JP3479259B2 - 道路ネットワーク経路探索方法および装置 - Google Patents
道路ネットワーク経路探索方法および装置Info
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Description
における、出発地点から目的地点までの経路を最小コス
ト条件下で探索するコンピュータシステムに関する。
高まってきている。複雑な道路ネットワークにおいて
は、最適な経路を求めることは容易でない。ネットワー
クが複雑になると高性能のコンピュータをもってしても
計算時間が増加し、実質的に処理が不可能な事態とな
る。
対応すべく、様々な手法が提案されている。道路ネット
ワークに対するコンピュータを用いた最短経路探索でよ
く用いられるラベル確定法は、コンピュータの要処理時
間が少なくてすみ、迅速に回答を得られる。ラベル確定
法はこの方法の発明者の名をとってダイクストラ法と呼
ばれることもある。
で表現される。特定の地点に対応する図の丸印(○)を
「ノード」、そのノードとノードを結ぶ線は地点間の経
路に相当し、「リンク」と呼ぶ。数学的にはこれらのノ
ードとリンクの集合をグラフと呼び、リンクに向きが有
るものを有向グラフ、無いものを無向グラフと呼んでい
る。図1の例は有向グラフの例である。このようなシス
テムで、出発点のノードsから目的点のノードtへの経
路で、最も短くなるものを見い出す問題が最短路問題で
ある。
めに、ノードテーブルが用いられる。たとえば図1の例
において、下記のようなテーブルを作成しておけば、ラ
ベル確定法によって最短路が求められる。 ノード番号 出リンク 終点ノード コスト 入リンク 始点ノード コスト ===== ==== ===== === ==== ===== === 1 1 2 50 1 2 50 1 2 3 80 2 3 80 2 3 3 20 3 3 20 2 4 4 15 4 4 15 : : : : : : : : : : : : : :
ンクを同じ番号(図1の[]で囲んだ番号)とコストが
同じとしているが、始点ノードと終点ノードおよびそれ
を結ぶリンクが同じ経路としても、一般の場合には入リ
ンクと出リンクのコストは同じではないので、番号を変
えるのが普通である。したがって、図の例はむしろ特殊
なケースである。また、ノードテーブルの作り方は必ず
しも上記の例が唯一の方法ではなく、いくつかの方法が
提唱されている。
ルは膨大な量になる。しかし、実際にカーナビゲーショ
ン(カーナビ)などで使われる交通網ネットワークで
は、ネットワークはメッシュ化して、メッシュ単位で読
み取られて経路探索や画面表示されている。この方がデ
ータを扱いやすいし、またメモリに限界のある端末での
扱いにおいては現実的である。さらにインターネットで
交通網ネットワークを配信する場合では、膨大な交通網
データを一度に取り寄せることは時間的にもコスト的に
も必ずしも有利とはいえない。
ッシュをファイル化した場合に問題になるのは、メッシ
ュとメッシュをつなぐリンクの扱いをどうするかであ
る。たとえば図2の(1)に示すように、メッシュAと
それに隣接するメッシュBがある場合、メッシュAのノ
ードテーブルは、 ノード番号 出リンク 終点ノード 入リンク 始点ノード ===== ==== ===== ==== ===== [4] B [7] B であり、メッシュBのノードテーブルは、 ノード番号 出リンク 終点ノード 入リンク 始点ノード ===== ==== ===== ==== ===== [7] A [4] A となる(コストは省略)。ここで丸印の番号はノード番
号を表し、その前の英字はメッシュを表す。また[]の
番号はリンク番号を表す。
り、それに伴う道路ネットワークも改訂される。たとえ
ば、図2の(1)をh1年作成のネットワークが、h2
年に図2の(2)に変更されたとしよう。h2年におけ
るメッシュAのノードテーブルは、 ノード番号 出リンク 終点ノード 入リンク 始点ノード ===== ==== ===== ==== ===== [5] B [3] B であり、メッシュBのノードテーブルは、 ノード番号 出リンク 終点ノード 入リンク 始点ノード ===== ==== ===== ==== ===== [3] A [5] A となる。同じネットワークであっても、ノード番号やリ
