JP3472796B2 - 蓄熱槽、蓄熱装置及び蓄熱及び熱回収方法 - Google Patents

蓄熱槽、蓄熱装置及び蓄熱及び熱回収方法

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JP3472796B2
JP3472796B2 JP37127099A JP37127099A JP3472796B2 JP 3472796 B2 JP3472796 B2 JP 3472796B2 JP 37127099 A JP37127099 A JP 37127099A JP 37127099 A JP37127099 A JP 37127099A JP 3472796 B2 JP3472796 B2 JP 3472796B2
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平野  聡
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱槽、蓄熱槽を
用いた蓄熱装置及びこの蓄熱装置を用いた蓄熱及び熱回
収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱の蓄熱保存過程においては蓄熱材を過
冷却状態に維持し、熱の回収過程において、何らかの手
段を用いて過冷却状態にある蓄熱材に凝固を誘発させ
て、相変化に伴い発生する蓄熱材の融解熱を回収利用す
る蓄熱装置がある。この回収装置では、凝固を誘発させ
るための発核手段が種々検討されている。具体的には、
例えば、蓄熱材にショックまたは振動を与えることによ
る特開平3−292214号公報等がある。
【0003】前記公報に記載された自動車の室内暖房装
置の蓄熱部は、図2に示すとおりである。自動車の即暖
房のための熱源となる。蓄熱部は囲い枠状の枠体31内
に、合成樹脂材のシート等から形成される水密なシート
である四角な箱状に形成されたパック32を保持せし
め、そのパック32には、前記枠体31を透通する方向
の通気管33多数本を並列させて装設しておき、このパ
ック32内に、チオ硝酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウ
ム等が満たされており、液相でゆっくりと冷却されるこ
とで液相のまま過冷却の状態となる物質を、蓄熱材36
として密封状態に充填しておく。さらに、このパック3
2に充填された蓄熱材36に対してショックを与える衝
撃部材34を組み付け、その衝撃部材34を、リモート
コントロールにより作動させる押し釘式の操作部材35
を連繋しておき、キャビン(図示されず)内に配設する
ことで構成されている。
【0004】この構成の暖房装置の蓄熱部は、自動車の
運転時に暖房装置によってもたらされる温風により加温
され、パック32内に充填されている蓄熱材36である
酢酸ナトリウムは融解して液相になる。次に、自動車の
運転を終えて、スイッチを切り、自動車を次に運転する
まで放置しておくと、蓄熱材36は静置状態において放
冷されることになり、次に自動車の運転をするときが翌
日の朝であれば、その朝の外気温まで温度降下するよう
になる。そして、この静置状態での放冷により、蓄熱材
36は、液相のまま過冷却の状態となって冷却され、こ
れにより、融解熱に相当する熱量を蓄えた状態となる。
この過冷却の状態として蓄熱した熱量を、次回に自動車
を運転するときに放出させて、運転開始直後の冷えてい
るキャビン内の即暖房に用いる。すなわち、エンジン始
動時にキャビン内に配設してある操作部材35を操作し
て衝撃部材34を作動させ、蓄熱材36にショックまた
は振動を与えれば、瞬時に過冷却の状態が破れて固相に
変換していき、融解熱に相当する熱量を放出する。この
融解熱を用いて自動車のキャビン内の即暖房が可能にな
る。従来の暖房装置の蓄熱部は、凝固を誘発させる手段
として衝撃部材34を用いるものであり、単なるショッ
クや振動では実用に至るような凝固を開始させられない
ことが問題点として、指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、過冷
却状態にある潜熱蓄熱体を用いる蓄熱槽及び過冷却状態
にある潜熱蓄熱体に凝固を誘発させることにより、潜熱
蓄熱材が発生する融解熱を回収利用する蓄熱装置を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、潜熱蓄熱
材4が収容されている潜熱蓄熱体3中に固体片13を存
