JP3486311B2 - 消波式大型浮体 - Google Patents
消波式大型浮体Info
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- 230000002238 attenuated effect Effects 0.000 description 8
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- B63B—SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING
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- B63B39/00—Equipment to decrease pitch, roll, or like unwanted vessel movements; Apparatus for indicating vessel attitude
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- E02—HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
- E02B—HYDRAULIC ENGINEERING
- E02B3/00—Engineering works in connection with control or use of streams, rivers, coasts, or other marine sites; Sealings or joints for engineering works in general
- E02B3/04—Structures or apparatus for, or methods of, protecting banks, coasts, or harbours
- E02B3/06—Moles; Piers; Quays; Quay walls; Groynes; Breakwaters ; Wave dissipating walls; Quay equipment
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、海上空港（海上ヘ
リポートを含む。)，海洋プラントバージ，海上都市な
どに用いられる大型浮体に関する。
リポートを含む。)，海洋プラントバージ，海上都市な
どに用いられる大型浮体に関する。
【０００２】
【従来の技術】湾内など静穏海域に設置される小規模の
箱形浮体は、レストランバージやアミューズメント施設
など既存のものがあるが、上甲板の一辺が数Ｋｍ規模の
大型海洋浮体については実績がないのが現状である。し
かしながら、海上空港や海上都市の計画は数多く、その
構造形式としては、図６に示すように、入射波４を遮断
できるように水面18を貫通する防波堤18ａなどで静穏海
域をつくり、その中に大型浮体１を設置するものが主流
である。
箱形浮体は、レストランバージやアミューズメント施設
など既存のものがあるが、上甲板の一辺が数Ｋｍ規模の
大型海洋浮体については実績がないのが現状である。し
かしながら、海上空港や海上都市の計画は数多く、その
構造形式としては、図６に示すように、入射波４を遮断
できるように水面18を貫通する防波堤18ａなどで静穏海
域をつくり、その中に大型浮体１を設置するものが主流
である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大型浮体
は、長さに比べて厚さが薄いため、波浪に応じて複雑な
変形応答を示す。その変形は波高に応じて大きくなり、
仮に周囲に防波堤がない場合には、底板露出によるスラ
ミングや越波などが問題となる。また、静穏海域をつく
るための固定式防波堤は、水深が深くなると設置に莫大
な費用がかかる。
は、長さに比べて厚さが薄いため、波浪に応じて複雑な
変形応答を示す。その変形は波高に応じて大きくなり、
仮に周囲に防波堤がない場合には、底板露出によるスラ
