JP3484557B2 - 位相シフトフォトマスクの製造方法 - Google Patents

位相シフトフォトマスクの製造方法

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JP3484557B2 JP13747795A JP13747795A JP3484557B2 JP 3484557 B2 JP3484557 B2 JP 3484557B2 JP 13747795 A JP13747795 A JP 13747795A JP 13747795 A JP13747795 A JP 13747795A JP 3484557 B2 JP3484557 B2 JP 3484557B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,超LSI、超々LSI
等の高密度集積回路の製造に用いられる、微細なパター
ンを高密度に形成するための位相シフトフォトマスクの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高集積化にとも
なって、この回路作製に用いられるレチクルにも、一層
の微細化が求められるようになってきた。現在では、1
6MのDRAM用の5倍レチクルから転写されるデバイ
スパターンの線幅は、0.6μmと微細なものである。
64MのDRAMのデバイスパターンの場合には、0.
35μm線幅の解像が必要となってきており、従来のス
テッパーを用いた光露光方式ではもはや限界にきてい
る。これに対応し、これらの微小パターンを形成する方
法として、露光光源の短波長化、転写レンズの高NA
化、輪帯照明等によるパターン形成方法や、フォトマス
クを使用しない電子線直接描画によるパターン形成方法
等が検討されているが、これらのパターン形成方法の場
合、露光装置の改造や新規装置の導入を伴うためコスト
的な問題が大きい。この為、現状のステッパーを使用し
て微小パターン形成ができる、位相シフトフォトマスク
を用いたパターン転写方法が注目されるようになってき
た。位相シフトフォトマスクについては、特開昭58−
17344号、特公昭62−59296号に、すでに、
基本的な考え、原理は開示されているが、現状の光露光
のシステムをそのまま継続できるメリットが見直され、
各種タイプの位相シフトフォトマスクの開発が盛んに検
討されるようになってきた。
【0003】以下、位相シフトフォトマスクを用いた転
写の原理を第2図を用いて簡単に説明しておく。比較の
ため、従来のフォトマスクの転写方法も第3図を挙げ、
両方法の解像性の相違を説明する。図4(a)は位相シ
フトフォトマスク40を用い露光光45により投影露光
する場合の図で、この場合のウエハ上レジストでの光の
振幅分布を図4(b)に、光の強度分布を図4(c)に
示している。また、図5(a)は従来のフォトマスク5
0を用い露光光55により投影露光する場合の図で、こ
の場合のウエハ上レジストでの光の振幅分布を図5
(b)に、光の強度分布を図5(c)に示している。図
4(a)、図5(a)中、41、51は透明基板、42
はエッチングストッパー層、43、53は遮光膜(クロ
ム)、44はシフター、45、55は露光光(電離放射
線)であり、40は位相シフトフォトマスク、50は従
来のフォトマスクを示している。図4(a)の位相シフ
トフォトマスク40は、透明基板41上に遮光膜43か
らなる所定幅、ピッチのラインアンドスペースパターン
と、該ラインアンドスペースパターンの一つおきの開口
部とこの開口部に隣接する遮光層43上にかかるように
シフター層44を配設しており、図5(a)の従来のフ
ォトマスク50は、透明基板51上に、遮光膜53から
なる所定幅、ピッチのラインアンドスペースパターンを
配設している。尚、エッチングストッパー層42は遮光
層43と透明基板間に全面に設けられている。位相シフ
トフォトマスク40に、露光光45が入射された場合、
マスク出光側では、シフター部44を透過した光の振幅
は、シフターのない遮光膜43間を透過した光の振幅と
位相がnπ(nは奇数)ずれ、反転するように設定して
ある。このため、ウエーハ上レジストではこれらの光が
互いに干渉しあい、図4(b)のような振幅分布とな
り、結果としてウエーハ上レジストでの光強度は図4
(c)のようになる。これに対し、従来のフォトマスク
50を用いた場合には、フォトマスク出光側での振幅
は、各開口部の光は互いに位相にずれがなく互いに干渉
しあうため、ウエーハ上レジストでは図5(b)のよう
な振幅分布となり、結果としてウエーハ上レジストでの
光強度は図5(c)のようになる。図4(c)の場合
は、光強度分布の山間に光強度が零となる箇所があるの
に対し、図5(c)の場合は、光強度分布の山が裾拡が
