JP3483557B2 - マイクロセルを含む無線電話方式用通信管理技術 - Google Patents

マイクロセルを含む無線電話方式用通信管理技術

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JP3483557B2
JP3483557B2 JP51123894A JP51123894A JP3483557B2 JP 3483557 B2 JP3483557 B2 JP 3483557B2 JP 51123894 A JP51123894 A JP 51123894A JP 51123894 A JP51123894 A JP 51123894A JP 3483557 B2 JP3483557 B2 JP 3483557B2
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Description

【発明の詳細な説明】 背景 本発明は無線電話方式用制御技術に関し、特にワイヤ
レス通信方式用制御技術に関する。
継続的な通信量の増大により、セルラー方式において
容量に対する圧迫が高まりつつある。周波数スペクトル
の制限により、ネットワーク容量を増大したセルラー方
式やさまざまな通信トラフィック状況に適応できるセル
ラー方式をセルラー通信需要に対して利用できるように
なった。デジタルセルラー方式の導入により潜在的なシ
ステム容量は増大したが、それだけでは容量および無線
カバレージに対する付加需要を満すのに充分ではない。
増大する需要を満すには、首都圏エリアにおけるセルサ
イズの縮小等の他のシステム容量増大策が必要である。
特に比較的小さいセルを利用する場合、互いに近接配
置されたセル間の通信の干渉によりさら問題が生じる。
したがって、セル間干渉を最低限に抑える技術が必要で
ある。一つの周知の技術はセルを“クラスター”へ群別
することである。個々のクラスター内で、同じ通信周波
数を使用するさまざまなクラスター内のセル間均等距離
を最大限とするように、特定セルに通信周波数が分配さ
れる。この距離は、“周波数再使用”距離と呼ぶことが
できる。この距離が増大すると、通信周波数を使用する
セルと同じ周波数を使用する遠方セルとの間の干渉が低
減される。
無線基地局は各セルの中心付近に配置されて、セル全
域にわたって無線カバレージを提供する場合が多い。ま
た、3つの隣接する“セクターセル”の中心付近に無線
基地局を配置して、これらのセルをカバーすることもで
きる。セクター化および非セクター化方式の選択は、各
基地局の装置コスト等のさまざまな経済的配慮に基いて
なされる。
局所化されたマイクロセルおよびピコセルを重畳する
マクロセル内に確立して、しばしば“ホットスポット”
と呼ばれる、移動体ユーザの密度が比較的高いエリアに
対処することができる。代表的には、マイクロセルは間
道や街路等の通り抜け道に設置することができ、一連の
マイクロセルにより高速道路等の主要交通動脈をカバー
することができる。マイクロセルを大型建築物、空港、
商店街にも割り当てることができる。ピコセルはマイク
ロセルに類似しているが、通常は事務所の廊下や高層ビ
ルの1階分をカバーする。本出願では“マイクロセル”
という用語はマイクロセルとピコセルの両方を示すのに
使用され、“マクロセル”という用語はセルラー構造の
最外層を示すのに使用される。“アンブレラセル”は、
下層セルがある限りマクロセルもしくはマイクロセルと
することができる。マイクロセルにより実際のニーズの
近くに付加通信チャネルを配置して、干渉レベルを低く
保ちながらセル容量を増大することができる。
将来のセルラー方式の設計には、マクロセル、屋内マ
イクロセル、屋外マイクロセル、公衆マイクロセル、限
定マイクロセルが組み込まれるようになるものと思われ
る。マクロセルアンブレラサイトは、代表的には1kmを
越える半径をカバーし、例えば自動車内の人間のような
高速で移動するユーザに奉仕する。マイクロセルサイト
は、通常、低電力の小型無線基地局であり、主として歩
行者等のゆっくり移動するユーザに対処する。各マイク
ロセルサイトは、デジタル無線伝送もしくは光ファイバ
によりマクロセルサイトに接続されている拡張基地局と
みることができる。
マイクロセルクラスターの設計において、マイクロセ
ルへスペクトルを分配する必要がある。これはいくつか
の方法で行うことができ、例えばマイクロセルは遠方の
マクロセルからのスペクトルを再使用したり、使用可能
スペクトルの一部をマイクロセル専用としたり、マイク
ロセルがアンブレラマクロセルからスペクトルを借りた
りすることができる。
スペクトルをマイクロセル専用とする場合には、使用
可能スペクトルの一部は厳重にマイクロセル用として確
保され、マクロセルでは使用できないようにされる。ス
ペクトルの借用には、カバーリングマクロセルが使用可
能な周波数をマイクロセルで使用するために取り出すこ
とが含まれる。
これらのチャネル分配法にはそれぞれ利点と欠点があ
る。遠方マクロセルからのチャネルを再使用してもマク
ロセル構造の容量はほとんど低下することはない。しか
しながら、マイクロセルとマクロセルとの間の同一チャ
ネル干渉により、再使用は必ずしも実行可能ではない。
スペクトルをマイクロセル専用とすると、同一チャネ
ル干渉が発生するのはマクロセルとマイクロセルとの間
ではなく、マイクロセル間となるため、セル層(マイク
ロセルおよびマクロセル)間の干渉は低減される。スペ
クトルをマイクロセル専用とする場合、そのスペクトル
は例えば都市等のあるエリア内のマクロセル全体から取
り出される。したがって、このスペクトルはマクロセル
に使用することができない。したがって、2〜3のマイ
クロセルしかないエリアでは、マイクロセルがマクロセ
ルエリア内の小さなエリア部分しかカバーせず、使用可
能なスペクトル量を低減されたマクロセルが相当なエリ
アをカバーしなければならないために、容量は悪影響を
受ける。それにもかかわらず、マイクロセル数が増加し
マクロセルだけによってカバーされるエリアが減少する
ため、スペクトル専用に伴う容量問題は弱まり、マクロ
セル内に閉塞を生じることなく全体システム容量の正味
の総利得を達成することができる。
アンブレラマクロセルからチャネルを借用すると、再
使用と同様に、マイクロセルおよびマクロセル間に潜在
的な同一チャネル干渉が生じる。また、効率的なスペク
