JP3473314B2 - 定着ロールの製造方法 - Google Patents

定着ロールの製造方法

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JP3473314B2 JP04286897A JP4286897A JP3473314B2 JP 3473314 B2 JP3473314 B2 JP 3473314B2 JP 04286897 A JP04286897 A JP 04286897A JP 4286897 A JP4286897 A JP 4286897A JP 3473314 B2 JP3473314 B2 JP 3473314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉の円筒体を定
着ロールの芯金として用いる定着装置,当該定着装置に
用いる円筒体,およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを利用した複写機にお
いては、記録シート上に形成された未定着トナー像を定
着して永久画像にする必要があり、その定着法として、
従来から、一般に加熱によってトナーを溶融させ、記録
シート上に融着させる加熱定着法が広く採用されてい
る。
【0003】図1は、加熱定着法による定着装置の概略
の構成を示す図である。図1に示すように、定着装置
は、円筒状芯金32の内部にヒータ31を備え、その外
周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層によ
る離型層33を形成した定着ローラ30と、この定着ロ
ーラ30に対し圧接して配置され、円筒状芯金41の外
周面に耐熱弾性体層42を形成した加圧ローラ40とで
構成される。未定着トナー像の定着処理は、これらの定
着ローラ30および加圧ローラ40の間に未定着トナー
像44の形成されたシート43を挿通させてトナー剤の
添加物の熱溶融による定着を行う。
【0004】加熱ローラにより定着を行う熱定着ローラ
方式は、他の加熱定着法の熱風定着方式やオーブン定着
方式と較べて、熱効率が高いため、低電力性(省エネル
ギー性),高速性の点で優れ、しかも、紙詰まりによる
火炎の危険性も少ないことなどから現在最も広く利用さ
れている。
【0005】熱定着ローラ方式の定着装置においては、
定着ロールの表面温度を室温から所定の設定温度まで上
昇させるのに必要な時間(以下ウォームアップタイムと
言う)を短くすることが望まれるが、通常は1〜10分
という長い時間を必要としていた。ウォームアップタイ
ムは単純にはロールの熱容量と投入電力関係で決定され
るので、ウォームタイムを短くする方法の一つとして、
ロール熱容量を削減することが試みられる。しかしなが
ら、ロール熱容量はロール剛性より、削減の限界が存在
する。
【0006】また、規定の定着性能を得るため、加熱ロ
ーラおよび圧接ローラのロール対におけるニップ部内の
圧力は、一般的には、0.5〜5.0kg/cm 程度の圧力が
必要とされる。これ以下の圧力では用紙やロール表面の
凹凸の存在による隙間を埋めることができず、粉体トナ
ーに効率良く熱を伝達することができなくなる。このた
め、定着後のトナー表面がまだらになってしまい画質が
低下してしまう。
【0007】定着に必要な圧力を得るための両ロール間
に与える総荷重は、20〜200kgに達するため、加熱
ローラとして用いるロール(円筒体)は、この荷重に耐
えられる加熱ロールのロール剛性が必要とされ、ロール
の小径化および薄肉化には、自ずと限界がある。
【0008】定着装置の定着ロールとして用いるロール
のロール外形を精度よく所定の外径に仕上げるために
は、通常の場合、金属製の素管を用い、その金属製の素
管に切削加工もしくはセンタレス研削を行う。量産性の
ある金属製の素管では、最初から薄肉状態とすると、素
管にへこみ、つぶれ、くぼみ等が発生するので、取扱い
が困難となる。このため、さほど薄肉とすることができ
ず、この結果、薄肉化のための切削加工もしくはセンタ
レス研削加工が必要となり、これらの加工において、取
りしろが大きくなるという事態が発生し不経済である。
【0009】また、ロールをあまり薄肉化すると、セン
タレス研削加工を行った時、ふれ等が大きくなるなどの
形状精度の劣化が見られ、このような薄肉化は加工もか
なり困難である。
【0010】さらに、例えば白黒の複写機に用いられる
定着ロールでは、ロール外周面にオフセット防止層が静
