JP3480279B2 - 水耕栽培施設におけるピッチ漸増式トラフ群搬送装置およびトラフ搬送方法 - Google Patents

水耕栽培施設におけるピッチ漸増式トラフ群搬送装置およびトラフ搬送方法

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JP3480279B2 JP30968397A JP30968397A JP3480279B2 JP 3480279 B2 JP3480279 B2 JP 3480279B2 JP 30968397 A JP30968397 A JP 30968397A JP 30968397 A JP30968397 A JP 30968397A JP 3480279 B2 JP3480279 B2 JP 3480279B2
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均 田本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水耕栽培施設におけ
るピッチ漸増式トラフ群搬送装置およびトラフ搬送方法
に係り、詳しくは、葉菜類を植生する多数の植鉢を支持
して底部に液肥が流通されるトラフのピッチを、葉菜類
の成長に応じて拡げることができるようにした水耕栽培
装置やその操作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】葉菜類を栽培する場合、図14の(b)
のように、成長に応じて植鉢を支持したトラフ1のピッ
チをp1 からp2 、p2 からp3 といったように徐々に
増大させ、トラフピッチが一定のp0 とされた同図の
(a)の場合に生じる幼少期の無用な空間の減少を図
り、単位面積あたりの栽培数量の増大や電照効率の向上
を実現した装置の提案が幾つかなされている。
【0003】水耕栽培施設においては、例えば、図12
の(a)に示すように、長手方向に配置された複数の鉢
孔10a,10aによって各植鉢を支持するベルト10
が上部のベルト挿入溝1aに挿通され、かつ、下部に液
肥を流して野菜等を栽培できるようにしたトラフ1があ
る。そのようなトラフを使用した栽培施設において、ベ
ルト10における植鉢のピッチを変えることはできない
ので、トラフのピッチを必要に応じて漸増させることが
できるトラフ搬送装置が採用される。
【0004】特開平3−127919号公報には、トラ
フのピッチを回転ねじ棒によって変更できるようにした
装置が開示されている。図13の(b)に示すように、
その回転ねじ棒31には、始端側から終端側に向けて、
各同数のねじピッチp1 ,p2 ,p3 ,p4 が段階的に
徐々に大きくなるように形成されている。
【0005】長いトラフ1は複数本の固定ビーム32に
より支持されてトラフ列をなしているが、各トラフ1の
下面に突設した係合部材1kを平行する固定ビーム3
2,32間に配置した少なくとも二本の回転ねじ棒3
1,31(図示は一本)の螺旋溝31aに噛みあわせて
おくと、回転ねじ棒31の一回転によって所望距離ずつ
固定ビーム32上で図の右方向へ前進させることができ
る。
【0006】図の例では一日に供給されるトラフの数も
収穫されるトラフの数もそれぞれ三本であり、三回転さ
せると同一ピッチ配置の各トラフ群が螺旋溝ピッチの変
わる箇所で相互にひき離され、少しずつ大きいピッチの
トラフ群となるように配置変更される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一日に8本
のトラフを固定ビーム32の左端に供給し、18日後に
終端で8本収穫するといった規模の小さい場合でも、ト
ラフは全部で144本となる。トラフの幅を5cmとし
て最初の8日間分はトラフ1,1を密接させ、9日経過
分以降のトラフの中心間距離(トラフピッチ)を1cm
ずつ増やして収穫前日に15cmとなるよう大きくした
とすると、回転ねじ棒31には、8本×5cm×8日+
8本×6cm+8本×7cm+・・・+8本×14cm
+8本×15cm=1,160cm≒12mの長さが要
求される。
【0008】直径10ないし15cmの棒材に、螺旋溝
31aを10m以上にわたって施す加工は容易でない。
加えて、ギヤードモータなどの駆動装置や支持のための
軸受等に多くの部品を要して、精度の高い据えつけ工事
が要求される。また、栽培規模が大きくなって50mも
の回転ねじ棒が使用される場合などでは設備費が著しく
嵩む。また、回転ねじ棒には捩じれが作用することにな
り、長いほどトラブルの発生は避けられない。
【0009】また、上記した回転ねじ棒によるピッチ漸
増式トラフ群搬送装置においては、各トラフが固定ビー
ムに常に載せられた状態にあって、その結果、回転ねじ
棒により搬送される際にトラフの下面が固定ビームと常
時摺接することになり、搬送中にトラフの姿勢が安定し
なくなったり、甚だしくはトラフが倒れるおそれがあ
る。
【0010】ところで、特開平8−23804号公報に
は、固定ビームに乗載されたトラフ群を、昇降ビームと
その昇降ビーム上でスペーシングする移送用ブロックと
によって搬送するピッチ漸増式トラフ群移動装置が記載
されている。この移動装置においては、トラフを搬送す
るとき移送用ブロックがトラフ群を固定ビームから受け
取って上昇し、その後に移動するようになっている。し
たがって、搬送中は常に昇降ビームに支持されており、
トラフの安定性は高くなる利点がある。
【0011】しかし、昇降ビームと移送用ブロックとの
連動によるウォーキング運動であるため、各移送用ブロ
ックを水平に変位させるスペーシングロッドのための変
位用アクチュエータと、各昇降ビームを上下させるため
の昇降用アクチュエータが必要となっているが、移送用
ブロックはトラフ群を固定ビームから持ち上げることに
なるので、それを上下動させる昇降ビームの昇降用アク
チュエータには高い油圧力が要求される難点がある。
【0012】本発明は上述の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、温室内などへの設置が容易であり、ト
ラフ列が長大な場合でも精度の高い部品や装置の製作が
回避され、故障の著しく少ない設備費の低減を図ること