在させておき、蓄熱槽1に接して設けられている振動子
14の作用により、蓄熱槽1に対して超音波振動を与え
ると、振動は熱媒体2を経て潜熱蓄熱体3及び潜熱蓄熱
材4へ順々に伝播し、固体片13に達して固体片13を
振動させることができ、潜熱蓄熱体3の壁と潜熱蓄熱材
4との間で摩擦が起き、過冷却の準安定状態が破れ、核
が発生して凝固させることができることを見いだした。
即ち、蓄熱槽1に対して超音波振動を与えると、振動に
よる圧力波により潜熱蓄熱体4を振動させることがで
き、固体片13と潜熱蓄熱材4の温度を凝固開始温度ま
で低下させることなく凝固を開始させることができるこ
とを見いだした(いずれも上記番号は、図1の部材を表
す。)。
【0007】すなわち、本発明によれば以下の発明が提
供される。潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄熱
体が収容され、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間には熱媒
体を流すことができる空間が設けられており、前記固体
片に超音波振動を与える振動付与手段が敷設されている
ことからなることを特徴とする蓄熱槽。潜熱蓄熱材及び
固体片が封入された潜熱蓄熱体を収容しており、前記潜
熱蓄熱体と蓄熱槽の間に熱媒体を流すことができる空間
を有している蓄熱槽、前記蓄熱槽に敷設されている前記
固体片に超音波振動を与える振動付与手段、前記空間に
満たされた熱媒体、前記熱媒体を加熱・冷却するための
熱交換手段、及び前記熱媒体から熱を回収する熱回収手
段を有することを特徴とする蓄熱装置。潜熱蓄熱材及び
固体片が封入された潜熱蓄熱体を収容しており、前記潜
熱蓄熱体と蓄熱槽との間に熱媒体を流すことができる空
間を有している蓄熱槽、前記蓄熱槽に敷設されている前
記固体片に超音波振動を与える振動付与手段、前記潜熱
蓄熱体と蓄熱槽との間の空間と、熱媒体を加熱・冷却す
るための熱交換手段とが開閉手段及び熱媒体駆動手段を
介して連絡されている熱媒体流路、及び前記潜熱蓄熱体
と蓄熱槽との間の空間と、熱回収設備とを結ぶ連絡路
が、開閉手段と熱媒体駆動手段を介して連絡されている
熱媒体流路からなることを特徴とする蓄熱装置。潜熱蓄
熱材及び固体片が封入された潜熱蓄熱体及び潜熱蓄熱体
と蓄熱槽との間に熱媒体を流すことができる空間を有し
ている蓄熱槽、蓄熱槽に敷設されている前記固体片に超
音波振動を与える振動付与手段、前記熱媒体を前記蓄熱
槽に導入し、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の空間を経由さ
せたのちに蓄熱槽から排出して、再び蓄熱槽に導入する
に至る熱媒体循環経路に、熱媒体を加熱・冷却するため
の熱交換手段及び熱回収設備が並列に設置され、前記循
環経路中には熱媒体の流れを調節する開閉手段及び熱媒
体駆動手段が設けられており、さらに前記循環経路とは
別に、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の空間の一部を経由さ
せたのちに蓄熱槽から熱媒体を排出し、前記循環経路に
接続される熱媒体流路が、開閉手段を介して設けられて
いることを特徴とする蓄熱装置。潜熱蓄熱材に粘性を増
加させる物質が添加されていることを特徴とする前記記
載のいずれかである蓄熱装置。潜熱蓄熱材及び固体片が
封入された潜熱蓄熱体を収容する蓄熱槽に、前記固体片
に振動を与える振動付与手段を敷設し、前記潜熱蓄熱材
を融解させたのちに過冷却状態で保持し、前記固体片に
振動を付与して潜熱蓄熱材を凝固させることにより、融
解熱を発生させ、熱回収することを特徴とする蓄熱及び
熱回収方法。潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
熱体を収容しており、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間に
熱媒体を流すことができる空間を有している蓄熱槽に、
前記固体片に超音波振動を与える振動付与手段を敷設
し、前記熱媒体によって潜熱蓄熱材を融解させたのちに
過冷却状態で保持し、前記固体片に振動を付与して潜熱
蓄熱材を凝固させることにより、融解熱を発生させ、発
生した融解熱を前記熱媒体で回収することを特徴とする
蓄熱及び熱回収方法。潜熱蓄熱材及び固体片が封入され
た潜熱蓄熱体を収容しており、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽
