JP3476817B2 - 廃棄物の処理方法 - Google Patents

廃棄物の処理方法

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JP3476817B2 JP50965693A JP50965693A JP3476817B2 JP 3476817 B2 JP3476817 B2 JP 3476817B2 JP 50965693 A JP50965693 A JP 50965693A JP 50965693 A JP50965693 A JP 50965693A JP 3476817 B2 JP3476817 B2 JP 3476817B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は有機廃棄物、特に有毒な有機廃棄物を破壊す
る方法に関するものである。
ここに「有機廃棄物」とは、殺生物剤,除草剤,塗
料,医薬残留物,廃油,汚染した溶媒および黒液のよう
な有毒物質を包含するが、これらの有毒物質に限定され
るものではない。
バッハ(Bach)およびナゲル(Nagel)による米国特
許第4,574,714号および同第4,602,574号は、溶融金属
浴、例えば10%以上の鉄を含有する溶融金属浴を使用し
て有機廃棄物を破壊する方法を開示している。この方法
では、溶融金属浴を1400℃以上の温度に維持し、有機廃
棄物および酸素含有ガスを浴表面より上および/または
下から溶融金属浴中に注入して熱分解させ、有機廃棄物
の被酸化性部分を少なくとも部分的に酸化させる。溶融
金属浴に加える酸素含有ガスの量は、酸素と有機廃棄物
の被酸化性部分との化学量論的比が少なくとも1:1にな
るように選択して、被酸化性部分を完全に酸化するのに
十分な量の酸素を浴表面および浴表面より上に確実に供
給する。
有機廃棄物の被酸化性部分の完全な酸化は、有毒な炭
化水素類または有毒な有機物質、例えば、オフガスが周
囲温度まで冷却された際に生成してフラン類およびジオ
キサン類を生成することのある炭化水素類がオフガス中
に確実に残留しないようにするために、特に重要であ
る。この点に関して一層重要なことは、オフガス中の酸
素濃度を確実にできる限り低くすることで、それは酸素
が少なくともジオキサン類の生成に好都合であることを
示すいくつかの証拠があるからである。
上述の米国特許に開示されている方法の欠点は、溶融
金属浴中に連続する通路が形成する危険が比較的大き
く、有機廃棄物はこの連続する通路を通って流れてほと
んど未処理の形態で溶融金属浴から逃散することがある
からである。
本発明の目的は、溶融金属浴からの有機廃棄物のこの
ような脱出の防止に対して、上述の米国特許に開示され
ている方法の場合に可能であるより高度の確実性を有す
る有機廃棄物の破壊方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、第1発明は、容器に収容さ
れている溶融した金属およびスラグの浴のなかで有機廃
棄物を破壊するに当り、 (a)有機廃棄物を前記浴に注入して一次反応圏を形成
し、この一次反応圏において前記有機廃棄物を熱分解
し、前記浴に吸収されない熱分解生成物を前記浴の表面
より上の空間に放出させ; (b)酸素含有ガスを前記浴の表面に向けて注入して前
記浴の表面より上の空間に二次反応圏を形成し、この二
次反応圏において前記一次反応圏からの生成物中の被酸
化性物質を完全に酸化し、かつこの酸化によって放出さ
れる熱を前記浴に伝達させ; (c)不活性ガス、再循環プロセスガス、天然ガス、二
酸化炭素、プロパン、ブタンおよびこれらのガスの混合
物からなる群から選択した1種以上のガスを前記浴に注
入して、溶融した金属およびスラグを前記浴から上向き
に前記二次反応圏中に放出させて前記浴への十分な熱伝
達を促進し、かつ前記一次反応圏からの生成物中の揮発
した物質をスクラビングする ことを特徴とする廃棄物の処理方法を提供する。
また、第2発明は、容器に収容されている溶融した金
属およびスラグの浴のなかで有機廃棄物を破壊するに当
り、 (a)有機廃棄物を前記浴に注入して一次反応圏を形成
し、この一次反応圏において前記有機廃棄物を熱分解
し、前記浴に吸収されない熱分解生成物を前記浴の表面
より上の空間に放出させ; (b)酸素含有ガスを前記浴の表面に向けて注入して前
