JP3484498B2 - 4サイクルエンジン - Google Patents

4サイクルエンジン

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JP3484498B2 JP24499093A JP24499093A JP3484498B2 JP 3484498 B2 JP3484498 B2 JP 3484498B2 JP 24499093 A JP24499093 A JP 24499093A JP 24499093 A JP24499093 A JP 24499093A JP 3484498 B2 JP3484498 B2 JP 3484498B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、吸気側に3つの吸気バ
ルブを備え、吸・排気バルブが空気バネ式動弁機構によ
って駆動される4サイクルエンジンに関する。 【0002】 【従来の技術】4サイクルエンジンの高回転化技術とし
て、多バルブ化や空気バネ式動弁機構(Pnewmatic Valv
e System)の採用が知られている(例えば、仏特許FR
−2529616号参照)。 【0003】上記空気バネ式動弁機構は、従来の動弁機
構に用いられるコイルスプリングに代えて圧縮空気をエ
アスプリングとして用いるもので、高回転エンジンの吸
・排気バルブの開閉タイミングに対する追従性に優れて
いる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の空気
バネ式動弁機構は、各2個ずつの吸・排気バルブを備え
る所謂4バルブエンジンにその適用が限定されており、
これを3個の吸気バルブと2個の排気バルブを備える所
謂5バルブエンジンに適用すると、以下のような問題が
生ずる。 【0005】即ち、4バルブエンジンでは圧縮空気供給
側と排出側にそれぞれ1箇所ずつ制御弁を設けることが
できるが、5バルブエンジンの特に吸気側では各1つの
制御弁で3つの空気室に圧縮空気を同一条件で供給し、
且つ、排出することはレイアウト的に困難である。 【0006】又、特に吸気側の圧縮空気供給通路及び排
出通路をクランク軸と平行に直線状に形成すると、各通
路と点火プラグとが干渉するために点火プラグを排気側
に大きく傾斜させたり、空気室を点火プラグからエンジ
ン外側に向かって離す必要が生じ、このためにエンジン
が大型化するという問題が発生する。 【0007】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、大型化を招くことなく、空気
バネ式動弁機構の特に吸気側に設けられた3つの吸気バ
ルブに対応する3つの空気室に対して圧縮空気の供給・
排出条件を略均等化することができるとともに、3つの
空気室が形成されたハウジングの組み付けを容易化する
ことができる4バルブエンジンを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明は、吸気側の3つの吸気バルブを備え、吸・排気バ
ルブを空気バネ式動弁機構によって駆動する4サイクル
エンジンにおいて、前記空気バネ式動弁機構の各吸気バ
ルブに対応して設けられる空気室に対して圧縮空気を供
給・排出する吸気供給通路と排出通路を各空気室に対し
てシリンダ中心側に平面視V字形に形成するとともに、
前記供給通路の各空気室の間に制御弁を設け、前記3つ
の空気室を単一のハウジングに形成するとともに、該ハ
ウジングを両側の吸気バルブのバルブガイドで位置決め
し、中央の吸気バルブのバルブガイドをハウジングに遊
嵌したことをその特徴とする。 【0009】 【作用】本発明によれば、エンジンの吸気側において、
中央の吸気バルブに対応する空気室には、これの左右に
設けられた2つの制御弁を通った圧縮空気が同時に供給
され、又、3つの空気室に供給された圧縮空気は排出通
路を経て同時に排出されるため、吸気側の3つの空気室
に対して圧縮空気の供給・排出条件を略均等化すること
ができ、空気バネ式動弁機構の正常な作動を確保するこ
とができる。 【0010】又、本発明によれば、供給通路と排出通路
が各空気室に対してシリンダ中心側に平面視V字形に形
成されるため、各通路と点火プラグとの干渉が避けら
れ、直線状の通路に伴うエンジンの大型化を防ぐことが
できる。更に、3つの空気室が形成されたハウジングを
両側の吸気バルブのバルブガイドで位置決めし、中央の
吸気バルブのバルブガイドをハウジングに遊嵌する構成
