JP3473966B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

Info

Publication number
JP3473966B2
JP3473966B2 JP11793592A JP11793592A JP3473966B2 JP 3473966 B2 JP3473966 B2 JP 3473966B2 JP 11793592 A JP11793592 A JP 11793592A JP 11793592 A JP11793592 A JP 11793592A JP 3473966 B2 JP3473966 B2 JP 3473966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
electrolytic
fine powder
pulp
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11793592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05291080A (ja
Inventor
昌彦 上田
泰司 溝渕
浩昭 和田
順一 丑本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kodoshi Corp
Original Assignee
Nippon Kodoshi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kodoshi Corp filed Critical Nippon Kodoshi Corp
Priority to JP11793592A priority Critical patent/JP3473966B2/ja
Publication of JPH05291080A publication Critical patent/JPH05291080A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3473966B2 publication Critical patent/JP3473966B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陽極箔と陰極箔との間に
電解紙を介在させて構成した電解コンデンサにかかり、
特には中高圧用の電解コンデンサにおいて、再生セルロ
ース微粉末を混抄した電解紙を用いることによって、そ
の耐電圧を落とすことなく、かつ、ショート不良率を増
加させることなく、インピーダンス特性を改善するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に電解コンデンサ、特にアルミ電解
コンデンサは、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間にセ
パレータとして電解紙を介在させて巻付け形成してコン
デンサ素子を作成し、このコンデンサ素子を液状の電解
液中に浸漬して電解質を含浸させ、封口して製作してい
る。電解液としては通常エチレングリコール(EG),
ジメチルホルムアミド(DMF)又はγ−ブチロラクト
ン(GBL)等を溶媒とし、これらの溶媒に硼酸やアジ
ピン酸アンモニウム,マレイン酸水素アンモニウム等の
有機酸塩を溶解したものを用いてコンデンサ素子の両端
から浸透させて製作している。
【0003】これら従来のアルミ電解コンデンサは電解
紙中に電解液を含浸させているため、コンデンサとして
のインピーダンス特性、特に等価直列抵抗(以下ESR
と略する)が高くなり易く、又使用中にも経時劣化する
おそれがある。そのためインピーダンス特性を良くする
ために電解液の抵抗を下げたり、電解紙を薄くするか密
度を低くすることが考えられる。しかしながら、電解液
の抵抗値を下げると、アルミ箔に対して腐蝕性を与える
原因となり、一方、電解紙を薄くしたり密度を低くする
と、コンデンサ素子に巻き取る際にショート不良率が増
大し、仮にショートしなかった場合でも製品化されて市
場に出された後のショート不良率が高くなる難点があ
る。
【0004】そこで、インピーダンス特性を良くするた
めに電解紙については構成する繊維の形状や配向性が検
討されてきた。同一厚さ、同一密度の場合、電解紙中の
空隙が電解紙の表面から裏面に対して効率良く貫通して
いることが望ましい。そのため電解紙の原料には繊維
径ができるだけ小さく、かつ、円形に近いこと、繊維
の剛性が高いことの2点が求められている。これらの点
から、電解紙の原料を通常の木材クラフトパルプから合
成繊維やマニラ麻パルプ、エスパルトパルプに変更する
手段が用いられている。
【0005】しかしながら、合成繊維は円形で最も理想
的な繊維形態を有するものであるが、マニラ麻パルプ等
のセルロース系繊維との混抄時においては、合成繊維と