ができること、トラフを搬送する際の安定性の確保とト
ラフを持ち上げるための動力消費をなくして、トラフ群
ごとに与えられたトラフピッチを葉菜類の成長に応じて
徐々に増大させることができるようにすること、を実現
した水耕栽培施設におけるピッチ漸増式トラフ群搬送装
置およびトラフ搬送方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、長手方向に配
置された複数の鉢孔によって各植鉢を支持するベルトが
上部に挿通されかつ下部に液肥を流して前記植鉢に植生
した葉菜類を水耕栽培できるようにしたトラフが平行に
多数配列され、そのトラフ列が同一ピッチにある所定本
数のトラフからなる幾つかのトラフ群に区分され、各ト
ラフ群におけるトラフピッチが葉菜類の成長に応じて徐
々に大きくなるように各トラフを移動させることができ
るピッチ漸増式トラフ搬送装置に適用される。その特徴
とするところは、図1を参照して、定植側から収穫側へ
延びトラフ1を乗載すると共にそのトラフを摺動可能と
した乗載面9cを有する支持ビーム9を備え、同一幅の
多数のトラフ1をその支持ビーム9に交差するように乗
載した状態で、定植側と収穫側との間で往復動するトラ
フ搬送体4が設けられる。そのトラフ搬送体の側部にお
いてそのトラフ搬送体4に平行して配置されて進退する
トラフストッパー保持体5と、そのトラフストッパー保
持体に葉菜類の成長に応じて徐々に大きくなるトラフピ
ッチpi で配置され、トラフ搬送体4を往復動させたと
き各トラフ1の所定以上の変位を阻止するために定植側
に形成された往動規制面6aと収穫側に形成された復動
規制面6bとを個々に備える多数のストッパー6,6と
が設けられる。トラフ搬送体4をトラフピッチpi のう
ちの最大ピッチp4 より長いストロークSで往復動させ
るトラフ変位用アクチュエーター7と、ストッパー6が
各トラフ1に離接するように、トラフストッパー保持体
5を進退させるストッパー変位用アクチュエーター8と
が装備され、トラフ搬送体4を往復動させるにもかかわ
らず、ストッパー6の往動規制面6aまたは復動規制面
6bに当接して各トラフ1を支持ビーム9に対して摺動
させつつ所定以上の変位を阻止しながら、葉菜類の成長
に応じたピッチで配置すべく移動することができるよう
にしたことである。
【0014】トラフ変位用アクチュエーター7は、トラ
フ搬送体4をトラフピッチpi のうちの最大ピッチp4
からトラフ1の幅寸法Wとストッパー6の幅寸法wとの
和を差し引いた長さ以上を有する第一ストロークS1
け収穫側へ往動させ、さらに収穫側へトラフ1の幅寸法
Wとストッパー6の幅寸法wとの和の長さ以上を有した
第二ストロークS2 だけ往動させ、その後に、第一スト
ロークS1 と第二ストロークS2 との和の長さSだけ定
植側へ復動させるようになっている。
【0015】トラフストッパー保持体5は、トラフ搬送
体4の側部において昇降するようになっていたり、図1
1の(b)のように、トラフ搬送体4の側部において支
持ビーム9の左右方向へ横動するようにしておけばよ
い。
【0016】ピッチ漸増式トラフ群搬送装置におけるト
ラフ搬送方法は、まず、トラフ搬送体4上に多数のトラ
フ1,1を乗載させると共に、トラフストッパー保持体
5の各ストッパー6の復動規制面6bに当接させる(図
4の(a)を参照)。次に、トラフ搬送体4を各トラフ
1が載った状態で第一ストロークS1 だけ収穫側へ往動
させることにより、いずれのトラフをもストッパー6の
往動規制面6aに当接させる(図6の(a)を参照)。
トラフ搬送体4が停止した時点で、ストッパー6が各ト
ラフ1より離反するようにトラフストッパー保持体5を
退避させる(図6の(b)を参照)。さらに、ストッパ
ー6が各トラフより離反した状態で、トラフ搬送体4を
収穫側へ第二ストロークS2 だけ往動させる(図6の
(c)を参照)。トラフ搬送体4が停止した時点で、ス
トッパー6が各トラフ1の定植側に位置するようにトラ
フストッパー保持体5を進出させ(図7の(a)を参
照)、ストッパー6が各トラフへ進出した状態から、ト
ラフ搬送体4を第一ストロークS1 と第二ストロークS
2 との和の長さSだけ定植側へ復動させる(図7の
(c)を参照)。これを繰り返す間にトラフ搬送体4の
収穫側端に位置するトラフ143を取り除くと共に定植側
端に新しいトラフ103を乗載し、各トラフ1を支持ビー
ム9に対して摺動させつつ所定以上の変位を阻止しなが
ら、葉菜類の成長に応じたピッチで配置すべく移動する
ようにしたことである。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、トラフ搬送体とその支
持ビームに向けて進退するストッパーとを備えたスペー
シング機構により、往復動する支持ビームを介して、各
トラフ群のトラフピッチを所望する次のトラフピッチに
拡大しつつトラフ列の全体を所望距離ずつ移動させるこ
とができる。ピッチ漸増式トラフ群搬送装置としては、
回転ねじ棒の場合より製作精度も低くて済み、かつ構造
が簡単なものとなる。また、トラフ群の搬送の際に各ト
ラフが支持ビームの乗載面と相対的に変位可能であるの
で、ウォーキング運動するような場合に必要となるトラ
フの持ち上げ動作が回避され、トラフの搬送に要する動
力の著しい節減が図られ、故障の発生も少なくなる。そ
れゆえ、栽培規模が大きくなっても、スペーシング機構
の大型化や複雑化を回避して、生産規模の拡大を図るべ
くスペーシング機構の長大化にも容易に対応させること
ができる。
【0018】各トラフは支持ビーム上で摺動することに
なるが、搬送中は支持ビームに伴われて移動し、摺動し
ている時点ではストッパーの往動規制面もしくは復動規
制面に当接しているので簡単に倒れることはない。スト
ッパーを適宜のタイミングで進退させることができると
共に支持ビームの変位量を適宜選択すると、ストッパー
とトラフとが無用の干渉を起こすこともなく、全てのト
ラフ群を所定のトラフピッチに拡大することが可能とな
る。
【0019】トラフ搬送体をトラフピッチのうちの最大
ピッチからトラフの幅寸法とストッパーの幅寸法との和
を差し引いた長さ以上を有する第一ストロークだけ収穫
側へ往動させ、さらに収穫側へトラフの幅寸法とストッ
