JP3481764B2 - アクリル系多段重合体 - Google Patents

アクリル系多段重合体

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JP3481764B2 JP03006296A JP3006296A JP3481764B2 JP 3481764 B2 JP3481764 B2 JP 3481764B2 JP 03006296 A JP03006296 A JP 03006296A JP 3006296 A JP3006296 A JP 3006296A JP 3481764 B2 JP3481764 B2 JP 3481764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐温水白化性、紫外
線遮断性能および耐衝撃保持性能に優れたアクリル系多
段重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチックの屋外での劣化は、
太陽光線中の紫外線による劣化が主因であり、これに空
気中の酸素および水分、温度等が組み合わされて劣化が
促進されるため、プラスチックの劣化を阻止するには、
紫外線を遮断したり、その作用を防止することが効果的
であるといわれている。紫外線を遮断する方法の一つと
してカーボンブラック、酸化チタン等の顔料を添加する
方法があるが、この方法は自由な色付けができなかった
り、性能が十分でなく満足できるものが少ないのが実状
である。
【0003】そこで、プラスチックに耐候性を付与する
ために、透明性、耐候性に優れているアクリル系樹脂、
特に耐衝撃性が要求される場合には架橋弾性体を含むア
クリル系多段重合体に紫外線吸収剤を混合して得られる
フィルムを、プラスチックの表面にラミネートする方法
が一般に用いられている。しかしながら、フィルムの紫
外線遮断性能は、単位表面積当たりの紫外線吸収剤の量
に比例するので、フィルムを薄くすればするほど大量の
紫外線吸収剤を混合する必要が生じ、例えば、厚さ0.
2mm以下(通常は0.04〜0.1mm)のフィルムにおいて
は、通常使用されている厚さ1mm以上のシートと同程度
の紫外線遮断性能を付与するためには、少なくとも1重
量%以上の紫外線吸収剤を混合する必要がある。このた
め、押出成形等の方法によりフィルムを成形した場合、
押出成形機のベント詰まりや冷却ロールの白化という操
作上の問題を生じ、また、さらに多量混合が必要な場合
にはフィルム表面を粗面化、マイグレーション、樹脂表
面への溶出(ブリードアウト)といった問題点が生じて
いた。
【0004】また、たとえ多くの紫外線吸収剤を添加し
たとしても、アクリル系樹脂と一般の紫外線吸収剤は相
溶性が悪く、また低分子化合物であるため、押出成形の
際その一部が揮発して所望の性能が得られなかったり、
時にはアクリル系樹脂外へ飛散して紫外線の遮断が経時
的に低下するという問題点もあった。例えば、ポリカー
ボネート等の熱可塑性樹脂を基材樹脂として、この表面
に紫外線吸収剤を混合した薄層のアクリル系樹脂を配し
た共押出による積層板が提案されているが、共押出時シ
ートダイは基材樹脂の溶融状態を保つために高温に保た
れ、さらにシートダイ中で高温で溶融した基材樹脂と接
触するため、アクリル系樹脂はアクリル系樹脂単独で成
形する温度よりも高温の状態下に置かれることになる。
このため、アクリル系樹脂に混合された紫外線吸収剤は
揮発しやすく、上記の問題点が顕著に発生する。また架
橋弾性体を含むアクリル系多段重合体を用いた場合にお
いては、架橋弾性体が劣化し、その特長である耐衝撃性
が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決すため、通常、ベント詰まりや冷却ロールの白化
を生じたときには装置の運転を停止し、白化物等を機械
的に除去する方法や、特定の紫外線吸収剤を選択し混
合する方法(特開昭59−78252号公報、特開平6
0−38411号公報、特開平2−88664号公報、
特開平5−255447号公報、特開平6−53733
号公報等参照)で対処しているが、上記の方法では、
生産性が低下し、コストのアップやフィルム表面性の低
下が避けられない。また上記の方法では、アクリル系
樹脂は吸湿性が比較的大きく、温水浸時や屋外で用い
た場合、混合している紫外線吸収剤がアクリル樹脂表面
から浸出し、紫外線遮断性能が低下したり、フィルムが
白化したりするなどの問題があった。特にフィルムが透
明である場合には、フィルムの白化現象は透明性を低下
させるため、その商品価値を著しく損なうことになる。
かくして、本発明の目的は、耐白化性、耐候性および耐
衝撃性の長期間にわたる保持性に優れたアクリル系多段
重合体およびそれからなるフィルムを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、架橋弾性体への
紫外線の作用を防ぎ架橋弾性体の劣化を抑え耐衝撃性を
保持するために、紫外線吸収性のある特定の単量体を架
橋弾性体に含有させるか、あるいはグラフト重合させる
ことで、より積極的に架橋弾性体近傍へ紫外線吸収性の
ある特定の単量体を局在化することが可能となり、これ
により架橋弾性体への紫外線の作用を防ぎ、耐衝撃性の
低下を抑え、耐温水白化性に優れたアクリル系多段階重
合体が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、上記目的は、本発明によれば、ジエ
