JP3480136B2 - 自動変速装置 - Google Patents

自動変速装置

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JP3480136B2
JP3480136B2 JP20343795A JP20343795A JP3480136B2 JP 3480136 B2 JP3480136 B2 JP 3480136B2 JP 20343795 A JP20343795 A JP 20343795A JP 20343795 A JP20343795 A JP 20343795A JP 3480136 B2 JP3480136 B2 JP 3480136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速装置、特
に自動車用の自動変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】それぞれリングギヤ、サンギヤ、キャリ
ヤで連結されたピニオンギヤから構成されるフロントプ
ラネタリギヤユニット、セカンドプラネタリギヤユニッ
ト、O/Dプラネタリギヤユニットを具備し、O/Dプ
ラネタリギヤユニットのリングギヤにカウンタドライブ
ギヤを連結して成るフロントエンジン・フロントドライ
ブ車用の自動変速装置が開発され使用されている(19
92年8月発行、トヨタセプター新型車解説書参照)。
【0003】ところが、上記の自動変速装置では、フロ
ントプラネタリギヤユニットのキャリヤと、フロントプ
ラネタリギヤユニットのリングギヤをスラスト支持する
部材とが軸方向に直列に配設され、また、カウンタドラ
イブギヤをインタミディエイトシャフトに回転可能に取
り付けるためのベアリングと、インタミディエイトシャ
フトをハウジングで支持するためのベアリングが軸方向
に直列に配置されていて、軸方向の寸法が長いという問
題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
み、軸方向寸法の短い小型の自動変速装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サンギヤ、キ
ャリヤの各要素の内の一つの要素に連結された第1摩擦
係合要素と、他の動力伝達部材に連結された第2摩擦係
合要素とを選択的に係合する摩擦係合装置を備える自動
変速装置において、前記遊星歯車装置を構成するリング
ギヤ、サンギヤ、キャリヤの各要素の内の一つの要素と
前記第1摩擦係合要素とを連結する第1連結部材と、前
記他の動力伝達部材と前記第2摩擦係合要素とを連結す
る第2連結部材とが、スラスト支持部材により連結さ
れ、摩擦係合装置の軸方向一端にピストンが配設され、
他端で前記第1連結部材と前記第2連結部材が前記スラ
スト支持部材により連結され、前記第1摩擦係合要素と
前記第2摩擦係合要素を前記ピストンと前記スラスト支
持部材の間に配置した、自動変速装置が提供される。こ
の様に構成することにより、前記遊星歯車装置に対し軸
方向直列に配置し、回転軸の周りから半径方向外側に延
伸したスラスト支持部材を用いることなく前記遊星歯車
装置の前記一つの要素がスラスト支持される。
【0006】 請求項2の発明によれば、遊星歯車装置
を構成するリングギヤ、サンギヤ、キャリヤの各要素の
内の一つの要素に連結された第1摩擦係合要素と、他の
動力伝達部材に連結された第2摩擦係合要素とを選択的
に係合する摩擦係合装置を備える自動変速装置におい
て、前記遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サンギ
ヤ、キャリヤの各要素の内の一つの要素と前記第1摩擦
係合要素とを連結する第1連結部材と、前記他の動力伝
達部材と前記第2摩擦係合要素とを連結する第2連結部
材とが、スラスト支持部材により連結され、前記スラス
ト支持部材が、前記第1連結部材に係合する2分割され
た第1スラスト支持部材と、この第1スラスト支持部材
を半径方向外側から囲むリング部材と、前記第2連結部
材に係合し、前記第1スラスト支持部材を挟持する様に
配設された第2スラスト支持部材とから成る、自動変速
装置が提供される。この様に構成することにより、限ら
れたスペースの中で、大きな剛性を有するスラスト支持
部材を得ることができる。
【0007】 請求項3の発明によれば、遊星歯車装置
を構成するリングギヤ、サンギヤ、キャリヤの各要素の