ミングや越波などが問題となる。また、静穏海域をつく
るための固定式防波堤は、水深が深くなると設置に莫大
な費用がかかる。
【０００４】また大型浮体の外周部に浮消波堤を設けた
り消波構造物を取り付けたりする手段では、大型浮体の
周囲で相対的に動く構造体が存在して船舶の接岸や荷役
作業の邪魔になったり、同構造体の上方空間の利用が困
難になったりする不具合がある。
り消波構造物を取り付けたりする手段では、大型浮体の
周囲で相対的に動く構造体が存在して船舶の接岸や荷役
作業の邪魔になったり、同構造体の上方空間の利用が困
難になったりする不具合がある。
【０００５】そこで本発明は、大型浮体自体に消波機能
をもたせることにより、固定式防波堤がなくてもすむよ
うにするとともに、同大型浮体の上甲板の外周に近接す
る障害物が存在しないようにして、同上甲板の有効利用
を図り、船舶の接岸も容易に行なえるようにした、消波
式大型浮体を提供することを課題とする。
をもたせることにより、固定式防波堤がなくてもすむよ
うにするとともに、同大型浮体の上甲板の外周に近接す
る障害物が存在しないようにして、同上甲板の有効利用
を図り、船舶の接岸も容易に行なえるようにした、消波
式大型浮体を提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決する手段】前述の課題を解決するため、本
発明の消波式大型浮体は、広大な上甲板を有する大型浮
体において、その波上側に張出した上記上甲板の張出し
部分に、同張出し部分から下方へ垂下されて水面を貫通
し水中まで延在する消波構造物が設けられ、同消波構造
物が、相互に間隔をあけ波の進行方向へ細長く延在する
ように上記上甲板の張出し部分から下方へ垂下された複
数の箱形浮体をそなえて構成されていることを特徴とし
ている。
発明の消波式大型浮体は、広大な上甲板を有する大型浮
体において、その波上側に張出した上記上甲板の張出し
部分に、同張出し部分から下方へ垂下されて水面を貫通
し水中まで延在する消波構造物が設けられ、同消波構造
物が、相互に間隔をあけ波の進行方向へ細長く延在する
ように上記上甲板の張出し部分から下方へ垂下された複
数の箱形浮体をそなえて構成されていることを特徴とし
ている。
【０００７】これにより、波上から進入する入射波は、
上記上甲板の張出し部分の下方で上記の細長い箱形浮体
の相互間のトンネル状空間に沿い進行するにつれて減衰
し波高が減少するようになる。
上記上甲板の張出し部分の下方で上記の細長い箱形浮体
の相互間のトンネル状空間に沿い進行するにつれて減衰
し波高が減少するようになる。
【０００８】そして、上記箱形浮体の相互間に装架され
て波の進行方向へゆくにしたがいしだいに上昇する傾斜
板が設けられる場合は、波上から進入する入射波が上記
の細長い箱形浮体の相互間に沿い進行する際に、上記傾
斜板上を登りつつ減衰し、その波高が減少するようにな
る。
て波の進行方向へゆくにしたがいしだいに上昇する傾斜
板が設けられる場合は、波上から進入する入射波が上記
の細長い箱形浮体の相互間に沿い進行する際に、上記傾
斜板上を登りつつ減衰し、その波高が減少するようにな
る。
【０００９】また、上記傾斜板の上面に多数の突起が設
けられると、同傾斜板に沿って入射波が登りながら多数
の突起で効率よく減衰し、その波高が低下する。
けられると、同傾斜板に沿って入射波が登りながら多数
の突起で効率よく減衰し、その波高が低下する。
【００１０】さらに、上記箱形浮体の相互間のスペース
に、同箱形浮体に取付けられた支持手段で支持される空
隙形成型充填材が設けられた場合は、上記箱形浮体の相
互間に進入した入射波が、多量の金網や多数の突起付き
消波ブロック等の空隙形成型充填材で効率よく破砕され
て、その波浪エネルギーが吸収されるようになる。
に、同箱形浮体に取付けられた支持手段で支持される空
隙形成型充填材が設けられた場合は、上記箱形浮体の相
互間に進入した入射波が、多量の金網や多数の突起付き
消波ブロック等の空隙形成型充填材で効率よく破砕され
て、その波浪エネルギーが吸収されるようになる。
【００１１】また、上記消波構造物が、波の進行方向へ
