JP3471688B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、捲回型の電極体
を備えたリチウム二次電池に関し、より詳しくは、内部
抵抗を小さく保ちつつ、個々の特性ばらつきを小さく抑
え、使用時の巻きずれ等の発生による特性劣化を防止し
た信頼性に優れる捲回型電極体を備えたリチウム二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、リチウム二次電池は、携帯電
話、VTR、ノート型コンピュータ等の携帯型電子機器
の電源用電池として、広く用いられるようになってきて
いる。また、リチウム二次電池は、単電池電圧が4V程
度と、従来の鉛蓄電池等の二次電池よりも高く、しかも
エネルギー密度が大きいことから、前記携帯型電子機器
のみならず、最近の環境問題を背景に、低公害車として
積極的に一般への普及が図られている電気自動車(E
V)或いはハイブリッド電気自動車(HEV)のモータ
駆動電源としても注目を集めている。
【0003】 リチウム二次電池は、一般的に、正極活
物質にリチウム遷移金属複合酸化物が、負極活物質に炭
素質材料が、電解液にLiイオン電解質を有機溶媒に溶
解した有機電解液が用いられ、電池反応を行う部分であ
る電極体としては、サンドイッチ型、捲回型、積層型と
いった種々の形態のものがある。
【0004】 これらの中で、EV・HEV等に好適に
用いられる比較的容量の大きいリチウム二次電池におい
ては、電極体として、図1に示すように、集電用タブ
(リード線として機能する。以下、「タブ」という。)
5・6(正極用タブ5、負極用タブ6)が取り付けられ
た正負各電極板2・3(正極板2、負極板3)を、互い
に接触しないように、間にセパレータ4を介しつつ、巻
芯13の外周に捲回してなる捲回型電極体(以下、「捲
回体」という。)1が好適に用いられる。
【0005】 電極板2・3は、金属箔等の集電基板の
両表面に電極活物質(正極活物質と負極活物質の両方を
指す。)層を形成したものであり、タブ5・6は、電極
板2・3及びセパレータ4を巻芯13周りに巻き取る作
業中に、超音波溶接等の手段を用いて、電極板2・3の
端部の金属箔を露出させた部分に所定間隔で取り付ける
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 さて、捲回体1を用
いたEV・HEV用のリチウム二次電池では、加速時や
登坂時に大きなパワーを必要とすることから、電池の内
部抵抗をいかに小さく抑えて、大電流の放電を可能とす
るかが1つの重要な課題となる。
【0007】 ここで、リチウム二次電池の内部抵抗の
大きさは、捲回体1の状態に大きく依存する。例えば、
捲回体作製時の各部材の巻き締めが弱く、正極板2と負
極板3との間隔が広くなった場合には、Liイオンの移
動行路が長くなり、その結果、電気抵抗が大きくなると
いう問題を生ずる。また、この場合には使用によって電
極板2・3にずれが生じて電極活物質層が対向しない部
分が生じ、これによって内部抵抗の増大のみならず電極
板2・3どうしの接触による内部短絡を引き起こす危険
性が高くなるという問題も生ずる。
【0008】 一方、捲回体作製時の各部材の巻き締め
が強過ぎる場合には、捲回作業時に過度のテンションに
よって電極板が裂ける等して製造歩留まりが低下すると
いった問題が生じ、また、電極板2・3やセパレータ4
が圧し潰されて気孔が減少し、非水電解液の充填、含浸
が行い難くなり、また、Liイオンの移動が阻害され易
くなるといった問題を生ずる。
【0009】 ところで、EV・HEVのモータ駆動に
は、100〜300Vといった電圧が要求されることか
ら、複数の単電池を直列に接続してモジュールとして用
いる必要もある。この場合、各単電池には、同じ大きさ
の電流が流れることとなるため、単電池毎の抵抗のばら
つきが大きい場合には、抵抗の大きい電池が発熱して機
能しなくなり、結果的にモジュール全体が機能しなくな
るといった事態を招くおそれがある。
【0010】 従って、単電池毎の抵抗のばらつきを抑
えること、換言すれば、電極体の抵抗のばらつきを抑え
ることもまた、極めて重要な課題となる。なお、EV用
等に限定されず、電池の内部抵抗を低減することは、充
放電効率やサイクル特性を良好に維持する点からも重要
