｌ−メント
ール、カンフル、カンファー、カラミン、インドメタシ
ン、サリチル酸メチル、アミノ安息香酸エチル、クロタ
ミトン等の消炎剤、ヒノキチオール、グリチルレチン
酸、グリチルリチン酸及びその塩類又は誘導体、アラン
トイン、アズレン、ε−アミノカプロン酸、トラネキサ
ム酸及びその塩類又は誘導体、等の抗炎症剤、シスチ
ン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリ
プトファン、アミノ酸エキス等のアミノ酸類、ハマメリ
ス、黄連、シコン、西洋ノコギリソウ、ヒリハリ草、リ
リー、ヘチマ、ベニバナ、セイヨウトチノキ、ユーカリ
油、マロニエ、β−カロチン、アロエエキス、ニンジン
エキス、カンゾウエキス、オオバクエキス、カミツレエ
キス、ビワ抽出液、センブリエキス、セファランチン、
当帰エキス、プラセンタエキス等の動植物抽出物及びエ
キス、エストラジオール及びその塩類又は誘導体、エチ
ニルエストラジオール等の卵胞ホルモン、コルチゾン及
びその塩類又は誘導体、ヒドロコルチゾン及びその塩類
又は誘導体、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメ
タゾン等の副腎皮質ホルモン等のホルモン剤、塩酸ジフ
ェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗
ヒスタミン剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニ
ウム、ハロカルバン、塩化クロルヘキシジン等の殺菌
剤、等を配合することができる。これらの薬剤の配合量
は、各薬剤が機能するに十分な量配合されることが好ま
しく、特に限定されるものではないが、口紅用組成物へ
の適切な配合量としては、口紅用組成物中０．００１〜
５重量％である。

【００２３】なお、本発明にかかる口紅用組成物には、
上記構成成分の他に通常口紅などの化粧品に配合される
各種成分、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線遮
蔽剤、防腐剤、保湿剤、染料、顔料などを配合すること
ができる。

【００２４】本発明にかかる口紅用組成物は、前述した
構成をとることにより、塗布前には製品形態として揮発
性油分中に撥水性ポリマー、シリカ、非揮発性油分など
が分散しており、なめらかな使用感を得ることができ
る。そして、口唇への塗布後には、前記揮発性油分が揮
発し、撥水性ポリマー、シリカ、非揮発性油分が口唇上
に残存する。前記撥水性ポリマーは単独では一般にべた
つきが著しいが、本発明においてはシリカが配合され、
該粉体が撥水性ポリマーのべたつきを抑制するものと思
われる。さらに、本発明においては水を配合するので、
水に含まれるミネラル類及び有機物が口唇上に残存し、
うるおい感を付与するものと思われる。

【００２５】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例に基づき本発明
をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。また、配合量等は特に指
定がない限り、重量％で示す。

【００２６】まず、本発明者らは下記の組成の口紅を作
成し、その使用感、二次付着性などを調べた。なお評価
は以下の方法により行った。

【００２７】［評価基準］各試験例について化粧専門パ
ネル２０名を用いて、使用テストを行った。なお、評価
基準は、以下にしたがって判定した。 ◎：パネル１６〜２０名が良好と判定 ○：パネル１１〜１５名が良好と判定 △：パネル６〜１０名が良好と判定 ×：パネル０〜５名が良好と判定

【００２８】

【表１】試験例１２３４５非揮発性油分ヒマシ油１０１０１０１０１０ク゛リセリンシ゛イソステアレート１０１０１０１０１０揮発性油分オクタメチルシクロテトラシロキサン３５３０３０３０３５ポリマーシリコーン樹脂Ａ１５１５１５１５１５粉体シリカ５５５５ − 顔料５５５５５ワックスセレシンワックス１５１５１５１５１５乳化剤ホ゜リエーテル変性シ゛メチルホ゜リシロキサン − １１１１合成ヘクライト − ３３３３水天然水Ａ − − − １１イオン交換水 − − １ − − 水道水 − １ − − − 伸び ○ ○ ○ ○ ○ 艶 △ ○ ○ ◎ ○ 二次付着性 ◎ ◎ ◎ ◎ △ べたつき ○ ○ ○ ○ △ うるおい感 △ △ ○ ◎ ◎

