JP3477517B2 - 水素分離膜 - Google Patents

水素分離膜

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素分離膜、水素
分離方法および水素濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素ガスと塩化水素ガスは、共に工業的
に重要な化合物である。例えば、マグネシウムの生産プ
ロセスでは、酸化マグネシウムから塩化マグネシウムを
生成させる際に塩化水素ガスを使用する。この場合に
は、マグネシウムを精製する工程において精製する塩素
ガスと水素とを反応させることにより塩化水素ガスを製
造する。製造した塩化水素ガスから水素を分離し、水素
を有効に利用することが、プロセスの効率化において重
要なポイントとなる。
【0003】一般的な水素分離方法として、冷却分離法
が採られている。この方法では、複雑な装置が必要であ
り、装置の操作も煩雑である。また、塩化水素ガスが腐
食性を示すので、分離装置の腐食も激しい。さらに、こ
の方法は、相変化を伴うので、エネルギー的に不利であ
り、省エネルギーの点からも好ましくない。
【0004】近年、省エネルギーの観点から、有機膜を
用いた膜分離法が、注目されている。しかしながら、有
機膜を用いた膜分離法は、腐食性、反応性に非常に富む
塩化水素ガスなどの存在下において水素を分離する場合
には、耐久性に問題がある。
【0005】この様に、高い水素分離能を有し、塩化水
素ガスの腐食性・反応性に対して優れた耐久性を示す水
素分離材料の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を鑑みなされたものであって、主として、高い水
素分解能を有し、且つ塩化水素ガスなどの腐食性ガスに
対して優れた耐久性を示す水素分離膜およびそれを用い
た水素分離・濃縮方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、特定の修飾反応に供した水酸基を有する無機多孔
体または特定の多孔質ガラスが、上記目的を達成できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記の水素分離膜および
それを用いた水素分離または濃縮方法に係る。 1.水酸基が、シランカップリング剤によって修飾され
た無機多孔体からなる水素分離膜。 2.初期分相を利用することによって製造した多孔質ガ
ラスからなる水素分離膜。 3.上記1または2に記載の水素分離膜に水素含有ガス
を透過させることを特徴とする水素分離方法。 4.上記1または2に記載の水素分離膜に塩化水素また
は硫化水素の存在下において水素含有ガスを透過させる
ことを特徴とする水素分離方法。 5.上記1または2に記載の水素分離膜に水素含有ガス
を透過させることを特徴とする水素濃縮方法。 6.上記1または2に記載の水素分離膜に塩化水素また
は硫化水素の存在下において水素含有ガスを透過させる
ことを特徴とする水素濃縮方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明による水素分離膜は、以下
のような構造を有することができる。 (1) 水酸基が、シランカップリング剤によって修飾さ
れた無機多孔体からなる水素分離膜(以下「第一発明膜」
ということがある)、および (2)初期分相を利用することによって製造した多孔質ガ
ラスからなる水素分離膜(以下「第二発明膜」ということ
がある) 第一発明膜および第二発明膜について、「本発明の膜」と
いうことがある。
【0010】本発明の第一発明膜および第二発明膜は、
多孔体であり、その平均細孔径は、特に制限されない。
第一発明膜の平均細孔径は、通常0.5〜5nm程度、好まし
くは1〜2nm程度である。第二発明膜の平均細孔径は、通
常0.2〜2nm程度、好ましくは0.3〜0.5nm程度である。な
お、本発明において、平均細孔径は、窒素吸着法による
測定値とする。
【0011】第一発明膜の厚さは、特に制限されない
が、通常0.5μm〜5mm程度、好ましくは10μm〜2mm程度
である。第二発明膜の厚さは、特に制限されないが、通
