JP2003049607A - 流体導通管 - Google Patents

流体導通管

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JP2003049607A
JP2003049607A JP2001236012A JP2001236012A JP2003049607A JP 2003049607 A JP2003049607 A JP 2003049607A JP 2001236012 A JP2001236012 A JP 2001236012A JP 2001236012 A JP2001236012 A JP 2001236012A JP 2003049607 A JP2003049607 A JP 2003049607A
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Japan
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flow
fluid conduit
duct
fluid
pipe
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JP2001236012A
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English (en)
Inventor
Seiichi Tanabe
清一 田辺
Masahisa Fujimoto
雅久 藤本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主機からの排出流体の減速を低圧力損失を行
いかつ、従来と比較して短く、設備の小型化ならびにコ
ストの削減に貢献する管もしくはダクトを提供する。 【解決手段】 ガスタービンに接続される上流からボイ
ラに接続される下流にかけて、複数の円錐台側壁状の管
もしくはダクトを同軸に配置し、円錐台側壁状管もしく
はダクトが形成する環状流路を流体の流れ方向に配置し
た複数の仕切板により区分して、複数の小型の円錐台側
壁状管もしくはダクトを束ねたものと同等の機能をもた
せた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンや蒸
気タービン、水車、圧縮機等、各種の流体機械に装備さ
れ得るものであって、高速で移動する流体を導通する過
程において、短距離かつ、流体の速度エネルギーを圧力
エネルギーに低損失で変換し、減速する管もしくはダク
トといった流体導通管に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば発電プラント等に採用されるガス
タービンは、圧縮機によって加圧された高圧の空気を燃
焼器に導入し、これを酸化剤として燃料を燃焼させ、発
生した高温高圧の燃焼ガスによってタービンを駆動す
る。そして、タービンによって発電機を駆動して電力を
生産するようになっている。さらに近年では、上記ガス
タービンの駆動に供した燃焼ガスの高温排ガスを排ガス
ボイラに導いて蒸気を発生させ、この蒸気によって蒸気
タービンを駆動し、該蒸気タービンによって発電機を駆
動して電力を生産する、蒸気タービンシステムを併設し
たコンバインド発電プラントも実施されている。
【0003】ガスタービンとそれに繋がる排ガスボイラ
の構成を図9に示す。図において符号1はガスタービ
ン、2は排ガスボイラ、3はガスタービン1から排出さ
れる高温ガスを排ガスボイラ2に導くダクトである。
【0004】ダクト3は、ガスタービン1に、接続され
て高温ガスが流入する上流から、ボイラ2に接続され
て、高温ガスが流出する下流にかけて、断面積が徐々に
拡大する円錐台側壁状のダクトにより形成されている。
より詳細には、高温ガスの流れ方向に対しダクト3の円
錐台側壁状の壁面のなす角度が5°以下で、最適には
2.75°である。最終的にダクト3下流の断面積は上
流の断面積の4倍ほどに拡大されており(上流と下流と
は必ずしも同形状ではない)、ダクト3に流れ込んだ高
温ガスの速度は1/4程度に低減される。
【0005】上記のようなダクト3の形状は、排ガスボ
イラ2に流入する高温ガス流の速度エネルギーを圧力エ