との間に熱媒体を流すことができる空間を有している蓄
熱槽に、前記固体片に超音波振動を与える振動付与手段
を敷設し、潜熱蓄熱体と蓄熱槽の間の空間と、熱媒体を
加熱・冷却するための熱交換手段とが開閉手段及び熱媒
体駆動手段を介して連絡されており、この通路に熱媒体
を流して潜熱蓄熱材を融解させたのちに過冷却状態で保
持し、前記固体片に振動を付与して潜熱蓄熱材を凝固さ
せることにより、融解熱を発生させ、潜熱蓄熱体と蓄熱
槽との間の空間と、熱回収設備とを結ぶ連絡路が、開閉
手段と熱媒体駆動手段とを介して連絡されている通路に
熱媒体を流して、潜熱蓄熱材から発生する融解熱を回収
することを特徴とする蓄熱及び熱回収方法。潜熱蓄熱材
及び固体片が封入された潜熱蓄熱体を収容しており、潜
熱蓄熱体と蓄熱槽との間には熱媒体を流すことができる
空間を有している蓄熱槽に、前記固体片に超音波振動を
与える振動付与手段を敷設し、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との
間の空間と、熱媒体を加熱・冷却するための熱交換手段
とが開閉手段及び熱媒体駆動手段を介して連絡されてお
り、この熱媒体循環経路に熱媒体を流して潜熱蓄熱材を
融解させたのちに過冷却状態で保持し、前記循環経路と
は別に、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の空間の一部を経由
させた後に蓄熱槽から熱媒体を排出し、前記循環経路に
開閉手段を介して接続される熱媒体流路に熱媒体を流し
て潜熱蓄熱材を冷却したのちに、固体片に振動を付与し
て潜熱蓄熱材を凝固させることにより、融解熱を発生さ
せ、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の空間と、熱交換手段に
並列に設けられている熱回収設備とを、開閉手段と熱媒
体駆動手段を介して連絡する通路に熱媒体を流して、潜
熱蓄熱材から発生する融解熱を回収することを特徴とす
る蓄熱及び熱回収方法。潜熱蓄熱材に粘性を増加させる
物質を添加して用いることを特徴とする前記記載のいず
れかの蓄熱及び熱回収方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の蓄熱装置の断面図は、図
1に示されている通りである。蓄熱装置には、蓄熱槽1
が設けられており、この蓄熱槽1には、潜熱蓄熱体3が
設置されている。この蓄熱槽1の潜熱蓄熱体3と蓄熱槽
1との間には、熱媒体2を流すことができるように空間
7が形成されている。潜熱蓄熱体3には、潜熱蓄熱材4
及び固体片13が封入されている。
【0009】本発明の蓄熱装置は、この熱媒体2を用い
て潜熱蓄熱材4を加熱融解させ、潜熱蓄熱材から発生し
た熱を回収することができるものである。熱の供給及び
発生した熱の回収を行う装置は以下のように組み立てら
れる。潜熱蓄熱体と蓄熱槽の間の空間7と、熱媒体2を
加熱するための熱交換手段5とが開閉手段10及び熱媒
体駆動手段12を介して連絡される熱媒体流路、及び潜
熱蓄熱体と蓄熱槽の間の空間7と、熱回収設備6を結ぶ
連絡路が開閉手段11と熱媒体駆動手段12を介して連
絡されている熱媒体流路から構成されている。この熱の
供給及び発生した熱の回収装置である熱回収設備6は、
以下のように組み立てられることにより一層合理的に運
転される。蓄熱槽に熱媒体を導入する経路(b)を経て
潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の空間7に導かれ、更に蓄熱
槽から熱媒体を排出する経路(a)を経て、再び蓄熱槽
に熱媒体2を導入する経路からなる熱媒体2の循環経路
に、熱媒体2を加熱・冷却するための熱交換手段5及び
熱回収設備6が並列に設けられ、前記循環経路中に熱媒
体2の流れを調節する開閉手段9、10,11及び熱媒
体駆動手段12が設けられている熱媒体循環経路、及び
この熱媒体循環経路とは別に、潜熱蓄熱体と蓄熱槽の間
の空間を経て蓄熱槽から熱媒体2が排出されて開閉手段
8を介して前記熱媒体循環経路に接続する熱媒体循環経
路から構成されている。
【0010】潜熱蓄熱体3には、潜熱蓄熱材4が充填さ
れている。潜熱蓄積材中には固体片13を存在させてい
る。固体片は、潜熱蓄熱材に対して振動、回転などの運
動により、物理的な刺激を与えることができるものであ
れば、任意の形状のものが使用できる。具体的には、板
