JP3353029B2 - 最小コスト経路探索方法およびシステム - Google Patents
最小コスト経路探索方法およびシステムInfo
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Description
流探索問題などで用いられる、ノードとリンクで構成さ
れたネットワークにおける出発点から目的点までの最小
コスト経路を探索する最小コスト経路検索方法および有
効代替経路探索システムに関する。
題としては最短路問題、最大流問題、最小費用流問題な
どがある。そのうち最短路問題として広く使われている
数理計画上の手法にダイクストラ法がある。以下、簡単
にこの手法を説明する。
する。図の丸印が節点、節点と節点を結ぶ線が枝であ
る。ここでは、節点をノード、枝をリンクとよぶことに
する。ノードとリンクの集合をグラフといい、リンクに
向きが有るものを有向グラフといい、無いものを無向グ
ラフという。有向グラフは向きと長さをもっている。図
1の例は有向グラフの例である。出発点のノードsから
目的点のノードtへの経路で、もっとも短くなるものを
見い出す問題が最短路問題である。
を P={s,i,j,……、k,t} とする。このとき、PをあるノードでP1とP2に分割
した場合、部分集合P1とP2も、それぞれの集合内で
最短路になっている。これを最適性の原理といい、この
原理を利用して数理的に最短路を求めるアルゴリズムが
ダイクストラ法である。すなわち、ダイクストラ法は空
集合から始めて、最短路となるノードを一つずつ求めて
最短路部分集合を膨らませていき、最終的に全部のノー
ドに対して最短路を求める方法である。以下は、プログ
ラミングするときのアルゴリズムである。
ドの集合をV、sからjに至る最短路の長さd(j)、
その最短路のノードの集合S1、その補集合S2(=V−
S1)とすると、以下の方法で最短路が求まる。 (1)初期値化として、 S1←0(空集合)、S2←V d(s)←0、d(i)←∞ とする。ここで、iはS2に含まれるノード、X←Yは
XをYで置き換えることを表す。
から、vをS1に含め、vをS2から外す。
が次に到達する、S2に含まれるすべてのノードiに対
して d´(i)←d(v)+avi を計算し、d(i)>d´(i) ならd(i)←d´
(i) かつ p(i)←vとする。ここで、aviはノ
ードvからノードiに至る長さ(リンクの長さ)であ
り、d(i)、d´(i)は出発点sからiに至る経路
の長さである。この時点のd(i)は、S1内のノード
からの最短路長になっている。S2にはもっと短い経路
が存在する可能性はあるが、それは繰り返し計算のなか
で求められることになる。 (5)ステップ(2)のステップに戻る。
終ノードtからp(t)をもとに逆にたどっていけば、
出発ノードsまでの最短路が求まる。たとえば、図1の
例を上記のアルゴリズムで求めると、 d(1)=0 d(2)=50 d(3)=70 d(4)=65 d(5)=85 p(2)= 1 p(3)= 2 p(4)= 2 p(5)= 3 となる。
はノード3(p(5)=3)、ノード3の前はノード2(p(3)
=2)、ノード2の前はノード1(p(2)=1)、すなわち出
発点sにたどりつく。すなわち、最短路は1→2→3→
5、その長さは85(=d(5))である。また、ノード1
からノード4に至る経路(1→2→4)の長さd(4)は、
やはり最短路長になっている。
経路をシミュレーションしてみるとわかるが、ノード3
からノード4に至る長さd´(4)は計算しなくてもすむ。
すなわち、ダイクストラ法を用いれば、総組み合わせに
よる最短路計算に比べて、計算量が少なくてすむ。この
ため、最短路問題ではダイクストラ法は広く利用されて
いる。
は、演算処理速度が速いという特徴をもっている。しか
し、この方法は第1最小コスト経路を求めるには適して
いるが、第2最小コスト以下のコスト経路を求めるには
不便なことと、ノードにコスト(リンク間遷移コスト)
が掛かるような場合には特別な配慮が必要となり、必ず
しも簡単に応用できなかったという欠点ももっている。
ード内に新たなノードとリンクを生成することによって
ダイクストラ法が応用できる形態にネットワークを書き
換えることができるが、ノードの多い実際の道路交通網
ではネットワークが複雑になるだけでなく、計算時間や
メモリへの負荷が増え、必ずしも実際的でないという問
題点をもっている。
長の経路は求まるが、代替経路を求めることはできな
い。また、ノードが道路網における交差点や鉄道におけ
