JP3485537B2 - 製塩工程における微結晶の除去方法及び装置 - Google Patents
製塩工程における微結晶の除去方法及び装置Info
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Description
苦汁中に含まれる塩化ナトリウム以外の結晶、特に塩化
カリウム、セッコウなどの微結晶を効率的に除去して、
清澄な母液あるいは苦汁を得、製品結晶へのこれら微結
晶混入を防止するための方法および装置に関する。
イオン交換膜電気透析装置で濃縮し、得られたかん水を
工業晶析装置でさらに濃縮することによって塩が得られ
る。このとき、晶析工程に供給するかん水中には、主要
成分であるナトリウム、塩化物イオンの他、マグネシウ
ム、カルシウム、カリウムおよび硫酸イオンが不純物と
して比較的多量に含まれる。これらのイオンは晶析装置
内で濃縮されると、まず水溶性以外の結晶であるセッコ
ウが析出し、その後、塩化ナトリウムが析出する。さら
に濃縮を進めると塩化カリウムの析出が起こるため、塩
化カリウムが析出しない段階で濃縮を止め、濃縮液(母
液)は苦汁として排出される。このような濃縮操作は2
〜3つの晶析装置において連続的に行われ、それぞれの
晶析装置における濃縮度合いが異なっている。
して抜き出された塩化ナトリウム結晶スラリーに混入
し、製品塩化ナトリウム結晶の純度低下や不溶解成分と
して品質の低下を招くに至る。このため製塩工場では一
般にスラリーは洗塩槽と呼ばれるタンクに送られ、そこ
でかん水による母液の置換操作によりセッコウが除去さ
れるが、セッコウを除去した後の母液、かん水の混合液
は再び晶析装置に循環するため、母液中のセッコウは晶
析装置内においてさらに濃縮され、結果として洗塩操作
が不十分となって製品塩化ナトリウム中へのセッコウの
混入が増大する。
旦苦汁槽と呼ばれるタンクに貯蔵して冷却し、塩化カリ
ウムを析出させる。塩化カリウムを析出させた後の苦汁
は、結晶の固結緩和対策として遠心分離機において製品
塩化ナトリウム結晶に添加する。しかし、苦汁槽ではセ
ッコウや冷却操作によって生成した塩化カリウム微結晶
はほとんど除去されず、製品塩化ナトリウム結晶へのこ
れら微結晶の混入が生じる。
遊するような塩化カリウム、セッコウなどの微結晶の分
離には重力沈降式などのシックナーが用いられてきた
が、これら微結晶の粒径が0.01mm以下であるた
め、シックナーでの分離効率は極めて低かった。
のろ過装置が使用されるようになったが、これら微結晶
がフィルターへ目詰まりすることによって長期の運転が
できないばかりか、目詰まりしたセッコウは通常の逆洗
操作では除去できないため、フィルターの寿命も短いも
のであった。
コウを容易に分離するためセッコウ結晶をカチオン性な
どの凝集剤を用いて凝集処理し粗大化する方法が多く用
いられているが、分離できなかった比較的粗大なセッコ
ウ粒子が製品結晶へ混入するため、新たな問題を生じて
いる。
るいは苦汁中に懸濁浮遊する塩化カリウム、セッコウな
どの微結晶を効率的に分離除去すること、及び分離した
これら微結晶を容易に排出することを課題とする。
果、以下に説明する具体的手段により本課題を解決する
ことを見出した。
装置とは別の分離装置下部に層状に沈降させ、この塩化
ナトリウム層に製塩母液あるいは苦汁を通過させて、こ
の製塩母液あるいは苦汁中に含まれる塩化ナトリウム以
外の結晶を前記塩化ナトリウム層で分離除去するととも
に、分離装置下部の沈降結晶層厚が一定以上になった時
点で、分離装置下部の塩化ナトリウム層に製塩母液ある
いは苦汁の流通と反対方向に水あるいはかん水を供給し
て塩化ナトリウム層を流動させ、この水あるいはかん水
により、前記塩化ナトリウム層内に捕捉した水溶性の結
晶を溶解するとともにこの塩化ナトリウム層内に捕捉し
た水溶性以外の結晶を系外に排出する、ことを特徴とす
