JP3482186B2 - セラミックシートの製造方法、製造装置、セラミックシート、及び電子部品 - Google Patents

セラミックシートの製造方法、製造装置、セラミックシート、及び電子部品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品用セラミ
ックシートの製造方法及び装置等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミック電子部品、例えばセラミック
チップコンデンサやセラミックフィルタなどの製造工程
は、セラミック粉と有機系のバインダー、可塑剤、溶剤
を含むセラミック塗料を作成する工程、キャリアフイル
ム上に所定の厚さで塗布及び乾燥してセラミックシート
(以下シートと略す)を形成する工程、その上にパラジ
ウムや銀などの電極を印刷し、所定の積層構造となるよ
うにプレス切断を行う工程、焼成してバインダーを除去
する工程により製造している。
【0003】セラミック電子部品の特性は焼結体の密度
や厚みによって大きく変化するため、密度と厚みを均一
にすることは重要である。またピンホールや異物の混
入、セラミックシートのひび割れも製品の特性を著しく
損なうため、その抑制も重要である。そこで、特開平1
1−195324号公報ではセラミック塗料をフィルタ
ーで濾過して異物を除去する方法が開示されており、さ
らに特開平8−130155号公報では塗布工程におい
て塗布面にロールを接触させずに搬送することでピンホ
ールを抑制する方法が開示されている。さらに特開平7
−164417号公報では乾燥工程において、塗布後の
膜をまず10〜30℃昇温し、引き続き70〜120℃
で乾燥することによりセラミックシートのひび割れを抑
制する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セラミ
ックシートの厚みとして10〜200μmの比較的厚い
ものに対しては、従来の方法では厚みや密度の均一性、
ピンホールやシートのひび割れを根本的に抑制すること
は不可能であった。
【0005】本発明は、このような従来の製造方法の課
題を考慮し、セラミックシートの厚みと密度を均一にで
き、さらにピンホールやシートのひび割れを抑制できる
セラミックシートの製造方法等を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、キャリアフイ
ルムを支持するためのバックロールと、そのロール対向
する位置に設けられた、先端形状が平面であるダイとを
備え、前記ダイのスリットよりも上流側のリップ先端長
さをL1、スリットよりも下流側のリップ先端長さをL
2としたとき、L1≧L2で且つL1とL2は共に0.
5mm以上であり、前記ダイの出口に液溜まり部が形成
される、セラミックシートの製造装置である。
【0007】また、本発明は、前記ダイのリップ先端の
真直度と平面度は10μm以内である、セラミックシー
トの製造装置である。
【0008】また、本発明は、前記ダイのスリットより
脱泡処理され且つせん断速度が、100(1/s)にお
ける粘度が0.01〜10(Pa・s)であるセラミッ
ク塗料を押し出して前記キャリアフイルム上に塗布す
る、セラミックシートの製造装置である。
【0009】また、本発明は、セラミック塗料を吐出す
るスリットを対向させた状態で、配置された1対のダイ
と、そのダイの間に設けられ、両面に離形処理されたキ
ャリアフイルムが通過するキャリアフィルム通路と、塗
布されたキャリアフィルムを乾燥する乾燥部とを備え、
前記ダイのスリットよりセラミック塗料を押し出して、
連続走行する前記キャリアフイルムの両面に塗布し、そ
の後乾燥することを特徴とするセラミックシートの製造
装置である。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (実施の形態1)本発明の実施の形態1によるセラミッ
クシートの製造方法と製造装置を述べる。
【0021】図1に、本発明の実施の形態1の製造方
法、製造装置を示す。図示していない定量ポンプにより
セラミック塗料4(以下塗料と略す)をダイ1のマニホ
ールド104に送り込みスリット103より押し出し
て、ロール2で支持され且つ連続走行するキャリアフイ
ルム(以下フイルムと略す)3の上に塗布形成する。
【0022】フイルム3は例えばポリエチレンテレフタ
レートからなるフイルムの上に離形処理されたものであ
り特に限定しない。スリット103より押し出された塗
料4はフイルム3とダイの先端との間で比較的圧力の高
