JP3486103B2 - 岩盤等の爆破方法 - Google Patents

岩盤等の爆破方法

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JP3486103B2
JP3486103B2 JP14218398A JP14218398A JP3486103B2 JP 3486103 B2 JP3486103 B2 JP 3486103B2 JP 14218398 A JP14218398 A JP 14218398A JP 14218398 A JP14218398 A JP 14218398A JP 3486103 B2 JP3486103 B2 JP 3486103B2
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hole
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は岩盤、或いは溶鉱炉
の残銑やコンクリートなどの被破砕物を爆破によって破
砕させる爆破方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば岩盤を爆破させてトン
ネルを形成する方法としては、トンネル計画掘削線に沿
って複数個の装薬孔を所定間隔毎に穿設すると共にトン
ネル計画掘削線の中央部に心抜部を設けてこの心抜部の
周囲にも複数個の装薬孔を穿設し、装薬孔に装填した爆
薬を内側の装薬孔から計画掘削線に沿った装薬孔に向か
って順次爆破させることによりトンネルを掘削すること
が知られている。
【0003】このような爆破によるトンネルの掘削方法
において、装薬孔が円形孔である場合には、爆破による
破砕エネルギーは同心円上に放射上に伝播して計画掘削
線の外側の岩盤部分にも亀裂や破砕が発生し、余掘や掘
り残しが生じて計画掘削線に沿った比較的平滑な掘削断
面が得られないばかりでなく、計画掘削線の外側地山を
損傷して地山の安定性を損なうことになる。
【0004】この問題を解決するために、従来から、発
破孔の孔壁面に計画掘削線方向にスリットを形成して爆
破時に該スリット部分に応力集中を生じさせて亀裂方向
を定めるようにすることが行われている。また、計画掘
削線に沿って長孔形状の発破孔と円形状の空孔とを小間
隔毎に交互に穿設しておき、発破孔内に爆薬を装填して
爆破させることにより、空孔に向かって応力集中を生じ
させて亀裂方向を定めることも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法によれば、発破孔にスリットを穿設するための別工
程を必要とし、従って、トンネル掘削能率が著しく低下
すると共にそのスリットを形成するための余分な装置を
用いなければならないために工費においても高騰すると
いう問題点がある。また、後者の方法によれば、長孔形
状の発破孔と円形状の空孔との異なる形状の孔を掘削す
るための2種類の穿孔機を用意しなければならず、狭い
作業空間ではその取扱性に困難をきたして作業能率が低
下するという問題点がある。このため、一台の円形孔の
穿孔機を用いて数回連続穿孔することにより長孔形状の
発破孔を形成することができるが、その掘削作業に多大
な手間と労力を要することになる。さらに、発破孔に対
して空孔を計画掘削線上に沿って設けているために、発
破孔から該空孔に向かって生じる亀裂は計画掘削線の外
側に向かっても大きく発生するために、計画掘削線の外
周地山を損傷して地山の安定を損なうという問題点があ
る。
【0006】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、爆破時における
亀裂方向を計画掘削線で囲まれた内側に向かって大きく