電塗装される場合があるが、その場合、オフセット防止
層の定着ロールへの接着性を向上させるために、金属の
粒状物を表面に投射するブラスト処理が行われる。この
ようなブラスト処理の工程においても、薄肉状態のロー
ルであると、ロールの強度が不足するため、ロールにへ
こみ等が発生したり、ふれが発生したりして形状精度が
劣化する。そこで、形状精度を確保しようとした場合
は、ブラスト処理の圧力を下げるなどの処置が必要とな
り、ブラスト処理に長時間を要したり、粗面化が不十分
のため、オフセット防止層の剥離等の問題が発生する。
【0011】これに対して、従来から、ロールに作用す
る応力を削減するために、種々のロール補強技術が開発
されている。また、ロールの許容応力を増大するための
技術も開発されている。次に、これらの作用応力の削減
技術もしくは許容応力の増大技術とそれらを定着装置に
適用した場合の問題点等について検討する。
【0012】第1の方法として、例えば、実開昭59−
128665号公報、実公昭61−4926号公報,特
開昭61−59381号公報,特開平6−130845
号公報などで参照されるように、ロールの中にへこみを
防止するための補強部材を設け、ロールの自身の熱容量
を増加させずに、ロールの強度を増加させるものがあ
る。図2は、従来の定着ローラの構造の第1の例を説明
する断面図である。図2において、1はロールの支持部
材の内枠、2は内枠を支持する支持棒、3はロール(ス
リーブ)、4は熱絶縁体、5は加熱源のコイルヒータ、
6は離型層のオフセット防止層、7は支持軸である。
【0013】図2に示す構造の定着ローラでは、定着ロ
ーラを構成するロール3に対する補強部材の内枠1を支
える支持棒2を必要とし、非常に大がかりな内部補強構
造の部材が必要となる。このため、装置の大型化やコス
トアップが避けらない。その上、定着ロール内に大きな
部材を入れることにより、定着ロール全体としては、熱
容量の増加が見込まれるため、ウォームアップタイムの
削減の観点からは好ましくないものとなる。また、内枠
1とロール3との接触部分を樹脂などの熱絶縁体4で構
成しなければならないため、金属と比較した場合、熱膨
張率が小さい材料であると、実際には、定着ロール加熱
時に内枠1の脱落等が生じるという不具合が生じる虞れ
がある。
【0014】図3は、従来の定着ローラの構造の第2の
例を説明する断面図である。第2の方法として、図3に
示すように、ロール8の肉厚を軸方向で部分的に厚くし
て肉厚部分9を設けるものがある。また、この場合に、
その変形例として、軸方向で部分的に肉厚を厚くする肉
厚部分9に替えて、補強用のリブをつけるという構成も
ある。第2の方法の具体例は、例えば、実開昭56−7
949号公報,特開昭57−155571号公報,特開
昭58−190660号公報などの記載が参照できる。
【0015】第2の方法のような構造の定着用ローラで
は、円筒構造体の内部において、軸方向で偏肉厚加工を
必要とするが、偏肉厚部の肉厚は、さほど大きくするこ
とができず、およそ偏肉厚加工する前の肉厚とほぼ等し
くなる。つまり、通常の場合のロール製造の加工法で
は、偏肉厚加工で、偏肉厚部を大幅な肉厚部とすること
は非常に困難である。また、大きな偏肉厚とするために
は、肉厚の大きいロールに対して切削加工による偏肉厚
加工を施す必要があり、その後、所定の肉厚にするため
に大幅にロール外周面を削る必要があり、不経済であ
る。
【0016】また、第3の方法として、材料の許容応力
を増大させる方法としては、高周波焼き入れや浸炭焼き
入れなどの変態を伴う熱処理が知られている。このよう
な熱処理により、実際に強度は増加するが、材料の中で
変態を伴うために、ロールのそりや曲がりなどが発生
し、定着ロールとしては使用できない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の第1の
方法および第2の方法で説明したような構造の変化を伴
って作用応力の低減を目的とする方法では、ロール軸方
向において断面形状が不連続となり、断面2次モーメン
トも不連続となるため、断面形状の不連続位置で応力集
中が生じる。そのため、被補強部よりも補強部近傍で破
壊が生じ、ロールの疲労強度は、それほど大きくならな
い。また、補強部材などの部品点数が増加するので、コ
ストアップも避けられず、組立て性も悪い。
【0018】第3の方法として説明したような変態を伴
う熱処理では、そりやまがりなどの形状劣化が発生し、
それを防止し得るためには熱処理前の素管の薄肉化自身
