JP3484371B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents

ターボ分子ポンプ

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JP3484371B2
JP3484371B2 JP8788399A JP8788399A JP3484371B2 JP 3484371 B2 JP3484371 B2 JP 3484371B2 JP 8788399 A JP8788399 A JP 8788399A JP 8788399 A JP8788399 A JP 8788399A JP 3484371 B2 JP3484371 B2 JP 3484371B2
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隆志 岡田
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    • F04D29/58Cooling; Heating; Diminishing heat transfer
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  • Non-Positive Displacement Air Blowers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターボ分子ポンプ
及びターボ分子ポンプ装置に関し、例えば、半導体製造
装置や電子顕微鏡などの真空装置として使用されるター
ボ分子ポンプ及びターボ分子ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体や液晶の製造において、
ドライエッチング、CVD等を行う場合には、チャンバ
内にプロセスガスを導入し、このプロセスガスをターボ
分子ポンプにより吸引排出するターボ分子ポンプ装置が
用いられている。このターボ分子ポンプは、高速回転す
るロータ軸に取付けられたロータ翼と、ケーシングに固
定されたステータ翼とが交互に配置され、ロータ翼とス
テータ翼との対が複数段設けられている。
【0003】そして、各段のロータ翼には、吸気口側が
進行方向(回転方向)に向かって傾斜したブレード(羽
根)が放射状に設けられ、各段のステータ翼には、ロー
タ翼のブレードと反対方向に傾斜したブレード(羽根)
が放射状に設けられている。そして、ロータ翼により気
体分子に排気口方向への運動量を与えることで移送され
た気体分子はステータ翼のブレードの傾斜面で斜めに反
射することで次段に移動する。このようにして、気体分
子は、順次各段のロータ翼とステータ翼により気体分子
を吸気口側から排気口まで移送され、排気される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図14は、従来のター
ボ分子ポンプのロータ翼1aとステータ翼2aの一対
と、からなるブレードの断面形状と、そのブレードへ吸
着し、離脱する、分子流領域における気体分子の挙動を
表したものである。図14に示すように、気体分子(3
a、3b、4a、4b)に着目すると、高真空状態の分
子流領域では、ロータ翼1a若しくはステータ翼2a
の、ロータの回転方向に対して所定角度A又はBの角度
で傾斜されたブレード面に、気体分子が吸着後、脱離す
る。このとき、ブレードが、一般に均一の材質で作られ
ているので、翼表面の温度も全体に渡って均一であり、
その結果、気体分子が、ブレードの吸気口側の面と排気
口側の面から脱離する際、排気口側の面の気体分子(3
a、4a)と吸気口側の面の気体分子(3b、4b)の
脱離時の最大確率速度は実質的に同速度となる。このた
め、吸気口側に気体分子が進む速度分だけ、排気速度に
ロスがあった。。
【0005】そこで、本発明はこのような従来技術の課
題を解決するためになされた装置を提供することを目的
とする。すなわち、本発明の目的は、ロータ翼若しくは
ステータ翼に気体分子が吸着され離脱する際の、翼の排
気口側の分子の最大確率速度を、翼の吸気口側の分子の
最大確率速度よりも、速くすることが可能なターボ分子
ポンプを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明では、モータにより回転されるロータ本体
と、このロータ本体の回転軸方向に複数段、配設され、
前記ロータ本体の回転軸に対して所定角度で傾斜させて
放射状に複数のロータブレードが設けられたロータ翼
と、ロータ翼の間で、このロータ本体の回転軸方向に複
数段、固定されて配設され、かつ、前記ロータ本体の回
転軸に対して所定角度で傾斜させて放射状に複数のステ
ータブレードが設けられたステータ翼と、前記ロータブ
レード及び前記ステータブレードの前記ポンプの排気口