内の一つの要素に連結された第1摩擦係合要素と、他の
動力伝達部材に連結された第2摩擦係合要素とを選択的
に係合する摩擦係合装置を備える自動変速装置におい
て、前記遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サンギ
ヤ、キャリヤの各要素の内の一つの要素と前記第1摩擦
係合要素とを連結する第1連結部材と、前記他の動力伝
達部材と前記第2摩擦係合要素とを連結する第2連結部
材とが、スラスト支持部材により連結され、前記スラス
ト支持部材が、前記第1連結部材に係合する2分割され
た第1スラスト支持部材と、前記2分割された第1スラ
スト支持部材の間に挟持される2分割された段付きディ
スクと、第1連結部材に取り付けられ前記2分割された
段付きディスクの段付き部に係合するスナップリングと
から成る、自動変速装置が提供される。この様に構成す
ることにより、限られたスペースの中で、大きな剛性を
有するスラスト支持部材を得ることができる。
【0008】 請求項4の発明によれば、請求項1の発
明において、変速された動力を出力軸に伝達する出力ギ
ヤが、第1軸受を介して前記遊星歯車装置のサンギヤが
取り付けられた中間軸に取り付けられると共に、前記第
1軸受の半径方向外側に配設された第2軸受を介して、
自動変速装置の外殻を構成するハウジングにより支持さ
れている自動変速装置が提供される。請求項5の発明に
よれば、請求項1の発明において、前記摩擦係合装置が
供給した押圧力を倍力するカム機構を有している、自動
変速装置が提供される。請求項6の発明によれば、請求
項1の発明において、前記スラスト支持部材が、前記第
1連結部材に係合する2分割された第1スラスト支持部
材と、この第1スラスト支持部材を半径方向外側から囲
むリング部材と、前記第2連結部材に係合し、前記第1
スラスト支持部材を挟持する様に配設された第2スラス
ト支持部材とから成る、自動変速装置が提供される。請
求項7の発明によれば、請求項2または3の発明におい
て、変速された動力を出力軸に伝達する出力ギヤが、第
1軸受を介して前記遊星歯車装置のサンギヤが取り付け
られた中間軸に取り付けられると共に、前記第1軸受の
半径方向外側に配設された第2軸受を介して、自動変速
装置の外殻を構成するハウジングにより支持されてい
る、自動変速機が提供される。請求項8の発明によれ
ば、請求項2または3の発明において、前記摩擦係合装
置が供給した押圧力を倍力するカム機構を有している自
動変速装置が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面を用いて本発明の実
施例を説明する。図1は本発明による前進4段、後進1
段の自動変速装置の実施の形態の構造を示す図である。
PG1はフロントプラネタリギヤユニットであって、フ
ロントプラネタリリングギヤR1、フロントプラネタリ
サンギヤS1、フロントプラネタリピニオンギヤP1、
フロントプラネタリキャリヤK1から構成されている。
PG2はリヤプラネタリギヤユニットであって、リヤプ
ラネタリリングギヤR2、リヤプラネタリサンギヤS
2、リヤプラネタリピニオンギヤP2、リヤプラネタリ
キャリヤK2から構成されている。PG3はO/Dプラ
ネタリギヤユニットであって、O/Dプラネタリリング
ギヤR3、O/DプラネタリサンギヤS3、O/Dプラ
ネタリピニオンギヤP3、O/DプラネタリキャリヤK
3から構成されている。フロントプラネタリサンギヤS
1とリヤプラネタリサンギヤS2はフロント&リヤサン
ギヤ支持部材XFRで連結されていて一体に回転する。
【0010】C1はフォワードクラッチであって、イン
プットシャフトX1とフロントプラネタリリングギヤR
1とを選択的に係合する。C2はダイレクトクラッチで
あって、インプットシャフトX1とフロント&リヤサン
ギヤ支持部材XFRとを選択的に係合する。C3はO/
Dクラッチであって、ODプラネタリキャリヤK3とO
DプラネタリサンギヤS3とを選択的に係合する。
【0011】B1はバンド状のセカンドコーストブレー
キであってフロント&リヤサンギヤ支持部材XFRの回
転を選択的にロックする。B2はセカンドブレーキであ
ってフロント&リヤサンギヤ支持部材XFRの回転を選
択的にロックする。B3はファースト&リバースブレー
キであってリヤプラネタリキャリヤK2の回転を選択的
にロックする。B4はO/DブレーキであってO/Dプ
ラネタリサンギヤS3の回転を選択的にロックする。