【００２９】なお、シリコーン樹脂Ａとしては、約３，
０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：Ｓ
ｉＯ₂単位＝０．８：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.33Ｓ
ｉＯ₁ _.34で表されるものを用いた。合成ヘクライトとし
ては、商標名ラボナイトＸＬＧとして英国ラポルテ社か
ら提供されるものを用いた。また、天然水Ａとしては富
士山麓で採水されたもの、水道水は横浜市の上水道より
供給されるもの、イオン交換水は横浜市の上水道より供
給される水をイオン交換したものを用いた。

【０００３０】上記結果より明らかな通り、水を配合し
ない組成物においては、うるおい感が低くなってしま
う。一方、水を配合することにより、艶が改善され、さ
らに、天然水を配合することにより、艶、うるおい感と
も優れた口紅用組成物を得ることができる。ただし、水
は二次付着性の改善には直接関係するものではないた
め、二次付着性を改善する目的で配合したシリカを除い
てしまうと、艶、うるおい感は残るものの、本発明の目
的とする二次付着性の改善は図ることができない。した
がって、シリカを配合した口紅用組成物に、さらに水を
配合すると、二次付着性が改善され、しかもうるおい感
のある口紅用組成物を得ることが可能である。

【００３１】次に、本発明者らは各成分の有効配合量に
ついて検討を進めた。

【００３２】撥水性ポリマー配合量まず、本発明者らは撥水性ポリマーの配合量について検
討を行なった。

【表２】試験例６７８９１０１１１２１３１４非揮発性油分ヒマシ油１０１０１０１０１０１０１０１０１０揮発性油分オクタメチルシクロテトラシロキサン５６５４５２４９４６４４４２３９３４ポリマーシリコーン樹脂Ａ３５７１０１３１５１７２０２５粉体シリカ５５５５５５５５５顔料５５５５５５５５５ワックスセレシンワックス１５１５１５１５１５１５１５１５１５乳化剤ホ゜リエーテル変性シ゛メチルホ゜リシロキサン１１１１１１１１１合成ヘクライト３３３３３３３３３水イオン交換水２２２２２２２２２伸び ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 艶 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 二次付着性 △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ べたつき ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ △ うるおい感 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

【００３３】上記検討結果より、二次付着性を改善する
上では、撥水性ポリマーが５重量％以上、特に７重量％
以上であることが好ましい。但し、撥水性ポリマーが２
０重量％を越えると、べたつき感が発生することがあ
り、特に好ましくは１５重量％までである。

【００３４】粉体配合量次に、本発明者らは粉体の配合量について検討を行なっ
た。

【表３】試験例１５１６１７１８１９２０２１２２２３非揮発性油分ヒマシ油２０２０２０２０２０２０２０２０２０揮発性油分オクタメチルシクロテトラシロキサン 43.5 ４３４２３９３６３４２９２６２４ポリマーシリコーン樹脂Ａ１０１０１０１０１０１０１０１０１０粉体シリカ 0.5 1.0 2.0 5.0 8.0 10.0 15.0 18.0 20.0 顔料５５５５５５５５５ワックスセレシンワックス１５１５１５１５１５１５１５１５１５乳化剤ホ゜リエーテル変性シ゛メチルホ゜リシロキサン１１１１１１１１１合成ヘクライト３３３３３３３３３水イオン交換水２２２２２２２２２伸び ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ △ 艶 ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ × × 二次付着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ べたつき △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ うるおい感 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

【００３５】上記検討結果より、べたつき感を改善する
上では、シリカの配合量が１．０重量％以上が好まし
い。但し、シリカの配合量が１０重量％を越えると、伸
びなどの使用感触が悪くなり、艶も多少劣化する場合が
ある。従って、艶を維持しつつ、べたつきを抑えるため
には、粉体の配合量は１〜１０重量％、特に１〜８重量
％であることが好ましい。なお、シリカの他にその他の
粉体を用いる場合、シリカを含めたこれら粉体の総量は
２０重量％以下が望ましい。