りの状態となっていることが分かる。即ち、ウエーハ上
レジストでの解像性に関しては、図4(c)の光強度分
布の方が、図5(c)の強度分布より優れていることが
分かる。このように、位相シフトフォトマスク40を用
いた転写方法の場合、従来のフォトマスク50を用いた
転写方法に比べ、解像性が良くなり、より微細なパター
ンを転写できることが分かる。
【0004】図4に示す位相シフトフォトマスクの場合
は、遮光層の上にシフター層を設けたもので、図6
(a)に示す上シフター型のレベンソン型位相シフトフ
ォトマスクと言われるものであり、同じレベンソン型位
相シフトフォトマスクとしては、他に、図6(b)に示
す遮光層64Bの下にシフター層63Bを設ける下シフ
ター型のものや、図6(c)に示す、下シフター型の変
形で、透明基板61Cの一部をシフター層として用いる
基板彫り込み型のもの(通称Qzエッチ型と言う)があ
る。上シフター型のシフター層63A、下シフター型の
シフター層63Bの厚さおよび基板彫り込み型の彫り込
み量に相当する透明基板の厚さ(シフター層に相当する
厚さ)は、転写時に用いる露光光の波長で、この部分を
透過する際に位相がnπ(nは奇数)ずれ、反転するよ
うに調整されており、いずれのレベンソン型の位相シフ
トフォトマスクも、転写に際してはほぼ同様の効果を得
ることができる。位相シフトフォトマスクとしては、上
記レベンソン型の他にも、ハーフトーン型、補助パター
ン型等の大きく異なる構造のものがあるが、基本的な考
え方、原理は同じである。これらの位相シフトフォトマ
スクは、それぞれ、その目的、用途に対応して使用され
ているが、特にレベンソン型はライン&スペース等の解
像力の向上に効果的とされている。
【0005】レベンソン型の位相シフトフォトマスクの
中でも、図6(b)に示す、遮光層の下にシフタ層を設
けた下シフター型は、図6(a)に示す、遮光層の上に
シフタを設けた上シフター型に比べ、遮光パターンの形
成をシフター層成膜後に行うためシフター成膜時のミス
がなく、またシフターの遮光パターンによるステップカ
バレッジ等の問題がない、という利点があり、使用され
るようになってきた。ここで、従来の下シフター型の位
相シフトフォトマスクの製造方法を図7〜図8に基づき
簡単に説明しておく。先ず、透明基板71上に順次、エ
ッチングストッパー層72、シフター層73、遮光層7
4を配設したブランクス70上にレジスト層75Aを配
設する。(図7(a)) ブランクス70の作製は、先ず、透明基板71上に、エ
ッチングストッパー層72をスパッタ法もしくはCVD
法で成膜する。尚、エッチングストッパー層72は、後
工程で位相シフター層をエッチングする際に透明基板7
1がエッチングされないようにするためのものである。
この後、シフター層73を、エッチングストッパー層7
2上にスパッタ法、CVD法、回転塗布法等により成膜
する。尚、シフター層73の厚さは、転写のときにシフ
ター層を透過する露光光(電離放射線)が位相180°
反転するように調整する。更に、シフター層73上に遮
光層74をスパッタ法もしくはCVD法により成膜す
る。レジスト層75Aは、電離放射線レジストで、回転
塗布方法により均一に塗布した後、加熱乾燥処理を施
し、厚さ0.1〜1.0μm程度とする。加熱処理はレ
ジストの種類や使用する装置によって異なるが温度80
〜200°Cで、時間は、装置で異なるがオープンの場
合20〜60分、ホットプレートの場合で1〜30分程
度である。次に、レジスト層75Aに対し、所定の領域
のみを選択的に露光する。(図7(b)) 露光光(電離放射線)76Aとしては電子線ないしレー
ザ光を用い、それぞれ、一般的に使用されている所定の
露光装置により露光する。この後、レジスト層75Aに
対し、現像、リンス等の処理を行い、所望のレジストパ
ターン75aを形成する。(図7(c)) 現像、リンス等の処理は、使用するレジスト層75Aの
種類に応じて行い、この後、必要に応じて加熱処理、デ
ィスカム処理を行う。次いで、ドライエッチングもしく
はウエットエッチングにより、レジストパターン75a
の開口部より露出した遮光層64をエッチング除去し、
遮光層からなるパターン74aを形成する。(図7
(d)) この後、レジストパターン75aを酸素を主成分とする
プラズマで灰化除去もしくは溶剤にて剥離除去する。
(図7(e)) 尚、必要な場合は、ここで、基板70Aの洗浄および遮
光層からなるパターン74aの検査、修正を行う。この
洗浄、検査、修正は通常のフォトマスクの処理に用いら
れる装置でもできる。続いて、遮光層からなるパターン
74a上に、レジスト層75Bを塗布する。(図7
(f)) 次いで、露光光(電離放射線)76Bにより、レジスト