い液溜まり105を形成する。この液溜まりは次のよう
な効果を奏する。スリット103から押し出された塗料
の圧力で、フイルムと塗膜401との間に空気が入り込
みピンホールとなることを抑制でき、さらにダイ1の塗
布幅方向に塗料4が押し広げられることで塗膜401の
膜厚の均一化が可能となる。
【0023】液溜まり105を安定に形成するために、
図2に示すダイ1の先端の上流リップ101の長さL
1、下流リップ102の長さL2の関係をL1≧L2と
する。これにより上流側に比較的大きく安定した液溜ま
り105を形成できるので、上記したピンホールの抑制
と膜厚の均一化を達成できる。またL1、L2ともに
0.5mm以上とすることが重要である。これよりも短
いと効果的な液溜まり105を形成できない。
【0024】本発明の効果を確認した実験の結果を、
(表1)にまとめて示す。
【0025】
【表1】 塗工幅は500mmでセラミック塗料を乾燥後で50μ
mとなるようにPETフィルムへ塗布したものを、マイ
クロメーターにより100箇所で膜厚を測定し、そのバ
ラツキを求めた。またピンホールは目視による。本発明
の範囲内である実験No2〜4は膜厚のバラツキは小さ
く、ピンホールも皆無で良好な結果であった。しかし、
発明の範囲外である実験No1では上流側リップの長さ
が短すぎて液溜まり105に圧力がかからずピンホール
が発生した。さらに下流側リップ長も短いため、スリッ
トから吐出した塗料に幅方向に対する効果的な圧力をか
けることができず、膜厚のバラツキが大きくなった。実
験No5では、下流側リップL2の方が長いためにスリ
ットから押し出された塗料に対する流体力学的抵抗が大
きいので上流側へ塗料が押し出され、安定した液溜まり
105を形成できず、その結果ピンホール発生と膜厚バ
ラツキ増大という致命的な問題が生じた。
【0026】ダイ4の先端形状は平面とすることで、加
工後の平面度を10μm以下とすることができ、その結
果、ロール2に支持されたフイルム3とダイ1との隙間
の精度を高くすることが可能となり、均一な膜厚を達成
できる。
【0027】フイルム3とダイ1の先端の隙間寸法G
は、塗膜のウェット厚さtwの1〜3倍の範囲とする。
好ましくは、1〜2倍の範囲がよい。この範囲よりも隙
間が小さいと、スリットから吐き出した塗料が上流側へ
あふれ出し均一に塗布できない。
【0028】また前記範囲よりも隙間が大きいと、液溜
まり105に効果的な圧力を発生させることができなく
なり、ピンホールが生じ本発明の効果が損なわれる。
【0029】本発明の効果を確認した実験の結果を、
(表2)にまとめて示す。
【0030】
【表2】 塗工幅は500mmでセラミック塗料を乾燥後で50μ
mとなるようにPETフィルムへ塗布したものを、マイ
クロメーターにより100箇所で膜厚を測定し、そのバ
ラツキを求めた。またピンホールは目視による。本発明
の範囲内である実験No7〜9は膜厚のバラツキは小さ
く、ピンホールも皆無で良好な結果であった。しかし、
発明の範囲外である実験No6では隙間Gが小さすぎる
ため、スリットから吐出した塗料が上流側へ溢れ出して
ピンホールが発生し、さらに膜厚のバラツキが大きくな
った。実験No10では、隙間Gが大きすぎるために液
溜まり105に効果的な圧力をかけることができず、ピ
ンホール発生と膜厚バラツキ増大という致命的な問題が
生じた。
【0031】本発明はセラミックシートの乾燥後の厚さ
として10〜200μmの範囲で顕著な効果が得られ
る。この範囲よりもシートの厚みが薄いと、フイルム3
を支持するロール2の精度の影響などを受け均一なシー
トを得られない。フィルムの厚みムラは通常±1μm以
下で、ロール2の真円度や振れは高精度に研磨した場合
±1μm以下であるため、ダイ1の先端とロールの隙間
が変動するので、膜厚のバラツキに影響する。
【0032】また前記範囲よりもシートの厚みを厚くし
ようとして液溜まり105を拡大すると、保持しきれず
安定して塗布できない。
【0033】本発明の効果を確認した実験の結果を、
(表3)にまとめて示す。
【0034】
【表3】 塗工幅は500mmでセラミック塗料を乾燥後で7〜2
50μmとなるようにPETフィルムへ塗布したもの
を、マイクロメーターにより100箇所で膜厚を測定
し、そのバラツキを求めた。またピンホールは目視によ
る。本発明の範囲内である実験No12〜14は膜厚の
バラツキは小さく良好な結果であった。しかし、発明の
範囲外である実験No11では乾燥後の膜厚が小さすぎ
るため、ロールの精度などの影響を受け膜厚のバラツキ