パーの幅寸法との和の長さ以上を有した第二ストローク
だけ往動させ、その後に、第一ストロークと第二ストロ
ークとの和の長さだけ定植側へ復動させるようになって
いるトラフ変位用アクチュエーターを採用すれば、各ト
ラフを支持ビームに対して摺動させつつ所定以上の変位
を阻止しながら、葉菜類の成長に応じたピッチで配置す
ることが円滑に達成される。
【0020】トラフストッパー保持体を、トラフ搬送体
の側部において昇降するように、または支持ビームの左
右方向へ横動するようにしておけば、トラフ搬送体を往
復動させる際に各トラフをストッパーによって簡単かつ
確実に停止させる機構が実現される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るピッチ漸増
式トラフ群搬送装置ならびにトラフ搬送方法を、その実
施例に基づいて詳細に説明する。図1は、トラフ列が同
一ピッチにある所定本数のトラフ1,1からなる幾つか
のトラフ群2,2に区分され、各トラフ群におけるトラ
フピッチが葉菜類の成長に応じて徐々に大きくなるよう
に各トラフを移動させることができるピッチ漸増式トラ
フ搬送装置3の概略正面面である。
【0022】スペーシング機構を有した搬送装置3は、
全てのトラフを支持して搬送するトラフ搬送体4と、こ
のトラフ搬送体の側部において進退するトラフストッパ
ー保持体5と、トラフ搬送体4を往復動させたとき各ト
ラフ1の所定以上の変位を阻止するためにトラフストッ
パー保持体5に配置された多数のストッパー6とを主た
る構成としている。そして、トラフ搬送体4を往復動さ
せるトラフ変位用アクチュエーター7と、トラフストッ
パー保持体5を進退させるストッパー変位用アクチュエ
ーター8も装備されている。
【0023】この装置は、トラフ搬送体4を往復動させ
るにもかかわらず、ストッパー6に当接して各トラフを
トラフ搬送体4に対して摺動させつつ所定以上の変位を
阻止しながら、葉菜類の成長に応じたピッチで配置すべ
く各トラフを徐々に移動することができるようになって
いるものであり、以下のように構成される。
【0024】図1では、簡略化を図るために一つのトラ
フ群2が三本のトラフ1,1からなり、トラフ群ごとに
トラフピッチの異なる全部で四つのトラフ群21
2 ,23 ,24 が形成されている。すなわち、一日分
として供給されるトラフを三本として、五日目の朝に収
穫されるトラフも三本となっている。上記したトラフ搬
送体4は同一ピッチpi (i=1,2,3,4、以下の
説明において同じ)をなす4つのトラフ群2i を搬送す
るために、全トラフ群を乗載しておくことができる長さ
となっている。
【0025】各トラフ1の上部には、図12の(a)に
示したように、長手方向に配置された複数の鉢孔10
a,10aを用いて(b)に示す植鉢11を支持するプ
ラスチック製のベルト10が挿通されている。そのベル
ト10は定植や収穫の作業において図示しない装置から
繰り出されたり、巻き取られるようになっている。
【0026】トラフ1の下部には、図3に示す液肥管1
2から供給された液肥13が流される。そのために、ト
ラフ1は例えば2度の左下がりとされ、トラフ1に直交
する少なくとも二箇所に配置された支持ビーム9,9に
支持される。液肥13は排液トラフ14Aを経て回収さ
れるようになっているが、液肥管12の下方にもこぼれ
た液肥を回収する集液トラフ14Bが設置される。
【0027】図1を参照して、前後に延びる一つのライ
ンには、予め12本のトラフ111,112,113,121
22,123,131,・・・,142,143がトラフ列をな
して載せられている。後端(図における左側)のトラフ
群21 は前日供給された三本であり、前端のトラフ群2
4 は四日前に供給されて移動し今日収穫される三本であ
る。
【0028】トラフ群21 の三本のトラフ111,112
13は例えば略密接して配置されており、そのピッチは
1 である。以後のトラフ群22 におけるトラフピッチ
はp2 といったように、野菜等の成長に応じて徐々に大
きくなっている。ちなみに、トラフ群2i の右端のトラ
フ1i3とトラフ群2(i+1) の左端のトラフ1(i+1)1との
ピッチはp(i+1) でもよいが(図14の(b)を参
照)、図示の例ではpi とされている。
【0029】上記したトラフ搬送体4は、図1に示すよ
うに、定植側から収穫側へ延びトラフ1,1を乗載する
と共にトラフを摺動可能とした乗載面9cを有する例え
ば矩形断面の支持ビーム9を備え、図2に示すように、
同一幅の多数のトラフ1,1を支持ビーム9に交差する
ように乗載した状態で、左側の定植側と右側の収穫側と
の間で実線の状態から仮想線の状態へそしてその逆方向
へ往復動するものである。この例では、トラフ搬送体4
はレール15,15上を車輪9r,9rを介して水平に
変位するトラフ支持ビーム台車4Aである。支持ビーム
9,9はトラフを支持すべく少なくとも二本設けられ、
横ビーム9a,9bや図示しないブレースによって枠体
化されている。
【0030】このトラフ支持ビーム台車4Aは、油圧シ
リンダー等のトラフ変位用アクチュエーター7によって
支持ビーム9,9が同時に往復動できるようになってい
る。このアクチュエーターは、後述するが、支持ビーム
9をトラフピッチpi のうちの最大ピッチp4 (図1を
参照)以上の長さを有した一定のストロークSで往復動
するものが採用される。そして、支持ビーム9に乗載さ
れているトラフ1は、その下面が支持ビームに対してス
ライドできる面接触構造となっているので、トラフ1の
移動を阻止する次に述べるストッパー6に当接すると、
支持ビーム9が往動もしくは復動を続けても、トラフピ
ッチpi を所望する次のピッチpi+1 に拡大させた時点
で、以後のピッチ拡大を停止しておくことができるよう
になっている。
【0031】トラフストッパー保持体5は、トラフ支持
ビーム台車4Aの側部において、支持ビーム9に平行し
て配置されて、図1の実線と仮想線で示す間を昇降する
ように進退するものである。このトラフストッパー保持
体には、葉菜類の成長に応じて徐々に大きくなるトラフ
ピッチで同一幅wの多数のストッパー611,612
13,621,・・・,643が配置されている。このスト
