JP3483633B2 - 処理装置及び搬送方法 - Google Patents

処理装置及び搬送方法

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JP3483633B2
JP3483633B2 JP27708794A JP27708794A JP3483633B2 JP 3483633 B2 JP3483633 B2 JP 3483633B2 JP 27708794 A JP27708794 A JP 27708794A JP 27708794 A JP27708794 A JP 27708794A JP 3483633 B2 JP3483633 B2 JP 3483633B2
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泰大 坂本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば半導体ウエハ
等の被処理体に処理を施す、処理装置及び搬送方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体デバイスの製造工程にお
いて、半導体ウエハにフォトレジストを塗布し、フォト
リソグラフィ技術を用いて回路パターンを縮小してフォ
トレジストに転写し、これを現像処理する一連の処理が
施される。
【0003】このような処理を行う装置の一例として、
実開昭62−120341号が開示されている。この技
術の、半導体ウエハを搬送する技術として、半導体ウエ
ハをベルトにより搬送したり、また、真空吸着による搬
送としては、特開昭63−229290号等の搬送方法
が広く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常使
用されるような粘性の低いレジスト液に代え、ポリイミ
ドのような高粘度の処理液を使用して塗布処理を行った
場合、レジスト塗布装置でサイドリンス処理を行っても
ウエハ周縁のポリイミドは除去されにくく残りやすい。
この処理液の残滓が搬送機構のウエハとの接触部に付着
すると、ウエハが搬送機構から離れなくくなり、ウエハ
の搬送が円滑に成し得なくなる。また、ウエハの周縁に
付着残存するポリイミドが剥がれてパーティクルとして
ウエハに付着してしまうなどの問題も生じる。
【0005】また、通常使用されるような粘性の低いレ
ジスト液においても、サイドリンス処理が行えない処理
工程を要求されることもあり、この場合も塗布したまま
の状態で処理装置内部でウエハ搬送を行うと、レジスト
液により搬送機構等を汚染することになり、乾燥したレ
ジストが剥がれてパーティクルとしてウエハに付着して
しまうなどの問題も生じる。
【0006】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、その目的は、搬送機構である被処理体を保持するア
ームに、被処理体の周方向数箇所を支持するための支持
手段、例えば複数の支持片、例えば爪を設けると共に、
各爪の外側上面に、被処理体の周縁近傍の下面に、当接
してこれを支持する少なくとも一つ以上の突起状吸着部
を設けることにより、処理工程ごとに支持手段か又は保
持手段としての真空吸着手段かのいずれかを選択するこ
とができるようにし、しかもアームの動作範囲を制御変
更することにより、アームを交換することなく対応でき
るようにすることにある。
【0007】そして、ポリイミドのような高粘度の処理
液を使用して処理を行う場合でも、またサイドリンス処
理が行えない処理工程を要求される場合においても、被
処理体のその周縁が、アームに対して非接触の状態で保
持される事が必要とされる処理の場合においては、処理
液の残滓によって被処理体がアームから離れにくくなる
ような不都合は生じず、各処理機構への被処理体の受け
渡しを円滑に行って、効率よく一連の処理ができ、また
乾燥した処理液が剥がれてパーティクルとしてウエハに
付着してしまうなどの問題も生じる事のない処理装置及
び搬送装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は,被処
理体に処理を施す複数の処理機構と,これらの処理機構
に被処理体を搬送するための搬送機構とを有する処理装
置において,上記搬送機構は,被処理体の周縁部を複数
箇所で支持する支持手段と,被処理体の周縁近傍の下面
に当接して,被処理体を保持する少なくとも一つの吸着
