JP3477682B2 - 水域浄化装置 - Google Patents

水域浄化装置

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JP3477682B2 JP2000207994A JP2000207994A JP3477682B2 JP 3477682 B2 JP3477682 B2 JP 3477682B2 JP 2000207994 A JP2000207994 A JP 2000207994A JP 2000207994 A JP2000207994 A JP 2000207994A JP 3477682 B2 JP3477682 B2 JP 3477682B2
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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湖沼、河川、排水
路、海域などの水域の浄化に用いられる水域浄化装置に
関し、特に水域から取水した原水に含まれる固形浮遊物
などの汚濁物の除去を中心にして浄化を行なう水域浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】湖沼や河川などの水域の浄化については
さまざまな方式がある。その一つとして浄化対象の水域
から取水した原水に含まれる汚濁物、特に固形浮遊物
(アオコなどの藻類がその主なものである)を物理的な
ろ過や微生物による生物処理などで除去する汚濁物除去
部を備えた水域浄化装置を用いる方式がある。この方式
では、汚濁物除去部が物理的なろ過構造であれば除去し
た汚濁物の蓄積で除去機能が低下するし、また汚濁物除
去部が生物処理構造であればいわゆる生物膜が蓄積し、
その蓄積が過剰になると目詰まりなどでやはり除去機能
が低下することになる。そこで適宜に汚濁物除去部を洗
浄してその除去機能を回復させる必要がある。この洗浄
に際しては汚濁物除去部に蓄積した汚濁物や生物膜汚泥
を高濃度で含む洗浄汚水が発生することになり、この汚
濁物等を高濃度で含有する洗浄汚水(高濃度汚水)を何
らかの方法で処理する必要がある。従来では洗浄汚水を
下水道に放流することで処理する方法、あるいは凝集剤
の添加で汚濁物等を凝集沈殿させることで汚泥化させて
処理する方法、さらに脱水して固形物を回収する方法
(例えば特開平7−116418号公報)が知られてい
る。また特開平6−63577号公報に記載の例のよう
に、洗浄汚水を浄化対象水域内に放流する方法も知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記洗浄汚水を下水道
に放流する方法や洗浄汚水を凝集沈殿で汚泥化する方法
などには維持管理費用が増大するという問題がある。こ
れに対し上記特開平6−63577号公報に記載の方法
は、洗浄で発生した洗浄汚水を水域内に放流するので下
水道費用や汚泥処理費用を必要とせず、維持管理費を大
幅に低減することができる。しかしながら、この特開平
6−63577号公報に記載の方法にあっては以下のよ
うな問題を生じるおそれがある。
【0004】通常、浄化を必要とする水域の水中汚濁物
は有機物である。特に、汚濁した湖沼や河川などでは植
物プランクトン(藻類)が大量に発生しやすく、時には
アオコが大量発生するが、これら藻類は有機物であり水
中汚濁物の大半を占めている。そのため物理的なろ過構
造の汚濁物除去部を備えた水域浄化装置から排出される
洗浄汚水はこれらの有機物を大量に含むことになる。ま
た汚濁物除去部が生物処理構造である水域浄化装置から
排出される洗浄汚水も微生物やその死骸などとして有機
物を大量に含むことになる。この有機汚濁物を大量に含
む汚水を浄化対象水域に放流すると、汚濁物の大半は水
域の底層に沈降し、底層で溶存酸素を消費して分解す
る。その結果、底層部が酸欠状態つまり嫌気状態にな
る。底層部が嫌気状態になると、藻類の増殖を引き起こ
すリンなどの栄養塩類が底泥から溶出しやすくなるとと
もに、硫化水素による悪臭が発生したり、酸欠により魚
類などの斃死を引き起こすなど、浄化対象水域にさまざ
まな悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】本発明は以上のような事情を背景になされ