生じさせて周辺地山等の安定や余掘の低減を図ると共に
爆薬の使用量を少なくすることができる岩盤等の爆破方
法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る岩盤等の爆破方法は、岩盤
等の被破砕面に計画掘削線に沿って該計画掘削線により
囲まれた被破砕面の中央部に向かう方向を内側として内
外一対の並設孔を所定間隔毎に穿設して各並設孔の内側
の孔を空孔に外側の孔を装薬孔とし、計画掘削線で囲ま
れた被破砕面の中央部に自由空間を形成したのち、各並
設孔における上記装薬孔内に装填した爆薬を爆破させて
計画掘削線と自由空間との間の被破砕部分を掘削するこ
とを特徴とするものである。
【0008】請求項2に係る発明は、上記請求項1に記
載の岩盤等の爆破方法における自由空間の形成方法であ
って、上記計画掘削線に沿って穿設している並設孔で囲
まれた被破砕面に心抜部を設け、この心抜部と並設孔と
の間の被破砕面に複数個の装薬孔を穿設して心抜部に近
接する内側の装薬孔から並設孔に近接する外側の装薬孔
に向かってこれらの装薬孔に装填した爆薬を順次爆破さ
せることにより自由空間を形成することを特徴とするも
のである。
【0009】 請求項3に係る発明は、上記請求項2
記載の岩盤等の爆破方法において、並設孔と心抜部との
間の被破砕面に穿設されている上記複数個の装薬孔を、
被破砕面の左右上下部に複数個を一群として複数群設て
いるものであって、これらの装薬孔群を内側の群から外
側の群に向かって順次爆破させて自由空間を形成するこ
とを特徴としている。
【0010】請求項4に係る発明は、上記請求項1に記
載の岩盤等の爆破方法における自由空間の別な形成方法
であって、上記計画掘削線に沿って穿設している並設孔
で囲まれた被破砕面に心抜部を設け、この心抜部と並設
孔との間の被破砕面に空孔と装薬孔とからなる別な並設
孔を空孔を心抜部側に向けて複数個穿設し、内側の並設
孔における装薬孔から上記計画掘削線に沿って穿設した
並設孔に近接する外側の並設孔における装薬孔に向かっ
てこれらの装薬孔に装填した爆薬を順次爆破させること
により自由空間を形成することを特徴とするものであ
る。
【0011】 請求項5に係る発明は、上記請求項4
記載の岩盤等の爆破方法において、計画掘削線に沿って
穿設した並設孔と心抜部との間の被破砕面に穿設されて
いる複数個の並設孔を、被破砕面の左右上下部に複数個
を一群として複数群設けているものであって、これらの
並設孔群を内側の群から外側の群に向かって順次爆破さ
せて自由空間を形成することを特徴としている。
【0012】上記請求項1ないし請求項5に記載した岩
盤等の爆破方法において、請求項6に係る発明は、全て
の並設孔を構成している空孔と装薬孔との形状を同大、
同形に形成していることを特徴としている。
【0013】
【作用】計画掘削線で囲まれた中央部の被破砕面に自由
空間を形成したのち、計画掘削線に沿って所定間隔毎に
穿設している並設孔における装薬孔に装填した爆薬を爆
破させると、爆破による破砕エネルギーが空孔側に集中
的に開放されて破砕方向を並設孔の一方の孔である空孔
側に誘導、制御することができる。そして、並設孔の全
ての空孔が装薬孔に対して被破砕面の中央部側、即ち、
自由空間側に位置させているので、爆破時の破砕エネル
ギーによる大きな亀裂が空孔を介して自由空間側に集中
的に発生すると同時に、その亀裂によって生じた装薬孔
と自由空間との間の岩盤等の破砕塊や破砕片(ずり)が
爆風により自由空間部側に飛散する。一方、装薬孔に対
して空孔と反対方向である計画掘削線の外周地山に対す
る破砕エネルギーの影響は少なくて該外周地山が損傷す
ることなく地山の安定が図れる。