ネルギーに変換する際の、エネルギー損失を最小とする
ことを目的としている。さらに流速を低めることにより
排ガスボイラ2の耐久性を確保することを目的としてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のダクト3におい
ては、高温ガスの流れ方向に対し壁面のなす角度が5°
以下であり、2.75°が最適とすると、下流の断面積
を上流の断面積の4倍にするには、ダクト3の長さを非
常に長くする必要がある。断面形状がいずれの箇所でも
円形で、上流部分の直径が5m、下流部分の直径が10
mのダクトを仮定すると、その長さは50mをゆうに越
える長さとなる。
【0007】これは以下の式により計算できる。 d2=d1+2*L*tan2.75 式1 L=(d2−d1)/2/tan2.75 式2 ここで d1:管もしくはダクト上流径 d2:管もしくはダクト下流径 L :管もしくはダクト長さ(拡大部) 上記式2より下流径が上流径の2倍となり断面積が4倍
となるのは L=(2*d1−d1)/2/tan2.75=10.4*d1 式3 こうなると、設備自体が非常に大型化してコストが嵩ん
でしまう。
【0008】また、ダクトがこのように長大だと、流速
の高い領域が広範囲にわたるため、内面に貼設した断熱
材が流速の影響を受けて剥離飛散しダクトを痛め、さら
に下流の排ガスボイラを損傷するおそれがある。ダクト
の高温排ガスの流れ方向に対し壁面のなす角度を最適な
2.75°より大きくして流れ方向の距離を短くするこ
とも考えられるが、この場合図11の如く速度エネルギ
ーから圧力エネルギーへの変換効率が低下し、ガスター
ビンの排気圧力を高め、ガスタービンの出力低下、さら
にプラント性能低下となる。これは流体の流れ方向に対
し壁面のなす角が2.75°を越えると、高温ガスの流
れが壁面からはがれ、渦を形成し始めるためである。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、従来のガスタービンの性能を維持しつつ、ダク
ト長さを短くして、設備の小型化ならびにコストの削減
に貢献するダクト、さらにはガスタービンのダクトに囚
われず高速で移動する気体、液体等の流体を導通する過
程で減速する流体導通管を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、次のような構成が考えられる。前記式
3から、円錐台側壁状の上流径(d1)を小さくすれば
短い距離で流路断面積の拡大が可能である。すなわち図
10の如く流れ方向に対し壁面のなす角が5°以下の小
型円錐台側壁状ダクトをN本束ねて、必要な断面積のダ
クトを構成すれば、ダクト拡大部すなわち小型円錐台側
壁状ダクトの長さは、元のダクトのNの平方根分の1と
なり、ダクト長さを短縮できる。
【0011】しかしこの方式では断面形状が円錐台側壁
状ダクトを束ねたものであり、入り口部及び出口部が円
形とならず、流れに乱れが生ずること無く接続するのが
困難なこと及び、小型ダクト同士の隙間が無駄となるこ
とから、さらに検討し次の方法を考案した。
【0012】管もしくはダクトの断面形状が円でなく、
正方形、矩形もしくは多角形でも同一断面積の周長が円
に比し20%以内の差であり、流れ方向に対する壁面の
なす角度が5°以下であれば、流体工学上は円形断面に
比し若干劣るが、低い圧力損失で流路断面積を拡大し、
流速を低下させることができる。
【0013】本発明による請求項1記載の流体導通管
は、高速で移動する気体、液体等の流体を導通する過程
で減速する流体導通管であって、上流から下流にかけて
断面が漸次拡大する、円錐台の側壁部分の形状をなす複
数の管部材を中心線を一致させて配置し、該管部材の内
側に管部材の長さ方向に仕切板を設け、長さ方向に垂直
な任意の断面を見ると管部材と仕切板とで囲まれた空間
ががほぼ同一断面積となるように複数に区画し、それぞ
れの区画が流れ方向に沿ってほぼ相似に漸次拡大するこ
とを特徴とする。
【0014】請求項2記載の流体導通管は、請求項1に
記載の流体導通管であって、前記区画が流れ方向に沿っ
てほぼ相似に漸次拡大する時の拡大率が下記式で計算さ
れ、角度θが5°以下で最適には2.75°であること