常5〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度である。
【0012】本発明に係る膜の比表面積は、特に制限さ
れない。第一発明膜の比表面積は、通常10〜1000m2/g程
度、好ましくは200〜500 m2/g程度である。第二発明膜
の比表面積は、通常10〜800m2/g程度、好ましくは200〜
500m2/g程度である。
【0013】まず、第一発明膜について、詳細に説明す
る。
【0014】本発明の第一発明膜の基材である無機多孔
体は、OH基を有する無機多孔体であれば特に制限されな
い。このような無機多孔体として、例えば、シリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ-アルミナ、ハ
イドロタルサイト、ゼオライト、シリカ−ジルコニアな
どを例示することができる。これらのなかでは、シリ
カ、アルミナが好ましい。シリカには、多孔質ガラス
(例えば、多孔質ケイ酸塩ガラスなど)が含まれる。多孔
質ガラスとして、例えば、分相法により製造した多孔質
ガラスなどを例示できる。
【0015】基材無機多孔体の修飾は、無機多孔体表面
のOH基とシランカップリング剤とを反応させることによ
り行う。シランカップリング剤として、例えば、以下の
式に示すようなジメチルシランなどを例示することがで
きる。
【0016】
【化1】
【0017】[式中、Rは、ハロゲンによって置換され
ていてもよいアルキル基などを示す。Xは、Cl、B
r、I、アルコキシ基などを示す。]Rで示されるハロ
ゲンによって置換されていてもよいアルキル基は、特に
制限されないが、通常C8〜C20程度の直鎖、分枝また
は環状アルキル基、好ましくはC10〜C20程度の直鎖、
分枝または環状アルキル基、より好ましくはC12〜C20
程度の直鎖、分枝または環状アルキル基である。直鎖、
分枝または環状アルキル基の中では、直鎖状アルキル基
が好ましい。
【0018】Rで示されるアルキル基の置換基であるハ
ロゲンとして、F、Cl、Br、Iなどを例示でき、こ
れらのなかではFおよびClが好ましい。
【0019】Rで示されるアルキル基のハロゲンによる
置換数は、特に制限されないが、通常3〜41程度、好ま
しくは11〜41程度、より好ましくは21〜41程度である。
【0020】Xで示されるアルコキシ基におけるアルキ
ル部分は、特に制限されないが、通常C1〜C7程度の直
鎖または分枝状アルキル、好ましくはC1〜C4程度の直
鎖または分枝状アルキル、より好ましくはC1〜C3程度
の直鎖または分枝状アルキルである。
【0021】シランカップリング剤の具体例として、オ
クチルジメチルクロロシラン、オクタデシルジメチルク
ロロシラン、(ヘプタデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒド
ロデシル)ジメチルクロロシラン、オクタデシルジメチ
ルメトキシシラン、オクタデシルジメチルエトキシシラ
ンなどを例示でき、これらの中では、オクチルジメチル
クロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、
(ヘプタデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロデシル)ジ
メチルクロロシラン、オクタデシルジメチルメトキシシ
ラン、オクタデシルジメチルエトキシシランが好まし
い。
【0022】本発明の第一発明膜は、例えば、無機多孔
体をシランカップリング剤溶液に含浸し、溶液中で無機
多孔体を加熱還流させる方法などにより得ることができ
る。このような反応に供することにより、基材である無
機多孔体の細孔表面を改質することができる(式1)。
【0023】
【化2】
【0024】[式中、Mは、Si、Al、Zr、Tiな
どを示し、Rは、ハロゲンによって置換されていてもよ
いアルキル基などを示し、Xは、Cl、Br、I、アル
コキシ基などを示す。]
【0025】シランカップリング剤による修飾に供する
前の無機多孔体の平均細孔径は、特に制限されないが、
通常0.5〜10nm程度、好ましくは1〜5nm程度である。
【0026】基材である無機多孔体は、予め膜状にした
ものをシランカップリング剤との反応に供してもよい