側の面の少なくとも一部の面の温度が前記ポンプの吸気
口側の面より高くなるように温度差を設けるヒータ又は
熱電変換部材と、を具備するターボ分子ポンプを提供す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】(1)実施の形態の概要 本発明に係る実施形態は、ターボ分子ポンプの、ロータ
翼又はステータ翼のブレードの、ポンプの排気口側の面
を、熱電交換部材又はヒータを、ブレードの内部に埋設
することにより加熱する。その結果、ポンプの吸気口側
の面と排気口側の面の温度差をもたらし、吸気口側より
も排気口側から脱離する気体分子の最大確率速度を上
げ、真空引時の排気を促進するものである。さらには、
ヒータのポンプの吸気口側の面に、断熱材を隣接させ
る。この際、ヒータと断熱材とが接する面において、ヒ
ータの面積が断熱材の面積と実質同一若しくは、ヒータ
の面積が断熱材の面積より小さく設定する。このよう
に、断熱材をヒータに対し吸気口側に配置し、この温度
差に、更に有意差をつけ、より排気を促進するものであ
る。
【0008】(2)実施の形態の詳細 以下、本発明の好適な実施の形態を、図1から図13を
参照して詳細に説明する。図1は、本発明の真空ポンプ
の一実施形態の全体構成の断面を表したものである。こ
のターボ分子ポンプ1は、例えば半導体製造装置内等に
設置され、チャンバ等からプロセスガスの排出を行うも
のである。また、このターボ分子ポンプ1は、チャンバ
等からのプロセスガスをステータ翼72とロータ翼62
とにより下流側へ移送するターボ分子ポンプ部Tと、タ
ーボ分子ポンプ部Tからプロセスガスが送り込まれ、こ
のプロセスガスをネジ溝ポンプにより更に移送して排出
するネジ溝ポンプ部Sとを備えている。なお、このネジ
溝ポンプ部Sを省略して、ポンプ1の全長に渡って、タ
ーボ分子ポンプ部Tとしてもよい。
【0009】図1に示すように、ターボ分子ポンプ1
は、略円筒形状の外装体10と、この外装体10の中心
部に配置される略円柱形状のロータ軸18と、ロータ軸
18に固定配置されロータ軸18とともに回転するロー
タ60と、ステータ70とを備えている。外装体10
は、その上端部に半径方向外方へ延設されたフランジ1
1を有しており、このフランジ11をボルト等によって
半導体製造装置等に取り付けてフランジ11の内側に形
成される吸入口16とチャンバ等の容器の排出口とを連
接し、容器の内部と外装体10の内部とを連通させるよ
うになっている。
【0010】ロータ60は、ロータ軸18の外周配置さ
れた断面略逆U字状のロータ本体61を備えている。こ
のロータ本体61は、ロータ軸18の上部にボルト19
で取り付けられている。ロータ本体61は、ターボ分子
ポンプ部Tにおいては、ロータ翼62が多段に形成され
てる。
【0011】図2は、ロータ60をロータ翼62の上下
面に沿って切断した場合の断面斜視図である。この図2
に示すように、各ロータ翼62は、ロータ本体61の外
周面に環装されるロータ円環部64と、このロータ円環
部64の外周等間隔に径方向放射状に設けられた複数の
ロータブレード(羽根)63とから構成されている。こ
のロータブレード63は、吸気口側(図面上側)が回転
方向に傾斜している。
【0012】図1において、ステータ70は、ターボ分
子ポンプ部Tにおいては、スペーサ71と、このスペー
サ71、71間に外周側が支持されることでロータ翼6
2の各段の間に配置されるステータ翼72とを備えてい
る。ネジ溝ポンプ部Sにおいては、スペーサ71に連設
するネジ溝部スペーサ80を備えている。スペーサ71
は段部を有する円筒状であり、外装体10の内側に積み
重ねられている。各スペーサ71の内側に位置する段部
の軸方向の長さはロータ翼62における各段の間隔に応
じた長さになっている。
【0013】図3は、ステータ翼72の一部を表した斜
視図である。ステータ翼72は、外周側の一部がスペー
サ71によって周方向に挟持される外側円環部73と、
内側円環部74と、外側円環部73と内側円環部74と
により両端が放射状に所定角度で支持された複数のステ
ータブレード75とから構成されている。内側円環部7
4の内径は、ロータ本体61の外径よりも大きく形成さ
れ、内側円環部74の内周面77とロータ本体61の外
周面65とが接触しないようになっている。
【0014】このステータ翼72は、各段のロータ翼6
2間に配置される。例えば、このステータ翼72は円周
が2分割されている。そして、ステータ翼72は、この
2分割された例えばステンレス鋼製又はアルミニウム製
の薄肉の板から、エッチング法等により半円環状の外形
部分とステータブレード75の部分を切り出し、ステー
タブレード75の部分をプレス加工により所定角度に曲
げることで図3に示す形状に形成される。ステータブレ