を採用したため、ハウジングを容易に組み付けることが
できる。 【0011】 【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。 【0012】図1及び図2は本発明に係る4サイクルエ
ンジン上部の縦断面図、図3は空気バネ式動弁機構部の
拡大詳細図、図4は図1のA−A線断面図、図5は図1
のB−B線断面図、図6は図5のC−C線断面図、図7
は図2のD−D線断面図、図8は図2のE−E線断面
図、図9は図7のF−F線断面図、図10は4サイクル
エンジンの吸気側の部分断面図である。 【0013】本実施例に係る4サイクルエンジンは高回
転用の所謂5バルブエンジンであって、これは各気筒に
ついて吸気側に3つの吸気バルブ1−1,1−2を備え
(中央の吸気バルブ1−2の両側に2つの吸気バルブ1
−1が配される)、排気側に2つの排気バルブ2を備え
る。 【0014】ところで、図1及び図2において、3は不
図示のシリンダブロックの上部に被着されるシリンダヘ
ッドであり、該シリンダヘッド3には、各気筒について
吸気ポート4−1,4−2(中央の吸気ポート4−2の
両側に吸気ポート4−1が配置される)と排気ポート5
が形成され、これらは前記吸気バルブ1−1,1−2と
排気バルブ2によって適当なタイミングでそれぞれ開閉
される。 【0015】尚、上記シリンダヘッド3の中央にはプラ
グ孔6が形成されており、このプラグ孔6には点火プラ
グ7が螺着されている。又、図2に示すように、シリン
ダ中心線Lは排気側に傾斜している。 【0016】而して、本実施例においては、前記吸気バ
ルブ1−1,1−2と排気バルブ2は空気バネ式動弁機
構によって駆動されるが、ここで空気バネ式動弁式機構
の構成の詳細を説明する。 【0017】図1及び図2に示すように、前記シリンダ
ヘッド3の上部にはカムハウジング8がボルト9にて結
着されており、該カムハウジング8内には図の紙面垂直
方向に長い2本のカム軸10,11が回転自在に配され
ており、これらのカム軸10,11の前記各吸気バルブ
1−1,1−2、排気バルブ2に対応する位置にはカム
12,13がそれぞれ一体的に形成されている。 【0018】一方、前記吸気バルブ1−1,1−2と排
気バルブ2の各ロッドは、シリンダヘッド3に嵌着され
た円筒状のバルブガイド14−1,14−2(中央のバ
ルブガイド14−2の両側にバルブガイド14−1が設
けられている),15内にそれぞれ摺動自在に挿通され
ており、その上端部にはバルブリフタ16,17が設け
られている。 【0019】上記バルブリフタ16,17は、前記カム
ハウジング8に穿設されたガイド孔8a,8bにそれぞ
れ摺動自在に嵌装されており、その上面には前記カム1
2,13がそれぞれ当接している。 【0020】又、前記シリンダヘッド3とカムハウジン
グ8の間には、ハウジング18,19がそれぞれ介設さ
れており、一方(吸気側)のハウジング18には、上面
が開口する3つのカイド孔20−1,20−2(図
示すように、中央のガイド孔20−2の左右に2つのガ
イド孔20−1が設けられている)が形成されている。
又、他方(排気側)のハウジング19には、同じく上面
が開口する2つのガイド孔21が形成されている。 【0021】そして、上記吸気側のハウジング18に形
成された各ガイド孔20−1,20−2には吸気バルブ
1−1,1−2のロッドが挿通しており、これらのガイ
ド孔20−1,20−2には、吸気バルブ1−1,1−
2のロッドに取り付けられたピストン22−1,22−
2がシールリング23を介して気密に、且つ、摺動自在
に嵌合している。従って、吸気側のハウジング18に
は、ガイド孔20−1,20−2とピストン22−1,
22−2によって区画される3つの空気室S1,S2が
形成される(図4に示すように、中央の空気室S2の両
側に空気室S1がそれぞれ形成される)。 【0022】同様に、前記排気側のハウジング19に形
成された各ガイド孔21には排気バルブ2のロッドが挿
通しており、各ガイド孔21には、排気バルブ2のロッ
ドに取り付けられたピストン24がシールリング25を
介して気密に、且つ、摺動自在に嵌合している。従っ
て、排気側のハウジング19には、ガイド孔21とピス
トン24によって区画される2つの空気室S3が形成さ
れる。 【0023】ところで、例えば、中央の吸気バルブ1−
2について見ると、図3に詳細に示すように、バルブリ
フタ16の摺動面を構成するガイド孔8aとピストン2