【0014】計画掘削線の内部に上記自由空間を形成す
る方法としては、被破砕面の中心部に心抜部を設けると
共にこの心抜部と計画掘削線に沿って穿設している並設
孔との間の被破砕面に複数個の装薬孔又は空孔と装薬孔
とからなる並設孔を穿設し、心抜部側に近接する装薬孔
から計画掘削線側に近接する装薬孔に向かって順次爆破
させることにより形成することができる。この場合、空
孔と装薬孔とからなる並設孔において、空孔を心抜部側
に向けた状態で穿設しておくことにより、爆破による破
砕エネルギーを常に心抜部に向かって集中させて円滑な
掘削が行える。
【0015】また、計画掘削線に沿って穿設している並
設孔と心抜部との間の被破砕面に穿設されている複数個
の装薬孔又は空孔と装薬孔とからなる並設孔を、被破砕
面の左右上下部に複数個を一群として複数群設けてお
き、これらの孔群を心抜部に近接する内側の孔群から外
側の孔群に向かって順次爆破させれば、心抜部から計画
掘削線に向かって左右上下方向に拡大させた自由空間部
を円滑に掘削することができる。
【0016】なお、上記空孔と装薬孔との孔の形状を同
大、同形にしておくことによってこれらの空孔と装薬孔
とからなる並設孔の掘削が一種類の穿孔機を用いて容易
に且つ能率よく行うことができる。また、計画掘削線で
囲まれた被破砕面は、上記心抜部側に装薬孔又は空孔と
装薬孔とからなる並設孔から計画掘削線に沿って穿設し
ている並設孔に向かって一定の時間差毎に順次、全ての
装薬孔に装填している爆薬を爆破させることにより、自
由空間部の形成後、直ちに計画掘削線に沿った並設孔群
の装薬孔の爆破による破砕面を連続的に形成することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面につ
いて説明する。図1は被破砕物としての岩盤1に断面馬
蹄形のトンネルを本発明発破工法によって掘削する方法
を示すもので、計画トンネル掘削面の外周縁、即ち、被
破砕面2の計画掘削線3に沿って所定間隔毎に、被破砕
面2の中央部に向かう方向を内側として内外一対の円形
孔からなる並設孔4を全周に亘って穿設する。これらの
並設孔4において、計画掘削線3に接するように穿設し
た外側の円形孔を装薬孔4Aとし、内側に穿設した円形孔
を空孔4Bとして用いられ、空孔4Bは装薬孔4Aに対して計
画掘削線3から離間する方向に小間隔を存して設けられ
ている。装薬孔4Aと空孔4Bとは同大、同形の円形孔であ
ってその中心間の距離はこれらの装薬孔4A又は空孔4Bの
径の略2倍程度であり、従って、装薬孔4Aと空孔4Bとの
対向孔壁間の間隔は装薬孔4A又は空孔4Bの径に略等しく
形成されている。
【0018】さらに、計画掘削線3で囲まれた被破砕面
2の中央下部に複数個の装薬孔4Aを上下左右に所定の間
隔を存して穿設し、これらの装薬孔4Aによって心抜部5
を形成するための第1装薬孔群aを形成している。ま
た、この第1装薬孔群aと上記並設孔4を設けている計
画掘削線3との間の被破砕面2に上下左右に所定間隔を
存して多数個の装薬孔4Aを穿設している。
【0019】これらの装薬孔4Aは第1装薬孔群aに装填
した爆薬6の爆破による心抜部5の形成時に、該第1装
薬孔群aの爆破から一定の時間差をおいて内側の装薬孔
4Aから外側の装薬孔4Aに向かって爆薬6を爆破させるこ
とにより該心抜部5から計画掘削線3に向かって自由空
間部7を拡大、形成していくものであって、心抜部5を
形成するための上記第1装薬孔群aを囲んで複数個の装
薬孔4Aからなる第2装薬孔群bと、この第2装薬孔群b
の左右両側に該第2装薬孔群bを挟むようにして設けら
れた第3装薬孔群cと、この第3装薬孔群c、cの左右
外側に所定間隔を存して上下方向に列状に第4装薬孔群