ンク番号を変えて作成した方が、前ネットワークの番号
を踏襲したときよりも自由なナンバリングが行え、交通
網ネットワークが作成しやすい。
タを取り寄せる場合には、メッシュ単位の方が効率的で
あり、また現実的であるために、すでに手元(たとえ
ば、すでに手持ちのCD-ROMあるいはインターネットで取
り寄せた全ネットワーク)にある道路ネットワークと結
合させて使用できれば便利である。ところが図2の例の
ような場合、手元のh1年ネットワークにh2年のメッ
シュAだけのネットワークを取り寄せたときには、隣接
するメッシュBとの整合性が取れなくなる。なぜならh
2年のメッシュテーブルAはノードテーブルは、 ノード番号 出リンク 終点ノード 入リンク 始点ノード ===== ==== ===== ==== ===== [5] B [3] B であるのに対して、h1年のメッシュBのノードテーブルは、 ノード番号 出リンク 終点ノード 入リンク 始点ノード ===== ==== ===== ==== ===== [7] A [4] A となる。本来なら、Aの終点ノードはBであり、B
の終点ノードAでなければならない。またリンク番
号もちぐはぐになっている。このため、隣接メッシュ間
のつながりがなくなるだけでなく、正しいつながりが得
られないために、間違ったノードテーブルによる経路探
索が行われ、正しい経路が求まらないことになる。
リンクがメッシュ間を越える場合には境界でノードを発
生させ、そこにおけるノード番号を固定させるという考
え方がある。たとえば図3の例のように、隣接するメッ
シュAとメッシュBの境界線に、メッシュA側ではノー
ドを、メッシュB側ではを発生させ、独立してノー
ド管理する。このノードを区画辺ノードあるいは区画辺
点といい、各メッシュのノードテーブルを図4の形式で
作成し、区画辺ノード番号を、それが存在する間は番号
を不変にする。図4の形式に従ってh1年度の交通網ネ
ットワークを記述すると、メッシュAの区画辺ノードテ
ーブルは、 となる(入リンクは省略)。一方、h2年度の交通網ネ
ットワークでは、メッシュAの区画辺ノードテーブル
は、 となる。ここで重要な点は、接合ノード(隣接メッシュ
接合ノード)の番号が変更前と変更後で変わっていない
ことである。
度のメッシュBを接合させた場合、区画辺でのノードテ
ーブルは以下のようになる。メッシュAの区画辺ノード
テーブルは、 となる。隣接メッシュ接合ノード番号は不変であるか
ら、図5に示すような年度を超えたネットワークの融合
が整合性を損なわずに作れることになる。
システムでは、コンピュータ上の問題解決策手段として
様々な方法が用いられているが、最小コストという条件
で経路探索をする場合には、基本的にはラベル確定法が
用いられている。一般的なラベル確定法では、経路探索
の対象となるネットワークデータは一つにまとめられて
いるが、データ量の関係で複雑に分断されたネットワー
クデータを用いなければならない場合もある。たとえ
ば、モバイル端末で歩行者ナビゲーションシステムやカ
ーナビゲーションシステムを実現する場合、小型軽量と
いう制約があるために、記憶領域にかなりの制約がある
場合が多い。そのため、必要な地図領域だけをダウンロ
ードして使えるように、地図データをメッシュ構造に分
断させている。
らない場合、ラベル確定法を用いて、隣接メッシュ地域
のデータを含む経路探索を行うためには、隣接メッシュ
地域との関係を定めておく必要がある。この隣接メッシ
ュ地域との関係の定め方は様々な方法が考えられる。モ
バイルなどの小メモリ容量の中での経路探索を意識した
場合、データができるだけ小さなことが望ましい。
て、必要範囲のデータを取り出すことができ、効率のよ
いメモリ管理が行える。また、インターネットなどでデ
ータを取り寄せる場合にも、必要なメッシュ単位でのア
クセスでよく、通信効率アップも図れる。とはいえ、地
図データはデータ容量が大きいために、一度に広域のデ
ータを取り寄せたのでは、通信時間が掛かりすぎるなど
の問題点がある。
た経路探索データを使っているために、道路が新しくで