を特徴とする流体導通管。 K=1+2*L/d1*tanθ ここで K :拡大率(d2/d1) d1:拡大部上流端代表寸法 d2:拡大部下流端代表寸法 L :拡大部流れ方向長さ θ :区画壁の流れ方向に対する代表角度
【0015】本発明に係る管もしくはダクトにおいて
は、内外に隣り合う円錐台側壁と周方向に隣り合う仕切
板とで区画された、空間が個々に小型のダクトを形成
し、それぞれの区画が形成するダクトが、同一の拡大率
で漸次拡大する。すなわち流れ方向に対し壁面のなす角
が5°以下の小型の円錐台側壁状ダクトを、複数本束ね
て必要な断面積のダクトを構成したのと、ほぼ同じ機能
を得ることができる。よって本発明ダクトの区画数がN
であれば、減速部の長さは従来のダクトに比しNの平方
根分の1とする事ができる。
【0016】請求項3記載の流体導通管は、請求項1に
記載の流体導通管であって、内外に隣り合う前記管部材
の側壁どうしがなす角度が10°以下で最適には5.5
°であることを特徴とする。
【0017】これは環状流路の流況を外周面と環状流路
の流れの中心面とについて見た場合、いずれも円錐台側
壁状で、かつそれぞれのなす角度が2.75°(それぞ
れの頂角の差が5.5°)となり、外周面で境界層剥離
が発生しし得ないことになる。同様に環状流路の流況を
内周面と環状流路の流れの中心面とについて見た場合、
いずれも円錐台側壁状で、かつそれぞれのなす角度が
2.75°(それぞれの頂角の差が5.5°)となり、
内周面で境界層剥離が発生し得ないこととなる。
【0018】さらに環状流路の周方向については、流れ
方向に対する広がりは、実質的に請求項1または2の値
と大差は無い。違いは仕切り板により生成される境界層
がなくなることのみとなり、周方向での境界層剥離が発
生し得なくなる。すなわち環状流路を区分する仕切板が
無くても、本発明の目標を達成できることになる。
【0019】請求項4記載の流体導通管は、請求項3に
記載の流体導通管であって、前記の上流に、前記流体の
流れ方向に沿って旋回流を抑制する複数の仕切板を設け
たことを特徴とする。
【0020】ガスタービン、蒸気タービン、水車及び圧
縮機等の排出部流況は、回転機械の宿命として旋回流が
発生する。これらの回転機械は最高効率点で旋回流が最
も低くなるよう設計するが,全運転範囲において旋回流
による性能低下を抑えることは不可能である。次善の策
として、ダクト上流設置の仕切板により整流し、旋回流
の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して性能の低
下を抑える。
【0021】請求項5記載の流体導通管は、請求項1な
いし請求項4に記載の流体導通管であって、前記管部材
の上流側の端部は、上流の流れもしくは流れの広がり方
向に沿う形状とし、その形状が前記円錐台の側壁部分の
形状に連続することを特徴とする。
【0022】請求項6記載の流体導通管は、請求項1な
いし請求項4に記載の流体導通管であって、前記管部材
の下流側の端部は、下流の流れもしくは流れの広がり方
向に沿う形状とし、その形状が前記円錐台の側壁部分の
形状に連続することを特徴とする。
【0023】請求項7記載のガスタービンは、請求項1
ないし6記載の流体導通管をガスタービンの排気部備え
ることを特徴とする。
【0024】本発明のダクトを備えるガスタービンにお
いては、燃焼ガスの排出速度を短い距離で低減できるこ
とにより、プラント配置が容易となり大きなコストダウ
ンが計れ、さらに、高い流速部が内部断熱の不要な拡大
部のみとなり内部断熱が低流速部のみとなることによっ
て、断熱設計が容易となるとともに長寿命化が達成でき
る。
【0025】請求項8記載の蒸気タービンは、請求項1
ないし6記載の流体導通管を蒸気タービンの排気部に備
えることを特徴とする。
【0026】蒸気タービンにおいては、低圧タービン排
気は中間胴を経て復水器へ流入するが、その距離が短
く、5°以下の広がりを持った排気流路を、これまで採
用することができなかったが、本発明のダクトを備える
蒸気タービンにおいては、蒸気の排出速度の低減が低圧
力損失で実現できることとなり、蒸気タービンの性能向
上さらに効率向上が達成できる。
【0027】請求項9記載の水車は、請求項1ないし6