2−2の摺動面を構成するガイド孔20−2は別部材に
形成され(一方のガイド孔8aはカムハウジング8に、
他方のガイド孔20−2はハウジング18に形成されて
いる)。しかも、両者は異径φDL、φDS に設定され、
両者間には段差が設けられている。尚、他の吸気バルブ
1−1、排気バルブ2についても上記と同様に構成され
ている。 【0024】又、本実施例においては、両側の吸気バル
ブ1−1の軸線と中央の吸気バルブ1−2の軸線とは傾
きが異なるため、吸気側のハウジング18は両側のバル
ブガイド14−1に対しては密に嵌合して該バルブガイ
ド14−1によって位置決めされるが、中央のバルブガ
イド14−2とは遊嵌するよう構成されており、従っ
て、図3に示すように、該ハウジング18の中央のバル
ブガイド14−2との遊嵌部には、両側の吸気バルブ1
−1の傾きに合わせて逃げ18aが形成されている。こ
の結果、ハウジング18を容易に組み付けることができ
る。 【0025】而して、前記各空気室S1,S2,S3に
対しては圧縮空気が供給され、且つ、排出されるが、図
4及び図5に示すように、吸気側のハウジング18には
3つの空気室S1,S2に圧縮空気を供給するための供
給通路26と、同空気室S1,S2から圧縮空気を排出
するための排出通路27が各空気室S1,S2に対して
シリンダ中心側に平面視V字形に形成されている。 【0026】そして、上記供給通路26の各空気室S
1,S2の間には、圧縮空気の空気室S1,S2方向へ
の流れのみを許容するチェックバルブ28がそれぞれ設
けられており、供給通路26を図4の矢印方向に流れる
圧縮空気は、各チェックバルブ28及び連通路38を通
って両側の空気室S1と中央の空気室S2に同時に供給
される。即ち、中央の空気室S2には、図4に矢印にて
示すように、これの左右に設けられたチェックバルブ2
8を通過した圧縮空気が同時に供給される。 【0027】一方、図5に示すように、前記排出通路2
7は3つの空気室S1,S2にそれぞれ接続されてお
り、該排出通路27の空気室S1の内側(シリンダ中心
側)部分であって、且つ、前記プラグ孔6の両側方のデ
ッドスペースには、圧縮空気の空気室S1,S2方向か
らの流れのみを許容するチェックバルブ29が設けられ
ている。従って、3つの空気室S1,S2内の圧縮空気
の一部は、空気室S1,S2より排出通路27を通り、
チェックバルブ29を介して外部へ排出される。 【0028】又、前記各空気室S3に対しても同様に圧
縮空気が供給され、且つ、排出されるが、排気側のハウ
ジング19には、図7及び図8に示すように、2つの空
気室S3に圧縮空気を供給するための供給通路30と、
同空気室S3から圧縮空気を排出するための排出通路3
1が互いに平行、且つ、直線的に形成されている。 【0029】そして、上記供給通路30と排出通路31
は何れも両空気室S3に接続されているが、両空気室S
3の間の部位には、圧縮空気の空気室S3への流れのみ
を許容する1つのチェックバルブ32と、空気室S3か
らの圧縮空気の流れのみを許容するチェックバルブ33
(図9参照)が設けられている。 【0030】而して、供給通路30を図7の矢印方向に
流れる圧縮空気は、チェックバルブ32を通って両空気
室S3に同時に供給され、空気室S3の圧縮空気の一部
は、排出通路31を通り、チェックバルブ33を介して
外部へ排出される。 【0031】次に、空気バネ式動弁機構の作用を説明す
る。 【0032】当該4サイクルエンジンの作動中において
は、図1及び図2に示すカム軸10,11がエンジン動
力の一部で回転駆動され、これらに一体的に形成された
カム12,13がバルブリフタ16,17を押し下げる
と、吸気バルブ1−1,1−2と排気バルブ2が適当な
タイミングで押し開かれる。このとき、ピストン22−
1,22−2、24は下動して各空気室S1,S2,S
3内の圧縮空気を圧縮するため、各空気室S1,S2,
S3の内圧が高まり、圧縮空気はエアスプリングとして
機能し、カム12,13によるバルブリフタ16,17
の押圧が解除されると、吸気バルブ1−1,1−2と排
気バルブ2が圧縮空気の弾発力によって押し上げられて
閉じられる。 【0033】而して、吸気バルブ1−1,1−2と排気
バルブ2の開閉タイミングに対する圧縮空気の弾発力の
追従性は従来の金属製コイルスプリングのそれに比して
優れており、しかも、コイルスプリングを用いないこと
によって動弁系慣性重量が低減されるため、当該4サイ