ード75は、図3に示されるように、ロータブレード6
3と反対方向に傾斜するように形成されている。そし
て、本実施形態のステータブレード75とロータブレー
ド63には、後述するように、温度上昇手段としてのヒ
ータ等が取り付けられている。
【0015】なお、図2、図3及び後述の図4から図1
4における、翼ブレードの断面形状(本明細書における
断面形状は、ロータ60の回転軸方向に切り取った断面
における形状とする。)を平行四辺形としているが、こ
の形状に限定されるものではない。さらに、ヒータ、熱
伝交換素子、断熱材の形状についても同様に以下に記述
する形状に限定されるものではない。
【0016】図1において、ネジ溝スペーサ部80は、
スペーサ71に連設され、スペーサ71とステータ翼7
2と、の下方に配設されている。このネジ溝スペーサ部
80は、内径壁がロータ本体61の外周面と近接する位
置まで張り出した厚みを有しており、内径壁に螺旋構造
のネジ溝81が複数条形成されている。このネジ溝81
は、上記ステータ翼72とロータ翼62との間と連通さ
れており、移送排出されてきた気体がネジ溝81に導入
されるようになっている。なお、この実施形態では、ネ
ジ溝81をステータ70側に形成したが、ネジ溝81を
ロータ本体61の外径壁に形成するようにしてもよい。
またネジ溝81をネジ溝スペーサ部80に形成すると共
に、ロータ本体61の外径壁にも形成するようにしても
よい。
【0017】ターボ分子ポンプ1は、更に、軸受、例え
ば、ロータ軸18を磁力により支持する磁気軸受20
と、ロータ軸18にトルクを発生させるモータ30を備
えている。磁気軸受20は、5軸制御の磁気軸受であ
り、ロータ軸18に対して半径方向の磁力を発生させる
半径方向電磁石21、24と、ロータ軸18の半径方向
の位置を検出する半径方向センサ22、26と、ロータ
軸18に対して軸方向の磁力を発生させる軸方向電磁石
32、34と、軸方向電磁石32、34による軸方向の
力が作用するアーマチュアディスク31、回路基板収納
部40内からロータ軸18の軸方向の位置を検出する軸
方向センサ36と、を備えている。
【0018】半径方向電磁石21は、互いに直交するよ
うに配置された2対の電磁石で構成されている。各対の
電磁石は、ロータ軸18のモータ30よりも上部の位置
に、ロータ軸18を挟んで対向配置されている。この半
径方向電磁石21の上部には、半径方向電磁石21側に
隣接し、ロータ軸18を挟んで対向する半径方向センサ
22が2対設けられている。2対の半径方向センサ22
は、2対の半径方向電磁石21に対応して、互いに直交
するように配置されている。
【0019】さらに、ロータ軸18のモータ30よりも
下部の位置には、同様に2対の半径方向電磁石24が互
いに直交するように配置されている。この半径方向電磁
石24の下部にも、同様に半径方向電磁石24に隣接し
て半径方向センサ26が2対設けられている。これら半
径方向電磁石21、24に励磁電流が供給されることに
よって、ロータ軸18が磁気浮上される。この励磁電流
は、磁気浮上時に、半径方向センサ22、26からの位
置検知信号に応じて制御され、これによってロータ軸1
8が半径方向の所定位置に保持されるようになってい
る。
【0020】ロータ軸18の下部には、磁性体で形成さ
れた円盤状のアーマチュアディスク31が固定されてお
り、このアーマチュアディスク31を挟み、且つ対向し
た一対ずつの軸方向電磁石32、34が配置されてい
る。さらにロータ軸18の下端部に対向して軸方向セン
サ36が配置されている。この軸方向電磁石32、34
の励磁電流は、軸方向センサ36からの位置検知信号に
応じて制御され、これによりロータ軸18が軸方向の所
定位置に保持されるようになっている。磁気軸受20
は、これら半径方向センサ22、26、および軸方向セ
ンサ36の検出信号を基に、半径方向電磁石21、24
および軸方向電磁石32、34などの励磁電流をそれぞ
れフィードバック制御することでロータ軸18を磁気浮
上させる磁気軸受制御部を制御系45内に備えている。
【0021】さらに、本実施形態のターボ分子ポンプ1
では、ロータ軸18の上部側及び下部側には保護用ベア
リング38、39が配置されている。通常、ロータ軸1
8及びこれに取り付けられている各部からなるロータ部
は、モータ30により回転している間、磁気軸受20に
よりステータ部と非接触状態で軸支される。保護用ベア
リング38、39は、外部からの衝撃等でロータの異常
な変位によりタッチダウンが発生した場合に磁気軸受2
0に代わってロータ部を軸支することで装置全体を保護
するためのベアリングである。従って保護ベアリング3
8、39は、内輪がロータ軸18には非接触状態になる
ように配置されている。
【0022】モータ30は、外装体10の内側の半径方
向センサ22と半径方向センサ26との間で、ロータ軸