【００３６】水の配合量次に本発明者らは、水の配合量について検討を行った。

【表４】実施例２４２５２６２７２８２９３０３１３２非揮発性油分ヒマシ油２０２０２０２０２０２０２０２０２０揮発性油分オクタメチルシクロテトラシロキサン３６ 35.99 35.95 35.9 35.5 ３５３３３１２９ポリマーシリコーン樹脂１５１５１５１５１５１５１５１５１５粉体シリカ５５５５５５５５５顔料５５５５５５５５５ワックスセレシンワックス１５１５１５１５１５１５１５１５１５乳化剤ホ゜リエーテル変性シ゛メチルホ゜リシロキサン１１１１１１１１１合成ヘクライト３３３３３３３３３水イオン交換水０ 0.01 0.05 0.1 0.5 １３５７伸び ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 艶 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 二次付着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ △ べたつき ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ うるおい感 × △ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

【００３７】上記結果より明らかなように、水の配合量
が０．０５重量％以下では十分なうるおい感を得ること
ができない。また、水を５重量％以上配合すると、二次
付着性の改善が不十分となってしまう。したがって、水
の配合量は、０．０５〜５重量％であることが好まし
い。

【００３８】油分とポリマーの比率前記検討を行なう中で、本発明者らは非揮発性油分と撥
水性ポリマーの比率が使用感、二次付着性に大きな影響
を与えることを見出した。すなわち、非揮発性油分が相
対的に著しく少ない場合には、撥水性ポリマーの影響が
強くでるため、べたつき、伸びの悪さなどを生じる場合
があり、また撥水性ポリマーが相対的に著しく少ない場
合には撥水性ポリマーの作用が非揮発性油分に阻害さ
れ、二次付着性などが悪化するものと思われる。

【００３９】

【表４】実施例３３３４３５３６３７３８３９４０非揮発性油分ヒマシ油５１０１５２０２５３０３５４０揮発性油分オクタメチルシクロテトラシロキサン２４２４２４２４２４２４２４２４ポリマーシリコーン樹脂４０３５３０２５２０１５１０５粉体シリカ５５５５５５５５顔料５５５５５５５５ワックスセレシンワックス１５１５１５１５１５１５１５１５乳化剤ホ゜リエーテル変性シ゛メチルホ゜リシロキサン１１１１１１１１合成ヘクライト３３３３３３３３水イオン交換水２２２２２２２２樹脂／非揮発性油分 8/1 7/2 2/1 5/4 4/5 1/2 2/7 1/8 伸び × △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 艶 △ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 二次付着性 × △ ◎ ◎ ◎ ◎ △ × べたつき △ △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ × うるおい感 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

【００４０】上記検討結果より、樹脂と非揮発性油分の
比が２／１を越えると、伸び、艶が悪くなり、しかも二
次付着性、べたつき感などの改善もあまり認められな
い。また、樹脂と非揮発性油分の比が１／２未満では、
樹脂の特性を充分に発揮することができず、二次付着性
の改善効果が不十分となることがある。従って、樹脂と
非揮発性油分の比は、１／２以上、２／１以下であるこ
とが好ましい。

【００４１】以下、本発明のより具体的な配合例につい
て説明する。なお、いずれも二次付着性が低く、べたつ
き、うるおい感等の使用感においても高い評価を得た。

【００４２】配合例１グリセロールトリ２エチルヘキサノエート１０重量％セレシンワックス８カルナバワックス２マイカ１０シリカ５オクタメチルシクロテトラシロキサン３６ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン０．５ビーガムＨＶ（Ｒ．Ｔ．Ｖａｎｄｅｒｂｕｉｌｔ社製）３精製水０．５約５，０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：ＳｉＯ₂単位＝０．５：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.0ＳｉＯ_1.5で表されるシリコーン樹脂２０顔料５酸化防止剤適量紫外線吸収剤適量香料適量合計：１００重量％評価：伸び ◎，艶 ○，二次付着性 ◎，べたつ
き ◎，うるおい感 ◎