し、シランカップリング剤と反応させた後に膜状として
もよい。
【0027】シランカップリング剤溶液に用いる溶媒
は、特に制限されないが、例えば、トルエン、テトラヒ
ドロフラン、ベンゼンなどを例示することができる。こ
れらのなかでは、トルエン、テトラヒドロフランが好ま
しい。
【0028】シランカップリング剤溶液の濃度は、特に
制限されないが、通常1〜20%程度、好ましくは3〜10%
程度である。
【0029】加熱還流は、酸化雰囲気下、不活性ガス雰
囲気下、還元雰囲気下などにおいて行うことができる。
【0030】還流温度、還流時間などの還流条件は、用
いるシランカップリング剤の種類などに応じて適宜設定
することができる。還流温度は、通常30〜200℃程度、
好ましくは50〜150℃程度である。還流時間は、通常5〜
24時間程度、好ましくは10〜20時間程度である。
【0031】還流後、必要に応じて、無機多孔体を洗
浄、乾燥させてもよい。洗浄方法として、例えば、シラ
ンカップリング剤を含まない溶媒中において、還流し、
未反応のシランカップリング剤を細孔内から除去する方
法などを例示することができる。
【0032】次に第二発明膜について詳細に説明する。
【0033】本発明の第二発明膜は、初期分相を利用す
ることにより製造した多孔質ガラスからなる。第二発明
膜としては、酸化ケイ素の含有量が高いものが好まし
く、酸化ケイ素の含有量が約90%以上のものが特に好ま
しい。第二発明膜は、必要に応じて、重量比で0〜10%
程度(好ましくは3〜10%程度)の酸化ジルコニウムを含ん
でいてもよい。
【0034】本発明の第二発明膜は、例えば、以下のよ
うな工程により得ることができる(図1参照)。まず、Si
O2, Na2CO3, H3BO3, Al(OH)3, ZrO2などの原料を調合
し、これを1200〜1400℃程度において空気などの酸化雰
囲気下において溶融させる。溶融時には、必要に応じて
撹拌してもよい。溶融させた原料を急冷することによっ
て、初期分相を生じさせる。初期分相によりSiO2相とB2
O3-Na2O相とに分相させたガラスを50〜100℃程度におい
て、硝酸、リン酸、酢酸、硫酸などの酸を用いて酸処理
する。酸処理により可溶相であるB2O3-Na2O相を溶出
し、多孔質ガラスを得る。
【0035】上述の急冷工程において冷却速度を速くす
ればするほど、相分離の程度が細かくなるので、細孔径
の小さな多孔質ガラスを得ることができる。例えば、溶
融したガラスを10〜106℃/秒程度(好ましくは102〜106
℃/秒程度)の速さで急速に冷却することによって、所定
の細孔径を有する多孔質ガラスを得ることができる。溶
融したガラス原料を急冷する方法として、厚みが10〜50
μm程度のホローファイバー、板状ガラスなどに成形す
る方法を例示することができる。
【0036】本発明の第一発明膜および第二発明膜は、
水素の分離・濃縮などに好適に用いることができる。特
に、塩化水素、硫化水素などの腐食性ガスの存在下にお
ける水素の分離・濃縮などに好適に用いることができ
る。分離・濃縮には、公知の膜を用いたガス分離・濃縮
方法において本発明の膜を適用することができる。例え
ば、本発明の膜によって空間を区切った容器内におい
て、いずれか片方の空間に被処理ガスである水素含有ガ
スを導入し、もう一方の空間を被処理ガスよりも圧力を
低く保つ方法などを例示することができる。より具体的
には、円筒状にした本発明の膜の一端を溶封し、もう一
端を真空ポンプなどに連結し、本発明の膜の内側または
外側を被処理ガスで満たし、もう一方の圧力を下げる方
法などを例示することができる。即ち、円筒状の膜の外
側に被処理ガスを満たして、膜の内側の圧力を下げて、
膜の内側に水素を分離または濃縮する方法、または、円
筒状の膜の内側に被処理ガスを満たして、膜の外側の圧
力を下げて、膜の外側に水素を分離または濃縮する方法
を例示することができる。膜内外の圧力差は、分離対象
となるガスの組成などに応じて適宜設定することができ
るが、通常0.05〜2MPa程度であり、好ましくは0.1〜1MP
a程度である。
【0037】水素の分離または濃縮を行う温度は、水素
濃度などに応じて適宜設定することができる。第一発明
膜を用いる場合には、通常0〜150℃程度、好ましくは50