セルロースとの馴染みが悪く地合が悪いことや引張強度
が低いなどの問題がある。一方、マニラ麻パルプやエス
パルトパルプを原料とすれば、低密度紙を簡単に抄紙す
ることができるため、インピーダンス特性が良く、しか
も低密度紙であっても十分な引張強度を有しているため
広く使用されており、相応の効果を挙げている。
【0006】しかし、これらはいずれも低密度紙であ
り、中高圧用電解コンデンサのインピーダンス特性を改
善するには不向きであった。従来、中高圧用電解コンデ
ンサにおいては耐電圧を確保のために充分な高い密度と
厚さを有する電解紙が電気特性を犠牲にしても使用され
ているのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に製作したいコン
デンサの定格電圧が高くなると陽極箔同士の接触による
短絡事故の防止、陽極で発生する酸素ガス、陰極で発生
する水素ガスの通過阻止等の目的のために電解紙の密度
を高め、厚さも厚くするのが通例である。また、電解紙
自体の耐電圧を高くするためにも密度を高め、厚さを厚
くすることは有効である。
【0008】電解紙の高密度化は電解紙原料の叩解の程
度を示すJIS P8121によるCSF(Canad
ian Standard Freeness)の数値を
下げて繊維のフィブリル化を促進して繊維間の接触点を
増加させ空隙率を下げて得られる電解紙を緻密化させる
ことによって実現させている。
【0009】しかしながら、一方において叩解の程度を
進めCSFの数値を小さくすることは、電解コンデンサ
の電気特性を悪化させることになる。即ち、電解紙の気
密度が増すことによるイオン伝導の阻害、イオン電流経
路の冗長によるESRの上昇及び空隙率低下に伴う含浸
保持できる電解液量の減少によるESRの上昇である。
また含浸保持できる電解液の減少は長時間使用した場
合、電解液の経時的減少による特性劣化を速めることに
もなる。そのため、これら電気特性が悪化するにもかか
わらず、特に中高圧電解コンデンサでは、電極箔の短絡
による事故防止、コンデンサ内部で発生する酸素ガス、
水素ガスの混合による小爆発防止及び耐電圧の確保が最
優先されるため、電解紙の密度を高め、厚さを厚くする
ことが行われている。耐電圧確保のため、インピーダン
ス特性や寿命は犠牲にされているのである。
【0010】そこで、本発明は従来の中高圧電解コンデ
ンサの宿命であった高インピーダンスを電解コンデンサ
の耐電圧を下げることなく、かつ、ショート不良率を増
加させることなく、単に電解紙を変更するだけで低減
し、電気特性の良い新規な電解コンデンサを提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在させて
なる電解コンデンサにおいて、前記電解紙に、セルロー
ス誘導体を凝固浴中で球形に凝固・再生してなる直径
0.01〜20μmの再生セルロース微粉末を混抄内添
した電解コンデンサを提供する。又、前記再生セルロー
ス微粉末の混抄率は1〜70重量%とする。
【0012】
【作用】上記構成の本発明によれば、セルロース誘導体
を凝固浴中で球形に凝固・再生してなる直径0.01〜
20μmの再生セルロース微粉末は極めて微小な断面を
持ち、剛性も高いことから、パルプと混抄することによ
り得られる電解紙の表面から裏面に対し空隙が効率良く
貫通し、かつ、繊維間の空隙にも再生セルロース微粉
凝集充填されるため外観上からも緻密な紙質を得るこ
とができるため、同一厚さ、同一密度の従来の天然パル
プよりなる電解紙と比較して、インピーダンス特性を改
善できる。しかも、再生セルロース微粉末自体の電気抵
抗が高いため、高い耐電圧を維持することができる。そ
のため特に中高圧用の電解コンデンサにおいて耐電圧を
落とすことなく、インピーダンス特性を改善することが
できる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の構成を各種実施例と共に説明
する。本発明にかかる電解紙は断面形状が球形,紡錘
形,円柱状で直径0.01〜20μmの有機物微粉末が
混抄内添されていることが特徴となっている。電解コン
デンサのインピーダンスを低減するためには電解紙の原
料繊維には繊維径ができるだけ小さく、かつ円形に近
いこと、繊維の剛性が高いことの2点が求められる。
そこで、発明者はこのような要求から有機物微粉末に着
目し、電解紙として有機物微粉末とパルプとの混抄紙を
発明した。
【0014】本発明にかかる有機物微粉末は、球形、紡
垂形、円柱状等の断面が円形に近い極めて微小な断面を
持つ、剛性の高いものである。そのため、前記電解紙の
原料繊維に求められる2つの要件を高いレベルで満足し
ている。そして、電解紙中に混抄内添されると、有機物
微粉末は繊維間の接触点に介在する。その結果有機物微
粉末と繊維の接触及び有機物微粉末同士の接触は点接触
に近いものとなり、表面から裏面に対し空隙が効率良く
連なって貫通する。更に繊維間の空隙にも有機物微粉末