d、dが設けられてあり、さらに、これらの第1〜第4
装薬孔群a〜dと上記計画掘削線3の上下縁部に沿って
設けられている並設孔4との間の被破砕面2に設けられ
た装薬孔4Aにおいて、第1〜第4装薬孔群a〜dの上下
に沿って横方向に直列状に設けられている孔群をそれぞ
れ第5、第6装薬孔群e、fとし、第5装薬孔群eの上
方側に上下方向に所定間隔を存して横方向に直列状に設
けられた孔群からなる第7〜第9装薬孔群g、h、iを
形成している。
【0020】また、計画掘削線3に沿って設けられてい
る上記並設孔4においても、計画掘削線3の左右両側縁
に沿って設けられた直列状の並設孔群を第10並設孔群
j、jとし、上縁に沿って設けられた円弧状の並設孔群
と下縁に沿って設けられた横直列状の並設孔群とをそれ
ぞれ第11、第12並設孔群k、mとしている。
【0021】上記全ての装薬孔4Aと空孔4Bとは同一径で
あって、トンネル長さ方向に向かって所定深さまで穿設
されている。これらの装薬孔4A又は空孔4Bは、先端に切
削ビットを設けている長尺の穿孔ロッドを回転並びに長
さ方向に配設してなる穿孔機(図示せず)を使用するこ
とによって被破砕面2からトンネル長さ方向に所望深さ
まで穿孔することによって形成される。
【0022】このように、穿孔機によって上記した第1
〜第9装薬孔群a〜i及び第10〜第12並設孔群j〜mを
穿設したのち、第1孔群から第12孔群に向かって装薬孔
4Aに装填している爆薬6を順次一定の時間差毎に爆破さ
せることにより、岩盤1の被破砕面2に計画掘削線3に
沿った一定長さのトンネル部を掘削するものである。
【0023】即ち、まず、第1〜第9装薬孔群a〜iの
全ての装薬孔4Aと第10〜第12並設孔群j〜mにおける全
ての装薬孔4A内に爆薬6を装填する。この際、第1装薬
孔群aの装薬孔4Aに装填した爆薬6から第12並設孔群m
の装薬孔4Aに装填した爆薬6に向かって順次一定の時間
差、例えば、0.25秒の時間差をおいて順次、爆破させ
る。このような爆破手段としては、爆薬と共に延時装置
を内蔵してなる電気雷管(図示せず)を用い、第1装薬
孔群aの装薬孔4Aには延時装置を設けていない瞬発電気
雷管を挿入すると共に第2装薬孔群aの装薬孔4Aから第
12並設孔群の装薬孔4Aに対しては順次、一定の時間差を
おいて作動するように設定した延時装置を内蔵してなる
電気雷管を挿入する。
【0024】そして、図3、図4に示すように、既に掘
削したトンネル内の適所に発破器7を設置し、この発破
器7と全ての電気雷管とリード線8で接続したのち、リ
ード線8に通電することによって、第1装薬孔群aから
第12並設孔群mに向かって順次、所定の時間差をおいて
装薬孔4Aに装填した爆薬6を爆破させる。
【0025】この爆破作業は数秒程度で完了するもので
あるが、この間における岩盤の爆破状態は、最初に爆破
する第1装薬孔群aの全ての装薬孔4A内の爆薬6によ
り、この第1装薬孔群aで囲まれた岩盤が破裂して既に
掘削しているトンネル側に向かって破砕片(ずり)を爆
破力により吹き飛ばされ、一部の破砕片が残存した心抜
部5が形成される。一定の時間差をおいて第2装薬孔群
bの全ての装薬孔4A内の爆薬6が爆破し、該第2装薬孔
群bと心抜部5との間の岩盤部分を破砕する。
【0026】この際、第1装薬孔群aの爆破によってこ
の第1装薬孔群aの各装薬孔4Aから第2装薬孔群bの装
薬孔4A側に向かって多数の亀裂が発生しており、この亀
裂が岩盤の弱体部となって上記第2装薬孔群bに装填し
た爆薬6の爆破による破砕エネルギーにより心抜部5と
第2装薬孔群bとの間の岩盤部分を確実に破砕して心抜
部5側及びトンネル内に飛散させ、心抜部5が拡大した
自由空間部7が形成される。
【0027】以下、同様にして第3装薬孔群cから第9