きたり、あるいはなくなったりしても、新しいCR-ROMを
購入しない限り、古いデータでの探索しか行えなかっ
た。今後、携帯電話などを用いたコンピュータネットワ
ーク通信で、最新の経路探索ネットワークデータをカー
ナビ端末側に送信することができるようになれば、常に
最新のデータで経路探索ができるようになる。たとえ
ば、データファイルのヘッダーにデータ作成日付情報を
書き込み、端末側とサーバー側が異なる時期のデータで
あれば、端末側にあるデータのをすべて破棄してサーバ
ー側のデータですべて更新すればよい。
端末側にダウンロードしてある場合、新しく1枚のメッ
シュ地図をダウンロードしただけでも、ノードのナンバ
リグが変更されていたりしたときには、いままでのデー
タが利用できず、結局はすべてのメッシュを新しいメッ
シュで書き換えなければならない。要するに、変更のあ
るメッシュのみを取り寄せて更新する方法は従来の考え
方ではできなことになる。全データを最新のデータで更
新することは、先にも述べたように通信時間が掛かり、
時間的にもコスト的にも好ましいものではない。
ッシュが各データ作成時期ごとのすべての隣接メッシュ
結合ノードを持てば、隣接するメッシュのデータ作成時
期をヘッダー等で確認して解決できるが、データ更新す
ればするほどデータ量が増え続けるために、実用的でな
い。また、今回の問題は毎年ノード番号とリン番号が変
わるため、古いデータを隣接メッシュ接合ノードデータ
が使えなくなるということであるから、ある規則に則っ
て道路網に対し、ノード番号を付けていけば、すべての
ノードが実在する限り同じ番号を持ち続けさせるという
方法も考えられる。しかしこの方法においても、道路は
増えたり減ったりするので、増えた部分を見込んで領域
をあらかじめ確保しておかなければならず、将来の増加
番号の見通しの立て方が難しいことと、規則を設けたと
しても、ネットワーク更新に当たりノード番号、リンク
番号の振り方が難しいことである。それに第一、無駄な
領域(未使用の領域)が必要となり、実用的でない。
た区画辺点のノード番号をそのノードが存在する間は不
変に保つという方法である。この方法を用いれば、異な
る年度のネットワークを融合させた場合にも、年度を超
えてメッシュ間の対応が取れるために、経路探索に何の
支障もなく行える。しかも、区画辺上のノード番号のみ
年度を継承すればよいから、区画辺上外のノード番号は
自由に付けられ、他のメッシュを意識することなくナン
バリングが行えることである。ただし、この方法ではノ
ードの消滅した場合でも、そのノード番号は永久欠番と
して利用できないという問題点がある。
シュ単位に自由にノード番号が付けられ、しかもメッシ
ュ状に分断された道路ネットワークデータに対して、作
成時期の異なるメッシュデータを混在させても整合性が
失われず、従来のラベル確定法を用いて効率的に経路探
索を可能にする方法を提唱することである。
に、請求項1に記載された発明は、道路ネットワークが
メッシュ状に分断され、なおかつ異なる時期に作成され
たデータが混在し、前記データを用いて出発地点から目
的地点までの経路を、地点をノード、地点間をリンクと
して道路ネットワークを表現し、コンピュータを用いて
ラベル確定法によりコストとして移動時間または移動距
離などを用いて、最短コスト条件下で探索する道路ネッ
トワーク経路探索方法において、(1)メッシュに分割さ
れた道路ネットワークデータは、特定の地点に対応する
ノード、そのノードとノードを結ぶ線は地点間の経路で
あるリンクで表現され、メッシュの境界をリンクが越え
る場合は、メッシュ区画辺上にノードを設定し、(2)前
記区画辺上のノードについては作成時期に係わらず地図
上に固定した緯度経度座標値を付与し、(3)ラベル確定
法による経路探索処理によって、最小ポテンシャルを探
索しながら仮ラベルと永久レベルをメッシュ番号とノー
ドとで設定し、仮ラベルを永久ラベルに変更したノード
が区画辺上のノードのときは、隣接するメッシュ内にお
いて前記区画辺上のノードと同一の緯度経度座標のノー
ドについて、再度、経路探索処理を行う道路ネットワー
ク経路探索方法とする。
ワークがメッシュ状に分断され、なおかつ異なる時期に
作成されたデータが混在し、前記データを用いて出発地