状、球状、円筒状、角柱状等任意の形状のものを使用す
ることができる。固体片の材質としては潜熱蓄熱材4に
より腐食されないもので、かつ蓄熱槽1の運用される温
度範囲において相変化しないものであれば差し支えな
い。固体片の材質は、具体的には、金属やセラミック
ス、ガラス、鉱石等の種々の物質から選ぶことができ
る。金属の固体片ではステンレス製の棒状体(rod)
や板状体などが用いられる。固体片は、蓄熱槽及び潜熱
蓄熱体に振動、回転などの運動による刺激が与えられた
ときに、潜熱蓄熱材の中で揺れ動かされることにより、
過冷却の状態にある潜熱蓄熱材を凝固させるものであ
る。潜熱蓄熱体3が複数個の場合、固体片13も蓄熱体
3のそれぞれに封入される。蓄熱槽に接して振動子14
が設けられている。振動子14は蓄熱槽に振動を発生さ
せることにより、潜熱蓄熱体及び潜熱蓄熱材にも振動を
与えることができ、その結果、固体片13を振動させ、
潜熱蓄熱材4の一部を強制的に結晶化させるためのもの
である。
【0011】蓄熱槽1に接して、蓄熱槽1及び潜熱蓄熱
体3に対して超音波振動を与える手段が敷設されてい
る。超音波振動を発生させる手段は、以下の通りであ
る。外部から固体片13に振動を与えるには、超音波の
ような指向性の強い振動を利用すれば、より効果的であ
り、実現することが容易である。すなわち、振動子14
に10kHz程度以上の高周波電力を与え、超音波振動
を発生させると、蓄熱槽1に接して取り付けられている
振動子14が同じ周波数で振動し、その部分に接する蓄
熱槽の内部の熱媒体2を振動させて熱媒体2の中に縦波
を発生させる。高周波電力の周波数は、具体的には24
kHz、43kHz、90kHz、996kHzのもの
などを用いることができる。この縦波は高周波の性質に
より、振動子14直近の潜熱蓄熱体3の壁を振動させ、
その部分の内側に接する潜熱蓄熱材4を振動させて、潜
熱蓄熱材4の中に縦波を発生させる。このようにして、
縦波はほぼ直線状に蓄熱槽から熱媒体2の中を伝わる。
さらに、この縦波も高周波の性質でほぼ直線状に潜熱蓄
熱材4の中を伝わり、やがて、固体片13を振動子14
と同じ周波数で効率良く振動させることができる。
【0012】潜熱蓄熱体3の内部に粘性を増加させる物
質を散在させることにより、潜熱蓄熱材4の耐久性も優
れた蓄熱装置を得ることができる。また、本実施例では
固体片13を潜熱蓄熱体3の下方に描画してあるが、遠
隔からの振動によって振動し、潜熱蓄熱体13との間で
摩擦を発生することができるものであれば、位置や構造
は図3に限定されない。また、本実施例では固体片13
への振動の付与に圧力波を用いる方法を挙げてあるが、
たとえば電場や磁場、引力のように遠隔的に力を及ぼす
ことのできる手段であれば、その形態は限定されない。
【0013】潜熱蓄熱材4は、必要とする温度や過冷却
度に応じて種々の物質を用いることができる。例えば、
りん酸水素二ナトリウム・十二水和物(NaHPO
・12HO)を用いる場合には、融点は約309K
(36℃)であり、凝固開始温度は296K(23℃)
程度である。酢酸ナトリウム三水和物(CHCOOH
Na・3HO)を用いる場合には、融点は約331K
(58℃)であり、凝固開始温度は250K(−23
℃)程度である。 熱媒体は、使用温度範囲において液
体で安定に存在するものであれば用いることができる。
具体的には、水やエチレングリコール等各種アルコール
水溶液、シリコンオイル等を挙げることができる。
【0014】次に、蓄熱操作について説明する。潜熱蓄
熱材4に対して、潜熱蓄熱体3の外側から熱媒体2によ
り加熱を行うと、潜熱蓄熱材4の温度は上昇し、融点に
到達して融解する。潜熱蓄熱材を完全に融解させた後
に、熱媒体による加熱を終えると、高温にある蓄熱槽1
から低温にある蓄熱槽1の周囲環境への熱移動により、
蓄熱槽1すなわち潜熱蓄熱材4の温度は徐々に低下して
行く。潜熱蓄熱材4の温度はやがて融点に到達するが、
過冷却現象により、凝固が直ちに開始されることはな
い。温度はさらに低下を続け、融点よりも低い温度の凝
固開始温度まで液体のまま存在し続ける。潜熱蓄熱材4
は凝固開始温度を下回らないようにすることが必要であ
り、潜熱蓄熱材4が凝固開始温度に達することはないよ
うに、熱操作が行われる。蓄熱した熱を取り出すには、
過冷却の状態にある潜熱蓄熱材に凝固を発生させるよう
にすると、過冷却の状態は壊されて凝固が起こり、その
際に潜熱を放出する。このようにして発生させた潜熱を
熱媒体2と熱交換操作させることにより回収利用する。