トル分配が不可能なことが多いため、容量的に悪影響を
受けることがある。例えば、借用もしくは専用スペクト
ルの場合には、セル内の全てのホットスポットを同時に
アドレスするのが困難な場合がある。システム全体から
のスペクトルではなく、カバーリングマクロセルに分配
されるスペクトルだけを借用するため、スペクトル専用
と違って、マクロシステム全体が影響を受けることがな
い点が、スペクトル借用の利点である。したがって、マ
イクロセルがそのカバーリングマクロセルから借用して
いるのと同じスペクトルを他のマクロセルで使用するこ
とができる。
さらに、クラスターの設計において、分配されたスペ
クトルを個々のマイクロセルサイトへ分散しなければな
らない。スペクトル分配に使用される周知の方法とし
て、固定周波数計画、動的チャネル分配(DCA)、およ
び適応チャネル分配(ACA)がある。さらに、制御チャ
ネル管理技術も選定しなければならない。一つの可能性
として、干渉の観点から周波数再使用が実行可能となる
まで、各セルやセクター化されたシステムの各セクター
に一意的な制御チャネルを使用させることが考えられ
る。
マイクロセルの導入により、無線ネットワーク計画の
複雑度が増大する。計画過程はマイクロセルの構造に著
しく依存する。例えば、街路、商店街、建物のサイズは
設計基準のキーとなる。マイクロセルはトラフィック変
動に対する感度増大、マイクロセル間干渉、および呼量
の予想困難等の一連の問題を抱えている。たとえ固定無
線電話通信方式をうまく計画できたとしても、トラフィ
ック需要の増大に対処するために新しい基地局を付加す
る等のシステムパラメータの変化により、システム全体
の再計画を余儀なくされることがある。そのため、マイ
クロセルの導入が有利になるのは、チャネル割当てがト
ラフィック状態と干渉状態の両方に適応できるような方
式である。
マイクロセルに対する主要な関心事の一つは、FDMAお
よびTDMA方式における周波数計画もしくはCDMA方式にお
ける電力計画を最少限に抑えることである。(例えば、
地形および地表面の不規則性等の)環境的条件および干
渉に依存する無線伝般特性をマイクロセルラー環境にお
いて予測するのは困難である。したがって、周波数や電
力計画は、不可能とは言わないまでも、極めて困難にな
る。一つの解決策は、固定周波数計画を必要としないAC
A方式を使用することである。この方法の一つの実施例
では、無線チャネルを呼に割り当てる時に、各セルサイ
トがシステム内の任意のチャネルを使用することができ
る。現在のトラフィック状況および干渉状況に応じてリ
アルタイムでチャネルが呼へ分配される。しかしなが
ら、平均的により多くのチャネルユニットを設置しなけ
ればならないため、このような方式は高価になることが
ある。
ACAによりいくつかの利点が実現される。各セルが任
意のチャネルを使用できるため、回線効率の損失がほと
んどない。したがって、ネットワーク効率を低下させる
ことなく、非常にチャネル数の少いセルを使用すること
ができる。さらに、チャネルの再使用は、最悪シナリオ
ではなく、平均干渉状況により支配される。
いくつかのACA方式によりトラフィック容量を向上さ
せて周波数計画の必要性を回避する試みがなされてい
る。このような目標を達成するのに適度に有効な方式も
出来てはいるが、制御チャネルが予め割り当てられてい
る方式、すなわち移動局が制御チャネルを予期すること
ができる特定周波数を有する方式(制御信号を含む30kH
z RFチャネル。予割当制御チャネルを有する方式にはAM
PS(Advanced Mobile Phone Service System)、IS−54
(Revision B)およびTACS(Total Access Communica
tion System)が含まれる。)では、両方の目標を完全
に達成するのは非常に困難である。このような方式で
は、制御チャネルに対する周波数計画が依然として必要
である。しかしながら、トラフィックチャネルが不均一
に分布されるエリア内の各サイトで音声チャネル数を計
画する必要が無くなれば、周波数計画は回避され、トラ
フィック容量を向上することができる。
多くの方式において、マイクロセルは音声チャネルで
はなく制御チャネルの容量を制限するようにすることが
できる。例えば、AMPS方式において広く使用される7/21
セル計画では、同じ周波数を使用するセルが例えばキャ
リア対干渉(C/I)比等の所定の基準以下に干渉を維持
する再使用距離により分離されるのを保証するように、
周波数が割り当てられる。7/21マクロ方式では、各クラ
スターのスペクトルは、各々が互いに明確な数チャネル
を含む21の周波数群へ分割される。各々が7/21計画の3
セクターを有する7つのサイトがある。各セクターが一
つの周波数群へ割り当てられる。7つのサイトの外側エ
リアでは、周波数が再使用される、すなわち、隣接クラ
スター内で同じ周波数を再使用することができる。
代表的な7/21セルラー方式では、各基地局がサイトを
表わし、各セルがセクターを表わす。マイクロセルの内
側エリアへの突き抜け損失が非常に高くない限り、アン
ブレラセル内に配置されたマイクロセルは、アンブレラ
セルと同じ周波数を使用することはできない。したがっ
て、マイクロセルからのスペクトルは遠方マクロセルか
ら再使用するか、アンブレラセルから借用するか、もし
くはセルラー方式で使用できるスペクトルを専用にする
ものでなければならない。
遠方マクロセルからのスペクトルを再使用する場合、
そこからの周波数を再使用できるマイクロセルの数は、
無線伝般環境(すなわち、セル間の地形)および干渉基
準に基いている。再使用距離は、同一チャネル干渉が許
容範囲に限定されるように設計される。例えば、AMPS方
式では、好ましくは希望信号は干渉信号の10〜100倍の
範囲とされる。
遠方マクロセルからのスペクトルをマイクロセルで再
使用する他に、スペクトル専用が行われないものとする
と、一般的に“再使用割当て”と呼ばれるさらに2つの
再使用過程が存在する。一つは、マクロシステム全体用
であり、もう一つは、割当スペクトルがマイクロシステ
ムのエリア(クラスター)内で再使用される場合であ
る。干渉により2つの遠方マクロセルからしかマイクロ
セルへマクロセルのスペクトルを割り当てることができ
ない場合には、マイクロセルエリアには2つの制御チャ