記載の流体導通管を水車の排水部に備えることを特徴と
する。
【0028】水車では水車排水管を吸い出し管と称し、
流れ方向に対し5°以下の広がりを持った吸い出し管に
より排水の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する
ようつとめているが、前述のごとく非常に長いものとな
り、さらに土木建設工事上、途中に90°の曲がりを設
ける必要があり、これが圧力損失を起こしていた。本発
明の拡管部を備える水車においては、水車ランナー直後
に、本発明の減速部を設けて低圧力損失で水流の減速を
実行する。その結果、水流方向転向は減速後とする事が
でき、水流方向転向に要する圧力損失を大幅に低減させ
ることができる。この結果、従来の吸い出し管設置のた
めの土木工事費低減と、圧力損失低減による水車性能向
上が達成できる。
【0029】請求項10記載の圧縮機は、請求項1ない
し6記載の流体導通管を圧縮空気の吐出部に備えること
を特徴とする。
【0030】本発明のダクトを備える圧縮機において
は、圧縮空気の排出速度が低圧力損失で低減されること
により、圧縮機性能向上が達成できる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明に係る第1の実施形態を図
1ないし図6に示して説明する。図1には本発明に係る
流体導通管として構成されたダクト10によってガスタ
ービン1と従来のダクト3とを接続し、次いで排ガスボ
イラ2に接続した構成を示している。このダクト10
は、ガスタービン1に接続される上流から、減速後の従
来ダクト3に接続される下流にかけて、断面積が漸次拡
大する大、中、小3つの円錐台側壁状のダクト(管部
材)11,12,13を、同心軸に配置し、さらに各円
錐台状側壁状ダクト11と12で形成される環状流路
と,ダクト12と13で形成される環状流路を、それぞ
れ複数の仕切板14で区画している。
【0032】ダクト10は耐熱合金の板材を、溶接また
はボルトもしくはリベット等にて接合組み立てられる。
図示省略しているが、外側の円錐台側壁状ダクトは外部
を断熱保温されているが、その他の部材はすべて高温の
ガスタービン排ガスに晒される構成であり断熱保温は必
要ない。
【0033】以下に、本ダクト10の計画手順を説明す
る。 [1]ダクト内部の任意の断面内における分割の形態を
決定する。例えば本実施形態のダクト10であれば、円
錐台側壁状ダクト11と円錐台側壁状ダクト12とが形
成する環状流路は12等分し、円錐台側壁状ダクト12
と円錐台側壁状ダクト13とが形成する環状流路は6等
分する。 [2]分割数(分割により区画される空間の数、ただし
最内ダクトの内側の区画も含む)は1,6及び12とな
り分割数累計は1,7及び19となる。 [3] 各区画の断面積が均等になるようにするには、
それぞれのダクトの直径は、総分割数累計分の分割数累
計の平方根と最外ダクトの直径の積として計算できる。 [4]各ダクトの直径が決定したら、各区画ごとに内円
弧長、外円弧長、および仕切板長(いずれも最外管の直
径に対する比率)を算出する。 [5]上記の結果から、それぞれの区画について周長及
び周長累計値が求められ、さらに各区画の周長比を算出
して比較検討することができる。
【0034】上記の手順に従って決定された各ダクトの
直径その他の各値を、図3のAないしC及び図4のAな
いしCに示す。図3のAは本実施形態の通りに分割をす
る場合の計算値を示す図表であり、図3のBはダクト1
0の内部を図5のBように20個の区画に分割をする場
合の計算値を示す図表であり、図3のCはダクト10の
内部を図5のCのように21個の区画に分割する場合の
計算値を示す図表である。同様に図4のA,B及びCは
最内周のダクト13の内部を仕切り板14により4分割
としたもので、それぞれ31,34,及び32区画に分
割される。
【0035】図3のA,B及びC及び図4のA,B及び
Cの図表に記載した、各区画ごとの一周長比率を比較検
討すると、各区画ごとの一周長比率のばらつきが最も少
ない図4のAの分割形態が最も有効であると考えられ
る。
【0036】ただし実際の機器は排気部に軸受けや軸シ
ールを設置しており、これらが最内周の管もしくはダク