ン系単量体単位および/またはアクリル酸アルキルエス
テル単位を主体とする架橋弾性体を含む多段階重合体に
おいて、その少なくとも1段階の重合体が、下記の一般
式(1)で示される単量体単位を少なくとも0.05重量
%含有し、粒子径が0.1μm以下であるアクリル系多
段階重合体、または下記の一般式(1)で示される単量
体単位を少なくとも0.05重量%含有する重合体がジ
エン系単量体単位および/またはアクリル酸アルキルエ
ステル単位を主体とする架橋弾性体とグラフト結合し
粒子径が0.1μm以下であるアクリル系多段重合体に
より達成することができる。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Xは水素原子またはハロゲン原子
であり、R1 は水素原子、メチル基、炭素数4〜6のt
-アルキル基より成る群から選択されるものであり、R2
は直鎖または分枝鎖状の炭素数2〜10のアルキレン
基であり、R3 は水素原子またはメチル基である。)
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる架橋弾性体は、ジエン系単量体単位および/
またはアクリル酸アルキルエステル単位を主体とするも
のであり、これらを構成する単量体を重合して得ること
ができる。ジエン系単量体としては、特に制限されない
が、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン等が好ましく用いられる。またアクリル酸アルキ
ルエステルとしては、重合反応性やコストの点などか
ら、アルキル基の炭素数が1〜8であるものが好まし
く、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチルなどが挙げら
れる。これらの単量体は2種以上を併用してもよい。
【0011】さらに要すれば、上記架橋弾性体として
は、前記ジエン系単量体やアクリル酸アルキルエステル
と共重合可能な他のエチレン系単量体を共重合させたも
のでもよい。共重合可能な他のエチレン系単量体として
は、例えば、塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化
ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
シアン化ビニル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルなどのビニルエステル、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル誘導体、
塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン、アクリル
酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウムなど
のアクリル酸及びその塩、メタクリル酸メチル、β−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルア
クリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミドなどのアクリル酸エステル誘導体、メタクリル
酸、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カルシウム
などのメタクリル酸及びその塩、β−ヒドロキシエチル
メタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メタクリルアミド、ポ
リエチレングリコールメタクリレート類などのメタクリ
ル酸エステル誘導体などを挙げることができる。
【0012】架橋弾性体には、好ましくは架橋性の1分
子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単
量体が共重合せしめられる。この多官能性単量体は通常
使用されるものでよく、例えば、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロー
ルメタンテトラメタクリレート、ジプロピレングリコー
ルジメタクリレートおよびこれらのアクリレート類、ジ
ビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリマレ
ート、ジビニルアジペート、アリルアクリレート、アリ
ルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリ
ルイソシアネートなどを使用することができる。これら
多官能性単量体は2種以上使用してもよい。
【0013】架橋弾性体のとしては、前記ジエン系単量
体および/またはアクリル酸アルキルエステル40〜1
00重量%と他のエチレン系単量体0〜60重量%とを
含む単量体に対して、共重合可能な前記多官能性単量体
0〜20重量%からなるものが好ましく、ジエン系単量
体および/またはアクリル酸アルキルエステル60〜1
00重量%と他のエチレン系単量体0〜40重量%とを
含む単量体に対して、共重合可能な多官能性単量体0〜
5重量%からなるものがより好ましい。また、耐候性を
向上させる目的で、前記アクリル酸アルキルエステル6
0〜100重量%とメタクリル酸メチルなどのメタクリ
