JP3473599B2 - 感光材料用成形物及び感光材料包装体 - Google Patents

感光材料用成形物及び感光材料包装体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料用成形物
に関し、更に詳しくは、熱可塑性樹脂にセルロース系繊
維を混練した、熱可塑性樹脂とセルロース系繊維との混
合樹脂(以下、「紙樹脂」とも呼ぶ。)により成形され
た、感光材料用成形物、及びこの成形物に感光材料を収
納した感光材料包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】感光材料用成形物、特に感光材料用遮光
容器は、廃棄する際の環境問題を考慮して、セルロース
繊維で強化した樹脂を使用することに対する関心が高ま
っている。感光材料用成形物においても、熱可塑性樹脂
成形品を主成分として使用した包装材料では、使用後廃
棄する際の環境付加が大きく、この環境負荷を削減する
ことが重要な課題となっている。環境負荷の削減には、
燃焼時の熱量が低く焼却炉を傷めないこと、 CO2
NOx、 SOxなどの廃ガスが少ないこと、法規制を受
ける環境汚染物質を含まないことなどがあげられ、従
来、熱可塑性樹脂だけを使用して構成していた感光材料
用成形物において、その一部をセルロース繊維で代替し
た紙樹脂は、このような環境負荷を大幅に削減できる材
料として期待されている。感光材料用成形物において、
紙樹脂を適用したい成形物として、APS規格、又は1
35規格のカラーフィルムの防湿容器、インスタントフ
ィルム用パック、APSカラーフィルム用カートリッ
ジ、印刷感材用フランジ、緩衝材などが挙げられ、特に
顧客が使用前、使用後に廃棄する感光材料用成形物が特
に対象としたい成形物である。
【0003】特開平7−225453は、セルロース系
繊維と熱可塑性樹脂からなる混合成形物を用いた感光材
料用遮光容器を記載している。特開平9−54391は
微小紙片とした古紙を主原料としポリオレフィンをバイ
ンダーとして造粒したペレットにより成形したレンズ付
きフィルムが記載されている。これらの紙樹脂をそのま
ま使用すると、熱分解によるアルデヒド発生のため、写
真フィルムのカブリ濃度が著しく高くなり、感光材料用
としては適用し難い。また、特開2000−19409
3は、植物繊維と該植物繊維よりも低含量の熱可塑性樹
脂との混合物を主成分とし、特定の条件でのカブリ濃度
を規定した成形用材料を開示している。しかし、その樹
脂を製造する方法については、記述が不明確であり、実
施例の通り紙樹脂を製造してもカブリ濃度が高くなって
しまう例が散見される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、紙樹脂を用いた感光材料用成形物及び感光
材料包装体の性能を向上すること、特に写真性に悪影響
を及ぼす要因を低減し、かつ、機械的性能を熱可塑性樹
脂100%と同等とした感光材料用成形物及び感光材料
包装体を開発することである。本発明の他の課題は、燃
焼時の熱量が低く、かつ安定に成形できる成形品を提供
することにある。本発明のさらに他の課題は、紙樹脂を
成形するときの流動性の悪化を解決することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の手
段により達成された。 (1)写真印画紙用に製造された原紙にポリオレフィン
樹脂を被覆した印画紙用防水紙を粉砕してセルロース繊
維及びポリオレフィン樹脂の混合物とした後、この混合
物に必要に応じて別の熱可塑性樹脂を添加し、原紙及び
ポリオレフィン樹脂を含み、原紙由来のセルロース繊維
に対するポリオレフィン樹脂及び別の熱可塑性樹脂の合
計の構成比率が重量比で51:49〜75:25の範囲
内となるように成形したことを特徴とする感光材料用成
形物、(2)該混合物のみからなるペレットを一旦形成
した後、このペレット及び別の熱可塑性樹脂とから混練
成形された(2)に記載の感光材料用成形物、(3)粉
砕した後のセルロース繊維の重量平均繊維長が、0.3
0mm以上、0.50mm以下の範囲にあるセルロース
繊維を使用する(1)又は(2)記載の感光材料用成形
物、(4)粉砕前のセルロース繊維の重量平均繊維長が
0.4mm以上、0.7mm以下である広葉樹晒しクラ
フトパルプを用いた印画紙用防水紙を用い、この広葉樹
晒しクラフトパルプをリファイナーにより粉砕する
(1)又は(2)記載の感光材料用成形物、(5)原紙
が、pHが6.0以上、7.5以下の中性域で抄紙され
た中性紙である(1)〜(4)いずれか1つに記載の感
光材料用成形物、(6)写真印画紙用に製造された原紙
にポリオレフィン樹脂を被覆した印画紙用防水紙を粉砕
してセルロース繊維及びポリオレフィン樹脂の混合物と
した後、この混合物に必要に応じて別の熱可塑性樹脂を
添加し、原紙及びポリオレフィン樹脂を含み、原紙由来
のセルロース繊維に対するポリオレフィン樹脂及び別の
熱可塑性樹脂の合計の構成比率が重量比で51:49〜
75:25の範囲内となるように成形した感光材料用成
形物及びこれと共に用いられる感光材料からなることを
特徴とする感光材料包装体。
【0006】本発明者らは、熱可塑性樹脂と混合する紙
成分として写真印画紙用に製造された原紙にポリオレフ
