JP2823846B2 - 植物栽培装置 - Google Patents

植物栽培装置

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JP2823846B2
JP2823846B2 JP8338735A JP33873596A JP2823846B2 JP 2823846 B2 JP2823846 B2 JP 2823846B2 JP 8338735 A JP8338735 A JP 8338735A JP 33873596 A JP33873596 A JP 33873596A JP 2823846 B2 JP2823846 B2 JP 2823846B2
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哲雄 関山
利明 岡野
鴻一 米沢
文雄 大谷
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Chugoku Electric Power Co Inc
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Chugoku Electric Power Co Inc
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/20Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions in agriculture, e.g. CO2
    • Y02P60/21Dinitrogen oxide [N2O], e.g. using aquaponics, hydroponics or efficiency measures

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜等の植物の水
耕栽培に適した植物栽培装置に関する。より詳しくは、
本発明は、植物を移送しながら収穫可能なまでに生長さ
せた後一定位置で収穫を行う植物栽培装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の植物栽培装置として、ハウス内に
架台を設置すると共に当該架台上に一対のガイドレール
を敷設し、当該ガイドレール上に台車を並べて順次移動
させながら水耕栽培を行うタイプものがあった。各台車
上には、例えば、特願平2−311021号公報に開示
されているような樋状トレイが多数並べられており、水
耕栽培される植物はこの樋状トレイ内の人工土壌によっ
て支持されている。各樋状トレイ内には、その一端に接
続された培養液供給チューブによって培養液が供給され
る。そして、供給された培養液は樋状トレイ内を流れな
がら各植物に栄養分を供給した後、各樋状トレイの他端
から回収される。
【0003】植物栽培装置の架台の長さは、植物の移送
について定植から収穫までの全日程に必要な距離に設定
されている。即ち、架台上には栽培日数順に台車が並べ
られており、架台の一端から他端まで台車を移送する間
に植物を収穫可能なまでに生長させる。台車の移送は人
力による。作業者は、台車を1台ずつあるいは数台まと
めて移動させる。この場合、作業者は台車上の各樋状ト
レイから培養液供給チューブを外した後台車を移送す
る。そして、移送先では各樋状トレイに別の培養液供給
チューブを接続する。
【0004】植物の管理は台車毎に行われ、植物がある
程度生長した後は台車の姿勢を傾ける。つまり、植物の
根が比較的短い時期には台車上の各樋状トレイを水平に
保持して培養液の水位を高く維持する一方、植物の根が
ある程度伸びた後には台車ごと各樋状トレイを傾けて培
養液の流れをある程度速くして溶存酸素の供給量を増や
す必要がある。架台上に敷設された一対のガイドレール
のうち、一側のガイドレールは上下に2段設けられてお
り、作業者は台車の一側を持ち上げ又は降ろして別の段
のガイドレールに載せ替え、台車を傾ける。
【0005】また、栽培面積を有効に活用するために
は、植物の生長に合わせて栽培植物の間隔を広げていわ
ゆるスペーシングを行う必要があるが、この植物栽培装
置では台車毎にスペーシングを行う。具体的には、2名
の作業者が樋状トレイの両端を持って同時にずらし、台
車上で各樋状トレイの間隔を調節する。
【0006】一方、スペーシングを人手によらずに機械
力によって行う植物栽培装置として、伸縮可能なキャリ
ア上に複数のポットを並べ、当該キャリアを栽培装置の
横方向に伸ばしながら縦方向に徐々に大きく移送するも
のが知られている(農業機械学会誌第53巻第1号(1
991)第65頁〜第72頁)。この植物栽培装置で
は、ウォーキングビーム方式の移送手段によってキャリ
アを移送するが、ビームに設けているフックの間隔を徐
々に広げておくことで、縦方向のスペーシングを行って
いる。また、キャリアの両端を案内する各レールはその
間隔が徐々に広がるようにして敷設されており、キャリ
アは移送されながら徐々に伸ばされ横方向のスペーシン
グが行われる。このキャリアは複数の平行リンク機構に
よって構成されており、横方向に伸ばされても各ポット
は等間隔で配置される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
植物栽培装置では、植物の移送を台車ごと人力で行って
いたので、作業者の労力が多大であった。特に、植物が
ある程度生長した後には台車ごと各樋状トレイを傾ける
必要があるので、この姿勢変化によって台車の水平面に
対する見かけ上の幅が変化することになり、一定間隔で
平行に敷設されているガイドレールとの関係にずれが生
じて台車が滑り難くなる。このため、余分な労力が必要
となっていた。また、植物の生長によって台車上の重量
は増加しており、台車を傾けるためにも多大な労力を必
要としていた。さらに、水平な台車と傾いた台車とを一
緒に移送することができず、台車の移送作業をより一層
煩雑にしていた。また、各樋状トレイを台車に対して一