る乗換駅のような場合で、しかもノードを通過すときに
コストがかかるときには、単純にダイクストラ法を用い
ることができない。
つとして、『交差点内コストを考慮した道路網における
経路探索の手法とそのマルチメディア型経路案内システ
ムへの応用』(情報処理学会論文誌VOL.33 No.7 1992/
6)(以下、「道路網経路探索法」と呼ぶ)を提案し
た。以下、その内容を簡単に説明する。
と番号づけをする。また、出発ノードをO0、目的ノー
ドをS0とする。
1、2、……、mと番号づけをする。リンクaの始点ノー
ド▽+a、終点ノードを▽-a、非負のコストをd(a)
とする(図2参照)。また、ξ-をそれぞれ終点ノード
▽-aから出ていくリンクの集合、ξ+を始点ノード▽+
aに入ってくるリンクの集合を表す。
のコストに相当するものであり、 ▽-a=▽+b であるような二つのリンクa、bに対して非負のリンク
間遷移コストを C(a,b) で表す(図3参照)。
純経路とは、同一リンクを一度しか使わない以下の条件
を満たす順列 P=a0,a1,……,ai(i=1,2,……,l) である。その条件とは、 ▽+a0=u、 ▽-ai=v、 ▽+ai-1=▽-ai(i=1,2,……,l)、 ai≠aj(i=0,1,2,……,l;j=0,1,2,……,l;i≠j) であり、そのコストは Σd(ai)+ΣC(ai-1,ai) で与えられる。なお前者の総和Σはi=0〜l、後者の総和
Σはi=1〜lである。
ノードvに至る第k最小コスト経路(k≧1)とは、ノ
ードO0からノードvに至る単純経路のうち、コストが
k番目に小さいものをいう。
トτ(a)とは、出発ノードO0からリンクaを経由し
てリンクaの終点ノード▽-aに至る第1最小コスト経
路のコストをいう(図4参照)。
リンクbの始点ノード▽+bに入ってくるリンクの集合
ξ-bの要素である各入リンクaに対して以下の式で定
義される値δ(a,b)である。すなわち、 δ(a,b)={τ(a)+C(a,b)+d(b)}
−τ(b) である(図5参照)。出リンクに対する入リンクおよび
コスト差分のリスト:出リンクbに入ってくる入リンク
と、その入リンクのコスト差分の対を小さい順に並べて
おくためのリストであり、△(b)で表す。
から出発ノードO0に、目的ノードS0から仮想ノードn+
2に至るそれぞれコスト0なる仮想リンクm+1およびm+2
を便宜上定義する(図6参照)。
bであるような入リンクaと出リンクbの対のポテンシ
ャルp(a,b)とは、出発ノードO0からリンクaを
通ってリンクbの終点ノード▽-bに至る第1最小コス
ト経路のコストのことであり、 τ(a)+C(a,b)+d(b) で与えられる。
からξ+aに属する各リンクに対して、入出リンク対の
ポテンシャルp(a,b)を求め、ヒープHに登録する
ことをいう。
…,alの累積コストとは ΣC(ai-1,ai) のことをいう。ただしΣはi=1〜lまでの総和を表す。
の単純経路を体系的に表したものであり、各節点はネッ
トワーク上のリンクに対応し、根は仮想リンクm+2に対
応する。節点番号は根を1とし、以降は発生する順に番
号を付与し、第i番目に生成された節点に対応するリン
クをλiと記す(ネットワーク上のノードと区別するた
めに、木のノードを“節点”と記す)。任意の節点iか
ら根まで遡った経路は、ネットワーク上の一つの単純路
を示す。この単純路をPiとし、iから1までの節点番
号をi,p2,p3,…,pi,1とすると、Piは次のようになる。 Pi=λi,λp2,…,λpi,m+2
を出リンクとする入リンクのうち、その節点から下方に
未だ生成されていない入リンクの中でコスト差分が最小
のリンクのことをいい、これをβiで表す。もしそのよ
うな入リンクがなければ、βi=0である。
βiに対し、節点iから根に至る経路の類型コスト差分
とリンクλiとリンクβiのコスト差分δ(λi,βi)の
和をいう。
最小コスト経路の仮想リンクm+1に対応する節点番号と
するとき、節点Rk,F(Rk),F(F(Rk)),
…,1に対応するリンクm+1,λF(Rk),…,m+2が最小コス
ト経路を与える。ただし、F(i)は節点iの親節点を
表す。
高速道路のインターチェンジなどである。通常、ノード
におけるコストは0として扱うが、現実には交差点の信
号待ちとか、料金所の支払待ちなどによるコストが生じ
る。たとえば、同じ交差点での信号待ちでも、上り車線
と下り車線ではコストは異なる。現在の信号の多くは連
動しているからである。また、右折や左折などによって
もコストは異なる。