順次レベルを高められた多段状の水平板と、これらの水
平板の両側を支持するようにして上記上甲板の張出し部
分から下方へ垂設された側部支持部材とで構成される場
合は、入射波が、順次レベルの高くなる多段状の水平板
で波粒子の運動を崩されるようにして破砕され減衰され
るので、この大型浮体の本体への進入の際には波高が減
少するようになる。
順次レベルを高められた多段状の水平板と、これらの水
平板の両側を支持するようにして上記上甲板の張出し部
分から下方へ垂設された側部支持部材とで構成される場
合は、入射波が、順次レベルの高くなる多段状の水平板
で波粒子の運動を崩されるようにして破砕され減衰され
るので、この大型浮体の本体への進入の際には波高が減
少するようになる。
【００１２】そして、上記水平板が多孔板として形成さ
れると、入射波の波粒子運動の崩壊が一層効率よく行な
われ、波高の減少がもたらされるようになる。
れると、入射波の波粒子運動の崩壊が一層効率よく行な
われ、波高の減少がもたらされるようになる。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態について説明すると、図１は本発明の第１実施形態と
しての消波式大型浮体を示すもので、図１(ａ)はその縦
断面図［図１(ｂ)のＢ−Ｂ断面図］、図１(ｂ)はその水
平断面図、図１(ｃ)は図１(ａ)のＣ−Ｃ矢視図である。
図１(ａ), (ｂ),(ｃ)に示すように、この第１実施形態
では、広大な上甲板を有する大型浮体１の消波構造物と
して、相互に間隔をあけ入射波４の進行方向へ細長く延
在するように上甲板の張出し部分１Ａから下方の水中ま
で垂設された複数の箱形浮体２をそなえるほか、これら
の箱形浮体２の相互間に装架されて入射波４の進行方向
へゆくにしたがいしだいに上昇する傾斜板５が、上方へ
やや屈曲するようにして前後に１個ずつ設けられてお
り、同傾斜板５の上面には多数の突起６が設けられてい
る。
態について説明すると、図１は本発明の第１実施形態と
しての消波式大型浮体を示すもので、図１(ａ)はその縦
断面図［図１(ｂ)のＢ−Ｂ断面図］、図１(ｂ)はその水
平断面図、図１(ｃ)は図１(ａ)のＣ−Ｃ矢視図である。
図１(ａ), (ｂ),(ｃ)に示すように、この第１実施形態
では、広大な上甲板を有する大型浮体１の消波構造物と
して、相互に間隔をあけ入射波４の進行方向へ細長く延
在するように上甲板の張出し部分１Ａから下方の水中ま
で垂設された複数の箱形浮体２をそなえるほか、これら
の箱形浮体２の相互間に装架されて入射波４の進行方向
へゆくにしたがいしだいに上昇する傾斜板５が、上方へ
やや屈曲するようにして前後に１個ずつ設けられてお
り、同傾斜板５の上面には多数の突起６が設けられてい
る。
【００１４】図２は本発明の第２実施形態としての消波
式大型浮体を示すもので、図２(ａ)はその縦断面図［図
２(ｂ)のＤ−Ｄ断面図］、図２(ｂ)は図２(ａ)のＥ−Ｅ
断面図、図２(ｃ)は図２(ａ)のＦ−Ｆ矢視図である。こ
の第２実施形態では、図２(ａ),(ｂ),(ｃ)に示すよう
に、大型浮体１の消波構造物として、相互に間隔をあけ
入射波４の進行方向へ細長く延在するように上甲板張出
し部分１Ａから下方の水中まで垂設された複数の箱形浮
体２をそなえるほか、これらの箱形浮体２の相互間に、
同箱形浮体２に取付けられた支持手段としての底板７で
支持される金網や突起付き消波ブロックのごとき空隙形
成型充填材８が設けられている。なお、本実施形態で
は、充填材８を支えるための底板７が、隣り合う箱形浮
体２の相互間に架設されているが、充填材８の支持手段
としては網状部材や格子部材でもよく、また適宜の突起
形支持手段を箱形浮体２から側方へ突設して充填材８の
支持を行なうようにしてもよい。
式大型浮体を示すもので、図２(ａ)はその縦断面図［図
２(ｂ)のＤ−Ｄ断面図］、図２(ｂ)は図２(ａ)のＥ−Ｅ
断面図、図２(ｃ)は図２(ａ)のＦ−Ｆ矢視図である。こ
の第２実施形態では、図２(ａ),(ｂ),(ｃ)に示すよう
に、大型浮体１の消波構造物として、相互に間隔をあけ
入射波４の進行方向へ細長く延在するように上甲板張出