つずつずらしながらスペーシングを行い、しかも各樋状
トレイの両端に別々の作業者を必要とするので、スペー
シング作業にも多大の労力が必要であった。さらに、台
車に対して各樋状トレイを動かしながらスペーシングを
行うために各樋状トレイを台車に固定することができ
ず、植物の生長による重心の上昇によって転倒してしま
うおそれがあった。加えて、各台車は架台の上にしか並
べられていなかっため、いわゆる1段栽培となって設置
スペース利用効率が悪く、1株当たりの光熱費等の増大
を招いていた。
【0008】一方、後者の植物栽培装置では、スペーシ
ングを機械力によって行っているので、作業者の労力を
軽減して省力化にはなるが、その反面、移送手段やキャ
リアの構造が複雑になる。このため、設備費が多大にな
ると共に栽培空間の多段化が困難であり、経済性に劣っ
ていた。
【0009】本発明は、簡単な構造で省力化を達成する
ことができると共に、多段化への対応が容易な植物栽培
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載の発明は、樋状の流路を有し且つ植物
が1列に並べられたホルダを複数備え、当該各ホルダを
懸垂移動手段によってガイドレールに別々に吊り下げる
と共に、当該各懸垂移動手段を連結して牽引しながら各
ホルダの間隔を植物の生長に合わせて調節する移送手段
を設け、各ホルダへの培養液の供給を、牽引された各ホ
ルダの一端が通過する空間の上方に並んで配置された多
数の滴下孔と、空間の下方に配置されて各滴下孔より滴
下された培養液のうち各ホルダ間を落下したものを回収
する第1回収部と、各ホルダの他端より培養液を回収す
る第2回収部とを備える培養液循環手段によって行う構
成である。
【0011】したがって、移送手段が連結した各懸垂移
動手段を引っ張ると、これら各懸垂移動手段は次々にガ
イドレールに沿って動き出して各ホルダを移送する。同
時に、各ホルダの間隔が各懸垂移動手段の間の移送手段
の長さに応じたものとなり、スペーシングが行われる。
移送中の各ホルダの一端は滴下孔の並びの下を通るの
で、移送中であっても移送完了後であっても常に培養液
の供給を受ける。各ホルダに供給された培養液は流路を
流れながら植物に栄養分を供給し、第2回収部より回収
される。また、各滴下孔から滴下された培養液のうちホ
ルダによって受け止められなかったものについては、第
1回収部によって回収される。
【0012】また、請求項2記載の発明は、ガイドレー
ルを2本で1組とし、これら各ガイドレールに各ホルダ
の両端をそれぞれ懸垂移動手段によって吊り下げる構成
である。したがって、1組のガイドレールは植物が植え
られている空間の上方から外れて配置され、各ガイドレ
ールの影が植物に当たり難くなる。
【0013】また、請求項3記載の発明は、2本のガイ
ドレールを互いに段違いに設置して各ホルダの傾斜角度
を移送に伴って自動的に変更させることを特徴とするも
のである。2本のガイドレールが同じ高さのときにはホ
ルダは水平に維持され培養液の流れが遅く深くなる。ま
た、ガイドレールの高さが段違いにされた箇所では、ホ
ルダの一端が他端に比べて持ち上げられるのでホルダに
傾きが生ずる。したがって、ホルダを各ガイドレールに
吊り下げて移送するだけで所望とする傾斜を得ることが
でき、これによって、ホルダの流路内の培養液の流れを
調整できる。
【0014】また、請求項4記載の発明は、各ホルダの
一端に漏斗を取り付けると共に、各滴下孔は空間の上方
に配置されたパイプの底部に一定間隔をあけて形成され
る一方、第1及び第2回収部を樋で構成したものであ
る。したがって、予め滴下孔が形成されたパイプを設置
することにより、多数の滴下孔が一定間隔で配置され
る。そして、これらの滴下孔から滴下された培養液を漏
斗で受け、ホルダ内の流路に導く。また、第1及び第2
の回収部を樋にすることで、簡単な構造で重力を使用し
て培養液を回収できる。
【0015】また、請求項5記載の発明は、懸垂移動手
段は、ガイドレール上を転がる1個の車輪と、当該ガイ
ドレールを下から押さえ付ける2個の車輪とを備えて構
成されている。したがって、各車輪がガイドレールを3
点で上下から挟み付けることになり、ガイドレールに対
する一の車輪を中心とした懸垂移動手段側の回転が防止
され、ホルダの反転、即ち植物の転倒が防がれる。
【0016】また、請求項6記載の発明は、移送手段
は、懸垂移動手段の各々に取り付けられたフックと、こ
れら各フックを連結して各懸垂移動手段を引っ張る牽引
チェーンを備えて構成されている。したがって、牽引チ
ェーンを引っ張ると、各懸垂移動手段が次々に引かれて
動き出し、各ホルダが移送される。
【0017】また、請求項7記載の発明は、牽引チェー
ンを、フックに対して位置をずらして掛け替えを行うこ
とができるように構成している。したがって、牽引チェ
ーンの掛け替えを行うと、各フック間の牽引チェーンの
長さが変わる。この後、牽引チェーンを引っ張ると、各
ホルダの間隔が各フック間の牽引チェーンの長さに対応
したものとなり、スペーシングが行われる。
【0018】また、請求項8記載の発明は、各ガイドレ
ールに沿って各ホルダを移送させる栽培空間を上下方向
に2段設置すると共に下段の栽培空間を各ホルダを水平
にして使用する育苗用スペースにし、当該下段の栽培空
間に育苗用の照明手段を備えた構成である。したがっ
て、栽培空間が1段の場合に比べて設置スペースを増加
させることなく植物の栽培面積が2倍になる。また、専
用の照明手段を使用して十分な光量で育苗が行われる。
【0019】また、請求項9記載の発明は、育苗用スペ
ースのホルダ移送方向上流側位置を催芽スペースにする
と共に、少なくとも当該催芽スペースを覆って遮光及び
水分保持を行う遮光・保湿部材(例えば催芽カバー)を
備えて構成されている。したがって、種子に光を当てる
ことなく、また、乾燥させることなく発芽させることが
できる。
【0020】さらに、請求項10記載の発明は、上下段
の間でホルダの移送を行うリフタを備える構成である。
