JP3474206B2 - 円形ハウジングの冷却または加熱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 説明 本発明は円形ハウジングの冷却または加熱装置に関す
る。

現在、エンジン出力の改善を目指すニーズが広くあ
る。航空学部門では、これを達成する一つの方法は、ロ
ータとステータとの間、特にロータの回転翼の自由端
が、それに面するハウジングの表面と合う領域で、遊び
を最小限に抑えることである。これを達成するため、既
に、特にハウジングの直径を変化させることによる手段
が考案されている。最も一般的な手順は、ガス排気管に
対向する区域で、エンジンの他の区間から得た、必要な
温度のガスを吹き付け、ハウジングを必要に応じて加熱
または冷却することによって、ハウジングの外面に熱誘
導の膨張または収縮を生じさせることからなる。

しかし、ハウジングの全表面の温度が高度の均一性を
有することがきわめて重要である。知られている装置
は、半円形管の二つのネットワークを、ハウジングの周
囲に取り付けることからなる。各ネットワークがハウジ
ングの周囲の半分を覆い、パイプによって与えられるデ
ィストリビュータユニットに順々に接続される。ディス
トリビュータは、ネットワークの各管にその中間点で接
続される。したがって、ガスはネットワークの管を通っ
て分散し、各管の中間からその端部へと移動する。ガス
は、ハウジングに向けられた口を介して管を出る。この
配置は、管がなぜ「シャワーカラー」と呼ばれるかを説
明する。

このタイプの装置は、ハウジングの外面全体にわたっ
て多少均一にガスを吹き付けることは事実であるが、そ
れでもガスが管を通って移動するにつれてガスが熱くな
り、したがってディストリビュータユニットに近い部分
より、管の端部に到着時に、より多くの熱を与えるの
で、均一の直径にすることができない。さらに、ハウジ
ングは、ディストリビュータユニットの付近の表面から
離れるとより高温になり、したがって卵形になって、そ
の最大直径はネットワークまたは管が相互接続する表面
にある。本発明の装置は、円形断面のハウジングを、よ
りはるかに均一に加熱または冷却することを目的とす
る。知られている装置と同様、本発明の装置は周囲の個
々の区間でハウジングを囲む管のネットワークに接続さ
れた、ディストリビュータにガス分配ネットワークを備
える。ディストリビュータを管のネットワークの中央に
接続するのではなく、二つのディストリビュータがネッ
トワークの端部に配置され、各ディストリビュータが、
関連のネットワークの管グループに接続される。ガスは
互いに相反する方向に２つのグループの管を通る。これ
で周囲への熱の供給の平衡をとる。ハウジングの各表面
に二重にガスが供給される。第１のガスは一方のネット
ワークの管グループから供給され、高温で、第２のガス
は他方のグループから供給され、低温である。

したがって、ディストリビュータは管のネットワーク
の２倍の数があり、管のネットワークの連続する各対は
二つの隣接するディストリビュータを有する。このよう
な状況で、熱によるひずみによって予測できない変位を
行うことがあるディストリビュータに、対の二つのディ
ストリビュータを満足できるような状態で接続すること
ができれば、対の二つのディストリビュータに同時に供
給する１つのガス分配パイプを有することが有利であ
る。これらのディストリビュータは、端部が開いた球の
形をしており、ディストリビュータを限定するブッシュ
内で摺動し、スリーブの動作を制限する端止めを取り付
けたスリーブによって接続される。

対のディストリビュータにつながるパイプは、その断
面の半分を占有して、前記ブッシュの止め面を通って少
なくとも一方のブッシュまで延びる接続パイプに突合せ
溶接される。このパイプは、分配ネットワークのより太
いパイプ内にわずかに貫入して、パイプを出るガス流の
半分を収集し、この半分のガスを接続ブッシュの先に位
置するディストリビュータへと運ぶ。ガス流の残りの半
分は接続ブッシュの周囲で分配パイプから出て、他方の
ディストリビュータに入る。接続ブッシュは、遊び付き
で接続される接続ブッシュより小さい半断面を有し、冷
却または加熱を等化することを目的とする装置が完成す
る。

可能な改良点は、装置に、エンジンが到達する速度に
応じてコンピュータによって制御される加熱または冷却
ガス制御弁を設けることからなる。低温ガスをハウジン
グに吹き付ける本発明を適用できる主な状況では、始動
時のガス流量を減少させることが特に有利である。エン
ジンがまだ冷えているときに供給される流量が多すぎる
と、ハウジングの温度上昇がロータおよびその翼よりは
るかに遅くなり、翼の先端がハウジングの内面に擦れる
点まで膨張することがある。この内面は、通常は摩耗可
能と言われる軟質材料の層で被覆されており、この層は
摩擦によって侵食され、それによってロータの翼への損
傷を回避する。しかし、翼と摩耗可能な層との間に生成
された遊びは、ハウジングが加熱されて膨張すると増大
し、したがってこの状態は回避すべきである。