ネルしかない。音声チャネル数は、このような特定マク
ロセルにどれだけ音声チャネルを割り当てられるかによ
って決る。現在米国で使用されている方式(通信者が2
人の“セルラーバンド”)では、システム当りおよそ40
0チャネルを使用できる。7/21計画の平均マクロセル
(セクター)には、およそ18の音声チャネルがある。し
たがって、マイクロセルエリアの計画過程を開始する場
合、36の音声チャネルと2つの制御チャネルがある。
オムニセル方式では、各セルごとに一つの基地局が使
用される。オムニセル方式、例えば12/12方式では、干
渉分布が7/21方式とは異なることがある。マイクロセル
のある動作環境では、同じ品質的特徴を達成しなければ
ならないため、例えば12サイト再使用計画を有すること
ができる。12サイト再使用計画に対する固定周波数計画
を有する36音声チャネルにより、サイト当り3チャネル
とすることができる。36音声チャネルは、最初の12サイ
トに隣接するもう一組のサイトに分配することができる
が、制御チャネルは2つしかない。隣接チャネルで同じ
周波数を使用する場合には、2次元クラスターエリア内
の2サイト再使用計画となる。この例では、2つのセル
しか設置できない。したがって、最小12セル再使用計画
を必要とする前例に対する品質基準は満されず、充分な
無線リンク品質が得られない。したがって、このような
マイクロセルチャネル方式は制御チャネル制限となる、
すなわち、制御チャネルが同一チャネル干渉により妨害
されるため、所期のセルクラスターが適切に作動できな
い。
この問題の解決策として、例えば2つのマイクロセル
が充分な無線カバレージを提供するように電力を増大し
て、マイクロセルのサイズを増大することが考えられ
る。この解決策によれば、マイクロセルエリアの計画に
おける主な関心事が容量ではなくて無線カバレージであ
るものとすると、スペクトルの再使用は不要となる。し
かしながら、マイクロセルとマクロセルとの間の干渉が
許容レベルを越えることがあるため、これは不可能であ
る。この問題を克服するために、分布アンテナ方式にお
ける多くのアンテナと共に2つのマイクロセルを使用す
ることができる。セル周縁の移動体は単アンテナ方式に
較べて1本のアンテナにより近くなるため、これにより
相対的な送信電力を高くすることなくマイクロセルクラ
スターにおけるカバレージを拡張することができる。
この種の実施には限界がある。RFケーブリングを付加
する必要があり、それにより信号が減衰する。マイクロ
セル方式エリアが大きい場合には、遠隔アンテナには不
充分な電力しか残されない。そのため、高価な高電力増
幅器が基地局に必要となる。さらに、高電力基地局送信
機がケーブル損失を補償する場合には、移動局も高電力
で送信を行ってケーブル損失を克服しなければならな
い。したがって、代表的な基地局におけるアンテナダイ
バシティに寄与する利得(4〜7dB)を考慮して、アッ
プリンクで移動体から送信される電力(AMPSハンドヘル
ド0.6W)よりも高い電力で送信を行うことができる基地
局の電力増幅器を設計したいという誘因がある。このよ
うな方式の一つの欠点は、移動体が比較的多くの電力を
伝送するように強制されて、移動局におけるバッテリの
寿命が短くなり、マイクロセルを導入する目的の一つが
損われることである。さらに重要なことは、マイクロセ
ルが専用スペクトルを使用しない限り、高電力移動体は
同じスペクトルを使用するマクロセルと干渉する可能性
が高いことである。
また、光ファイバと共に分布電力増幅器を使用する方
式も使用することができる。このような方式では、リモ
ートコントローラが光信号を送信し、光信号が増幅され
る。信号は局所的に受信され、無線信号へ変換し戻され
る。信号は頻繁に増幅する必要がなく、代表的なシナリ
オでは全く増幅する必要がないため、光ファイバを使用
した方式におけるケーブリング損失は最小限に抑えるこ
とができる。さらに、光ファイバ方式は柔軟性が高く、
容易に設置することができる。しかしながら、光インタ
ーフェイスを有するシステムを実現するのは費用がかか
る。
アンテナ方式を計画し、マイクロセルクラスターへス
ペクトルを分配し、マイクロセル送信電力レベルを選定
する場合、いくつかの点を考慮しなければならない。マ
イクロセルエリア内に充分な無線カバレージ、例えば98
%、を提供しなければならない。また、マイクロセルク
ラスタへ分配されたスペクトルが遠方マクロセルから再
使用されている場合には、マイクロセルの電力レベルは
充分低くして、そこからのスペクトルを再使用した遠方
マクロセルとの干渉を回避しなければならない。さら
に、移動体がマイクロセルに固定される場合には、マイ
クロセルの制御チャネルの電力はカバーリングアンブレ
ラマクロセル制御チャネルの電力よりも強くなければな
らないこともある。要約すれば、このような方式の目的
は、遠方マクロセルとの干渉を回避するのに充分低い電
力で送信しながら所期のマイクロセルエリア内のアンブ
レラマクロセルの制御チャネルよりも強い制御チャネル
を維持することにより、できるだけ多くの移動体をマイ
クロセル制御チャネルへ割り当てることである。
電力や干渉の制限により、マイクロセル内のいくつか
の移動体が上層マクロセルからより強い信号を受信する
音声チャネル制限方式となる。アンブレラセルとマイク
ロセルとの間の距離が短くなると、上層マクロセルから
より強い信号を受信する移動体の数が増える。したがっ
て、移動体はマクロセルに固定されるため、容量は増大
しない。さらに、電力要求を送信する移動体が増える
と、現在の可搬型装置では、同等な性能レベルを維持し
ようとすると寿命が低下する。さらに、マイクロセルエ
リア内でマイクロセル基地局近くに位置する移動体では
閉塞や相互変調歪が生じるが、電力はマクロセルにより
制御される。移動体はアンブレラマクロセルにより電力
制御され、アンブレラマクロセルと通信を行うのにマイ
クロセルよりも多くの電力を必要とする。
要約 従来の方式では、制御チャネルと音声チャネルの両方
が制限されることがある。前記例に示すように、マクロ
セル方式の下層のマイクロセル方式は2つの制御チャネ
ルへ制限することができる。したがって、制御チャネル
を効率的に使用し分配するための制御チャネル管理方式
に対するニーズがある。
本発明による制御チャネルは同報性(simulcast)と