トへの流体の流入を妨害しているので、軸受け及び軸シ
ールによる流況変化を考慮する必要があり、ダクトの設
計はその都度実施する必要がある。
【0037】本発明第2の形態について図12図13及
び図14により以下説明する。流体が流入する上流から
同流体が流出する下流にかけて、複数の同心の円錐台側
壁状の管もしくはダクトで構成され、それぞれの該円錐
台側壁状管もしくはダクトの中心軸と側壁のなす角度
(頂角の半分)の差が10°以下で最適には5.5°で
ある構成とすることを特徴とする。すなわち本発明第1
の形態の管もしくはダクトから仕切板を取り外し、それ
ぞれの円錐台側壁状の管もしくはダクトの中心軸と側壁
のなす角度の差を規定したものである。
【0038】これは環状流路の流況を外周面と環状流路
の流れの中心面とについて見た場合、いずれも円錐台側
壁状で、かつそれぞれのなす角度の差が2.75°(そ
れぞれの頂角の差が5.5°)となり、外周面で境界層
剥離が発生しし得ないことになる。同様に環状流路の流
況を内周面と環状流路の流れの中心面とについて見た場
合、いずれも円錐台側壁状で、かつそれぞれのなす角度
の差がが2.75°(それぞれの頂角の差が5.5°)
となり、内周面で境界層剥離が発生し得ないこととな
る。
【0039】さらに環状流路の周方向については、流れ
方向に対する広がりは、実質的に請求項1または2の値
と大差は無い。違いは仕切り板により生成される境界層
がなくなることのみとなり、周方向での境界層剥離が発
生し得なくなる。すなわち環状流路を区分する仕切板が
無くても、本発明の目標を達成できることになる。
【0040】以上の結果を示す例が、図12、図13及
び図14である。図13のAは最内周ダクト13は小型
円錐台側壁状ダクト(頂角5.5°)の場合である。B
の場合は最内周ダクト13内に仕切り板があり4分割さ
れている。(頂角は11°となる) またダクト11と12間、及びダクト12と13間には
仕切り板は不要であるが、ダクト12とダクト13は構
成上、ダクト13により支持される必要があり、支持部
材としての支持板が必要となる。
【0041】次に、本発明に係る第3の実施形態を説明
する。本発明は第2の実施形態に対するものであって、
仕切り板のない環状流路の上流部のみ旋回流整流のため
の仕切り板をもうけるものである。(図示省略)
【0042】ガスタービン、蒸気タービン、水車及び圧
縮機等の排出部流況は、回転機械の宿命として旋回流が
発生する。これらの回転機械は最高効率点で旋回流が最
も低くなるよう設計するが,全運転範囲において旋回流
による性能低下を抑えることは不可能である。次善の策
として、ダクト上流設置の仕切板により整流し、旋回流
の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して性能の低
下を抑える。
【0043】次に、本発明に係る第4の実施の形態を図
14により説明する。図14の緩曲部A1,A2及びA
3のごとく、ダクト11,12及び13は上流の流れも
しくは流れの広がり方向に沿う形状とし、次いで徐々に
該円錐台側壁の拡がりとなる構成とする。緩曲部の計画
はまず緩曲部A3を決定し、次いで緩曲部A3とA2が
形成する環状流路の断面積が徐々に大きくなるよう、緩
曲部A2を決定する。同様に緩曲部A1を決定する。こ
れにより本発明の管もしくはダクトに流入する流体が入
り口部で急拡大することによる圧力損失を軽減する。
【0044】また図14の緩曲部B1,B2及びB3の
ごとくダクト11,12及び13の後端はダクト下流の
流れもしくは流れの広がり方向に沿う形状とし、次いで
上流に向かい徐々に該円錐台側壁の拡がりとなる構成と
する。緩曲部の計画はまず緩曲部B3を決定し、次いで
緩曲部B3とB2が形成する環状流路の断面積が、下流
方向へ徐々に大きくなるよう、緩曲部B2を決定する。
同様に緩曲部B1を決定する。これにより本発明の管も
しくはダクトから排出される流体が出口部で広がりが急
激にゼロとなることによる圧力損失を軽減する。
【0045】次いで本発明の第5の実施の形態を図7に
より説明する。本実施の形態では蒸気タービンの排気部
に本発明のダクトを備えることを特徴とするものであ
る。
【0046】蒸気タービンにおいては、従来から低圧タ