に限界があり、いわゆる所定の薄肉化される肉厚を得る
ために大幅にロール外周面を研削する必要があり、不経
済である。
【0019】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の第1の目的は、定着装置にお
いてウォームアップタイムを大幅に短縮することが可能
となるような定着ロールの製造方法を提供することにあ
る。また、本発明の第2の目的は、定着ロールの製造性
を向上させてコスト削減が可能となる定着ロールの製造
方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため、本発明による定着ロールの製造方法において
は、第1の特徴として、定着ロールの芯金として用いる
円筒体、金属製の円筒体の内部に円筒状のスウエージ
加工用内型を配置し、前記円筒体の外周より外力を加え
るスウエージ加工による塑性加工により円筒体の肉厚を
縮小し、しかる後に前記スウエージ加工用内型をバジル
加工用内型として前記円筒体の内径を広げる拡管工程を
行って前記スウエージ加工用内型より離間させることに
よって製造されることを特徴とする。
【0021】また、第2の特徴として、本発明による定
着ロールの製造方法は、定着ロールの芯金として用いる
円筒体、金属製の円筒体の内部に円筒状のスウエージ
加工用内型を配置し、前記円筒体の外周より外力を加え
るスウエージ加工による塑性加工により円筒体の肉厚を
縮小し、その後に前記スウエージ加工用内型をバジル加
工用内型として前記円筒体の内径を広げる拡管工程にお
いて、バルジ加工用外型は内周面が逆クラウン状のテー
パを有する形状として前記円筒体の外周を逆クラウン形
状として前記スウエージ加工用内型より離間させること
によって製造されることを特徴とする。
【0022】また、第3の特徴として、本発明による定
着ロールの製造方法は、定着ロールの芯金として用いる
円筒体、金属製の円筒体の外部に円筒状で内周面が逆
クラウン形状のテーパ付きしごき用外型を配置し、前記
円筒体の内周より外力を加えるしごき加工法による塑性
加工により円筒体の外周を逆クラウン形状として薄肉化
された素管の外周面にテーパを付け、その後に前記テー
パ付きしごき用外型をバジル加工用型として前記円筒体
の内径を狭める狭管工程を行って前記テーパ付きしごき
用外型より離間させることによって製造されることを特
徴とする。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】また、第4の特徴として、本発明による定
着装置は、両端が軸支された定着ロールと圧接する加圧
体で形成される加圧領域に未定着トナー像を担持した転
写材を通過させて加熱定着する定着装置において、定着
ロールが、前記のような定着ロールの製造方法により製
造された定着ロールであり、更に、荷重印加時に前記定
着ロールの軸方向の弾性変形が原因で発生する加圧領域
の不均一性を補正する機構が前記加圧体に付加されてい
ることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する場合の形
態について、具体的に図面を参照して説明する。図4
は、定着装置の定着ロールの芯金を製造する工程を説明
する図である。図4において、11は素管、12は外径
加工処理、13はブラスト処理、14はオフセット防止
層塗装処理である。また、図5は、本発明による定着ロ
ールの製造方法にかかるスウエージ加工法を説明する図
であり、図6は、本発明による定着ロールの製造方法に
かかるバルジ加工法を説明する図である。
【0028】定着装置に用いる定着ロールを製造する場
合に、例えば、鉄製の薄肉鋼管を定着ロールの芯金とし
て用い、その製造工程では、図4に示すように、素管1
1から始めて、外径加工12を行い、次に、ブラスト処
理13を行い、そして、オフセット防止層塗装処理14
を行うようにして、定着ロール製造の加工処理を進め
る。このような工程において、外径加工12およびブラ
スト処理13では、薄肉鋼管のロールに対して外側から
加工のために力を作用させるので、ロールが薄肉である
と、ロール強度不足のために形状劣化等の問題が発生す
る。
【0029】このため、本発明においては、定着装置の
定着ロールの芯金を製造する場合、図5に示すように、
金属製の円筒体(51)の内部に円筒状の芯金(52)
を配置し、円筒体(51)の外周より外力(53)を加
える塑性加工によって肉厚を縮小し薄肉化する。すなわ