ィン樹脂を被覆した印画紙用防水紙を用いることにより
熱可塑性樹脂との相溶性が向上すること、また安定して
継続的に成形物を製造できることを見いだした。これは
印画紙用防水紙をセルロース繊維状に粉砕したときポリ
オレフィン樹脂がセルロース繊維と適度に混合し、別の
熱可塑性樹脂と混練するときの相互の相溶性が改良され
るためと推定される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、「写真印画紙用
に製造された原紙」とは、好ましくは粉砕した後に得ら
れるセルロース繊維の重量平均繊維長が0.30mm以
上、0.50mm以下の範囲にある原紙をいう。この原
紙としては、クラフトパルプにより抄紙された原紙等が
挙げられ、写真印画紙用に用いられることが多いが、他
の目的に使用される原紙であっても、前記の繊維長の特
性を満たす限り、本発明の「写真印画紙用に製造された
原紙」に含まれるものである。重量平均繊維長は、実施
例に記載したような光学的測定機により測定できる。こ
の重量平均繊維長は、粉砕直後に測定しても、成形品の
製造過程で測定しても殆ど変わらない測定値を与える。
【0008】また、本発明における「写真印画紙用に製
造された原紙」は、粉砕する前の原紙におけるセルロー
ス繊維の重量平均繊維長が0.4mm以上、0.7mm
以下である広葉樹晒しクラフトパルプを使用することが
好ましい。このような原紙を用いた印画紙用防水紙をリ
ファイナーにより粉砕し、粉砕した後に得られるセルロ
ース繊維の重量平均繊維長が、上述のように、0.30
mm以上、0.50mm以下の範囲にあることが特に好
ましい。粉砕前のセルロース繊維の重量平均繊維長が
0.7mmを超えると、樹脂との混練性が悪くなる傾向
があり、又250℃以上の高温と長時間を混練に要する
傾向がある。繊維長が0.4mm未満になると、220
℃程度の比較的低い温度で短時間の混練が可能になる
が、得られた紙樹脂の精度と強度が低下する傾向があ
る。粉砕する前の原紙におけるセルロース繊維の重量平
均繊維長が0.4mm以上、0.7mm以下であるセル
ロース繊維を用いた原紙を使用することにより、紙樹脂
成形品の高い表面平滑性、高い成形精度、及び高い成形
強度を得ることができる。セルロース繊維の長さは均一
である方が好ましい。セルロース繊維の長さを均一にし
ておけば、紙樹脂製造の混練工程および成形工程を均一
に、安定的に進行させることができる。また、これらの
工程の所要時間を短時間にすることができ、余計な熱エ
ネルギーの付与がなくなり、得られる紙樹脂の写真性へ
の悪影響を最小限にすることができる。
【0009】本発明において使用される「写真印画紙用
に製造された原紙」としては、広葉樹晒しクラフトパル
プ(LBKP)を原料とすることが好ましい。LBKP
を原料とする抄紙方法は、特開平10−245791に
記載されている。
【0010】本発明において使用される「写真印画紙用
に製造された原紙」を構成するパルプは、(1)その平
均重合度が800以上であることが好ましく、(2)原
紙の紙面pHが6.0以上であることが好ましく、又、
(3)原紙の内部結合力が10ないし20(N・cm)
であることが好ましく、又、(1)、(2)及び(3)
を同時に満足することが、特に好ましい。これらの特性
の詳細は、特開平3−149542(特許第26711
54号)に記載されている。
【0011】この「写真印画紙用に製造された原紙」に
使用できる添加剤としては、写真性に悪影響を及ぼさな
いように調合された組み合わせが好ましい。すなわち、
この原紙への添加剤は、写真感光材料の生保存性、現像
処理されたプリントの保存性等に悪影響を及ぼさない添
加剤であることが好ましい。このような添加剤として
は、サイズ剤(ロジン、高級脂肪酸塩、アルキルケテン
ダイマー、アルケニルコハク酸、等)、紙力増強剤(ポ
リアクリルアミド等)、定着剤(硫酸バンド等)、pH
調節剤(アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、
等)、填料(クレー、タルク、炭酸カルシウム、等)、
その他の添加剤(染料、スクライムコントロール剤、
等)が挙げられる。
【0012】本発明における原紙としては、分子量が2
00〜500万の両性ポリアミドを紙力増強剤として使
用した、pHが6.0以上、7.5以下の中性域で抄紙
された中性紙であることが好ましい。この範囲外である
と、セルロースの加水分解が起こりやすくなる。原紙を
構成するセルロースが加水分解を受けると、その分子量
(重合度)が低下し、原紙の強度が低下する。分子量の
低下した原紙を用い紙樹脂ペレットを製造した場合、
1)成形時に熱分解を受けやすい、2)アイゾット衝撃
値が低下する、3)写真性に悪影響を及ぼす酸性ガス等
が発生しやすくなる等の弊害が発生する。したがって、
原紙の紙面pHが6.0以上、7.5以下になるように
中性域で抄紙されていることが好ましい。
【0013】この原紙の両面にポリオレフィン樹脂を被
覆した印画紙用防水紙の製造に用いられるポリオレフィ
ンとしては、ポリエチレンをはじめとするα−オレフィ
ンの単独重合体及びこれらの共重合体が好ましく、その