したがって、複数の段の栽培空間を連続的に移送しなが
ら植物の栽培が行われる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の一形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1及び図2に、本発明に係る植物栽培装
置の実施形態の一例を示す。なお、植物栽培装置には多
数のホルダ3を備えているが、図2においては一部のホ
ルダ3のみを図示する。
【0023】この植物栽培装置は、上下2段の栽培空間
53,54を有する2段式の水耕栽培装置であり、栽培
装置本体1にリフタ2を付属させている。この植物栽培
装置は、例えば温室内に設置され、植物を植えたホルダ
3を一定方向に移送させながら常に培養液の循環を行い
水耕栽培を行う。本実施形態では、栽培植物を、栽培装
置本体1の下段側の栽培空間54について一端側から他
端側に向けて移送した後、リフタ2によって持ち上げ、
上段側の栽培空間53について他端側から一端側に向け
て移送する。即ち、栽培装置本体1の一端側が搬入・収
穫位置となっている。
【0024】栽培装置本体1は、樋状の流路12を有し
且つ植物が1列に並べられたホルダ3を複数備えてお
り、これら各ホルダ3を懸垂移動手段4によってガイド
レール5に別々に吊り下げると共に、これら各ホルダ3
を連結して牽引しながら各ホルダ3の間隔を植物の生長
に合わせて調節する移送手段6を設け、さらに、各ホル
ダ3への培養液の供給を培養液循環手段7によって行っ
ている。
【0025】ガイドレール5は、例えばホルダ3の両端
を支える2本のガイドレール5,5が1組となって1段
を構成し、上下方向に所定の間隔をあけて2段設置され
ている。即ち、各段のガイドレール5は2本で構成され
ている。各ガイドレール5の断面形状はほぼC字形状を
成し、栽培装置本体の架台8にそれぞれ固着されてい
る。下段の各ガイドレール5は、互いに同じ高さで水平
且つ平行に設置されている。一方、上段の各ガイドレー
ル5は、互いに高さを変えて、換言すると、段違で水平
且つ平行に設置されている。したがって、ホルダ3を各
ガイドレール5に吊り下げた場合、下段ではホルダ3は
水平になり、上段ではホルダ3は傾斜する。本実施形態
では、上段の2本のガイドレール5は、吊り下げたホル
ダ3を全範囲にわたって5度程度傾斜させるように互い
の高さを変えて段違いに設置されている。ただし、必ず
しも上段の全範囲にわたってホルダ3を5度程度傾斜さ
せる必要はない。例えば、一方のガイドレール5の設置
高さを途中で滑らかに変化させることで2本のガイドレ
ール5の高さの差を途中で変化させ、これによってホル
ダ3の傾斜角度が途中で変わるようにしても良く、又
は、ホルダ3を水平な状態から途中で傾斜させるように
しても良い。
【0026】播種後間もなくて植物の根が比較的短い場
合、即ち育苗の段階では、ホルダ3を水平にして使用す
る。ホルダ3を水平にすることで、ホルダ3に供給され
る培養液の水位が高くなり、根が短い場合であっても栄
養分の供給を可能にする。即ち、ホルダを水平にして使
用する下段の栽培空間54が育苗スペースとなってい
る。一方、植物の根がある程度伸びた後には、ホルダ3
を傾斜させることで培養液の流れをある程度速めて溶存
酸素の供給を十分に行う。
【0027】ホルダ3は、例えば図3に示すように、2
本のロッド9と、これら各ロッド9間に挟み込まれた土
壌代用プレート10及び流路形成シート11とを備えて
構成されている。各ロッド9の両端は、詳しくは後述す
る懸垂移動手段4のホルダ支持ブラケット18に載せら
れ支持されている。土壌代用プレート10は、例えばウ
レタンフォームによって成形され、複数のスペーサ(図
示省略)を所定間隔に挟み込みながら谷状に折り返され
て植え付け用の溝14を形成している。植え付け用の溝
14に播かれた種子から伸びた根は、土壌代用プレート
10を貫通して伸びる。
【0028】流路形成シート11は、各ロッド9間に弛
みをもって掛け渡されており、土壌代用プレート10の
下方に樋状の流路、即ち、水耕栽培用の培養液の流路1
2を形成している。流路形成シート11の端は、一端側
のみ袋状に折り返されている。そして、この折返し部分
には、漏斗13が差し込まれている。即ち、ホルダ3の
一端には培養液を流路12に流し込む漏斗13が取り付
けられている。漏斗13から流路12に導かれた培養液
は、一端側が折り返されて堰き止められるために他端に
向けて流れる。この流路形成シート11は、例えば塩化
ビニル等の軟質のプラスチックシートであり、光を遮っ
て植物の根に対する光の影響を防ぐと共に藻等の発生を
防止する。
【0029】なお、土壌代用プレート10から培養液中
には不織布が垂らされている。この不織布は培養液を吸
い上げ、根が短く培養液中に到達しない場合であっても
当該根に培養液を供給する。
【0030】懸垂移動手段4はガイドレール5に吊り下
がって移動するスライダであり、例えば、図4及び図5
に示すように、1つの吊車輪15と2つの転倒防止車輪
16とでガイドレール5を挟み付けている。これら各車
輪15,16はステー17の上部に取り付けられてお
り、このステー17の下端にはホルダ支持ブラケット1
8が固着されている。吊車輪15はガイドレール5上に
載って転がり、各転倒防止車輪16はガイドレール5の
底面を押さえ付けながら転がるので、ホルダ支持ブラケ
ット18が支持するホルダ3の反転を防止し、即ち、当
該ホルダ3に植えられている植物の転倒を防止する。
【0031】なお、ホルダ支持ブラケット18に支持さ
れる各ロッド9の両端は、図3に示すように、両側が切
りかかれて細長い横断面形状となっている。そして、こ
の細長い部分をホルダ支持ブラケット18に差し込むよ
うにして載せることで、各ロッド9がブラケット18に
支持される。
【0032】懸垂移動手段4はガイドレール5に対して
当該ガイドレール5の幅方向(ホルダ3の長手方向)に
若干ずれることができ、また、ガイドレール5に対して