【0012】図2は、上記の様に構成されている本発明
の実施の形態において、各レンジの各ギヤを得るため
の、各クラッチ、ブレーキ類の係合の組み合わせを示す
ものであって、例えば、Lレンジの1stギヤは、フォ
ワードクラッチC1と、O/DクラッチC3と、ファー
スト&リバースブレーキB3を係合することによって得
られる。
【0013】図3は図1のAの部分を拡大した図であっ
て、外周側にカウンタドライブギヤ1が形成されたカウ
ンタドライブギヤボス部2が、O/Dプラネタリリング
ギヤ支持ドラム3を介してO/Dプラネタリリングギヤ
R3に連結されている。一方、インターミディエイトシ
ャフトX2の外周には、O/DプラネタリキャリヤK3
と一体に形成され軸に沿い図中右方に延伸するO/Dプ
ラネタリキャリヤエクステンション4がスプライン結合
されている。
【0014】カウンタドライブギヤボス部2とO/Dプ
ラネタリキャリヤエクステンション4の間には、第1テ
ーパードローラベアリング5と第2テーパードローラベ
アリング6が配設されている。第1テーパードローラベ
アリング5のローラ5aと、第2テーパードローラベア
リング6のローラ6aは図示される様に互いに逆向きに
傾斜している。
【0015】第1テーパードローラベアリング5のアウ
タレース5bと、第2テーパードローラベアリング6の
アウタレース6bが、それぞれ、カウンタドライブギヤ
ボス部2の内周面上に取り付けられたスナップリング7
を挟む様にしながら、第2テーパードローラベアリング
6のインナレース6cの右側に、回り止め8を介して配
設された締め込みナット9を、第1テーパードローラベ
アリング5のインナレース5cの図中左端面がO/Dプ
ラネタリキャリヤK3の側面10に当接するまで締め込
んでいくことによって、第1テーパードローラベアリン
グ5と第2テーパードローラベアリング6はO/Dプラ
ネタリキャリヤエクステンション4に取り付けられる。
この様に、取り付けることによって、カウンタドライブ
ギヤボス部2はO/DプラネタリキャリヤK3に対す
る、スラスト方向の支持がなされている。
【0016】一方、カウンタドライブギヤボス部2に
は、カウンタドライブギヤボス部2と一体に形成され、
内周側で図中右方向に延伸するカウンタドライブギヤエ
クステンション11が結合されている。カウンタドライ
ブギヤエクステンション11の外周面と、ハウジング1
2から内側に延伸するハウジング中間壁13の内周面の
間には、ローラベアリング14が配設されている。この
様に、本発明では、カウンタドライブギヤボス部2は、
ローラベアリング14のみを介してハウジング12から
内側に延伸するハウジング中間壁13により支持されて
いるので、ハウジング中間壁13に対する変位は小さ
く、カウンタドライブギヤ1のカウンタドリブンギヤ
(図示しない)との噛み合い精度が良い。
【0017】なお、図4はカウンタドライブギヤエクス
テンション11の外周面と、ハウジング12から内側に
延伸するハウジング中間壁13の内周面の間に配設され
るベアリングを、インナーレースのないローラベアリン
グ16にしたものであって、部品点数が減少するととも
に、ベアリングの半径方向の寸法が小さくなり、その分
ハウジング中間壁13を内側に延長することが可能であ
って、ハウジング中間壁13の右側に配設されるファー
スト&リバースブレーキB3の設計自由度が大きい。
【0018】一方、図5は、本発明の図3に示した部分
に対応する従来技術の構造を示したものであって、図示
される様に、第1テーパードローラベアリング5、第2
テーパードローラベアリング6に軸方向で直列に配置さ
れたボールベアリング114を介して、O/Dプラネタ
リキャリヤエクステンション4が、ハウジング12から
内側に延伸するハウジング中間壁13により支持されて
いる。したがって、カウンタドライブギヤボス部2は、
O/Dプラネタリキャリヤエクステンション4と、第1
テーパードローラベアリング5および第2テーパードロ
ーラベアリング6を介してハウジング12から内側に延
伸するハウジング中間壁13により支持されているの
で、ハウジング中間壁13に対する変位が大きく、カウ
ンタドライブギヤ1のカウンタドリブンギヤ(図示しな
い)との噛み合い精度が良くない。
【0019】したがって、また、従来技術におけるO/
DプラネタリキャリヤK3の右端面とリヤプラネタリリ
ングギヤ支持ディスク15の左端面の間の距離L0 は、
図3にL1 で示される本発明の場合に比べると長い。逆