例を挙げると、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密
度ポリエチレン(LDPE)、及びこれらの混合物であ
る。これらのポリオレフィンは、押出コーティングした
被覆層中に、白色顔料や、あるいは蛍光増白剤を添加す
ることが可能である限り、その分子量に特に制限はない
が、通常は分子量が20,000ないし200,000
の範囲にあるポリオレフィンが用いられる。
【0014】ポリオレフィン樹脂の被覆層の厚さは、好
ましくは、15〜50μmである。上記のα−オレフィ
ンの単独重合体に添加剤を使用する場合には、この添加
剤も写真感光材料の生保存性、現像処理されたプリント
の保存性等に悪影響を及ぼさない添加剤であることが好
ましい。特に写真乳剤が塗布される側のポリオレフィン
樹脂被覆層には、白色顔料、着色含量、酸化防止剤を添
加することが好ましい。
【0015】印画紙用防水紙の代表的な層構成は、写真
乳剤の塗布される表側から反対面に向かって、二酸化チ
タン及びステアリン酸亜鉛を含有するLDPE層、原紙
層、及び、ステアリン酸カルシウムを含有するLDPE
及びHDPE混合物層である。代表的な坪量を述べる
と、最初のLDPEの重量は21〜32g/mであ
り、原紙層は135〜167g/mであり、後のLD
PE及びHDPE混合物層は23〜24g/mであ
る。
【0016】本発明における紙樹脂の製造には、写真印
画紙用に製造された原紙を使用することもできるが、こ
の原紙にポリオレフィン樹脂を被覆した印画紙用防水紙
を使用することが好ましい。
【0017】本発明に使用できる別の熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)
等のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等
のポリアミド類、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体
等が好ましく使用できる。この中でも、原紙に被覆され
たポリオレフィン樹脂と相溶性のあるPE、PP樹脂等
のポリ-α-オレフィンを別の熱可塑性樹脂として使用す
ることが好ましい。ただし、「別の熱可塑性樹脂」と
は、原紙に被覆されたポリオレフィン樹脂とは別の熱可
塑性樹脂であることを意味し、その組成が原紙被覆用の
ポリオレフィン樹脂と同じであることを妨げるものでは
ない。この熱可塑性樹脂の成分としてエラストマー樹脂
を併用して弾性のある成形物を成形することができる。
【0018】本発明の感光材料用成形物を製造する方法
には、種々のバリエーションがある。本発明の感光材料
用成形物は、印画紙用に製造された原紙にポリオレフィ
ンを被覆した印画紙用防水紙及び熱可塑性樹脂を原料と
し、最終的に得られる感光材料用成形物において、原紙
に由来するセルロース繊維に対して、全熱可塑性樹脂の
構成比率が重量比で51:49〜75:25になるよう
に感光材料用成形物を成形することに特徴がある。ここ
で、「全熱可塑性樹脂」とは、印画紙用防水紙を被覆す
るポリオレフィン樹脂と、及び、製造工程で添加される
すべての熱可塑性樹脂との合計を意味する。ここで、セ
ルロース繊維の構成比率の下限を51%とするのは、全
体の50重量%を超える比率でセルロース繊維を含有す
ることを意図するためである。
【0019】熱可塑性樹脂を最初に添加する時期は、印
画紙用防水紙を粉砕して得られる、セルロース繊維とポ
リオレフィン樹脂とからなる混合物のみを一旦ペレット
にするか否かを選択できる。前記のペレットを経由しな
い場合の成形物の製造工程例は以下の通りである。 (1)写真印画紙用に製造された原紙にポリオレフィン
樹脂を被覆した印画紙用防水紙を粉砕することによりセ
ルロース繊維及びポリオレフィン樹脂の混合物とする工
程、(2)得られた混合物に必要に応じて溶融していて
もよい別の熱可塑性樹脂を添加する工程、及び、(3)
原紙及びポリオレフィン樹脂を含み、原紙由来のセルロ
ース繊維と全熱可塑性樹脂の構成比率が重量比で51:
49〜75:25の範囲内になるようにした感光材料用
成形物を成形する工程。
【0020】また、印画紙用防水紙を粉砕して得られ
る、セルロース繊維及びポリオレフィン樹脂混合物のみ
を一旦ペレットにする場合の工程は、以下の通りであ
る。 (1)写真印画紙用に製造された原紙にポリオレフィン
樹脂を被覆した印画紙用防水紙を粉砕することによりセ
ルロース繊維及びポリオレフィン樹脂の混合物とする工
程、(2’)得られた混合物のみからペレットを一旦形
成し、このペレットを再度粉砕するのと同じ工程におい
て、又は別の工程において、この粉砕されたセルロース
繊維・ポリオレフィン樹脂に別の熱可塑性樹脂を混練す
る工程、及び、(3)原紙及びポリオレフィン樹脂を含
み、原紙由来のセルロース繊維に対する、ポリオレフィ
ン樹脂及び別の熱可塑性樹脂の構成比率が重量比で5
1:49〜75:25になるように感光材料用成形物を
成形する工程。この方法は、セルロース繊維と別の熱可
塑性樹脂との相溶性を良くするので好ましい。
【0021】上記の工程は連続した一連の工程としても
良いし、各工程で得られる混合物等を一旦取り出して保
存しても良い。
【0022】本発明の感光材料成形物のより詳細な製造
工程例は、以下の通りである。なお、この製造工程例を