を利用するとなると、交差点におけるノードを図7に示
すように、交差点ノードをさらに細分化し、新たなノー
ドとリンクを増やさなければならない。しかしこれでは
ネットワークが複雑になるだけでなく、計算時間やメモ
リへの負荷が多くなり、現実的でない。
最小コスト経路を求めるには便利であるが、第k最小コ
スト経路や代替経路を求めることは難しい。そこで、先
に挙げた論文ではコスト差分、発芽リンク、リンク対、
第k最小コスト経路の経路木といった概念を導入して、
この問題を解決している。
IとフェーズIIとに分け、フェーズIでリンクの離脱
コスト、出リンクに対する入リンクおよびコスト差分の
リストを求め、フェーズIIでこれを利用して第k番目
までの最小コスト経路の木を育てる手法を採っている。
アルゴリズムの詳細は省略するが、以下に「道路網経路
探索法」における具体例とその結果を挙げる。
で表記)とリンク[6]と[7]は、それぞれ仮想ノードと仮
想リンクであり、他は実質のネットワークである。また
囲いのない数字はリンクのコストを表す。またここで
は、ノード<3>における入リンク[2]と出リンク[5]にリ
ンク間遷移コストが4(=C(2,5))、ノード<2>における
入リンク[4]と出リンク[3]にリンク間遷移コストが2
(=C(4,3))が掛かるものとする。これを表にしたもの
が表1である。
と、表2の結果を得る。なお、表中の(s)はコスト差
分sを表す。
のリンクを求めることになるが、第1最小コスト経路は
コスト差分が0のものをたどればよいことになるから、
図9のような経路が求まる。なお、図の円の上部の数字
は節点番号、下部の番号は下のネットワークにおけるリ
ンク番号を表す。また、点線で示した円は発芽リンクを
表し、()内の数字は出リンクに対する入りリンクのコ
スト差分を表し、{}内の数字は発芽リンクのコストで
ある。
節より新たな経路木を発生させればよいから、リンク
[4]が選ばれ、以下、仮想リンク[6]が現れるまで表2か
ら経路をたどると、図10の経路木が得られる。同様に
して、第3最小コスト経路は図11のように得られる。
移コストが考慮され、しかも第k最小コスト経路までの
複数の代替経路が求めることができる。しかしこのため
には、入出リンク対のポテンシャルを保存するヒープ領
域やリンク差分のリストなどの、あらかじめ第kコスト
経路を求めるための領域が必要となる。とくに節点が増
えると、節点ごとに上方遅延時間、下方遅延時間、親節
点、発芽リンクなどの情報が必要となるために、代替経
路が多くなればなるほど、メモリへの負荷が多くなり、
メモリ効率が悪くなる。またそれに伴う処理時間も増え
るという問題も生じる。
コストを考慮に入れたネットワークに対して、最小コス
ト経路を求めると共に、任意の代替経路を求めることが
できる新たな手法を得ることである。
めに、ノードとリンクで構成され、リンク間遷移コスト
を含むネットワークに対して、出発点から目的点に到達
する組み合わせのなかから有効な経路を探索する方法に
おいて、(1)ノードに対する入リンクと出リンクを対と
するリンク対のコストを前記出リンクとリンク間遷移コ
ストの和とし、(2)前記リンクを新ノード、前記リンク
対を新リンクとし、前記新ノードと前記新リンクからな
る新ネットワークを構築し、(3)前記新ネットワークに
対してダイクストラ法を用いて最小コスト経路を探索す
る。
動時間や移動金額などの移動に伴う所要量を表す統一さ
れた単位のことであり、実際に使用するコスト値は平均
値である。たとえば、コストが列車の運行時間や待ち時
間の場合には、全体の移動時間や待ち時間の平均値であ
る。また、探索の結果求められるコスト経路はあくまで
もその条件下における最小コスト経路である。
リンク間遷移コストを含むネットワークに対して、新た
なネットワークを作成して処理を行う。このために元の
ネットワークと新たなネットワークでネットワークに関
する用語が重複するために、新しいネットワークに対し
ては“新”を用語の頭に付ける。“新”の付いていない
場合には、元のネットワークにおける用語とする。
ストラ法を用いて最小コスト経路を探索する方法によっ
て求められた最小コスト経路において、異なる路線と接
続する1以上の新リンク(元のネットワークにおけるリ
ンク対)を使用禁止にしてダイクストラ法を用いて経路
探索し、有効代替経路を求める。
ド、リンク対を新リンクとして扱うために、実際のネッ
トワークとは異なる。しかもネットワークを図に表す
と、新リンクがクロスする部分が多く現れて見にくい