することができる。すなわち、同じ情報を同じ時間に同
じ周波数で放送して、2つ以上のセルが共通制御チャネ
ルを使用することができる。本発明の特徴に従ったいく
つかの代表的な同報方式がある。一実施例では、マクロ
セル環境とは完全に独立した方式となるように、2つ以
上のマイクロセル間に制御チャネルが同報される。マイ
クロセルはアンブレラセル制御チャネルに同調された聴
取装置も有している。
第2の実施例では、アンブレラセルの制御チャネルが
マイクロセルの制御チャネルと同報される。したがっ
て、マイクロセルはマクロセル制御チャネルに同調され
た聴取すなわち受信装置を有することができる。
さらに別の実施例では、各マイクロセルはアンブレラ
セル制御チャネルを聴取する聴取装置を含みかつアンブ
レラセル制御チャネルとは異なるそれ自体の制御チャネ
ルを有することができる。
本発明による方式および方法には、少くとも2つのセ
ルを有する無線電話方式において基地局と移動局との間
の接続を確立することが含まれている。少くとも2つの
マイクロセルもしくは一つのマイクロセルとアンブレラ
セルが制御チャネルを介した呼アクセス要求を聴取す
る。呼アクセス要求を受信すると、各セルは制御チャネ
ルを介して同時に制御情報を送信する。同じ制御情報
が、送信セルにより同じ時間に同じ周波数で送信され
る。本出願においてこれは“同報”と呼ばれる。
一実施例では、制御チャネルは、マイクロセルに重畳
するアンブレラセルの制御チャネルに割り当てられた放
送周波数を再使用することができる。マイクロセルの無
線カバレージとアンブレラセルの無線カバレージは重畳
したり実質的に非重畳としたりすることができる。もう
一つの実施例では、制御チャネルは遠方マクロセルの放
送周波数を再使用し、少くとも2つのマイクロセル間で
共有(同報)することができる。
少くとも一つのマイクロセルを有する多層無線電話方
式において通信を確立する方式および方法は、アンブレ
ラセルに割り当てられた第1の制御チャネルを介して移
動体ユニットから呼アクセス要求を受信し、マイクロセ
ルに割り当てられた第2の制御チャネルを介して移動体
ユニットから呼アクセス要求を受信することを含んでお
り、第1および第2の制御チャネルは同じ周波数を使用
する。アンブレラセルの無線カバレージはマイクロセル
の無線カバレージと一部重畳することができる。呼要求
に関連する呼は、例えば移動体ユニットに第1の制御チ
ャネル装置を介して、マイクロセルのアクセス可能な音
声チャネルに同調して呼を処理するよう命令することに
より、マイクロセルへ割り当てることができる。割当て
は、どのセルの受信信号強度がより高いかもしくは信号
リンク品質や計画されたセル構成等の他の基準に基いて
行うことができる。さらに、移動体ユニットは、第1の
制御チャネル装置を介して、呼を割り当てるもう一つの
セルのアクセス可能な音声チャネルへ同調するよう命令
することもできる。
図面の簡単な説明 次に、単なる例として添付図に示す実施例を参照し
て、本発明のより詳細な説明を行う。ここに、 第1図はセルラー移動無線電話方式における2つのセ
ルクラスターを示すセル計画を示す図である。
第2図はアンブレラマクロセル、マイクロセルおよび
ピコセルを使用した代表的な多層セルラー方式を示す図
である。
第3図は本発明による無線電話方式のマイクロセルお
よびアンブレラセルに対する方式の実施例を示す図であ
る。
第4図は本発明による無線電話方式のマイクロセルお
よびアンブレラセルに対する方式のもう一つの実施例を
示す図である。
第5図は本発明の一つの特徴に従って通信を同期化す
る技術を示す図である。
詳細説明 以下の説明は可搬もしくは移動無線電話器および/も
しくはパーソナル通信網を含むセルラー通信方式に関し
てなされるが、当業者ならば本発明は他の通信応用にも
適用できることがお判りと思われる。
第1図に、周知の方法でセルラー移動無線電話方式の
一部を形成する第1のセルクラスターAおよび第2のセ
ルクラスターBを示す。代表的に、本方式において使用
可能な全ての周波数が各セルクラスターで使用される。
個々のセルクラスター内で、さまざまなセルへ周波数が
分配されて、同じ周波数を使用するさまざまなクラスタ
ー内のセル間の周波数再使用距離として知られる最大均
等距離が得られる。第1図では、セルA1およびB1が共通
周波数を使用し、セルA2およびB2が共通周波数を使用
し、セルA3およびB3が共通周波数を使用し、以下同様と
される。同じ周波数を使用するセルA1およびB1内の無線
チャネルは、同じ周波数を使用するために、同一チャネ
ルと呼ばれる。同一チャネル間でも幾分干渉は生じる
が、第1図のような構成におけるこのような干渉は、通
常、許容できる。第1図のセル計画により、周波数分配
は比較的簡単になり、低トラフィック状態における同一
チャネル干渉が低減される。しかしながら、前記したよ
うに、高トラフィックエリアにおける制限により、この
セル計画の使用は制約される。例えば、ホットスポット
のトラフィックにより閉塞を生じることがある。
第2図に、代表的な多層セルラー方式を示す。6角形
で示すアンブレラマクロセル10は、上層セルラー構造を
構成する。各アンブレラセルは下層マイクロセル構造を
含むことができる。アンブレラセルと下層マイクロセル
の無線カバレージは、重畳したり実質的に非重畳とした
りすることができる。アンブレラセル10は、破線内に囲
まれたエリアにより表わされるマイクロセル20と、点線
内に囲まれたエリアで表わされた都市の街路に沿ったエ
リアに対応するマイクロセル30と、建物の個々の階床を
カバーするマイクロセル40,50,60とを含んでいる。マイ
クロセル30および40によりカバーされる2つの街路の交
差点は、稠密なトラフィック集中エリアとなりうるた
め、ホットスポットを表わされ得る。
簡単に言えば、制御チャネルは、呼を設定し、移動局
に関連する位置およびパラメータを基地局へ知らせ、基
地局に関連する位置およびパラメータを移動局に知らせ
るのに使用される。基地局は、移動局による呼アクセス
要求を聴取し、次に移動局は、ページングメッセージを
聴取する。呼アクセスメッセージが受信されていると、
どのセルが呼の責任をとるべきかを決めなければならな
い。一般的に、これは、隣接セルが受信する移動局の信
号強度によって決められる。次に、割り当てられたセル
は、例えば移動交換局(MSC)により、割り当てられた