「詳細製造工程例」と以下称する。実施例の説明におい
ても、この「詳細製造工程例」を引用する。 (1)写真印画紙用に製造された原紙にポリオレフィン樹
脂を被覆した印画紙用防水紙を剪断機で粗粉砕する。 (2)粗粉砕された防水紙をピンミルによるピンで叩く動
作により引き裂き綿状のセルロース繊維に粉砕する。 (3)嵩比重の大きい綿状のセルロース繊維及びポリオレ
フィン樹脂の混合物をペレットミルにより圧縮混練して
体積を減縮したペレットとする。 (4)上記の工程で得られるペレットを引き続いてターボ
ミルにより粉砕する。 (5)粉砕されたセルロース繊維・ポリオレフィン樹脂混
合物に、別の熱可塑性樹脂の粉末を加えて再度ペレット
ミルにより混練してペレットとする。 (6)上記の工程で得られたセルロース繊維・ポリオレフ
ィン樹脂・別の熱可塑性樹脂よりなるペレットをルーダ
ーにより混練して紙樹脂ペレットを得る。 (7)得られた紙樹脂ペレットを射出成形機により所望の
成形品に射出成形する。
【0023】上記の諸工程にいろいろな変形を加えるこ
とができる。例えば、上記の(4)の粉砕工程において、
(3)で得られるペレット及び別の熱可塑性樹脂のかたま
りを一緒に再粉砕して混合物としても良い。この混合物
は、(5)のペレットミルに供給することができる。
【0024】本発明の感光材料用成形物は、原料とし
て、印画紙用防水紙を使用するために、ピンミルによる
工程(2)において、破砕されたポリオレフィン樹脂が粉
砕されたセルロース繊維と均一に混じり合うと考えられ
る。このために、後続の工程(3)〜(5)を経て得られる、
セルロース繊維、ポリオレフィン樹脂及び別の熱可塑性
樹脂相互の良好な混合を達成できると考えられる。
【0025】また、(6)においてペレットを作るとき熱
可塑性樹脂の量を最終的な混合比よりも低減しておき、
ペレットを溶融して射出成形するとき不足の熱可塑性樹
脂を加えることもできる。成形物における原紙と全熱可
塑性樹脂の構成比率が重量比で51:49〜75:25
になるようにして射出成形しさえすれば、熱可塑性樹脂
を添加する途中工程の数と添加する量は自由に選択する
ことができる。不足の熱可塑性樹脂を二色成型又はイン
サート成形のために使用することができる。
【0026】原紙の構成比率が重量比で75重量%を超
えると射出圧力が急激に高くなり安定して射出成形でき
なくなる。この上限値は、印画紙用防水紙を使用するこ
とにより、新聞古紙等のセルロース繊維のみを原料とす
る場合に比べて大幅に向上する。
【0027】原紙75重量部にポリオレフィン樹脂を2
5重量部被覆した印画紙用防水紙に対して別の熱可塑性
樹脂を混合する場合において、成形物における原紙由来
のセルロース成分が成形物の51%〜75%の構成とす
るためには、印画紙用防水紙100部に対して、別の熱
可塑性樹脂を47部〜0部添加することになる。
【0028】前記の詳細製造工程例における工程(5)の
混練操作は、熱可塑性樹脂と、水分率が5ないし40%
であるセルロース繊維を混練することが好ましい。この
水分率を維持することにより、セルロール繊維の樹脂強
化機能を十分に発揮させることができる。混練には加圧
式ニーダー等の公知の混練装置を使用することができ
る。その他混練工程の好ましい条件は、特開平5−50
427に記載されている。混練する温度は、90℃以上
220℃以下が好ましく、140℃以上170℃以下が
特に好ましい。混練温度が90℃未満では混練が不十分
となりやすく、140℃未満でもややこの傾向が残る傾
向があり、混練温度が220℃を超えるとセルロースの
分解が激しくなるため、写真感光材料に悪影響を及ぼす
成分が多く発生するようになる。また、前記の詳細製造
工程例における工程(7)における射出成形時の温度は、
140℃以上200℃以下が好ましく、160℃以上1
70℃以下が特に好ましい。
【0029】本発明における紙樹脂により製造すること
ができる写真感光材料用成形物としては、例えば、写真
感光材料用容器及びその関連部材、特に写真感光材料用
遮光容器及びその構成部材(135規格フィルムカート
リッジ用の防湿容器(蓋を含む)、135規格スプー
ル、APS規格フィルム用マガジン、インスタントフィ
ルムパック、110規格フィルムカートリッジ、印刷用
感光材料を収納する直方体のマガジン、長尺の感光材料
を巻き取るための紙管、長尺の感光材料を巻き取り両側
から保持するためのフランジ、感光材料の容器に入れる
緩衝材、感光材料積層体用の当てボール(感光材料積層
体に接触するような包装体ないし包装体部分)、等)、
レンズ付きフィルム(登録商標「写ルンです」)用の容
器等が挙げられる。
【0030】感光材料包装体は、上記のいずれかの工程
により得られた感光材料用成形物及びこれと共に用いら
れる感光材料からなる。感光材料用成形物が容器の場
合、感光材料をこれに収容し感光材料包装体としてもよ
い。
【0031】例えば、図1にインスタントフィルムパッ
クを示す。インスタントフィルムパックにはケース本体
1、フィルムカバー2、遮光シートb4、遮光シートa
5、底板6に樹脂成形物が使用されており、これらの構
成物の一部または全部に本発明の成形物を用いることが
できる。そしてフィルム3とともに感光材料包装体とす