ッパー6は、図2に示すように支持ビーム9に沿ってト
ラフピッチpi と同じ間隔で配置され、トラフ支持ビー
ム台車4Aのように往復動することはない。ちなみに、
本搬送装置は最先端のトラフ143をラインから送り出す
と共に新たなトラフを最後端に配置して前進させること
を目的としているので、この例では、トラフストッパー
保持体5の収穫側端にストッパー643が設けられ、定植
側端にストッパー60 が設置されている。
【0032】ストッパー6は、トラフ支持ビーム台車4
Aを往復動させたとき各トラフの所定以上の変位を阻止
するため、定植側に形成された往動規制面6aと収穫側
に形成された復動規制面6bを個々に備えている。その
往動規制面6aは、トラフ1が当接すると支持ビーム9
の往動にもかかわらずトラフ1,1のそれ以上の送り動
作を阻止するためのものであり、復動規制面6bも、ト
ラフ1が当接すると支持ビーム9の復動中にトラフの無
用の戻り動作を阻止するものである。なお、ストッパー
6は短い丸棒や角棒が採用されるが、この機能を発揮さ
せる規制面を有するものであればその形状や大きさは特
に制約の課せられるものでない。
【0033】前記したストッパー変位用アクチュエータ
ー8(図1を参照)は、ストッパー6,6が各トラフ1
から一斉に離接して上下方へ進退するように、トラフス
トッパー保持体5を昇降させるように機能する。なお、
トラフストッパー保持体5は極めて軽量であるので、低
圧の油圧シリンダーや空圧シリンダーでよい。もちろ
ん、後述する図11の(b)においてトラフ変位用アク
チュエーターとして採用しているようなリンク機構7A
としても差し支えない。
【0034】一方、前記したトラフ変位用アクチュエー
ターの動きを詳しく述べると、図1を参照して、トラフ
搬送体4をトラフピッチのうちの最大ピッチp4 からト
ラフ1の幅寸法Wとストッパー6の幅寸法wとの和を差
し引いた長さ〔p4 −(W+w)〕もしくはそれ以上を
有した第一ストロークS1 だけ収穫側へ往動させ、さら
に収穫側へトラフ1の幅寸法Wとストッパー6の幅寸法
wとの和もしくはそれ以上の長さを有した第二ストロー
クS2 だけ往動させ、その後に、第一ストロークS1
第二ストロークS2 との和の長さSだけ定植側へ復動さ
せるようになっている。
【0035】以下に、図2に示すように、ストッパー6
の幅wが10mmであり、幅Wが50mmの三本のトラ
フ111,112,113を有してトラフピッチp1 が80m
mのトラフ群21 、三本のトラフ121,122,123から
なりトラフピッチp2 が100mmのトラフ群22 、三
本のトラフ131,132,133からなりトラフピッチp 3
が135mmのトラフ群23 、三本のトラフ141
42,143からなりトラフピッチp4 が180mmのト
ラフ群24 といったように四つのトラフ群からなる水耕
栽培施設であるとして、それらのトラフ群2i がスペー
シング機構によって搬送され、それぞれのトラフピッチ
i がpi+1 に拡大される全体的な動きを順に説明す
る。
【0036】図4の(a)は収穫直前を示した初期状態
であって、トラフ支持ビーム台車4A上に多数のトラフ
1,1を乗載させると共に、トラフストッパー保持体5
におけるトラフの各左側のストッパー6の復動規制面6
bに当接している。このときトラフ群21 のトラフは各
右側に存在するストッパー6の往動規制面6aとの間に
20mmの隙間が残され、トラフ群22 においては40
mm、トラフ群23 においては75mm、トラフ群24
においては120mmの隙間が残された状態となってい
る。
【0037】すなわち、各ストッパー6の往動規制面6
aは各トラフ1の前方側に位置しており、支持ビーム9
が往動してもいずれのトラフもストッパー6に邪魔され
ることなく前進させることができる状態にある。なお、
トラフ群21 を可及的に最小ピッチとしておく場合は上
記とは異なり、各トラフ1j(但しj=1,2,3)をス
トッパー61jと接するように配置しておけばよく、この
場合には、支持ビーム9を往動させても前進するのは、
トラフ群22j,23j,24jだけとなることは言うまでも
ない。ちなみに、トラフ143,142,141からの収穫作
業と、発芽して間もない幼苗の定植された新しい三本の
トラフの追加とは朝のうちに行われ、トラフ群2i のト
ラフピッチpi は収穫の前日に与えられている。
【0038】このような状態において、トラフ支持ビー
ム台車4Aが各トラフを乗載した状態で第一ストローク
1 である120mmだけ前進すると、すなわち、トラ
フピッチpi のうちの最大ピッチp4 =180mmから
トラフ1の幅寸法W=50mmとストッパー6の幅寸法
w=10mmとの和を差し引いた長さ120mmのトラ
フ変位用アクチュエーターの縮小動作によって収穫側へ
往動させると、全てのトラフ1,1がストッパー6の往
動規制面6aに当接する。
【0039】順を追って説明する。まず、支持ビーム9
が往動を開始して支持ビームが20mm往動したところ
で、図4の(b)に示すように、当初20mm離れてい
たトラフ111,112,113はストッパー611,612,6
13の往動規制面6aに当接してトラフピッチp1 =80
mmを維持し、それ以上の前進が阻止される。しかしな
がら、他の部分、例えばトラフ122とストッパー622
は20mmの間隔を残し、トラフ132とストッパー632
との間隔は55mm、トラフ143とストッパー643とは
100mmとなる。
【0040】支持ビーム9がさらに20mm往動され
る。当初40mm離れていたトラフ121とストッパー6
21とは、図5の(a)に示すように当接する。トラフ1
22とストッパー622や、トラフ123とストッパー623
同様である。したがって、トラフピッチp2 =100m
mを維持したトラフ121,122,123のそれ以上の前進
が阻止される。しかし、他の部分、例えばトラフ132
ストッパー632とは35mmの間隔を残し、トラフ143
とストッパー643との間隔は80mmとなる。なお、ト
ラフ群21 はストッパー61jの往動規制面6aにすでに
当接しており、支持ビーム9のこの20mmの往動の間
はトラフ111,112,113は支持ビーム9上を摺動し
て、その位置にとどまる。
【0041】支持ビーム9がさらに35mm往動され