セルへアクセス可能な音声チャネルセットから分配され
る使用可能音声チャネルへ同調するよう命令される。
1群のマイクロセルが同じ情報を同じ時間に同じ周波
数で送信する制御チャネルの同報により、周波数計画を
最小限に抑えることができる。これはしばしばマクロダ
イバシティと呼ばれる。他の方法とは対照的に、制御チ
ャネルだけが基地局により共有される。
マクロダイバシティは、受信性能を向上するのに使用
される。制御チャネルの同報により、制御チャネルを計
画する必要がなくなる。さらに、マイクロセル方式は、
例えばAMPS等の音声チャネル数ではなく使用できる制御
チャネル数の容量制限とすることができる。制御チャネ
ル問題を改善するために、一実施例において、いくつか
のセルから一つの制御チャネルが送信される。すなわ
ち、一つの制御チャネルによりいくつかの基地局に対し
て同報することができる。また、制御チャネル制限を考
慮する場合には、前記したように、2,3もしくは1つの
マイクロセルだけを使用することもできる。しかしなが
ら、システム目標を最善に満すにはどこにマイクロセル
を配置すべきかを決定する等の、実現する前に必要な予
備計画は実質的に増加することがある。
特に、屋内にマイクロセルを含むマクロセルラー環境
では、制御チャネルの同報は有利である。例えば、電力
計画に関連する問題、すなわち、干渉を回避するのに必
要な信号強度を低減することができる。同報を行う時に
使用する制御チャネルは少くて済むので、マクロセル/
マイクロセル再使用方式において屋内マイクロセルの周
縁に生じ易いマイクロセル制御チャネルとマクロセル制
御チャネルとの干渉尤度を低減することができる。さら
に、チャネル容量が制限されるため、同報により、制御
チャネルとして割り当てるべきチャネル数を理論的に減
少することができる。しかしながら、AMPS等の方式で
は、固定数のチャネルが既に制御チャネルとして分配さ
れているため、実際上これは不可能である。
12サイト再使用計画を使用してホットスポットに奉仕
する18のマイクロセルを要する代表的な方式では、一つ
のクラスター内の12の基地局全てが、異なる周波数チャ
ネルを使用する。しかしながら、これらの基地局の中の
6つの基地局は、もう一つの不完全なクラスター内に配
置された残りの6つのマイクロセル(基地局)と同じス
ペクトルを共有しなければならない。一つの制御チャネ
ルを各基地局から同報することができる。制御チャネル
を介したアクセスおよびページ等の容量を考慮すると、
2つの制御チャネルを使用し、各々が2つの遠方マクロ
セルからの再使用を行う例えば9つのマイクロセルへ割
り当てる必要がある。
12サイト再使用計画を使用して使用可能な36の音声チ
ャネルを有する固定周波数計画方式に対しては、各マイ
クロセルは3チャネルを割り当てられることができる。
しかしながら、ACAやDCAの場合には、各マイクロセルへ
割り当てられる音声チャネル数は設定されない。各基地
は、送信手段、受信手段および通信リンクを介して、3
チャネルを越えるチャネルを処理する能力を有してい
る。各々が3つのタイムスロットを有するIS−54 36周
波数により全音声チャネルすなわち36音声チャネルを各
基地局が処理できる場合に、最善の性能が達成される。
しかしながら、各基地局が全音声チャネルを備えた設計
をすると、コストが高くなる。このような構成のフィー
ジビリティを判断するには、平均使用可能チャネル数を
越えて各基地局が使用可能な付加チャネルを有する方式
の限界容量収益を、このような方式を実現するのに必要
な付加ハードウェアのコストと比較しなければならな
い。全チャネルの充分なリンク品質を維持できる場合に
は、1チャネルを使用することができる。
代表的に、ACAにより、トラフィック容量はその実現
に応じて1.5〜5倍向上することができる。前例におい
て、2倍を選定すると、一つのマイクロセルは一時に平
均6チャネルを使用することができる。特定のホットス
ポットエリアのトラフィックを処理するのに、マイクロ
セル当り平均6チャネルあれば充分である。もちろん、
チャネル数はセルごとに変ることがあり、例えば一つの
セルは平均3チャネルとし、もう一つは9チャネルとし
て、時間の2%等のある設計基準以下に閉塞を維持する
ことができる。しかしながら、さらに費用を投じて各マ
イクロセルの平均チャネル容量を6チャネルよりも遙か
に増大させるのは恐らく経済的ではない。このような計
画におけるキーは、セル当りの平均チャネル容量を設定
する時に収益低減点を見つけることである。
本発明によれば、アンブレラマクロセルおよびマイク
ロセルは制御チャネルに同じ周波数を使用することがで
きる。マクロセルおよびマイクロセル基地局は共に、共
有制御チャネルに対応する送信部および受信部を含んで
いる。マイクロセル受信機の一つは、マクロセルへ割り
当てられる制御チャネルを聴取する。マイクロセルおよ
びマクロセルは、成功受信された全てのアクセスに関す
る情報をMSCへ送信する。MSCは、アクセスメッセージを
受信すると、どのセルに移動体を割り当てるべきかを決
定する。移動局は共有制御チャネルを介して返答を待
つ。したがって、MSCは、割り当てられたセルチャネル
リストの一部である音声チャネルへの同調命令を含むメ
ッセージを共有制御チャネルを介して移動体へ送る。
この実施例については、いくつかの応用上の制約があ
る。同じアンブレラマクロセル内に多くのマイクロセル
クラスターが配置されている場合には、制御チャネル
(アクセスおよびページング)の容量によりシステム容
量が制限される。アンブレラマクロセルの無線周波数に
よりマイクロセルの25%がカバーされるものとすると、
マイクロセルエリア内のアクセス試行の25%以上が、信
号強度が低くマクロセル内の他のアクセスを阻止するの
に充分な程度の干渉で成功メッセージを生成する。この
状況は、アンブレラマクロセルの無線周波数がマイクロ
セルカバレージエリアへ突き抜けることがあるマイクロ
セルの周縁エリアで起りそうなことである。
しかしながら、マイクロセルとアンブレラセルに対す
る制御チャネル周波数が異なる場合には、マイクロセル
エリア内の大部分の移動体は代表的にはマイクロセル制
御チャネルである最強受信制御チャネルへ固定されるた
め、大部分の移動体は別々のマイクロセル制御チャネル
を介してアクセスを生成する。同じ制御チャネル周波数
