JP3473632B2 - 電機子鉄心の組み立て装置および組み立て方法 - Google Patents

電機子鉄心の組み立て装置および組み立て方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外周にティースを備え
たリング状の内コアと、リング状の外コアと、ティース
に巻回した電機子コイルとからなる電機子鉄心の組み立
て装置および組み立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、外周に複数のティースを備えた内
コアと、リング状の外コアと、ティースに巻回した電機
子コイルとを一体に組み立てる場合、まず、電機子コイ
ルを巻回した複数のボビンを内コアのそれぞれのティー
スに挿入し、その後、外コアをティースの先端に圧入に
より嵌合させて、外コアを内コアの外周に固定してい
る。外コアを内コアのティース先端に圧入する際、ボビ
ンがティースから抜け出ないように、ボビンを手で押さ
えたり、バインドテープなどをティースの先端に巻付け
ておいて、外コアを内コアに圧入するにつれて手やバイ
ンドテープを外している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術で
は、圧入作業の際に手で押えることは危険を伴うと共
に、手から外れたボビンがティースから飛び出して、圧
入作業を中止しなければならないことになる。また、バ
インドテープを巻付ける方法では、圧入作業の途中でバ
インドテープを外すため、多くの手間がかかり、圧入作
業の自動化ができないという欠点があった。本発明は、
内コアと外コアの圧入作業の自動化が容易で、かつ安全
な電機子鉄心の組み立てを行うことを目的とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、電機子コイルを巻回した複数のボビンを
内コアの外周に設けた複数のティースに挿入し、前記内
コアの外周にリング状の外コアを圧入する電機子鉄心の
組み立て装置において、架台の中央部に設けた中空状の
コア受け部と、前記外コアの内径が嵌合し得る外径を有
し、かつ前記コア受け部の内側にリニアアクチュエータ
によって昇降し得る位置決め治具と、前記コア受け部の
上に前記外コアを載せた時の前記外コアの上面の位置よ
り上方に、前記コア受け部の中心に向かって放射状に移
動し得るように等間隔に配置された前記ティースの数と
同数のスライダーと、前記各スライダーのコア受け部中
心側の先端に設けた上下方向に回転し得るローラと、前
記各スライダーを前記コア受け部の中心に向かって放射
状に往復移動させる複数のクランクと、前記各クランク
の外周に設けた小ギアと、前記コア受け部の中心と回転
中心を一致させて前記架台に回転自在に支持され、かつ
前記各小ギアに噛み合うリング状の大ギアと、前記複数
の小ギアの内の1個に噛み合うラックと、前記ラックを
往復移動させるリニアアクチュエータとを備えたもので
ある。また、前記装置を使用して電機子鉄心を組み立て
る方法において、前記コア受け部に前記外コアを載置
し、前記位置決め治具の上に前記ボビンを前記ティース
に挿入した内コアを載置し、前記ラックを移動すること
により、前記小ギア、前記大ギアおよび前記クランクを
介して、前記各スライダーを移動させ、前記スライダー
の先端のローラを同時に前記各ボビンに押し付けた状態
で前記内コアを下方に加圧して前記外コアの内側に圧入
する方法である。
【0005】
【作用】上記手段により、1個の小ギアが回転すると、
大ギアを介して複数の小ギアが全部同時に回転し、クラ
ンク、コンロッドを介して各スライダーが放射状に移動
する。この機構を利用して、全てのスライダーを中心方
向に移動させて、スライダーの先端に設けたローラを各
ボビンに押し付けながら、内コアをプレス等により外コ
アの内径に圧入するので、スライダーにより確実にボビ
ンをティースに挿入した状態を維持することができ、人
手やバインドテープを用いることなく、圧入作業が可能
となる。
【0006】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。図1は本発明の実施例を示す側断面図、図2はそ
の平面図である。図において、架台1の中央部に中空状
のコア受け部11を設け、内側にエアシリンダやモータ
によって駆動されるボールねじ等のリニアアクチュエー
タ21によって昇降し得る位置決め治具2を設けてあ
る。位置決め治具2の外径は外コア3の内径が嵌合する
ようにしてあり、位置決め治具2の上面で、外周に突出
する複数のティース41を備えた内コア4を位置決めす
る円筒状の突起部22を設けてある。コア受け部11の
上に外コア3を載せた時の外コア3の上面の位置より上
方に、内コア4のティース41の数だけの複数のスライ
ダー5を、コア受け部11の中心に向かって放射状に移
動し得るように等間隔に配置されている。スライダー5
のコア受け部中心側の先端には、上下方向に回転し得る
ローラ51が設けられている。スライダー5にはコンロ
ッド52の一方端が回転自在に取りつけてあり、コンロ
ッド52の他方端はクランク53に回転自在に取りつけ
てある。クランク53は架台1に回転し得るように支持
され、クランク53の外周には小ギア6を設けてある。
複数の小ギア6には、コア受け部11の中心と回転中心
が一致させてコア受け部11を囲み、架台1に回転自在
に支持されたリング状の大ギア7が噛み合わされてい
る。複数の小ギア6の内の1個にはラック8が噛み合わ
されている。ラック8はスライダー5に対して直角方向
に伸び、架台1に設けられたリニアアクチュエータ81
によって往復させ、小ギア6が1回転するようにしてあ
る。したがって、1個の小ギア6が回転すると、大ギア