層75Bの所定の領域のみを選択露光する。(図7
(g)) この後、現像、リンス処理を経て所望のレジストパター
ン75bを形成し、必要に応じ、加熱処理、ディスカム
処理を行う。(図8(h)) 次いで、遮光層からなるパターン74aの開口部から露
出したシフター73をエッチングし(図8(i))、エ
ッチングストッパー層72でエッチングを止める。(図
8(j)) この際、エッチングを必要とするシフター73部のみを
エッチングするため、レジストパターン75bと遮光層
からなるパターン74aとの位置精度が保たれるように
注意する。尚、シフター73は所望の領域のみエッチン
グガスプラズマ78によりエッチングされるが、エッチ
ングストッパー層72に阻まれ、透明基板71をエッチ
ングすることはない。また、エッチングはウエットエッ
チングにて行っても良い。この後、レジストパターン7
5bを酸素を主成分とするプラズマで灰化除去もしくは
溶剤で剥離除去し、位相シフトフォトマスク70Bをえ
る。(図8(k))
【0006】上記のように、従来のレベンソン型の下シ
フター型の位相シフトフォトマスクの製造方法において
は、位相シフトフォトマスクの周囲の遮光層を含むよう
にレジスト層を形成するため、つまりエッチングするシ
フター層のみを露出するように電子線露光装置もしくは
レーザ露光装置によりアライメントしながら露光描画し
てパターニングを行って、シフター層をエッチングして
いる。この為、シフター層をエッチングする際、遮光層
の一部が露出していると、その表面が損傷を受け、遮光
膜の反射率もしくは透過率に影響を与たり、遮光層が損
傷したときに発生した異物がエッチングされるシフター
層上に影響を与えることがあり、品質的に問題となって
いた。更に、上記遮光層の損傷は、遮光層の表層を低反
射化するために酸化、窒化、ないし炭化したクロム層に
おいて著しく、対応が求められていた。尚、図4(c)
に示す下シフター型の変形である基板彫り込み型(Qz
エッチ型)についても、遮光層の一部を露出した状態で
シフターである透明基板部をエッチングする際には同じ
で、問題となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、レベンソ
ン型の下シフター型位相シフトフォトマスクやQzエッ
チ型位相シフトフォトマスク等の作製工程における、シ
フター層をエッチングしてパターンニングする際におけ
る、露出した遮光部の損傷の問題に対する対応が求めら
れていた。本発明は、このような状況のもと、レベンソ
ン型の下シフター型位相シフトフォトマスクや基板彫り
込み型(Qzエッチ型)位相シフトフォトマスク等の作
製工程において、シフター層をエッチングしてパターニ
ングする際に、遮光部の損傷が起こらない製造方法を供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の位相シフトフォ
トマスクの製造方法は、透明基板上に透明基板側から順
次位相シフター層、遮光層を有する基板(ブランクス)
を用い、透明基板上に透明基板側から順次、位相シフタ
ーパターン、遮光層パターンを形成した下シフター型の
位相シフトフォトマスクの製造方法であって、順に、遮
光層上に第一のレジストを塗布し、該第一のレジストを
パターニングして第一のレジストパターンを形成した後
に、露出した遮光層をエッチングすることにより、遮光
層パターンを形成する工程、該第一のレジストパターン
を除去した後に、遮光層上基板の全面に第二のレジスト
を塗布し、該第二のレジストをパターニングして第二の
レジストパターンを形成する工程、第二のレジストパタ
ーン上基板全面に第一の保護膜を成膜した後、遮光層パ
ターンと第二のレジストパターンを耐エッチング性のマ
スクとし、遮光層パターンおよび第二のレジストパター
ンに覆われない位相シフター層をエッチングガスにより
ドライエッチングして位相シフターパターンを形成する
工程とを含むことを特徴とするものである。また、本発
明の位相シフトフォトマスクの製造方法は、透明基板上
に透明基板側から順次位相シフター層、遮光層を有する
基板(ブランクス)を用い、透明基板上に透明基板側か
ら順次、位相シフターパターン、遮光層パターンを形成
した下シフター型の位相シフトフォトマスクの製造方法
であって、順に、遮光層上に第一のレジストを塗布し、
該第一のレジストをパターニングして第一のレジストパ
ターンを形成した後に、露出した遮光層をエッチングす
ることにより、遮光層パターンを形成する工程、該第一
のレジストパターンを除去した後に、遮光層上基板の全
面に第一の保護膜を成膜し、該第一の保護膜上基板の全
面に第二のレジストを塗布し、該第二のレジストをパタ
ーニングして第二のレジストパターンを形成する工程、