を使用する場合、全ての移動体が同じ周波数で送信を行
い、その中のいくつかはマイクロセルにしか到達しない
が、それでもマクロセルと干渉を生じる。したがって、
マクロセル内でアクセス衝突が生じて必要以上に制御チ
ャネル容量を低減することがある。これは、マイクロセ
ル基地局が代表的にマクロセル基地局よりも低電力の増
幅器を備えており、したがってマイクロセル制御チャネ
ルの電力が制限されるために生じる。また、マイクロセ
ル基地局に課せられる電力制限がケーブリングの減衰と
結合されると、マイクロセル基地局は周縁エリアのマク
ロセル基地局へ過給電するのが困難になる。さらに、マ
イクロセルクラスター内での同期化に較べてマクロセル
をマイクロセルクラスターと同期化させることが困難に
なることがある。
しかしながら、各マイクロセルには、マイクロセル制
御チャネル用送信機および受信機の他にマクロセルへ割
り当てられる制御チャネルを介して聴取する受信装置を
設けることもできる。マクロセル制御チャネルは、成功
受信された全ての呼アクセスについてMSCへ報告を行
う。したがって、MSCは、マクロセル制御チャネルへ固
定されている移動体からの同じアクセスメッセージをマ
クロセルと一つのマイクロセルとの両方から受信する。
次に、MSCは、マクロセルの替りにマイクロセルへ移動
体を割り当てることを知る。移動体は、マクロセル制御
チャネルを介したMSCからのメッセージを待つ。したが
って、MSCはマクロセル制御チャネルを介してメッセー
ジを送る。移動体にチャネルが与えられている場合に
は、送られるメッセージには、例えばマイクロセル等
の、割り当てられたセルのチャネルリスト上に分配され
ている音声チャネルへ同調させる命令が含まれる。マク
ロセルの音声容量流出を最小限に抑えるために、マイク
ロセルが奉仕することのできる移動体をマイクロセルへ
割り当てることができる。マイクロセルが使用できる周
波数が無い場合には、マクロセルに呼を割り当てること
ができる。
各マイクロセルがマクロ制御チャネルを聴取する受信
機を有する方式では、いくつかの問題点が生じることが
ある。例えば、屋内マイクロセル環境では、マクロセル
から移動体へ信号を得て適切に機能させる必要があり、
そのためには、信号に構造体の壁を貫通させる必要があ
り、信号は著しく弱くなることがある。その結果、聴取
制御チャネルは屋外マイクロセル環境やマクロセルに近
いマイクロセルに恐らく最も適している。
第1表に、本発明に従った3つのチャネルおよびセル
配置方法を示す。実施例1では、2つのマイクロセル1
および2がマクロセル制御チャネル送受信周波数Bとは
独立した同じ制御チャネル(CC)送信(TX)および受信
(RX)周波数Aを共有する。実施例2では、マクロセル
が少くともマイクロセル1の制御チャネルを共用する。
(チャネルは同じであるが送受信周波数は異なることが
ある、すなわち、二重周波数対が同じで周波数対がAMPS
で45Mhz離されていることがあることをお判り願いた
い)。実施例3では、全てのセルの第1の制御チャネル
は独立しているが、マイクロセル1の周波数を受信する
第2の制御チャネルはマクロセル制御チャネルの送受信
周波数と同じである。したがって、マイクロセル1はマ
クロセル制御チャネルを介して聴取することができる。
セルには2チャネル以上の聴取制御チャネルを備えるこ
とができる。
前記配置表は完全なものではない。発明の範囲内で他
の組合せも考えられる。例えば、各マイクロセルが同報
制御チャネルを含み一つ以上のマイクロセルが聴取制御
チャネルを含む方式では、実施例1および3を組み合わ
せることができる。また、実施例2および3を聴取制御
チャネルを有する一つ以上のマイクロセルと組み合わせ
ることもできる。さらに、実施例1のように制御チャネ
ルをマクロセルおよび一つ以上のマイクロセルと同報す
ることができ、さらに各マイクロセルのもう一つの制御
チャネルを2つ以上のマイクロセルと同報することがで
きる。
本発明の一つの特徴により、アンブレラマクロセルお
よびマイクロセルの基地局は、数台の音声チャネル送信
機および1台の制御チャネル送信機を備え、さらにオプ
ションとして1台以上の聴取制御装置を備えることがで
きる。第3図は実施例に従った代表的なセルラー移動無
線電話方式のブロック図である。本方式は、マイクロセ
ルを付随する基地局110とマイクロセルもしくはアンブ
レラセルに所属する基地局120との2つの基地局を有し
ている。各基地局は、(図示せぬ)公衆交換電話網に接
続された移動交換局(MSC)140と通信を行う制御及び処
理ユニット130を有している。
各基地局は、制御及び処理ユニット130により制御さ
れる複数台の音声チャネルトランシーバ150を含んでい
る。また、各基地局には制御チャネルトランシーバ160
も含まれている。制御チャネルトランシーバ160は制御
及び処理ユニット130により制御される。移動体170が呼
アクセス要求を行うと、各制御チャネルトランシーバ16
0は、送信中の移動体170からある信号強度を有する信号
を受信する。次に、受信された信号強度は制御及び処理
ユニット130へ通され、MSC140へ送られる。MSC140は、
受信した呼アクセス要求に関連する各受信信号強度を評
価し、呼が割り当てられるセルを決定する。次に、MSC1
40は、呼アクセス要求を行っている移動体170を適切な
セルへ割り当てる。割り当てられたセルの特定音声チャ
ネルに同調すべき命令を、受信信号強度の最も高い制御
チャネルを介して移動体170へ送ることができる。
第3図の実施例において、基地局110および120はアッ
プリンク方向で同じ制御チャネル周波数を共有する。そ
の結果、アンブレラセルおよびマイクロセル、もしくは
2つのマイクロセルの制御チャネルをセルから同報する
ことができる。
第4図は本発明の別の実施例に関連するものである。
第4図の要素は、第3図に同じ番号で示されているもの
と同じである。第4図には、アンブレラセル基地局180
およびマイクロセル基地局190が示されている。マイク
ロセル基地局190には、移動体から発せられるメッセー
ジの内容を含む情報をアンブレラセル制御チャネルを介
して聴取するための制御チャネル受信機200が含まれて
いる。また、好ましくは移動体170がマイクロセルエリ
ア内に居る場合だけ、アンブレラセル基地局180および
その対応する制御チャネルトランシーバ160とは無関係