点から目的地点までの経路を、地点をノード、地点間を
リンクとして道路ネットワークを表現し、コンピュータ
を用いてラベル確定法によりコストとして移動時間また
は移動距離などを用いて、最短コスト条件下で探索する
道路ネットワーク経路探索システムにおいて、(1)メッ
シュに分割された道路ネットワークデータは、特定の地
点に対応するノード、そのノードとノードを結ぶ線は地
点間の経路であるリンクで表現され、メッシュの境界を
リンクが越える場合は、メッシュ区画辺上にノードを設
定し、(2)前記区画辺上のノードについては作成時期に
係わらず地図上に固定した緯度経度座標値を付与する手
段、(3)ラベル確定法による経路探索処理によって、最
小ポテンシャルを探索しながら仮ラベルと永久レベルを
メッシュ番号とノードとで設定し、仮ラベルを永久ラベ
ルに変更したノードが区画辺上のノードのときは、隣接
するメッシュ内において前記区画辺上のノードと同一の
緯度経度座標のノードについて、再度、経路探索処理を
する手段を備えた道路ネットワーク経路探索システムと
する。
ワークがメッシュ状に分断され、なおかつ異なる時期に
作成されたデータが混在し、前記データを用いて出発地
点から目的地点までの経路を、地点をノード、地点間を
リンクとして道路ネットワークを表現し、コンピュータ
を用いてラベル確定法によりコストとして移動時間また
は移動距離などを用いて、最短コスト条件下で探索する
道路ネットワーク経路探索において、(1)メッシュに分
割された道路ネットワークデータは、特定の地点に対応
するノード、そのノードとノードを結ぶ線は地点間の経
路であるリンクで表現され、メッシュの境界をリンクが
越える場合は、メッシュ区画辺上にノードを設定し、
(2)前記区画辺上のノードについては作成時期に係わら
ず地図上に固定した緯度経度座標値を付与し、(3)ラベ
ル確定法による経路探索処理によって、最小ポテンシャ
ルを探索しながら仮ラベルと永久レベルをメッシュ番号
とノードとで設定し、仮ラベルを永久ラベルに変更した
ノードが区画辺上のノードのときは、隣接するメッシュ
内において前記区画辺上のノードと同一の緯度経度座標
のノードについて、再度、経路探索処理する手順をコン
ピュータで実行するプログラムを記録した記録媒体とす
る。
こで、ポテンシャルは、出発点(出発ノード)からの距
離または時間を表す。すなわち以下の経路探索は、出発
点からの距離または時間が最小になるように、ラベル確
定法を改良した処理である。
に特別な仮ラベル(*、0)を付け、それ以外のノード
には仮ラベル(Φ,∞)を付ける。ここで、*は出発ノ
ードであり、どのリンクも入って来ないということを意
味する。またΦは、まだこのノードにどのリンクも到達
していないことを意味する。これを「ノードを未探索」
と呼ぶ。
理):仮ラベルを付けたノードのうち、最小ポテンシャ
ルのノードを探索し、それを最小ポテンシャルノードv
とする。この最小のポテンシャルを持つノードvが、目
的ノードの場合は終了する。そうでなければ、仮ラベル
のノードのうち、ポテンシャルが最小のノードvを求め
ステップ3へ進む。
ら出るリンクaで接続する終点ノードをδ-a、これに掛
かるコストをd(δ-a)としたとき、起点からのすでに
求められているノードvのポテンシャルをp(v)とす
ると、ノードδ-aのポテンシャルは p(v)+d(a) となる。すでにノードδ-aに対して設定されているポテ
ンシャルをp(δ-a)としたとき、p(v)+d
(a)がp(δ-a)より小さければ、 p(v)+d(a) を新たなポテンシャルp(δ-a)とし、仮ラベルを (a,p(δ-a)) とする。上記の処理をしたあと、ノードvの仮ラベルを
永久ラベルとする。その後、ノードvが区画辺ノードの
場合はステップ4へ、そうでない場合はステップ2(最
小ポテンシャルの探索処理)に戻る。
処理):ノードvと隣接するメッシュの区画辺上のノー
ドをwとした場合、vの経度緯度座標値とwの経度緯度
座標値を比較し、経度緯度座標値が等しくなるwをvの
隣接メッシュ接合ノードと判断し、ノードwを新たにノ
ードvとし、上記のステップ3と同様に経路探索処理を
行い、ノードvのラベルを永久ラベルとしてステップ2