ることができる。図2に135規格フィルムカートリッ
ジ用の防湿容器を示すが、この容器に135型フィルム
とともに感光材料包装体とすることができる。
【0032】また、紙樹脂に遮光性を付与するためには
遮光性物質を0.05〜25重量%の範囲で添加するこ
とによって、紙樹脂の化学的、物理的特長を損なうこと
なく、写真感光材料の周辺で用いられる成形品に必要と
される遮光機能を向上させることができる。0.05重
量%未満では遮光性を確保できず添加目的を達成するこ
とができないだけでなく経費増となる。25重量%を越
えると物理強度が低下し、且つ外観も悪くなる。遮光性
を確保するために添加される遮光性物質としては以下の
ものが挙げられる。
【0033】(1)無機化合物 A.酸化物 シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウ
ム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維等 B.炭酸塩 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドー
ソナイト等 C.ケイ酸塩 タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガ
ラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト等 D.炭素 カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空
球等 E.その他 鉄粉、銅粉、鉛粉、錫粉、ステンレス粉、パール顔料、
アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケ
イ素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリウム、チタン酸ジル
コン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カ
ルシウム、ホウ酸ナトリウム、アルミニウムペースト、
タルク等 (2)有機化合物 木粉(松、樫、のこぎり屑等)、穀繊維(アーモンド、
ピーナッツ、モミ殻等)、着色した各種の繊維例えば木
綿、ジュート、紙細片、セロハン片、ナイロン繊維、ポ
リプロピレン繊維、デンプン、芳香族ポリアミド繊維等
【0034】これらの遮光性物質の中で、ブリードアウ
ト量を減少させることができるのでカーボンブラックが
好ましい。特に好ましいカーボンブラックの原料による
分類例を挙げると、ガスブラック、ファーネスブラッ
ク、チャンネルブラック、アントラセンブラック、アセ
チレンブラック、ケッチェンカーボンブラック、ランプ
ブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジタブル
ブラック等がある。本発明では遮光性、コスト、物性向
上の目的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、
高価であるが帯電防止効果を有する遮光性物質としては
アセチレンカーボンブラック、変性合成カーボンブラッ
クであるケッチェンカーボンブラックが好ましい。必要
により、前者と後者とを必要特性にしたがってミックス
することも好ましい。
【0035】遮光性物質を配合する形態は種々あるが、
マスターバッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の点で
好ましい。特公昭40−26196号公報には有機溶媒
に溶解した重合体の溶液中にカーボンブラックを分散さ
せて重合体−カーボンブラックのマスターバッチを作る
方法が記載され、特公昭43−10362号公報にはカ
ーボンブラックをポリエチレンに分散してマスターバッ
チを作る方法が記載されている。
【0036】本発明における写真感光材料用成形品とし
て、使用する上で写真感光材料に対してカブリの発生が
なく、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大き
く、本発明における樹脂組成物中に添加した場合でもカ
ーボンブラックの塊(ブツ)の発生やフィッシュアイ等
によるピンホールが発生しにくい点で、カーボンブラッ
クの中でもpH6.0〜9.0、平均粒子径10〜12
0μmのものが好ましく、これらの中でも特に揮発成分
が2.0%以下、吸油量が50ml/100g以上のフ
ァーネスカーボンブラックが好ましい。チャンネルカー
ボンブラックは高価な上に、写真感光材料にカブリを発
生させるものが多く好ましくない。どうしても使用する
必要がある場合でも、写真性に及ぼす影響を調査して選
択すべきである。
【0037】好ましいカーボンブラックの国内市販品と
しては、例えば三菱化成(株)製のカーボンブラック♯
20(B)、♯30(B)、♯33(B)、♯40
(B)、♯44(B)、♯45(B)、♯50、♯5
5、♯100、♯600、♯2200(B)、♯240
0、#950(B)、MA8、MA11、MA100等
が挙げられる。海外市販品としては、例えばキャボット
社製のBlack Pearls 2、46、70、71、74、8
0、81、607等、Regal 300、330、40