記浴の表面より上の空間に二次反応圏を形成し、この二
次反応圏において前記一次反応圏からの生成物中の被酸
化性物質を完全に酸化し、かつこの酸化によって放出さ
れる熱を前記浴に伝達させ; (c)炭素質物質を前記浴に注入して加炭圏を形成し、
この加炭圏において前記炭素質物質中の炭素を前記浴に
溶解させる ことを特徴とする廃棄物の処理方法を提供する。
ここに「炭素質物質」とは、コークスおよび石炭のよ
うな固体炭素質燃料,油,軽質燃料油,ジーゼル油およ
び重質燃料油のような液体燃料;および天然ガス,メタ
ン,エタン,プロパンおよびブタンのようなガス状燃
料;あるいはこれらの燃料の混合物を包含するものとす
る。
上述の本発明方法は、未反応または部分的に反応した
有機廃棄物がプロセスを短絡して容器からの排出ガス流
中に含まれる現象を防止する点に対して、高レベルの確
実性を与える。これは、有機廃棄物が容器から排出され
る前に通過する必要のある少なくとも2個の別個の反応
圏を形成することにより、達成される。
本発明方法においては、有機廃棄物をキャリヤガスと
共に浴に注入して一次反応圏を形成するのが好ましい。
キャリヤガスとしては不活性ガスが好ましい。
本発明方法においては、さらに、酸素含有ガスを一次
反応圏に注入して熱分解生成物を少なくとも部分的に酸
化するのが好ましい。
本発明方法においては、酸素含有ガスを一次反応圏に
少なくとも1:1の酸素と被酸化性部分との化学量論的比
で注入するのが、特に好ましい。
本発明方法においては、さらに、二次反応圏の温度を
浴温より少なくとも200℃高い温度に制御するのが好ま
しい。
本発明方法においては、二次反応圏の温度を1500〜27
00℃の範囲の温度に制御するのが、特に好ましい。
上述の好適例においては、二次反応圏から浴に伝達さ
れた熱を使用して、加炭圏およびある場合には一次反応
圏における吸熱反応において浴から失なわれる熱を平衡
させる。
一次反応圏に酸素を注入する主目的は、注入した有機
廃棄物およびその熱分解生成物を少なくとも部分的に酸
化することにある。しかし、これと同時に、酸素は浴中
の溶解炭素と反応してCOを生成し、浴の金属と反応して
金属酸化物を生成し、この金属酸化物はスラグに含まれ
るかあるいは溶解炭素によって還元されて金属に戻る。
加炭圏における金属への加炭によって、金属中の溶解炭
素濃度は適当な最低レベルより高く維持される。
代表的な例においては、一次反応圏から出て浴より上
の空間に入る生成物は、有機廃棄物の熱分解によって生
成する被酸化性物質であるCO,H2および炭素質物質を含
有する。また、この生成物は有機廃棄物を汚染している
かあるいは有機廃棄物と一緒に加えた金属、他の化合物
および他の元素のような揮発した物質を含有しているこ
とがある。代表的な例においては、二次反応圏からの反
応生成物はCO2およびH2Oを含有している。
揮発した物質は二次反応圏においてスクラビングする
のが好ましい。
有機廃棄物および酸素含有ガスは容器の底から一次反
応圏に注入するのが好ましい。
第2発明においては、ガスを浴に注入して溶融した金
属およびスラグを浴から上向きに二次反応圏中に放出さ
せて浴への十分な熱伝達を促進し、かつ一次反応圏から
の生成物中の揮発した物質および微粒状物質をスクラビ
ングするのが好ましい。
特に好ましい一つの例では、ガスを炭素質物質と共に
浴の加炭圏に注入し、かつ酸素含有ガスを加炭圏より上
の浴表面に向けて注入して、二次反応圏を加炭圏の直ぐ
上に形成する。
特に好ましい他の例では、ガスを浴に注入して加炭圏
の隣りにガス注入圏を形成し、かつ酸素含有ガスをガス
注入圏より上の空間に注入する。
本発明方法においては、一次反応圏に好適反応生成物
形成用の添加剤を注入するのが好ましい。この添加剤は
所要に応じて有機廃棄物の組成に合致するように選択す
ることができる。例えば、有機廃棄物が塩素のようなハ
ロゲンを含有している場合には、添加剤はハロゲンと化
学的に結合するアルカリ土類を含有するのが好ましい。
本発明方法においては、スラグ形成剤を有機廃棄物と
一緒あるいは別個に浴に注入してスラグ組成を選択的に
調整するのが好ましい。代表的な例においては、スラグ
形成剤はCaOおよび蛍石を含有する。
浴は10%以上の金属を含有するのが好ましい。浴は70
%以上の金属を含有するのが好ましい。浴は80%以上の