が、利用者がディスプレイ画面で目にするネットワーク
は元のネットワークであり、処理はコンピュータの内部
処理として行われるために、何ら問題はない。
クで構成され、リンク間遷移コストを含むネットワーク
に対して、ノードに対する入リンクと出リンクを対とす
るリンク対のコストを前記出リンクとリンク間遷移コス
トの和とし、元のネットワークにおけるリンクを新ノー
ド、前記リンク対を新リンクとし、前記新ノードと前記
新リンクからなる新ネットワークを作成する。
す。図において、元のネットワークにおける各要素の記
号およびコストは以下のように表す。なお、変数や記号
は上記の「道路網経路探索法」における説明と同様であ
る。 ノード :<i-1>、<i>、<i+1> リンク :[a]、[b] リンク対 :[a]→[b] (入リンクa、出リンクb) リンクのコスト :d(a)、d(b) リンク間遷移コスト:C(a,b)
対を新リンクに置き換え、かつ新たに生成される新リン
クのコストは出リンクとリンク間遷移コストの和とする
というルールに従って、以下のように各要素は書き換え
られる。 新ノード:<a>、<b> 新リンク:[x] 新リンクのコスト:d(X)=d(b)+C(a,b)
12の(2)のようになる。また、xはどのように決めれ
ばよいかにつては説明が必要である。この点を以下で説
明する。
ネットワークを考える。ただし、<1>は出発地、<n>は目
的地であり、<0>と[0]は出発地に接続する仮想ノードと
リンク、<n+1>と[l+1]は目的地から接続される仮想ノー
ドとリンクである。当然、仮想リンクのコストおよびリ
ンク間コストは0とする。このネットワークをリンク対
を中心にリストにすると表3のようになる。なお、表は
入リンク番号で昇順にソートされている。
リンクを設定していくと、表3の後半部分のようにな
る。新リンクに付けられた番号すなわち新リンク番号
は、上から順に連番に振られている。したがって、新リ
ンク[x]の番号xは表の上からx番目に現れる新リンク
を表す。また、新リンクのコストは、元のネットワーク
の出リンクとリンク間遷移コストの和になっているが、
出発地(図13ではノード<1>)とそれに接続する仮想
リンクの入リンクのコストとリンク間遷移コストは0で
あるから、リンクのコストと同じになる。
および仮想リンクと対をなすリンク間遷移コストも0と
してあるから、新ネットワークでの新リンクのコストも
0である。
らゆる経路のコストの総和は、元のネットワークの総和
と同じになる。したがって、リンク対を新リンクとして
も、求められた経路において、元のネットワークのコス
トの総和と新ネットワークのコストの総和は等しい。
クを描くと図14のようになる。このネットワークには
リンク間遷移コストは含まれないからダイクストラ法が
そのまま利用でき、第1最小コスト経路を求めることが
できる。
経路の探索手法を説明する。まず、新ネットワークに対
してダイクストラ法を用いて得られた第1最小コスト経
路が図15の経路だったとする。図のネットワークは元
のネットワークでの経路を示している。異なる路線への
接続ノードが<▽-a>であるとすると、異なる路線接続リ
ンク対[a]→[b]すなわち新リンク[▽-b]を使用禁止にし
て、新たにダイクストラ法を用いて最小コスト経路を探
索することにより、有効代替経路が求められる。このと
きリンク対[a]→[c]すなわち新リンク[▽-c]は使用禁止
の対象にならないから、代替経路として探索されるかは
別であるが、この時点における有効代替経路の候補の一
つである。
トワークのリンク対)が複数存在する場合には、個々の
新リンクを一つずつ使用禁止にすれば、新リンクの数だ
け有効代替経路が求められる。それをコストの小さい順
に並べれば、第2最小コスト経路以下が求められる。た
だし、ここで求められる代替コスト経路は、可能な全代
替経路から見た場合に、必ずしもコストの小さい方から
正確に探索されるわけではなく、利用者が使用すること
のできる有効な代替経路すなわち有効代替経路である。
ただし、ダイクストラ法を用いているから、そう極端に
コストパフォーマンスの悪い経路は探索されない。その
意味で利用者にとって意味のある“有効代替経路”であ
る。
替経路から、さらに多くの有効代替経路を求めるには、
すでに求められた経路に対して各経路の新リンクの組み
合わせで使用禁止にしてダイクストラ法を用いて最小コ
スト経路探索を行えば、新たな有効代替経路が求められ
る。この場合、新リンクの使用禁止する組み合わせの数
だけ有効代替経路が求められるから、すでに求められて