0、660、991、SRF−S等、Vulcan 3、6
等、Sterlin 10、SO、V、S、FT−FF、MT
−FF等が挙げられる。さらに、アシュランドケミカル
社製のUnited R、BB、15、102、3001、3
004、3006、3007、3008、3009、3
011、3012、XC−3016、XC−3017、
3020、Printex 40、50、60、80、90、
100が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0038】遮光性物質の添加量は、最終成形物に対し
て重量比で0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜
15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最も
好ましくは1.0〜7.0重量%の範囲である。
【0039】本発明における紙樹脂は、熱可塑性樹脂単
独に比較するとメルトフローインデックス(MFI)が
低いため潤滑剤を本発明の効果を損なわない範囲で加え
ることができる。本発明における紙樹脂に用いることが
できる代表的な滑剤名と製造メーカー名を以下に挙げ
る。 (1)シリコーン系滑剤 各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変性物
(信越シリコーン、東レシリコーン) (2)オレイン酸アミド滑剤 アーモスリップCP(ライオン・アクゾ)、ニュートロ
ン(日本精化(株))、ニュートロンE−18(日本精
化(株))、アマイドO(日東化学(株))、アルフロ
E:10(日本油脂(株))、ダイヤミッドO−200
(日本化成(株))、ダイヤミッドC−200(日本化
成(株))等 (3)エルカ酸アミド系滑剤 アルフロ−F−10(日本油脂(株))等 (4)ステアリン酸アミド系滑剤 アルフロ−S−10(日本油脂(株))、ニュートロン
2(日本精化(株))、ダイヤミッド200(日本化成
(株))等 (5)ビス脂肪酸アミド系滑剤 ビスアマイド(日本化成(株))、ダイヤミッド200
ビス(日本化成(株))、アーモワックスBBS(ライ
オン・アクゾ)等
【0040】(6)非イオン界面活性剤系滑剤 エレクトロストリッパーTS−2、エレクトロストリッ
パー−TS−3(花王(株))等 (7)炭化水素系滑剤 流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、
合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボン (8)脂肪酸系滑剤 高級脂肪酸(C12以上が好ましい)、オキシ脂肪酸 (9)エステル系滑剤 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪
酸の脂肪アルコールエステル (10)アルコール系滑剤 多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール (11)金属石けん ラウリン酸、ステアリン酸、リシノール酸、ナフテン
酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、Mg、Ca、S
r、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb等の金属との
化合物
【0041】
【実施例】以下に実施例を比較例と併せて示すが、本発
明は、これらの実施例に限られるものではない。 実施例1 カヤーニ社製FS−100測定機で計測した重量平均繊
維長が0.7mmである広葉樹晒しクラフトパルプ(L
BKP)を用いて、写真印画紙に製造された原紙にポリ
オレフィン樹脂を被覆した印画紙用防水紙を原料とし
た。この印画紙用防水紙は、原紙75重量部に対してP
E樹脂を25重量部ラミネートした防水紙であった。こ
の印画紙用防水紙をピンミルにより粉砕し粉砕試料1を
得た。この粉砕試料1を前記詳細製造工程例(3)記載
のペレットミルにより圧縮混練して減縮ペレットとし、
引き続き前記詳細製造工程例(4)記載のターボミルで
粉砕し、粉砕試料2を得た。この粉砕試料2を顕微鏡計
測し、重量平均繊維長を測定したところ0.45mmで
あった。粉砕試料2の100重量部及び別の熱可塑性樹
脂であるPP樹脂89重量部とから、前記詳細製造工程
例(5)及び(6)記載の方法を用いて、原紙由来のセ
ルロース繊維含有率が40%の紙樹脂ペレットを得た。
以下同様にして、追加するPP樹脂の量を表1に示すよ
うに変化させ、原紙由来のセルロース繊維の含有量を変
えた紙樹脂ペレットNo.1〜7を得た。原紙由来のセ
ルロース繊維含有率が80%の紙樹脂ペレットNo.8
はPE樹脂のラミネートされていない原紙を使用して製
造した。紙樹脂ペレットNo.2〜7が実施例であり、
No.1及び8が比較例である。
【0042】
【表1】 *注)PE樹脂がラミネートされてない原紙80重量部
を用いた。また、製造方法は、印画紙用防水紙を使用す
る場合に準じた。
【0043】上で得られた紙樹脂ペレットNo.1〜8
を用いて、成形時に三菱化学(株)社のカーボンブラッ
ク#950を0.5重量%、信越化学工業(株)KF9