へ戻る。
って出発地点までの経路を要求される形式で出力する。
う。たとえば、メッシュAの区画辺点ノードのノード番
号m、その経度緯度座標値(xa,ya)、メッシュBの
区画辺点ノードのノード番号n、その経度緯度座標値
(xb,yb)とした場合、各メッシュにおける区画辺ノ
ードデータは、 メッシュA:ノード番号m、経度緯度座標値(xa,
ya) メッシュB:ノード番号n、経度緯度座標値(xb,
yb) と登録する。一方、実行時に経路探索でメッシュAのノ
ードmが処理の対象となったとき、隣接するメッシュB
の区画辺点の経度緯度座標値とノードmの経度緯度座標
値を比較し、 xa=xb かつ ya=yb となった場合、メッシュAのノードmとメッシュBのノ
ードnは接合すると判断する。
標値(xb,yb)を(緯度,経度)とすれば、この値は
ノードが存在する間、不変(一定)である。メッシュ更
新時、旧ノード番号にこだわらずにまったく新しいノー
ド番号を付け直してもよく、またノードが消滅したとき
には、消滅したノード番号を新たに使用することも可能
である。したがって、ネットワークの更新時、新旧のノ
ード番号に拘束されないナンバリングが可能となる。た
だし、実行時間に経度緯度座標値の比較を行うために、
多少の時間が掛かる。
たときに、そのメッシュに接合する隣接メッシュ接合ノ
ードデータをすべて変更し、その変更データをファイル
に書き出しておけば、実行時(経路探索時)のチェック
は不要となり、速度アップが図れる。
6または図7の形式で持つ。図6は区画辺ノードに経度
緯度座標値を持たせ、図7の区画辺ノードには経度緯度
座標値と隣接メッシュ接合ノードデータを持たせる。前
者は実行時に隣接メッシュ接合ノードをチェックする場
合に用い、後者は実行時に接合ノードをチェックするこ
ともできるが、新しいメッシュを入手した段階で入手し
たメッシュとそれに隣接メッシュの隣接メッシュ接合ノ
ードデータを更新する場合に用いる。図8の例で見てみ
よう(区画辺のみ記述)。
座標値と隣接メッシュ接合ノードデータは以下の通りと
なる。 h1年度版 メッシュAのノードテーブル メッシュBのノードテーブル A:(x1,y1) B B:(x1,y1) A A:(x2,y2) B B:(x2,y2) A A:(x3,y3) B B:(x3,y3) A h2年度版 Aメッシュのノードテーブル Bメッシュのノードテーブル A:(x1,y1) B B:(x1,y1) A A:(x3,y3) B B:(x3,y3) A A:(x4,y4) B B:(x4,y4) A このテーブルからわかることは、区画辺上の接合ノード
は、経度緯度座標値(x、y)が同じであり、ノード番
号と隣接メッシュ接合ノードデータの番号が1対1の関
係になっていることである。メッシュ間の接合ノードは
同一点であることを考えれば当然の結果といえよう。
のメッシュBをインターネットから入手したとしよう。
このとき、取り寄せたメッシュと元のメッシュのノード
テーブルをそのまま表記すると、以下のようになる。 融合ネットワーク メッシュAのノードテーブル メッシュBのノードテーブル ……(T1) A:(x1,y1) B B:(x1,y1) A A:(x2,y2) B A:(x3,y3) B B:(x3,y3) A B:(x4,y4) A 上記の表(T1)は、h1年度にあった経度緯度座標
(x2,y2)のノードBが消滅し、新たにh2年度に
経度緯度座標(x4,y4)にノードBができている。
新旧を混在させるのであるから、新旧のノードの対応が
メッシュAとメッシュBの間で取れないのは当然であ
る。しかし、同じ経度緯度座標にあるノード番号に対応
が取れないのは問題がある。少なくても融合ネットワー
クは図8の(3)で示すノード番号の対応をしていなけ
ればならない。上記のノードテーブルが図8の(3)の
ような対応ができていないのは、新旧のテーブルをその
まま踏襲しているからである。
値である。この経度緯度座標値をもとに上記の区画辺上
の隣接メッシュ接合ノードデータを書き換える。その手
順は以下のように行う。 (処理1):新たに読み取ったメッシュ(新メッシュ)
の区画辺上のノード番号順に区画辺上ノードの経度緯度
座標値と、隣接メッシュ(旧メッシュ)の隣接メッシュ