が凝集充填されるため外観上の紙質が緻密な電解紙を得
ることができる。また、このように微小なものは叩解の
進んだパルプ原料に混合しても馴染みが良い。従って抄
紙性も良好である。よって、有機物微粉末は円形で極め
て微小な断面を持ち、剛性も高いことから、パルプと混
抄することにより表面から裏面に対し空隙が効率良く貫
通し、かつ、緻密な紙質を得ることができる。
【0015】混抄する有機物微粉末の直径が小さすぎる
とインピーダンスの改善効果が少なく、逆に大きすぎる
と抄紙性が悪く、地合を崩す原因となり、又大きな粒子
が紙面から脱落し、その箇所がピンホールとなり、ショ
ート不良率を高くしやすい。そのため、有機物微粉末の
直径は0.01〜20μmの範囲が最適である。また、
有機物微粉末は電解液に溶出するような不純物を含ま
ず、電解液に対して安定であり、電解コンデンサに組み
込んだ際に熱、圧力等のストレスによる経時的な変質の
起こらないものである必要がある。
【0016】これらの条件から混抄する有機物微粉末と
してはレーヨン微粉末等の再生セルロース微粉末、パル
プ化された或はパルプ化前の天然セルロース微粉末、化
学繊維若しくは合成繊維の微粉末が適当である。これら
の有機物微粉末の製造方法としては、再生セルロース微
粉末の場合は各種溶媒に溶解したセルロース誘導体を凝
固浴中で球形に凝固・再生させて製造する。天然繊維・
化学繊維・合成繊維の微粉末の場合は、断面が円形に近
く、直径が20μm以下の剛性の高い繊維、例えば天然
セルロースでは竹の乾式粉砕物やエスパルト、麻パルプ
等の乾式粉砕物、化学繊維ではビスコースレーヨン繊
維、合成繊維ではポリアクリロニトリル繊維やポリエチ
レンテレフタレート繊維、芳香族ポリアミド繊維を乾式
又は湿式で粉砕して製造する。
【0017】そして、有機物微粉末の混抄率により紙質
は次のように変わる。混抄率を高くすると耐電圧を下げ
ることなくESRを低下させて良好となる。しかし、混
抄率を高くしすぎると一方において引張強度も低くな
る。引張強度の低下は素子巻き取り工程での紙切れやシ
ョート不良率、コンデンサに組み込んだ後のエージング
ショート率の増加を招くこととなる。そのため、実用的
な引張強度を持つためには混抄率は70重量%迄とする
必要がある。1重量%未満では本発明の目的を達成する
改善効果は生じない。
【0018】有機物微粉末を混抄内添する原料パルプは
その種類、CSFの数値に特に限定はなく、マニラ麻パ
ルプ、サイザルパルプ、クラフトパルプ、エスパルトパ
ルプもしくはこれらのパルプ原料の混合物の何れであっ
ても良い。そして、有機物微粉末の混抄率は原料パルプ
のCSFの数値、求める電解紙の厚さ、密度により、電
解紙に対して1〜70重量%の範囲で決定されるもので
ある。
【0019】本発明にかかる電解紙は、先ず従来の電解
紙の原料であるマニラ麻パルプやエスパルトパルプ、ク
ラフトパルプ等に洗浄、脱水、叩解等の公知の調整を施
し、そこ不純物を除去した直径0.01〜20μmの
有機物微粉末を電解紙に対して1〜70重量%となるよ
うに添加して混合する。次にこの調整原料で所定の厚さ
の電解紙を円網抄紙機や長網抄紙機、長網円網コンビネ
ーションマシン、円網円網コンビネーションマシン等の
抄紙機にて抄造する。このようにして得られた電解紙を
陽極箔と陰極箔との間に介在させて巻取り、コンデンサ
素子を製作した後、液状の電解質を含浸させ、封口して
電解コンデンサを製作する。得られた電解紙は厚さ10
〜130μm、密度0.40〜0.90g/cmとし
て良好な結果を得た。
【0020】この有機物微粉末とパルプとの混抄紙から
なる電解紙は次のような特徴を有する。従来の電解紙の
耐電圧は純粋なセルロースの耐電圧に負うことが大であ
る。即ち、従来の電解紙は原料調整段階で導電性のイオ
ンや微粒子を除去し、純粋なセルロース繊維で抄紙する
ことにより大きな耐電圧を持つことができる。本発明で
はセルロース以外の有機物微粉末を混抄するが、断面形
状が球形,紡錘形,円柱状で直径0.01〜20μmの
有機物微粉末自体の電気抵抗が高く、しかも微細なもの
を選定すれば紙の緻密さを維持できるため、耐電圧の高
い混抄紙が得られる。そして、有機物微粉末は極めて微
小な断面を持ち、剛性も高いことから、パルプと混抄す
ることにより得られる電解紙の表面から裏面に対し空隙
が効率良く貫通し、かつ、緻密な紙質を得ることができ
て、インピーダンス特性を改善できる。また、電解紙の
ショート不良率は強度、厚さ、密度、緻密さ及びピンホ
ールの有無により左右される。一般に強度が小さいとシ
ョート不良率は高くなり、ピンホールが大きい或は多い
とショート不良率も高くなる。本発明においては有機物
微粉末の混抄率を1〜70重量%とすることにより、有
機物微粉末を混抄した紙の強度の低下も小さく、又有機
物微粉末の抄紙性も良いため、混抄紙は緻密さを保つこ
とができ、ピンホールもない。その結果同じ厚さ、密度
で比べると天然パルプ100%で抄いた紙に対し、ショ