ル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜4)
0〜40重量%との単量体に対して、共重合可能な前記
多官能性単量体0.5〜5重量%からなる架橋アクリル
酸エステル系弾性体が好ましく採用される。
【0014】本発明のアクリル系多段重合体は、上記架
橋弾性体を、少なくとも1段階内在させるものであっ
て、架橋弾性体を「軟」、硬質重合体を「硬」として表
現した場合、構造的には軟−硬の2段階重合体、硬−軟
−硬もしくは軟−硬−硬の3段階重合体、軟−硬−軟−
硬や硬−軟−軟−硬等の4段階重合体などの構成が可能
である。硬質重合体とは、メタクリル酸メチル単位を主
体とするものであり、メタクリル酸メチル単位を50重
量%以上、好ましくは60重量%以上と、これと共重合
可能な他のエチレン系単量体単位50重量%以下、好ま
しくは40重量%以下と、所望により上記多官能性単量
体単位0〜5重量%とから構成されるものが好ましい。
【0015】アクリル系多段重合体の最終段階である硬
質重合体としては、混練溶融性の点から、メタクリル酸
メチル単位50重量%以上とこれと共重合可能な他のエ
チレン系単量体単位50重量%以下とから成る熱可塑性
の重合体によって構成されることが好ましい。この最終
段階重合体は必要に応じてメルカプタン類等の連鎖移動
剤を用い重合度調整を行うことも可能である。
【0016】本発明のアクリル系多段重合体における、
一般式(1)で示される単量体単位は、上記のいずれの
段階の重合体に導入することも可能であるが、より効果
的には、架橋弾性体製造段階もしくはこれとグラフト結
合する次の段階に導入することが好ましい。一般式
(1)で示される単量体単位を構成する代表的な単量体
としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
リルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリルオキシ
エチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリルオキシ
プロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール 、2
−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリルオキシプロピル
フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリルオキシプロピ
−3'−t−ブチルルフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾール等が挙げられる。
【0017】上記の一般式(1)で示されるの単量体単
位を含む重合体において、その重合体中における単量体
単位の含有割合は、通常0.05重量%以上、好ましく
は0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上で
ある。その含有割合が0.05重量%未満では、耐紫外
線性が十分ではなく好ましくない。一方、一般式(1)
で示される単量体単位の含有割合の上限には特に制限が
ないが、重合操作性等の点で30重量%以下とするのが
妥当である。
【0018】一般式(1)で示される単量体単位をアク
リル系多段重合体に導入する方法としては、特に制限さ
れないが、通常一般式(1)で示される単量体単位を構
成する単量体を添加する段階のモノマー系に事前に溶解
させる方法が採用される。本発明のアクリル系多段重合
体の粒子径は、通常0.5μm以下、好ましくは0.2
μm以下、更に好ましくは0.1μm以下である。粒子
径が0.5μmを越える場合は、単位体積当たりのアク
リル系多段重合体が疎となりその耐紫外線性が低下する
傾向があり、必ずしも好ましくない。粒子径を小さくす
る事により、アクリル系多段重合体自体の耐紫外線性を
向上させるばかりでなく、フィルムやシートなどとした
場合の紫外線遮断効果も著しく改善させることができ
る。このため本発明のアクリル系多段重合体の粒子径の
下限は特に限定されないが、粒径を小さくすることに起
因するエマルジョンの濃度が増加するなど重合操作上の
観点から、0.01μm以上であることが好ましい。
【0019】上記アクリル系多段階重合体は、一般的に
は乳化重合法により、得ることができる。具体的な重合
方法としては、特に制限はなく公知の方法が使用でき、
例えば、特開昭53−58554号公報、特開昭57−
140161号公報、特開昭57−147539号公
報、特開昭64−66221号公報、特開平3−393
50号公報、米国特許第3793402号明細書、米国
特許第3808180号明細書、米国特許第44331
03号明細書などに開示されているような重合方法が採
用できる。アクリル系多段重合体を含むエマルジョン
は、通常の凝固(例えば塩を用いた凝固)と洗浄とによ
り、または噴霧、凍結乾燥などによる処理によりアクリ
ル系多段重合体が分離回収される。
【0020】アクリル系多段重合体には、目的に応じて
他の紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、老化防止剤
等の公知の添加剤などを配合することができる。これら
添加剤の配合量は、本発明の目的に支障のない範囲であ
れば特に制限されないが、通常アクリル系多段重合体の
総量に対して0.01〜20重量%の範囲で用いるのが