る。その結果、トラフピッチp3 =125mmであって
当初75mm離れていたトラフ131とストッパー631
は、図5の(b)に示すように当接する。トラフ132
ストッパー632や、トラフ133とストッパー633も同様
である。したがって、トラフピッチp3 =125mmを
維持したトラフ131,132,133は35mm前進したと
ころで停止し、トラフ131,132,133のそれ以上の前
進が阻止される。しかし、他の部分、例えばトラフ142
とストッパー642とは45mmの間隔を残す。
【0042】支持ビーム9がさらに45mm往動される
が、当初120mm離れていたトラフ141とストッパー
41とが、図6の(a)に示すように当接する。トラフ
ピッチp4 =180mmのトラフ142,143も同様にス
トッパー642,643の往動規制面6aに当接する。この
ようにして、トラフ変位用アクチュエーターによる最大
ピッチp4 からトラフの幅寸法とストッパーの幅寸法と
の和(=60mm)を差し引いた120mmのストロー
クにより、全てのトラフ1,1が所定の距離だけ搬送さ
れ、かつ所望するトラフピッチが維持される。
【0043】なお、第一ストロークS1 としての120
mmは、計算上各トラフ1をストッパー6に当接させる
ために必要であるが、120mmより大きい例えば12
5mmを選定しておくことが好ましい。支持ビーム9を
5mm過剰に移動させることによって、各トラフとスト
ッパーとの当接を完全かつ確実なものとすることができ
るからである。この5mm増程度の過大なストローク
は、トラフ変位用アクチュエーターや栽培装置全体の設
備構成に特に支障を与えるものでないことは言うまでも
ない。
【0044】このようにして各トラフ群2は所定の距離
だけ移されるが、トラフ143を収穫箇所へ移すため、ト
ラフ支持ビーム台車4Aが停止した時点で、ストッパー
6を各トラフより離反させるべくストッパー変位用アク
チュエーターを縮小して、図6の(b)のようにトラフ
ストッパー保持体5が降下される。そして、ストッパー
6が各トラフより完全に離反したときトラフ変位用アク
チュエーターをさらに縮小させ、トラフ支持ビーム台車
4Aが収穫側へトラフの幅寸法Wとストッパーの幅寸法
wとの和の長さ以上を有した第二ストロークS2 だけ、
図6の(c)に示すようにさらに往動される。これによ
って、支持ビーム9は所定のストロークの往動を完了す
る。この動作によって全てのトラフが前進し、トラフ1
43は収穫すべき位置に到達する。
【0045】なお、第二ストロークS2 としてはトラフ
の幅寸法Wとストッパーの幅寸法wとの和である60m
mと選定してもよいが、次に述べる後続の動作を円滑な
ものとするために、60mmに例えば5mmを加えた長
さを選定しておくことが好ましい。以下の説明において
は第二ストロークS2 は65mmであるとする。
【0046】上記のごとくトラフ支持ビーム台車4Aが
停止した時点で、ストッパー6が各トラフ1の定植側に
位置するように、トラフストッパー保持体5はストッパ
ー変位用アクチュエーターの伸長により上昇する。図6
の(c)において各トラフはストッパー6の復動規制面
6bより5mm過剰に前進しているので、図7の(a)
の動作において、上昇してきたストッパー6がトラフ1
と干渉することなく、各ストッパー6が円滑にトラフの
定植側に配置されることになる。
【0047】この状態で、第一ストロークS1 が120
mmとされている場合には、トラフ変位用アクチュエー
ターを伸長することにより、トラフ支持ビーム台車4A
を第一ストロークS1 と第二ストロークS2 との和の長
さである185mmだけ定植側へ復動させる。まず、5
mm復動した時点で図7の(b)に示すように、各トラ
フ1がストッパー6の復動規制面6bに当接する。引き
続いての180mmの復動の間は、全てのトラフ1の復
動がストッパー6によって阻止されるので、トラフ支持
ビーム台車4Aのみが図7の(c)のように復動し、ト
ラフ支持ビーム台車は図4の(a)の位置へ戻る。
【0048】支持ビーム9においては最初にトラフ111
が存在した位置にトラフがなく、トラフ111はトラフ1
12が最初に乗載されていた位置に移動している。同様
に、ストッパー641と最初に当接していたトラフ142
トラフ143の位置へ移動しており、トラフ143はトラフ
の存在していなかったストッパー643の収穫側へ移って
いる。
【0049】なお、第一ストロークS1 として125m
mが選定されている場合には、トラフ変位用アクチュエ
ーターを全部で190mm伸長させることになる。この
場合も、図7の(b)のように5mm復動した時点で各
トラフ1がストッパー6の復動規制面6bに当接する。
その後に185mm復動させれば、トラフ支持ビーム台
車は図4の(a)の位置に戻る。
【0050】以上の動作によって、各トラフは支持ビー
ム9に対して摺動されつつ所定以上の変位が阻止されな
がら、葉菜類の成長に応じたピッチで配置されるように
徐々に移動される。図7の(c)においては、トラフ1
43から収穫すべく、図12に示したベルト10を一方端
で巻取り、ベルト10に伴われてトラフの端から出た植
鉢11が鉢孔10aから取り出されて収穫される。もし
くは、トラフ143を支持ビーム9から取り除いて、図示
しない不動の収穫用ビームに乗せ替え、同様の要領で収
穫される。
【0051】この収穫作業の間に、定植側の空部分には
幼苗の定植された新しいトラフ103が載せられる(図7
の(c)を参照)。その際、トラフ103はストッパー6
0 の復動規制面6bに当接するように、破線のごとく載
せられ、図4の(a)と全く同じ状態になる。なお、本
例においてはストッパー60 の復動規制面6bとストッ
パー611の往動規制面6aとの間が70mm確保されて
いるが、幼苗はトラフ103からはみ出るほどに大きくな
いので、このトラフ103はストッパー60 ,611の間に
載せさえすれば十分である。
【0052】このように、トラフストッパー保持体5の
収穫側端に位置するストッパー643の復動規制面6bに
当接しているトラフ143をトラフ支持ビーム台車4Aか
ら取り除くと共に、定植側端に位置するストッパー60
の復動規制面6bに当接するように新しいトラフ103