ち、金属製の円筒体(51)を例えば所定の肉厚の素管
とし、この肉厚の素管に対して、例えばダイス(53)
による外力を加え、これによる塑性変形により薄肉化す
る。これにより、塑性変形による加工硬化が素管で生
じ、その結果、素管での材料の引っ張り強度が増大す
る。
【0030】この結果、円筒体(51)の弾性限度が大
きくなり、後続する製造工程においても、塑性変形およ
び形状変化を防止できる。このため、前述したような製
造工程の外径加工12およびブラスト処理13において
形状変化を防止することが可能となる。また、同時に定
着ロールとしての疲労限度も当然に高くなる。これによ
り、薄肉鋼管を定着ロールの芯金として用いること
きるように薄肉化され、その剛性が高くなる。
【0031】具体例により説明すると、図5において、
51は薄肉化される金属製ロール、52はスウエージ加
工用内型、53はスウエージ加工用のダイスである。こ
のように、金属製の円筒体である薄肉化する金属製ロー
ル51の内部に、円筒状の芯金のスウエージ加工用内型
52を配置し、スウエージ加工用のダイス53によって
スウエージ加工を行う。これにより、金属製ロール51
は外周より外力を加えられて塑性変形し、肉厚が縮小し
て薄肉化される。
【0032】図5に示すスウエージ加工では、金属製ロ
ール51の内部にスウエージ加工用内型52を配置する
ため、素管の金属製ロール51には、曲がり、そり、楕
円等の形状劣化が発生することがない。このため、素管
の外径を所定の寸法公差内の外径に加工することができ
て、素管が薄肉化される。このように、薄肉鋼管の素管
の外径を所定の寸法公差内の外径に加工できるので、製
造工程の外径加工12を省略することも可能である。
【0033】図5に示すようなスウエージ加工では、肉
厚の薄肉化の程度(加工度という)が、加工後の素管断
面積を加工前の素管断面積で割った比率で表現すること
ができるが、ここでの加工度が、例えば、40%程度で
あれば、加工前の素管の長さは、最終的に必要とされる
芯金のロール長の約70%程度でよく、切削加工や研削
加工のような除去による加工の場合より、材料費が大幅
に低滅できる。
【0034】また、ここではスウエージ加工の後、薄肉
素管の内径を広げるバルジ加工を行い、スウエージ加工
の内型から薄肉素管を抜き取るが、この場合に、前述し
たスウエージ加工用内型(52;図5)を、スウエージ
加工後、薄肉素管の内径を広げるためのバルジ加工用の
内型とすることで、スウエージ加工後内型から薄肉素管
を抜き取るときの形状劣化を防止することができる。
【0035】図6は、本発明による定着ロールの製造方
法のバルジ加工法を説明する図である。図6に示すよう
に、スウエージ加工により薄肉化された薄肉全属ロール
61は、更に、バルジ加工用内型62およびバルジ加工
用外型64の間に装着され液圧が加えられ、更に内径が
広げられて薄肉化される。
【0036】また、図7は、本発明による定着ロールの
製造方法の別のバルジ加工法を説明する図である。加熱
ロール式の定着装置では、定着時の紙しわを防止するた
め、定着ロールの芯金は、逆クラウン状のテーパを外周
面につけた構造とする。このような外周面を逆クラウン
のテーパ形状とする加工は、通常、センタレス研削によ
り行うが、薄肉化した金属製ロールの場合、薄肉化する
場合のセンタレス研削と同様の形状劣化の問題が発生す
る。
【0037】その上、通常、素管の内径は一定であるた
め、外周面に段差がつけることとなり、ロール中央部が
端部と比較して更に薄肉となる。そのため、定着ロール
として使用した場合、中央部の強度が小さくなるので、
この結果、中央部の強度により定着ロール寿命が決定さ
れることになる。このため、中央部の薄肉部が強度上の
制約となり、薄肉化が困難であった。
【0038】これに対しては、図7に示すように、バル
ジ加工用外型75の内周面を逆クラウン状のテーパを有
するような形状とし、このバルジ加工用外型75によ
り、スウエージ加工後の薄肉素管の内径を広げるための
バルジ加工用内型72と組み合わせて用いることによ
り、スウエージ加工後に素管取り出しと同時に外周面の
テーパをつけることができる。このような加工を行う
と、中央部には薄肉部分がなくなるため、ロール全体と
しての強度は、ロール中央部が端部よりも薄肉になって
いるものよりも大幅に上昇する。
【0039】すなわち、この場合のバルジ加工では、図
7に示すように、スウエージ加工により薄肉化された薄
肉素管の薄肉金属ロール71を、バルジ加工用内型72