【0015】潜熱蓄熱材4には、粘性を増加させる物
質、例えばパルプ、粘土、多糖類、高分子物、木綿等の
繊維、綿、合成高分子からなる不織布やスポンジ等を混
入させることにより、潜熱蓄熱材4の成分が分離するの
を防ぎ、繰り返し過冷却現象が起きるようにすることが
できる。
【0016】本発明の蓄熱操作は、前記潜熱蓄熱材の加
熱(蓄熱)工程と、熱の保存工程、及び前記潜熱蓄熱材
からの熱回収(熱の放出)工程を、順次行うものであ
る。蓄熱工程においては、蓄熱槽1と潜熱蓄熱体3との
間に、熱交換手段を用いて加熱された潜熱蓄熱材4の融
点以上の温度にある熱媒体2を流入させ、移動させるこ
とにより、潜熱蓄熱体3中の潜熱蓄熱材を加熱させる。
具体的な操作は次の通りである。この通路には経路を特
定するための開閉手段である開閉手段(バルブ)及び駆
動手段である熱媒体駆動手段(ポンプ)が設置されてい
る。この経路は、次の通りである。開閉手段(バルブ)
8、11を閉じ、開閉手段(バルブ)9、10を開き、
熱媒体駆動手段(ポンプ)12を動作させる。潜熱蓄熱
材の融解開始温度以上の温度とされた熱媒体2を用い、
連通管b→蓄熱槽1(蓄熱体と蓄熱槽の間の空間7)→
連通管aの順に循環させて、潜熱蓄熱材4を加熱融解さ
せる。
【0017】熱の保存工程では、潜熱蓄熱材の熱は蓄熱
槽を通して外部環境へ移動することとなるため、蓄熱材
の温度は徐々に下降する。蓄熱材の温度が凝固の始まる
温度(凝固開始温度)よりも高く保たれている限り、こ
の過冷却状態は持続され、熱は保存される。蓄熱槽1の
形状や蓄熱槽1を構成する断熱材は、貯蔵期間内に潜熱
蓄熱材4が凝固開始温度を下回らないように設計されて
いるため、潜熱蓄熱材4の温度は融点を下回り、凝固開
始温度に近づいて行くが、貯蔵期間内に凝固を開始し、
結晶化することはない。
【0018】熱回収過程においては、熱の保存過程にお
いて融点以下の温度に自然冷却されている潜熱蓄熱材4
の中に置かれた固体片13を振動付与手段により振動さ
せて、結晶を発生させ、これを核として(凝固を誘発さ
せるようにして)潜熱蓄熱体全体に凝固を起こさせて、
融解熱を発生させる。具体的な操作は次の通りである。
熱の保存過程において蓄熱槽1の中に静かに置かれてい
る潜熱蓄熱材4と熱媒体2は、自然冷却により温度が低
下するが、熱媒体2は蓄熱槽1の壁近傍から冷却される
ことになるので、蓄熱槽1の壁に近い熱媒体2ほど、温
度が低くなる。このため、熱媒体2の密度差と重力によ
る微弱な対流が発生し、蓄熱槽1の中でより下方にある
熱媒体2ほど低い温度となっている。したがって、熱媒
体2と接する潜熱蓄熱体3は、潜熱蓄熱体3の中でより
下方にある潜熱蓄熱材4ほど低い温度、すなわち凝固開
始温度により近い温度になっており、凝固しやすい条件
にある。熱の回収過程においては、まず蓄熱槽1に取り
付けられた振動付与手段により、振動する運動あるいは
電気力あるいは磁力を発生させる。蓄熱槽1に振動する
運動が与えられると、その運動は熱媒体2→潜熱蓄熱体
3の壁→潜熱蓄熱材4の順序で伝搬し、最後は固体片1
3を振動させる。あるいは、固体片13を金属製とし、
蓄熱槽1に振動する電気力が与えられると、その力は固
体片に伝搬し、振動させる。あるいは、固体片13を磁
性体とし、蓄熱槽1に振動する磁力が与えられると、そ
の力は固体片に伝搬し、振動させる。固体片13は潜熱
蓄熱材4の中で、上述のような凝固しやすい条件にある
部分に置かれているので、課題を解決する手段で述べた
ように、固体片13の振動は潜熱蓄熱材4の凝固を容易
に誘発させることができる。凝固の誘発によるごく微小
な結晶が核となって、結晶は成長し、大部分の領域を占
める領域に存在する潜熱蓄熱体3の潜熱蓄熱材4へと進
展する。凝固が開始されると、上記の過冷却の状態が破
られ、潜熱蓄熱材4の温度は融点まで上昇し、発生した
熱は熱媒体2により回収される。自然冷却により、熱の
回収を行う時点で、潜熱蓄熱材4の温度が融点よりも十
分に低くかつ凝固開始温度よりも高い温度になるように
蓄熱槽1は設計されているが、何らかの外乱により潜熱
蓄熱材4の温度が依然として融点よりも高い場合、ある
いは融点より僅かに低い場合には、熱の放出過程の凝固
の誘発は以下のような操作により行う。この工程の経路
には、開閉手段(バルブ)及び熱媒体駆動手段(ポン
プ)が設置されている。潜熱蓄熱材4の温度が融点より
も高い場合には、凝固を開始させる前に開閉手段(バル
ブ)8、10を閉じ、開閉手段(バルブ)9、11を開