し部分１Ａから下方の水中まで垂設された複数の箱形浮
体２をそなえるほか、これらの箱形浮体２の相互間に、
同箱形浮体２に取付けられた支持手段としての底板７で
支持される金網や突起付き消波ブロックのごとき空隙形
成型充填材８が設けられている。なお、本実施形態で
は、充填材８を支えるための底板７が、隣り合う箱形浮
体２の相互間に架設されているが、充填材８の支持手段
としては網状部材や格子部材でもよく、また適宜の突起
形支持手段を箱形浮体２から側方へ突設して充填材８の
支持を行なうようにしてもよい。
【００１５】図３は本発明の第３実施形態としての消波
式大型浮体を示すもので、図３(ａ)はその下面図、図３
(ｂ)はその縦断面図、図３(ｃ)は図３(ｂ)のＲ−Ｒ矢視
図である。この第３実施形態の場合は、図３(ａ),(ｂ),
(ｃ)に示すように、大型浮体１の消波構造物として、波
上側へ張出した上甲板張出し部分１Ａから下方で、入射
波４の進行方向に順次レベルを高められた多段状の水平
板13と、これらの水平板13の両側を支持するようにして
上甲板の張出し部分１Ａから下方の水面18を貫通し水中
まで延在する側部支持部材13ａとが設けられている。そ
して、多段状の水平板13は水面下から水面付近までにわ
たて分布するように設けられ、本実施形態では各水平板
13として多孔板が採用されている。
式大型浮体を示すもので、図３(ａ)はその下面図、図３
(ｂ)はその縦断面図、図３(ｃ)は図３(ｂ)のＲ−Ｒ矢視
図である。この第３実施形態の場合は、図３(ａ),(ｂ),
(ｃ)に示すように、大型浮体１の消波構造物として、波
上側へ張出した上甲板張出し部分１Ａから下方で、入射
波４の進行方向に順次レベルを高められた多段状の水平
板13と、これらの水平板13の両側を支持するようにして
上甲板の張出し部分１Ａから下方の水面18を貫通し水中
まで延在する側部支持部材13ａとが設けられている。そ
して、多段状の水平板13は水面下から水面付近までにわ
たて分布するように設けられ、本実施形態では各水平板
13として多孔板が採用されている。
【００１６】図４は本発明の第４実施形態としての消波
式大型浮体を示すもので、図４(ａ)はその下面図、図４
(ｂ)はその側面図、図４(ｃ)は図４(ｂ)のＴ−Ｔ矢視図
である。この第４実施形態の場合は、図４(ａ),(ｂ),
(ｃ)に示すように、大型浮体１の消波構造物として、波
上側へ張出した上甲板張出し部分１Ａから下方の水面18
を貫通し水中まで垂下する複数の箱形浮体14が、相互に
間隔をあけて、入射波４の進行方向へ細長く延在するよ
うに設けられている。
式大型浮体を示すもので、図４(ａ)はその下面図、図４
(ｂ)はその側面図、図４(ｃ)は図４(ｂ)のＴ−Ｔ矢視図
である。この第４実施形態の場合は、図４(ａ),(ｂ),
(ｃ)に示すように、大型浮体１の消波構造物として、波
上側へ張出した上甲板張出し部分１Ａから下方の水面18
を貫通し水中まで垂下する複数の箱形浮体14が、相互に
間隔をあけて、入射波４の進行方向へ細長く延在するよ
うに設けられている。
【００１７】図５は本発明の第５実施形態としての消波
式大型浮体を示しており、図５(ａ)はその下面図、図５
(ｂ)はその縦断面図、図５(ｃ)は図５(ｂ)のＸ−Ｘ矢視
図である。この第５実施形態の場合は、図５（ａ),
(ｂ),(ｃ)に示すように、大型浮体１の消波構造物とし
て、波上側へ張出した上甲板張出し部分１Ａから下方の
水面18を貫通し水中まで垂下する複数の細長い箱形浮体
16ａが、互いに平行に入射波４の進行方向に沿って設け
られるとともに、隣り合う箱形浮体16ａの先端部の相互
間に装架されて入射波４の進行方向へゆくにしたがいし
だいに上昇する傾斜板16が設けられている。なお、最側
方の傾斜板16ｓについては、その側縁が適宜の支持部材
で支持されるようになっている。
式大型浮体を示しており、図５(ａ)はその下面図、図５
(ｂ)はその縦断面図、図５(ｃ)は図５(ｂ)のＸ−Ｘ矢視
図である。この第５実施形態の場合は、図５（ａ),
(ｂ),(ｃ)に示すように、大型浮体１の消波構造物とし
て、波上側へ張出した上甲板張出し部分１Ａから下方の