いる有効代替経路も含めてコストの小さい順に並べ替え
れば、第2最小コスト経路以下の有効代替経路が求めら
れる。
示したフローチャートである。処理S1は利用者の入力、
処理S6は、処理S2〜S5で探索された、利用者の指定した
出発地と目的地間の最小コスト経路と有効代替経路(第
2最小コスト経路以下の経路)の表示である。処理S4の
“使用禁止新リンクの指定”では、すでに求められた経
路(第1最小コスト経路と有効代替経路)における異な
る路線接続のある新リンクを各経路の組み合わせによっ
て使用禁止指定する。たとえば、第1最小コスト経路の
新リンク[a]、[b]、第2最小コスト経路の新リンク
[c]、[d]で異なる路線接続があるとすると、[a]と[c]、
[a]と[d]、[b]と[c]、[b]と[d]などの組み合わせで使用
禁止にする。もちろん、[a]、[b]、[c]、[d]をすべて使
用禁止にする方法も組み合わせの一つとしてある。探索
の終了条件S3では、指定数の代替経路が求められたか、
あるいは検索経路がすでに無いかを終了条件にする。
均的に限られている交通網においてとくに有効である。
そこで、鉄道で東京から江古田へ行く場合を例として挙
げる。探索結果の例が図17である。ダイクストラ法に
より最小コスト経路(1)が求められる。
続駅)は池袋であるから、上記最小コスト経路において
池袋での丸の内線から西武池袋線への乗り継ぎの新リン
ク(リンク対)を使用禁止にしてダイクストラ法を用い
ると、有効代替経路(a)が求められる。
手線から西武池袋線への乗り継ぎの新リンク(リンク
対)を追加して使用禁止にすると、他の有効代替経路
(b)が求められる。
る路線と接続する乗り継ぎ駅であるから、池袋での山手
線から西武池袋線への乗り継ぎと新宿での中央線から山
手線への乗り継ぎを追加して使用禁止すると他の有効代
替経路(C)が求まる。
索法」の概念をいくつか踏襲している。たとえば、本発
明でも「道路網経路探索法」の中で定義されているリン
ク対、仮想リンク等の概念などを利用している。しか
し、その手法や求めるようとしている内容はまったく別
物である。前記の論文ではコスト差分と発芽リンクをあ
らかじめ求めておき、第k最小コスト経路を求めるため
に、1からkまでの経路をすべて順に探索することにな
り、代替経路が増えるに従ってそのための記憶エリアが
必要になる。
一つの単位を新たなネットワークのリンクに書き換えた
あとは、ダイクストラ法だけで最小コスト経路と代替経
路が求められる。代替経路を求める場合には、すでに求
められた経路のノードを順次使用禁止にすることによっ
て自動的にコスト順に求められる。また本発明の実施の
形態や実施例に示したように、ある段階からは同時に複
数の代替経路がコスト順に求められることである。この
ようなことが行えるのは、リンク対という概念を導入し
ているためである。
ンクおよびコストと、新ネットワークの新ノードと新リ
ンクおよびコストのテーブルを基本的に記憶しておくだ
けで本発明のシステムは利用できるために、使用するメ
モリ容量は代替経路数に依存しない。またダイクストラ
法は計算が速いために、代替経路の数にもよるが、通常
利用者が必要とする経路数では、探索に要する処理時間
はほとんど必要としない。
に書き換えるアルゴリズムは、リンクを新ノードに、リ
ンク対を新リンクに、それぞれ置き換えるだけでよいか
ら、アルゴリズムが非常に簡単であり、プログラム化が
容易である。しかも新ノード数はリンク数、新リンク数
はリンク対数であるから、容易に処理時間が予想でき
る。
遷移コストが含まれるから、リンク間遷移コストを意識
しなくてもよく、ダイクストラ法を一つサブルーチン化
しておけば、どのようなネットワークに対しても対応が
可能であり、処理時間もきわめて速い。
ド、リンク対を新リンクとして扱うために、実際のネッ
トワークとは異なる。しかもネットワークを図に表す
と、図14の例のように新リンクがクロスする部分が多
く現れて見にくいが、利用者がディスプレイ画面で目に
するネットワークは元のネットワークであり、処理はコ
ンピュータの内部処理として行われるために、何ら問題
はない。なぜなら、探索結果表示は、表3で示したよう
なテーブルをもってれば元のネットワークと新ネットワ
ークの対応が取れるために、探索結果は元のネットワー
クの形態で表示が可能だからである。以上の点を踏まえ
て本発明の利点をまとめると、以下のようになる。
い最小コスト経路の探索法である。本発明は、出発地か
ら目的地までのダイクストラ法を繰り返すことにより代