け、熱媒体駆動手段(ポンプ)12を動作させる。熱回
収設備6で熱を回収することで低い温度になった熱媒体
7を、潜熱蓄熱材4の温度が融点よりも低くなるまで、
連通管b→蓄熱槽1→連通管aの経路で循環させる。潜
熱蓄熱材4の温度が融点よりも僅かに低い場合、および
上述の方法で融点よりも低い温度になるまで熱回収設備
6で熱回収を行った場合には、開閉手段(バルブ)8、
10を開け、開閉手段(バルブ)9、11を閉じ、熱媒
体駆動手段(ポンプ)12を動作させる。熱交換手段で
凝固開始点に近い温度とされた熱媒体2を、連通管b→
蓄熱槽1→連通管cの経路で循環させる。
【0019】このようにして、潜熱蓄熱材4のうち固体
片13のある部分の温度だけを凝固しやすい温度まで低
下させ、次に振動子14で固体片13を振動させて、凝
固を誘発させる。残りの潜熱蓄熱材4は、凝固開始温度
まで温度が降下しなくとも、前述したように発生した微
小な結晶が核となって、潜熱蓄熱材4全体に結晶化の動
きが波及することにより凝固が起こる。凝固が開始され
ると、貯蔵していた融解熱によって蓄熱材の温度が融点
あるいは融点近くまで上昇する。次に、開閉手段(バル
ブ)8、10を閉じ、開閉手段(バルブ)9、11を開
け、熱媒体駆動手段(ポンプ)12を動作させて熱媒体
2を流す。熱媒体2を、連通管b→蓄熱槽1→連通管a
の経路で流すことにより、潜熱蓄熱材4の融点あるいは
融点に近い温度となった熱は熱媒体2で回収される。回
収された熱は、熱回収設備6に流され、熱交換させるこ
とにより熱利用される。
【0020】蓄熱槽1の形状や蓄熱槽1を構成する断熱
材を適切に設計することにより、潜熱蓄熱材4の温度が
凝固開始温度を下回らないようにしたが、蓄熱期間内に
熱交換手段5を動作させ、蓄熱槽1に熱を注入すること
により、潜熱蓄熱材4の温度が凝固開始温度を下回らな
いにすることもできる。このような場合は、外部環境の
急変や何らかの事情で潜熱蓄熱材4が凝固開始温度を下
回りそうなときに有効である。また、本発明では、蓄熱
槽1の形状を円筒とし、潜熱蓄熱体3を蓄熱槽1の長手
方向に縦置きに配列してあるが、蓄熱槽1が球体や直方
体であったり、固体片13の位置が下方以外の位置にあ
っても機能的な問題はない。すなわち、蓄熱槽1、潜熱
蓄熱体3の形状、および固体片13の位置関係は、任意
に設定することが可能である。
【0021】
【実施例】実施例1 図1に示される蓄熱装置及びその装置を用いた熱回収方
法を行った。図において、1は蓄熱槽、3は潜熱蓄熱
体、4は潜熱蓄熱体中に充填されている潜熱蓄熱材であ
る。13は、潜熱蓄熱材4の内部に封入される固体片で
ある。潜熱蓄熱材には、リン酸水素二ナトリウム・十二
水和物(NaHPO・12HO)(融点、約30
9K(36℃)。凝固開始温度、296K(23℃)程
度。)を用いた。潜熱蓄熱体3にはガラス、固体片13
にはステンレス鋼の釘を用いた。振動子14は圧電素子
を用いた。 潜熱蓄熱材の蓄熱工程 開閉手段(バルブ)8、11を閉じ、開閉手段(バル
ブ)9、10を開き、熱媒体駆動手段(ポンプ)12を
動作させた。潜熱蓄熱材4の融点より高い温度(40
℃)の熱媒体(水)を、連通管b→蓄熱槽1→連通管a
の順に循環させ、潜熱蓄熱材4を加熱し、融解させた。 熱の保存工程 外部環境の影響を受けて潜熱蓄熱材4の温度は徐々に低
下し、やがて潜熱蓄熱材の融点に到達するが、過冷却現
象のために凝固は開始されなかった。潜熱蓄熱材4の温
度はさらに低下し、融点よりも低い温度になるが、液体
のまま存在することができた。 熱の回収工程 振動子14に24kHzの高周波電流を流して蓄熱槽1
の外壁を振動させた。振動波は熱媒体2→潜熱蓄熱体3
の壁→潜熱蓄熱材4→固体片13へと順々に伝播した。
固体片13が潜熱蓄熱体3の内壁を摺動することによ
り、潜熱蓄熱材4に結晶核が発生し、潜熱蓄熱材4全体
に凝固が進展した。凝固が開始されると、貯蔵していた
融解熱によって蓄熱材の温度が融点あるいは融点近くに
回復し、開閉手段(バルブ)8、10を閉じ、開閉手段
(バルブ)9、11を開け、熱媒体駆動手段(ポンプ)
12を動作させることにより、蓄熱材4の融点あるいは
融点に近い温度の熱媒体2から熱を回収した。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、超音波振動を用いて潜
熱蓄熱材を結晶化(固相化)させるきっかけとなる刺激
を、潜熱蓄熱材中に存在させた固体片を介して、過冷却