若干傾くことができる。さらに、ホルダ3の各ロッド9
は、懸垂移動手段4のブラケット18に対して若干傾く
ことができる。したがって、上段の各ガイドレール5に
各ホルダ3を吊り下げることで当該ホルダ3を傾斜させ
た場合であっても、懸垂移動手段4に無理な力が作用す
ることなく傾斜した各ホルダ3の移送をスムーズに行う
ことができる。つまり、ホルダ3を傾斜させることで水
平面に対する当該ホルダ3の見かけ上の長さが短くなっ
た場合であってもその短縮量を懸垂移動手段4のずれや
傾きによって吸収することができ、ホルダ3の長さとガ
イドレール間隔との位置関係のずれを吸収する。
【0033】移送手段6は、各段毎に一対ずつ設けられ
ている。移送手段6は、懸垂移動手段4に取り付けられ
たフック19と、各フック19を連結して各懸垂移動手
段4を引っ張る牽引チェーン20を備えて構成されてい
る。各牽引チェーン20は、図6に示すように、栽培装
置本体1とリフタ2の一端から他端までを往復できる長
さのループ状を成しており、往路側は各フック19に掛
け渡され、復路側はパイプ74内に通されている。この
パイプ74は、ホルダ3が移送される場合に各ホルダ3
の中央が通過する空間の下方に配置され、架台8に固着
されている。
【0034】牽引チェーン20はフック19に対して位
置をずらして掛け替えを行うことができ、フック19と
その隣のフック19との間の牽引チェーン20の長さ
(以下、フック間チェーン長という。)を植物の生長に
合わせて段階的に伸ばすことができる。即ち、例えば毎
日牽引チェーン20の掛け替えを行って牽引チェーン2
0のフック19に掛ける位置をずらし、栽培日数の経過
とともにフック間チェーン長を所定長(例えば5cm)
ずつ段階的に伸ばしていく。そして、両方の牽引チェー
ン20の掛け替えを行った状態でこれらの牽引チェーン
20を同時に引っ張ると、各ホルダ3が移送されると共
に各ホルダ3の間隔がフック間チェーン長に応じた距離
に設定される。即ち、各ホルダ3の両端に係る2本の牽
引チェーン20を同時に引っ張るだけでスペーシングと
各ホルダ3の移送が完了する。
【0035】2本の牽引チェーン20を同時に引っ張る
手段としては、モータやエンジン等の機械力、あるいは
人力のいずれでも良い。ただし、各懸垂移動手段4はガ
イドレール5に沿ってスムーズに動くので、各牽引チェ
ーン20の牽引力は軽いもので足り、人力によって軽く
引っ張ることができる。本実施形態では、各段の各牽引
チェーン20毎に駆動用スプロケット21を設けると共
に、各段毎に各駆動用スプロケット21を同時に回転さ
せる操作ハンドル22を設けている。作業者は、牽引チ
ェーン20を駆動用スプロケット21に巻き付けた後操
作ハンドル22を手で回すことで、各段毎に独立して2
本の牽引チェーン20を同時に引っ張り各ホルダ3を移
送することができる。
【0036】なお、下段側の各駆動用スプロケット21
及び操作ハンドル22は、例えばリフタ2に取り付けら
れている(図10及び図11)。一方、上段側の各駆動
用スプロケット21及び操作ハンドルは、例えば図6に
示すように、収穫用の台車23に取り付けられている
(操作ハンドルについては図示省略)。ただし、これら
各駆動用スプロケット21及び各操作ハンドル22を、
栽培装置本体1の架台8に取り付けても良いことは勿論
である。また、各操作ハンドル22の操作によって、各
牽引チェーン20を正逆両方向に引っ張ることができ
る。なお、図6、図10、図11中符号56は、チェー
ン用スプロケットである。
【0037】培養液循環手段7は、図1及び図7に示す
ように、牽引された各ホルダ3の一端が通過する空間
(以下、通過空間という。)24の上方に並んで配置さ
れた多数の滴下孔25と、通過空間24の下方に配置さ
れて各滴下孔25より滴下された培養液のうち、各ホル
ダ3の間を通り抜けて落下したものを回収する第1回収
部26と、各ホルダ3の他端より培養液を回収する第2
回収部27を備えている。
【0038】各滴下孔25は、通過空間24の上方に配
置され且つ架台8に固定されたパイプ(以下、多孔管と
いう。)28の底部に一定間隔をおいて、例えば5cm
間隔で形成されている。第1及び第2回収部26,27
は、例えば集液樋であり、架台8に取り付けられてい
る。第1回収部(以下、第1集液樋という。)26は、
通過空間24の下方に配置されている。また、第2回収
部(以下、第2集液樋という。)27は、牽引されたホ
ルダ3の他端が通過する空間37の下方に配置されてい
る。
【0039】したがって、図8に示すように、多孔管2
8の各滴下孔25からは培養液がシャワー状に滴下され
る。滴下された培養液のうち、ホルダ3の一端の漏斗1
3によって受け止められたものはホルダ3内の流路12
を流れながら植物に栄養を与えた後、当該ホルダ3の他
端から第2集液樋27に落下する。一方、ホルダ3とホ
ルダ3の間を通り抜けて落下した培養液は、第1集液樋
26に落下して回収される。
【0040】多孔管28と第1及び第2集液樋26,2
7は、各段の栽培空間53,54毎に別々に設けられて
いる。各多孔管28の上流端には、循環ポンプ29によ
って培養液タンク30内の培養液が供給される。循環ポ
ンプ29は、培養液を連続または間断的に圧送する。一
方、上段の多孔管28内を各滴下孔25から落下せずに
通過した培養液は、フィルタ31を介して培養液タンク
30に戻される。なお、下段の多孔管28の下流端は閉
塞されている。
【0041】循環ポンプ29と各多孔管28との間には
バルブ32が、該バルブ32と下段側多孔管28との間
にはバルブ33が、上段側多孔管28と培養液タンク3
0との間にはバルブ34がそれぞれ設置されている。こ
れら各バルブ32〜34の開閉量を制御することで、各
段の多孔管28から滴下される培養液の量を調節するこ
とができる。
【0042】上段側の第1及び第2集液樋26,27に
よって回収された培養液はそれぞれ対応する排液管35
内に流れ込んで集められ、フィルタ31によって濾過さ
れた後、培養液タンク30に戻される。また、下段側の