【００４３】配合例２グリセロールトリ２エチルヘキサノエート４．５重量％ジメチルポリシロキサン（２０ｃｓ）５セレシンワックス５カルナバワックス３ポリエチレンワックス３マイカ１２シリカ２デカメチルシクロペンタシロキサン３６約５，０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：ＳｉＯ₂単位＝０．５：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.0ＳｉＯ_1.5で表されるシリコーン樹脂１５モンモリロナイト（国峰鉱化ＫＫ製クニピアＧ−４）４天然水（採水地：谷川岳）２グリセリン０．５顔料５パール剤３酸化防止剤適量紫外線吸収剤適量香料適量合計：１００重量％評価：伸び ◎，艶 ○，二次付着性 ◎，べたつ
き ◎，うるおい感 ◎

【００４４】配合例３流動パラフィン５重量％ジメチルポリシロキサン（２０ｃｓ）５カルナバワックス２ポリエチレンワックス８マイカ７シリカ８シ゛メチルホ゜リシロキサンメチル(ホ゜リオキシエチレン)共重合体１オクタメチルシクロテトラシロキサン３４．９約３，０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：ＳｉＯ₂単位＝０．８：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.33ＳｉＯ_1.34で表されるシリコーン樹脂１８グリセロールモノオレート３天然水（採水地：南アルプス）０．１顔料３パール剤５酸化防止剤適量紫外線吸収剤適量香料適量合計：１００重量％評価：伸び ◎，艶 ○，二次付着性 ◎，べたつ
き ◎，うるおい感 ◎

【００４５】配合例４グリセロールトリ２エチルヘキサノエート５重量％ジメチルポリシロキサン（２０ｃｓ）５ヒマシ油３セレシンワックス４カルナバワックス４ポリエチレンワックス４マイカ１０シリカ２シ゛メチルホ゜リシロキサンメチル(ホ゜リオキシエチレン)共重合体１オクタメチルシクロテトラシロキサン１８デカメチルシクロペンタシロキサン１６．９約３，０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：ＳｉＯ₂単位＝０．８：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.33ＳｉＯ_1.34で表されるシリコーン樹脂１５ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン１合成ヘクライト３水０．１顔料５パール剤３酸化防止剤適量紫外線吸収剤適量香料適量合計：１００重量％評価：伸び ◎，艶 ◎，二次付着性 ○，べたつ
き ○，うるおい感 ◎

【００４６】配合例５グリセロールトリ２エチルヘキサノエート１０重量％セレシンワックス８カルナバワックス２マイカ１０シリカ５オクタメチルシクロテトラシロキサン３５．８９ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン０．５ビーガムＨＶ（Ｒ．Ｔ．Ｖａｎｄｅｒｂｕｉｌｔ社）３精製水０．５約５，０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：ＳｉＯ₂単位＝０．５：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.0ＳｉＯ_1.5で表されるシリコーン樹脂２０顔料５ビタミンＥアセテート０．０５グリチルレチン酸ステアリル０．０６酸化防止剤適量紫外線吸収剤適量香料適量合計：１００重量％評価：伸び ◎，艶 ○，二次付着性 ◎，べたつ
き ◎，うるおい感 ◎

【００４７】配合例６グリセロールトリ２エチルヘキサノエート４．５重量％ジメチルポリシロキサン（２０ｃｓ）５セレシンワックス５カルナバワックス３ポリエチレンワックス３マイカ１２シリカ２デカメチルシクロペンタシロキサン３５．９４約５，０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：ＳｉＯ₂単位＝０．５：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.0ＳｉＯ_1.5で表されるシリコーン樹脂１５モンモリロナイト（国峰鉱化ＫＫ製クニピアＧ−４）４天然水（採水地：谷川岳）２グリセリン０．５顔料５パール剤３パントテニルエチルエーテル０．０３塩酸ピロドキシン０．０３酸化防止剤適量紫外線吸収剤適量香料適量合計：１００重量％評価：伸び ◎，艶 ○，二次付着性 ◎，べたつ
き ◎，うるおい感 ◎