乗載し、これを繰り返すことによって、各トラフを支持
ビーム9に対して摺動させつつ所定以上の変位を阻止し
ながら、各トラフが徐々に移動される。
【0053】なお、図6の(c)の時点でトラフ143
収穫することができる位置に到達しているので、このと
きから収穫を開始してもよい。しかし、上記したように
支持ビーム9がそれ以後復動するので、トラフ143を図
8の(a)に仮想線で示したように持ち上げておく必要
がある。そのために、図8の(b)に示すようなリフト
機構19を採用するなどして、収穫用トラフ受け台20
を昇降させるようにすればよい。支持輪19aを矢印2
1方向へ少し移動させればX脚19bが仮想線から実線
のように変化して高くなり、支持ビーム9に乗載されて
いたトラフ143が支持ビームから浮上し、以後のトラフ
支持ビーム台車4Aの復動に何ら支障の生じることがな
い。
【0054】再度、トラフ支持ビーム台車4Aが185
mm往動されると、上記した図4から図7までの動作が
行われ、トラフ142が収穫位置に到達する。したがっ
て、先のトラフ143の収穫作業は次のトラフ142が到達
するまでの間に行われる。逆に言えば、トラフ143の葉
菜類の全てを収穫できる作業時間を見込んでトラフ支持
ビーム台車4Aが復動しそして往動される。
【0055】なお、上記の例においては、トラフ支持ビ
ーム台車4Aが120mm変位した時点で第一リミット
スイッチ25Aが動作し(図6の(a)を参照)、トラ
フ変位用アクチュエーターのそれ以上の縮小を停止させ
ると同時にストッパー変位用アクチュエーターの縮小動
作を開始させる。トラフストッパー保持体5が降下を完
了した時点で第二リミットスイッチ26Aが動作し(図
6の(b)を参照)、トラフ変位用アクチュエーターを
さらに縮小させるべく信号を発する。
【0056】トラフ支持ビーム台車4Aが185mm変
位した時点で第三リミットスイッチ25Bが動作し(図
6の(c)を参照)、トラフ変位用アクチュエーターの
それ以上の縮小を停止させると同時にストッパー変位用
アクチュエーターの伸長動作を開始させる。そして、ト
ラフストッパー保持体5が完全に上昇した時点で第四リ
ミットスイッチ26Bが動作し(図7の(a)を参
照)、トラフ変位用アクチュエーターが伸長を開始して
トラフ支持ビーム台車4Aを復動させるようになってい
る。もちろん、このような制御システムに代えて各アク
チュエーターのピストンロッドの動きから位置検出した
り、アクチュエーターの動作を時間制御するなど公知の
コントロール法を採用してもよい。
【0057】トラフ支持ビーム台車4Aを一往復させる
ごとに、次の新しいトラフ102(図示せず)が支持ビー
ム9に載せられる。同様の繰り返しによって新しい最後
のトラフ101(図示せず)も載せられるが、その間に、
トラフ142,141からの収穫が順次行われる。一方、新
しいトラフ103,102,101への幼苗の定植作業、すな
わち暗室などで発芽させた幼苗の植鉢11(図3を参
照)を鉢孔10aに嵌め込む作業は、トラフ支持ビーム
台車4Aが図4の(a)に戻るまでの間に済ませておけ
ばよい。すなわち、新たに乗載されたトラフ103は、ト
ラフ支持ビーム台車4Aが一往復する間に最大20mm
移動するだけであり、ベルト10をトラフに繰り出しな
がら植鉢を鉢孔に嵌めていくことができる。なお、トラ
フピッチp1 が60mmとなっている場合にはトラフ1
03が動くことはなく、定植作業はより一層安定したもの
となる。
【0058】トラフ101が支持ビーム9に載せられた時
点でその日の作業は完了し、トラフ群23 のトラフピッ
チはp3 からp4 に拡大され、トラフ群22 ではp2
らp3 に、トラフ群21 ではp2 に拡大される。新しい
トラフ103,102,101のピッチはp1 であり、結局
は、トラフ133,132,131が翌日までトラフ143,1
42,141となり、トラフ123,122,121がトラフ
33,132,131となり、トラフ113,112,111がト
ラフ123,122,121となり、トラフ103,102,101
がトラフ113,112,111となる。このような一日分の
動作は、トラフ群2iが18本のトラフからなっていて
も、その18回の載せ替え作業に一時間と要しない。
【0059】以上の説明から分かるように、本ピッチ漸
増式トラフ群搬送装置のスペーシング機構によって、上
記の動作を繰り返し、その間に前記トラフ搬送体の収穫
側端に位置するトラフを取り除くと共に定植側端に新し
いトラフを乗載し、所定のトラフピッチで配置されたト
ラフ群を前進させることができる。そして、トラフスト
ッパー保持体に設けたストッパーをトラフピッチと同じ
間隔で配置してトラフに当接させることにより、各トラ
フ群のピッチを葉菜類の成長に応じて徐々に拡げること
ができる。幼少期に占める無用な空間の減少が実現さ
れ、単位面積あたりの栽培数量の増大や、温室や暗室に
おいて電照栽培する場合に電照効率の向上を図った省エ
ネルギ化した栽培施設とすることができる。
【0060】加えて、トラフ列の配置状態を維持したま
ま全体を所望距離ずつ移動させることができ、ピッチ漸
増式トラフ群搬送装置としては、回転ねじ棒を採用する
場合より製作精度も低くて済む。また、水平および垂直
方向に往復変位するアクチュエータでもってトラフ群の
搬送とストッパーの進退動作が実現され、しかも、トラ
フを持ち上げる動作がないので、トラフの搬送に要する
動力の著しい節減が図られる。駆動系の構造が簡素化さ
れ、故障の発生も少ないものとなる。たとえ栽培規模が
大きくなっても、スペーシング機構の大型化や複雑化を
回避して、その長大化すなわち一つのトラフ群に多数の
トラフを含ませ、生産規模の拡大を図ることも容易とな
る。
【0061】各トラフは支持ビーム上で摺動することに
なるが、支持ビームに伴われて搬送されている間は摺動
することがなく、その一方で、摺動せざるを得ないとき
はトラフがストッパーの往動規制面もしくは復動規制面
に当接しているので簡単に倒れることがない。ストッパ
ーを適宜のタイミングで進退させることができると共に
支持ビームの変位量を適宜選択しているので、ストッパ
ーとトラフとが無用の干渉を起こすこともなく、全ての
トラフ群を所定のトラフピッチに拡大することができ