第1及び第2集液樋26,27によって回収された培養
液もフィルタ31によって濾過された後、培養液タンク
30に戻される。
【0043】植物栽培装置には、最上段とその下の段と
の間に、最上段以外の段の栽培空間を照らす照明が設け
られている。本実施形態では、植物栽培装置を2段式に
しているので、上段と下段の間に下段の栽培空間54を
照らす照明、例えば蛍光灯36が複数設置されている。
各蛍光灯36は、架台8の上段側栽培空間53と下段側
栽培空間54の間に掛け渡された梁49に取り付けられ
ている。各蛍光灯36は、下段側の栽培空間54を照ら
して、育苗に必要な光の不足分を補う。なお、照明とし
ては蛍光灯36に限るものではなく、ナトリウムラン
プ、白熱灯等であっても良い。
【0044】各蛍光灯36は、ホルダ3の移送方向下流
側のものほど間隔をつめて設置されている。即ち、架台
8の一端側では比較的広い間隔で各蛍光灯36が設置さ
れているのに対し、架台8の他端側では比較的狭い間隔
で各蛍光灯36が設置されている。このように各蛍光灯
36を設置することで、下段の栽培空間54の他端近傍
における光の照射量を上段の栽培空間53の太陽光の照
射量とほぼ同じにすることができ、下段の栽培空間54
の他端近傍位置でも上段の栽培空間53と同様に植物の
栽培を行うことができる。例えば、天候不良が続いて上
段の栽培空間53における栽培があまり進まずに収穫が
予定通りできない場合等には、上段の栽培空間53が密
になって下段の栽培空間54から新たにホルダ3を移送
することが困難になることもあるが、このような場合で
あっても下段の栽培空間54で上段の栽培空間53と同
様の光の照射量で植物の栽培を継続することができる。
【0045】また、この植物栽培装置には、図12に示
すように、上下段の栽培空間53,54の間に開閉可能
な催芽カバー(遮光・保湿部材)50が設けられてい
る。より具体的に説明すると、この催芽カバー50は、
例えばフェルト等よりなるカバーで、種子が発芽するま
での間に移送されるスペース、即ち育苗用スペースのホ
ルダ移送方向上流側位置の催芽スペースに設置されてい
る。催芽カバー50は、種子の遮光及び水分保持を行う
もので、催芽スペースの各ホルダ3の上に広げられてこ
れらを覆っている。また、この植物栽培装置とは別に催
芽室や催芽機などを使って催芽させたものを準備する場
合には、この植物栽培装置には催芽スペースが必ずしも
設けられないこともある。例えば、ホルダ3を移送する
場合や、本装置では催芽を行わずに催芽機の使用によっ
て発芽させた苗の状態のものを本装置で栽培する場合等
には、催芽カバー50を芯ロールに巻き取り、邪魔にな
らないように一側に寄せておく。
【0046】リフタ2は、図10及び図11に示すよう
に、一対のホルダ搭載レール38と、各ホルダ搭載レー
ル38に連結された一対の昇降ワイヤ39と、各昇降ワ
イヤ39を別々に巻き取る一対の巻き取りドラム40,
41を備えて構成されている。各ホルダ搭載レール38
は、栽培装置本体1の各ガイドレール5と同じ間隔で配
置され、例えば複数本のクロスシャフト42により枠状
に連結されて一体化されている。各ホルダ搭載レール3
8は、それぞれ対応する昇降ワイヤ39によって吊り下
げられている。
【0047】各巻き取りドラム40,41は、リフタ2
のフレーム43の上部に回転自在に取り付けられたシャ
フト44の両端近傍位置に固定されている。このシャフ
ト44はギヤボックス45,55内に収容された減速歯
車列に接続されており、減速歯車列は上下移動ハンドル
46に接続されている。したがって、上下移動ハンドル
46を回転操作した場合、減速歯車列によって増幅され
たトルクによって各巻き取りドラム40,41が回転駆
動され、各昇降ワイヤ39が巻き取られ又は引き出され
て、各ホルダ搭載レール38を上昇又は下降させる。
【0048】各巻き取りドラム40,41の直径は、互
いに異なっている。したがって、各巻き取りドラム4
0,41が同一回転しても各昇降ワイヤ39の巻き取り
量は相違し、各ホルダ搭載レール38を互いに異なる距
離だけ昇降させる。このため、リフタ2は、下段位置で
は水平であった各ホルダ3をその姿勢を傾けながら上段
位置まで上昇させることができる。上段位置及び下段位
置のいずれであっても、各ホルダ搭載レール38は栽培
装置本体1の各ガイドレール5を延長するように配置さ
れる。このリフタ2には車輪47が取り付けられてお
り、独立して移動させることができる。
【0049】一方、収穫台車23は、図6に示すよう
に、収穫装置本体1の上段側の各ガイドレール5を延長
するように配置される一対の収穫レール48を有してい
る。また、収穫台車23には、前述したように上段側の
各駆動用スプロケット21及び操作ハンドル(図示省
略)が取り付けられている。
【0050】次に、この植物栽培装置による植物の栽培
について説明する。なお、植物栽培装置は温室内に設置
されており、太陽の光によって植物の栽培を行う。
【0051】この植物栽培装置では、栽培装置本体1の
一端側が搬入・収穫位置となっている。即ち、栽培装置
本体1の一端側より下段の各ガイドレール5にホルダ3
を吊り下げる。この場合の種子の状態は発芽前でも発芽
後でも良く、栽培する植物の種類に応じて適宜決定され
る。即ち、栽培装置本体1で栽培される植物は、図示し
ない催芽機を使用して予め発芽させてあっても良く、又
は、発芽前の状態であっても良い。
【0052】次に、新規に吊り下げたホルダ3の両端の
懸垂移動手段4を各牽引チェーン20で既に吊り下げら
れている懸垂移動手段4に連結する。このとき、一つ前
のホルダ3との間に、例えば5cmのフック間チェーン
長を設けておく。同様にして、必要数のホルダ3を各ガ
イドレール5に新たに吊り下げた後、牽引チェーン20
で連結する。また、既に吊り下げて日数が経っている他
のホルダ3についても、必要に応じてチェーンの掛け替
えを行いフック間チェーン長を調節しておく。即ち、ス
ペーシングを行う必要があるホルダ3については、フッ
