JP3475564B6 - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体発光素子に関し、特に、母材を窒化ガリウム系化合物で構成した青色発光の半導体発光素子(発光ダイオード)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発光ダイオードとして窒化ガリウム系(例えば AlGaInN)の化合物半導体のものが知られている。その化合物半導体は直接遷移型であることから発光効率が高いこと、光の3原色の1つである青色を発光色とすること等から注目されている。
【0003】
窒化ガリウム系半導体においても、Mgをドープして電子線を照射したり、熱処理によりp型化でき、従来のn層と半絶縁層(i層)とを接合させたMIS 型に換えて、AlGaN のp層と、ZnドープのInGaN の発光層と、AlGaN のn層とを用いたダブルヘテロpn接合を有する発光ダイオードが提案されている。
【0004】
また発明者らは、さらに発光輝度を向上させるために、図6に示す未公開の構造(特願平6-113484)を提案している。この窒化ガリウム系化合物発光ダイオードにおいては、発光素子基板に形成する発光層5は、母材にアクセプタである亜鉛(Zn)とドナーであるシリコン(Si)が同時にドープされており、その両側の接合がダブルヘテロ構造であって、420 〜450nm のピーク波長、発光出力1000mcd が実現している。このような青色発光素子としてはマルチカラーディスプレイ等の青色に需要がある。
【0005】
また交通信号灯の青は法規によって発光ピーク波長が約500nm 前後の高輝度のランプが要求されており、現状の上記の青色発光素子では波長が短すぎるという問題がある。この青色発光素子の発光ピーク波長を長波長側にしようとするには、発光層のエネルギーバンドの幅を短くすることが求められ、発光層のIn組成比を増大させること及び発光層にアクセプタとドナーを同時に添加することで、発光中心のエネルギー準位間の差を小さくできることからより長波長側の発光ピークを得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発光輝度が最高となる様な濃度にアクセプターとドナーを添加すると、アクセプター、ドナー間の距離が近くなり、クーロン力による位置エネルギーが無視できなくなる。この位置エネルギーが電子の遷移エネルギーに加わるため、アクセプター、ドナー間のレベル差が実質上増大したのと等化となる。この結果、発光波長が短波長側にシフトしてしまい、目的の波長が得られないという問題がある。
【0007】
従って本発明の目的は、発光輝度を従来程度以上に維持しつつ、かつ発光ピーク波長を長波長側にする高輝度型青色発光の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明の構成は、アクセプタおよびドナーが添加された発光層を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、前記発光層が、前記アクセプタだけを添加したA層と、前記ドナーだけを添加したD層とを間に無添 加(アンドープ)層を挟んで交互に積層させた多層構造であることを特徴とする。これに加えて前記無添加層 が、50Åから500Åの厚さを有することも特徴とし ている。本発明はまた、アクセプタおよびドナーが添加 された発光層を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光 素子において、発光層が、マグネシウム(Mg)が1× 10 19 〜1×10 21 /cm 添加され、マグネシウム(Mg)でないアクセプタを添加し、ドナーを添加し ないA層と、マグネシウム(Mg)が1×10 19 〜1 ×10 21 /cm 添加され、マグネシウム(Mg)で ないアクセプタを添加せず、ドナーを添加したD層とを 交互に積層させた多層構造であることを特徴とする。あるいはまた、前記発光層をはさみ込む接合がダブルヘテロ構造であることである。あるいはさらにまた、前記発光層がアルミニウムガリウムインジウムナイトライド(AlGaIn1―X―YN;X=0,Y=0,X=Y=0を含む)系であることを特徴としている。あるいはまた、前記発光層が、変調ドーピングもしくはδドーピングによって形成された不純物濃度分布を有することを特徴ある構成としている。あるいはまた、前記A層もしくは前記D層が、50Åから500Åの間の厚さを有することである。
【0009】