遮光層パターンと第二のレジストパターンを耐エッチン
グ性のマスクとし、遮光層パターンおよび第二のレジス
トパターンに覆われない位相シフター層をエッチングガ
スによりドライエッチングして位相シフターパターンを
形成する工程とを含むことを特徴とするものである。そ
して、上記において、第一の保護膜は、炭素、フッ素を
主成分とし、水素、酸素、塩素、臭素、イオウ、ケイ素
を副主成分として含むことがあるポリマーで、位相シフ
ター層が、石英、合成石英、スパッタSiO2 、CVD
SiO2 、TEOS−SiO2 、SOG(スピンオング
ラス)等酸素を成分に持つものであり、且つ、位相シフ
ター層がエッチングされる際に位相シフター層から発生
した酸素により位相シフター層上へのエッチングガスに
よる第二の保護膜生成の再結合が解離され、位相シフタ
ー層がエッチングされることを特徴とするものである。
そしてまた、上記におけるエッチングガスが、CF4
CHF3 等のハロゲン化化合物、またはフッ素等ハロゲ
ンを主成分とし、酸素、水素、窒素、炭酸ガス等もしく
はヘリウム、アルゴン等を不活性ガスを副主成分とする
ことがあることを特徴とするものである。そして、上記
第一の保護膜が、位相シフター層をエッチングするエッ
チングガスの再結合で生成する第二の保護膜と同質のポ
リマーであることを特徴とするものである。尚、上記に
おいてドライエッチングとは、平行平板電極型のRIE
ドライエッチング装置で、エッチングガスをプラズマ状
態としてエッチングすることを言っている。また、保護
膜とは、位相シフター層をエッチングする際、遮光層の
損傷を保護する膜のことを言っている。
【0009】シフター層のエッチングの条件によって
は、遮光層パターン上の第一の保護膜上にエッチングガ
スにより生成される第二の保護膜が堆積されてくる場合
もあるが、位相シフター層のエッチングに際し、遮光層
パターンが損傷しないように第一の保護膜の厚さを所定
厚以上に形成しておく。また、位相シフター層をエッチ
ングする箇所においては、第二の保護膜の生成よりも、
位相シフター層のエッチングに際して発生するシフター
層からの酸素による第二の保護膜生成の再結合の解離の
方が支配的(優勢)であることが必要である。
【0010】以下、位相シフター層を二酸化ケイ素で形
成した場合を例に採り、位相シフター層の選択エッチン
グおよび遮光層パターンの保護膜による損傷防止につい
て、簡単に説明しておく。位相シフター層が二酸化ケイ
素であり、位相シフター層のエッチングガスとしてはC
4 、CHF3 等のハロゲン化化合物またはフッ素等ハ
ロゲンが用いられる。ハロゲン化化合物を用いた場合、
エッチングプラズマ中でイオンもしくはラジカルに分解
される。この分解過程で発生する、例えばCFX * (X
=1〜3)等のラジカルはエッチングを行っている基板
上に付着し、同じように、付着した別のラジカルと再結
合を行い、−(CF2 )−n のポリマーを形成する。こ
の際、同様にエッチングプラズマ中に発生したF* ラジ
カルやH+ イオン等がこのポリマーを再分解し、エッチ
ングを進めることとなる。つまり、エッチング中は基板
上で結合と分解の競争反応が行われていることとなる。
しかし、エッチングガス中、酸素等の分解を促進するガ
スの添加量を調整することにより、結合と分解とが平衡
となる状態にすることができる。結合と分解とが平衡と
なる状態で位相シフター層をエッチングした場合、二酸
化ケイ素のように酸素を含有した位相シフターにおいて
は、位相シフター層のあるところのみが、酸素の分圧が
高くなり分解反応が促進され、位相シフター層のエッチ
ングが進行することができる。これに対し遮光層パター
ン層のあるところでは結合と分解とが平衡状態であるた
め、第一の保護膜はエッチングされずに遮光層の保護膜
となり、エッチングによる損傷を防ぐことができる。ま
た、分解より結合が若干優勢となる状態で位相シフター
層をエッチングした場合、二酸ケイ素からなる位相シフ
ターのエッチングは進行し、且つ、第一の保護膜上に結
合により第二の保護膜が形成される。
【0011】
【作用】本発明の位相シフトフォトマスクの製造方法
は、このような構成にすることにより、レベンソン型の
下シフター型位相シフトフォトマスクや基板彫り込み型
(Qzエッチ型)位相シフトフォトマスク等の作製工程
において、シフター層をエッチングしてパターンニング
する際に、遮光部の損傷が起こらないものとしている。
詳しくは、遮光層上に第一のレジストを塗布し、該第一
のレジストをパターニングして第一のレジストパターン
を形成した後に、露出した遮光層をエッチングすること
により、遮光層パターンを形成する工程、該第一のレジ
ストパターンを除去した後に、遮光層上基板の全面に第
二のレジストを塗布し、該第二のレジストをパターニン