ク間チェーン長を例えば5cmずつさらに伸ばしてお
く。
【0053】次に、下段の操作ハンドル22を回転操作
して両方の牽引チェーン20を所定距離だけ同時に引っ
張る。各牽引チェーン20には下段側の全てのホルダ3
が連結されているので、これら各ホルダ3は次々に引っ
張られて移動し、フック間チェーン長に応じた間隔をあ
けながら全体として所定位置まで移送される。各フック
間チェーン長は日数の経過とともに段階的に長くされる
ので、吊り下げ日数(植物の栽培日数)が経過して大き
く生長した植物が植えられているホルダ3ほど、大きく
移送されて間隔が広くあけられる。
【0054】移送途中の各ホルダ3の一端は多孔管28
の下方を動くので、植物の移送中に培養液の供給を行う
ことができる。また、スペーシングを行った後の状態で
は、各ホルダ3の間隔は全て5cmの倍数となってい
る。したがって、全てのホルダ3の一端は5cm間隔で
設けられた各滴下孔25の真下あるいはその近傍に同様
の配置関係で位置しており、漏斗13によって培養液の
供給を受けることができる。即ち、スペーシングと移送
を行っている最中であっても、また、終了後であっても
常に培養液を供給し続けることができ、しかも特別な作
業や手間は不要である。
【0055】いま、下段側の各ホルダ3の姿勢は水平に
なっているので、絶え間なく培養液の供給を受けること
によって各ホルダ3内の培養液の水位は比較的高い位置
に達している。下段側のホルダ3の植物は育苗の段階で
根の長さが比較的短いものが殆どであるが、ホルダ3内
の培養液の水位が高くなっているので、また、ホルダ3
内には不織布が配置されているので、植物は栄養分を良
好に吸収することができる。即ち、下段側の栽培空間5
4では、主に育苗が行われる。
【0056】下段側の各ホルダ3は、植物の生長に合わ
せて毎日スペーシングされながら栽培装置本体1の他端
に向けて移送される。そして、栽培装置本体1の他端に
達したホルダ3は、その後の移送によってリフタ2の各
ホルダ搭載レール38に引き込まれる。即ち、この状態
では、各ホルダ搭載レール38は下段位置まで降ろされ
ており、上段側に移送すべきホルダ3の全てが各ホルダ
搭載レール38に移される。各ホルダ搭載レール38に
移された各ホルダ3については、懸垂移動手段4のフッ
ク19から牽引チェーン20を外しておく。
【0057】その後、作業者はリフタ2の上下移動ハン
ドル46を回転操作して各ホルダ3を上段位置まで持ち
上げると共に傾斜させ、次に、各ホルダ3の懸垂移動手
段4のフック19に上段側の牽引チェーン20を掛け
る。このとき、各フック間チェーン長を所定長に設定し
ておく。
【0058】次に、上段側の操作ハンドル22を回転さ
せて各牽引チェーン20を引っ張ると、リフタ2によっ
て持ち上げられた各ホルダ3が栽培装置本体1の上段側
の各ガイドレール5側に引き出される。上段側では各ホ
ルダ3は傾斜しているので、多孔管28の各滴下孔25
から各ホルダ3の一端の漏斗13に滴下した培養液は、
ホルダ3内の流路12を勢い良く流れて他端から落下
し、第2集液樋27によって集められる。上段側におい
ても下段側と同様に、各ホルダ3を毎日栽培装置本体1
の一端側に向けてスペーシングしながら移送する。
【0059】各ホルダ3に植えられている植物は、栽培
装置本体1の一端に到達する頃には収穫可能なまでに生
長する。そして、栽培装置本体1の一端に到達したホル
ダ3は収穫台車23の各収穫レール48に引き込まれ、
これによって植物の収穫が行われる。
【0060】なお、リフタ2及び収穫台車23を栽培装
置本体1の隣から移動する場合には、リフタ2又は収穫
台車23の各駆動用スプロケット21より各牽引チェー
ン20を外してそのループ端を垂らしておく。一方、リ
フタ2又は収穫台車23を栽培装置本体1の隣に設置す
る場合には、架台8の隣にリフタ2又は収穫台車23を
止めた後、垂らされている各牽引チェーン20のループ
端を各駆動用スプロケット21に掛け回せば良い。
【0061】この植物栽培装置では、各懸垂移動手段4
を牽引チェーン20で連結した後、当該牽引チェーン2
0をハンドル操作によって引っ張るだけで各ホルダ3の
移送とスペーシングを同時に簡単に行うことができる。
また、リフタ2による各ホルダ3の持ち上げも、ハンド
ル操作によって簡単に行うことができる。これらの作業
は軽作業であり、しかも作業者は1名で足りる。このた
め、栽培作業の省力化が達成される。
【0062】また、この植物栽培装置は2段式であり、
設置スペースを狭くできる一方、栽培面積を広くでき
る。したがって、収穫量を増やすことができると共に、
1株当たりの空調費や光熱費を減少させることができ、
大変経済的である。
【0063】さらに、リフタ2や収穫台車23は栽培装
置本体1から切り離して移動させることができるので、
数台の栽培装置本体1で1台のリフタ2や収穫台車23
を共有することができ、設備費の増加を抑えて経済的で
ある。
【0064】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、2段式の栽培装置について説明したが、必
ずしも2段式に限るものではなく、1段式栽培装置又は
3段以上の多段式栽培装置に適用しても良いことは勿論
である。
【0065】また、下段から上段に向けて各ホルダ3、
即ち植物を移送する場合について説明したが、上段から
下段に向けて植物を移送しても良いことは勿論である。
このように、植物の移送方向をコントロールすることで
ホルダ3の搬入作業や植物の収穫作業を行う位置や高さ
を変えることができ、植物の種類等に応じて作業し易い
位置や高さで作業を行うことが可能になり、作業労力を
より一層軽減することができる。
【0066】また、上述の説明では、各段のガイドレー
ル5を2本で1組とし、これら各ガイドレール5に各ホ
ルダ3の両端を吊り下げる構成としているが、例えばガ
イドレールを1本追加して3本で1組とし、追加した1
本で各ホルダ3の中央を吊り下げるようにしても良く、
あるいはガイドレール5を4本以上で1組としても良