らには、前記アクセプタが、カドミウム(Cd)または亜鉛(Zn)またはベリリウム(Be)またはカルシウム(Ca)のいずれか、あるいはこれらの任意の混在であることを特徴ある構成としている。あるいは、前記ドナーが、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)またはテルル(Te)または硫黄(S)のいずれか、あるいはこれらの任意の混在であることも特徴ある構成となっている。そしてまた、前記A層と前記D層とが、それぞれAlInGa1―x―yN系の組成比を変化させた層で構成されていることも特徴ある構成である。
【0010】
【作用】
発光層に添加するアクセプタとドナーは、従来では混合状態であり、お互いの原子間距離が非常に近い。それでアクセプター・ドナー間のクーロン力が働いて、原子の遷移エネルギーがアクセプター、ドナー間のレベルより大きくなることを発明者らは見いだし、この点が長波長化を妨げていることから、アクセプター、ドナー間の距離を保つ構成とする。即ち、発光層にアクセプター、ドナーをそれぞれ交互に添加して多層構造とし、発光ピーク波長を、アクセプター、ドナーそれぞれの添加量、および各層の層厚、および母材組成比によって調節する。アクセプター、ドナーがそれぞれの層に形成されることで、お互いのクーロン力は平均として各層の中心間隔に相当する。従って混在させていた従来と比べて十分クーロン力を低下させている。
【0011】
発光ピークエネルギーhν(h:プランク定数、ν:光の振動数)は、エネルギーバンドギャップEg 、ドナー、アクセプターの活性化エネルギーをそれぞれED 、EA 、ドナー・アクセプター間の距離をr、電荷素量をqとすると、
【数 1】
hν = Eg −(ED +EA )+(q2 /εr)
(ε:誘電率)という式で示される。従って、ドナーとアクセプターを別々の層に、発光輝度が最大となる最適な濃度で添加し、かつ、および層の厚さを変えることにより、実質的な原子間距離、すなわちクーロン力を制御して発光波長を変化できる。
【0012】
従って、アクセプターとドナーとを添加した層のあり方として、交互にそれぞれアクセプター、ドナーをドープした多層構成、ドープされた層の間にアンドープの層を有する多層構成、さらにδドープや変調ドープによる多層構成でも同じようにアクセプター、ドナーの原子間距離を制御することができる。
【0013】
【発明の効果】
発光層を多層化することで、発光層内に添加されるアクセプター、ドナーの原子間距離が大きく保てることになり、アクセプター、ドナー間のクーロンエネルギーを小さくして、発光ピーク波長を約500nm にすることができる。発光層の母材は発光効率が高い高輝度な構成のままとでき、最大輝度は3000mcd が得られ、目的に見合った青色の発光素子ができる。また、層の厚さでもアクセプター、ドナー間の距離が制御できるので、最大輝度の得られる波長を自由に制御することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
(第1実施例)図1に示した発光ダイオード10は、サファイア基板1を有しており、そのサファイア基板1上に500 ÅのAlN のバッファ層2が形成されている。そのバッファ層2の上には、順に、膜厚約 2.0μmで電子濃度 2×1018/cm3のシリコンドープGaN から成る高キャリア濃度n+ 層( n + - GaN ) 3、膜厚約 2.0μmで電子濃度 2×1018/cm3のシリコンドープのAlx2Ga1-x2N から成る高キャリア濃度n+層4が構成されている。
【0015】
そしてその上に、全体の膜厚約0.5 μmの、マグネウシム(Mg)がドープされ、さらに亜鉛(Zn)とシリコン(Si)とが交互にドープされたGay In1-y N から成るp伝導型(p型)の多層発光層5が形成されている。そしてその上にクラッド層として、膜厚約 1.0μmのホール濃度 5×1017/cm3でマグネシウム(Mg)濃度 1×1020/cm3のマグネシウムドープのAlx1Ga1-x1N から成るp層61、その上に膜厚約0.2μmでホール濃度 5×1017/cm3のマグネシウム濃度 1×1020/cm3のマグネシウムドープのGaN から成る第2コンタクト層62、その上に膜厚約 500Åでホール濃度 2×1017/cm3のマグネシウム濃度 2×1020/cm3のマグネシウムドープのGaN から成る第1コンタクト層63が形成されている。そして、第1コンタクト層63に接続するニッケル(Ni)で形成された電極7と、高キャリア濃度n+ 層3に接続するニッケルで形成された電極8が形成されている。電極7と電極8とは、溝9により電気的に絶縁分離されている。なお、ここに示した構造は本発明の一例に過ぎず、本発明の特徴を有する発光層をもつ発光ダイオードとして機能する構成ならば、どのような構成であっても効果は同様である。また、図示する全ての図では正確な膜厚を反映した表示としていない。