な課題であることはいうまでもない。
【0011】 本発明は、上述した従来技術の問題点に
鑑みて、捲回体の巻き締め状態に依存する硬さと、内部
抵抗との関係に着目してなされたものであり、その目的
とするところは、特に内部抵抗を小さく保ちつつ、個々
のばらつきが所定の範囲に納められた捲回体を備えたリ
チウム二次電池を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、集電基板表面に極活物質層及び負極活物質層を形
成してなる正極板及び負極板をセパレータを介して捲回
してなる電極体を備え、非水電解液を用いたリチウム二
次電池であって、前記電極体の径方向に圧縮荷重を加え
た場合における初期弾性歪みが2%以下で、内部抵抗が
3mΩ未満で、かつ電池容量が2Ah以上であることを
特徴とするリチウム二次電池、が提供される。
【0013】 ここで、正極板としては、集電基板とし
てアルミニウム箔を用い、正極活物質として立方晶スピ
ネル構造を有するマンガン酸リチウムを用いてなるもの
が好適に用いられる。なお、マンガン酸リチウムにおけ
るLi/Mn比は、0.5超であることが好ましい。
【0014】 一方、負極板としては、集電基板として
銅箔を用い、負極活物質として高黒鉛化炭素繊維を用い
てなるものが好適に用いられる。また、本発明のリチウ
ム二次電池は、電気自動車又はハイブリッド電気自動車
の電源、特にはモータ駆動用電源として、好適に用いる
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明するが、本発明が以下の実
施の形態に限定されるものでないことはいうまでもな
い。本発明のリチウム二次電池は、集電基板表面に電極
活物質層を形成してなる正負各電極板をセパレータを介
して捲回してなる電極体を備え、非水電解液を用いたも
のである。
【0016】 つまり本発明のリチウム二次電池は、先
に図1に示したように、集電用タブ(タブ)5・6が複
数取り付けられた電極板(正極板2、負極板3)2・3
をセパレータ4を介して巻芯13の外周に捲回してなる
捲回型電極体(捲回体)1を備えたものである。
【0017】 正極板2は集電基板の両面に正極活物質
を塗工して、正極活物質層を形成することによって作製
される。集電基板としては、アルミニウム箔やチタン箔
等の正極電気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属
箔が好適に用いられる。なお、箔の代わりにパンチング
メタル或いはメッシュ(網)を用いることもできる
【0018】 いずれの形態の集電基板を用いた場合で
あっても、その厚み、パンチングにより切除された部分
の形状や面積、メッシュの孔の大きさ等によっては、捲
回作業時のテンションや圧力を十分に印加することがで
きなくなる場合が起こり得、このときには所定の初期弾
性歪みが得られなくなるおそれがある。
【0019】 そこで、本発明に規定する捲回体の初期
弾性歪みは、基本的に集電基板の形態や材質に影響され
ないものであるが、捲回体の初期弾性歪みを所定の範囲
に納めることができるように、集電基板の形態を選択す
る必要がある。なお、捲回体の初期弾性歪みについて
は、後に詳述する。
【0020】 正極活物質としては、コバルト酸リチウ
ム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNi
2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)等のリチ
ウム遷移金属複合酸化物を用いることができるが、本発
明においては、特に、立方晶スピネル構造を有するマン
ガン酸リチウム(以下、「マンガン酸リチウムスピネ
ル」と記す。)が用いられ、他の正極活物質を用いた場
合と比較して、正極活物質層の抵抗を小さくすることが
でき、大出力用の電池として特に好ましい特性を有す
る。
【0021】 なお、マンガン酸リチウムスピネルは、
このような化学量論組成(ストイキオメトリー組成)の
ものに限定されるものではなく、Mnの一部を1以上の
他の元素で置換した、一般式LiMXMn2-X4(Mは
置換元素、Xは置換量を表す。)で表されるスピネルも
好適に用いられる。このような元素置換を行ったマンガ
ン酸リチウムスピネルにおいては、Li/Mn比が0.