ート不良率も良好な結果を得ることができる。
【0021】以下表1から表5に具体的な実施例及び実
施例と略同一厚さ、同一密度に抄造した比較例について
の厚さ,密度,耐電圧,引張強度,定格電圧,ショート
不良率,ESR等を測定した結果を示す。なお、上記実
施例における電解コンデンサの作成方法及び測定方法は
以下の通りである。
【0022】電解紙の評価方法 電解紙の厚さ,密度,引張強度はJIS C2301
(電解コンデンサ紙)に規定された方法で測定した。電
解紙の耐電圧、気密度はJIS C2111(電気絶縁
紙試験方法)に規定された方法により測定した。
【0023】電解コンデンサの評価方法 ショート不良率 電解紙を陽極箔及び陰極箔とともに巻取り、電解コンデ
ンサ素子を形成した後、電解液を含浸しないままで両極
間のショートによる導通をテスターで確認した。ショー
ト不良率は略1000個の素子について検査し、ショー
ト素子の全素子数に対する割合をショート不良率とし
た。
【0024】エージングショート不良率 上記方法により製作した電解コンデンサ素子に所定の電
解液を含浸し封口して、電解コンデンサを製作した。こ
の電解コンデンサ略100個を定格電圧の略1.1倍で
エージングを行い、その際ショートした電解コンデンサ
の供試電解コンデンサの数に対する割合を以てエージン
グショート率とした。
【0025】ESR(等価直列抵抗) 上記エージング処理した電解コンデンサの20℃・1k
HzでのESRをLCRメータによって測定した。
【0026】実施例1はクラフトパルプをCSFの数値
で0ccまで叩解し、有機物微粉末として平均直径5μ
mの再生セルロース微粉末を長網抄紙機にて混抄した電
解紙をセパレータとした電解コンデンサである。比較例
1はクラフトパルプのみで抄造した電解紙を、比較例2
は再生セルロース微粉末に代えて短径5μm、長径10
μm、長さ2μmの鱗片状マイカを混抄した電解紙を、
比較例3は平均粒径30μmの再生セルロース微粉末を
混抄した電解紙を使用した電解コンデンサである。な
お、混抄率は各例とも電解紙に対して40重量%であ
る。
【0027】
【表1】
【0028】表1より明らかなように、略同一厚さ、同
一密度の電解紙であるにもか変わらず、コンデンサの電
気特性に大きな差が表われている。即ち、有機物微粉末
として再生セルロース微粉末を混抄した電解紙を用いた
実施例1のコンデンサのESRは0.112Ωであり、
比較例1に示す有機物微粉末を混抄していない電解紙を
用いたコンデンサのESR0.214Ωに比べ格段に改
善されている。しかも、耐電圧は実施例1が990V、
比較例1が950Vであり、有機物微粉末を混抄しても
耐電圧は低下していない。引張強度も2.0Kgであり
同等である。即ち、略同一厚さ、同一密度であっても極
めて小さく、かつ、円形に近い断面を有する有機物微粉
末を混抄することにより、耐電圧に影響を与えることな
くESRを改善でき、又ショート不良率も低減させるこ
とができるのである。また、比較例2の断面が円形でな
いマイカの混抄では逆にESRが0.571Ωと高くな
っている。また、平均粒径が30μmの再生セルロース
微粉末を混抄した比較例3は絶縁破壊強度の低下はな
く、ESRも0.108Ωと改善されているが、有機物
微粉末の粒径が大きすぎるため、引張強度が1.6Kg
と低下し、大きな粒子が紙面から脱落したことによりシ
ョート不良率が0.4%に増加している。
【0029】実施例2〜5はクラフトパルプをCSFの
数値で0ccまで叩解し、各種有機物微粉末を20重量
%長網抄紙機にて混抄した電解紙をセパレータとした用
いた電解コンデンサである。なお、実施例2〜5で用い
た各有機物微粉末の大きさは、再生セルロース微粉末は
平均粒径5μmの球状、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)微粉末は直径10μmのストランドと呼ばれる
長繊維束を平均長さ50μmに乾式粉砕したミルドファ
イバーと呼ばれる微粉末で形状は円柱状、アクリル系微
粉末(ポリアクリロニトリル微粉末)は直径10μm、
平均長さ50μmのミルドファイバーで形状は円柱状、
芳香族ポリアミド微粉末は直径12μm、長さ60μm
のミルドファイバーで形状は円柱状である。比較例4は
クラフトパルプをCSFの数値で0ccまで叩解した原
料を使用して実施例2〜5と略同一厚さ、同一密度に抄
紙した電解紙を使用したものであり、有機物微粉末は混
抄していない。
【0030】
【表2】
【0031】表2より明らかなように、混抄する有機物
微粉末の種類にかかわらず有機物微粉末を混抄すること
により、混抄していない比較例4に比してESRは確実
に改善されている。
【0032】実施例6〜11はクラフトパルプをCSF
の数値で0ccまで叩解し、有機物微粉末として平均粒
径5μmの再生セルロース微粉末を1〜70重量%長網
抄紙機にて混抄した電解紙を2枚重ねてセパレータとし
た定格300Vの電解コンデンサである。比較例5は混