6シリコーンオイル0.5重量%添加し、富士写真フイ
ルム(株)製インスタックスミニ(instax mi
ni;登録商標)のケースを射出成形して、フイルムケ
ースを製造した。射出成形機は住友重機製GS−18
0、金型はコールドランナー径φ1.2mm、金型温度
80℃、紙樹脂温度170℃で実施した。上記紙樹脂ペ
レットの物性値と、インスタックミニ用フィルムケース
の諸特性を求めた結果を表2及び3に示す。なお、測定
条件はJIS(日本工業規格) K7110に準じた。
MFR(メルトフローレイト)の測定条件は、温度12
5℃、荷重3.19N及び充填量8gである。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】 なお、成形性の評価結果を表す記号◎は、射出最大圧力
が成形機元圧で6.7MPa以下、○は6.8〜7.5
MPa、△は7.6〜8.5MPa、また×は8.5M
Pa以上、を表す。また、もろさは、フィルムケースに
所定量のフィルムを装填し、高さ76cmから硬質木版
(樫木製30mm厚)上に落としたときの、ケース破損
状況を目視で観察し評価する。もろさの評価結果を表す
記号◎はケースに全く異常なし、○はケースが僅かに変
形するがヒビ等の割れはなし、△はケースにヒビが入
る、また×はケースが割れる、を表す。
【0046】実施例2 実施例1で製造した紙樹脂ペレットを使用し、フジカラ
ーSUPERIA(登録商標)400を収納するために
用いる防湿性ケース本体を成形した。金型は、4個取り
バルブゲート方式で、バルブ径はφ2mm、金型温度7
0℃、成形機は、住友SG180、紙樹脂温度は170
℃であった。本体蓋は、実施例1で製造した粉砕試料2
の100部にPP樹脂20部、エラストマー24部を混
合し、前記詳細製造工程例(5)及び(6)の方法で弾
性を付与した紙樹脂ペレットを製造した。該紙樹脂ペレ
ットを使用し、4個取り蓋金型を用いて、本体ケースと
同一の成形条件で紙樹脂製の蓋を成形した。組成の異な
る本体ケースに該蓋を共通で使用し、密閉型防湿ケース
の特性を評価した。防湿性の評価は、以下のようにして
行った。本体ケースにフジカラーSUPERIA400
の135型フイルムと共に防湿性の測定のため塩化カル
シウムを10.0g装填し、キャップをして、密封品を
完成させた。完成したサンプルを温度40℃、相対湿度
90%RHの環境の恒温槽に24時間放置した後塩化カ
ルシウムの重量増加量を測定し換算により透湿度を算出
した。また、経時変化に伴う最低濃度の増分をΔDmin
として示した。評価結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】紙樹脂では、原紙の含有量が増加すると透
湿度は上昇する。
【0049】実施例3 粉砕後のセルロース繊維の重量平均繊維長が0.3、
0.50、0.70、0.90、及び0.95mmにな
る原紙を用い実施例1と同様な方法で粉砕試料2を得
た。この粉砕試料2の各々100部にPP樹脂47部を
混合し前記詳細製造工程例に従い、紙樹脂ペレットを製
造した。この紙樹脂ペレットを使用して、実施例2と同
様にして、135型フイルムケースを成形し、成形性と
透湿度を評価した。その結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】粉砕後の重量平均繊維長が、0.30mm
未満では、成形時に熱分解を受け、アルデヒドの発生が
見られた。また写真性の点でもΔDmimが上昇し好ま
しくなかった。また粉砕後の重量平均繊維長が、0.5
0mmを超えると、成形機のスクリューによる混練が悪
く、成形時の射出圧力が上昇し、いわゆるショートショ
ットになり、好ましくなかった。
【0052】実施例4 富士写真フイルム(株)製の印画紙用防水紙である、P
E樹脂を両面にラミネートしたカラーペーパー用支持体
と別の追加用PP樹脂を表6に示した重量比率で用い
て、前記詳細製造工程例に記載した製造方法により紙ペ
レットを製造し、感光材料用成形物を射出成形した。用
いた印画紙用防水紙は、原紙75部に対してPE樹脂を
25部ラミネートした防水紙であった。射出成形時の最
大射出圧力を測定し、表7に示した。
【0053】
【表6】
【0054】原紙由来のセルロース繊維含有率80%以
上の紙樹脂の製造には、PE樹脂をラミネートしてない
原紙のみを使用し、必要量の樹脂を添加した。また、比
較例の新聞古紙による紙樹脂は、紙樹脂中に新聞古紙の
含有率が0〜90%になるようにPP樹脂を追加し、前
記詳細製造工程例に準じて紙樹脂を製作した。上記紙樹
脂で感光材料用成形物を成形した時の射出厚力を求めた
結果を表7に示す。
【0055】
【表7】
【0056】図3は上記の結果をグラフに表したもので
あり、熱可塑性樹脂とセルロース繊維の比率及び樹脂温
度170℃で成形した時の射出圧力を示したものであ
る。この図から、原紙由来のセルロース繊維含有率が7
5%を越えると急速に射出圧が上昇し、9MPaを越え
るため成形が困難となる。従って、本発明の成形物にお
いて、その原紙由来のセルロース繊維含有率を上限75
%とすることが適当である。
【0057】実施例5 叩解前の重量平均繊維長が0.7mmの広葉樹晒クラフ
トパルプを叩解し、各種添加剤(ロジン、高級脂肪酸等