に、移動体170から呼アクセス要求を受信することがで
きるマイクロセル用の制御チャネルトランシーバ160も
含まれている。
移動体170が呼アクセス要求を行うと、まずどの制御
チャネルを介して要求を放送するかが決定される。代表
的には、マイクロセルとアンブレラセルとの間等で、ど
の制御チャネルがより高い信号強度で受信を行っている
かが、移動体170により判断される。あるマイクロセル
制御チャネルが最強であると判断されると、そのマイク
ロセル制御チャネルを介してアクセス要求が送信され
る。しかしながら、アンブレラセル制御チャネルが最強
であると判断されると、アクセス要求はアンブレラセル
制御チャネルを介して送られる。後者の場合、マイクロ
セルがアンブレラセルの制御チャネル受信周波数に同調
された聴取制御チャネルを備えている場合には、マイク
ロセルおよびアンブレラセルの両方でアンブレラセル制
御チャネルを介して呼アクセス要求を受信することがで
きる。
呼アクセス要求を受信すると、受信セルからMSC140へ
情報が送られる。MSC140は、例えばセルの制御チャネル
を介して受信される移動体170の信号強度に基いて呼を
マイクロセルもしくは他のセルへ割り当てる。MSC140
は、呼アクセスを行ったセルの制御チャネルを介して、
割り当てられたセルの音声チャネルに同調すべきことを
移動体170へ命令する。詳細には、MSC140は、周波数、
(時分割応用における)スロット、および呼の接続を確
立するのに必要な他の情報を含むメッセージを送信す
る。
本発明に従って制御チャネルを同報する場合、同じ制
御チャネルを介して送信を行う基地局を適切に同期化さ
せることが重要である。使用できる一つの代表例がウッ
デンフェルト(Uddenfeldt)の米国特許第5,088,108号
“セルラーデジタル移動無線方式およびデジタルセルラ
ー移動無線方式における情報送信方法”で検討されてお
り、参照としてここに組み入れられている。第5図にお
いて、MSCはケーブルL1,L2,・・・Lm,Lnを介して複数の
基地局と接続されており、そのうちBmおよびBnが図示さ
れている。基地局Bmは、中央ユニットから離れた位置に
ある2台のトランシーバユニットBma,Bmbにケーブル
Lma,Lmbを介して接続された中央ユニットを有してい
る。基地局Bmの中央ユニットは、中央ラインおよび制御
ユニット1、各トランシーバに対する送信時間シフトユ
ニット2A,2B、各トランシーバに対する受信時間シフト
ユニット3A,3b、および各トランシーバに対するライン
ユニット4A,4Bを含んでいる。
基地局Bmの両トランシーバは同じものであり、各トラ
ンシーバがラインおよび制御ユニット5Aもしくは5B、送
信ユニット6Aもしくは6B、受信ユニット7Aもしくは7B、
送受信フィルタ8Aもしくは8B、およびアンテナ9Aもしく
は9Bを含んでいる。
中央ラインおよび制御チャネル10がその1台のトラン
シーバBnaに接続されている点で、基地局Bnは基地局Bm
とは幾分異なっている。したがって、この基地局では、
Lma,Lmbに対応するラインユニットに関連するケーブリ
ングが無く、トランシーバBnaには4A〜5Bが不要であ
る。さらに、Bnのいかなる中央ユニットにも送信もしく
は受信時間シフトユニットは含まれておらず、対応する
ユニット2A,2B,3A,3BがそれぞれトランシーバBna,Bnb
に含まれている。
MSCから移動体ユニットへ制御チャネルを介して放送
されるメッセージは、MSCからケーブルLmを介してライ
ンおよび制御ユニット1へ送信される。次に、情報はラ
インおよび制御ユニットから送信時間シフトユニット2
A、ラインユニット4A、ケーブルLmaおよび制御ユニット
5Aを介して送信ユニット6Aへ転送される。送信ユニット
6Aは、送受信フィルター8Aおよびアンテナ9Aを経由して
移動体ユニットへ無線信号を制御チャネルを介して送信
する。
同じメッセージ情報がラインおよび制御ユニット1か
ら送信線シフトユニット2b、ラインユニット4B、ケーブ
ルLmb、およびラインおよび制御ユニット5Bを介してト
ランシーバBmb内の送信ユニット6Bへも転送される。次
に、送信ユニット6Bは、送受信フィルター8Bおよびアン
テナ9Bを経由して移動体ユニットへ無線信号を制御チャ
ネルを介して送信する。
Bma内のアンテナ9Aからの信号は、Bmb内のアンテナ9B
からの対応する無線信号に対して時間シフトするかもし
くはしないで、セル内の所与の移動局へ到来する。移動
体ユニットへ到来する制御チャネルの時間シフトは、ア
ンテナからの送信時の時間シフトおよびアンテナから移
動体ユニットへの伝般時間に依存する。
ラインおよび制御ユニット1は、送信時間シフトユニ
ット2A,2Bの可変遅延を制御して、ケーブルLma,Lmbに関
連する遅延差が無線伝般遅延による差と相殺されるよう
にする。
AMPSに従って作動する移動体とは対照的にIS−54に従
って移動体が作動する方式では、移動体ユニットに無線
信号が同時に到来することは望ましくもなければ可能で
もない。無線信号のアンテナ間の伝般において反射が生
じ、各移動体ユニットは、受信信号を再構成するための
適応型等化器を備えている。したがって、信号は移動体
に同時に到来する必要がない。これに対して、レーリー
フージングに対して保護するための好ましくは小さな時
間シフトがある。
このような送信に関連する遅延を制御するためのいく
つかの方法がある。例えば、伝般遅延を評価し、方式の
固定部に関連する残りの遅延原因と一緒に使用して受信
時間シフトユニット3A,3Bを調整し、移動体からの情報
が対応するトランシーバBma,Bmbのラインおよび制御ユ
ニット1へ同時に到来するようにすることができる。そ
の後、受信時間シフトユニット3A,3Bの最適遅延に従っ
て、送信時間シフトユニット2A,2Bの遅延が調整され
る。
もう一つの方法では、一方のトランシーバBmaと他方
のトランシーバBmbから受信される無線信号間の到来時
間差、すなわち時間シフトが評価される。無線信号を符
号化してどのトランシーバから信号が受信されたかを示
す必要がある。TDMAおよびCDMA方式では、特殊な同期化
信号を送信することができる。移動体ユニットでRAKE受
信機を使用して、受信信号を相関させ、各基地局から送
信される無線メッセージを再構成することができる。実