に言えば、本発明は、従来技術に比して、L0 −L1
け軸方向に短縮されているということである。
【0020】図6は図1のフロントプラネタリPG1と
フォワードクラッチC1の部分を拡大した図であって2
0はフォワードクラッチドラムであって、インプットシ
ャフトX1のフランジ部21に固定結合され、インプッ
トシャフトX1のフランジ部21の外周面21aと共働
してピストン室22を形成し、ピストン室22に油路2
3を介して作動油を給排することにより、ピストン室2
2の内部をピストン24が摺動する。また、ピストン2
4はスプリング25によって常時図中右方に付勢されて
いる。なお、25aはスプリング25を取り付けるスプ
リング座である。そして、26はクラッチディスク支持
部材であって、内周側にはフロントプラネタリピニオン
ギヤP1と係合するフロントプラネタリリングギヤR1
が形成されている。
【0021】図7は図6の200の部分を拡大したもの
であって、27はフォワードクラッチドラム20にスプ
ライン結合されたクラッチプレートであり、28は両側
に摩擦部材29が取り付けられたクラッチディスクであ
ってクラッチディスク支持部材26にスプライン結合さ
れている。クラッチプレート27とクラッチディスク2
8はピストン24(図6参照)によって、選択的に結合
される。30はインナスラスト支持部材であって、図8
に示される様に、半割り状に分割されていて、リング3
1によって外周側を周囲することによって、内周面に形
成された爪30aがクラッチディスク支持部材26に形
成された穴に26aに嵌合して、クラッチディスク支持
部材26に対してスラスト方向および回転方向に固定さ
れる。
【0022】インナスラスト支持部材30の両側には、
フォワードクラッチドラム20にスプライン結合された
第1アウタスラスト支持部材32、第2アウタスラスト
支持部材33が配設されている。第1アウタスラスト支
持部材32の外周側面の図中右方にはフォワードクラッ
チドラム20上に形成されたストッパ面34が配設さ
れ、第2アウタスラスト支持部材33の図中左方にはフ
ォワードクラッチドラム20にスラスト方向固定に取り
付けられたスナップリング35が配設されている。この
様に構成することによって、フロントプラネタリリング
ギヤR1が取り付けられているクラッチディスク支持部
材26はスラスト方向に支持される。なお、ストッパ面
34とスナップリング35の間の距離は、フォワードク
ラッチC1を係合作動させない時には、インナスラスト
支持部材30と、第1アウタスラスト支持部材32、第
2アウタスラスト支持部材33とが互いに相対回転でき
るようにされている。
【0023】図9に示すのは変形例におけるクラッチデ
ィスク支持部材26のスラスト支持方法であって、クラ
ッチディスク支持部材26にインナスラスト支持部材3
0をリング31を用いて取り付けるのではなくて、クラ
ッチディスク支持部材26にはスナップリング36のみ
を取り付け、その外周側に2枚の段付きディスク37を
配設し、この段付きディスク37を第1アウタスラスト
支持部材32と第2アウタスラスト支持部材33で挟持
する様にしたものである。この様にすることにより、複
雑な爪付きの部材を加工する必要がなくなり、また組立
ても軸方向に順次はめ込むだけであり容易になる。
【0024】図10は他の変形例におけるクラッチディ
スク支持部材26のスラスト支持方法であって、上記の
変形例をさらに簡単化したものであって段付きディスク
37を削除してクラッチディスク支持部材26にはスナ
ップリング36のみを取り付けこれを第1アウタスラス
ト支持部材32と第2アウタスラスト支持部材33で直
接に挟持する様にされており、部品点数も少なく、組立
てもさらに容易で、コストが安い。
【0025】一方、図11は、本発明の図6に示した部
分に対応する従来技術の構造を示したものであって、ク
ラッチディスク支持部材26は、インプットシャフトX
1のフランジ部21の左端面とこれに対応するフロント
プラネタリキャリヤK1の右端面の間を通って、内周側
から外周側に伸びるディスク状スラスト支持部材130
にスナップリング135を介して取り付けることによっ
て、スラスト方向の支持がされている。したがって、従
来技術におけるインプットシャフトX1のフランジ部2
1の左端面とこれに対応するフロントプラネタリキャリ
ヤK1の右端面の間の距離はM 0 は、図6にM1 で示さ
れる本発明の場合に比べると長い。逆に言えば、本発明