が大きくなった。実験No15では、膜厚を250μm
と厚くするために、結果的に隙間Gが大きすぎるために
液溜まり105に効果的な圧力をかけることができず、
塗工不可能であった。
【0035】塗料4はダイ1へ送られる前に脱泡処理し
て、塗料4の密度を均一化する必要がある。脱泡のない
場合は塗料の均一性がなく、従って得られたシートの密
度もバラツキが大きくなり、製品性能が低下する。
【0036】さらに塗料4の粘度は、せん断速度100
(1/s)において0.01〜10(Pa・s)の範囲
とする。この範囲内であれば、ダイ1の出口に安定した
液溜まり105を形成できるが、この範囲よりも小さい
と、粘度が低すぎて液溜まり105を形成できなず、安
定した均一なシートを得ることができない。粘度が高い
場合には、塗膜への空気巻き込みなどでシートにピンホ
ールが発生し、致命的問題となる。
【0037】本発明の効果を確認した実験の結果を、
(表4)にまとめて示す。
【0038】
【表4】 塗工幅は500mmでセラミック塗料を乾燥後で50μ
mとなるようにPETフィルムへ塗布したものを、マイ
クロメーターにより100箇所で膜厚を測定し、そのバ
ラツキを求めた。またピンホールは目視による。本発明
の範囲内である実験No17〜19は膜厚のバラツキは
小さく良好な結果であった。しかし、発明の範囲外であ
る実験No16では粘度が小さすぎるため、液溜まり1
05を安定に保持することできず、膜厚バラツキは大き
くなった。実験No20では、粘度が高すぎて膜厚バラ
ツキが大きくさらにピンホールが多数発生した。
【0039】次に本発明におけるシートの乾燥方法を図
4を参照しながら説明する。塗膜の乾燥工程5は、例え
ば第1乾燥501(本発明の第1乾燥部に対応する)、
第2乾燥502(本発明の第2乾燥部に対応する)、第
3乾燥503(本発明の第3乾燥部に対応する)の3つ
のゾーンから成る。
【0040】第1乾燥501ではダイ1で塗布した塗膜
温度を例えば室温25℃から120℃へ連続的に上昇さ
せ、第2、第3乾燥で120℃一定に保ちながら乾燥を
行う。
【0041】乾燥における本発明の最大の特徴は、キャ
リアフィルム上に塗布するセラミック塗料の固形分濃度
をN1(%)、第1乾燥部で乾燥された塗膜の出口側に
おける塗膜中の固形分濃度をN2とすると、N2/N1
が1.1以上であり、且つN2は60%以上であること
を特徴とする。さらに第1乾燥501における塗膜温度
の上昇速度は10(℃/s)以下とすることが重要であ
る。この範囲よりも温度上昇速度が速いと塗膜とフィル
ムの収縮差などで塗膜に割れが生じ致命的問題となる。
第1乾燥での乾燥方式は、背面側から熱風を当てる、遠
赤外線で加熱する、塗布面に直接熱風を当てる場合には
風速10m/s以下とする。上記方式で固形分濃度を6
0%以上に乾燥すれば、第2乾燥以降で塗布面側に強い
熱風を直接当てても、塗膜の割れは生じない。
【0042】本発明の効果を確認した実験の結果を、
(表5)にまとめて示す。
【0043】
【表5】 塗工幅は500mmでセラミック塗料を乾燥後で50μ
mとなるようにPETフィルムへ塗布したものを、乾燥
後で塗膜の割れ状態を目視で観察した。N2/N1が
1.2以上で且つ第1乾燥後の固形分濃度が60%以上
で、さらに塗膜乾燥の昇音速度が10゜C/sec以下
である実験No24、25であれば塗膜の割れが無く良
好なセラミックシートを得ることが可能である。
【0044】また乾燥中における塗膜の最高温度は20
0℃以下とすることも重要である。
【0045】第1乾燥501の塗布面側の風速を10
(m/s)以下とすることも極めて重要である。この範
囲よりも風速が速いと、塗膜表層における乾燥が促進さ
れすぎて塗膜内部との収縮差が大きくなり割れなどの致
命的問題となる。この対策としては、例えば第1乾燥5
01において塗布面側には熱風を当てずに、反塗布面側
からのみ熱風あるいは加熱ロールなどで加熱する方法
や、赤外線で加熱する方法がある。
【0046】さらに第1乾燥501と第2乾燥502と
の境界部分504における雰囲気温度差は10℃以下と
することも重要である。この範囲であれば、熱変動が小
さいのでフイルムと塗膜との収縮差が大きくなることも
なく、割れなどの致命的問題はなくなる。
【0047】本発明におけるセラミック塗料について、
図6を参照しながら説明する。塗料の組成において、セ
ラミック粉に対するバインダーの量を0.2〜2.8
(wt%)の範囲とする。この範囲よりもバインダー量
が少ないと結着性がなくなりセラミックシートにできな
い。また前記範囲よりもバインダー量が多いと、シート