18の軸方向ほぼ中心位置に配置されている。このモー
タ30に通電することによって、ロータ軸18および、
これに固定されたロータ60、ロータ翼62が回転する
ようになっている。この回転の回転数は回転数センサ4
1により検出され、この回転数センサ41からの信号に
基づいて制御系45によって制御されるようになってい
る。ターボ分子ポンプ1の外装体10の下部には、ネジ
溝ポンプ部Sにより移送されてきた気体を外部へ排出す
る排気口52が配置されている。また、ターボ分子ポン
プ1は、コネクタおよびケーブルを介して制御系45に
接続されている。
【0023】次に、本実施形態における、ブレードの加
熱面について説明する。図4と図5は、本実施形態にお
けるターボ分子ポンプのロータ翼ブレード101、10
2と、ステータ翼ブレード201、202のロータ60
の回転軸方向の断面図である。本実施形態では、ロータ
翼ブレード101、102及びステータ翼ブレード20
1、202の少なくとも一方の、排気口側の面、すなわ
ち、図4と図5の、2点鎖線151、251、152、
252で表される直線と平行な面に相当する部分である
排気口側の温度を吸気口側の面の温度よりも高く設定す
る。
【0024】具体的には、ヒータを用いて、排気口側の
面、即ち、2点鎖線151、251、152、252と
平行な両ブレードの面に相当する部分をヒータを用いて
加熱する。又は、ペルチェ素子からなる熱伝変換素子を
用いて、ブレード101、102、201、202につ
いて、ブレードの排気口側の面、即ち、2点鎖線15
1、251、152、252と平行な両ブレードの面に
相当する部分を加熱し、ブレードの吸気口側の面を冷却
する。
【0025】さらに、図6から図13を用いて、本実施
形態におけるブレードの具体的加熱方法について説明す
る。なお、図6から図8と、図10から図12の実施形
態が、上記図4の具体的改良に相当し、図9と図13の
実施形態が、上記図5の具体的改良に相当する。ここで
は、ステータ翼のブレード1枚を例にして、その構造を
説明する。なお、当該構造は、ロータ翼とステータ翼の
双方に適用してもよいし、一方にのみ適用してもよい。
また、すべてのブレードについて適用してもよいし、一
部のブレードについて適用してもよい。また、ブレード
内に配置されるヒータ等へ給電は以下のように設定する
ことが好適である。即ち、ステータブレードのヒータ等
については、外部から給電し、また、ロータブレードの
ビータ等については、ロータ60のいずれかの箇所に電
池等の電源を配置し、そこから給電するか、ブラシ手段
をロータ60に接触させ、外部から給電する。ヒータへ
の給電は、連続的であってもよいし、断続的であっても
よく、図1の制御系により適宜制御される。
【0026】図6は、本発明の実施形態である翼のブレ
ードの断面構造である。このブレード310は、断熱材
312と、断熱材312の排気口側の面上の一部又は全
部に隣接かつ固着されたヒータ313と、これら部材の
両面から同延状に挟み込むように、固着された断面平行
四辺形の六面体の金属部材311、314と、からな
る。この場合の固着手段は、例えば、接着材により互い
を接着させるか若しくは、各部材に貫通孔を開けて、ボ
ルト・ナットで締め込む。ここにおいて、断熱材312
については、平板状の、例えば、ロータの回転軸方向の
断面が平行四辺形の六面体の、熱伝導率の低い部材が使
用される。断熱材としての機能を有する低熱伝導率層の
好適な材質としては、断熱性のあるセラミックス(例え
ば、K2O・nTiO2、CaO・SiO2等)や樹脂
(例えば、テフロン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、その他耐熱樹脂等)が使用できる。
【0027】一方、ヒータ313については、その形状
は問わない。なお、ヒータ313は、排気口側の金属材
料部材314に嵌合穴を設け、この嵌合穴に埋設させて
もよいし、断熱材312に嵌合穴を設け、そこへ埋設さ
せてもよい。ただし、ブレード面から露出しないように
する。
【0028】図7は、本発明の実施形態である翼のブレ
ードのロータ60の断面構造である。このブレード32
0は、上述の第1の実施形態において、ヒータ323を
板状に形成し、かつ、ヒータ323を断熱材322と排
気口側の金属部材324との間に配置させた構造で、他
の構成や各部材の固着方法は、第1の実施形態と同様で
ある。図6又は図7の実施形態から、ブレードの排気口
側の面を選択的に加熱することができ、吸気口側の面と
の温度差をもたらすことができる。
【0029】図8は、本発明の実施形態である翼のブレ
ードの断面構造である。このブレード330は、ペルチ
ェ素子からなる熱電変換部材332と、この熱電変換部
材332の両面から同延状に挟み込むように、固着され
た断面平行四辺形等の六面体の2枚の金属材料部材から