接合ノードデータの経度緯度座標値とを比較し、同じ値
の経度緯度座標値を見出したときには、その経度緯度座
標に対応する相手方のノード番号を新たに隣接メッシュ
接合ノードデータとする。もし隣接メッシュに対応する
経度緯度座標値がないときには、適当な記号を用いて相
手方なしの印を隣接メッシュ接合ノードデータに付け
る。 (処理2):(処理1)と同じ処理を隣接する旧メッシ
ュ側から行い、旧メッシュの隣接メッシュ接合ノードデ
ータを新メッシュのノード番号で書き換える。
に行ってみよう。まず(処理1)から行うと、Bの経
度緯度座標値は(x1,y1)であるから、このBに隣
接するメッシュAから経度緯度座標値が(x1,y1)の
ものを探す。検索の結果、Aが条件に合うから、 メッシュAのノードテーブル メッシュBのノードテーブル A:(x1,y1) B B:(x1,y1) A となる。上記の手順説明では(処理1)と(処理2)に
分けたが、経度緯度座標値が同じということは同じ点
(同一ノード)であるから、Aが選び出された時点
で、メッシュAのノードAの隣接メッシュ接合ノード
データをBで置き換えられることがわかる。したがっ
て、(処理2)を丁寧に行わなくても、上記のようなデ
ータ書き換えが同時に行える。具体的には、図9に示す
処理を行っていることになる。
y3)で相手方ノードを探すと、Aが検出される。そ
の結果、 メッシュAのノードテーブル メッシュBのノードテーブル A:(x3,y3) B B:(x3,y3) A となる。同様にBについて同じ処理を行うと、対象と
なるノードが見つからないから、 メッシュAのノードテーブル メッシュBのノードテーブル B:(x4,y4) − となる。ここで、“−”は対象ノードがないことを表
す。
シュBを見たとき、まだ書き換えられていないメッシュ
Aのノードのみを調べる。ここではAがまだ更新され
ていないから、経度緯度座標値(x2,y2)で相手方ノ
ードを調べると、対応するノードがないから、テーブル
は、 メッシュAのノードテーブル メッシュBのノードテーブル A:(x2,y2) − となる。
えられ、 メッシュAのノードテーブル メッシュBのノードテーブル ……(T2) A:(x1,y1) B B:(x1,y1) A A:(x2,y2) − A:(x3,y3) B B:(x3,y3) A B:(x4,y4) − となる。図9に示すメッシュBに隣接するすべてのメッ
シュ(図の斜線部)についてもまったく同じ処理となる
から、ここでは説明を省略する。これによって、図8の
(3)の関連を正しくテーブル化することができたこと
になる。
目的点に行く場合、ノードテーブル(T2)をもとに経
路探索をしたとき、すでにh2年には消滅しているノー
ドAも経路探索に含まれるが、メッシュBにつながる
がないために、探索はAで探索は途絶え、この道路を
通る経路は選択されない。またメッシュAでは新しくで
きた道路(ノードB経由の道路)がないために、この
道路を経由する経路は選択されない。一方、メッシュB
内の出発点からメッシュA内の目的点に行く場合、新し
い道路(ノードB経由の道路)はノードBの相手方
ノードがないために、経路として選ばれない。すでに消
滅している道路(ノードA経由の道路)は、h2年に
はそれに対応するノードがないために、やはり経路とし
て探索されない。以上のように、新規に入手したメッシ
ュ(新メッシュ)に新たにできている道路が相手方旧メ
ッシュにない場合には、その道路は経路として選択され
ない。これは、新旧のズレがあるために止む得ない。こ
れに対してすでに消滅している道路は、たとえ旧メッシ
ュにその道路が残っていたとしても、経路として選ばれ
ないために、問題はない。新しい道路ネットワークで新
しい道路が最小コストになる可能性があっても、最短経
路(最小コスト経路)として新しい道路は選ばれないこ
とはあっても、消滅した道路を経由する道路を選ぶこと
はない。したがって、利用者の問題となるような経路
(たとえば行き止まりの道)が選択されることなく、融
合ネットワークで従来通りのラベル確定法がそのまま使
用でき、そのネットワークでのベストな経路探索が可能
となる。
ドを検索する方法では、上記の隣接メッシュ接合ノード