抄率を70重量%としたもの、比較例6は有機物微粉末
を混抄していないものである。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように、略同一厚さ、同
一密度であっても有機物微粉末を混抄することにより、
耐電圧に影響を与えることなくESRを改善することが
できる。そして、混抄率が実施例6に示す1重量%から
改善効果が見られ、混抄率が高くなるに従いその効果は
大きくなることが判る。しかし、比較例5に示すように
有機物微粉末の混抄率が80重量%になるとコンデンサ
のエージングショート不良率4%と高くなった。これは
混抄率が70%を超えると紙としての柔軟性や引張強度
などの機械的な強度が低下し、コンデンサ巻き取り工程
における紙切れ等の作業性悪化及び機械的強度低下がエ
ージングショート不良率増加の原因となると考えられる
ためである。よって、最適な混抄率は電気特性の改善効
果とその他の諸特性を勘案し決定されなければならない
が、1重量%から70重量%までの範囲が適当である。
70重量%迄の混抄であれば実用可能な引張強度を有す
る。
【0035】実施例12〜14は叩解の程度の違う2種
類のクラフトパルプに有機物微粉末として平均粒径5μ
mの再生セルロース微粉末を混合し長網円網コンビネー
ションマシンによって抄紙した2重紙と化成電圧450
Vの箔を用いたコンデンサである。クラフトパルプのC
SFは長網側が0cc、円網側が100ccである。な
お、実施例12は長網側、実施例13は円網側の原料に
それぞれ再生セルロース微粉末を30重量%、実施例1
4は長網及び円網側の原料にそれぞれ再生セルロース微
粉末を15重量%ずつ混合し、抄紙した電解紙を用いた
ものである。比較例7は再生セルロース微粉末を混合し
ていないクラフトパルプを長網円網コンビネーションマ
シンで抄紙した2重紙である電解紙を用いた電解コンデ
ンサである。
【0036】
【表4】
【0037】表4から明らかなように、長網側、円網側
あるいはその両者の原料に有機物微粉末を混抄してもE
SRが改善されている。実施例12によれば、厚さ9
0.2μm、密度0.599g/cm2という厚さの厚
い高密度紙であっても、ESRは0.488Ωであっ
て、略同一厚さ、密度の比較例7のESR0.751Ω
を大きく改善している。
【0038】実施例15はマニラ麻パルプをCSF50
0ccまで叩解し、有機物微粉末として平均粒径5μm
の再生セルロース微粉末を20重量%になるように円網
抄紙機にて混抄した電解紙を用いた電解コンデンサであ
る。比較例8はCSF500ccまで叩解したマニラ麻
パルプのみで、比較例9はCSF500ccまで叩解し
たマニラ麻パルプにエスパルトパルプを40%配合して
実施例15の電解紙と略同一厚さ、同一密度に抄紙した
電解紙を用いた電解コンデンサである。
【0039】
【表5】
【0040】表5より明らかなように、実施例15の密
度0.500g/cm3の低密度紙であっても、有機物
微粉末を混抄することによりESRが0.099Ωと、
混抄していない比較例8の0.141Ωから改善されて
いる。また、紙質が緻密となることによってショート不
良率も0%と、比較例8の0.8%から大きく改善され
ている。よって、本発明は低密度の電解紙においてもE
SR及びショート不良率の双方を改善できるものであ
る。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明にかか
る電解コンデンサは、セルロース誘導体を凝固浴中で球
形に凝固・再生してなる直径0.01〜20μmの再生
セルロース微粉末を1〜70重量%の混抄率で混抄内添
した電解紙を使用することに特徴があり、該再生セルロ
ース微粉末は極めて微小な断面を持ち、剛性も高いこと
から、パルプと混抄することにより得られる電解紙の表
面から裏面に対し空隙が効率良く貫通し、かつ、緻密な
紙質を得ることができるため、同一厚さ、同一密度の従
来の天然パルプよりなる電解紙と比較して、インピーダ
ンス特性を改善できる。しかも、再生セルロース微粉
体の電気抵抗が高いため、高い耐電圧を維持すること
ができる。更に、再生セルロース微粉末を混抄しても強
度の低下も小さく、又再生セルロース微粉末の抄紙性も
良いため、混抄紙は緻密さを保つことができ、ピンホー
ルもない。その結果同じ厚さ、密度で比べると天然パル
プ100%で抄いた紙に対し、ショート不良率も良好な
結果を得ることができる。そのため特に中高圧用の電解
コンデンサにおいて耐電圧を落とすことなく、インピー
ダンス特性を改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丑本 順一 高知県高知市朝倉巳186番地12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在さ
    せてなる電解コンデンサにおいて、前記電解紙に、セル
    ロース誘導体を凝固浴中で球形に凝固・再生してなる