とテーパ付きバルジ加工用外型75により形成される型
枠の中に入れ、所定の液圧を加えて、内径を広げる加工
と同時に薄肉金属ロール71に対して外周面を逆クラウ
ンのテーパ形状とする加工を行う。
【0040】図8は、本発明による定着ロールの製造方
法の別の実施例にかかる押し出し加工法を説明する図で
あり、図9は、本発明による定着ロールの製造方法の更
に別の実施例にかかるしごき加工法を説明する図であ
る。本発明による定着ロールの芯金の塑性変形は、図8
に示すように、素管の内径側から外力を加えて塑性変形
を行う押し出し加工によっても行うことができる。図8
において、81は薄肉金属ロール、82は押し出し加工
用ダイス、86は押し出し加工用外型である。
【0041】また、良好な定着性能を得るため、定着ロ
ールとする芯金の外周面を逆クラウンのテーパ形状とす
る加工は、図9に示すように、しごき加工法によって
も、薄肉化された素管の外周面にテーパをつけることが
できる。図9において、91は薄肉金属ロール、96は
テーパ付きしごき用外型、97は回転型内径しごき用ダ
イスである。このしごき加工法では、回転型内径しごき
用ダイス97の回転によって、薄肉金属ロール91をそ
の内周面からテーパ付きしごき用外型96に押し付ける
ようにしごいて、薄肉金属ロール91にテーパをつけ
る。また、前述したように、図9におけるテーパ付きし
ごき用外型96は、そのままバルジ加工用型とすること
で、薄肉化したロールを外型より離型することが容易に
できることはいうまでもない。
【0042】図10は、本発明による定着ロールの製造
方法の更に別のバルジ加工法を説明する図である。薄肉
金属ロールにバルジ加工を行う場合、前述した図7に示
すバルジ加工法では、薄肉金属ロールの内周面から液圧
による力を加えて加工するようにしているが、逆に、薄
肉金属ロールの外周面から液圧による力を加えて加工す
るようにしてもよい。
【0043】すなわち、図10に示すように、薄肉金属
ロール101の内部側に、テーパ付きバルジ加工用内型
108を配置し、薄肉金属ロール101をバルジ加工用
外型109により形成される型枠の中に入れ、薄肉金属
ロール101の外部側(外周面)からの外周面から液圧
による力を加えて加工する。
【0044】このような本発明による定着ロールの製造
方法により作成した薄肉の素管を、定着ロールの芯金と
して用いた場合、材料許容応力は増大しているが、弾性
係数に変化がないため、この芯金による定着ロールを定
着装置に組み込み、荷重を印加すると、定着ロールには
軸方向のたわみ変形も生じる場合がある。このたわみ量
が大幅に増加すると、定着ロールと加圧ロールの接触領
域(ニップ)が不均一となり、末定着用紙を通紙すると
用紙に紙しわが発生したり、用紙中央部での定着強度が
弱くオフセットが発生し、次のコピーを汚したり、画像
が欠落したりしてしまうという問題が発生する。これに
対しては、このような定着ロールを用いる定着装置にお
いて、定着ロールの軸方向の弾性変形を補正する機構
(図11)を付加し、このような問題が発生しないよう
にする。
【0045】次に、前述した本発明による定着ロールの
製造方法により定着ロールを製作し、定着装置の定着ロ
ールとして組み込み、その疲労試験を行った実験例につ
いて説明する。ここでの比較例とする定着ロールの構造
を図11に示している。図11は、従来の製造方法によ
り作成された定着ロールの構造を示している。ここでの
ロールコア111は直径35mm、肉厚0.4mm、長
さ380mmの鉄製ロールである。その表面に離型層1
13として、PFA(パーフロロアルキルビニールエー
テル共重合樹脂)が25μm成形されている。ロールコ
ア111は肉厚0.7mm、長さ380mmのSTKM
11A素管より、センタレス研削を経て、製造したもの
である。
【0046】このように製造した定着ロール(図11)
を定着装置に組み込み、実モード疲労試験として、非通
紙の空回転を実施した。試験時の定着装置の条件として
は、設定温度180℃、トータル荷重50kgf、プロ
セススピード300mmsecとした。この試験の結
果、およそ40時間後にロール中央部でわれが発生し、
定着ロールとして使用できなくなった。
【0047】また、別の条件での実験例として、ロール
コア111をセンタレス研磨により肉厚0.3mmまで
薄肉としたところ、ロールコア中央部での全ふれが20
0μmとなり、離型層のコーティングが不良となった。
【0048】続いて、本発明による定着ロールの製造方