い。ガイドレール5の本数を増やすことで装置の大型化
に対応できる。
【0067】また、上述の説明では、下段側の2本のガ
イドレール5の高さを互いに同じにする一方、上段側の
2本のガイドレール5の高さを互いに変えていたが、必
ずしもこの様にする必要はなく、両方の段とも2本のガ
イドレール5を同じ高さにしても良く又は高さを変えて
も良い。さらに、一方のガイドレール5の一部を斜めに
して途中から高さが変わるようにしても良く、又は、一
方のガイドレール5を全体として斜めに設置して徐々に
高さが変わるようにしても良い。高さを途中から或いは
徐々に変える場合であっても、各ホルダ3は各懸垂移動
手段4によって吊り下げられているので、各ホルダ3の
長さの水平面に対する見かけ上の変化に対応することが
でき、各ホルダ3の移送をスムーズに行うことができ
る。
【0068】また、上述の説明では、上下両段の栽培空
間53,54を使用して一の種類の植物を栽培していた
が、各段の栽培空間53,54毎に別々の種類の植物を
栽培しても良い。例えば、上段と下段とでは太陽光の照
射量が異なるので、太陽光を多く必要とする植物を上段
で栽培し、あまり必要としない植物を下段で栽培するよ
うにしても良い。
【0069】
【実施例】温室内に、床面積400m2 の植物栽培装置
を設置し、ほうれん草を栽培する実験を行った。スペー
シング及び植物移送を行うのに必要な時間を測定したと
ころ、1人の作業者による作業で約10分かかった。
【0070】一方、同規模の従来の植物栽培装置(台車
によって移送する方式)では、同様のスペーシング及び
植物移送を行うのに2人の作業者で約1時間かかってい
た。
【0071】この結果から、本発明に係る植物栽培装置
では、作業労力が従来の1/12程度ですみ、作業時間
を大幅に短縮することができることがわかった。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明では、樋状の流路を有し且つ植物が1列に並べられた
ホルダを複数備え、当該各ホルダを懸垂移動手段によっ
てガイドレールに別々に吊り下げると共に、当該各懸垂
移動手段を連結して牽引しながら各ホルダの間隔を植物
の生長に合わせて調節する移送手段を設け、各ホルダへ
の培養液の供給を、牽引された各ホルダの一端が通過す
る空間の上方に並んで配置された多数の滴下孔と、空間
の下方に配置されて各滴下孔より滴下された培養液のう
ち各ホルダ間を落下したものを回収する第1回収部と、
各ホルダの他端より培養液を回収する第2回収部とを備
えるので、移送手段によって各懸垂移動手段を引っ張る
だけでスペーシングを行いながら各ホルダを移送するこ
とができる。各ホルダは懸垂移動手段によってガイドレ
ールに吊り下げられているので、ガイドレールに沿って
軽く動き、スペーシング作業及び移送作業は軽作業とな
る。また、各ホルダの位置に影響されずに培養液の供給
を行うことができるので、従来の植物栽培装置のように
供給チューブを付け替える必要がなくなり、付随した作
業を不要にすることができる。これらのため、植物栽培
のために必要な労力が大幅に軽減され、省力化を達成で
きる。さらに、省力化によって作業時間を短くすること
ができるので、作業者を介しての病気の感染機会を減ら
すことも可能である。
【0073】また、請求項2記載の発明は、請求項2記
載の発明では、ガイドレールを2本で1組とし、これら
各ガイドレールに各ホルダの両端をそれぞれ懸垂移動手
段によって吊り下げるので、植物の上に各ガイドレール
の影が落ち難くなり、太陽光の有効利用が可能になる。
また、各ホルダはその両端でガイドレールに吊り下げら
れるので、ホルダの姿勢の安定性を確保しつつ懸垂移動
手段の数を最小にすることができる。このため、ホルダ
移送の抵抗力を最小限に抑えて、移送作業に要する労力
をより一層軽減することができる。
【0074】また、請求項3記載の発明では、2本のガ
イドレールを段違いに設置して各ホルダを傾斜させてい
るので、各ホルダを別のガイドレールに掛け替える等の
特別な作業を行うことなく、各ホルダを傾斜させること
ができ、より一層の省力化を図ることができる。
【0075】また、請求項4記載の発明では、各ホルダ
の一体に漏斗を取り付けると共に、各滴下孔は空間の上
方に配置されたパイプの底部に一定間隔をあけて形成さ
れる一方、第1及び第2回収部は樋であるので、培養液
循環手段の構造を簡単にすることができ、植物栽培装置
の製造コストを抑制することができる。
【0076】また、請求項5記載の発明では、懸垂移動
手段は、ガイドレール上を転がる1個の車輪と、当該ガ
イドレールを下から押さえ付ける2個の車輪とを備える
ので、栽培途中の植物の転倒を防止することができる。
【0077】また、請求項6記載の発明では、移送手段
は、懸垂移動手段の各々に取り付けられたフックと、こ
れら各フックを連結して各懸垂移動手段を引っ張る牽引
チェーンを備えるので、移送手段の構造が簡単になって
低コスト化を図ることができると共に、移送のための作
業も簡単になってその労力を軽減できる。
【0078】この場合、請求項7記載の発明のように、
牽引チェーンは、フックに対して位置をずらした掛け替
えを行うことができることが望ましい。この場合には、
牽引チェーンの掛け替えを簡単に行うことができ、スペ
ーシング作業が簡単になる。
【0079】また、請求項8記載の発明では、各ガイド
レールに沿って各ホルダを移送させる栽培空間を上下方
向に2段設置すると共に下段の栽培空間を各ホルダを水
平にして使用する育苗用スペースにし、下段の栽培空間
に育苗用の照明手段を備えたので、設置スペースを増や
すことなく段数を増やして植物の栽培面積を増加させる
ことができる。このため、収量を増加させることができ
ると共に、1株あたりの空調費を低減することができ、
低コストでの植物栽培が可能になる。また、下段の育苗
用スペースに専用の照明手段を設けたので、育苗を良好
に行うことができる。
【0080】また、請求項9記載の発明では、育苗用ス