データを求める処理をその区画辺点に達するごとに実行
する。したがって、実行時間(経路探索時間)は掛かる
が、隣接メッシュ接合ノードデータを持たないだけデー
タ量を減らすことができる。
点としか接合しないので、隣接メッシュ接合ノードの検
索は隣接するメッシュ内の区画辺点だけを対象とすれば
良く、実行時に検索しても負荷はあまり大きくない。も
し道路網が格子状になっており、n*nのネットワーク
構造である場合、区画辺点は4n個である。分割メッシ
ュ配信型のネットワークは約1km四方のデータで配信
されることが予想され、30m間隔で道路が存在する密
なネットワークであっても1辺約30個で1メッシュあ
たり120個が最大値と考えられる。単純に自分のメッ
シュ内から隣接メッシュ内の隣接メッシュ接合ノードを
区画辺点内で総当りで考えると120*120*1/2
=7200回になるので、これでは負荷が大きい。これ
は実際の道路では首都圏の最も密度の濃い地域よりも条
件が厳しいので、この条件でクリアできれば実用的であ
るといえる。
ッシュの上下左右の4辺でブロック分けし、さらにそれ
ぞれのブロック内で経度緯度座標でソーティングする。
経度緯度座標でソーティングされていれば2分木法が使
えるようになるので1回の検索がlog2(120/4)=
5回となる。従って、この手法を用いれば、実行時間内
においても十分なパフォーマンスを得ることができる。
図11は図6のデータ構造を実行時間内で隣接メッシュ
接合ノードが高速に検索できるようにしたデータ構造図
である。
ても、経路探索が行えることである。このため、将来メ
ッシュ単位で道路ネットワークデータのインターネット
の配信サービスが行われたときに、必要とする最新のメ
ッシュデータのみ取り寄せれば、現在使用している古い
道路ネットワークデータと融合し、実質的に最新の道路
ネットワークのもとでの経路探索が可能となる。これに
よって、通信時間の短縮化と通信コストの削減が可能と
なる。
明するためのネットワーク図である。
て、区画辺を越えるノード間のノード番号とリンク番号
の変わり方を示した図である。
て、区画辺上のノード番号を固定した場合の例を示した
図である。
る。
合の道路ネットワークの区画辺を中心に見たノードのつ
ながりを説明するための図である。
辺点にノードデータと経度緯度座標値を有する場合)。
辺点にノードデータ、経度緯度座標値および隣接メッシ
ュ接合ノードデータを有する場合)。
ュを融合させたときの区画辺上のノードのつながりを説
明するための図である。
ド番号を更新する方法の説明図である。
ある。
ュ接合ノードが高速に検索できるようにしたデータ構造
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】道路ネットワークがメッシュ状に分断さ
れ、なおかつ異なる時期に作成されたデータが混在し、
前記データを用いて出発地点から目的地点までの経路
を、地点をノード、地点間をリンクとして道路ネットワ
ークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法によ
りコストとして移動時間または移動距離などを用いて、
最短コスト条件下で探索する道路ネットワーク経路探索
方法において、(1)メッシュに分割された道路ネットワ
ークデータは、特定の地点に対応するノード、そのノー
ドとノードを結ぶ線は地点間の経路であるリンクで表現
され、メッシュの境界をリンクが越える場合は、メッシ
ュ区画辺上にノードを設定し、(2)前記区画辺上のノー
ドについては作成時期に係わらず地図上に固定した緯度
経度座標値を付与し、(3)ラベル確定法による経路探索
処理によって、最小ポテンシャルを探索しながら仮ラベ
ルと永久レベルをメッシュ番号とノードとで設定し、仮
ラベルを永久ラベルに変更したノードが区画辺上のノー
ドのときは、隣接するメッシュ内において前記区画辺上
のノードと同一の緯度経度座標のノードについて、再
度、経路探索処理を行うことを特徴とする道路ネットワ
ーク経路探索方法。 - 【請求項2】道路ネットワークがメッシュ状に分断さ
れ、なおかつ異なる時期に作成されたデータが混在し、
前記データを用いて出発地点から目的地点までの経路