る。
【0062】ところで、トラフは上記のごとく支持ビー
ム9の乗載面9c上で摺動させる必要があるが、図12
のようなアルミの引抜き材等であるので、その下面にプ
ラスチック等で製作されたスライダー27を装着してお
くことが好ましい。また、トラフ1は幅が50mmとい
たように狭く、しかし、葉菜類が成長して収穫間近かと
なると葉が左右に大きく広がり、トラフが倒れるおそれ
がある。そのような場合には、図9に示すような倒れ防
止用摺動機構28を採用しておけばよい。
【0063】支持ビーム9もアルミの引抜き材としてチ
ャンネル状とすると共に、乗載面9cに摺動用長溝28
sを形成し、その溝の一部を大きく切り欠いてスライダ
ー挿入孔28tを設け、トラフ1の下面に取りつけられ
た倒れ止め用の突起28Aが挿入できるようになってい
る。この挿入孔28tは、図10の(b)に示すよう
に、新たなトラフ103の位置と収穫すべきトラフ143
位置する箇所のみに形成される。挿入孔28t以外の位
置にあるトラフは、突起28Aが支持ビーム9内で左右
に張り出し乗載面9cによって抜け止めされた恰好とな
る。その突起28Aは支持ビーム9の長手方向にトラフ
の倒れを防止するに必要な長さLを有したものとなって
いることは言うまでもない。
【0064】例えば前述した図8の(b)の収穫用リフ
ト機構19が採用される場合には、上記とは異なり、図
6の(c)に対応する図10の(a)における支持ビー
ム9のトラフ143下にスライダー挿入孔28tを設けて
おけばよい。いずれの例においてもトラフ143を支持ビ
ーム9から垂直に少し持ち上げれば取り除いたり浮上さ
せることができる。定植側においては、トラフ103を降
ろすだけで支持ビームに載せることができる。
【0065】この倒れ防止用摺動機構28としては、図
11の(a)のように、支持ビーム9の乗載面9cを左
右に張り出させ、上記の突起に代わるスライディングサ
ドル29を使用することもできる。もちろん、乗載面9
cの初期状態におけるトラフ111とトラフ143の位置す
る箇所等に、サドルの張出し部29aを上下に通過させ
ることができる切欠き9sを設けるなどしておけばよ
い。本装置においてトラフが倒れる可能性は極めて低く
なっているが、上記の倒れ防止用摺動機構を採用するに
しても、簡単な構成を付加するだけでよいことが分か
る。
【0066】図11の(b)は、トラフストッパー保持
体5がトラフ支持ビーム台車4Aの側部において、仮想
線で示したように支持ビーム9に平行な状態で支持ビー
ムの左右方向へ横動して離接するようにしたものであ
り、実質的には図2の場合と同様に作動させることがで
きる。この図においては、トラフ変位用アクチュエータ
ーとして往復動するリンク機構7Aが採用されている。
これは、回転アーム7aにリンク7bが接続され、アー
ムの揺動によってトラフ支持ビーム台車4Aが185m
mのストロークで往復動することができる。なお、図中
の20は図8に示した収穫用トラフ受け台である。
【0067】図13の(a)は、トラフ搬送体4として
トラフ支持ビーム台車に代わる例である。これは、支持
台15A上に設けたローラ15r,15rに支持されて
支持ビーム9が水平に変位することができるようになっ
ている。トラフ支持ビーム台車の場合と同様に作動して
トラフを順次搬送し、そのトラフピッチを拡大できるこ
とは述べるまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るピッチ漸増式トラフ群搬送装置
における定植側から収穫側へ至る全体の正面図。
【図2】 図1におけるII−II線矢視図。
【図3】 ピッチ漸増式トラフ群搬送装置の横断面図。
【図4】 各トラフ群を搬送する手順を示し、(a)は
搬送を開始する初期状態図、(b)はトラフ搬送体が2
0mm往動した搬送状態図。
【図5】 図4に続く各トラフ群の搬送手順であり、
(a)はトラフ搬送体が40mm往動した搬送状態図、
(b)は75mm往動した搬送状態図。
【図6】 図5に続いて各トラフ群を搬送する手順を示
し、(a)は第一ストロークである120mmの往動を
完了した搬送状態図、(b)はストッパーが各トラフか
ら離反するようにトラフストッパー保持体を降下させた
時点での状態図、(c)はトラフ搬送体がさらに第二ス
トロークである65mm往動した搬送状態図。
【図7】 図6に続く各トラフ群の搬送手順で、(a)
はストッパーが各トラフの定植側に位置するようにトラ
フストッパー保持体を上昇させた状態図、(b)はトラ
フ搬送体を少し復動させて各トラフをストッパーの復動
規制面に当接させた搬送状態図、(c)はトラフ搬送体
を第一ストロークと第二ストロークとの和の長さだけ定
植側へ復動させたときの搬送状態図。
【図8】 (a)は収穫位置に到達したトラフを持ち上
げる様子の説明図、(b)は収穫用トラフ受け台を昇降
させるリフト機構の概略図。
【図9】 倒れ防止用摺動機構の斜視図。
【図10】 倒れ防止用摺動機構のスライダー挿入孔の
位置を説明するものであり、(a)はトラフが最初に収
穫位置に到達したときの位置に設ける場合の断面図、
(b)は支持ビームが完全に復動した後に収穫する場合
の支持ビームに設けた場合の断面図。
【図11】 (a)は倒れ防止用摺動機構としてスライ
ディングサドルを採用した場合の概略図、(b)は異な
る構成のトラフ変位用アクチュエーターを採用したトラ
フ群搬送装置の部分平面図。
【図12】 トラフを示し、(a)は端部近傍における
斜視図、(b)は横断面図。
【図13】 (a)は異なる構成のトラフ搬送体の概略
正面図、(b)はトラフ群移動装置の従来例であって、
回転ねじ棒の螺旋溝を利用してトラフのピッチを漸増さ
せる装置の原理図。
【図14】 (a)はトラフを同一ピッチで配置した場
合の全体図、(b)は、葉菜類の成長に応じてトラフピ
ッチを拡げる場合のトラフ配列説明図。
【符号の説明】
1,111,112,113,121,122,123,・・・,1
42,143…トラフ、2,21 ,22 ,23 ,24 …トラ
フ群、3…ピッチ漸増式トラフ搬送装置、4…トラフ搬
送体、5…トラフストッパー保持体、6,60 ,611
12,613,621,622,623,・・・,642,643