のサイズ剤、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸
バンド等の安定剤)、及び水酸化ナトリウムを用い、抄
造後の紙面pHが5、6、7及び8になるように調整
し、4種類の原紙を製造した。各原紙75部に対しポリ
オレフィン樹脂25部を被覆し印画紙用防水紙を得た。
該印画紙用防水紙を前記詳細製造工程例(1)、
(2)、(3)及び(4)の工程に準じ処理を行い粉砕
物にし、該粉砕物100部に対しPP樹脂(出光J60
83HP)を47部加えて前記詳細製造工程例(5)及
び(6)の処理を行い、紙樹脂ペレットを製造した。該
紙樹脂ペレットを用い、インスタントフィルムパック及
びダンベル片を住友GS180成形機で成形した。成形
時の紙樹脂温度は170℃又は190℃の2水準とし
た。成形で得られたダンベル片を用い曲げ強度を測定、
又インスタントフィルムパックを用い写真性の評価を実
施した。評価結果を表8に示す。なお、アイゾット衝撃
値の試験方法及び測定条件は、実施例1と同様である。
この結果から、pH7近傍の原紙を用いたものが最も安
定した領域である。又成形温度が高い190℃では、p
Hの低い原紙で作られた紙樹脂はセルロースの分解を受
けやすく特性値に劣化が見られた。
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】インスタントフィルムパックの構造を示す分解
斜視図である。
【図2】フジカラーSUPERIA(登録商標)400
用のケース本体及び蓋を示す斜視図である。
【図3】紙樹脂温度170度で成形した時のセルロース
繊維含有率(重量%)に対する射出圧力の関係を示すグ
ラフであり、実線は印画紙用防水紙を用いた場合であ
り、点線は新聞古紙を用いた場合である。
【符号の説明】
1 ケース本体 2 フィルムカバー 3 フィルム 4 遮光シートb 5 遮光シートa 6 底板 7 出口遮光フラップ A 紙樹脂の性能を確保できる範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 1:00 B29K 1:00 23:00 23:00 105:12 105:12 501:12 501:12 (56)参考文献 特開 平7−225453(JP,A) 特開2000−194093(JP,A) 特開 平9−54391(JP,A) 特開2000−239528(JP,A) 特開 平9−150407(JP,A) 特開 平8−34476(JP,A) 特開2000−56434(JP,A) 特開 昭60−69649(JP,A) 特開 平6−118552(JP,A) 特開 平2−207241(JP,A) 特開 平4−80743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 3/00 560 G03C 3/00 566

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真印画紙用に製造された原紙にポリオ
    レフィン樹脂を被覆した印画紙用防水紙を粉砕してセル
    ロース繊維及びポリオレフィン樹脂の混合物とした後、
    この混合物に必要に応じて別の熱可塑性樹脂を添加し、
    原紙及びポリオレフィン樹脂を含み、原紙由来のセルロ
    ース繊維に対するポリオレフィン樹脂及び別の熱可塑性
    樹脂の合計の構成比率が重量比で51:49〜75:2
    5の範囲内となるように成形したことを特徴とする感光
    材料用成形物。
  2. 【請求項2】 該混合物のみからなるペレットを一旦形
    成した後、このペレット及び別の熱可塑性樹脂とから混
    練成形された請求項1に記載の感光材料用成形物。
  3. 【請求項3】 粉砕した後のセルロース繊維の重量平均
    繊維長が、0.30mm以上、0.50mm以下の範囲
    にあるセルロース繊維を使用する請求項1又は2記載の
    感光材料用成形物。
  4. 【請求項4】 粉砕前のセルロース繊維の重量平均繊維
    長が0.4mm以上、0.7mm以下である広葉樹晒し
    クラフトパルプを用いた印画紙用防水紙を用い、この広
    葉樹晒しクラフトパルプをリファイナーにより粉砕する
    請求項1又は2記載の感光材料用成形物。
  5. 【請求項5】 原紙が、pHが6.0以上、7.5以下
    の中性域で抄紙された中性紙である請求項1〜4いずれ
    か1つに記載の感光材料用成形物。
  6. 【請求項6】 写真印画紙用に製造された原紙にポリオ
    レフィン樹脂を被覆した印画紙用防水紙を粉砕してセル
    ロース繊維及びポリオレフィン樹脂の混合物とした後、
    この混合物に必要に応じて別の熱可塑性樹脂を添加し、
    原紙及びポリオレフィン樹脂を含み、原紙由来のセルロ
    ース繊維に対するポリオレフィン樹脂及び別の熱可塑性
    樹脂の合計の構成比率が重量比で51:49〜75:2
    5の範囲内となるように成形した感光材料用成形物及び
    これと共に用いられる感光材料からなることを特徴とす
    る感光材料包装体。
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