5超となる。
【0022】 置換元素Mとしては、以下、元素記号で
列記するが、Li、Fe、Mn、Ni、Mg、Zn、
B、Al、Co、Cr、Si、Ti、Sn、P、V、S
b、Nb、Ta、Mo、Wを挙げることができ、理論
上、Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+
2価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、S
nは+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、M
o、Wは+6価のイオンとなり、LiMn24中に固溶
する元素である。但し、Co、Snについては+2価の
場合、Fe、Sb及びTiについては+3価の場合、M
nについては+3価、+4価の場合、Crについては+
4価、+6価の場合もありえる。
【0023】 従って、各種の置換元素Mは混合原子価
を有する状態で存在する場合があり、また、酸素の量に
ついては、必ずしもストイキオメトリー組成で表される
ように4であることを必要とせず、結晶構造を維持する
ための範囲内で欠損して、或いは過剰に存在していても
構わない。
【0024】 これら各種の正極活物質の集電基板(金
属箔)への塗工は、正極活物質粉末に溶剤やバインダ等
を添加して作製したスラリー或いはペースト(以下、
「スラリー等」という。)を、ロールコータ法等を用い
て、集電基板に塗布・乾燥することで行われる。なお、
正極活物質層の形成に当たっては、これら正極活物質粉
末にアセチレンブラック或いはカーボンブラック等の炭
素微粉末が導電助材として加えられる。
【0025】 形成された正極活物質層の組成は、10
0重量部のマンガン酸リチウムスピネルに対して、炭素
微粉末1〜10重量部、有機物1〜10重量部からなる
ことが好ましい。炭素微粉末は1重量部以下では抵抗低
減の効果を奏さず、一方、10重量部超ではスラリー等
の作製が困難となることや、スラリー等の作製に当たっ
て添加するバインダ量を極端に多くしなければならず、
返って抵抗の増大を招くことになる等の問題を生ずる。
【0026】 また、有機物の量は、ほぼバインダの量
に等しいが、スラリー等を作製したときに使用した有機
溶剤が正極活物質に吸着して残留した分やバインダと結
合しているものをも含むものである。有機物(主にバイ
ンダ)が1重量部以下では正極活物質層に十分な強度、
可撓性が得られず、一方、有機物(主にバインダ)は絶
縁体であることから、10重量部以上では正極活物質層
の抵抗を増大させる問題がある。
【0027】 負極板3は、正極板2と同様にして作製
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
又はニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕性が
良好な金属箔が好適に用いられる。勿論、パンチングメ
タルやメッシュを用いてもよい。負極活物質としては、
ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス
系炭素質材料や、人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化炭素
質粉末が用いられる。このうち、本発明においては、内
部抵抗の低抵抗化のために高黒鉛化炭素繊維が好適に用
いられる。
【0028】 セパレータ4としては、マイクロポアを
有するLiイオン透過性のポリエチレンフィルム(PE
フィルム)を、多孔性のLiイオン透過性のポリプロピ
レンフィルム(PPフィルム)で挟んだ3層構造とした
ものが好適に用いられる。これは、捲回体の温度が上昇
した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイ
クロポアが潰れ、Liイオンの移動即ち電池反応を抑制
する安全機構を兼ねたものである。そして、このPEフ
ィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持するこ
とによって、PEフィルムが軟化した場合においても、
PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板3の接
触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確
保が可能となる。
【0029】 この電極板2・3とセパレータ4を巻芯
13周りに捲回する作業の際に、電極板2・3において
電極活物質の塗工されていない集電基板が露出した部分
に、タブ5・6がそれぞれ取り付けられる。つまり、電
極板2・3は、集電基材の幅方向の少なくとも一端に活
物質層が形成されていないストライプ構造とすることが
好ましい。なお、巻芯13は、金属、樹脂、セラミック
等種々の材質のものを用いることができ、導電性材料を