は、従来技術に比して、M0 −M1 だけ軸方向に短縮さ
れているということである。
【0026】図12は、図6のI−I面に沿って見た断
面図を模式的に示したものである。図示される様に、フ
ォワードクラッチドラム20とピストン24の対向する
面上にはカムローラ40を挟んでそれぞれカム面20
a、20b、24a、24bが形成されている。そし
て、この図12はクラッチが非係合の状態を示している
ので、ピストン24は、スプリング25の付勢力により
図中右方に追いやられ、ピストン24の左端の面24c
と、最も右に配置されたクラッチディスク28の右端面
28cは離間している。
【0027】したがって、フォワードクラッチドラム2
0が図中矢印Yの方向に回転し、クラッチディスク28
が停止しているとすると、フォワードクラッチドラム2
0にスプライン結合されているクラッチプレート27、
第1アウタスラスト支持部材32、第2アウタスラスト
支持部材33も同じ方向に回転するのに加えて、ピスト
ン24も図示された状態を保ちながらフォワードクラッ
チドラム20と同じ方向に回転する。しかし、クラッチ
ディスク支持部材26に取り付けられているクラッチデ
ィスク28(含む摩擦部材29)、およびインナスラス
ト支持部材26は停止している。
【0028】この状態から、油路23(図6参照)を介
して作動油をピストン室22に供給すると、ピストン2
4はスプリング25の付勢力に打ち勝って、図中左方に
押し出され、ピストン24の左端面24cと最も右に配
置されたクラッチディスク28の右端面28cが係合す
る。すると、ピストン24は停止しているクラッチディ
スク28に引きずられて、止まろうとし、フォワードク
ラッチドラム20との間に、相対速度差が生じて、その
結果、カムローラ40が、フォワードクラッチドラム2
0のカム面20aとピストン24のカム面24aを上
り、やがて図13に示す状態となり、クラッチディスク
28の摩擦部材29とクラッチプレート27がしっかり
係合し、インナスラスト支持部材26を介して、フロン
トプラネタリリングギヤR1がフォワードクラッチドラ
ム20と一体に回転することになる。
【0029】ここで、ピストン24には、カムの作用に
よって、フォワードクラッチドラム20とピストン24
の隙間を拡げようとする力が作用し、作動油の油圧によ
る力が倍力されて作用する。したがって、作動油の油圧
にのみ頼っている従来技術のものに比べると同じ油圧で
も大きな係合力を得ることができ、逆に、同じ係合力を
得るために必要なクラッチプレート27とクラッチディ
スク28(含む摩擦部材29)の枚数は少ない。
【0030】その結果、従来技術においては、図11に
示される様に6枚のクラッチプレート27と5枚のクラ
ッチディスク28を必要としていたのに対して、本発明
のこの実施の形態においては3枚のクラッチプレート2
7(内1枚は第1アウタスラスト支持部材)と3枚のク
ラッチディスク28で足りている。したがって、本発明
のこの実施の形態におけるフォワードクラッチドラム2
0の軸方向の長さN1 は、図11に示される従来技術の
場合の長さN0 よりも短く、ハウジング12に近い部分
の軸方向長さを縮小することを可能としている。
【0031】また、本発明のこの実施の形態において
は、ダイレクトクラッチC2、O/DクラッチC3、セ
カンドブレーキB2、ファースト&リバースブレーキB
3、O/DブレーキB4にもカム機構が組み込まれてお
り、フォワードクラッチC1と同様に従来技術に比べて
少ないクラッチディスク、クラッチプレートで構成さ
れ、ハウジング12に近い部分の軸方向長さを縮小する
ことを可能ならしめている。図14は、本発明の実施の
形態の全長(トルコン部分を除く)と、図5あるいは、
図11にも部分的に示してきた従来技術の全長を比較し
たものであって、本発明の実施の形態は従来技術に比し
て約13%短い。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、自動変速機の軸方向の
長さ、特に中心軸に近い部分の軸方向の長さを短縮する
ことができる。請求項4〜8ではさらに中心軸に遠い部
分の軸方向の長さも短縮することができる。その結果、
軸方向長さの短い自動変速装置を得ることができ、より
小形の車両への搭載を可能にし、あるいは、車室空間を
大きくすることが可能である。また、請求項4,7の発