部を有する保持手段とを備えたアームを具備し,上記支
持手段に支持された上記被処理体の中心位置は,上記保
持手段に吸着保持された上記被処理体の中心位置と異な
ことを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は,被処理体に処理を施す
複数の処理機構と,これらの処理機構に被処理体を搬送
するための搬送機構と,この搬送機構に設けられたアー
ムとを有する処理装置であって,上記アームは,被処理
体の周縁部を,複数の支持片で複数箇所を支持する支持
手段と,被処理体の周縁近傍の下面に当接して,これを
保持する少なくとも一つの吸着部を有する保持手段とを
備え,被処理体の状態に応じて,被処理体を支持あるい
は保持する手段のいずれかを選択して,搬送するための
制御手段を設けたことを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は,被処理体に処理を施す
複数の処理機構と,これらの処理機構に被処理体を搬送
するための搬送機構と,この搬送機構に設けられたアー
ムとを有する処理装置であって,上記アームは,被処理
体の周縁部を,複数の支持片で複数箇所を支持する支持
手段と,被処理体の周縁近傍の下面に当接して,これを
保持する少なくとも一つの吸着部を有する保持手段とを
備え,さらに上記搬送機構は,上記被処理体の表面に形
成された膜の厚さを測定する膜厚センサを備え,この膜
厚センサによる測定結果に応じて,上記被処理体を支持
或いは保持する手段のいずれかを選択して,搬送するた
めの制御手段を設けたことを特徴とする。 請求項8の発
明は,被処理体を搬送するための搬送機構に移動自在に
設けられ、被処理体を複数の支持片で支持する支持手段
及び少なくとも一つの吸着部を有する保持手段を設けた
アームにより搬送するに際し、被処理体の状態に応じて
上記支持手段か、上記吸着による保持手段か、いずれか
を選択して、搬送することを特徴とする。搬送方法。
求項9の発明は,被処理体を搬送するための搬送機構に
移動自在に設けられ,被処理体を複数の支持片で支持す
る支持手段及び少なくとも一つの吸着部を有する保持手
段を設けたアームにより搬送するに際し,上記被処理体
の表面に形成された膜の厚さを測定し,この測定結果に
応じて上記支持手段か又は上記吸着による保持手段かの
いずれかを選択して,搬送することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、被処理体を搬送するアームに
被処理体の周縁部数箇所を支持するための支持手段と、
被処理体の周縁近傍の下面に当接してこれを保持する少
なくとも一つの吸着部を有する保持手段とを設けること
により、支持手段か又は保持手段かのいずれかを選択し
て、アームを交換することなく被処理体の状態に対応で
きる。
【0012】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面を用いて詳
細に説明する。このような処理を行う場合、図4に示す
処理システムが使用されている。この処理システムは、
被処理体としての半導体ウエハ(以下、単にウエハとい
う)Wを搬入・搬出するローダ部40と、このローダ部
40から搬送されたウエハWをブラシ洗浄するブラシ洗
浄装置42と、ウエハWを高圧ジェット水で洗浄するジ
ェット水洗浄装置44と、ウエハWの表面を疎水化処理
するアドヒージョン処理装置46と、ウエハWを所定温
度に冷却する冷却処理装置48と、ウエハWの表面にレ
ジストを塗布及びサイドリンス処理により周縁部のレジ
ストを溶解除去するレジスト塗布装置50と、レジスト
塗布の後でウエハWを加熱してプリベーク又はポストベ
ークを行う加熱処理装置52及び露光されたウエハWの
現像処理を行うための現像装置54などを集合化して作
業効率の向上を図っている。
【0013】上記のように構成される処理システムの中
央部には、長手方向にウエハ搬送路56が設けられ、こ
のウエハ搬送路56に沿って上記各処理装置40〜54
がウエハ搬送路56に正面を向けて配置され、各装置4
0〜54との間でウエハWの受け渡しを行うウエハ搬送
機構58がウエハ搬送路56に沿って移動自在に設けら
れている。このウエハ搬送機構58は、真空吸着あるい
は周辺部の下面支持などによってウエハWを保持するた
めのアーム59を備えている。このアーム59は上下方
向に例えば3本配設されており、移動機構によりそれぞ
れ独立に各装置40〜54のウエハ載置位置まで移動で