【0016】
次に、この構造の発光ダイオード10の製造方法について説明する。この発光ダイオード10は、有機金属化合物気相成長法( 以下「M0VPE 」と記す) による気相成長により製造している。半導体結晶成長に用いられたガスは、NH3 とキャリアガスH2又はN2とトリメチルガリウム(Ga(CH3)3)(以下「TMG 」と記す) とトリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)(以下「TMA 」と記す) とトリメチルインジウム(In(CH3)3)(以下「TMI 」と記す) とダイメチルジンク(Zn(CH3)2)(以下「DMZ 」と記す) とシラン(SiH4)とビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C5H5)2)(以下「CP2Mg 」と記す)である。
【0017】
まず、有機洗浄及び熱処理により洗浄したa面を主面とする単結晶のサファイア基板1をM0VPE 装置の反応室に載置されたサセプタに装着する。次に、常圧でH2を流速2 liter/分で反応室に流しながら温度1100℃でサファイア基板1を気相エッチングした。
次に、温度を 400℃まで低下させて、H2を20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMA を 1.8×10-5モル/分で供給してAlN のバッファ層2が約 500Åの厚さに形成された。次に、サファイア基板1の温度を1150℃に保持し、膜厚約2.2 μm、電子濃度 2×1018/cm3のシリコンドープのGaN から成る高キャリア濃度n+層3を形成した。
【0018】
以下、亜鉛(Zn)とシリコン(Si)を発光中心として発光ピーク波長を約500nmに設定した場合の多層発光層5(アクティブ層)及びクラッド層4、6の組成比及び結晶成長条件の実施例を記す。上記の高キャリア濃度n+ 層3を形成した後、続いて、サファイア基板1の温度を1000℃に保持し、N2又はH2を10 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1.12×10-4モル/分、TMA を0.47×10-4モル/分、及びシランを導入し、膜厚約0.5 μm、濃度 1×1018/cm3のシリコンドープのAl0.1Ga0.9N から成る高キャリア濃度n+ 層4を形成した。
【0019】
続いて、サファイア基板1の温度を850 ℃に保持し、N2又はH2を20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1 ×10-5モル/分、TMI を1 ×10-4モル/分、CP2Mg を2 ×10-4モル/分、及び、シラン(SiH4)またはジエチルジンク(DEZ) を導入し、発光層5の成膜を行う。このとき、まず最初に約200 Åだけ、シランを用いてシリコン(Si)ドープの層52(D層)を形成し、続けて、母材は同じ材料、同じ厚さ約200 Å、添加する不純物をDEZ による亜鉛(Zn)に切り換えて亜鉛(Zn)ドープの層51(A層)を形成する。続けて同様な厚さでシリコンドープの層52(D層)を形成し、というように交互にアクセプターの亜鉛(Zn)とドナーのシリコン(Si)とを交互に添加して、全体をおよそ膜厚約0.5 μmとなるまで発光層5を成膜し、図2に示すような多層構造とする。なお、この状態で多層発光層5は、まだ高抵抗である。この発光層5におけるマグネシウム(Mg)の濃度は 1×1019/cm3、それぞれの層で、亜鉛(Zn)の濃度は 5×1018/cm3であり、シリコン(Si)の濃度も 5×1018/cm3である。
【0020】

続いて、温度を1000℃に保持し、N2又はH2を10 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1.12×10-4モル/分、TMA を0.47×10-4モル/分、及び、CP2Mg を2 ×10-4モル/分導入し、膜厚約1.0 μmのマグネシウム(Mg)ドープの Al0.1Ga0.9Nから成るp層61を形成した。p層61のマグネシウムの濃度は 1×1020/cm3である。この状態では、p層61は、まだ、抵抗率108 Ωcm以上の絶縁体である。次に、温度を1000℃に保持し、N2又はH2を10 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1.12×10-4モル/分、及び、CP2Mg を 1×10-4モル/分の割合で導入し、膜厚約0.2 μmのマグネシウム(Mg)ドープのGaN から成る第2コンタクト層62を形成した。第2コンタクト層62のマグネシウムの濃度は 1×1020/cm3である。この状態では、第2コンタクト層62は、まだ、抵抗率108 Ωcm以上の絶縁体である。