替経路を求めているために、従来の候補経路をあらかじ
めいくつか求めておく手法よりも高速な探索が可能であ
る。
量を必要としないために、小さなメモリ容量のシステム
でも使用できる。しかも、代替経路の探索は使用禁止新
リンク(リンク対)を設定するたびにダイクストラ法に
よって求められるために、使用するメモリ容量は代替経
路数に依存しない。
少ないネットワークにおいて有効である。道路交通網の
場合にはすべてのデータを同時に扱おうとすると路線変
更が多いために、必ずしも有効とはいえないが、高速道
路網や国道・県道のように階層化し、路線変更の少ない
簡略化されたネットワークにおいては十分に対応でき
る。
ての説明図である。
る。
のネットワークでダイクストラ法を用いるために、新た
なノードとリンクを生成する方法の説明図である。
一例の説明図である。
経路の説明図である。
ト経路の説明図である。
ト経路の説明図である。
である。
ーク図である。
の説明図である。
経路から有効代替経路を求める方法を説明するための図
である。
と有効代替経路の探索アルゴリズムを示したフローチャ
ートである。
小コスト経路と有効代替経路の探索例である。
Claims (6)
- 【請求項1】ノードとリンクで構成され、リンク間遷移
コストを含むネットワークに対して、出発点から目的点
に到達する組み合わせのなかから有効な経路を探索する
方法において、(1)ノードに対する入リンクと出リンク
を対とするリンク対のコストを前記出リンクとリンク間
遷移コストの和とし、(2)前記リンクを新ノード、前記
リンク対を新リンクとし、前記新ノードと前記新リンク
からなる新ネットワークを構築し、(3)前記新ネットワ
ークに対してダイクストラ法を用いて最小コスト経路を
探索することを特徴とする最小コスト経路探索方法。 - 【請求項2】ノードとリンクで構成され、リンク間遷移
コストを含むネットワークに対して、出発点から目的点
に到達する組み合わせのなかで任意の経路における最小
コストとなる経路をコンピュータ装置により探索する方
法において、(1)ノードに対する入リンクと出リンクを
対とするリンク対のコストを前記出リンクとリンク間遷
移コストの和とし、(2)前記リンクを新ノード、前記リ
ンク対を新リンクとし、前記新ノードと前記新リンクか
らなる新ネットワークを構築し、(3)前記新ネットワー
クに対してダイクストラ法を用いて最小コスト経路を探
索する方法によって求められた最小コスト経路におい
て、異なる路線と接続する1以上の新リンク(元のネッ
トワークにおけるリンク対)を使用禁止にしてダイクス
トラ法を用いて経路探索し、有効代替経路を求めること
を特徴とする最小コスト経路および有効代替経路探索方
法。 - 【請求項3】ノードとリンクで構成され、リンク間遷移
コストを含むネットワークに対して、出発点から目的点
に到達する組み合わせのなかから有効な経路を探索する
コンピュータシステムにおいて、(1)ノードに対する入
リンクと出リンクを対とするリンク対のコストを前記出
リンクとリンク間遷移コストの和とし、(2)前記のリン
クを新ノード、前記リンク対を新リンクとし、前記新ノ
ードと前記新リンクからなる新ネットワークを構築し、
(3)前記新ネットワークに対してダイクストラ法を用い
て最小コスト経路を探索する手段を備えたことを特徴と
する最小コスト経路探索システム。 - 【請求項4】ノードとリンクで構成され、リンク間遷移
コストを含むネットワークに対して、出発点から目的点
に到達する組み合わせのなかで任意の経路における最小
コストとなる経路をコンピュータ装置により探索するコ
ンピュータシステムにおいて、(1)ノードに対する入リ
ンクと出リンクを対とするリンク対のコストを前記出リ
ンクとリンク間遷移コストの和とし、(2)前記リンクを
新ノード、前記リンク対を新リンクとし、前記新ノード
と前記新リンクからなる新ネットワークを構築し、(3)
前記新ネットワークに対してダイクストラ法を用いて最
小コスト経路を探索する方法によって求められた最小コ
スト経路において、異なる路線と接続する1以上のリン
ク対(新リンク)を使用禁止にしてダイクストラ法を用
いて経路探索し、有効代替経路を求める手段を備えたこ
とを特徴とする最小コスト経路および有効代替経路探索
システム。 - 【請求項5】ノードとリンクで構成され、リンク間遷移
コストを含むネットワークに対して、出発点から目的点
に到達する組み合わせのなかから有効な経路を探索する
方法において、(1)ノードに対する入リンクと出リンク
を対とするリンク対のコストを前記出リンクとリンク間