よい。本発明のアクリル系多段階重合体は、通常粉体状
のままあるいはペレット状として、これを押出成形する
ことにより、フィルムを形成することができるし、共押
出により積層体上にフィルム状物を設けることもでき
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中の部はすべて重量部である。なお実施例中
の略語は下記のとおりである。 MMA:メタクリル酸メチル BA:アクリル酸ブチル ALMA:アリルメタクリレート CHP:クメンハイドロパーオキサイト LM:ラウリルメルカプタン Fe:硫酸第一鉄 また、表1〜表4中の物性値は下記の方法により測定し
た。
【0022】(紫外線遮断性)サンプルの紫外線波長
(340nm)における透過率を測定した。 (耐衝撃保持性)サンプルをスーパーUVテスターを用
いて温度63℃にて500時間曝露し、曝露前のアイゾ
ッド衝撃値を100%とし500時間後の衝撃値を測定
し百分率で表わした。 (耐温水白化性)サンプルを80℃の温水に12時間浸
漬した後、室温の蒸留水に浸漬し、サンプルを室温まで
冷却させたのち取り出し、ガーゼで表面の水分を拭き取
り温水白化状態の観察、温水浸漬前後の光線透過率(可
視光線;波長600nm)の測定を行った。白化状態は目
視観察により以下のようにランク付けした。 ○:白化なし △:やや白化 ×:著しく白化
【0023】実施例1 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー導入管およ
び還流冷却器を備えた反応容器内に下記混合物(1)を
仕込み、器内を窒素ガスで充分に置換し実質的に酸素の
影響がない状態としたのち、内温を70℃に設定した。
そののち、下記混合物(2)を一括で加え第一段階の重
合を開始し、重合転化率を98%以上にして架橋弾性体
を含む第一段階のラテックスを得た。得られた架橋弾性
体の平均粒子径は0.05μmであった。つぎに下記混合
物(3)を0.5時間で連続的に添加して重合させ、添
加終了後さらに1時間重合を継続し重合転化率を98%
以上とした。それに続いて混合物(4)を1.5時間で
連続的に添加して重合させ、添加終了後さらに1時間重
合を継続し、重合転化率を98%以上にして重合を完了
し、ラテックスを得た。粒子径は、0.08μmであっ
た。
【0024】 混合物(1):脱イオン水:150部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム:1.8部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート:0.425部 Fe:0.015部 ピロリン酸ナトリウム:0.24部 混合物(2):MMA:6部 BA :24部 ALMA:0.2部 CHP:0.07部 混合物(3):2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシエチルフ ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:2部 MMA:11.66部 BA:0.24部 LM:0.06部 CHP:0.074部 混合物(4):MMA:56.94部 BA:1.16部 LM:0.29部 CHP:0.36部
【0025】このようにして得られたラッテクスを常法
に従い塩析、凝固させたのち熱処理し、冷却後、脱水、
洗浄、乾燥を行いアクリル系多段重合体を得た。得られ
た重合体を40mm押出機でペレット化した。得られた
ペレットを充分に乾燥した後、Tダイ押出法および射出
成形機により、厚さ50μmのフィルムおよび厚さ3mm
の平板を製造した。50μmフィルムは紫外線遮断性能
の測定に使用し、3mm平板は耐衝撃性および耐温水白化
性の測定に用いた。紫外線遮断性能の結果を表1に、耐
衝撃保持性の結果を表2に、耐温水白化の結果を表3に
示す。
【0026】実施例2および比較例1〜3 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム量およびFe量を
変更する以外は実施例1と同様の重合条件で重合し、表
1に示される粒子径のラテックスを得た。得られたラッ
テクスは実施例1と同様に処理して厚さ50μmのフィ
ルムを製膜し、紫外線吸収能を測定した。結果を表1に
示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例3 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー導入管およ
び還流冷却器をそなえた反応容器内に下記混合物(1)
を仕込み、器内を窒素ガスで充分に置換し実質的に酸素
の影響がない状態としたのち、内温を70℃に設定し
た。そののち、下記混合物(2)を一括で加え第一段階
の重合を開始し、重合転化率が98%以上にして架橋弾
性体を含む第一段階のラテックスを得た。得られた架橋
弾性体の平均粒子径は0.05μmであった。つぎに下記
混合物(3)を2時間で連続的に添加して重合させ、添
加終了後さらに1時間重合を継続し、重合転化率を98
%以上にして重合を完了し、第2段階のラテックスを得
た。粒子径は、0.08μmであった。