金属を含有するのが特に一層好ましい。
金属は、鉄,フェロアロイ,錫,ニッケル,クロム,
ケイ素,銅およびこれらの混合物からなる群から選択し
た1種以上の金属であるのが好ましい。金属は鉄を含有
するのが特に好ましい。
不活性ガスは窒素であるのが特に好ましい。
酸素含有ガスは酸素,空気,酸素富化空気および水蒸
気からなる群から選択した1種以上のガスであるのが好
ましい。酸素含有ガスは空気であるのが特に好ましい。
空気は予熱されているのが特に一層好ましい。代表的な
例においては、空気を900〜1600℃の範囲の温度に予熱
する。
次に、本発明を図面を参照して例について説明する。
図1〜3に示す本発明方法を実施するのに使用する装
置において、容器には符号3を付けた。
容器3は耐火物ライニングを施した内壁および金属外
殻を具える金属加工によって得られた適当な設計の容器
とすることができる。図1〜3に示す好ましい配置で
は、容器3はほぼ円筒形で水平に設置され、底部羽口5
および7,スラグ−金属抜き取り口9,空気注入口10および
容器3の一端に位置する上部オフガス出口を具える。代
表的な例においては、容器の長さと直径との比は3:1で
ある。
容器3には、1400℃以上の温度の、10%以上の鉄を含
有するある容積の溶融した金属およびスラグ層(図示せ
ず)が収容されている。浴中の他の金属は、所要に応じ
て選択することができ、例えば、フェロアロイ,錫,ニ
ッケル,ケイ素および銅のうちの1種以上とすることが
できる。
図1に示す装置を使用する本発明方法の好適例では、
有機廃棄物および不活性ガスのようなキャリヤガスを底
部羽口5から注入してサークル13で示す一次反応圏を形
成する。一次反応圏13はオフガス出口11から遠く離れた
容器3の端部に位置する。
有機廃棄物は一次反応圏13でCおよびH2に熱分解され
る。浴にはある割合の生成物が残るが、残部の生成物は
一次反応圏の真上の浴より上の空間領域に放出される。
また、図1に示す装置を使用する本発明方法では、予
熱した空気,代表的な例においては900〜1600℃の範囲
の温度に予熱した空気、または他の適当な酸素含有ガス
を、注入口10から一次反応圏13に隣接する浴の表面に向
けて注入して、一次反応圏13の真上の領域とオフガス出
口11との間に位置する浴より上の空間領域に、サークル
17で示す二次反応圏を形成する。同時に、窒素または他
の適当なガスを羽口7から二次反応圏17の直ぐ下の浴中
に注入し、溶融した金属およびスラグを飛沫および/ま
たは液滴として浴表面から二次反応圏17に噴出させる。
代表的な例においては、窒素を浴中の溶融金属1トン当
り0.1Nm3/分以上の流量で注入する。予熱空気は一次反
応圏13からの生成物を、この生成物が一次反応圏13の真
上の空間からオフガス出口11に向けて二次反応圏17を通
って流れる際に、完全に酸化する。さらに、この酸化に
よって放出される熱は、溶融した金属およびスラグの飛
沫および/または液滴に効率良く伝達され、次いで飛沫
および/または液滴が浴表面に下向きに落下する際に浴
に効率良く伝達される。また、飛沫および/または液滴
は、生成物が二次反応圏17を通って流れる際に、有機廃
棄物中の金属汚染物および任意の微粒状物質のような揮
発した物質をスクラビングし、スクラビングされた有価
物を浴に移す。実際に、溶融した金属およびスラグの飛
沫および/または液滴は二次反応圏17でカーテンを形成
し、このカーテンは浴に熱を伝達しかつ二次反応圏17を
通って流れる生成物から揮発した物質および微粒状物質
をスクラビングする有効で効率の良い手段である。
代表的な例においては、二次反応圏17の温度を、溶融
金属の温度より200℃以上高くなるように制御する。代
表的な例においては、二次反応圏17の温度を1500℃〜27
00℃の範囲で変えることができる。
上述の説明から容易に分るように、二次反応圏17は3
種の重要な作用を行う。特に、二次反応圏17は、 (a)一次反応圏13からの生成物中の被酸化性部分を完
全に酸化する; (b)この酸化反応によって放出される熱を浴に確実に
伝達する;また (c)反応生成物から揮発した金属汚染物および微粒状
物質のような物質をスクラビングする。
予熱空気は二次反応圏17に適当な手段、例えば、上吹
き用の1個または複数個の羽口あるいは1個または複数