法により製造した場合の実験例を説明する。図5および
図6に示す製造方法によりロールコアを作成し、ロール
コアの構造は、図11に示した定着ロールの構造と同様
なものとなるようにした。つまり、ロールは直径35m
m、肉厚0.4mm、長さ380mmの鉄製ロールと
し、その表面に離型層として、PFA(パーフロロアル
キルビニールエーテル共重合樹脂)が25μm成形され
ているものとした。なお、この場合、薄肉素管のロール
コアは、その加工度が高いので、肉厚0.8mm、長さ
260mmのSTKM11A素管を用い、スウエージ加
工およびバルジ加工により、図11に示す定着ロールの
形状となるように加工した。
【0049】このようにして製造した定着ロールを定着
装置に組み込み、実モード疲労試験として、非通紙の空
回転を実施した。試験時の定着装置の条件としては、設
定温度180℃、トータル荷重70kgf、プロセスス
ピード300mm/secとした。
【0050】この場合の試験結果として、試験の開始の
後、300時間経過したが、ロール破壊には至らなかっ
た。ここでの圧縮引っ張りの繰り返し応力のサイクル数
は、2.9×106(定着ロール一回転を1サイクルと
した場合)である。金属材料の疲労限度は、通常の場
合、106〜107サイクルで現れるために、この試験
結果として、本発明の製造方法によるロールコアは、定
着ロールの芯金として用いる場合に十分に機能してお
り、定着ロールのコアとしての疲労強度は十分確保でき
ていると評価できる。
【0051】また、このような定着ロールを用いた場合
に、更に定着性能を高めるため、定着ロールの軸方向の
弾性変形を補正する機構を併用する。すなわち、例え
ば、図1に示す定着装置において、定着ロールの軸方向
の弾性変形を補正する機構として、加圧ローラ40に
は、図12に示すように、中央で支持される構造の加圧
ロール120を用いる。これにより、弾性変形が補正さ
れ、定着ロールの軸方向の加圧量が均一化されて、更に
好適に定着性能を得ることができる。
【0052】具体的に実験例で説明すると、定着ローラ
30としては、前述の実施例の定着ロールを用い、加圧
ローラ40としては、4mmのシリコンゴムが被服され
中央部で支持された加圧ロール120を用い、両端の軸
受部より総荷重80kgを印加して定着性能を試験し
た。この状態では、定着ロールの中央部でのたわみは、
0.5mmに達したが、中央で支持する加圧ロール12
0により、このたわみが補正され、定着ロールと加圧ロ
ールで形成されるニップを測定したところ、ロール端部
ニップ7.0mm、ロールセンター部ニップ6.4mm
となった。このような構成により、ニップ形状指数(セ
ンター部ニップ量/端部ニップ量)0.9を得ることが
でき、この条件で、富士ゼロックス(株)製の「Viv
ace550」で絵出しされた未定着トナー像を定着し
た場合、十分な定着性が得られるとともに、紙しわの発
生は一切なかった。
【0053】
【発明の効果】本発明の定着装置によれば、定着ロール
の芯金として薄肉の金属製ロールを用いており、従来と
比較して、格段にウォームアップタイムが短いものとな
っている。また、薄肉の金属製ロールを使用するについ
て、薄肉金属ロールの強度不足が原因で発生する製造上
の問題を解消しており、同時に、材料コストをも大幅に
削減することが可能となっている。また、定着ロールの
強度改善にもつながるため、高い荷重を用いる高速複写
機やカラー複写機においても、寿命の長い定着ロールコ
アを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は加熱定着法による定着装置の概略の構
成を示す図、
【図2】 図2は従来の定着ローラの構造の第1の例を
説明する断面図、
【図3】 図3は従来の定着ローラの構造の第2の例を
説明する断面図、
【図4】 図4は図4は定着装置の定着ロールの芯金を
製造する工程を説明する図、
【図5】 図5は本発明による定着ロールの製造方法に
かかるスウエージ加工法を説明する図、
【図6】 図6は本発明による定着ロールの製造方法に
かかるバルジ加工法を説明する図、
【図7】 図7は本発明による定着ロールの製造方法の
別のバルジ加工法を説明する図、
【図8】 図8は本発明による定着ロールの製造方法の
別の実施例にかかる押し出し加工法を説明する図、
【図9】 図9は本発明による定着ロールの製造方法の
更に別の実施例にかかるしごき加工法を説明する図、
【図10】 図10は本発明による定着ロールの製造方
法の更に別のバルジ加工法を説明する図、