水面18を貫通し水中まで垂下する複数の細長い箱形浮体
16ａが、互いに平行に入射波４の進行方向に沿って設け
られるとともに、隣り合う箱形浮体16ａの先端部の相互
間に装架されて入射波４の進行方向へゆくにしたがいし
だいに上昇する傾斜板16が設けられている。なお、最側
方の傾斜板16ｓについては、その側縁が適宜の支持部材
で支持されるようになっている。
【００１８】上述の本発明の各実施形態では、大型浮体
１の波上側に張出した上甲板の張出し部分１Ａの下方
に、同張出し部分１Ａから水面18の下方まで延在するよ
うに垂設された消波構造物が設けられて、同大型浮体１
自体が消波機能を保持するので、静穏海域を形成するた
めの高価な固定式防波堤や浮消波堤が不要になる。
１の波上側に張出した上甲板の張出し部分１Ａの下方
に、同張出し部分１Ａから水面18の下方まで延在するよ
うに垂設された消波構造物が設けられて、同大型浮体１
自体が消波機能を保持するので、静穏海域を形成するた
めの高価な固定式防波堤や浮消波堤が不要になる。
【００１９】また上甲板の外周に近接して相対的に動く
消波構造物が存在しないので、船舶の接岸が容易になる
ほか、上甲板上のスペースの利用が、その周縁部まで有
効に行なわれるようになる。
消波構造物が存在しないので、船舶の接岸が容易になる
ほか、上甲板上のスペースの利用が、その周縁部まで有
効に行なわれるようになる。
【００２０】さらに、図４について述べた消波式大型浮
体の場合は、波上から進入する入射波４は、上甲板張出
し部分１Ａの下方で細長い箱形浮体14の相互間のトンネ
ル状空間に沿い進行するにつれて減衰し波高が減少する
ようになる。
体の場合は、波上から進入する入射波４は、上甲板張出
し部分１Ａの下方で細長い箱形浮体14の相互間のトンネ
ル状空間に沿い進行するにつれて減衰し波高が減少する
ようになる。
【００２１】そして、図５について述べたように、細長
い箱形浮体16ａの相互間に傾斜板16が設けられる場合
は、波上から進入する入射波４が細長い箱形浮体16ａの
相互間に沿い進行する際に、傾斜板16上を登りつつ減衰
し、その波高が減少するようになる。
い箱形浮体16ａの相互間に傾斜板16が設けられる場合
は、波上から進入する入射波４が細長い箱形浮体16ａの
相互間に沿い進行する際に、傾斜板16上を登りつつ減衰
し、その波高が減少するようになる。
【００２２】また、図１について述べたように傾斜板５
の上面に多数の突起６が設けられると、同傾斜板５に沿
って入射波４が登りながら多数の突起６で効率よく減衰
し、その波高が低下する。
の上面に多数の突起６が設けられると、同傾斜板５に沿
って入射波４が登りながら多数の突起６で効率よく減衰
し、その波高が低下する。
【００２３】さらに、図２で述べたように、箱形浮体２
の相互間に空隙形成型充填材８が設けられた場合は、箱
形浮体２の相互間に進入した入射波４が、多量の金網や
多数の突起付き消波ブロック等の空隙形成型充填材８で
効率よく破砕されて、その波浪エネルギーが吸収される
ようになる。
の相互間に空隙形成型充填材８が設けられた場合は、箱
形浮体２の相互間に進入した入射波４が、多量の金網や
多数の突起付き消波ブロック等の空隙形成型充填材８で
効率よく破砕されて、その波浪エネルギーが吸収される
ようになる。
【００２４】また、図３について述べたように消波構造
物が構成される場合は、入射波４が、順次レベルの高く
なる多段状の水平板13で波粒子の運動を崩されるように
して破砕され減衰されるので、この大型浮体１の本体へ
の進入の際には波高が減少するようになる。そして、水
平板13が多孔板として形成されると、入射波４の波粒子
運動の崩壊が一層効率よく行われ、波高が十分に減少す
るようになる。
物が構成される場合は、入射波４が、順次レベルの高く
なる多段状の水平板13で波粒子の運動を崩されるように
して破砕され減衰されるので、この大型浮体１の本体へ
の進入の際には波高が減少するようになる。そして、水
平板13が多孔板として形成されると、入射波４の波粒子
運動の崩壊が一層効率よく行われ、波高が十分に減少す
るようになる。