【0021】
続いて、温度を1000℃に保持し、N2又はH2を10 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1.12×10-4モル/分、及び、CP2Mg を 4×10-4モル/分の割合で導入し、膜厚約500 Åのマグネシウム(Mg)ドープのGaN から成る第1コンタクト層63を形成した。第1コンタクト層63のマグネシウムの濃度は 2×1020/cm3である。この状態では、第1コンタクト層63は、まだ、抵抗率108 Ωcm以上の絶縁体である。
【0022】
次に、反射電子線回折装置を用いて、第1コンタクト層63、第2コンタクト層62、p層61及び発光層5に一様に電子線を照射した。電子線の照射条件は、加速電圧約10KV、試料電流1 μA、ビームの移動速度0.2mm/sec 、ビーム径60μmφ、真空度5.0 ×10-5Torrである。この電子線の照射により、第1コンタクト層63、第2コンタクト層62、p層61及び発光層5は、それぞれ、ホール濃度 2×1017/cm3, 5×1017/cm3, 5×1017/cm3、抵抗率 2Ωcm,0.8 Ωcm,0.8 Ωcmのp伝導型半導体となった。このようにして、図2に示すような多層構造のウエハが得られた。その後、ウエハのまま、各個別の発光素子(チップ)を形成していくが、この工程は既に周知であるので、ここでは説明は省略する。
【0023】
このようにして得られた発光素子10は、駆動電流20mA、駆動電圧4Vで、発光ピーク波長が480nm 、発光強度2000mcd であった。これは従来よりも約2倍の発光輝度を有し、発光ピーク波長も、交通信号機で求められている500nm に近いものが得られた。
【0024】
又、上記の多層発光層5における亜鉛(Zn)またはシリコン(Si)のそれぞれの濃度は、それぞれ 1×1017〜 1×1020/cm3の範囲が発光強度を向上させる点で望ましい。
【0025】
上記の実施例では、多層発光層5のバンドギャップが両側に存在するp層6と高キャリア濃度n+ 層4のバンドギャップよりも小さくなるようなダブルヘテロ接合に形成されている。また上記の実施例ではInGaN 系とAlGaN 系であるため、これらの3つの層の格子定数は一致していないが、望ましくはAlx Iny Ga1-x-yN 系を用いて各層の組成比x,y を調整し、GaN の高キャリア濃度n+ 層の格子定数に一致するように選択する。
【0026】
(第2実施例)第1実施例の多層発光層5は、マグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)とシリコン(Si)とが添加されたInGaN 層から成っているが、第2実施例の多層発光層5は、図3に示すように、GaN 層54、InGaN 層53の交互の層から成っている。その製法は、前述の高キャリア濃度n+ 層3を形成するところまでは同様で、その後、まずサファイア基板1の温度を1000℃に保持し、N2を10 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1.12×10-4モル/分、TMA を0.47×10-4モル/分、及び、シランを導入し、膜厚約0.5 μm、シリコン濃度 1×1019/cm3のシリコンドープのAl0.1Ga0.9N から成る高キャリア濃度n+ 層4を形成する。
【0027】
続いて、温度を 850℃に保持し、N2を20 liter/分、NH3 を 10liter/分、TMG を 1×10-5モル/分、TMI を 1×10-4モル/分、CP2Mg を 2×10-4モル/分、シランを10×10-9モル/分、またはDEZ を 2×10-4モル/分で導入し、全体の膜厚約0.5 μmのマグネシウム(Mg)ドープで、交互にシリコン(Si)と亜鉛(Zn)のドープされたGaN / InGaN から成る多層発光層5を形成する。この第2実施例では、発光層の母材を変えて積層するため、アクセプターとドナーを添加する組み合わせがあり、図3(a) ではGaN 層54にシリコンを添加して、InGaN 層53に亜鉛(Zn)を添加した場合で、それぞれの厚さを100 Åにした場合である。