る製塩工程における微結晶の除去方法である。
とともに装置下部に塩化ナトリム結晶が層状に沈降され
る分離装置と、この分離装置の前記塩化ナトリウム層に
製塩母液あるいは苦汁を通過させる給液手段と、前記分
離装置下部の塩化ナトリウム層に製塩母液あるいは苦汁
の流通と反対方向に水あるいはかん水を供給する逆洗水
供給手段と、この逆洗水供給手段で供給され前記塩化ナ
トリウム層を流通した水あるいはかん水を排出する排出
手段と、を備え、前記給液手段で供給された製塩母液あ
るいは苦汁中に含まれる塩化ナトリウム以外の結晶を前
記塩化ナトリウム層で分離除去し、前記分離装置下部の
沈降結晶層厚が一定以上になった時点で、前記逆洗水供
給手段で、前記塩化ナトリウム層に水あるいはかん水を
流通させて、この水あるいはかん水により、前記塩化ナ
トリウム層内に捕捉した水溶性の結晶を溶解するととも
にこの塩化ナトリウム層内に捕捉した水溶性以外の結晶
を系外に排出するようにしたことを特徴とする、製塩工
程における微結晶の除去装置である。
て、前記分離除去する結晶のうち、水溶性以外の結晶が
セッコウであることを特徴とする製塩工程における微結
晶の除去方法である。
て、前記分離除去する結晶のうち、水溶性以外の結晶が
セッコウであることを特徴とする製塩工程における微結
晶の除去装置である。
及び第四の装置において、蒸発晶析装置とは別の分離装
置下部に層状に沈降させる塩化ナトリウム結晶は、予め
分離装置下部に外部から供給して沈降させておく方法、
または製塩母液あるいは苦汁中に含まれる結晶を沈降さ
せる方法のいずれでも可能である。
する。図1は本発明を適用したろ過装置の一例を示して
いる。内容量50l(リットル)の円筒型のろ過装置1
(分離装置)にはステンレスあるいはポリエチレン製の
多孔板7を装着して母液層3とろ液層5を分割し、予め
平均粒径0.4〜0.6mm程度の塩結晶を約4kg供
給して約30cmのろ過層4を形成させた。
2(給液手段)を経て母液が供給され、母液中に懸濁し
た塩結晶は沈降してろ過層4の上に堆積し、予め供給し
た塩結晶と共にろ過層を形成し、母液中に懸濁浮遊する
塩、塩化カリウム及びセッコウなどの微結晶をろ過す
る。ろ過された母液はろ液層5を経てろ液排出配管6を
経て工程に戻される。
レベルに達したことをろ過装置の側面に設置した超音波
検出式あるいは光電検出式のレベル検出器8で検出する
と、母液供給配管2からの母液供給及びろ液排出配管6
からのろ液排出を停止する。次いで、逆洗水供給配管1
0(逆洗水供給手段)からろ液層5を経て水あるいはか
ん水をろ過層4に供給し、塩、塩化カリウムなどの微結
晶を溶解すると共に、ろ過層4中のセッコウ粒子を上昇
流で浮遊させ、逆洗水排出配管9(排出手段)から排出
させる。このときろ過層4の塩結晶も流動化させ、その
一部を溶解させるとともにに、逆洗終了時に塩結晶が均
一に堆積したろ過層4を形成させる。以降、上記の操作
を繰り返すことでほぼ連続に近い運転を可能にした。
見について詳細に述べる。
微結晶の懸濁密度(懸濁結晶体積/懸濁溶液体積)が1
〜2%の母液を本実施例では使用した。この母液中に含
まれる塩化カリウム、セッコウなどの微結晶の懸濁密度
はこの事例では0.1〜0.2%程度であり、残りは
0.3〜0.5mm程度の塩結晶であった。これらを連
続的にろ過した場合のろ液排出管6の流出液の吸光度計
出力変化を図2に示す。ただし、吸光度計での測定はφ
50mmの流動セルにろ液排出管6の流出液を連続的に
通して行った。このとき、清澄な塩化ナトリウム飽和溶
液での出力は0.05V程度であった。
充填しただけの状態でろ過操作を開始した当初、吸光度
計出力はろ過する前の母液とほぼ同様な値、1.8V程
度を示したが、ろ過操作を継続後10分経過した頃から
急激に減少し、20分以降では0.1V以下となってこ
れら微結晶を良好にろ別できていることがわかる。これ