遷移コストの和とし、(2)前記リンクを新ノード、前記
リンク対を新リンクとし、前記新ノードと前記新リンク
からなる新ネットワークを構築し、(3)前記新ネットワ
ークに対してダイクストラ法を用いて最小コスト経路を
探索することを特徴とする最小コスト経路探索方法を記
録したコンピュータ用記録媒体。 - 【請求項6】ノードとリンクで構成され、リンク間遷移
コストを含むネットワークに対して、出発点から目的点
に到達する組み合わせのなかで任意の経路における最小
コストとなる経路をコンピュータ装置により探索する方
法において、(1)ノードに対する入リンクと出リンクを
対とするリンク対のコストを前記出リンクとリンク間遷
移コストの和とし、(2)前記リンクを新ノード、前記リ
ンク対を新リンクとし、前記新ノードと前記新リンクか
らなる新ネットワークを構築し、(3)前記新ネットワー
クに対してダイクストラ法を用いて最小コスト経路を探
索する方法によって求められた最小コスト経路におい
て、異なる路線と接続する1以上の新リンク(元のネッ
トワークにおけるリンク対)を使用禁止にしてダイクス
トラ法を用いて経路探索し、有効代替経路を求めること
を特徴とする最小コスト経路および有効代替経路探索方
法を記録したコンピュータ用記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21393597A JP3353029B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 最小コスト経路探索方法およびシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21393597A JP3353029B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 最小コスト経路探索方法およびシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1144547A JPH1144547A (ja) | 1999-02-16 |
JP3353029B2 true JP3353029B2 (ja) | 2002-12-03 |
Family
ID=16647492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21393597A Expired - Lifetime JP3353029B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 最小コスト経路探索方法およびシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3353029B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1752919A1 (en) * | 2005-07-29 | 2007-02-14 | Amadeus s.a.s | Method and system of building actual travel fares |
JP4142090B1 (ja) * | 2007-11-09 | 2008-08-27 | 株式会社ナビタイムジャパン | ナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置 |
JP5024959B2 (ja) * | 2008-05-30 | 2012-09-12 | 学校法人早稲田大学 | 最適経路探索装置及び最適経路探索装置並びにプログラム |
JP6222957B2 (ja) * | 2013-03-27 | 2017-11-01 | 株式会社ゼンリン | 経路探索装置および経路探索システム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2917825B2 (ja) * | 1994-09-08 | 1999-07-12 | 松下電器産業株式会社 | 経路選出方法およびシステム |
-
1997
- 1997-07-25 JP JP21393597A patent/JP3353029B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1144547A (ja) | 1999-02-16 |
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