たものであり、浄化対象水域より取水の原水から汚濁物
を除去する汚濁物除去部を備えるとともに、その除去能
を回復するための洗浄手段を備えた水域浄化装置の改善
を目的としており、特にその汚濁物除去部の洗浄で発生
する汚濁物高濃度含有の洗浄汚水の処理を低コストな浄
化対象水域への放流で行なうについて、浄化対象水域に
実質的な悪影響をおよぼすことがないように改善するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的のためには本発
明では、浄化対象の水域より取水した原水に含まれる汚
濁物の除去をなす汚濁物除去部を備えるとともに、前記
汚濁物除去部の除去能回復のための洗浄をなす洗浄手段
を備えた水域浄化装置において、前記洗浄手段による洗
浄に伴って前記汚濁物除去部からそこにおける蓄積汚濁
物を含んで排出される洗浄汚水を貯留するための洗浄汚
水貯留部が設けられ、この洗浄汚水貯留部を介して前記
洗浄汚水を前記水域に放流するようにされていることを
特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1に第1の実施形態による水域浄化装置の
全体構成を示す。本実施形態の水域浄化装置は、浄化対
象水域1より取水した原水(被処理水)からそれに含ま
れる汚濁物の除去をなす汚濁物除去部であるフィルター
装置2と、このフィルター装置2の洗浄に際して排出さ
れる洗浄汚水を仮貯留する洗浄汚水貯留部である洗浄汚
水貯留槽3を備え、また原水取水ポンプ4を含む取水手
段4m、処理水を水域1に戻すための処理水返送配管
5、洗浄用ポンプ6を含む洗浄手段6m、および洗浄汚
水貯留槽3に仮貯留の洗浄汚水を浄化対象水域1に戻す
ための洗浄汚水返送配管11を備え、さらにフィルター
装置2のための凝集剤添加装置16Aと洗浄汚水貯留槽
3のための凝集剤添加装置16Bを必要に応じて備える
構成とされている。
【0008】フィルター装置2は、物理的なろ過により
汚濁物の除去をなすもので、回転ドラム型フィルター2
fと水受け2tとからなる。そして取水手段4mで浄化
対象水域1より取水した原水を回転ドラム型フィルター
2fの内部に供給することで、この原水が回転ドラム型
フィルター2fを通って水受け2tに流出し、この過程
で原水中の汚濁物、特に固形浮遊物(浄化対象水域1が
湖沼などのような閉鎖的水域である場合には藻類を主体
として固形有機物がそのほとんどである)をドラム型フ
ィルター2fの物理的なろ過作用で除去する。汚濁物の
除去を受けた処理水は処理水返送配管5により水域1に
戻される。このような汚濁物の除去処理により回転ドラ
ム型フィルター2fの内面には徐々に除去汚濁物が蓄積
し、回転ドラム型フィルター2fのろ過能が低下する。
そこで回転ドラム型フィルター2fのろ過能を監視し、
それが一定以下になった場合にはろ過能回復のために洗
浄を行なう。ろ過能の監視は、回転ドラム型フィルター
2f内の水位と水受け2tの水位との水位差などにより
行なうことができる。回転ドラム型フィルター2fの洗
浄は、水受け2tに溜まっている処理水を洗浄手段6m
の洗浄用ポンプ6で加圧して回転ドラム型フィルター2
fにその外周面から吹き付けることで行なう。この作業
は原水取水ポンプ4を停止した状態で回転ドラム型フィ
ルター2fを回転させながら行なう。この洗浄作業にと
もなっては回転ドラム型フィルター2fの内面に蓄積の
有機汚濁物が剥がしとられ、これを多量に含んだ洗浄汚
水が発生する。この洗浄汚水は汚水配管7の端に取り付
けられている受け樋7cを介して汚水配管7が受けるこ
とで洗浄汚水貯留槽3に送られる。
【0009】洗浄汚水貯留槽3は、ブロワ8と散気管9
からなる曝気手段を溶存酸素供給手段として備えてお
り、この曝気手段で曝気することにより貯留洗浄汚水の
溶存酸素を増加させる。この曝気により洗浄汚水に含ま
れる有機汚濁物は酸化分解されて無機化する。そしてこ
のような曝気処理を受けさせた洗浄汚水は水頭差を利用
して洗浄汚水返送配管11により浄化対象水域1に戻
す。この水域1への返送は水域1の底層部へ行なうのが
好ましい。それには洗浄汚水返送配管11の吐出口を水
域1の底層部に設けるようにする。洗浄汚水返送配管1