は塩化カリウム、セッコウなどの微結晶がろ過層4中の
塩結晶群の間隙に入り、比較的緻密なろ過層を形成した
ためと考えられる。なおこのような良好なろ過性能は連
続12時間維持でき、ろ過層4の目詰まりによるろ液流
量の減少はみられなかった。これは母液中に懸濁した塩
結晶が新たなろ過層を形成し、そのろ過層中の間隙に微
結晶が入り込むといったことが起こり、塩化カリウム、
セッコウなどの微結晶によるろ過層の目詰まりが軽減さ
れていたためと考えられる。
給及びろ液の排出を停止し、ろ過装置1の逆洗水供給配
管10からろ液層5に約30秒間水道水を供給した。ろ
過層4には母液中の懸濁塩結晶が堆積し、中央に凸の形
状であったが、水の供給により全体が流動化し、逆洗操
作を終了してろ過装置1内を静置すると、ろ過層4はほ
ぼ均一な堆積状態となった。また、逆洗操作によって懸
濁浮遊したセッコウは逆洗水排出配管9から排出した。
逆洗水は白濁していたが、母液の供給を開始して再びろ
過操作を開始するとろ過操作初期にはろ液中への白濁液
の漏洩が見られたが、吸光度計出力はほぼ図2と同様の
傾向を示し、10分のろ過操作時間以降にはろ液の白濁
は見られず、良好なろ過性能が得られた。
中に懸濁する塩化カリウム、セッコウなどの塩化ナトリ
ウム以外の微結晶を効率的に除去して、清澄な母液ある
いは苦汁を得ることを可能とし、製品結晶へのこれら微
結晶混入を防止できる。
結晶除去装置の基本構成を説明する図である。
に、ろ液の吸光度計出力の経時変化を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 塩化ナトリム結晶を蒸発晶析装置とは別
の分離装置下部に層状に沈降させ、この塩化ナトリウム
層に製塩母液あるいは苦汁を通過させて、この製塩母液
あるいは苦汁中に含まれる塩化ナトリウム以外の結晶を
前記塩化ナトリウム層で分離除去するとともに、分離装
置下部の沈降結晶層厚が一定以上になった時点で、分離
装置下部の塩化ナトリウム層に製塩母液あるいは苦汁の
流通と反対方向に水あるいはかん水を供給して塩化ナト
リウム層を流動させ、この水あるいはかん水により、前
記塩化ナトリウム層内に捕捉した水溶性の結晶を溶解す
るとともにこの塩化ナトリウム層内に捕捉した水溶性以
外の結晶を系外に排出する、ことを特徴とする製塩工程
における微結晶の除去方法。 - 【請求項2】 蒸発晶析装置とは別に設けられるととも
に装置下部に塩化ナトリム結晶が層状に沈降される分離
装置と、 この分離装置の前記塩化ナトリウム層に製塩母液あるい
は苦汁を通過させる給液手段と、 前記分離装置下部の塩化ナトリウム層に製塩母液あるい
は苦汁の流通と反対方向に水あるいはかん水を供給する
逆洗水供給手段と、 この逆洗水供給手段で供給され前記塩化ナトリウム層を
流通した水あるいはかん水を排出する排出手段と、を備
え、 前記給液手段で供給された製塩母液あるいは苦汁中に含
まれる塩化ナトリウム以外の結晶を前記塩化ナトリウム
層で分離除去し、前記分離装置下部の沈降結晶層厚が一
定以上になった時点で、前記逆洗水供給手段で、前記塩
化ナトリウム層に水あるいはかん水を流通させて、この
水あるいはかん水により、前記塩化ナトリウム層内に捕
捉した水溶性の結晶を溶解するとともにこの塩化ナトリ
ウム層内に捕捉した水溶性以外の結晶を系外に排出する
ようにしたことを特徴とする、製塩工程における微結晶
の除去装置。 - 【請求項3】 請求項1において、分離除去する結晶の
うち、水溶性以外の結晶がセッコウであることを特徴と
する製塩工程における微結晶の除去方法。 - 【請求項4】 請求項2において、分離除去する結晶の
うち、水溶性以外の結晶がセッコウであることを特徴と
する製塩工程における微結晶の除去装置。
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