クルエンジンの高速回転が可能となる。 【0034】以上において、本実施例においては、エン
ジンの吸気側において、中央の吸気バルブ1−2に対応
する空気室S2には、これの左右に設けられた2つのチ
ェックバルブ28を通った圧縮空気が同時に供給され、
又、3つの空気室S1,S2に供給された圧縮空気は排
出通路27を経て同時に排出されるため、吸気側の3つ
の空気室S1,S2に対して圧縮空気の供給・排出条件
を略均等化することができ、空気バネ式動弁機構の安定
した正常な作動を確保することができる。 【0035】又、本実施例においては、供給通路26と
排出通路27が各空気室S1,S2に対してシリンダ中
心側に平面視V字形に形成されるため、各通路26,2
7と点火プラグ7との干渉が避けられ、直線状の通路に
伴うエンジンの大型化を防ぐことができる。 【0036】ところで、本実施例に係る4サイクルエン
ジンにおいて、中央の吸気バルブ1−2の径φD2 を両
側の吸気バルブ1−1の径φD1 よりも大きくし(φD
2 >φD1 )、或いは中央の吸気ポート4−2の径φd
2 を両側の吸気ポート4−1の径φd1 よりも大きくす
る(φd2 >φd1 )等すれば、中央の吸気ポート4−
2と両側の吸気ポート4−1を等価管長に設定すること
ができ、慣性過給効果を高めることができる。 【0037】又、本実施例においては、図10に示すよ
うに、吸気系に2つのインジェクタ34,35を上下2
段に設けて、上段のインジェクタ34としてサイドフィ
ード型インジェクタを用いているため、エンジンの全高
を下げることができる。 【0038】 【発明の効果】以上の説明で明らかな如く、本発明によ
れば、吸気側の3つの吸気バルブを備え、吸・排気バル
ブを空気バネ式動弁機構によって駆動する4サイクルエ
ンジンにおいて、前記空気バネ式動弁機構の各吸気バル
ブに対応して設けられる空気室に対して圧縮空気を供給
・排出する供給通路と排出通路を各空気室に対してシリ
ンダ中心側に平面視V字形に形成するとともに、前記供
給通路の各空気室の間に制御弁を設け、前記3つの空気
室を単一のハウジングに形成するとともに、該ハウジン
グを両側の吸気バルブのバルブガイドで位置決めし、中
央の吸気バルブのバルブガイドをハウジングに遊嵌した
ため、エンジンの大型化を招くことなく、空気バネ式動
弁機構の特に吸気側に設けられた3つの吸気バルブに対
応する3つの空気室に対して圧縮空気の供給・排出条件
を略均等化することができ、空気バネ式動弁機構の安定
した正確な動作が可能となるとともに、3つの空気室が
形成されたハウジングの組み付けを容易化することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る4サイクルエンジン上部の縦断面
図である。 【図2】本発明に係る4サイクルエンジン上部の縦断面
図である。 【図3】空気バネ式動弁機構部の拡大詳細図である。 【図4】図1のA−A線断面図である。 【図5】図1のB−B線断面図である。 【図6】図5のC−C線断面図である。 【図7】図2のD−D線断面図である。 【図8】図2のE−E線断面図である。 【図9】図7のF−F線断面図である。 【図10】4サイクルエンジンの吸気側の部分断面図で
ある。 【符号の説明】 1−1,1−2 吸気バルブ 2 排気バルブ 14−1,14−2 バルブガイド 15 バルブガイド 18,19 ハウジング 26,30 供給通路 27,31 排出通路 28,29 チェックバルブ(制御弁) 32,33 チェックバルブ(制御弁) S1,S2,S3 空気室

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 吸気側の3つの吸気バルブを備え、吸・
    排気バルブを空気バネ式動弁機構によって駆動する4サ
    イクルエンジンにおいて、 前記空気バネ式動弁機構の各吸気バルブに対応して設け
    られる空気室に対して圧縮空気を供給・排出する供給通
    路と排出通路を各空気室に対してシリンダ中心側に平面
    視V字形に形成するとともに、前記供給通路の各空気室
    の間に制御弁を設け、前記3つの空気室を単一のハウジ
    ングに形成するとともに、該ハウジングを両側の吸気バ
    ルブのバルブガイドで位置決めし、中央の吸気バルブの
    バルブガイドをハウジングに遊嵌したことを特徴とする
    4バルブエンジン。
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