明によれば、出力ギヤの噛み合い精度が向上し耐久性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速装置の実施の形態の全体
の構造を示す図である。
【図2】各レンジの各ギヤを得るための摩擦係合装置の
作動の組合わせを示す図である。
【図3】図1のA部を拡大して示した図である。
【図4】図3の部分の変形例である。
【図5】図3の部分の従来技術の構造を示す図である。
【図6】図1のPG1部、C1部を拡大して示した図で
ある。
【図7】図6の200部を拡大して示した図である。
【図8】図7のインナスラスト支持部材30とリング3
1を軸方向から見た図である。
【図9】図6の部分の変形例である。
【図10】図6の部分の他の変形例である。
【図11】図6の部分の従来技術の構造を示す図であ
る。
【図12】図6のI−I線に沿って見た断面を模式的に
表した図である(クラッチ非係合時)。
【図13】図6のI−I線に沿って見た断面を模式的に
表した図である(クラッチ係合時)。
【図14】本発明の実施の形態と従来技術の全長を比較
した図である。
【符号の説明】 PG1…フロントプラネタリギヤユニット PG2…セカンドプラネタリギヤユニット PG3…O/Dプラネタリギヤユニット R1…フロントプラネタリリングギヤ S1…フロントプラネタリサンギヤ P1…フロントプラネタリピニオンギヤ K1…フロントプラネタリキャリヤ R2…リヤプラネタリリングギヤ S2…リヤプラネタリサンギヤ P2…リヤプラネタリピニオンギヤ K2…リヤプラネタリキャリヤ R3…O/Dプラネタリリングギヤ S3…O/Dプラネタリサンギヤ P3…O/Dプラネタリピニオンギヤ K3…O/Dプラネタリキャリヤ X1…インプットシャフト X2…インタミデォエイトシャフト XFR…フロント&リヤサンギヤ支持部材 C1…フォワードクラッチ C2…ダイレクトクラッチ C3…O/Dクラッチ B1…セカンドコーストブレーキ B2…セカンドブレーキ B3…ファースト&リバースブレーキ B4…O/Dブレーキ 1…カウンタドライブギヤ 2…カウンタドライブギヤボス部 3…O/Dプラネタリリングギヤ支持ドラム 4…O/Dプラネタリキャリヤエクステンション 5…第1テーパードローラベアリング 6…第2テーパードローラベアリング 7…スナップリング 8…回り止め 9…締め込みナット 10…O/DプラネタリキャリヤK3の側面 11…カウンタドライブギヤエクステンション 12…ハウジング 13…ハウジング中間壁 14…ローラベアリング 15…リヤプラネタリリングギヤ支持ディスク 16…ローラベアリング 20…フォワードクラッチドラム 22…ピストン室 23…油路 24…ピストン 25…スプリング 26…クラッチディスク支持部材 27…クラッチプレート 28…クラッチディスク 29…摩擦部材 30…インナスラスト支持部材 31…リング 32…第1アウタスラスト支持部材 33…第2アウタスラスト支持部材 34…ストッパ面 35…スナップリング 36…スナップリング 37…段付きディスク 40…カムローラ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−26649(JP,A) 特開 昭58−131453(JP,A) 特開 昭58−131451(JP,A) 特開 平1−266323(JP,A) 特開 平6−42597(JP,A) 特開 平5−240316(JP,A) 特開 平4−228955(JP,A) 実開 昭58−69145(JP,U) 実開 平4−56968(JP,U) 実開 平6−40471(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/00 - 3/78 F16D 25/0638 F16H 63/00 - 63/38

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サ
    ンギヤ、キャリヤの各要素の内の一つの要素に連結され
    た第1摩擦係合要素と、他の動力伝達部材に連結された
    第2摩擦係合要素とを選択的に係合する摩擦係合装置を
    備える自動変速装置において、 前記遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サンギヤ、キ
    ャリヤの各要素の内の一つの要素と前記第1摩擦係合要
    素とを連結する第1連結部材と、前記他の動力伝達部材
    と前記第2摩擦係合要素とを連結する第2連結部材と