〜150℃程度に設定することができる。第二発明膜を用
いる場合には、通常0〜350℃程度、好ましくは100〜200
℃程度に設定することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る膜に水素含有ガスを透過さ
せると、水素を選択的に分離・濃縮することができる。
これは、分子サイズの小さな水素が優先的に透過するた
めであると考えられる。
【0039】本発明の膜は、塩化水素、硫化水素などの
腐食性ガスの存在下においても、好適に水素を分離・濃
縮することが可能である。
【0040】本発明に係る膜は、基材として無機化合物
を用いているので、塩化水素、硫化水素などの腐食性ガ
スに対する耐久性は、有機膜などに比して非常に優れて
いる。従って、本発明に係る膜は、有機膜を用いる場合
よりも高温度において、水素分離を行うことができる。
【0041】本発明に係る膜を用いると、水素-塩化水
素の分離において、高い透過係数:P[mol・m・m-2・Pa
-1・s-1]の比(透過速度比)が得られた。第一発明膜は、
100℃において5〜10程度(好条件下では8〜10程度)の高
い水素分離能を示した。第二発明膜は、100℃において
約100以上(好条件下では150〜200程度)という特に高い
水素分離能を示した。
【0042】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。本発明は、以
下の実施例に制限されるものではない。
【0043】以下の実施例における水素および塩化水素
の透過性試験は、図2に示す装置中において、純粋な水
素または塩化水素を用いて、それぞれのガスについて行
った。実施例において得られた膜の分離性能は、それぞ
れのガスの透過係数:P[mol・m・m-2・Pa-1・s-1]の比
をもって評価した。
【0044】実施例1 オクタデシルジメチルクロロシラン(n-C18H37Si(CH3)2C
l)1.3gにトルエン30gを加えてシランカップリング溶液
を調製した。分相法により製造した多孔質ガラス管をこ
の溶液中において、100℃で20時間リフラックスするこ
とにより、多孔質ガラス細孔内表面にオクタデシル基を
導入し多孔質ガラス管を表面改質した。用いた多孔質ガ
ラス管は、外径5mm、内径4mm、長さ約100mm、平均細孔
径4nm、組成は97%SiO2であった。
【0045】この多孔質ガラス管からなる膜の一端を溶
封し、一方をガラス管に接続することにより膜モジュー
ルを作成した。この膜モジュールを図2に示す装置に設
置し、膜の外側に、水素または塩化水素を導入し、膜の
外側と内側の圧力差が0.1MPaとなるように設定した。膜
を透過したガスの流量を質量流量計で測定することによ
り、それぞれのガスに対する透過速度を測定した。
【0046】それぞれのガスに対する透過速度から、膜
の水素-塩化水素の分離における透過係数比(PH2/PHCl)
を求めた。PH2/PHClは、50℃において21、100℃におい
て11であった。
【0047】水素透過速度は、50℃において1.1x10-9 m
ol・m-2・Pa-1・s-1、100℃において1.8x10-9 mol・m-2・Pa
-1・s-1であった。このように高い水素分離能を示す水素
分離膜が得られた。
【0048】実施例2 シランカップリング剤として、オクタデシルジメチルク
ロロシランの代わりにオクチルジメチルクロロシラン(n
-C8H17Si(CH3)2Cl)を用いる以外は、実施例1と同様の
方法を用いて修飾多孔質ガラス管を作製し、水素と塩化
水素のそれぞれに対する透過速度を測定した。
【0049】得られた膜の水素-塩化水素の分離におけ
る透過係数比(PH2/PHCl)は、50℃において10、100℃に
おいて5.0であった。水素透過速度は、50℃において2.3
x10-9 mol・m-2・Pa-1・s-1、100℃において2.9x10-10 mol・
m-2・Pa-1・s-1であった。
【0050】このように高い水素分離能を示す水素分離
膜が得られた。 実施例3 組成が62.5SiO2-28.3B2O3-9.2Na2O(wt%)となるようにSi
O2、H3BO3およびNa2CO 3を秤量し、これらの混合物を140