グして第二のレジストパターンを形成する工程、第二の
レジストパターン上基板全面に第一の保護膜を成膜した
後、遮光層パターンと第二のレジストパターンを耐エッ
チング性のマスクとし、遮光層パターンおよび第二のレ
ジストパターンに覆われない位相シフター層をエッチン
グガスによりドライエッチングして位相シフターパター
ンを形成する工程とを含むことにより、又は、遮光層上
に第一のレジストを塗布し、該第一のレジストをパター
ニングして第一のレジストパターンを形成した後に、露
出した遮光層をエッチングすることにより、遮光層パタ
ーンを形成する工程、該第一のレジストパターンを除去
した後に、遮光層上基板の全面に第一の保護膜を成膜
し、該第一の保護膜上基板の全面に第二のレジストを塗
布し、該第二のレジストをパターニングして第二のレジ
ストパターンを形成する工程、遮光層パターンと第二の
レジストパターンを耐エッチング性のマスクとし、遮光
層パターンおよび第二のレジストパターンに覆われない
位相シフター層をエッチングガスによりドライエッチン
グして位相シフターパターンを形成する工程とを含むこ
とにより、結局、遮光層パターンを第一の保護膜で覆っ
た状態でシフター層のエッチングをしており、シフター
層のエッチングの際、遮光層が損傷を受けることを無く
している。具体的には、第一の保護膜は、炭素、フッ素
を主成分とし、水素、酸素、塩素、臭素、イオウ、ケイ
素を副主成分として含むことがあるポリマーで、位相シ
フター層が、石英、合成石英、スパッタSiO2 、CV
DSiO2 、TEOS−SiO2 、SOG(スピンオン
グラス)等酸素を成分に持つものであり、且つ、位相シ
フター層がエッチングされる際に位相シフター層から発
生した酸素により位相シフター層上へのエッチングガス
による第二の保護膜生成の再結合が解離され、位相シフ
ター層がエッチングされることにより、位相シフター層
はエッチングが進行するが、遮光層パターンは、遮光層
パターン上の第一の保護膜により、または第一の保護膜
とエッチングガスにより生成される第二の保護膜とによ
り保護され損傷されないようにしている。更に、第一の
保護膜が、位相シフター層をエッチングするエッチング
ガスの再結合で生成する第二の保護膜と同質のポリマー
であることにより後述する実施例1の製造方法において
は、第一の保護膜の生成とエッチングガスによる位相シ
フター層のドライエッチングを同一の装置内で引続き行
うことも可能とし、生産性の良いものとしている。本発
明の位相シフトフォトマスクの製造方法は、図7〜図8
に示す従来の工程を大きく変えることなく、簡単にでき
るもので、シフター層エッチングの際、遮光層に保護膜
を覆うことにより遮光層の損傷を防ぐことを可能として
いる。
【0012】
【実施例】本発明の位相シフトフォトマスクの製造方法
の実施例を挙げ説明する。先ず、実施例1を挙げる。図
1は本発明の実施例1の位相シフトフォトマスクの製造
方法の工程を示したもので、各図は各工程中の基板断面
を示している。図1中において、10はブランクス、1
1は透明基板、12はエッチングストッパー層、13は
シフター層、13Aはシフター層パターン、14は遮光
膜(層)、14Aは遮光層パターン、15は第一レジス
ト、15Aは第一レジストパターン、16は第二レジス
ト、16Aは第二レジストパターン、17A、17Bは
露光光(電離放射線)、18は第一保護膜、18Aは第
二保護膜、19はエッチングガスブラズマ、20は位相
シフトフォトマスクである。以下、本実施例の位相シフ
トフォトマスクの製造方法を図1に基づいて説明する。
先ず、透明基板11上に順次、エッチングストッパー層
12、シフター層13、遮光層14を形成したブランク
ス10の遮光層14上全面に第一レジスト15を塗布し
た。(図1(a)) 透明基板11は、フォトマスク用合成石英ガラスからな
り、エッチングストッパー層12は、後の工程にてシフ
ター層13をエッチングする際に透明基板11までエッ
チングされることを防ぐためのもので、酸化ハフニウム
を主成分とし、スパッタ法により100nm程度の厚さ
で成膜されたものである。シフター層はSOG(スピン
オングラス)を膜厚約400nmで回転塗布し成膜した
ものを、加熱乾燥、加熱焼成したものであり、i線ステ
ッパーの波長(365nm)で位相が反転するように膜
の厚さを調整してある。尚、加熱乾燥は150°C、3
分、焼成は400°C、2時間行った。遮光層14は従
来のフォトマスクで用いられている常法にて成膜した。
第一レジストとしては、ナフトキノンジアジド−4−ス
ルフォン酸エステルを感光剤に用いたノボラック樹脂ベ
ースの、市販のAZ5200(ヘキスト社製)で、回転
塗布法により均一に塗布し、加熱処理を施し、厚さ0.