きるようになっている。
【0014】このようなアーム59を3本使用すること
で、各装置40〜54に対するウエハWの搬入・搬出を
並行して行うことができ、処理能率の向上が図れる。そ
して、例えば、ローダ部40の図示省略のウエハカセッ
ト内に収納されている処理前ウエハWを1枚取り出して
搬送し、順に、洗浄、アドヒージョン処理、冷却、レジ
スト塗布、プリベーク、図示省略の露光装置による露
光、現像、ポストベークを行い、処理後のウエハWをロ
ーダ部40の図示省略のウエハカセット内に搬送して収
納する。
【0015】以下にこの発明の処理装置の最も特徴的な
構成要素である被処理体の搬送機構について説明する。
図1はこの発明の搬送機構のアーム部を示す斜視図、図
2は搬送機構の概略正面図が示されている。各アーム5
9は、図3に示すように、ウエハ支持枠60が一部切欠
環状、例えば先端部切欠環状に形成されており、その支
持枠60の内側部の被搬送ウエハを安定に支持するため
少なくとも3か所に、ウエハWの周縁部に係合してこれ
を複数箇所載置状に支持する複数の支持片例えば爪61
が設けられている。これら各爪61には、図5に拡大し
て示すように、その内側部の傾斜面61aが設けられ、
この傾斜面61aに沿ってウエハWを滑り落とし込ませ
ることで、搬送中のウエハWのずれを防止し、また位置
決めしている。
【0016】これら3本のアーム59は、図示省略の移
動機構により、それぞれ独立に移動可能で、水平方向
(X,Y方向)、垂直方向(Z方向)及び回転方向(θ
方向)に移動させることができるようになっている。こ
のようなアームの移動機構としては、例えば、ステッピ
ングモータ及びこれに連結されたボールスクリュー等の
回転機構、あるいはベルト駆動されるスライド機構を用
いる。
【0017】これら3本のアーム59は、図1,図3及
び図5に示すように、ウエハ支持枠60の上面に、その
両端部に少なくとも一つ例えば2箇所に、支持枠60の
上面より突出した突起状のウエハ吸着部64が形成され
ている。これら吸着部64には、周方向に沿う長穴状の
吸着口65がそれぞれ形成されており、これらの吸着口
65は、アーム内部に形成された空気通路66によって
アーム基端部59aの吸気口67に連通している。
【0018】搬送機構57は、搬送路56上の搬送レー
ル71に沿って移動自在に設けられた走行ブロック72
と、走行ブロック72に支軸73,74,75を介して
それぞれ上下に位置をずらして設けられた3本のアーム
59を備えている。
【0019】吸気口67は、支軸73,74,75の内
部に形成された空気通路68を介して図示省略の真空吸
引装置に接続されており、この真空吸引装置を駆動する
ことにより、2つの吸着口65から同時に吸気が行われ
るようになっている。これらの吸着口65が形成された
ウエハ吸着部64,64間の距離は、ウエハWの直径よ
りも若干、例えば2〜10mm程度小さく設定されてお
り、突起状のウエハ吸着部64が、ウエハWの周縁近傍
の下面に当接してこれを吸着保持できるようになってい
る。
【0020】すなわち、これらのアーム59は、その2
箇所に設けたウエハ吸着部64によってウエハWの周縁
近傍の下面2箇所を吸着して2点支持し、ウエハWを保
持できるようになっている。
【0021】次に、上記のように構成された搬送機構の
動作について説明する。まず、通常使用されるような粘
性の低いレジスト液のレジスト塗布現像処理を行う場
合、3本のアーム59を用いて爪61によりウエハWの
周縁部を支持して、各装置40〜54に対するウエハW
の搬入・搬出を並行して行う。これにより、能率良く処
理を行うことができる。この場合、アーム59の各装置
40〜54内に向かって前進する移動範囲としては、各
爪61に支持されたウエハWの中心すなわち各爪61間
の中心位置が、各装置40〜54の受渡し中心位置とな
るように移動される。
【0022】次に、ポリイミドのような高粘度の処理液
の塗布処理を行う場合、又はサイドリンス処理が行えな
いレジスト液の塗布処理を行う場合も、大部分の搬送行
程は3本のアーム59を用いて爪61によりウエハWの
周縁部を支持して行うが、特に、アーム59の爪61に
対する処理液の残滓81の付着が問題となる搬送工程、
例えば塗布装置50でポリイミド液を塗布、又はレジス
ト液塗布後サイドリンス処理をされていないウエハWを
加熱処理装置52の支持ピン83へ受け渡す搬送行程は
アーム59の先端部2箇所に設けたウエハ吸着部64に
よってウエハWの周縁近傍の下面すなわち塗布液が付着