0℃程度で一様になるまで溶融した。溶融した未分相ソ
ーダホウケイ酸ガラスをホローファイバー(外径50μm、
内径30μm、長さ400mm)状に成形することによって、ガ
ラスに初期分相を生じさせた。分相したホローファイバ
ーを3Nの硝酸に10分間含浸させて98℃で酸処理すること
により多孔質ガラスホローファイバー膜を作製した。
【0051】得られた膜の水素-塩化水素ガスの分離に
おける透過係数比(PH2/PHCl)は50℃において180であ
り、100℃において110であった。水素透過率は、50℃に
おいて1.6X10-10 mol・m-2・Pa-1・s-1であり、100℃にお
いて2.8X10-10 mol・m-2・Pa-1・s-1であった。
【0052】このように初期分相を利用した酸処理によ
り多孔質ガラスホローファイバー膜を作製することによ
り、腐食性雰囲気中で高い水素分離能を示す水素分離膜
が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、初期分相を利用して本発明の第二発明
膜を製造する方法の一例を模式的に示した図である。
【図2】図2は、実施例における塩素分離能試験に用い
た装置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−29760(JP,A) 特開 平1−119325(JP,A) 特開 昭55−119420(JP,A) 特開 平11−267480(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/00 - 71/82 510 B01D 53/22

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機多孔体表面の水酸基を、式: 【化1】 [式中、Rは、ハロゲンによって置換されていてもよい
    アルキル基を示す。Xは、Cl、 Br、I又はアルコキシ基を示す。] で表されるシランカップリング剤によって修飾すること
    を特徴とする水素分離膜の製法。
  2. 【請求項2】無機多孔体表面の平均細孔径が0.5〜1
    0nmである請求項1に記載の製法。
  3. 【請求項3】前記式中、Rがハロゲンにより置換されて
    いてもよい、C8〜C20の直鎖、分枝又は環状アルキ
    ル基である請求項1又は2に記載の製法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の製法によ
    り製造される水素分離膜。
  5. 【請求項5】平均細孔径が0.5〜5nmである請求項
    4に記載の水素分離膜。
  6. 【請求項6】SiO2、Na2CO3及びH3BO3を
    含む原料を酸化雰囲気下において溶融し、溶融させた原料を急冷することによって初期分相を生じさ
    せ、酸処理することを特徴とする水 素分離膜の製法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の製法により製造される、
    平均細孔径が0.3〜0.5nmである水素分離膜。
  8. 【請求項8】請求項4、5又は7に記載の水素分離膜に
    水素含有ガスを透過させることを特徴とする水素分離方
    法。
  9. 【請求項9】請求項4、5又は7に記載の水素分離膜に
    塩化水素または硫化水素の存在下において水素含有ガス
    を透過させることを特徴とする水素分離方法。
  10. 【請求項10】請求項4、5又は7に記載の水素分離膜
    に水素含有ガスを透過させることを特徴とする水素濃縮
    方法。
  11. 【請求項11】請求項4、5又は7に記載の水素分離膜
    に塩化水素または硫化水素の存在下において水素含有ガ
    スを透過させることを特徴とする水素濃縮方法。
  12. 【請求項12】請求項4、5又は7に記載の水素分離膜
    によって空間を区切った容器内において、いずれか片方
    の空間に被処理ガスである水素含有ガスを導入し、もう
    一方の空間を被処理ガスよりも圧力を低く保つことを特
    徴とする水素分離方法。
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