施例では同じ基地局で2台のトランシーバからの送信が
同期化されるが、さまざまな基地局に配置されたトラン
シーバからの送信も同様に同期化して、一群のセル間に
おける制御チャネルの同報を容易にすることができる。
しかしながら、この方法は、AMPSに従って作動するアナ
ログ移動体には使用できない。
マイクロセルクラスター内で、マクロセルが同報の一
部でない場合には、例えばAMPSにおいて数kmの距離まで
は、関連する距離は代表的に変調フォーマットのビット
期間に関して短いため、RFケーブリングと基地および移
動体間の対応する無線伝般との遅延差は小さくなり、同
期化が容易になる。既存の移動体ユニットは、制御チャ
ネル割当方式の設計において柔軟性を限定することがで
きる。例えば、移動体ユニットの実行可能な電力容量
は、現在、ユニットサイズおよびエネルギ源特性により
制限される。
特定実施例について説明してきたが、当業者ならば修
正を行うことができるため、本発明はそれに制限される
ものではない。ここに開示し請求する本発明の精神およ
び範囲内に入る修正は、全て本発明に入るものとする。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−111629(JP,A) 特開 平3−191622(JP,A) 特開 平2−143725(JP,A) 英国特許出願公開2242806(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/24 - 7/26 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動交換局と少くとも一つのマイクロセル
    とアンブレラセルとを有する無線電話方式における通信
    確立方法であって、 少くとも一つの所定の無線周波数を有しアンブレラセル
    に割り当てられている第1の制御チャネルを介して移動
    体ユニットから呼アクセス要求を受信するステップと、 前記第1の制御チャネルと同じ前記所定の無線周波数を
    有しマイクロセルに割り当てられている第2の制御チャ
    ネルを介して前記移動体ユニットから前記呼アクセス要
    求を受信するステップと、 前記マイクロセルのアクセス可能な音声チャネルに同調
    して前記セルアクセス要求を処理するよう、前記アンブ
    レラセルに割り当てられている前記所定の無線周波数を
    介して前記第1の制御チャネルにより前記移動体ユニッ
    トに命令するステップと、 からなる通信確立方法。
  2. 【請求項2】複数のマイクロセルとアンブレラセルと移
    動交換局とを有する多層無線電話方式における通信確立
    方法であって、 少くとも一つの所定の無線周波数を有しアンブレラセル
    に割り当てられた第1の制御チャネルを介して移動体ユ
    ニットからの呼アクセス要求を受信するステップと、 同じ前記所定の無線周波数を有しマイクロセルに割り当
    てられた第2の制御チャネルを介して前記移動体ユニッ
    トからの前記呼アクセス要求を同時に受信するステップ
    と、 前記呼アクセス要求に関係する呼の割り当てを前記マイ
    クロセルとするか前記アンブレラセルとするかを前記移
    動交換局により決定するステップと、 前記呼をアクセス可能な音声チャネルを有する前記マイ
    クロセルと前記アンブレラセルの一方へ割り当てるステ
    ップと、 からなる通信確立方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の方法であって、各マイクロ
    セルにそれぞれ制御チャネルが割り当てられ、割り当て
    られる各制御チャネルがそれぞれ少くとも一つの所定の
    異なる無線周波数を有する、通信確立方法。
  4. 【請求項4】請求項2記載の方法であって、各マイクロ
    セルがそれぞれ付加制御チャネルを有し、少くとも2つ
    の前記付加制御チャネルが少くとも一つの共通無線周波
    数を有し、少くとも一つの共通無線周波数を有する前記
    付加制御チャネルを介して制御情報が同時に送信され
    る、通信確立方法。
  5. 【請求項5】請求項2記載の方法であって、前記割当ス
    テップには、前記第1の制御チャネルおよび前記第2の
    制御チャネルを介して受信される呼アクセス要求の信号
    強度に基づいて前記アンブレラセルおよび前記マイクロ
    セルの一方と関連する前記呼を割り当てることが含まれ
    る、通信確立方法。
  6. 【請求項6】複数のマイクロセルとアンブレラセルと移
    動交換局とを有する多層無線電話方式における通信確立
    方式であって、 少くとも一つの所定の無線周波数を有し前記アンブレラ
    セルに割り当てられた第1の制御チャネルを介して移動
    ユニットからの呼アクセス要求を受信する手段と、 同じ前記所定の無線周波数を有しマイクロセルに割り当
    てられた第2の制御チャネルを介して前記移動ユニット
    からの前記呼アクセス要求を同時に受信する手段と、 前記移動交換局内にあり、前記呼アクセス要求に関連す
    る呼をアクセス可能な音声チャネルを有する前記マイク
    ロセルと前記アンブレラセルの一方へ割り当てる手段
    と、 を具備する、通信確立方式。
  7. 【請求項7】請求項6記載の方式であって、各マイクロ
    セルにそれぞれ制御チャネルが割り当てられ、割り当て
    られる各制御チャネルがそれぞれ少くとも一つの所定の
    異なる無線周波数を有する、通信確立方式。
  8. 【請求項8】請求項6記載の方式であって、各マイクロ
    セルがそれぞれ付加制御チャネルを有し、少くとも2つ
    の前記付加制御チャネルが少くとも一つの共通無線周波
    数を有し、少くとも一つの共通無線周波数を有する前記
    付加制御チャネルを介して制御情報が同時に送信され
    る、通信確立方式。
  9. 【請求項9】請求項6記載の方式であって、前記割当手
    段は前記第1の制御チャネルおよび前記第2の制御チャ
    ネルを介して受信される呼アクセス要求の信号強度に基
    づいて前記呼を割り当てる、通信確立方式。
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