次に、本発明について、非制限的な例として与えられ
る添付図面類を参照しながら、詳細に説明する。

−第１図は装置の外観図である。

−第２図は、製造および配置方法を示す、管のネットワ
ークの断面図である。

−第３図は、その動作を説明するための装置の平面図で
ある。

−第４図は、ディストリビュータユニットの接続方法を
示す。

第１図に示すような完成した装置は、ほぼ王冠の形状
で、他に提示される円筒形または円錐形のハウジングの
周囲に配置されると想定されたい。王冠は基本的に三つ
の同じ管のネットワーク１で構成され、それぞれの管の
ネットワークがハウジングの周囲の３分の１に延び、こ
れによって見かけ上連続的な表面を形成する。管のネッ
トワーク１はそれぞれ、互いに平行で一つのネットワー
クから次のネットワークへと延びる６つの管２を備え
る。これらの管２の端部はディストリビュータユニット
３にはめ込まれ、三つの管のネットワーク１の端部に位
置する３対の隣接するディストリビュタユニット３を与
える。ディストリビュータユニット３と管２には、パイ
プのネットワークを介して加熱または冷却ガスが供給さ
れ、パイプのネットワークは、最初は１つのパイプ４で
構成され、このパイプが、図の上部に図示された第１対
のディストリビュータユニット３へ延びる第１パイプ５
と、それ自体が２つのパイプに分離する第２パイプ６と
に分離し、分離した第２パイプの一方７は図の右下側に
沿って延びて、この領域に位置する第２対のディストリ
ビュータユニット３につながる。他方のパイプは図では
見えないが、管のネットワーク１の一つの背後に延びて
第３対のディストリビュータユニットと接続し、この第
３対のユニットも見えないが、図の左下側の背後に位置
する。パイプは、３対のディストリビュータユニット３
が同じ温度で同じ流量のガスを受けるような寸法をも
つ。ガスがディストリビュータユニットの各対に到達す
るために進む必要があるパイプの長さは全て同じであ
る。１つのパイプ４が二つの管のネットワーク１の接合
部で分離し、パイプ６は二つの管のネットワーク１の一
つの中央で分離する。パイプ５はハウジングの周囲のほ
ぼ３分の１延び、パイプ６は、パイプ６が分離した２つ
のパイプと同様、周囲のほぼ６分の１延びる。

第２図は、波形部９を向かい合わせて、管２を形成す
るよう配置して接合した波形金属板８で管のネットワー
ク１を構成する方法を示す。波形金属板８は、波形部９
の間に平坦な共通区間10を含む。これらの平坦区間は、
波形金属板８を組み付け、リベット打ちするか他の手段
によって締め付けると接触する。管２には、ハウジング
12に面する口11を取り付け、したがって加熱または冷却
ガスがハウジング上に吹き付ける。ガスは、ハウジング
12と管のネットワーク１とによって形成された管状チャ
ンバ13内に蓄積するが、共通区間10に形成された追加の
口14を介して逃げる。ハウジング12のフック15が図示さ
れている。これらのフックは円形のリブであり、固定翼
を担持するリングの区画とロータの可動翼17を囲む摩耗
可能な層で覆われた表面16がそれに取り付けられる。フ
ック15は、翼の端部の遊びを直接決定するハウジング12
の区間であるので、各管２およびその吹き出し口11を、
フックの一つに面するよう配置すると実用的である。

第３図は、各ガス分配パイプが、上記のディストリビ
ュータユニット３の隣接する対の一方にどのように通じ
ているかを示す。また、この図は、その内容物が、ディ
ストリビュータユニット３と接続されたスリーブ17を介
して半分が他方のディストリビュータユニット３へと進
む前に、前記ディストリビュータユニット３を最初にい
かに充填するかも示す。管のネットワーク１の６つの管
２は、ネットワークの端部に配置された対向するディス
トリビュータユニット３の一方に交互に接続され、した
がって３つの管２ではガスが一つの方向に流れ、他の３
つの管２では反対方向に流れる。ガスは、管２の中で以
前の装置と同じ方法で加熱され、ディストリビュータユ
ニットから離れるほど高温で口11から出る。ハウジング
12の表面上に一つの母線を考えると、ハウジングで、こ
の母線は、比較的長い距離を進んだ３つの管２からのガ
スと、比較的短い距離を進んだ３つの管２からのガス、
つまり非常に加熱されたガスとわずかしか加熱されない
ガスとを受け取り、したがってほぼ均等な熱の量を運ぶ
こととなる。このように本発明の目的が達成される。