【００２５】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の消波式大
型浮体によれば次のような効果が得られる。 (1) 大型浮体の波上側に張出した上甲板の張出し部分の
下方に、同張出し部分から水面下方まで延在するように
垂設された消波構造物が設けられて、同大型浮体自体が
消波機能を保持するので、静穏海域を形成するための高
価な固定式防波堤や浮消波堤が不要になる。また上甲板
の外周に近接して相対的に動く消波構造物が存在しない
ので、船舶の接岸が容易になるほか、上甲板上のスペー
スの利用が、その周縁部まで有効に行なわれるようにな
る。 (2) 上記消波構造物が、相互に間隔をあけ波の進行方向
へ細長く延在するように上記上甲板の張出し部分から下
方へ垂下された複数の箱形浮体をそなえて構成されてい
るので、波上から進入する入射波は、上記上甲板の張出
し部分の下方で上記の細長い箱形浮体の相互間のトンネ
ル状空間に沿い進行するにつれて減衰し波高が減少する
ようになる。 (3) 上記箱形浮体の相互間に装架されて波の進行方向へ
ゆくにしたがいしだいに上昇する傾斜板が設けられる場
合は、波上から進入する入射波が上記の細長い箱形浮体
の相互間に沿い進行する際に、上記傾斜板上を登りつつ
減衰し、その波高が減少するようになる。 (4) 上記傾斜板の上面に多数の突起が設けられると、同
傾斜板に沿って入射波が登りながら多数の突起で効率よ
く減衰し、その波高が低下する。 (5) 上記箱形浮体の相互間のスペースに、同箱形浮体に
取付けられた支持手段で支持される空隙形成型充填材が
設けられた場合は、上記箱形浮体の相互間に進入した入
射波が、多量の金網や多数の突起付き消波ブロック等の
空隙形成型充填材で効率よく破砕されて、その波浪エネ
ルギーが吸収されるようになる。 (6) 上記消波構造物が、波の進行方向へ順次レベルを高
められた多段状の水平板と、これらの水平板の両側を支
持するようにして上記上甲板の張出し部分から下方へ垂
設された側部支持部材とで構成される場合は、入射波
が、順次レベルの高くなる多段状の水平板で波粒子の運
動を崩されるようにして破砕され減衰されるので、この
大型浮体の本体への進入の際には波高が減少するように
なる。 (7) 上記水平板が多孔板として形成されると、入射波の
波粒子運動の崩壊が一層効率よく行われ、波高の減少が
もたらされるようになる。
型浮体によれば次のような効果が得られる。 (1) 大型浮体の波上側に張出した上甲板の張出し部分の
下方に、同張出し部分から水面下方まで延在するように
垂設された消波構造物が設けられて、同大型浮体自体が
消波機能を保持するので、静穏海域を形成するための高
価な固定式防波堤や浮消波堤が不要になる。また上甲板
の外周に近接して相対的に動く消波構造物が存在しない
ので、船舶の接岸が容易になるほか、上甲板上のスペー
スの利用が、その周縁部まで有効に行なわれるようにな
る。 (2) 上記消波構造物が、相互に間隔をあけ波の進行方向
へ細長く延在するように上記上甲板の張出し部分から下
方へ垂下された複数の箱形浮体をそなえて構成されてい
るので、波上から進入する入射波は、上記上甲板の張出
し部分の下方で上記の細長い箱形浮体の相互間のトンネ
ル状空間に沿い進行するにつれて減衰し波高が減少する
ようになる。 (3) 上記箱形浮体の相互間に装架されて波の進行方向へ
ゆくにしたがいしだいに上昇する傾斜板が設けられる場
合は、波上から進入する入射波が上記の細長い箱形浮体
の相互間に沿い進行する際に、上記傾斜板上を登りつつ
減衰し、その波高が減少するようになる。 (4) 上記傾斜板の上面に多数の突起が設けられると、同
傾斜板に沿って入射波が登りながら多数の突起で効率よ
く減衰し、その波高が低下する。 (5) 上記箱形浮体の相互間のスペースに、同箱形浮体に
取付けられた支持手段で支持される空隙形成型充填材が
設けられた場合は、上記箱形浮体の相互間に進入した入
射波が、多量の金網や多数の突起付き消波ブロック等の
空隙形成型充填材で効率よく破砕されて、その波浪エネ
ルギーが吸収されるようになる。 (6) 上記消波構造物が、波の進行方向へ順次レベルを高