中におけるバインダーの偏在で、シートの密度バラツキ
が生じ特性の低下となる。さらにバインダー量が多い場
合、粘度が高くなるためセラミック粉の分散性が低下
し、シートの密度バラツキが生じて特性が低下する。
【0048】本発明の効果を確認した実験の結果を、
(表6)にまとめて示す。
【0049】
【表6】 塗工幅は500mmでセラミック塗料を乾燥後で50μ
mとなるようにPETフィルムへ塗布したものを、乾燥
後で塗膜の割れ状態を目視で観察した。さらに乾燥後の
シートの密度バラツキを測定した。本発明の範囲内であ
る実験No27〜29であればバインダーの量が最適で
あるのでシートの柔軟性があり乾燥後の割れが無く、さ
らに塗膜の密度バラツキも小さくできる良好なセラミッ
クシートを得ることが可能である。
【0050】固形分濃度は60〜90%の範囲とするこ
とで適度な粘度となり、セラミック粉末の沈降の抑制が
可能で、生産を安定化できる。この範囲よりも密度が小
さいとバインダー量が少ないためにセラミック粉の沈降
など生産上の問題となる。また前記範囲より固形分濃度
が高いと、粘度が本発明の範囲を超えてしまい、均一に
塗布できなくなる。ここでセラミック粉としは、例えば
チタン酸バリウムなど特に限定しない。またバインダー
としては、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアルコールなど特に限定しない。
【0051】セラミック粉とバインダーと溶剤を真空状
態で混練、もしくは図6に示すように、減圧式攪拌タン
ク9内で攪拌することで塗料の中の空気量を極小化し、
シートの密度バラツキを抑制、均一なシートを得ること
ができる。ここでいう減圧とは60(torr)以下の
範囲である。これよりも減圧度が弱いと、脱泡が不十分
で、塗膜密度が不均一となり本発明の効果が損なわれ
る。
【0052】本発明の効果を確認するために、塗料に対
して減圧度で100,60,30(torr)の3種類
の脱泡を行い、塗工幅は500mmでセラミック塗料を
乾燥後で50μmとなるようにPETフィルムへ塗布し
たものを、乾燥後で塗膜の密度を測定した。減圧度10
0(torr)では密度のバラツキが5%もあったが、
60(torr)以下では1.5%以下と良好なシート
を得ることができた。
【0053】本発明における、セラミックシートのプレ
ス方法について図5を参照しながら説明する。塗布乾燥
されたシート6をロール7とプレスロール8でニップし
て、シートの高密度化と均一化を行う。
【0054】プレスロール8は、最外周801が金属
で、内周側802が樹脂あるいはゴムなど弾性体の層
で、最内部が金属芯803の構成とする。ロール7は特
に限定しないが、例えば金属ロール、樹脂ロール、上記
のプレスロール8と同様のロールなどを使用できる。プ
レス圧力は線圧力で100〜3000(N/cm)の範
囲内とする。
【0055】以上の構成により、弾性層802の弾力で
ロール7がロール8に食い込む形となり、この結果ロー
ル8のニップ幅は、前記線圧の範囲では5〜30mmに
なる。従って、従来の線接触のプレスとは異なり、比較
的大面積の面接触でプレスすることができ、シートを均
一且つ平滑にできる。平滑にできた結果、別工程での電
極印刷精度などを格段に向上させることができた。
【0056】本実施の形態により、セラミックシートの
厚みとして10〜200μmの比較的厚いものについ
て、シートの厚みや密度の均一性、ピンホールやシート
のひび割れを根本的に抑制することが可能となった。
【0057】本発明の効果を確認した実験の結果を、
(表7)にまとめて示す。
【0058】
【表7】 塗工幅は500mmでセラミック塗料を乾燥後で50μ
mとなるようにPETフィルムへ塗布したものを、最外
周801が肉厚5mmの金属、内周802は樹脂とし
た、直径300mmのプレスロールでプレスしたものの
シートの密度バラツキを測定した。実験No31は線圧
が低すぎて密度を均一化できなかった。本発明の範囲内
である実験No32、33では良好な均一シートを得
た。また実験No34は線圧が高すぎて、シートが延び
てしまい、製品を得ることが不可能であった。 (実施の形態2)本発明の実施の形態2によるセラミッ
クシートの製造方法を述べる。実施の形態1と異なる点
についてのみ説明する。
【0059】図3に、本発明の実施の形態2の製造方法
を示す。本実施の形態の最大の特徴は、キャリアフィル
ム3が通過する通路Pにおいて、フイルム3の両面側に
1つづつダイ1を配置し、双方のダイ1,1で塗膜を塗