装薬群iが順次、一定の時間差をおいて爆破されて自由
空間部7をさらに拡大させる。この場合においても、先
に爆破させた内側の装薬孔4Aから外側の装薬孔4Aに向か
って亀裂が生じており、外側の装薬孔4Aの爆破によって
該亀裂に連続する亀裂が生じて上述したようにこれらの
内外装薬孔間の岩盤部分の爆破による破砕が円滑且つ確
実に行われる。
【0028】こうして、第9装薬群iまでの爆破が行わ
れた状態においては、一瞬の間ではあるが、図2に示す
ように、計画掘削線3の近傍部に達する大径の自由空間
部7が形成された状態となり、この状態から引き続いて
計画掘削線3に沿って設けている第10〜第12並設孔群j
〜mにおける装薬孔4A内の爆薬6が爆破し、計画掘削線
3に沿った外周面を有するトンネルが形成されるもので
ある。
【0029】即ち、まず、第10並設孔群jの全ての装薬
孔4A内の爆薬6の爆破により計画掘削線3で囲まれた両
側部の岩盤が破砕される。この時、爆薬6が爆破する
と、装薬孔4Aの内側に空孔4Bを設けているので、この空
孔4Bが岩盤の弱体部となって爆破により亀裂が該空孔4B
に向かって集中的に発生して破砕エネルギーは空孔4B側
に集中的に開放され、破砕方向を空孔4B側に誘導するこ
とになる。さらに、上記自由空間部7から各空孔4Bに向
かって自由空間部形成時における爆破による多数の亀裂
が発生しており、従って、これらの亀裂に上記並設孔4
の装薬孔4A内の爆薬6の爆薬6による装薬孔4Aから空孔
4Bに向かっての亀裂が連続して爆薬6の破砕エネルギー
により装薬孔4Aと自由空間部7との間の岩盤部部が亀裂
を介して破砕されて自由空間部7側に飛散する一方、計
画掘削線3から外側の岩盤部分には破砕エネルギーの影
響力が少なくてこの計画掘削線3の外周地山が殆ど損傷
することがない。
【0030】同様にして第11並設孔群kと第12並設孔群
mにおける装薬孔4A内の爆薬6が順次一定の時間差をお
いて爆破し、計画掘削線3で囲まれた上下部の岩盤が破
砕されてして自由空間部7にそのずりを堆積させる。こ
のずりを排除することによって計画掘削線3で囲まれた
被破砕面2に一定長さのトンネル部が形成されるもので
ある。そして、再び、計画掘削線3で囲まれた被破砕面
2に上記同様にして複数群の装薬孔群a〜iと並設孔群
j〜mを穿設して装薬孔4Aに装填した爆薬6を順次時間
差をおいて爆破させることにより、トンネルを掘進して
いく。なお、内外装薬孔間の距離を長く設定しておいて
爆破力により内外装薬孔群間の岩盤を破砕することなく
内外装薬孔群間に連続させた亀裂のみを発生させ、この
亀裂と内外装薬孔群間で囲まれた岩盤部分を掘削によっ
て除去してもよい。
【0031】図5は岩盤の爆破方法の別な実施形態を示
すもので、計画掘削線3で囲まれた被破砕面2の中央下
部に予め適宜な掘削具によって或いは上記実施例と同様
に発破によって心抜部5を形成しておき、この心抜部5
と計画掘削線3との間の被破砕面2に上記実施例におけ
る第2〜第9装薬孔群b〜iに替えて第1〜第8並設孔
群a'〜h'を設けてなるものである。
【0032】即ち、計画トンネル掘削面の外周縁、即
ち、被破砕面2の計画掘削線3に沿って所定間隔毎に、
上記実施例と同一穿孔形態でもって同形、同大の装薬孔
4Aと空孔4Bとからなる並設孔4を穿設すると共に心抜部
5とこれらの並設孔4とで囲まれた被破砕面2に上記実
施例における多数の装薬孔4Aの穿設位置と同一部分に装
薬孔4Aと空孔4Bとからなる並設孔4を穿設する。装薬孔
4Aと空孔4Bとの対向孔壁間の間隔は装薬孔4A又は空孔4B
の径に略等しく形成され、且つ全ての並設孔4はその空
孔4Bを心抜部5側、即ち、内側に向けて配設している。
【0033】そして、心抜部5を囲んだ複数個の装薬孔