    が、スラスト支持部材により連結され、摩擦係合装置の軸方向一端にピストンが配設され、他端
    で前記第1連結部材と前記第2連結部材が前記スラスト
    支持部材により連結され、前記第1摩擦係合要素と前記
    第2摩擦係合要素を前記ピストンと前記スラスト支持部
    材の間に配置した、 ことを特徴とする自動変速装置。
  2. 【請求項2】 遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サ
    ンギヤ、キャリヤの各要素の内の一つの要素に連結され
    た第1摩擦係合要素と、他の動力伝達部材に連結された
    第2摩擦係合要素とを選択的に係合する摩擦係合装置を
    備える自動変速装置において、 前記遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サンギヤ、キ
    ャリヤの各要素の内の一つの要素と前記第1摩擦係合要
    素とを連結する第1連結部材と、前記他の動力伝達部材
    と前記第2摩擦係合要素とを連結する第2連結部材と
    が、スラスト支持部材により連結され、 前記スラスト支持部材が、前記第1連結部材に係合する
    2分割された第1スラスト支持部材と、この第1スラス
    ト支持部材を半径方向外側から囲むリング部材と、前記
    第2連結部材に係合し、前記第1スラスト支持部材を挟
    持する様に配設された第2スラスト支持部材とから成
    る、 ことを特徴とする自動変速装置。
  3. 【請求項3】 遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サ
    ンギヤ、キャリヤの各要素の内の一つの要素に連結され
    た第1摩擦係合要素と、他の動力伝達部材に連結された
    第2摩擦係合要素とを選択的に係合する摩擦係合装置を
    備える自動変速装置において、 前記遊星歯車装置を構成するリングギヤ、サンギヤ、キ
    ャリヤの各要素の内の一つの要素と前記第1摩擦係合要
    素とを連結する第1連結部材と、前記他の動力伝達部材
    と前記第2摩擦係合要素とを連結する第2連結部材と
    が、スラスト支持部材により連結され、前記スラスト支持部材が、前記第1連結部材に係合する
    2分割された第1スラスト支持部材と、前記2分割され
    た第1スラスト支持部材の間に挟持される2分割された
    段付きディスクと、第1連結部材に取り付けられ前記2
    分割された段付きディスクの段付き部に係合するスナッ
    プリングとから成る、 ことを特徴とする自動変速装置。
  4. 【請求項4】 変速された動力を出力軸に伝達する出力
    ギヤが、 第1軸受を介して前記遊星歯車装置のサンギヤが取り付
    けられた中間軸に取り付けられると共に、 前記第1軸受の半径方向外側に配設された第2軸受を介
    して、自動変速装置の外殻を構成するハウジングにより
    支持されていることを特徴とする請求項1に記載の自動
    変速装置。
  5. 【請求項5】 前記摩擦係合装置が供給した押圧力を倍
    力するカム機構を有していることを特徴とする請求項1
    に記載の自動変速装置。
  6. 【請求項6】 前記スラスト支持部材が、前記第1連結
    部材に係合する2分割された第1スラスト支持部材と、
    この第1スラスト支持部材を半径方向外側から囲むリン
    グ部材と、 前記第2連結部材に係合し、前記第1スラスト支持部材
    を挟持する様に配設された第2スラスト支持部材とから
    成ることを特徴とする請求項1に記載の自動変速装置。
  7. 【請求項7】 変速された動力を出力軸に伝達する出力
    ギヤが、 第1軸受を介して前記遊星歯車装置のサンギヤが取り付
    けられた中間軸に取り付けられると共に、 前記第1軸受の半径方向外側に配設された第2軸受を介
    して、自動変速装置の外殻を構成するハウジングにより
    支持されていることを特徴とする請求項2または3に記
    載の自動変速装置。
  8. 【請求項8】 前記摩擦係合装置が供給した押圧力を倍
    力するカム機構を有していることを特徴とする請求項2
    または3に記載の自動変速装置。
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