の状態にある潜熱蓄熱材に与えることにより行うことが
でき、その際に発生する融解熱を回収することにより蓄
熱することができる蓄熱装置及びその蓄熱装置を用いた
熱回収方法が得られる。すなわち、潜熱蓄熱材の温度を
結晶化の必要な温度まで低下させることなく結晶化のき
っかけを得ることができるので、貯蔵した熱をより多く
回収することが可能になる。また、本発明の蓄熱装置の
蓄熱体内部に粘性を増加させる物質を添加することによ
って、固体片による結晶化のきっかけの機能を維持した
まま、蓄熱材の相分離を防止することができ、したがっ
て繰り返し安定した過冷却現象を起こさせることができ
る。しかも、熱交換手段を用いて蓄熱材の温度が凝固開
始温度を下回らないようにすることができ、蓄熱期間や
環境温度が外乱によって予定外に変動しても、不必要な
結晶化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における蓄熱装置のフローシートであ
る。
【図2】従来の蓄熱装置の断面図である。
【符号の説明】
1 蓄熱槽 2 熱媒体 3 潜熱蓄熱体 4 潜熱蓄熱材 5 熱交換手段 6 熱回収設備 7 蓄熱体と蓄熱槽の間の空間 8〜11 開閉手段(バルブ) 12 熱媒体駆動手段(ポンプ) 13 固体片 14 振動子

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
    熱体が収容され、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間には熱
    媒体を流すことができる空間が設けられており、前記固
    体片に超音波振動を与える振動付与手段が敷設されてい
    ることからなることを特徴とする蓄熱槽。
  2. 【請求項2】潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
    熱体を収容しており、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽の間に熱
    媒体を流すことができる空間を有している蓄熱槽、前記
    蓄熱槽に敷設されている前記固体片に超音波振動を与え
    る振動付与手段、前記空間に満たされた熱媒体、前記熱
    媒体を加熱・冷却するための熱交換手段、及び前記熱媒
    体から熱を回収する熱回収手段を有することを特徴とす
    る蓄熱装置。
  3. 【請求項3】潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
    熱体を収容しており、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間に
    熱媒体を流すことができる空間を有している蓄熱槽、前
    記蓄熱槽に敷設されている前記固体片に超音波振動を与
    える振動付与手段、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の空
    間と、熱媒体を加熱・冷却するための熱交換手段とが開
    閉手段及び熱媒体駆動手段を介して連絡されている熱媒
    体流路、及び前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の空間と、
    熱回収設備とを結ぶ連絡路が、開閉手段と熱媒体駆動手
    段を介して連絡されている熱媒体流路からなることを特
    徴とする蓄熱装置。
  4. 【請求項4】潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
    熱体及び潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間に熱媒体を流すこと
    ができる空間を有している蓄熱槽、蓄熱槽に敷設されて
    いる前記固体片に超音波振動を与える振動付与手段、前
    記熱媒体を前記蓄熱槽に導入し、潜熱蓄熱体と蓄熱槽と
    の間の空間を経由させたのちに蓄熱槽から排出して、再
    び蓄熱槽に導入するに至る熱媒体循環経路に、熱媒体を
    加熱・冷却するための熱交換手段及び熱回収設備が並列
    に設置され、前記循環経路中には熱媒体の流れを調節す
    る開閉手段及び熱媒体駆動手段が設けられており、さら
    に前記循環経路とは別に、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の