1による洗浄汚水の放流はバルブ10で制御し、その制
御としてはバルブ10の開閉で間欠的に放流する制御
と、バルブ10を一定の開度としてその開度に応じた量
を連続的に放流する制御がある。ここで、フィルター装
置2における原水の処理時間と回転ドラム型フィルター
2fの洗浄時間の比率は、前者が圧倒的に長い。したが
って洗浄汚水貯留槽3において洗浄汚水をかなり長時間
貯留することができる。このため曝気による洗浄汚水中
の有機汚濁物の酸化分解を高い効率で生じさせることが
でき、有機汚濁物の多くを無機化することが可能であ
る。
【0010】このような洗浄汚水貯留槽3については、
散気管9による曝気を洗浄汚水貯留槽3の底部から離れ
た位置、例えば図の例のように洗浄汚水貯留槽3の中央
部付近で行なうのが好ましい。そのようにすると、洗浄
汚水に含まれる沈降性の良い汚濁物を洗浄汚水貯留槽3
の底部に汚泥18として効率的に沈降堆積させることが
できる。つまり溶存酸素を増加させるための曝気など
は、汚濁物の沈降を阻害することのない条件で行なわせ
るのが好ましいということである。このことは浄化対象
水域1の表層部水質をより良好に保つのに役立つ。すな
わち洗浄汚水返送配管11で洗浄汚水を浄化対象水域1
の底層部に放流する際に、洗浄汚水が含む汚濁物を沈降
性の良い汚泥として浄化対象水域1に戻すことができ、
そのために洗浄汚水中の汚濁物が浄化対象水域1の表層
部へ拡散するのを有効に防止することがでるので、浄化
対象水域1の表層部水質をより良好に保てるようにな
る。なお散気管9の設置位置を洗浄汚水貯留槽3の中央
部付近にしても、散気管9で供給される空気により矢印
19のような循環流が形成されので、洗浄汚水貯留槽3
の内部全体を溶存酸素の多い好気的な状態に維持するに
は問題ない。
【0011】また洗浄汚水貯留槽3には遮光を目的とし
た天蓋17を設けるのも好ましいことである。特に除去
すべき汚濁物の主体がアオコなどの藻類である場合に天
蓋17は有効である。すなわち洗浄汚水貯留槽3に洗浄
汚水中の汚濁物として送られてくる藻類は光合成用の光
が与えられれば洗浄汚水貯留槽3内でも繁殖し、これに
より有機汚濁物の量が増加してしまう。したがって天蓋
17により日光を遮蔽することでこの藻類の繁殖を防止
するのが有効なことになる。
【0012】また洗浄汚水貯留槽3における有機汚濁物
の酸化分解については、上記の曝気による酸化分解に加
えて、微生物による酸化分解も利用できるようにするの
が好ましい。そのためには微生物を効果的に定着させる
ための微生物担体を洗浄汚水貯留槽3に投入する。微生
物担体には、合成繊維、プラスチック、セラミック、砕
石、鉱石、木炭、活性炭、不織布などを素材とする球
状、ひも状、棒状、板状など様々な担体を状況に応じて
選定することができる。
【0013】凝集剤添加装置16Aは、浄化対象水域1
の汚濁状況つまり水域1より取水される原水の性状に応
じて必要ならば設けられるものである。例えば原水に含
まれる汚濁物が微細過ぎて回転ドラム型フィルター2f
でのろ過効率が悪くなるような場合に、凝集剤添加装置
16Aで原水に凝集剤を添加することで汚濁物に凝集フ
ロックを形成させ、これにより回転ドラム型フィルター
2fによるろ過性を高めるようにする。一方、凝集剤添
加装置16Bは、洗浄汚水貯留槽3における汚濁物の沈
降堆積を促進するために必要に応じて設けられるもので
ある。上述のように洗浄汚水貯留槽3において汚濁物の
沈降堆積を促すことは浄化対象水域1の表層部水質を良
好に保つのに役立つ。そこで上記曝気高さ位置の工夫に
よる汚濁物の沈降促進だけでなく、凝集剤添加装置16
Bにより洗浄汚水に凝集剤を添加することで洗浄汚水中
の汚濁物に凝集フロックを形成させて洗浄汚水貯留槽3
内におけるその沈降をより一層促進させることも好まし
い形態となる。このことは洗浄汚水に含まれる汚濁物の
主体がアオコなどの浮上性を有する藻類である場合には
特に有効である。これら凝集剤添加装置16Aや凝集剤
添加装置16Bには、凝集剤添加後に凝集フロックをよ
り効果的に形成させるための凝集攪拌槽を設けるように
するのが好ましい。またこれら凝集剤添加装置16Aや
凝集剤添加装置16Bで用いる凝集剤としては、硫酸バ
ンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第一鉄などの無機系
凝集剤を使用することができ、またポリアクリルアミド
など有機系凝集剤を使用することができる。特に有機系
凝集剤はこれも洗浄汚水貯留槽3で酸化分解することが
できるので、より好ましい。
【0014】以上のような水域浄化装置は、フィルター
装置2に加えて洗浄汚水貯留槽3を備えている。そして
フィルター装置2における回転ドラム型フィルター2f
の除去機能を回復するためになされる洗浄により発生す
る汚濁物高濃度含有の洗浄汚水を一旦洗浄汚水貯留槽3
に送って仮貯留し、そしてこの洗浄汚水貯留槽3から洗
浄汚水を浄化対象水域1に放流するようにしている。こ
のため洗浄汚水を下水道に放流したり汚泥化して処理す
るのに比べて格段に安い維持管理費で洗浄汚水を処理す
ることができ、しかも浄化対象水域1に実質的な悪影響
をおよぼすようなことを効果的に避けることができる。
すなわち本発明によれば、洗浄洗浄汚水貯留槽3を通す
ことで洗浄汚水に含まれる有機汚濁物の多くを曝気など
による酸化分解で無機化してから洗浄汚水を浄化対象水
域1に戻すことができる。そのため浄化対象水域1に戻
した洗浄汚水が、浄化対象水域1の底層部に嫌気状態を
招き、それにより底泥からの栄養塩の溶出や硫化水素の
発生、さらには酸欠による魚類の斃死などを招くといっ
たことの原因となるのを効果的に避けることができる。
【0015】図2に第2の実施形態による水域浄化装置
の構成を示す。本実施形態の水域浄化装置は、汚濁物除
去部として生物処理装置20を備えていることを除いて
第1の実施形態のそれと同様である。そこで、以下では
第1の実施形態と同様な構成等については図1における
のと同一の符号を付してその説明を省略し、本実施形態
の特徴とする構成等についてのみ説明する。生物処理装
置20は、微生物を利用した生物処理を主体として汚濁
物の除去をなすものであり、処理槽20tの内部に微生
物の繁殖を促す微生物担体21を充填した構造とされて
いる。微生物担体としては、合成繊維、プラスチック、
セラミック、砕石、鉱石、木炭、活性炭、不織布などを
素材とする球状、ひも状、棒状、板状など様々な担体を
状況に応じて選定することができる。なお図の例では合
成繊維で形成したひも状の微生物担体21を用いてい
る。
【0016】汚濁物除去部として生物処理装置20を用
いている本実施形態の場合には、原水中の汚濁物は、微
生物担体21に定着して繁殖する微生物に取り込まれた
り、また藻類などの汚濁物が直接的に微生物担体21に
捕集されることで、微生物担体21に付着した生物膜汚
泥として生物処理装置20内に蓄積する。この生物膜汚
泥は、原水の性状や微生物担体の種類によっては一定量
になると微生物担体21から自然に脱落して沈降するこ
とでその蓄積量が一定以上にならずに済む場合もある
が、通常は浄化処理の継続に応じて蓄積量が増大する。
そうすると生物処理装置20内の通水性が悪くなるなど
して除去能が低下する。そのため生物膜汚泥の蓄積量が
所定以上になった場合には微生物担体21から生物膜汚
泥を強制的に脱落させて排出する必要がある。つまり処
理槽20tの内部を洗浄する必要がある。その洗浄は、
ブロワ23と散気管24からなる曝気手段22を洗浄手
段に用い、この曝気手段22で処理槽20tの内部を強
力に曝気することで行なう。より具体的には原水取水ポ
ンプ4を停止した状態で所定時間ブロワ23を稼動して
処理槽20tに大量の空気を送り込むことにより攪拌
し、微生物担体21から生物膜汚泥を脱落させる。脱落
した生物膜汚泥はバルブ25を開くことで汚水配管7を
介して洗浄汚水貯留槽3に送り込む。このようにして洗
浄が済んだらバルブ25を閉じ、それから原水取水ポン
プ4を再び起動させて通常の運転を再開する。以上の操
作は適時行ってもよいし、タイマー制御により一定の期
間で行ってもよい。あるいは原水や浄化処理水の水質な
どのモニター値から運転状況を把握して自動的に行うよ
うにしてもよい。
【0017】ここで、汚濁物除去部として生物処理装置
20を用いる本実施形態の場合には、その洗浄で発生す
る洗浄汚水に含まれる汚濁物が生物膜汚泥であるために
非常に高い沈降性を有している。したがって図中には洗