布形成することにある。ダイ1は前記実施の形態1で述
べた手段と同様である。
【0060】これにより、両面側に塗膜があるので乾燥
中での塗膜の収縮は表裏で釣り合い、非常に平坦性に優
れたセラミックシートを得ることができる。この結果、
別工程での電極印刷精度や、積層精度を格段に向上させ
ることができた。
【0061】なお、本発明のセラミックシートは、上述
した本発明の製造方法によって製造されたセラミックシ
ートである。
【0062】また、本発明の電子部品は、そのようにし
て製造されたセラミックシートを用いた積層コンデン
サ、積層フィルタなどの電子部品である。
【0063】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、セラミックシートの厚みや密度の均一性、ピ
ンホールやシートのひび割れを根本的に抑制することが
可能となり、電子部品の歩留まりと特性の向上ができる
セラミックシートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のセラミックシートの製
造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のセラミックシートの製
造方法の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2のセラミックシートの製
造方法に用いられる製造装置の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1のセラミックシートの製
造方法の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1のセラミックシートの製
造方法に用いられる製造装置の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1のセラミックシートの製
造方法の説明図である。
【符号の説明】
1 ダイ 2 ロール 3 キャリアフイルム 4 セラミック塗料 5 乾燥工程 6 セラミックシート 7 ロール 8 プレスロール 9 減圧攪拌タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−77626(JP,A) 特開 平11−195324(JP,A) 特開 平8−118329(JP,A) 特開 平7−164417(JP,A) 特開 平5−4211(JP,A) 特開 昭62−105605(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 3/20 B28B 1/30 101 B28B 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリアフイルムを支持するためのバッ
    クロールと、そのロール対向する位置に設けられた、先
    端形状が平面であるダイとを備え、 前記ダイのスリットよりも上流側のリップ先端長さをL
    1、スリットよりも下流側のリップ先端長さをL2とし
    たとき、 L1≧L2で且つL1とL2は共に0.5mm以上であ
    り、 前記ダイの出口に液溜まり部が形成される、セラミック
    シートの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記ダイのリップ先端の真直度と平面度
    は10μm以内であることを特徴とする請求項記載の
    セラミックシートの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記ダイのスリットより脱泡処理され且
    つせん断速度が、100(1/s)における粘度が0.
    01〜10(Pa・s)であるセラミック塗料を押し出
    して前記キャリアフイルム上に塗布する請求項1記載の
    セラミックシートの製造装置。
  4. 【請求項4】 セラミック塗料を吐出するスリットを対
    向させた状態で、配置された1対のダイと、 そのダイの間に設けられ、両面に離形処理されたキャリ
    アフイルムが通過するキャリアフィルム通路と、 塗布されたキャリアフィルムを乾燥する乾燥部とを備
    え、 前記ダイのスリットよりセラミック塗料を押し出して、
    連続走行する前記キャリアフイルムの両面に塗布し、そ
    の後乾燥することを特徴とするセラミックシートの製造
    装置。
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