を、地点をノード、地点間をリンクとして道路ネットワ
ークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法によ
りコストとして移動時間または移動距離などを用いて、
最短コスト条件下で探索する道路ネットワーク経路探索
システムにおいて、(1)メッシュに分割された道路ネッ
トワークデータは、特定の地点に対応するノード、その
ノードとノードを結ぶ線は地点間の経路であるリンクで
表現され、メッシュの境界をリンクが越える場合は、メ
ッシュ区画辺上にノードを設定し、(2)前記区画辺上の
ノードについては作成時期に係わらず地図上に固定した
緯度経度座標値を付与する手段、(3)ラベル確定法によ
る経路探索処理によって、最小ポテンシャルを探索しな
がら仮ラベルと永久レベルをメッシュ番号とノードとで
設定し、仮ラベルを永久ラベルに変更したノードが区画
辺上のノードのときは、隣接するメッシュ内において前
記区画辺上のノードと同一の緯度経度座標のノードにつ
いて、再度、経路探索処理をする手段を備えたことを特
徴とする道路ネットワーク経路探索システム。 - 【請求項3】道路ネットワークがメッシュ状に分断さ
れ、なおかつ異なる時期に作成されたデータが混在し、
前記データを用いて出発地点から目的地点までの経路
を、地点をノード、地点間をリンクとして道路ネットワ
ークを表現し、コンピュータを用いてラベル確定法によ
りコストとして移動時間または移動距離などを用いて、
最短コスト条件下で探索する道路ネットワーク経路探索
において、(1)メッシュに分割された道路ネットワーク
データは、特定の地点に対応するノード、そのノードと
ノードを結ぶ線は地点間の経路であるリンクで表現さ
れ、メッシュの境界をリンクが越える場合は、メッシュ
区画辺上にノードを設定し、(2)前記区画辺上のノード
については作成時期に係わらず地図上に固定した緯度経
度座標値を付与し、(3)ラベル確定法による経路探索処
理によって、最小ポテンシャルを探索しながら仮ラベル
と永久レベルをメッシュ番号とノードとで設定し、仮ラ
ベルを永久ラベルに変更したノードが区画辺上のノード
のときは、隣接するメッシュ内において前記区画辺上の
ノードと同一の緯度経度座標のノードについて、再度、
経路探索処理する手順をコンピュータで実行するプログ
ラムを記録した記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000120873A JP3479259B2 (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 道路ネットワーク経路探索方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000120873A JP3479259B2 (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 道路ネットワーク経路探索方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001304888A JP2001304888A (ja) | 2001-10-31 |
JP3479259B2 true JP3479259B2 (ja) | 2003-12-15 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP4839765B2 (ja) * | 2005-10-04 | 2011-12-21 | 株式会社デンソー | 電子機器、路線地図データ更新システム、及び、路線地図データ管理装置 |
CN113704943B (zh) * | 2021-09-10 | 2024-04-05 | 京东科技信息技术有限公司 | 节点拓扑图布局方法及装置、计算机存储介质、电子设备 |
-
2000
- 2000-04-21 JP JP2000120873A patent/JP3479259B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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