浄汚水貯留槽3のための凝集剤添加装置16Bを示して
あるが、通常はこれを設ける必要はない。
【0018】図3に第3の実施形態による水域浄化装置
の構成を示す。本実施形態による水域浄化装置は、基本
的には第1の実施形態のそれと同様で、ただ浄化対象水
域1内に設置するようにしてある点で相違している。そ
こで、以下では第1の実施形態と同様な構成等について
は図1におけるのと同一の符号を付してその説明を省略
し、本実施形態の特徴とする構成等についてのみ説明す
る。本実施形態ではフィルター装置2は、台船12の上
に載せられており、台船12を浄化対象水域1に浮かべ
ることで浄化対象水域1内に浮上設置されている。一
方、洗浄汚水貯留槽3は、浄化対象水域1の一部を四方
からフェンス13により仕切ることで構成されている。
またそのフェンス13はフロート14により釣り下げて
ある。したがって洗浄汚水貯留槽3は、その上端部を水
面に沿わせる状態で浄化対象水域1に水没するようにな
っている。フェンス13には例えば金属板やビニールシ
ートなどを用いることができる。また礫などを積み上げ
てフェンスを形成することもできる。さらに例えばメッ
シュなど適当な透水性を有する材料を用いてフェンスを
形成することも可能で、この場合には洗浄汚水貯留槽3
と浄化対象水域1との間に緩やかな通水性が与えられ、
したがって洗浄汚水貯留槽3に送り込まれた洗浄汚水を
この緩やかな通水性により浄化対象水域1に戻すことも
可能となる。
【0019】このように洗浄汚水貯留槽3を水中に設け
る場合には第1の実施形態の場合のように洗浄汚水貯留
槽3内の洗浄汚水を水頭差の利用で浄化対象水域1に戻
すことができない。そこで本実施形態では排出ポンプ1
5を設け、この排出ポンプ15を作動させることで洗浄
汚水返送配管11を介して洗浄汚水貯留槽3内の洗浄汚
水を浄化対象水域1の底層に返送できるようにしてい
る。もっともこれらの排出ポンプ15と洗浄汚水返送配
管11からなる手段に代えて他の手段を用いることも可
能で、例えば必要な時期に外部から操作して洗浄汚水貯
留槽3内の洗浄汚水や堆積汚泥18を浄化対象水域1の
底層に排出するようにしてもよい。
【0020】本実施形態には第1の実施形態に関して述
べたような効果に加えて、以下のような効果がある。第
1に水域浄化装置を設置するための用地確保を不要とす
ることができる。第2に原水を揚水する経路および揚程
を最小限で済ませることができ、装置の運転に必要なエ
ネルギを節減することができる。第3に浄化対象水域1
内を自由に移動させることが可能で、例えば浄化対象水
域1の汚濁の状況などに応じて最も効率の高い場所にお
いて集中的に浄化を行なうなどの対応をとりやすくな
る。第4に洗浄汚水貯留槽3を水中に設けるようにして
いることから台船12の小型化を図ることができる。
【0021】以上の各実施形態では、洗浄汚水貯留槽3
における有機汚濁物の酸化分解を促進させる溶存酸素を
高めるためにブロワ8と散気管9からなる曝気手段を用
いていたが、これに代えて例えば機械的な攪拌などによ
り溶存酸素を高めることもでき、あるいはオゾン曝気を
用いることもできる。ただしこれらの溶存酸素供給手段
についても汚濁物の沈降を阻害しない条件で用いること
が好ましいことは曝気手段の場合と同様である。
【0022】また以上の各実施形態では、汚濁物除去部
を回転ドラム型フィルター2fによるフィルター装置2
や微生物担体21を充填した生物処理装置20で形成し
ていたが、これらの他にも例えば砂ろ過装置や膜ろ過装
置を汚濁物除去部に用いることができる。また第2の実
施形態の生物処理装置20で用いているひも状の微生物
担体と同様なものを接触材として用い、これに汚濁物を
付着させて除去する構造で汚濁物除去部を形成すること
も可能であるし、さらに凝集沈殿装置などで汚濁物除去
部を形成することも可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、汚濁物
除去部の他に洗浄汚水貯留部を設け、汚濁物除去部の除
去機能を回復するためになされる洗浄により発生する汚
濁物高濃度含有の洗浄汚水を洗浄汚水貯留部に送って仮
貯留してから浄化対象水域に放流するようにしている。
そのため、洗浄汚水を下水道に放流したり汚泥化して処