7を介して複数の小ギア6が全部回転し、クランク5
3、コンロッド52を介してスライダー5が放射状に移
動する。
【0007】外コア3を内コア4のティース先端に圧入
する時は、まず、外コア3をコア受け部11に載置し、
位置決め治具2をリニアアクチュエータ21によって上
昇させるとともに、リニアアクチュエータ81によって
ラック8を移動し、スライダー5を中心から外側に移動
しておく。次に、位置決め治具2の上方で、内コア4を
コレット9によって把持し、各ティース41に電機子コ
イルを巻回したボビン42を装着して、位置決め治具2
の上に中心が一致するように載置する。次に、ラック8
を移動することにより、同時に全てのスライダー5を中
心方向に移動してローラ51を各ボビン42に押し付け
る。この状態で、図3に示すように、コレット9を上方
からプレス(図示しない)により加圧して、各ボビン4
2をローラ51によって内コア4に押し付けながら、内
コア4を外コア3の内側に圧入する。この時、位置決め
治具2を移動させるリニアアクチュエータ21はプレス
の圧力を受けながら下降する。圧入が終わったら、プレ
スを上昇させ、リニアアクチュエータ21により位置決
め治具2を上昇させると、図4に示すように、外コア3
と内コア4とが圧入されて一体となった状態で取り出す
ことができる。なお、コレット9をプレスと共に上昇さ
せると、ロボット等(図示しない)により外コア3を把
持して搬送することが容易となり、圧入作業の自動化が
可能となる。また、コア受け部11は、図5に示すよう
に、位置決め治具2と独立して、コア受け部11の下方
に設けた摺動治具12を介してリニアアクチュエータ1
3により昇降し得るようにしておいてもよい。この場
合、外コア3をロボット等により把持してコア受け部1
1の上に載置する時に、リニアアクチュエータ13によ
り、コア受け部11の上面がスライダー5の下面より上
方にくるようにコア受け部11を上昇させておくと、位
置決め治具2やスライダー5に干渉することなく外コア
3をコア受け部11の上に載置でき、さらに圧入作業の
自動化が容易となる。
【0008】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、複
数のスライダーによって同時に複数のボビンを内コアに
押しつけながら、外コアと内コアの圧入作業ができるの
で、圧入作業の自動化が容易で、かつ安全な電機子鉄心
の組み立て作業を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す側断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の実施例の動作中の状態を示す側断面図
である。
【図4】本発明の実施例の動作中の状態を示す側断面図
である。
【図5】本発明の他の実施例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 架台、11 コア受け部、2 位置決め治具、21
リニアアクチュエータ、3 外コア、4 内コア、4
1 ティース、42 ボビン、5 スライダー、51
ローラ、52 コンロッド、53 クランク、6 小ギ
ア、7 大ギア、8 ラック、81 リニアアクチュエ
ータ、9 コレット

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電機子コイルを巻回した複数のボビンを
    内コアの外周に設けた複数のティースに挿入し、前記内
    コアの外周にリング状の外コアを圧入する電機子鉄心の
    組み立て装置において、架台の中央部に設けた中空状の
    コア受け部と、前記外コアの内径が嵌合し得る外径を有
    し、かつ前記コア受け部の内側にリニアアクチュエータ
    によって昇降し得る位置決め治具と、前記コア受け部の
    上に前記外コアを載せた時の前記外コアの上面の位置よ
    り上方に、前記コア受け部の中心に向かって放射状に移
    動し得るように等間隔に配置された前記ティースの数と
    同数のスライダーと、前記各スライダーのコア受け部中
    心側の先端に設けた上下方向に回転し得るローラと、前
    記各スライダーを前記コア受け部の中心に向かって放射
    状に往復移動させる複数のクランクと、前記各クランク
    の外周に設けた小ギアと、前記コア受け部の中心と回転
    中心を一致させて前記架台に回転自在に支持され、かつ
    前記各小ギアに噛み合うリング状の大ギアと、前記複数
    の小ギアの内の1個に噛み合うラックと、前記ラックを
    往復移動させるリニアアクチュエータとを備えたことを
    特徴とする電機子鉄心の組み立て装置。
  2. 【請求項2】 前記コア受け治具を前記位置決め治具と
    独立して昇降し得るようにした請求項1記載の電機子鉄
    心の組み立て装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の装置を使用し
    て電機子鉄心を組み立てる方法において、前記コア受け
    部に前記外コアを載置し、前記位置決め治具の上に前記
    ボビンを前記ティースに挿入した内コアを載置し、前記
    ラックを移動することにより、前記小ギア、前記大ギア
    および前記クランクを介して、前記各スライダーを移動
    させ、前記スライダーの先端のローラを同時に前記各ボ
    ビンに押し付けた状態で前記内コアを下方に加圧して前
    記外コアの内側に圧入することを特徴とする電機子鉄心
    の組み立て方法。
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