【００４８】配合例７流動パラフィン５重量％ジメチルポリシロキサン（２０ｃｓ）５カルナバワックス２ポリエチレンワックス８マイカ７シリカ８シ゛メチルホ゜リシロキサンメチル(ホ゜リオキシエチレン)共重合体１オクタメチルシクロテトラシロキサン３４．６約３，０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：ＳｉＯ₂単位＝０．８：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.33ＳｉＯ_1.34で表されるシリコーン樹脂１８グリセロールモノオレート３天然水（採水地：南アルプス）０．１顔料３パール剤５ｌ−メントール０．１カンファー０．２酸化防止剤適量紫外線吸収剤適量香料適量合計：１００重量％評価：伸び ◎，艶 ○，二次付着性 ◎，べたつ
き ◎，うるおい感 ◎

【００４９】配合例８グリセロールトリ２エチルヘキサノエート５重量％ジメチルポリシロキサン（２０ｃｓ）５ヒマシ油３セレシンワックス４カルナバワックス４ポリエチレンワックス４マイカ１０シリカ２シ゛メチルホ゜リシロキサンメチル(ホ゜リオキシエチレン)共重合体１オクタメチルシクロテトラシロキサン１８デカメチルシクロペンタシロキサン１６．７５約３，０００の分子量を有し、かつ（ＣＨ₃）₃ＳｉＯ_1/2：ＳｉＯ₂単位＝０．８：１からなる平均式（ＣＨ₃）_1.33ＳｉＯ_1.34で表されるシリコーン樹脂１５ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン１合成ヘクライト３水０．１顔料５パール剤３ローヤルゼリー抽出液０．０５ β−カロチン０．１酸化防止剤適量紫外線吸収剤適量香料適量合計：１００重量％評価：伸び ◎，艶 ◎，二次付着性 ○，べたつ
き ○，うるおい感 ◎

【００５０】

【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる口紅
用組成物によれば、撥水性ポリマーと共に粉体を配合
し、さらに水を配合したので、二次付着性が低く、しか
もうるおい感に優れるものである。

フロントページの続き (56)参考文献特開平６−199630（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−161211（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−158913（ＪＰ，Ａ) 特開昭62−298512（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−122415（ＪＰ，Ａ) 特開平７−187954（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】揮発性油分と、下記平均式化１により示され、１，５００〜２０，００
０の平均分子量を有し、且つ前記揮発性油分に溶解する
撥水性ポリマーと、前記揮発性油分が存在しない状態で、前記撥水性ポリマ
ーに被覆され得る粉体と、前記揮発性油分と相溶性を有する非揮発性油分と、水と、を含み、前記粉体の少なくとも一部はシリカであり、該シリカを
１〜１０重量％含むことを特徴とする口紅用組成物。【化１】Ｒ _ｎＳｉＯ _{（４−ｎ）／２} （Ｒは炭素数１〜６までの炭化水素基又はフェニル基を
表し、ｎは１．０〜１．８までの値を示す。）
【請求項２】請求項１記載の組成物において、揮発性油分を２０〜６０重量％、撥水性ポリマーを５〜２０重量％、非揮発性油分を５〜３０重量％、水を０．０５〜５重量％、含むことを特徴とする口紅用組成物。
【請求項３】請求項１又は２記載の口紅用組成物にお
いて、揮発性油分が揮発性シリコーン油であり、撥水性
ポリマーがシリコーン樹脂であることを特徴とする口紅
用組成物。
【請求項４】請求項１〜３のいずれかに記載の組成物
において、撥水性ポリマー／非揮発性油分が１／２〜２
／１の重量比であることを特徴とする口紅用組成物。