個の開口を有するランスによって、注入することができ
る。
図2に示す装置を使用する本発明方法の好適例は、図
1に示す装置を使用する本発明方法の好適例に類似して
いるが、この好適例では、さらに、酸素または他の適当
な酸素含有ガスを有機廃棄物と共に羽口5から一次反応
圏13に注入する。酸素および有機廃棄物は浴表面に向っ
て上向きに移動し、熱分解されかつ少なくとも部分的に
酸化される。ある割合の熱分解生成物および部分酸化生
成物は浴中に残り、残部の生成物は浴から一次反応圏13
より上の空間に放出される。代表的な例においては、一
次反応圏13より上の空間に放出される生成物は、有機廃
棄物の熱分解から生成する被酸化性物質であるCO,H2
び炭素質物質のほかに、有機廃棄物中に汚染物として存
在しているかあるいは有機廃棄物と一緒に加えられた他
の揮発した物質を含有する。
羽口5から一次反応圏13に注入される酸素には、いく
つかの可能な反応がある。上述した一連の好ましい反応
のほかに、酸素は鉄および鉄中の溶解炭素と反応してFe
OおよびCOを生成することができる。これらの反応は、
有機廃棄物の熱分解による生成物に対する好ましい反応
に利用できる酸素量を減少させる作用を有し、このため
望ましくない。さらに、これらの反応は、生成したCOが
ガス容積を増大させかつ鉄中の溶解炭素のレベルを低下
させる結果、浴のFeO還元能力が低下するので望ましく
ない。これらの反応は、鉄中の溶解炭素レベルの変動が
反応に反対の作用を及ぼす意味で、本質的に競走反応で
ある。この点を説明すれば、鉄中の溶解炭素レベルが高
く維持されているとCOレベルは比較的高くかつFeOレベ
ルは低くなり、他方鉄中の溶解炭素レベルが低く維持さ
れているとCOレベルは比較的低くかつFeOレベルは比較
的高くなる。その結果、鉄中の溶解炭素レベルを適当な
範囲に維持する必要がある。
例えば、溶融金属が60%以上の鉄を含有している場合
には、浴の炭素濃度を1〜3重量%の範囲に、かつ金属
温度を1350〜1600℃に維持することにより、最適操作を
達成できることが分った。このような操作条件下におい
て、浴に注入されたほとんどすべての金属酸化物が金属
に還元されることが分った。
上述のことを考慮して、図2に示す装置を使用する本
発明方法においては、石炭または他の適当な炭素質物質
を底部羽口7から浴に注入して、符号15で示す加炭圏を
形成する。石炭中の揮発分は熱分解され、炭素は鉄に溶
解して浴全体に、特に一次反応圏13中に分散する。
二次反応圏17から浴への熱伝達は重要であり、それは
加炭圏15における反応が本質的に吸熱反応であり、有機
廃棄物を熱分解できるレベルに浴温を維持するには、上
述の反応に起因する熱損失を平衡させることが重要であ
るからである。
図3に示す装置を使用する本発明方法の好適例は、有
機廃棄物を一次反応圏13および二次反応圏17に案内する
点で、図1および図2に示す装置を使用する本発明方法
の好適例に類似している。
また、この本発明方法では、1種以上の添加剤を底部
羽口61から溶融金属に注入する。添加剤は、有機廃棄物
の特定成分、例えば、ハロゲンが比較的不活性かつ/ま
たは比較的処理し易い形態に転化されるように選択す
る。
また、この方法では、引続いて、二次反応圏17から出
てくる生成物を符号23で示す三次反応圏に通して、確実
性のレベルを一層高くする。三次反応圏23は、酸素含有
ガスを注入口10から浴表面に向けて注入し、窒素または
他の適当なガスを羽口から三次反応圏23より下の浴に注
入して、溶融した金属およびスラグを飛沫および/また
は液滴として三次反応圏23中に噴出させることによって
形成される。
代表的な例においては、二次反応圏17に注入される酸
素含有ガスは、1350℃の温度に予熱され25%のO2を含有
する酸素富化空気であって、三次反応圏23に注入される
酸素含有ガスは予熱された空気である。
図1および図2に示す装置を使用する本発明方法の好
適例においては、本発明の技術的思想および範囲を逸脱
することなく、多くの変更を行うことができる。
この点に関し、本発明方法の好適例では、有機廃棄
物、酸素含有ガスおよび炭素質物質を浴中に注入して、
浴に本質的に大きな反応圏および加炭圏を形成している
が、容易に理解できるように、本発明方法はこれに限定
されるものではなく、浴中への諸成分の注入を制御して