していない部分2箇所を吸着して2点支持し、ウエハW
を保持することによって保持搬送を行う。その際、搬送
機構57は、まず走行ブロック72を塗布装置50の前
に移動させ、アーム59を駆動して塗布装置50内に挿
入する。この場合、アーム59の塗布装置50加熱処理
装置52内に向かって前進する移動範囲としては、図3
の各ウエハ吸着部64に吸着保持された状態のウエハW
の中心位置が、塗布装置50、加熱処理装置52内の受
渡し中心位置となるように移動される。このように、ア
ーム59に設けられた被処理基板、例えばウエハWを吸
着し保持する保持手段と前述の爪61で支持する支持手
段とは、被処理基板、例えばウエハWの状態、例えばウ
エハWに形成される膜の種類・ウエハWの周縁部まで膜
が形成されているか否か・ウエハWに形成される膜の膜
厚・処理工程等によって選択可能に構成されている。
【0023】塗布装置50内では、例えば、レジスト液
が膜状にスピンコーティングされたウエハWが昇降自在
に設けられた図示省略のウエハW回転用のスピンチャッ
クによってウエハWが持ち上げられて受け渡し状態で待
機しており、アーム59が塗布装置50内の定位置まで
挿入された後、図示省略のスピンチャックが下降あるい
はアーム59が上昇してアーム59のウエハ支持枠60
にウエハWが受け渡される。これによってアーム59の
2つの吸着部64がウエハWの周縁近傍の下面2箇所に
当接してウエハWを吸着保持する。
【0024】次いで、搬送機構57は、アーム59を塗
布装置50内から走行ブロック72上の定位置に移動さ
せ、中継機構56Aを経由してウエハWを他方のウエハ
搬送機構58に渡し、走行ブロック2を加熱処理装置5
2の前に移動させた後、アーム59を加熱処理装置52
内に挿入し、真空吸引装置の駆動を停止する。
【0025】加熱処理装置52内では、アーム59が受
け渡しのための定位置に挿入されると、図6に示す3本
の支持ピン83が上昇し、アーム59から支持ピン83
へウエハWが受け渡される。
【0026】この場合、ウエハWの周縁部Waにポリイ
ミド液、又はレジスト液の残滓81が付着していたとし
ても、ウエハWの周縁部Waがアーム59に対して非接
触の状態になっているので、ウエハWがアーム59に付
いて離れにくくなるようなことはなく、ウエハWの受け
渡しを円滑に行うことができる。したがって、受け渡し
の際にウエハWがずれたり落下したりする虞れはない。
【0027】このような構成において、吸着部64の使
用と爪61の使用の切り換え用の制御手段としては、ウ
エハWの表面、又はウエハWの周縁部Waに形成されて
いる膜の厚さを測定する光干渉型等の膜厚センサと、そ
の測定結果に基づいて膜種を判定するマイコン等の制御
装置を搬送機構57に設けることにより自動化すること
ができる。
【0028】例えば測定の結果、ウエハWの表面の膜厚
が10μm程度と厚い場合には、ポリイミドと判定し、
ウエハ支持手段としてウエハ吸着部64を自動的に選択
して使用する。また、膜厚が1〜2μmの場合には通常
のフォトレジストと判定し、ウエハ支持手段として爪6
1を自動的に選択して使用する。そしてまた、ウエハW
の周縁部Waの膜厚が0.2〜1μm程度と厚い場合に
は、サイドリンス処理を行うことができない又は不十分
な工程と判断し、ウエハ吸着部64を自動的に選択して
使用する。また、膜厚が0.2μm以下の場合にはサイ
ドリンス処理を行う通常の処理工程と判断し、爪61を
自動的に選択して使用する。この膜種判定は、使用する
搬送部材の使い分けを自動的に行う場合に非常に有効で
ある。なお、上記支持手段の選択と同時にアーム59の
動作の範囲をも自動的に制御してもよい。
【0029】次に、前述の図1のアーム部の他の実施例
の概略斜視図を図7に示す。図7に示すアーム部の構成
は、下2段のアーム59は、前述の説明のようにウエハ
Wを真空吸着による保持を行なうための基板吸着部64
とウエハWを支持する手段としての爪61とをそれぞれ
設けており、最上段のアーム59は、ウエハWを支持す
る手段としての爪61のみ具備している。このようなア
ーム部の構成では、複数のアーム59を具備しているた
め、ウエハWを同時に搬送可能とすることやウエハWの
搬送に係るスループットの向上は言うまでもないが最上
段のアーム59のみウエハWを支持する手段としての爪
61だけを具備しているのは、例えばこのアーム59で
図4のローダ部40からウエハWを受取ってレジスト塗