ービン排気、中間胴を経て復水器までの距離が短く、5
°以下の広がりを持った排気流路を採用することができ
なかったが、本発明のダクトを備える蒸気タービンにお
いては、蒸気の排出速度の低減が低圧力損失で実現でき
ることとなり、蒸気タービンの性能向上さらに効率向上
が達成できる。
【0047】次いで本発明の第6の実施の形態を図8に
より説明する。本実施の形態では水車の排水部に本発明
の管を設けることを特徴とするものである。
【0048】水車では水車配水管を吸い出し管と称し、
流れ方向に対し5°以下の広がりを持った吸い出し管に
より排水の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する
ようつとめているが、従来のものは非常に長いものとな
り、さらに土木建設工事上、途中に90°の曲がりを設
ける必要があり、これが圧力損失を起こしていた。本発
明の拡管部を備える水車においては、水車ランナー直後
に本発明の管(減速部)を設けて低圧力損失で水流の減
速を実行する、その結果、水流方向転向は減速後とする
事ができ、水流方向転向に要する圧力損失を大幅に低減
させることができる。この結果、従来の吸い出し管設置
のための土木工事費低減と、圧力損失低減による水車性
能向上が達成できる。
【0049】次いで本発明の第7の実施の形態について
説明する。本実施の形態では圧縮機の空気吐出部に本発
明の管もしくはダクトを設けることを特徴とするもので
ある。(図示省略)
【0050】本発明のダクトを備える圧縮機において
は、圧縮空気の排出速度が低圧力損失で低減されること
により、圧縮機性能向上が達成できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る管も
しくはダクトによれば、複数の円錐台側壁状管もしくは
ダクトにより形成される、複数の環状流路を仕切板によ
り区画し、区画されたそれぞれの流路が流れ方向に対
し、等しい拡大率で断面積が漸次拡大するので、頂角が
10°以下の小型円錐台側壁状の管もしくはダクトを多
数束ねたのと同様の機能を持つこととなる。すなわち,
個々の区画は断面が円弧と仕切板によって囲まれ平均し
て流れ方向に対し5°以下の角度で漸次拡大する小型ダ
クトを形成するものである。
【0052】また本発明に係る管もしくはダクトによれ
ば、複数の頂角の差が、10度以下の円錐台側壁状管も
しくはダクトで形成される、複数の環状流路を有するの
で、上流からの高流速の流体を低圧力損失でかつ短い距
離で減速する。さらに仕切り板が不要となるので製作コ
スト低減と、仕切り板によって生ずる圧力損失がなくな
る。
【0053】本発明の管もしくはダクトを備えるガスタ
ービン、蒸気タービン、水車、圧縮機によれば、それぞ
れが排出する流体(燃焼ガス、蒸気、水、圧縮空気)
が、本発明のダクトを通過することで速度エネルギーを
効果的に圧力エネルギーに変換するので、装置の性能及
び効率を、高く維持した状態で管もしくはダクトの短縮
が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態を示す図であっ
て、本発明に係るダクトによってガスタービンとボイラ
とを接続した構成を示す概略図である。
【図2】 本発明に係る第1の実施の形態のダクトの形
状を示す斜視図である。
【図3】 本文中の手順に従って決定された各管もしく
はダクトの直径その他の各値を示す図表である。
【図4】 本文中の手順に従って決定された各管もしく
はダクトの直径その他の各値を示す図表である。(最内
管もしくはダクトが4分割された例を示す)
【図5】 ダクト断面の略視図である。(図3参照)
【図6】 ダクト断面の略視図である。(図4参照)
【図7】 蒸気タービンの排気部に本発明のダクトを設
けた構成を示す概略図である。
【図8】 水車の排水部に本発明の管を設けた構成を示
す概略図である。
【図9】 従来のガスタービンとそれに繋がるボイラの
構成を示す概略図である。
【図10】 小型円錐台側壁状管もしくはダクトを複数
個束ねた構成を示す斜視図である。
【図11】 円形広がり管(円錐台側壁状管もしくはダ
クト)の広がり角度に対する圧力損失を示す図である。
(機械工学便覧から転載)