本質的に大きい別個の一次反応圏および加炭圏の列を形
成することができる。
さらに、図2に示す装置を使用する本発明方法の好適
例では、二次反応圏17を加炭圏15の直ぐ上に形成してい
るが、容易に理解できるように、本発明方法はこれに限
定されるものではなく、二次反応圏17を加炭圏15に隣接
する浴部分より上に形成することができる。
さらに、図2および図3に示す装置を使用する本発明
方法の好適例では、炭素質物質を底部羽口から浴に注入
しているが、容易に理解できるように、本発明方法はこ
れに限定されるものではなく、上吹き羽口およびランス
を包含する任意の適当な手段を使用するように拡張する
ことができる。
図面の簡単な説明 図1は本発明方法を実施するのに使用する装置の一例
の断面図である。
図2は本発明方法を実施するのに使用する装置の他の
例の断面図である。
図3は本発明方法を実施するのに使用する装置のさら
に他の例の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マチューズ テリー アラン オーストラリア国 ビクトリア 3150 フィーラーズ ヒル カルダーウッド アヴェニュー 28 (56)参考文献 特開 昭49−63656(JP,A) 国際公開92/001492(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A62D 3/00

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器に収容されている溶融した金属および
    スラグの浴のなかで有機廃棄物を破壊するに当たり、 (a)有機廃棄物を前記浴に注入して一次反応圏を形成
    し、この一次反応圏において前記有機廃棄物を熱分解
    し、前記浴に吸収されない熱分解生成物を前記浴の表面
    より上の空間に放出させ; (b)酸素含有ガスを前記浴の表面に向けて注入して前
    記浴の表面より上の空間に二次反応圏を形成し、この二
    次反応圏において前記一次反応圏からの生成物中の被酸
    化性物質を完全に酸化し、かつこの酸化によって放出さ
    れる熱を前記浴に伝達させ; (c)不活性ガス、再循環プロセスガス、天然ガス、二
    酸化炭素、プロパン、ブタンおよびこれらのガスの混合
    物からなる群から選択した1種以上のガスを前記浴に注
    入して、溶融した金属およびスラグを前記浴から上向き
    に前記二次反応圏中に放出させて前記浴への十分な熱伝
    達を促進し、かつ前記一次反応圏からの生成物中の揮発
    した物質をスクラビングする ことを特徴とする廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】有機廃棄物およびキャリヤガスを前記浴に
    注入し前記一次反応圏を形成することを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】さらに、酸素含有ガスを前記一次反応圏に
    注入して熱分解生成物を少なくとも部分的に酸化するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記二次反応圏の温度を前記浴の温度より
    少なくとも200℃高い温度に制御することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記二次反応圏の温度を1500〜2700℃の範
    囲に制御することを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】前記有機廃棄物を前記容器の底から前記第
    一反応圏に注入することを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか一つの項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記浴は10%以上の金属を含有することを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか一つの項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】前記浴は70%以上の金属を含有することを