によって第1並設孔群a'を形成し、この第1並設孔群a'
の左右両側に該第1並設孔群a'を挟むようにして設けら
れた第2並設孔群b'と、この第2並設孔群b'、b'の左右
外側に所定間隔を存して上下方向に列状に第3並設孔群
c'、c'が設けられてあり、さらに、これらの第1〜第3
並設孔群a'〜c'と上記計画掘削線3の上下縁部に沿って
設けられている並設孔4との間の被破砕面2に設けられ
た並設孔4Aにおいて、第1〜第3並設孔群a'〜c'の上下
に沿って横方向に直列状に設けられている孔群をそれぞ
れ第4、第5並設孔群d'、e'とし、第4並設孔群d'の上
方側に上下方向に所定間隔を存して横方向に直列状に設
けられた孔群からなる第6〜第8並設孔群f'、g'、h'を
形成している。
【0034】また、計画掘削線3に沿って設けられてい
る上記並設孔4においては、上述した実施例と同じく、
計画掘削線3の左右両側縁に沿って設けられた直列状の
並設孔群を第9並設孔群i'、i'とし、上縁に沿って設け
られた円弧状の並設孔群と下縁に沿って設けられた横直
列状の並設孔群とをそれぞれ第10、第11並設孔群j'、k'
としている。
【0035】上記全ての装薬孔4Aと空孔4Bとは上記実施
例で述べたように、全て同一径であって、先端に切削ビ
ットを設けている長尺の穿孔ロッドを回転並びに長さ方
向に配設してなる穿孔機(図示せず)を使用することに
よって被破砕面2からトンネル長さ方向に所望深さまで
穿孔することによって形成される。
【0036】このように、穿孔機によって上記した第1
〜第8並設孔群a'〜h'及び第9〜第11並設孔群i'〜k'を
穿設したのち、第1孔群の装薬孔4Aから第12孔群の装薬
孔4Aに対して上記実施例と同様に、順次一定の遅延時間
を存して爆破させるようにした爆薬6を内蔵した電気雷
管を装填して爆薬6を爆破させることにより、岩盤1の
被破砕面2に一定長さのトンネル部を掘削するものであ
る。
【0037】この際、この実施例においては、第1〜第
8並設孔a'〜h'の装薬孔4Aに装填した爆薬6を順次爆破
させることにより心抜部5を拡大した自由空間部7を形
成する時に、装薬孔4A内に装填した爆薬が爆破すると、
心抜部5側に向かって該装薬孔4Aに近接して設けている
空孔4Bが岩盤の弱体部となって爆破により亀裂が該空孔
4Bに向かって集中的に発生して破砕エネルギーは空孔4B
側に集中的に開放され、破砕方向を空孔4B側に誘導する
と共に自由空間部7側に亀裂が連続して爆薬6の破砕エ
ネルギーにより装薬孔4Aと自由空間部7との間の岩盤部
を亀裂を介して破砕し、自由空間部7側に飛散させて自
由空間部を確実に拡大、形成することができる。
【0038】そして、第8並設孔群h'までの爆破が行わ
れると図6に示すように、瞬間的ではあるが拡大した自
由空間部7が掘削形成され、この状態から引き続いて計
画掘削線3に沿って設けている第9〜第11並設孔群i'〜
k'における装薬孔4A内の爆薬6が順次一定の時間差でも
って爆破し、空孔4B側に破砕エネルギーにより亀裂の発
生を大きく生じさせて自由空間部7間の岩盤を破砕する
一方、計画掘削線3の外側の岩盤部分に破砕エネルギー
の影響力を少なくして外周地山を殆ど損傷させることな
く計画掘削線3に沿って平滑なトンネル周壁面を形成す
るものである。
【0039】装薬孔4Aに装填した爆薬6の爆破は、図
7、図8に示すように、既に掘削したトンネル内の適所
に発破器7を設置し、この発破器7と爆薬6を内蔵して
いる電気雷管とをリード線8で接続してリード線8に通
電することにより行われる。なお、以上のいずれの実施
例においても、トンネルを掘削するための岩盤の爆破方
法について説明したが、本発明の爆破方法を溶鉱炉の残