布装置50にてウエハWに塗布膜としてのレジスト膜が
形成されるまでの搬送に用い、下2段のアーム59でレ
ジスト膜が形成された後のウエハWを搬送するよう構成
している。つまり、ウエハWの状態による搬送の形態を
変化する必要のない搬送までは最上段のアーム59を使
用し、ウエハWの状態による搬送の形態を変化する必要
を有する搬送は、下2段のアーム59を使用するもので
ある。これにより、全てのアーム59に対して真空吸着
による保持を行なうための基板吸着部64とウエハWを
支持する手段としての爪61とをそれぞれ設ける必要が
ないためアーム部のコストを低減することができる。ま
た、用途に応じてそれぞれのアーム59の組合せを行な
うことができ、汎用性の向上を図ることができる。
【0030】また、このようなアーム部は、他に、ウエ
ハWを支持する手段としての爪61のみを具備するアー
ム59を最上段に限定することなく最下部であるとか中
間部に配置しても良く、さらにウエハWを支持する手段
としての爪61のみを具備するアーム59ではなくウエ
ハWを真空吸着して保持する保持手段のみを具備するア
ームとの組合せでアーム部を構成してもよい。
【0031】次に、図3のアームの他の実施例を図8〜
10にて説明する。前述の図3のアーム59には、ウエ
ハ支持枠60の上面には、その両端部に少なくとも一つ
例えば2箇所に、支持枠60の上面より突出した突起状
の基板吸着部64が形成されていたが、図8のアーム5
9の基板吸着部64は、アーム59の根元部に一カ所周
方向に沿う長穴状の吸着口65を設けており、この吸着
口65は、アーム59内部に形成された空気通路66に
よってアーム基端部59aの吸着口67に連通して構成
されている。さらに、吸着口65は、図9に示すように
支持枠60の上面よりY1の高さ分突出して構成されて
いる。このY1の距離としては好ましくは、0.1mm
〜0.5mm程度の範囲の所定の高さに維持されてい
る。また、図8及び図10に示すようにアーム59の中
間部近傍には、吸着口65により保持されたウエハWを
支持するとともに、ウエハWをアーム59の支持枠60
と接触させないための凸部100が例えばアーム59の
両端部に少なくとも一つ例えば2箇所に設けられてお
り、その凸部100は、図10に示すように前述の吸着
口65の突出高Y1と同様の高さのY2の突出高を有し
て構成されている。この場合、凸部100は、発塵の少
ない部材で形成するのが好ましい。このように構成した
ことにより、真空吸着による保持手段でウエハWを搬送
するので、図4に示すような各装置40〜54との受渡
し位置の自由度を増すことができる。
【0032】次に、被処理体の状態の一例を図11及び
図12に示すとともに、被処理体の状態の検出の一例を
図13にて説明する。図11及び図12は、前述のアー
ム59に設けられた被処理体、例えばウエハWを吸着し
保持する保持手段と前述の爪61で支持する支持手段と
を選定する際の、被処理基板、例えばウエハWの状態の
一例である。図11は、図4に示すレジスト塗布装置5
0でウエハWの表面の全面に渡って塗布膜としてのレジ
スト膜101を形成した際の状態を示し、図12は、塗
布膜としてのレジスト膜101を形成した後、図示しな
い洗浄ノズル等から洗浄液或いはリンス液をウエハW方
向に供給し、ウエハWの周縁部に付着するレジスト膜1
01aを除去したものである。
【0033】このような、ウエハWの周縁部に付着する
塗布膜の除去は、必ずしも全てのウエハWに対して行な
われるとは限らない。例えばレジスト液に対して粘度の
高いポリミド樹脂を塗布した場合、ウエハWの周縁部に
付着するポリミド樹脂に洗浄液或いはリンス液をウエハ
Wに供給しても完全に除去することが不可能なため、ポ
リミド樹脂の塗布の際は、ウエハWの周縁部洗浄を行な
わない場合がある。
【0034】また、ウエハWの周縁部に塗布膜が残存し
ているか否かの判断が予め定められていない場合又は確
認が必要な場合として、例えば図13に示すように光セ
ンサー102の発光部103から所定の波長で光を発光
させる。そして、この光センサー102をウエハWの径
方向に移動しつつウエハW又はレジスト膜からの反射光
を光センサー102の受光部104で検出して、ウエハ
Wの周縁部から所定の幅X、例えば5mm以下に残存す
るレジスト膜101が存在するか否かの判断を行なう。
この判断の結果に基づき、残存するレジスト膜101が
存在する場合、図1又は図8に示すアーム59の基板吸
着部64でウエハWを保持する。また、残存するレジス