この発光層5におけるマグネシウムの濃度は 1×1019/cm3であり、亜鉛(Zn)の濃度は 1×1019/cm3であり、シリコン(Si)の濃度は 8×1018/cm3である。また図3(b) の場合は、不純物を入れ換えて、GaN 層56に亜鉛(Zn)を添加し、InGaN 層55にシリコンを添加した場合で、厚さをGaN 層56を50Å、InGaN 層55を100 Åとした場合である。この発光層5におけるマグネシウムの濃度は 1×1019/cm3であり、亜鉛(Zn)の濃度は 5×1018/cm3であり、シリコン(Si)の濃度も 5×1018/cm3である。
【0028】
多層発光層5を形成した後は、第一実施例と同様に上側のクラッド層6を形成する。この発光ダイオードは、図3(a) の場合、駆動電流20mA、駆動電圧4Vで、発光ピーク波長は、500nm であり、発光強度は3000mcd である。図3(b) の場合で、発光ピーク波長は、490nm であり、発光強度は2500mcd であり、最も需要に見合った発光ダイオードを提供できる。
【0029】
(第3実施例)第3実施例の発光ダイオードは、第2実施例の発光ダイオードと異なり、図4に示すように、p伝導型の発光層5の母材としてAlGaN / InGaN 層を用いたものである。この例でも、図4(a) ではInGaN 層510に亜鉛(Zn)を添加し、AlGaN層511にシリコンをそれぞれ 5×1018/cm3、厚さそれぞれ100 Åで構成したものであり、図4(b) では、InGaN 層512にシリコンを 2×1018/cm3添加し、AlGaN 層513に亜鉛(Zn)を 1×1018/cm3、厚さはやはりそれぞれ100 Åで構成したものである。
【0030】
p層61は前述の実施例と同様、マグネシウム(Mg)のドープされたAlx1Ga1-x1N 、高キャリア濃度n+ 層4はシリコン(Si)のドープされたAlx2Ga1-x2N で形成してある。そして、組成比x1,x2 は、発光層5のバンドギャップが高キャリア濃度n+ 層4とp層61のバンドギャップに対して小さくなるダブルヘテロ接合が形成されるように設定される。尚、第1コンタクト層62、第2コンタクト層63も第1実施例、第2実施例と同様である。
【0031】
このようにして形成した発光素子12においても、発光ピーク波長490nm 、発光輝度2500〜3000mcd が得られており、効果は同様である。
【0032】
(第4実施例)その他、図5に、多層発光層5の構成として、厚さが50Å程度のアンドープの層514を交互にドープする層515、516の間に形成する場合(図5(a))や、均一の組成比のアンドープ層517の幅にごく僅かのドープ層518、519を交互に(図5(b))、または組成比の異なるアンドープ層520、521が積層された各層にごく僅かのドープ層522、523を交互に形成するδドーピングの手法を用いた場合(図5(c))の発光層5でもよく、さらにあるいは、ドープする濃度を連続的に変化させる変調ドーピングで形成した発光層5であっても良い。
【0033】
上記の各実施例において、多層発光層5の各層における亜鉛(Zn)とシリコン(Si)の濃度は、混合させて添加する場合と同様、それぞれ、 1×1017〜 1×1020/cm3の範囲が発光強度を向上させる点で望ましい。さらに好ましくは 1×1018〜 1×1019/cm3の範囲が良い。 1×1018/cm3より少ないと効果が少なく、 1×1019/cm3より多いと結晶性が悪くなる。
【0034】
又、上記の実施例において、コンタクト層(またはクラッド層)として、高濃度にマグネシウム(Mg)を添加した第1コンタクト層63と、第1コンタクト層63よりも低い濃度にマグネシウム(Mg)を添加した第2コンタクト層62との2層構造とした。しかし、p型の多層発光層5のマグネシウム(Mg)濃度よりも高いマグネシウム(Mg)濃度のコンタクト層を1層だけ電極7、8の直下に設けても良い。又、コンタクト層としてGaN を用いたが、p型のInx Ga1-x N 混晶を用いても良い。
【0035】
又、アクセプタ不純物は、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)を用いても良い。さらに、ドナー不純物には、炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、鉛(Pb)を用いることができる。
【0036】