5μm程度にした。加熱処理はホットプレートを用い1
50°C約20分間行った。
【0013】次いで、第一レジストに対し、常法のEB
露光装置により露光描画を行い、所定の領域のみを選択
的に露光光(電子線)17Aを照射した。(図1
(b)) 露光は、加速電圧20KeV、露光量10μC/cm2
で行った。この後、テトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイドを主成分とする水溶性アルカリ現像液で、常
温、1分間スプレー現像し、純水でリンスを行い、所望
形状の第一レジストパターンを形成した。(図1
(c)) 次いで、第一レジストパターンを遮光層14をエッチン
グする際の耐エッチング性のマスクとして、遮光層14
の露出している部分をウエットエッチングし、遮光層パ
ターン14Aを得た。(図1(d)) エッチングは硝酸第2セリウムアンモニウムを主成分と
する水溶液で、常温、1分間スプレーエッチングを行
い、その後純水でリンスした。次に、パターニングされ
た第一レジストパターン15Aを溶剤剥離除去した。
(図1(e)) 剥離はエタノールアミンを主成分とする剥離液で60°
C、3分間、超音波下で行い、その後、純水でリンスし
た。第一レジストパターン15Aを除去後、通常のフォ
トマスク用の洗浄、検査および修正装置を用いて基板の
洗浄および遮光膜パターン14Aの検査、修正をおこな
った。
【0014】続いて、遮光層パターン14A上にEBネ
ガ型レジストCMS(株式会社東ソー製)を回転塗布法
により塗布し、加熱乾燥処理を施し、厚さ0.7μm程
度の第二レジスト16を形成した。(図1(f)) 加熱乾燥処理はホットプレートを用いて200°C、2
0分間行った。次に、EB露光装置によってアライメン
ト露光描画を行い、所定の領域のみを露光光(電子線)
17Bにより選択露光した。(図2(g)) 露光は、加速電圧20KeV、露光量5μC/cm2
行った。この後、エチルセルソルブを主成分とする有機
現像液で、常温、2分間スプレー現像し、イソプロピル
アルコールでリンスを行い、所望の第二レジストパター
ン16Aを形成した。(図1(h))
【0015】この後、第二レジストパターン16A上基
板の全面に、保護膜18を形成した。(図1(i)) 第一保護膜18の形成は、平行平板電極型のRIEドラ
イエッチング装置で0.5mTorr圧、C2 6 ガス
100流量、出力0.1W/cm2 で5分間の条件で行
った。
【0016】引続き、第一保護膜18の形成の際に用い
た、平行平板電極型のRIEドライエッチング装置で遮
光層パターン14A、第二レジストパターン16Aに覆
われていないシフター層13をエッチングガスプラズマ
19によりドライエッチングし(図2(j))、パター
ニングされたシフター層パターン13Aを形成した。
(図2(k)) エッチング条件は、0.1mTorr圧、CHF3 ガス
−93sccm流量、O2 ガス−7sccm流量、出力
0.2W/cm2 で、シフター層13が完全にエッチン
グされるエッチング時間の20%オーバーの時間で行っ
た。この際、シフター層13をエッチングするエッチン
グガスプラズマ19は、基板10A上で、エッチングガ
スの再結合による第二保護膜18Aの成膜(結合)と、
第二保護膜18の除去(分解)とが競合反応を起こして
いるが、シフター層13のエッチング箇所では、シフタ
ー層13から発生する酸素によって第二保護膜18Aの
除去反応(分解)が支配的でシフター層13のエッチン
グは進み、遮光層パターン14A部においては、遮光層
パターン14Aから酸素の供給がなく第二保護膜18A
の成膜(結合)が支配的である。また、シフター層13
のエッチングが進んでいってもエッチングストッパー層
12で阻まれ、透明基板11をエッチングすることはな
い。このようにして、遮光層パターン14Aと第二レジ
ストパターン16Aに覆われていないシフター層13の
みがエッチングされ、且つ、遮光層パターン14Aがシ
フター層13のエッチングの際に損傷を受けることがな
い。
【0017】この後、第二レジストパターン16Aを溶
剤で剥離除去、純水でリンスし、位相シフトフォトマス
クを得た。(図2(l)) 剥離はエタノールアミンを主成分とする溶剤を用い、6
0°C、3分間、超音波下で行った。
【0018】次いで実施例2を挙げる。図3は本発明の
実施例2の位相シフトフォトマスクの製造方法の工程を
示したもので、各図は各工程中の基板断面を示してい
る。実施例2の製造方法は、図1〜図2に示す実施例1
の位相シフトフォトマスクの製造方法の中の、(e)〜
(f)の工程を図3に示す工程に置き換えたものであ