次に、同じパイプから供給される隣接したディストリ
ビュータユニット３間の接続について説明する。第１図
に戻ると、ディストリビュータユニット３の外表面は、
これに延在する隆起18を有し、５および７のような供給
パイプが前記隆起18に一致して終了し、ディストリビュ
ータユニット３の一つに貫入していることが分かる。第
４図から分かるように、各隆起18は隆起を部分的に限定
するブッシュ19を含み、ブッシュ19は互いに面して設置
され、スリーブ17の一つによって接続される。スリーブ
17の両端部には、端部21で開き、ブッシュ19の内面上を
摺動することができる球面区間20が取り付けられる。し
たがって、管のネットワーク１およびブッシュ19は、ブ
ッシュ19内でスリーブ17が１回転を超えて回転したり摺
動したりすることなく、また、ディストリビュータユニ
ット３間の漏れ密着性および接続を破ることなく、互い
に対して移動することができる。明らかに、管のネット
ワーク１が分離しても抜けないように、スリーブ17はブ
ッシュ19内に十分に挿入しなければならない。ブッシュ
19には、一方向に無限に移動するのを防止するため、ス
リーブ17の両側に止め表面22も取り付ける。止め表面22
は、ガスがディストリビュータユニット３に入れるよ
う、中央口23を備える。接続管24は、これらの口23の一
方に溶接され、他方の口は自由なままである。接続管24
は、５のような供給パイプの断面の半分に突合せ溶接さ
れる。これによって、ガスの半分は接続管24を介して
（図の左側にある）反対側のディストリビュータユニッ
ト３に流入し、ガスの他方の半分はブッシュ19に衝突
し、右側のディストリビュータ３の管２内に戻る。最終
的な改良において、ガスの流れは、達成される速度に従
ってコンピュータ26が制御するクリーパー弁25によって
制御することができ、これによって装置に供給されるガ
スの流れを調節し、したがってハウジング12の膨張を調
節する。コンピュータ26は、エンジン内の速度、温度、
圧力などのレベルを測定するセンサからデータを受信す
ることができ、このデータを活用して経験的に考案され
た表または式を使用する。最後に、参照符号27はガスを
サンプリングできる供給パイプ４上の一点である。この
点は、通常は、当技術分野で周知の手段を使用して流れ
の一部をサンプリングする排ガスパイプ上の一点であ
る。

三つの管のネットワーク１が図示されているが、異な
る数のネットワークが、ハウジング12の周囲の対応する
小部分に延びることも可能である。管は、ネットワーク
の数が多くなれば短くなり、ガスが進む距離、したがっ
てガスを加熱する程度を制限する。しかし、本発明の特
徴は、この加熱の結果を、装置をこれ以上分離するのが
無意味になる程度まで克服する。

本発明は、何よりもガスが高温になるために本発明の
必要性が高くなるターボ機械に、特に適用することがで
きる。

フロントページの続き (72)発明者 レトワル，パトリツク フランス国、94100・サン・モール、ア ブニユ・カルノ、98 (72)発明者 シユルツ，クリストフ フランス国、95610・エラニー・シユー ル・オワズ、リユ・デ・メザンジユ、４ (72)発明者 スピゾン，ジヤン―リユツク フランス国、77000・ボー・ル・ペニル、 リユ・ドウ・ラ・フロツト、171 (72)発明者 バツシユ，ジヤン フランス国、91350・グリニー、プラ ス・デゼルブ、３ (56)参考文献 特開 平５−340271（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−214962（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−301102（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−154806（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−25002（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−8204（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−70213（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−49903（ＪＰ，Ａ) 米国特許2801821（ＵＳ，Ａ) 米国特許4019320（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F01D 11/00 - 11/10 F01D 25/10 - 25/12 F02C 7/28

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円形ハウジング（12）用の冷却または加熱
   装置であって、ハウジングの周囲の区間を囲み、管
   （２）に接続するガス入口ディストリビュータ（３）お
   よびハウジングに向けられた管のガス出口（11）を備え
   る管（２）のネットワーク（１）と、ディストリビュー
   タにガスを分配するネットワーク（４、５、６）とを備
   え、管のネットワーク（１）が二つのディストリビュー
   タの間にあって、前記二つのディストリビュータがそれ
   ぞれ、前記ネットワークの個々の管のグループに接続さ
   れ、ガス分配ネットワークが、それぞれ対のディストリ
   ビュータにつながるパイプ（５、６）を備え、対のディ
   ストリビュータが隣接して、異なる管のネットワークと
   接続され、ディストリビュータを画定する、開いた球の
   一部をなす形状の二つの端部（20）を有するスリーブ
   （17）を介して接続され、この二つの端部が、スリーブ
   （17）の動作を制限する止め面を取付けられたブッシュ
   （19）内で摺動することと、対のディストリビュータ
   （３）につながるパイプ（５、６）が、その断面の半分
   を占有して、少なくとも一つのブッシュ（19）の止め面
   （22）を通って前記ブッシュ（19）まで延びるパイプ
   （24）に突合せ溶接されることとを特徴とする装置。
2. 【請求項２】管のネットワークがそれぞれ、波形部
   （９）間の平坦な共通区間（10）によって締め付け固定
   された二つの波形金属板（８）で構成され、管が、波形
   部（９）と、ガスを排出する口（14）を有する共通区間
   （10）とによって形成されることを特徴とする、請求の
   範囲第１項に記載の装置。
3. 【請求項３】管のネットワーク（１）が三つあることを
   特徴とする、請求の範囲第１項に記載の装置。
4. 【請求項４】ガス分配ネットワーク（４、５、６）が、
   コンピュータ（26）によって制御されるクリーバー弁
   （25）を備えることを特徴とする、請求の範囲第１項に
   記載の装置。