ト膜101が存在しない場合は、爪61で支持する。ま
た、予めウエハWを保持或いは支持する手段が基板吸着
部64又は爪61のどちらか予め定められている場合で
あって、ウエハWの周縁部にレジスト膜101が存在す
るか否かの検出を行なう必要がない場合は、予めアーム
59を駆動する制御機構に基板吸着部64を使用するか
又は爪61を使用するかの登録を行なう必要がある。
【0035】以上の実施例では被処理体が半導体ウエハ
の場合について説明したが、被処理体は必ずしも半導体
ウエハに限られるものではなく、例えばLCD基板、セ
ラミックス基板、コンパクトディスク、プリント基板、
塗料を塗布する基板、光フィルター基板等について同様
に処理液を被覆するものについても適用できるものであ
る。
【0036】また、上記実施例では処理装置をレジスト
塗布現像装置に適用した場合について説明したが、これ
以外にも、例えばエッチング液塗布処理や磁性液塗布処
理を行う装置、塗料の塗装装置等にも適用できることは
勿論である。更に、支持手段の選択および動作範囲の制
御は、例えば処理ロットとして予め判っている場合に
は、膜厚測定を行わずに、処理プロセス中の一動作とし
て設定しておくように構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、被処理体を搬送するア
ームに被処理体の周縁部数箇所を支持するための支持手
段と、被処理体の周縁近傍の下面に当接してこれを支持
する少なくとも一つの吸着部を有する保持手段とを設け
ることにより、処理工程ごとに支持手段か又は保持手段
かのいずれかを選択することができる。しかも、アーム
の動作範囲を制御変更することにより、アームを交換す
ることなく各種の被処理体に対応できる。
【0038】そして、被処理体のその周縁部がアームに
対して非接触の状態で搬送される事が必要とされる処理
の場合においては、保持手段を用いて被処理体を搬送
し、また被処理体のその周縁部を、アームに対して接触
して搬送しても構わない場合においては、支持手段を用
いて確実に、センタリング精度を高く、被処理体を搬送
することができ、被処理体とアームの接触等によるパー
ティクルの発生を抑制することができるので、被処理体
の歩留りを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の搬送機構のアーム部を示す斜視図で
ある。
【図2】この発明の搬送機構の概略正面図である。
【図3】図1、図2の要部を示すアームの平面図であ
る。
【図4】レジスト塗布現像処理装置を示す斜視図であ
る。
【図5】図3のアーム先端ウエハ吸着部及び爪を示す断
面図である。
【図6】図4の処理装置における被処理体の受け渡し動
作を説明するための図である。
【図7】図1のアームの他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図8】図3のアームの他の実施例を示す平面図であ
る。
【図9】図8のアームの要部を示す断面図である。
【図10】図8のアームの要部を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施例に係る被処理体の状態を説
明する断面図である。
【図12】本発明の一実施例に係る被処理体の状態を説
明する断面図である。
【図13】本発明の一実施例に係る被処理体の状態の検
出を説明する断面図である。
【符号の説明】
W ウエハ 40 ローダ部 42 ブラシ洗浄装置 44 ジェット水洗浄装置 46 アドヒージョン処理装置 48 冷却装置 50 レジスト塗布装置 52 加熱処理装置 54 現像装置 58 搬送機構 59 アーム 60 ウエハ支持枠 61 爪 64 ウエハ吸着部 65 吸着口
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−97541(JP,A) 特開 昭61−101321(JP,A) 実開 平2−38729(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 B65G 49/06 - 49/07 H01L 21/027 H01L 21/64 - 21/66 B25J 15/06

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体に処理を施す複数の処理機構
    と,これらの処理機構に被処理体を搬送するための搬送