用いる場合には、電極板2・3との絶縁を確保しなけれ
ばならない。
【0030】 タブ5・6としては、それぞれの電極板
2・3の集電基板と同じ材質からなる箔状のものが好適
に用いられる。タブ5・6の電極板2・3への取り付け
は、超音波溶接やスポット溶接等を用いて行うことがで
きる。このとき、図1に示されるように、捲回体1の一
端面に一方の電極のタブが配置されるようにタブ5・6
をそれぞれ取り付けると、タブ5・6間の接触を防止す
ることができ、好ましい。
【0031】 電池の組立に当たっては、先ず、電流を
外部に取り出すための正負極端子とタブ5・6との導通
をそれぞれ確保しつつ、作製された捲回体1を電池ケー
スに挿入して安定な位置にホールドする。その後、非水
電解液を含浸させた後に、電池ケースを封止することで
電池を作製することができる。本発明において、電池ケ
ースの形状や構造、或いは捲回体1におけるタブ5・6
と正負極端子との接続の形態には何ら制限がないことは
いうまでもない。
【0032】 非水電解液としては、六フッ化リン酸リ
チウム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiB
4)等のリチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸
リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲン化
物等から選ばれた1種類又は2種類以上の電解質を、エ
チレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート
(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピ
レンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系溶媒
やγ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニ
トリル等の単独溶媒又は混合溶媒に溶解してなるものが
好適に用いられる。
【0033】 さて、上述の通りにして、捲回体1を備
えたリチウム二次電池が作製されるが、本発明では、捲
回体1として、その径方向に圧縮荷重を加えた場合にお
ける初期弾性歪みが2%以下であるものが用いられる。
この条件を満足する捲回体1では、後述する実施例に示
すように、内部抵抗が小さく、しかも一定に抑えられる
ことから、単電池毎の特性ばらつきが小さく、しかも低
内部抵抗の電池を効率よく作製することが可能となる。
【0034】 図2は、捲回体1に圧縮荷重をかける場
合の捲回体1の変形の様子を示す説明図である。捲回体
1の通常の状態における直径をR(mm)とし、その上
部から捲回体1の上側面に接するように板状体10を当
てて荷重をかけると、捲回体1はその短径がR−Dとな
るように略楕円状に変形する。ここでDは変形量を示
す。そこで、捲回体1の圧縮歪みをD/Rで定義する
と、このときの圧縮荷重の大きさと圧縮歪みとの関係は
一般的に図3のように示される。
【0035】 図3中の曲線A〜Cは、それぞれ異なる
捲回体A〜Cについての圧縮荷重の大きさと圧縮歪みと
の関係を示したものであり、曲線A〜Cにおいて、共通
して圧縮荷重が小さい場合には、圧縮荷重の範囲は異な
るものの、圧縮荷重の増加に伴う圧縮歪みの変化割合、
即ち勾配が大きくなっている。このような圧縮歪み(以
下、「初期弾性歪み」という。)の変化は、主に捲回体
内における電極板やセパレータといった各部材間の微小
な隙間や、厚みの不均一性によって生じた微小空間が潰
されることにより起こる弾性変形であり、主に捲回作業
時のテンションや加圧の大きさに依存して発生するもの
である。従って、初期弾性変形は、捲回体を構成する各
部材の材料に違いによる影響は殆どないと考えることが
できる。
【0036】 その後、圧縮荷重を徐々に大きくしてい
くと、曲線A〜Cは、それぞれが異なった圧縮荷重値F
a〜Fcにおいて勾配が小さくなるように屈曲し、その
後は一定の小さい勾配で、圧縮荷重の増加と共に圧縮歪
みが増加するように変化する。この場合における圧縮歪
み(以下、「物性弾性歪み」という。)の変化は、捲回
体を構成する部材間の隙間が既に潰されて各部材が密着
した状態からの圧縮による弾性変形であり、主に電極活
物質層やセパレータが有する弾性、即ち、捲回体1の構
成部材自体が有する物性に起因している。従って、曲線
A〜Cのそれぞれの圧縮荷重値Fa〜Fc以上での勾配
はほぼ等しくなっている。
【0037】 なお、図3においては、屈曲点(変曲
点)Fa〜Fc近傍は緩やかな曲線を描いており、その
前後では略直線的な変化を示している。従って、屈曲点
Fa〜Fcの値が不明瞭である場合には、初期弾性歪み
を示す直線と物性弾性歪みを示す直線との交点が示す圧
縮荷重の値で、屈曲点の値を定めることができる。