さらに、ドナー不純物として、イオウ(S) 、セレン(Se)、テルル(Te)を用いることもできる。p型化は、電子線照射の他、熱アニーリング、N2プラズマガス中での熱処理、レーザ照射により行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る発光ダイオードの構成を示した模式的構成図。
【図2】多層発光層の構成の模式的説明図。
【図3】第2実施例に係る発光層の構成を示した模式的構成図。
【図4】第3実施例に係る発光層の構成を示した模式的構成図。
【図5】第4実施例に係る発光層の構成を示した模式的構成図。
【図6】従来の発光ダイオードの構成を示した模式的構成図。
【符号の説明】
10…発光ダイオード
1…サファイア基板
2…バッファ層
3…高キャリア濃度n+
4…高キャリア濃度n+ 層(クラッド層)
5…多層発光層
6…p層(クラッド層)
61…p層
62…第2コンタクト層
63…第1コンタクト層
7,8…電極
9…溝

Claims (10)

  1. アクセプタおよびドナーが添加された発光層を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、
    前記発光層が、前記アクセプタだけを添加したA層と、前記ドナーだけを添加したD層とを、間に無添加(アン ドープ)層を挟んで交互に積層させた多層構造であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  2. 前記無添加層が、50Åから500Åの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  3. アクセプタおよびドナーが添加された発光 層を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子におい て、
    前記発光層が、マグネシウム(Mg)が1×10 19 1×10 21 /cm 添加され、マグネシウム(Mg) でないアクセプタを添加し、ドナーを添加しないA層 と、マグネシウム(Mg)が1×10 19 〜1×10 21 /cm 添加され、マグネシウム(Mg)でないアク セプタを添加せず、ドナーを添加したD層とを交互に積 層させた多層構造であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  4. 前記発光層をはさみ込む接合がダブルヘテロ構造であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ か1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  5. 前記発光層がアルミニウムガリウムインジウムナイトライド(AlGaIn1―X―YN;X=0,Y=0,X=Y=0を含む)系であることを特徴とする請求項4に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  6. 前記発光層が、変調ドーピングもしくはδドーピングによって形成された不純物濃度分布を有することを特徴とする請求項1乃至5に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  7. 前記A層もしくは前記D層が、50Åから500Åの間の厚さを有することを特徴とする請求項1乃至5記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  8. 前記アクセプタが、カドミウム(Cd)または亜鉛(Zn)またはベリリウム(Be)またはカルシウム(Ca)のいずれか、あるいはこれらの任意の混在であることを特徴とする請求項1乃至7記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  9. 前記ドナーが、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)またはテルル(Te)または硫黄(S)のいずれか、あるいはこれらの任意の混在であることを特徴とする請求項1乃至8記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  10. 前記A層と前記D層とが、それぞれAlInGa1―x―yN系の組成比を変化させた層で構成されていることを特徴とする請求項1乃至9記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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