    機構とを有する処理装置において, 上記搬送機構は,被処理体の周縁部を複数箇所で支持す
    る支持手段と,被処理体の周縁近傍の下面に当接して,
    被処理体を保持する少なくとも一つの吸着部を有する保
    持手段とを備えたアームを具備し, 上記支持手段に支持された上記被処理体の中心位置は,
    上記保持手段に吸着保持された上記被処理体の中心位置
    と異なることを特徴とする,処理装置。
  2. 【請求項2】 被処理体に処理を施す複数の処理機構
    と,これらの処理機構に被処理体を搬送するための搬送
    機構と,この搬送機構に設けられたアームとを有する処
    理装置であって, 上記アームは,被処理体の周縁部を,複数の支持片で複
    数箇所を支持する支持手段と,被処理体の周縁近傍の下
    面に当接して,これを保持する少なくとも一つの吸着部
    を有する保持手段とを備え,被処理体の状態に応じて,
    被処理体を支持あるいは保持する手段のいずれかを選択
    して,搬送するための制御手段を設けたことを特徴とす
    る処理装置。
  3. 【請求項3】 被処理体に処理を施す複数の処理機構
    と,これらの処理機構に被処理体を搬送するための搬送
    機構と,この搬送機構に設けられたアームとを有する処
    理装置であって, 上記アームは,被処理体の周縁部を,複数の支持片で複
    数箇所を支持する支持手段と,被処理体の周縁近傍の下
    面に当接して,これを保持する少なくとも一つの吸着部
    を有する保持手段とを備え, さらに上記搬送機構は,上記被処理体の表面に形成され
    た膜の厚さを測定する膜厚センサを備え, この膜厚センサによる測定結果に応じて,上記被処理体
    を支持或いは保持する手段のいずれかを選択して,搬送
    するための制御手段を設けたことを特徴とする処理装
    置。
  4. 【請求項4】 被処理体の状態に応じて,被処理体を支
    持或いは保持する手段のいずれかを選択して,アームの
    動作範囲を自動的に制御するための制御手段を設けたこ
    とを特徴とする,請求項2に記載の処理装置。
  5. 【請求項5】 上記膜厚センサによる測定結果に応じ
    て,被処理体を支持或いは保持する手段のいずれかを選
    択して,アームの動作範囲を自動的に制御するための制
    御手段を設けたことを特徴とする,請求項3に記載の処
    理装置。
  6. 【請求項6】 上記アームは支持枠を有し,上記吸着部
    は,当該支持枠の上面より突出した突起状に形成されて
    いることを特徴とする,請求項1,2,3,4又は5に
    記載の処理装置。
  7. 【請求項7】 上記アームは支持枠を有し,上記吸着部
    には,当該支持枠の周方向に沿う長穴状の吸着口が形成
    されていることを特徴とする,請求項1,2,3,4,
    5又は6記載の処理装置。
  8. 【請求項8】 被処理体を搬送するための搬送機構に移
    動自在に設けられ、被処理体を複数の支持片で支持する
    支持手段及び少なくとも一つの吸着部を有する保持手段
    を設けたアームにより搬送するに際し、被処理体の状態
    に応じて上記支持手段か、上記吸着による保持手段か、
    いずれかを選択して、搬送することを特徴とする搬送方
    法。
  9. 【請求項9】 被処理体を搬送するための搬送機構に移
    動自在に設けられ,被処理体を複数の支持片で支持する
    支持手段及び少なくとも一つの吸着部を有する保持手段
    を設けたアームにより搬送するに際し, 上記被処理体の表面に形成された膜の厚さを測定し,こ
    の測定結果に応じて上記支持手段か又は上記吸着による
    保持手段かのいずれかを選択して,搬送することを特徴
    とする搬送方法。
  10. 【請求項10】 被処理体の状態に応じて,上記支持手
    段か上記保持手段かのいずれかを選択して,アームの動
    作範囲を自動的に制御し,搬送するようにしたことを特
    徴とする,請求項8に記載の搬送方法。
  11. 【請求項11】 上記測定結果に応じて,上記支持手段
    か上記保持手段かのいずれかを選択して,アームの動作
    範囲を自動的に制御し,搬送するようにしたことを特徴
    とする,請求項9に記載の搬送方法。
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