銑やコンクリートなどの被破砕物の爆破にも採用しても
よい。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明の岩盤等の爆破方法
によれば、岩盤等の被破砕面に計画掘削線に沿って該計
画掘削線により囲まれた被破砕面の中央部に向かう方向
を内側として内外一対の並設孔を所定間隔毎に穿設して
各並設孔の内側の孔を空孔に外側の孔を装薬孔とし、計
画掘削線で囲まれた被破砕面の中央部に自由空間を形成
したのち、各並設孔における上記装薬孔内に装填した爆
薬を爆破させて計画掘削線と自由空間との間の被破砕部
分を掘削するものであるから、爆破による破砕エネルギ
ーを空孔側に集中的に開放させて破砕方向を並設孔の一
方の孔である空孔側に誘導、制御することができ、しか
も、計画掘削線に沿って穿設している並設孔における全
ての空孔を装薬孔に対して内側、即ち、自由空間側に位
置させているので、爆破時の破砕エネルギーによる大き
な亀裂を空孔を介して自由空間側に集中的に発生させる
ことができると同時に、その亀裂によって生じた装薬孔
と自由空間との間の岩盤等の被破砕部分を自由空間部側
に破砕させることができると共に計画掘削線の外周地山
を殆ど損傷させることがなく地山の安定を図ることがで
きる。
【0041】さらに、上述したように、爆破による破砕
エネルギーを空孔側に開放させてその破砕エネルギーの
大半を空孔側に向かうように制御するので、装薬孔のみ
からなる場合に比して、同一爆薬量の場合には隣接する
装薬孔間の間隔を大きくすることができると共に装薬孔
間の間隔が同一の場合には爆薬量を低減でき、経済的で
効率の良い発破作業が可能となるものである。
【0042】また、請求項2に係る発明又は請求項4に
係る発明によれば、被破砕面に心抜部を設けると共にこ
の心抜部と計画掘削線に沿って穿設している並設孔との
間の被破砕面に複数個の装薬孔又は空孔と装薬孔とから
なる並設孔を穿設し、心抜部側に近接する装薬孔から計
画掘削線側に近接する装薬孔に向かって順次爆破させる
ものであるから、心抜部を計画掘削線に向かって拡大さ
せた自由空間部を容易に掘削、形成することができ、こ
の際、請求項4に記載したように、空孔と装薬孔とから
なる並設孔において、空孔を心抜部側に向けた状態で穿
設しておくことにより、爆破による破砕エネルギーを常
に心抜部に向かって集中させて円滑な掘削が行えるもの
である。
【0043】さらに、請求項3に係る発明又は請求項5
に係る発明によれば、並設孔と心抜部との間の被破砕面
に穿設されている複数個の装薬孔又は空孔と装薬孔とか
らなる並設孔を、心抜部と上記計画掘削線に沿って設け
られて並設孔間の被破砕面の左右上下部に複数個を一群
として複数群設けておき、これらの孔群を心抜部に近接
する内側の孔群から計画掘削線に近接する外側の孔群に
向かって順次爆破させるものであるから、一群の孔に装
填した爆薬の爆破毎に自由空間側に掘削ずりを効率よく
破砕させながら計画掘削線に向かって左右上下方向に自
由空間部を順次拡大させていくことができる。
【0044】また、請求項6に係る発明によれば、並設
孔を形成している空孔と装薬孔とは同大、同形であるの
で、従来のように断面円形孔の発破孔にノッチを形成す
る穿孔作業に比べて空孔と装薬孔とからなる並設孔の掘
削が一種類の穿孔機を用いて容易に且つ能率よく行うこ
とができ、作業性の向上と共に工費の低減を図ることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の爆破方法の一実施例を示す被破砕面の
簡略正面図、
【図2】自由空間部を形成した状態の簡略正面図、
【図3】装薬孔内の爆薬にリード線を接続した状態の簡
略縦断側面図、
【図4】その簡略横断面図、