理するのに比べて格段に安い維持管理費で洗浄汚水を処
理することができるという効果に加えて、浄化対象水域
に戻した洗浄汚水が浄化対象水域に実質的な悪影響をお
よぼすことを有効に防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による水域浄化装置の構成図で
ある。
【図2】第2の実施形態による水域浄化装置の構成図で
ある。
【図3】第3の実施形態による水域浄化装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 浄化対象水域 2 フィルター装置(汚濁物除去部) 3 洗浄汚水貯留槽(洗浄汚水貯留部) 6 洗浄ポンプ 6m 洗浄手段 8 ブロワ(溶存酸素供給手段) 9 散気管(溶存酸素供給手段) 11 洗浄汚水返送配管 16B 凝集剤添加装置 17 遮光用の天蓋 20 生物処理装置(汚濁物除去部)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 3/08 C02F 3/08 Z 7/00 7/00 (72)発明者 佐保 典英 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 平7−116418(JP,A) 特開 平3−30897(JP,A) 特開 平6−63577(JP,A) 特開 平7−155756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/12 C02F 3/08 C02F 7/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化対象の水域より取水した原水に含ま
    れる汚濁物の除去をなす汚濁物除去部を備えるととも
    に、前記汚濁物除去部の除去能回復のための洗浄をなす
    洗浄手段を備えた水域浄化装置において、前記洗浄手段
    による洗浄に伴って前記汚濁物除去部からそこにおける
    蓄積汚濁物を含んで排出される洗浄汚水を貯留するため
    の洗浄汚水貯留部が設けられ、この洗浄汚水貯留部を介
    して前記洗浄汚水を前記水域に放流するようにされてい
    ることを特徴とする水域浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記洗浄汚水貯留部内に溶存酸素を供給
    する手段が設けられている請求項1に記載の水域浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記溶存酸素の供給が前記洗浄汚水貯留
    部の底部から離れた位置でなされるようにされている請
    求項2に記載の水域浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記洗浄汚水の前記水域への放流は前記
    水域の底層部へなされるようになっている請求項1〜請
    求項3の何れか1項に記載の水域浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記洗浄汚水貯留部が遮光されている請
    求項1〜請求項4の何れか1項に記載の水域浄化装置。
  6. 【請求項6】 微生物の付着増殖用である微生物担体を
    前記洗浄汚水貯留部に投入してある請求項1〜請求項5
    の何れか1項に記載の水域浄化装置。
  7. 【請求項7】 前記汚濁物除去部から排出される洗浄汚
    水に有機系凝集剤を添加するようにされている請求項1
    〜請求項6の何れか1項に記載の水域浄化装置。
  8. 【請求項8】 前記汚濁物除去部および/または前記洗
    浄汚水貯留部を前記水域内に設置するようにした請求項
    1〜請求項7の何れか1項に記載の水域浄化装置。
  9. 【請求項9】前記汚濁物除去部を前記水域に浮上設置
    し、前記洗浄汚水貯留部を前記水域に水没設置するよう
    にした請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の水域浄
    化装置。
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