    特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】前記金属は、鉄、フェロアロイ、錫、ニッ
    ケル、クロム、ケイ素、銅およびこれらの混合物からな
    る群から選択した1種以上の金属であることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれか一つの項に記載の方法。
  10. 【請求項10】容器に収容されている溶融した金属およ
    びスラグの浴のなかで有機廃棄物を破壊するに当り、 (a)有機廃棄物を前記浴に注入して一次反応圏を形成
    し、この一次反応圏において前記有機廃棄物を熱分解
    し、前記浴に吸収されない熱分解生成物を前記浴の表面
    より上の空間に放出させ; (b)酸素含有ガスを前記浴の表面に向けて注入して前
    記浴の表面より上の空間に二次反応圏を形成し、この二
    次反応圏において前記一次反応圏からの生成物中の被酸
    化性物質を完全に酸化し、かつこの酸化によって放出さ
    れる熱を前記浴に伝達させ; (c)炭素質物質を前記浴に注入して加炭圏を形成し、
    この加炭圏において前記炭素質物質中の炭素を前記浴に
    溶解させる ことを特徴とする廃棄物の処理方法。
  11. 【請求項11】有機廃棄物およびキャリヤガスを前記浴
    に注入し前記一次反応圏を形成することを特徴とする請
    求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】さらに、酸素含有ガスを前記一次反応圏
    に注入して熱分解生成物を少なくとも部分的に酸化する
    ことを特徴とする請求項10または11記載の方法。
  13. 【請求項13】前記二次反応圏の温度を前記浴の温度よ
    り少なくとも200℃高い温度に制御することを特徴とす
    る請求項10〜12のいずれか一つの項に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記二次反応圏の温度を1500〜2700℃の
    範囲に制御することを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】前記有機廃棄物を前記容器の底から前記
    第一反応圏に注入することを特徴とする請求項10〜14の
    いずれか一つの項に記載の方法。
  16. 【請求項16】さらに、ガスを前記浴に注入して溶融し
    た金属およびスラグを前記浴から上向きに前記二次反応
    圏中に放出させて前記浴への十分な熱伝達を促進し、か
    つ前記一次反応圏からの生成物中の揮発した物質をスク
    ラビングすることを特徴とする請求項10〜15のいずれか
    一つの項に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記ガスを前記炭素質物質と共に前記浴
    の加炭圏に注入し、かつ前記酸素含有ガスを前記加炭圏
    より上の前記浴の表面に向けて注入して、前記二次反応
    圏を前記加炭圏の直ぐ上に形成することを特徴とする請
    求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】前記ガスを前記浴に注入して前記加炭圏
    の隣りにガス注入圏を形成し、かつ前記酸素含有ガスを
    前記ガス注入圏より上の空間に注入することを特徴とす
    る請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】前記浴は10%以上の金属を含有すること
    を特徴とする請求項10〜18のいずれか一つの項に記載の
    方法。
  20. 【請求項20】前記浴は70%以上の金属を含有すること
    を特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】前記金属は、鉄、フェロアロイ、錫、ニ
    ッケル、クロム、ケイ素、銅およびこれらの混合物から
    なる群から選択した1種以上の金属であることを特徴と
    する請求項10〜20のいずれか一つの項に記載の方法。
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