    空間の一部を経由させたのちに蓄熱槽から熱媒体を排出
    し、前記循環経路に接続される熱媒体流路が、開閉手段
    を介して設けられていることを特徴とする蓄熱装置。
  5. 【請求項5】潜熱蓄熱材に粘性を増加させる物質が添加
    されていることを特徴とする請求項1乃至4記載のいず
    れかである蓄熱装置。
  6. 【請求項6】潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
    熱体を収容する蓄熱槽に、前記固体片に振動を与える振
    動付与手段を敷設し、前記潜熱蓄熱材を融解させたのち
    に過冷却状態で保持し、前記固体片に振動を付与して潜
    熱蓄熱材を凝固させることにより、融解熱を発生させ、
    熱回収することを特徴とする蓄熱及び熱回収方法。
  7. 【請求項7】潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
    熱体を収容しており、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間に
    熱媒体を流すことができる空間を有している蓄熱槽に、
    前記固体片に超音波振動を与える振動付与手段を敷設
    し、前記熱媒体によって潜熱蓄熱材を融解させたのちに
    過冷却状態で保持し、前記固体片に振動を付与して潜熱
    蓄熱材を凝固させることにより、融解熱を発生させ、発
    生した融解熱を前記熱媒体で回収することを特徴とする
    蓄熱及び熱回収方法。
  8. 【請求項8】潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
    熱体を収容しており、前記潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間に
    熱媒体を流すことができる空間を有している蓄熱槽に、
    前記固体片に超音波振動を与える振動付与手段を敷設
    し、潜熱蓄熱体と蓄熱槽の間の空間と、熱媒体を加熱・
    冷却するための熱交換手段とが開閉手段及び熱媒体駆動
    手段を介して連絡されており、この通路に熱媒体を流し
    て潜熱蓄熱材を融解させたのちに過冷却状態で保持し、
    前記固体片に振動を付与して潜熱蓄熱材を凝固させるこ
    とにより、融解熱を発生させ、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との
    間の空間と、熱回収設備とを結ぶ連絡路が、開閉手段と
    熱媒体駆動手段とを介して連絡されている通路に熱媒体
    を流して、潜熱蓄熱材から発生する融解熱を回収するこ
    とを特徴とする蓄熱及び熱回収方法。
  9. 【請求項9】潜熱蓄熱材及び固体片が封入された潜熱蓄
    熱体を収容しており、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間には熱
    媒体を流すことができる空間を有している蓄熱槽に、前
    記固体片に超音波振動を与える振動付与手段を敷設し、
    潜熱蓄熱体と蓄熱槽との間の空間と、熱媒体を加熱・冷
    却するための熱交換手段とが開閉手段及び熱媒体駆動手
    段を介して連絡されており、この熱媒体循環経路に熱媒
    体を流して潜熱蓄熱材を融解させたのちに過冷却状態で
    保持し、前記循環経路とは別に、潜熱蓄熱体と蓄熱槽と
    の間の空間の一部を経由させた後に蓄熱槽から熱媒体を
    排出し、前記循環経路に開閉手段を介して接続される熱
    媒体流路に熱媒体を流して潜熱蓄熱材を冷却したのち
    に、固体片に振動を付与して潜熱蓄熱材を凝固させるこ
    とにより、融解熱を発生させ、潜熱蓄熱体と蓄熱槽との
    間の空間と、熱交換手段に並列に設けられている熱回収
    設備とを、開閉手段と熱媒体駆動手段を介して連絡する
    通路に熱媒体を流して、潜熱蓄熱材から発生する融解熱
    を回収することを特徴とする蓄熱及び熱回収方法。
  10. 【請求項10】潜熱蓄熱材に粘性を増加させる物質を添
    加して用いることを特徴とする請求項6乃至9いずれか
    記載の蓄熱及び熱回収方法。
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