なる。この熱電変換部材332は、ペルチェ素子の物性
を利用したものであって、ポンプの吸気口側のブレード
面を冷却し、同時に、ポンプの排気口側のブレード面を
加熱するように通電する。なお、熱電変換部材332
は、金属材料部材331、333と隣接するが、熱電変
換部材332の隣接面と、金属材料部材331、333
の隣接面とが、実質同一の面積を有していることが好ま
しい。
【0030】この構造により、吸気口側のブレード面3
31を冷却し、かつ、排気口側のブレード面333を加
熱することができる。よって、上述のヒータと断熱材を
用いた場合と比較すると、吸気口側の面温度と排気口側
の面温度との差を、断熱材を用いることなく容易にもた
らすことができる。また、その温度差もより大きくする
ことができる。さらには、その温度差の制御も可能とな
る。また、ブレードの内部構造もシンプルなものとなる
ため製造コストの削減にもつながる。なお、各部材の固
着方法は、第1の実施形態と同様である。
【0031】次の3つの実施形態においては、上述の実
施形態のそれぞれの断熱材312、322とヒータ31
3、323や熱電変換部材332を、図9に示すよう
に、2つの断面三角形からなる、5面体の金属材料部材
341、343により挟持して配置させたものである。
すなわち、排気口側の面であるブレードの下側の面34
4も加熱されるように断熱材をブレードの断面の対角線
上配置させたものである。したがって、このような配置
で有れば、金属材料部材341、343の形状は、特
に、断面三角形からなる、5面体に限定する必要はな
い。
【0032】この構成から、ブレードの排気口方向の長
手方向の面のみならず、ブレードのの排気口側にある、
ブレードの厚さ方向の側面(底面)も、温度を向上させ
ることができ、尚一層、真空引きの効率が向上する。以
上の実施形態において、断熱材を図6、図7、図9に示
すブレードに適用したが、断熱材を使用しなくても、ヒ
ータの設置位置により、排気口側のブレード面と吸気口
側のブレード面に温度差を設けることができる。例え
ば、ヒータをブレードの排気口側の面になるべく近い所
に配置する。
【0033】さらに、以上の実施形態において、それぞ
れが各部材の厚さ方向の側面部の露出部があるが、その
露出部も、ブレードの金属材料部材で覆い隠すこともで
きる。図6から図9に対応する同様の構造410、42
0、430、440を、図10から図13に示す。これ
らの図において、411、421、431、441はブ
レードの金属材料部材であり、412、422は、断熱
材であり、413、423は、ヒータであり、432、
442は、ペルチェ素子からなる熱伝交換素子である。
【0034】この場合は、一面が開放されている、同じ
大きさの2つの箱状の金属材料部材で、ヒータ等を覆っ
た後、2つの箱の両端を溶接や半田付けや接着剤等で固
着したり、1つの箱状の金属材料部材の一部を直線上に
切断し、そこからヒータ等を埋め込み、その後、切断部
を溶接や半田付けや接着剤等で固着したり、又は、図6
等のブレードにおいて、各部材が露出する面を覆うよう
に蓋部材を固着する等により作成する。この実施形態に
よれば、排気口側の面と吸気口側の面との間に、温度差
を持つ翼ブレードの構造を有しつつ、翼ブレードの高速
回転により、相当の圧力をブレードの断層部が受けたと
しても、より耐久性のある構造が得られる。
【0035】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ターボ分子ポンプ1において、目的とするチャンバ
内を真空状態に導くべく、ロータ翼62が、所定の方向
に回転移動することにより、チャンバ内の気体分子に、
ロータ翼62と同方向の運動量を与えつつ、翼ブレード
のの排気口側の面に気体分子が吸着・脱離する確率を上
げることができる。即ち、気体分子を排気する際に、ロ
ータブレード62及びステータブレード72の面の少な
くとも一方の、ポンプの排気口側のブレード面の温度
を、ポンプの吸気口側の面の温度よりも、ヒータ31
3、323、413、423又はペルチェ素子332、
432による温度上昇手段により、高く設定することが
でき、排気口側のブレード面から脱離する気体分子の最
大確率速度を速めることができる。
【0036】温度上昇手段として、ヒータ313、32
3、413、423を用いた場合には、断熱材との組み
合わせにより、若しくは、断熱材を使用することなくブ
レードの排気口側の面の近傍にヒータを配置することに
より、ブレードの排気口側の面を、選択的に加熱するこ
とができ、従来のブレード構造を有するターボ分子ポン
プより、排気速度を向上させることができる。また、同
手段として、ペルチェ素子332、432を用いた場合
には、常に断熱材を用いることなく、ブレードの排気口
側の面を加熱し、かつ、ブレードの吸気口側の面を冷却