る。説明を分かり易くするため、図3中における符号
は、図1〜2に用いたものをそのまま図3に用いた。図
3中、11は透明基板、12はエッチングストッパー
層、13はシフター層、13Aはシフター層パターン、
14Aは遮光層パターン、16は第二レジスト、16A
は第二レジストパターン、17Bは露光光(電離放射
線)、18は第一保護膜、19はエッチングガスプラズ
マ、20は位相シフトフォトマスクである。本実施例の
場合は、遮光層パターン14A上に保護膜18を形成し
た(図3(f2))後に、第二レジストパターン16A
を形成し(図3(i2))、シフター層13をエッチン
グする(図3(j2))もので、遮光層パターン上に保
護膜および第二レジストパターン16Aを形成しなが
ら、シフター層13のエッチングを行うという、基本的
な部分は実施例1と同じである。本実施例には、位相シ
フター層13のエッチングの条件を、遮光層パターン1
4A部において、若干、第二保護膜の除去(分解)が第
二保護膜の成膜(結合)より優勢である状態で行ったも
ので、第二保護膜18A(図示していない)の生成は見
られないが、シフター層13のエッチングに際して、第
一保護膜18が遮光層パターン14Aの保護膜として働
いているものである。エッチング条件は、0.1mTo
rr圧、CHF3 ガス−93sccm流量、O2 ガス−
9sccm流量、出力0.2W/cm2 で、シフター層
13が完全にエッチングされるエッチング時間の20%
オーバーの時間で行った。本実施例の場合、シフター層
のエッチング以外の処理条件の他は、全て実施例1と同
じである。尚、上記実施例1および実施例2の位相シフ
トフォトマスクの製造方法は、1例であり、使用する材
料、装置、条件等はこれに限定されるものではない。
【0019】
【発明の効果】本発明の位相シフトフォトマスクの製造
方法は、上記のように、レベンソン型の下シフタ型位相
シフトフォトマスクや基板彫り込み型(Qzエッチ型)
位相シフトフォトマスク等の作製工程において、シフタ
ー層をエッチングしてパターニングする際に、遮光部の
損傷が起こらない製造方法の提供を可能とするものであ
り、遮光層の損傷による光透過率、反射率の部分的な変
化や、遮光層の損傷により発生した異物の位相シフター
層への影響のない位相シフトフォトマスクの製造を可能
とするものである。特に、遮光層の表層を低反射化する
ために酸化、窒化、ないし炭化したクロム層を配設した
遮光層を用いた位相シフトフォマスクにおいては効果的
である。詳しくは、本発明の位相シフトフォトマスクの
製造方法においては、遮光層パターンに保護膜と第二レ
ジストパターンを覆ったままにして、遮光層パターンと
第二レジストパターンに覆われていないシフター層をエ
ッチングするため、遮光層の損傷のない高品質の位相シ
フトフォトマスクの製造を可能とするもので、実施例1
のように、シフター層のエッチング工程と、保護膜の成
膜工程を同じ装置内で、引き続いて行うことも可能で、
工程も簡単化することも可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の位相シフトフォトマスクの製
造工程図
【図2】図1に続く、発明実施例1の位相シフトフォト
マスクの製造工程図
【図3】本発明実施例2の位相シフトフォトマスクの製
造方法の工程特徴部の図
【図4】位相シフトフォトマスクの転写を説明するため
の図
【図5】従来のフォトマスクの転写を説明するための図
【図6】レベンソン型位相シフトフォトマスクの図
【図7】従来の位相シフトフォトマスクの製造工程図
【図8】図7に続く、従来の位相シフトフォトマスクの
製造工程図
【符号の説明】
10 ブランクス 11 透明基板 12 エッチングストッパー層 13 シフター層 13A シフター層パターン 14 遮光層(遮光膜) 14A 遮光層パターン 15 第一レジスト 15A 第一レジストパターン 16 第二レジスト 16A 第二レジストパターン 17A、17B 露光光(電離放射線) 18 第一保護膜 18A 第二保護膜 19 エッチングガス 20 位相シフトフォトマスク 40 位相シフトフォトマスク 50 従来のフォトマスク 41、51 透明基板 42、52 遮光膜(クロム) 44、54 シフター 45、55 露光光(電離放射線) 60A、60B、60C 位相シフトフォトマスク 61A、61B、61C 透明基板 62A、62B エッチングストッパー層 63A、63B シフター 64A、64B、64C 遮光膜(クロム) 70 ブランクス 70A 基板 70B 位相シフトフォトマスク 71 透明基板 72 エッチングストッパー層 73 シフター層 73a シフター層パターン 74 遮光層 74a 遮光層からなるパターン 75A、75B レジスト層 75a、75b レジストパターン 76A、76B 露光光(電離放射線)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に透明基板側から順次位相シ