    径0.01〜20μmの再生セルロース微粉末を混抄内
    添したことを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記再生セルロース微粉末の混抄率が1
    〜70重量%である請求項1に記載の電解コンデンサ。
JP11793592A 1992-04-10 1992-04-10 電解コンデンサ Expired - Lifetime JP3473966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11793592A JP3473966B2 (ja) 1992-04-10 1992-04-10 電解コンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11793592A JP3473966B2 (ja) 1992-04-10 1992-04-10 電解コンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05291080A JPH05291080A (ja) 1993-11-05
JP3473966B2 true JP3473966B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=14723857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11793592A Expired - Lifetime JP3473966B2 (ja) 1992-04-10 1992-04-10 電解コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3473966B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11283872A (ja) * 1998-02-02 1999-10-15 Asahi Glass Co Ltd 電気二重層キャパシタ
JP2002367863A (ja) * 2001-06-07 2002-12-20 Nippon Kodoshi Corp 電解コンデンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05291080A (ja) 1993-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3447779B1 (en) Separator for electrochemical element and electrochemical element
EP3246927B1 (en) Separator and aluminum electrolytic capacitor
JPH06168848A (ja) 電解コンデンサ
JP3466206B2 (ja) 電解コンデンサ
EP3270393A1 (en) Separator for electricity storage devices and electricity storage device using said separator
KR20180059449A (ko) 전기 화학 소자용 세퍼레이터 및 전기 화학 소자
JP2010239094A (ja) 電解コンデンサ用セパレータおよび電解コンデンサ
JP3473965B2 (ja) 電解コンデンサ
EP3573083A1 (en) Separator for aluminum electrolytic capacitors, and aluminum electrolytic capacitor
JP3473966B2 (ja) 電解コンデンサ
EP4123675A1 (en) Separator for electrochemical elements, and electrochemical element
EP3761331B1 (en) Electrochemical element separator and electrochemical element
JP2886233B2 (ja) 電解コンデンサ
JP3098549B2 (ja) 電解コンデンサ
JP3264688B2 (ja) 電解コンデンサ
WO2022202190A1 (ja) アルミニウム電解コンデンサ用セパレータ及びアルミニウム電解コンデンサ
JPH03222315A (ja) 電解コンデンサ用電解紙
EP3913646A1 (en) Separator for aluminum electrolytic capacitor, and aluminum electrolytic capacitor
JPS63254717A (ja) 電解コンデンサ
JPH0543282B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 9