【図5】本発明の爆破方法の別な実施例を示す被破砕面
の簡略正面図、
【図6】自由空間部を形成した状態の簡略正面図、
【図7】装薬孔内の爆薬にリード線を接続した状態の簡
略縦断側面図、
【図8】その簡略横断面図。
【符号の説明】
1 岩盤 2 被破砕面 3 計画掘削線 4 並設孔 4A 装薬孔 4B 空孔 5 心抜部 6 爆薬 7 自由空間部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岩盤等の被破砕面に計画掘削線に沿って
    該計画掘削線により囲まれた被破砕面の中央部に向かう
    方向を内側として内外一対の並設孔を所定間隔毎に穿設
    して各並設孔の内側の孔を空孔に外側の孔を装薬孔と
    し、計画掘削線で囲まれた被破砕面の中央部に自由空間
    を形成したのち、各並設孔における上記装薬孔内に装填
    した爆薬を爆破させて計画掘削線と自由空間との間の被
    破砕部分を掘削することを特徴とする岩盤等の爆破方
    法。
  2. 【請求項2】 岩盤等の被破砕面に計画掘削線に沿って
    該計画掘削線により囲まれた被破砕面の中央部に向かう
    方向を内側として内外一対の並設孔を所定間隔毎に穿設
    して各並設孔の内側の孔を空孔に外側の孔を装薬孔とす
    ると共にこれらの並設孔で囲まれた被破砕面に心抜部を
    設け、さらに、並設孔と心抜部との間の被破砕面に複数
    個の装薬孔を穿設して心抜部に近接する内側の装薬孔か
    ら並設孔に近接する外側の装薬孔に向かってこれらの装
    薬孔に装填した爆薬を順次爆破させることにより自由空
    間を形成することを特徴とする請求項1に記載の岩盤等
    の爆破方法。
  3. 【請求項3】 並設孔と心抜部との間の被破砕面に穿設
    されている上記複数個の装薬孔は、被破砕面の左右上下
    部に複数個を一群として複数群設けられてあり、内側の
    群から外側の群に向かって順次爆破させて自由空間を形
    成することを特徴とする請求項2に記載の岩盤等の爆破
    方法。
  4. 【請求項4】 岩盤等の被破砕面に計画掘削線に沿って
    該計画掘削線により囲まれた被破砕面の中央部に向かう
    方向を内側として内外一対の並設孔を所定間隔毎に穿設
    して各並設孔の内側の孔を空孔に外側の孔を装薬孔とす
    ると共にこれらの並設孔で囲まれた被破砕面に心抜部を
    設け、さらに、並設孔と心抜部との間の被破砕面に空孔
    と装薬孔とからなる並設孔を空孔を心抜部側に向けて複
    数個、穿設し、内側の並設孔における装薬孔から上記計
    画掘削線に沿って穿設した並設孔に近接する外側の並設
    孔における装薬孔に向かってこれらの装薬孔に装填した
    爆薬を順次爆破させることにより自由空間を形成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の岩盤等の爆破方法。
  5. 【請求項5】 計画掘削線に沿って穿設した並設孔と心
    抜部との間の被破砕面に穿設されている複数個の並設孔
    は、被破砕面の左右上下部に複数個を一群として複数群
    設けられてあり、内側の群から外側の群に向かって順次
    爆破させて自由空間を形成することを特徴とする請求項
    に記載の岩盤等の爆破方法。
  6. 【請求項6】 全ての並設孔を形成している空孔と装薬
    孔とは同大、同形であることを特徴とする請求項1ない
    し請求項5のうち、いずれか1項に記載の岩盤等の爆破
    方法。
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