【0029】 混合物(1):脱イオン水:150部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム:1.8部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート:0.425部 Fe:0.015部 ピロリン酸ナトリウム:0.24部 混合物(2):MMA:6部 BA:24部 ALMA:0.2部 CHP:0.075部 混合物(3):2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシエチルフ ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:2部 MMA:68.6部 BA:1.4部 LM:0.35部 CHP:0.44部 得られたラッテクスは実施例1と同様に処理して射出成
形機を用いて3mm厚の平板を成形し、耐衝撃性の評価
に用いた。結果を表2に示す。
【0030】比較例4 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチ
ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを添加しない
以外は実施例3と同様にしてラテックスを得た。粒径は
0.08μmであった。得られたラッテクスを実施例1と
同様に処理して射出成形機を用いて3mm厚の平板を成
形し、耐衝撃性の評価に用いた。結果を表2に示す。
【0031】比較例5 前記比較例4において得られた重合体100部に対し、
紫外線吸収剤2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾール2部を添加し、実施例1に示した方法
でペレット化し、射出成形機により平板(厚さ3mm)を
作製し、耐衝撃保持性および耐温水白化の評価に用い
た。耐衝撃保持性の結果を表2に、耐温水白化評価結果
を表3に示す。
【0032】
【表2】
【0033】比較例6〜7 前記比較例4において得られた重合体100部に対し、
表3に示した紫外線吸収剤2部を添加し、実施例1に示
した方法でペレット化し、射出成形機により平板(厚さ
3mm)を作製し、耐温水白化の評価に用いた。耐温水白
化評価結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】 紫外線吸収剤A:2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール B:2-〔2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル) フ ェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール C:2,2-メチレンビス〔4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル) -6-2H-ベンゾトリアゾール-イル)フェノール〕
【0036】
【発明の効果】本発明のアクリル系多段階重合体は、耐
温水白化性、紫外線遮断性能および耐衝撃保持性に優れ
ており、フィルムとして好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−38411(JP,A) 特開 平5−262870(JP,A) 特開 平7−207106(JP,A) 特開 平8−48802(JP,A) 特開 平8−319326(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 265/06 C08F 279/02 C08F 285/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系単量体単位および/またはアク
    リル酸アルキルエステル単位を主体とする架橋弾性体を
    含む多段階重合体において、その少なくとも1段階の重
    合体が、下記の一般式(1)で示される単量体単位を少
    なくとも0.05重量%含有し、粒子径が0.1μm以下
    であることを特徴とするアクリル系多段階重合体。 【化1】 (式中、Xは水素原子またはハロゲン原子であり、R
    は水素原子、メチル基、炭素数4〜6のt-アルキル基
    より成る群から選択されるものであり、Rは直鎖また
    は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基であり、R
    は水素原子またはメチル基である。)
  2. 【請求項2】 下記の一般式(1)で示される単量体単
    位を少なくとも0.05重量%含有する重合体が、ジエ
    ン系単量体単位および/またはアクリル酸アルキルエス
    テル単位を主体とする架橋弾性体とグラフト結合してい
    ることを特徴とする請求項1に記載のアクリル系多段重
    合体。 【化2】 (式中、Xは水素原子またはハロゲン原子であり、R
    は水素原子、メチル基、炭素数4〜6のt-アルキル基
    より成る群から選択されるものであり、Rは直鎖また
    は分枝鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基であり、R
    は水素原子またはメチル基である。)
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のアクリル系多
    段重合体からなるフィルム。
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