することができ、同様に上記目的を達成できる。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のターボ分子
ポンプによれば、同ポンプのロータブレード及びステー
タブレードの少なくとも一方に対しポンプの排気口側の
少なくとも一部の面の温度を上昇させてロータブレード
及びステータブレードの排気口側の面の少なくとも一部
の面の温度が吸気口側の面より高くなるように温度差を
設けることにより、この面から吸着後、脱離する気体分
子の最大確率速度を速め、もって、排気速度のさらなる
促進を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のターボ分子ポンプの全体断
面図である。
【図2】本発明の実施形態のロータ翼の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態のステータ翼の部分斜視図で
ある。
【図4】本発明の実施形態の概略を説明するためのロー
タ翼ブレードとステータ翼ブレードの断面図である。
【図5】本発明の実施形態の概略を説明するためのロー
タ翼ブレードとステータ翼ブレードの断面図である。
【図6】本発明のロータ翼ブレードとステータ翼ブレー
ドの実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明のロータ翼ブレードとステータ翼ブレー
ドの実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明のロータ翼ブレードとステータ翼ブレー
ドの実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明のロータ翼ブレードとステータ翼ブレー
ドの実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明のロータ翼ブレードとステータ翼ブレ
ードの実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明のロータ翼ブレードとステータ翼ブレ
ードの実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明のロータ翼ブレードとステータ翼ブレ
ードの実施形態を示す断面図である。
【図13】本発明のロータ翼ブレードとステータ翼ブレ
ードの実施形態を示す断面図である。
【図14】従来のターボ分子ポンプのロータ翼ブレード
とステータ翼ブレードの断面図である。
【符号の説明】
16 吸気口 30 モータ 52 排気口 60 ロータ 62 ロータ翼 70 ステータ 72 ステータ翼 313、323、413、423ヒータ 332、432 熱電交換素子
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 19/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータにより回転されるロータ本体と、 このロータ本体の回転軸方向に複数段、配設され、前記
    ロータ本体の回転軸に対して所定角度で傾斜させて放射
    状に複数のロータブレードが設けられたロータ翼と、 前記ロータ本体の回転軸方向において、ロータ翼の間
    に、複数段、固定配設され、かつ、前記ロータ本体の回
    転軸に対して所定角度で傾斜させて放射状に複数のステ
    ータブレードが設けられたステータ翼と、 前記ロータブレード及び前記ステータブレードの少なく
    とも一方に対しポンプの排気方向側の少なくとも一部の
    面の温度が前記ポンプの吸気口側の面より高くなるよう
    に温度差を設けるヒータ又は熱電変換部材と、 を具備することを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ヒータ又は熱電変換部材が、前記ロ
    ータブレード又はステータブレードの内部に配設されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のターボ分子ポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記ロータブレード又はステータブレー
    ドは、 2つの板状の金属材料部材を有し、 前記ヒータ又は熱電変換部材は、前記2つの金属材料部
    材に挟持されていることを特徴とする請求項2に記載の
    ターボ分子ポンプ。
  4. 【請求項4】 吸気口側に配設された前記金属材料部材
    と前記ヒータとの間に断熱材を配設したことを特徴とす
    請求項3に記載のターボ分子ポンプ。
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