められた多段状の水平板と、これらの水平板の両側を支
持するようにして上記上甲板の張出し部分から下方へ垂
設された側部支持部材とで構成される場合は、入射波
が、順次レベルの高くなる多段状の水平板で波粒子の運
動を崩されるようにして破砕され減衰されるので、この
大型浮体の本体への進入の際には波高が減少するように
なる。 (7) 上記水平板が多孔板として形成されると、入射波の
波粒子運動の崩壊が一層効率よく行われ、波高の減少が
もたらされるようになる。
【図１】本発明の第１実施形態としての消波式大型浮体
を示すもので、(ａ)図はその縦断面図［(ｂ)図のＢ−Ｂ
断面図］、(ｂ)図はその水平断面図、(ｃ)図は(ａ)図の
Ｃ−Ｃ矢視図である。
を示すもので、(ａ)図はその縦断面図［(ｂ)図のＢ−Ｂ
断面図］、(ｂ)図はその水平断面図、(ｃ)図は(ａ)図の
Ｃ−Ｃ矢視図である。
【図２】本発明の第２実施形態としての消波式大型浮体
を示すもので、(ａ)図はその縦断面図［(ｂ)図のＤ−Ｄ
断面図］、(ｂ)図は(ａ)図のＥ−Ｅ断面図、(ｃ)図は
(ａ)図のＦ−Ｆ矢視図である。
を示すもので、(ａ)図はその縦断面図［(ｂ)図のＤ−Ｄ
断面図］、(ｂ)図は(ａ)図のＥ−Ｅ断面図、(ｃ)図は
(ａ)図のＦ−Ｆ矢視図である。
【図３】本発明の第３実施形態としての消波式大型浮体
を示すもので、(ａ)図はその下面図、(ｂ)図はその縦断
面図、(ｃ)図は(ｂ)図のＲ−Ｒ矢視図である。
を示すもので、(ａ)図はその下面図、(ｂ)図はその縦断
面図、(ｃ)図は(ｂ)図のＲ−Ｒ矢視図である。
【図４】本発明の第４実施形態としての消波式大型浮体
を示すもので、(ａ)図はその下面図、(ｂ)図はその側面
図、(ｃ)図は(ｂ)図のＴ−Ｔ矢視図である。
を示すもので、(ａ)図はその下面図、(ｂ)図はその側面
図、(ｃ)図は(ｂ)図のＴ−Ｔ矢視図である。
【図５】本発明の第５実施形態としての消波式大型浮体
を示すもので、(ａ)図はその下面図、(ｂ)図はその縦断
面図、(ｃ)図は(ｂ)図のＸ−Ｘ矢視図である。
を示すもので、(ａ)図はその下面図、(ｂ)図はその縦断
面図、(ｃ)図は(ｂ)図のＸ−Ｘ矢視図である。
【図６】従来の大型浮体と防波堤とを示す側面図であ
る。
る。
１ 大型浮体
１Ａ 上甲板の張出し部分
２ 箱形浮体
４ 入射波
５ 傾斜板
６ 突起
７ 底板
８ 空隙形成型充填材
13 水平板（多孔板）
13ａ 側部支持部材（浮体）
14 箱形部材
16 傾斜板
16ａ 箱形浮体
18 水面
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 南浦 純一
長崎市深堀町五丁目717番１号 三菱重
工業株式会社 長崎研究所内
(56)参考文献 特開 平８−282583（ＪＰ，Ａ)
特開 昭50−79931（ＪＰ，Ａ)
特開 平８−144238（ＪＰ，Ａ)
特開 昭61−75111（ＪＰ，Ａ)
特開 昭56−63589（ＪＰ，Ａ)
特開 昭61−72117（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B63B 35/44
Claims (6)
- 【請求項１】 広大な上甲板を有する大型浮体におい
て、その波上側に張出した上記上甲板の張出し部分に、
同張出し部分から下方へ垂下されて水面を貫通し水中ま
で延在する消波構造物が設けられ、同消波構造物が、相
互に間隔をあけ波の進行方向へ細長く延在するように上
記上甲板の張出し部分から下方へ垂下された複数の箱形
浮体をそなえて構成されていることを特徴とする、消波
式大型浮体。 - 【請求項２】 上記箱形浮体の相互間に装架されて波の
進行方向へゆくにしたがいしだいに上昇する傾斜板が設
けられたことを特徴とする、請求項１に記載の消波式大
型浮体。 - 【請求項３】 上記傾斜板の上面に多数の突起が設けら
れたことを特徴とする、請求項２に記載の消波式大型浮
体。 - 【請求項４】 上記箱形浮体の相互間のスペースに、同
箱形浮体に取付けられた支持手段で支持される空隙形成
型充填材が設けられたことを特徴とする、請求項１に記
載の消波式大型浮体。 - 【請求項５】 広大な上甲板を有する大型浮体におい