ペースのホルダ移送方向上流側位置を催芽スペースにす
ると共に、少なくとも当該催芽スペースを覆って遮光及
び水分保持を行う遮光・保湿部材(例えば催芽カバー)
を備えるので、種子の発芽を良好に行うことができる。
【0081】さらに、請求項10記載の発明は、上下段
の間でホルダの移送を行うリフタを備えるので、上下2
段の栽培空間を連続的に移送しながら植物の栽培を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植物栽培装置の実施形態の一例を
示し、植物の移送方向からみた概略構成図である。
【図2】図1の植物栽培装置の概略構成を示す平面図で
ある。
【図3】図1の植物栽培装置のホルダの構造の要部を示
す斜視図である。
【図4】図1の植物栽培装置の懸垂移動手段の正面図で
ある。
【図5】図4の懸垂移動手段の側面図である。
【図6】図1の植物栽培装置の牽引チェーンを示す正面
図である。
【図7】図1の植物栽培装置のホルダの一端の付近を詳
しく示す断面図である。
【図8】図1の植物栽培装置の培養液循環手段を示し、
培養液を供給する部分の概略構成図である。
【図9】図1の植物栽培装置の培養液循環手段を示し、
培養液を回収する部分の概略構成図である。
【図10】図1の植物栽培装置のリフタの正面図であ
る。
【図11】図1の植物栽培装置のリフタの側面図であ
る。
【図12】図1の植物栽培装置の催芽カバーの概略構成
図である。
【符号の説明】
1 栽培装置本体 2 リフタ 3 ホルダ 4 懸垂移動手段 5 ガイドレール 6 移送手段 7 培養液循環手段 15 吊車輪 16 転倒防止車輪 19 フック 20 牽引チェーン 24 通過空間 25 滴下孔 26 第1回収部 27 第2回収部 28 多孔管 36 蛍光灯 50 催芽カバー(遮光・保湿部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 利明 千葉県我孫子市我孫子1646番地 財団法 人電力中央研究所 我孫子研究所内 (72)発明者 米沢 鴻一 広島県広島市中区小町4番33号 中国電 力株式会社内 (72)発明者 大谷 文雄 広島県広島市中区小町4番33号 中国電 力株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−303863(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 31/04 A01G 31/00 601

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樋状の流路を有し且つ植物が1列に並べ
    られたホルダを複数備え、当該各ホルダを懸垂移動手段
    によってガイドレールに別々に吊り下げると共に、当該
    各懸垂移動手段を連結して牽引しながら各ホルダの間隔
    を前記植物の生長に合わせて調節する移送手段を設け、
    前記各ホルダへの培養液の供給を、牽引された前記各ホ
    ルダの一端が通過する空間の上方に並んで配置された多
    数の滴下孔と、前記空間の下方に配置されて前記各滴下
    孔より滴下された培養液のうち前記各ホルダ間を落下し
    たものを回収する第1回収部と、前記各ホルダの他端よ
    り培養液を回収する第2回収部とを備える培養液循環手
    段によって行うことを特徴とする植物栽培装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイドレールを2本で1組とし、こ
    れら各ガイドレールに前記各ホルダの両端をそれぞれ前
    記懸垂移動手段によって吊り下げることを特徴とする請
    求項1記載の植物栽培装置。
  3. 【請求項3】 前記2本のガイドレールを段違いに設置
    して前記各ホルダを傾斜させることを特徴とする請求項
    2記載の植物栽培装置。
  4. 【請求項4】 前記各ホルダの一端に漏斗を取り付ける
    と共に、前記各滴下孔を前記空間の上方に配置されたパ
    イプの底部に一定間隔をあけて形成する一方、前記第1
    及び第2回収部は樋であることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか記載の植物栽培装置。
  5. 【請求項5】 前記懸垂移動手段は、前記ガイドレール
    上を転がる1個の車輪と、当該ガイドレールを下から押
    さえ付ける2個の車輪とを備えることを特徴とする請求
    項1から4のいずれか記載の植物栽培装置。
  6. 【請求項6】 前記移送手段は、前記懸垂移動手段の各
    々に取り付けられたフックと、これら各フックを連結し
    て各懸垂移動手段を引っ張る牽引チェーンを備えること
    を特徴とする請求項1から5のいずれか記載の植物栽培
    装置。
  7. 【請求項7】 前記牽引チェーンは、前記フックに対し
    て位置をずらして掛け替えを行うことができることを特
    徴とする請求項6記載の植物栽培装置。
  8. 【請求項8】 前記各ガイドレールに沿って前記各ホル
    ダを移送させる栽培空間を上下方向に2段設置すると共
    に下段の栽培空間を前記各ホルダを水平にして使用する
    育苗用スペースにし、当該下段の栽培空間に育苗用の照
    明手段を備えたことを特徴とする請求項1から7のいず
    れか記載の植物栽培装置。
  9. 【請求項9】 前記育苗用スペースのホルダ移送方向上
    流側位置を催芽スペースにすると共に、少なくとも当該
    催芽スペースを覆って遮光及び水分保持を行う遮光・保
    湿部材を備えることを特徴とする請求項8記載の植物栽
    培装置。
  10. 【請求項10】 前記上下段の間で前記ホルダの移送を
    行うリフタを備えることを特徴とする請求項8又は9記
    載の植物栽培装置。
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