    フター層、遮光層を有する基板を用い、透明基板上に透
    明基板側から順次、位相シフターパターン、遮光層パタ
    ーンを形成した下シフター型の位相シフトフォトマスク
    の製造方法であって、順に、遮光層上に第一のレジスト
    を塗布し、該第一のレジストをパターニングして第一の
    レジストパターンを形成した後に、露出した遮光層をエ
    ッチングすることにより、遮光層パターンを形成する工
    程、該第一のレジストパターンを除去した後に、遮光層
    上基板の全面に第二のレジストを塗布し、該第二のレジ
    ストをパターニングして第二のレジストパターンを形成
    する工程、第二のレジストパターン上基板全面に第一の
    保護膜を成膜した後、遮光層パターンと第二のレジスト
    パターンを耐エッチング性のマスクとし、遮光層パター
    ンおよび第二のレジストパターンに覆われない位相シフ
    ター層をエッチングガスによりドライエッチングして位
    相シフターパターンを形成する工程とを含むことを特徴
    とする位相シフトフォトマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 透明基板上に透明基板側から順次位相シ
    フター層、遮光層を有する基板を用い、透明基板上に透
    明基板側から順次、位相シフターパターン、遮光層パタ
    ーンを形成した下シフター型の位相シフトフォトマスク
    の製造方法であって、順に、遮光層上に第一のレジスト
    を塗布し、該第一のレジストをパターニングして第一の
    レジストパターンを形成した後に、露出した遮光層をエ
    ッチングすることにより、遮光層パターンを形成する工
    程、該第一のレジストパターンを除去した後に、遮光層
    上基板の全面に第一の保護膜を成膜し、該第一の保護膜
    上基板の全面に第二のレジストを塗布し、該第二のレジ
    ストをパターニングして第二のレジストパターンを形成
    する工程、遮光層パターンと第二のレジストパターンを
    耐エッチング性のマスクとし、遮光層パターンおよび第
    二のレジストパターンに覆われない位相シフター層をエ
    ッチングガスによりドライエッチングして位相シフター
    パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする位相
    シフトフォトマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2において、第一の保護
    膜は、炭素、フッ素を主成分とし、水素、酸素、塩素、
    臭素、イオウ、ケイ素を副主成分として含むことがある
    ポリマーで、位相シフター層が、石英、合成石英、スパ
    ッタSiO2、CVDSiO2 、TEOS−SiO2
    SOG(スピンオングラス)等酸素を成分に持つもので
    あり、且つ、位相シフター層がエッチングされる際に位
    相シフター層から発生した酸素により位相シフター層上
    へのエッチングガスによる第二の保護膜生成の再結合が
    解離され、位相シフター層がエッチングされることを特
    徴とする位相シフトフォトマスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3におけるエッチングガ
    スが、CF4 、CHF3 等のハロゲン化化合物、または
    フッ素等ハロゲンを主成分とし、酸素、水素、窒素、炭
    酸ガス等もしくはヘリウム、アルゴン等を不活性ガスを
    副主成分とすることがあることを特徴とする位相シフト
    フォトマスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4における第一の保護膜
    は、位相シフター層をエッチングするエッチングガスの
    再結合で生成する第二の保護膜と同質のポリマーである
    ことを特徴とする位相シフトフォトマスクの製造方法。
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