て、その波上側に張出した上記上甲板の張出し部分に、
同張出し部分から下方へ垂下されて水面を貫通し水中ま
で延在する消波構造物が設けられ、同消波構造物が、波
の進行方向へ順次レベルを高められた多段状の水平板
と、これらの水平板の両側を支持するようにして上記上
甲板の張出し部分から下方へ垂設された側部支持部材と
で構成されたことを特徴とする、消波式大型浮体。 - 【請求項６】 上記水平板が多孔板であることを特徴と
する、請求項５に記載の消波式大型浮体。
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|---|---|---|---|
| JP33162796A JP3486311B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 消波式大型浮体 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33162796A JP3486311B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 消波式大型浮体 |
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| Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33162796A Expired - Fee Related JP3486311B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 消波式大型浮体 |
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| JP (1) | JP3486311B2 (ja) |
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| CN104029799A (zh) * | 2014-05-29 | 2014-09-10 | 中国船舶重工集团公司第七○二研究所 | 箱式下浮体多立柱型半潜式平台 |
| CN104401459A (zh) * | 2014-11-25 | 2015-03-11 | 黄继昌 | 一种水上浮体 |
| CN109080781A (zh) * | 2018-08-01 | 2018-12-25 | 上海交通大学 | 一种抑制波浪爬升孔隙结构物装置及其设计方法 |
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| US3299846A (en) * | 1965-01-18 | 1967-01-24 | Canadian Patents Dev | Stable floating support columns |
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-
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- 1996-11-27 JP JP33162796A patent/JP3486311B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
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- 1997-11-26 FI FI974335A patent/FI117904B/fi not_active IP Right Cessation
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-
1999
- 1999-07-08 US US09/349,152 patent/US6089175A/en not_active Expired - Fee Related
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