【図12】 本発明の第2の実施形態によるダクトの斜
視図である。(最内ダクトが4分割された例を示す)
【図13】 本文中の手順に従って決定された各管もし
くはダクトの直径その他の各値を示す図表である。(A
は最内管に仕切り板が無い場合、Bは最内管に仕切り板
が必要な場合の例である)
【図14】 本発明の第2、第4及び第5の実施形態を
説明するためのダクト上部断面図である。
【符号の説明】
1 ガスタービン 2 排ガスボイラ 3 ダクト 10 ダクト(減速部) 11,12,13 円錐台側壁状の管もしくはダクト 14 仕切板 21 蒸気タービン 31 水車

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速で移動する気体、液体等の流体を導
    通する過程で減速する流体導通管であって、 上流から下流にかけて断面が漸次拡大する、円錐台の側
    壁部分の形状をなす複数の管部材を中心線を一致させて
    配置し、該管部材の内側に管部材の長さ方向に仕切板を
    設け、長さ方向に垂直な任意の断面を見ると管部材と仕
    切板とで囲まれた空間ががほぼ同一断面積となるように
    複数に区画し、それぞれの区画が流れ方向に沿ってほぼ
    相似に漸次拡大することを特徴とする流体導通管。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の流体導通管であって、
    前記区画が流れ方向に沿ってほぼ相似に漸次拡大する時
    の拡大率が下記式で計算され、角度θが5°以下で最適
    には2.75°であることを特徴とする流体導通管。 K=1+2*L/d1*tanθ ここで K :拡大率(d2/d1) d1:拡大部上流端代表寸法 d2:拡大部下流端代表寸法 L :拡大部流れ方向長さ θ :区画壁の流れ方向に対する代表角度
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の流体導通管であって、
    内外に隣り合う前記管部材の側壁どうしがなす角度が1
    0°以下で最適には5.5°であることを特徴とする流
    体導通管。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の流体導通管であって、
    前記の上流に、前記流体の流れ方向に沿って旋回流を抑
    制する複数の仕切板を設けたことを特徴とする流体導通
    管。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4に記載の流体導
    通管であって、前記管部材の上流側の端部は、上流の流
    れもしくは流れの広がり方向に沿う形状とし、その形状
    が前記円錐台の側壁部分の形状に連続することを特徴と
    する流体導通管。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4に記載の流体導
    通管であって、前記管部材の下流側の端部は、下流の流
    れもしくは流れの広がり方向に沿う形状とし、その形状
    が前記円錐台の側壁部分の形状に連続することを特徴と
    する流体導通管。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6記載の流体導通管をガ
    スタービンの排気部備えることを特徴とするガスタービ
    ン。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6記載の流体導通管を蒸
    気タービンの排気部に備えることを特徴とする蒸気ター
    ビン。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6記載の流体導通管を水
    車の排水部に備えることを特徴とする水車。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし6記載の流体導通管を
    圧縮空気の吐出部に備えることを特徴とする圧縮機。
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