ストッパー、6a…往動規制面、6b…復動規制面、7
…トラフ変位用アクチュエーター、8…ストッパー変位
用アクチュエーター、9…支持ビーム、9c…乗載面、
10…ベルト、10a…鉢孔、11…植鉢、W…トラフ
の幅寸法、w…ストッパーの幅寸法、S…ストローク、
1 …第一ストローク、S2 …第二ストローク、p
i (i=1,2,3,4)…ピッチ(トラフピッチ)、
4 …最大ピッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−23804(JP,A) 特開 平6−14663(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 31/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に配置された複数の鉢孔によっ
    て各植鉢を支持するベルトが上部に挿通されかつ下部に
    液肥を流して前記植鉢に植生した葉菜類を水耕栽培でき
    るようにしたトラフが平行に多数配列され、そのトラフ
    列が同一ピッチにある所定本数のトラフからなる幾つか
    のトラフ群に区分され、各トラフ群におけるトラフピッ
    チが葉菜類の成長に応じて徐々に大きくなるように各ト
    ラフを移動させることができるピッチ漸増式トラフ搬送
    装置において、 定植側から収穫側へ延び前記トラフを乗載すると共に該
    トラフを摺動可能とした乗載面を有する支持ビームを備
    え、同一幅の多数のトラフを該支持ビームに交差するよ
    うに乗載した状態で、定植側と収穫側との間で往復動す
    るトラフ搬送体と、 該トラフ搬送体の側部において該トラフ搬送体に平行し
    て配置されて進退するトラフストッパー保持体と、 該トラフストッパー保持体に葉菜類の成長に応じて徐々
    に大きくなるトラフピッチで配置され、前記トラフ搬送
    体を往復動させたとき各トラフの所定以上の変位を阻止
    するために定植側に形成された往動規制面と収穫側に形
    成された復動規制面とを個々に備える多数のストッパー
    と、 前記トラフ搬送体を、前記トラフピッチのうちの最大ピ
    ッチより長いストロークで往復動させるトラフ変位用ア
    クチュエーターと、 前記ストッパーが各トラフに離接するように、前記トラ
    フストッパー保持体を進退させるストッパー変位用アク
    チュエーターと、 を備え、前記トラフ搬送体を往復動させるにもかかわら
    ず、前記ストッパーの往動規制面または復動規制面に当
    接して各トラフを前記支持ビームに対して摺動させつつ
    所定以上の変位を阻止しながら、葉菜類の成長に応じた
    ピッチで配置すべく移動することができるようになって
    いることを特徴とする水耕栽培施設におけるピッチ漸増
    式トラフ群搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記トラフ変位用アクチュエーターは、
    前記トラフ搬送体を前記トラフピッチのうちの最大ピッ
    チから前記トラフの幅寸法と前記ストッパーの幅寸法と
    の和を差し引いた長さ以上を有する第一ストロークだけ
    収穫側へ往動させ、さらに収穫側へ前記トラフの幅寸法
    と前記ストッパーの幅寸法との和の長さ以上を有した第
    二ストロークだけ往動させ、その後に、前記第一ストロ
    ークと第二ストロークとの和の長さだけ定植側へ復動さ
    せるようになっていることを特徴とする請求項1に記載
    された水耕栽培施設におけるピッチ漸増式トラフ群搬送
    装置。
  3. 【請求項3】 前記トラフストッパー保持体は、前記ト
    ラフ搬送体の側部において昇降するようになっているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載された水
    耕栽培施設におけるピッチ漸増式トラフ群搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記トラフストッパー保持体は、前記ト
    ラフ搬送体の側部において前記支持ビームの左右方向へ
    横動することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載された水耕栽培施設におけるピッチ漸増式トラフ群搬
    送装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載された水耕栽培施設におけるピッチ漸増式トラフ群搬
    送装置によるトラフ搬送方法において、 前記トラフ搬送体上に多数のトラフを乗載させると共
    に、前記トラフストッパー保持体の各ストッパーの復動
    規制面に当接させ、 前記トラフ搬送体を、前記各トラフを乗載した状態で前
    記第一ストロークだけ収穫側へ往動させることによっ
    て、各トラフを前記ストッパーの往動規制面に当接さ
    せ、 前記トラフ搬送体が停止した時点で、前記ストッパーが
    各トラフより離反するように前記トラフストッパー保持
    体を退避させ、 前記ストッパーが各トラフより離反した状態で、前記ト
    ラフ搬送体を収穫側へ前記第二ストロークだけさらに往
    動させ、 前記トラフ搬送体が停止した時点で、前記ストッパーが
    各トラフの定植側に位置するように前記トラフストッパ
    ー保持体を進出させ、 前記ストッパーが各トラフへ進出した状態から、前記ト
    ラフ搬送体を前記第一ストロークと第二ストロークとの
    和の長さだけ定植側へ復動させ、 これを繰り返す間に前記トラフ搬送体の収穫側端に位置
    するトラフを取り除くと共に定植側端に新しいトラフを
    乗載し、各トラフを前記支持ビームに対して摺動させつ
    つ所定以上の変位を阻止しながら、葉菜類の成長に応じ
    たピッチで配置すべく移動することができるようにした
    ことを特徴とする水耕栽培施設におけるピッチ漸増式ト
    ラフ群搬送法。
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