【図11】 図11は実験例の従来の定着ロールの構成
を示す図、
【図12】 図12は定着ロールの軸方向の弾性変形を
補正する機構の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…ロールの支持部材の内枠、2…内枠を支持する支持
棒、3…ロール(スリーブ)、4…熱絶縁体、5…加熱
源のコイルヒータ、6…離型層のオフセット防止層、7
…支持軸、8…ローラ、9…肉厚部分、11…素管、1
2…外径加工処理、13…ブラスト処理、14…オフセ
ット防止層塗装処理、30…定着ローラ、31…ヒー
タ、32…円筒状芯金、33…離型層、40…加圧ロー
ラ、41…円筒状芯金、42…耐熱弾性体層、43…シ
ート、44…定着トナー像、51…薄肉化される金属製
ロール、52…スウエージ加工用内型、53…スウエー
ジ加工用のダイス、61…薄肉全属ロール、62…バル
ジ加工用内型、64…バルジ加工用外型、71…薄肉金
属ロール、72…バルジ加工用内型、75…テーパ付き
バルジ加工用外型、81…薄肉金属ロール、82…押し
出し加工用ダイス、86…押し出し加工用外型、91…
薄肉金属ロール、96…テーパ付きしごき用外型、97
…回転型内径しごき用ダイス、101…薄肉金属ロー
ル、108…テーパ付きバルジ加工用内型、109…バ
ルジ加工用外型、111…ロールコア、113…離型
層、120…加圧ロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−87703(JP,A) 特開 昭56−4325(JP,A) 特開 昭55−1976(JP,A) 特開 平8−123231(JP,A) 特開 平8−63026(JP,A) 特公 昭36−22571(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定着ロールの芯金として用いる円筒体、 金属製の円筒体の内部に円筒状のスウエージ加工用内型
    を配置し、 前記円筒体の外周より外力を加えるスウエージ加工によ
    る塑性加工により円筒体の肉厚を縮小し、 しかる後に前記スウエージ加工用内型をバジル加工用内
    型として前記円筒体の内径を広げる拡管工程を行って前
    記スウエージ加工用内型より離間させることによって製
    造されることを特徴とする定着ロールの製造方法。
  2. 【請求項2】定着ロールの芯金として用いる円筒体、 金属製の円筒体の内部に円筒状のスウエージ加工用内型
    を配置し、 前記円筒体の外周より外力を加えるスウエージ加工によ
    る塑性加工により円筒体の肉厚を縮小し、 その後に前記スウエージ加工用内型をバジル加工用内型
    として前記円筒体の内径を広げる拡管工程において、バ
    ルジ加工用外型は内周面が逆クラウン状のテーパを有す
    る形状として前記円筒体の外周を逆クラウン形状として
    前記スウエージ加工用内型より離間させることによって
    製造されることを特徴とする定着ロールの製造方法。
  3. 【請求項3】定着ロールの芯金として用いる円筒体、 金属製の円筒体の外部に円筒状で内周面が逆クラウン形
    状のテーパ付きしごき用外型を配置し、 前記円筒体の内周より外力を加えるしごき加工法による
    塑性加工により円筒体の外周を逆クラウン形状として薄
    肉化された素管の外周面にテーパを付け、 その後に前記テーパ付きしごき用外型をバジル加工用型
    として前記円筒体の内径を狭める狭管工程を行って前記
    テーパ付きしごき用外型より離間させることによって製
    造されることを特徴とする定着ロールの製造方法。
  4. 【請求項4】両端が軸支された定着ロールと圧接する加
    圧体で形成される加圧領域に未定着トナー像を担持した
    転写材を通過させて加熱定着する定着装置において、 前記定着ロールが、請求項1ないしは請求項3のいずれ
    に記載の定着ロールの製造方法により製造された定着
    ロールであることを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の定着装置において、 更に、荷重印加時に前記定着ロールの軸方向の弾性変形
    が原因で発生する加圧領域の不均一性を補正する機構が
    前記加圧体に付加されていることを特徴とする定着装
    置。
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