【0038】 上述の通り、本発明における「初期弾性
歪み」とは、「圧縮荷重を加え始めてから、圧縮荷重/
圧縮歪み曲線が屈曲点に達するまでの圧縮歪み」をい
い、従って、初期弾性歪みの値、つまり屈曲点における
圧縮歪みが2%以下のときには、捲回体はその内部抵抗
は小さくなるように作製されていることとなる。また、
前述したように、圧縮荷重/圧縮歪み曲線が屈曲点に達
するまでの初期弾性歪みは、捲回体を構成する材料の物
性には殆ど依存しないことから、本発明は捲回体を構成
する材料に限定されるものではない。
【0039】 図3においては、屈曲点Fa・Fbは圧
縮歪みが2%以下の範囲にあるので、このような屈曲点
Fa・Fbを有する捲回体A・Bは本発明の条件を満足
する。一方、屈曲点Fcは圧縮歪みが2%超の範囲にあ
ることから、屈曲点Fcを有する捲回体Cは、本発明の
条件を満足しないこととなる。
【0040】 なお、屈曲点Fcを有する捲回体Cで
は、捲回体内に多くの隙間が存在することとなるため、
捲回体の内部抵抗が大きくなり、また、経時的な使用に
よって巻きずれを引き起こす可能性もあり、好ましいも
のではない。
【0041】 一方、圧縮荷重が0N(ゼロ ニュート
ン)のときが圧縮荷重/圧縮歪み曲線の屈曲点となる捲
回体は、理想的に電極板やセパレータが隙間なく捲回さ
れた状態であるが、現実の問題として、そのような特性
を有する捲回体の作製は困難である。また、捲回体の内
部抵抗を小さく抑える観点からは、そのような理想的な
捲回体を作製する必要もない。実際には、初期弾性歪み
が0.3%以上2%以下であれば、十分に小さい内部抵
抗特性が得られる。
【0042】 なお、上述した初期弾性歪みが2%以下
であるという本発明の条件を満足する捲回体は、集電基
板表面に電極活物質層を形成した後、ロールプレス等に
よるプレス処理を行って、電極活物質層の嵩密度を高
め、続いて、電極板びセパレータを巻き取って捲回体を
作製する際には、所定の圧力が掛かるようにテンション
をかけるのみならず、必要に応じて、電極板とセパレー
タが巻芯と加圧ローラによって挟み込まれるように、強
制的により大きな圧力を印加することで、作製すること
ができる。電極板のロールプレス等のプレス処理に当た
っては、電極活物質層の嵩密度を上げると共に、同時
に、非水電解液が十分に電極活物質層内に含浸する程度
の気孔率を確保することが必要である。
【0043】 上述の通り、捲回体における圧縮荷重と
圧縮歪みとの関係を求めることにより、捲回体の捲回状
態を判断するすることが可能となり、更に、捲回体の内
部抵抗と関連付けて捲回体の品質を知ることが可能とな
る。
【0044】 本発明の条件を満足する捲回体を用いて
なるリチウム二次電池は、捲回体の有する低内部抵抗性
と、特性の均一性を考慮して、大電流の放電を頻繁に行
い、かつ、直列に接続して用いられる用途、具体的に
は、電気自動車又はハイブリッド電気自動車の電源、特
にモータ駆動用電源電池として、好ましい特性を示す。
本発明電池容量は、2Ah以上である
【0045】 ところで、特開平9−73921号公報
には、捲回体をデュロメータD硬さで規定した発明が開
示されている。このデュロメータD硬さは、前述した物
性弾性歪みが観察される領域において測定されるもの、
つまり使用する材料に依存するパラメータであり、しか
も、同公報には前述した初期弾性歪みを考慮する旨の記
載はなく、また、示唆もされていない。つまり、本発明
は同公報に開示の発明とはその内容を異とし、また、本
発明が公報から容易になしえたものでないことは明らか
である。
【0046】 次に、本発明の実施例について説明する
が、上述した本発明の趣旨から、本発明が以下の実施例
に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0047】
【実施例】 マンガン酸リチウムスピネルを正極活物質
とし、これに導電助剤としてアセチレンブラックを外比
で4重量%ほど添加したものに、更に溶剤、バインダを
加えて作製した正極材料スラリーを、厚さ20μmのア
ルミニウム箔の両面にそれぞれ約100μmの厚みとな
るように塗工して正極板を作製した。これと同様の方法
を用いて、高黒鉛化炭素繊維粉末を負極活物質として作
製したスラリーを用い、厚さ10μmの銅箔の両面にそ
れぞれ約80μmの厚みとなるように塗工して負極板を
作製した。セパレータとして前述したPP/PE/PP
フィルムの3層構造のものを用いて、捲回時の各部材の
テンションを変え、また、必要に応じて加圧ローラを用
いてその印加圧力を変えて、種々の捲回状態を有する捲
回体を作製した。捲回体の形状は100mm×約50m
mφであり、捲回体によって直径には微小に差が生じて
いた。
【0048】 作製した捲回体については、先ず、オー
トグラフを用い、先に図2に示した方法で、徐々に圧縮
荷重をかけ、このときの捲回体の荷重方向の径の変化を
測定することで、図3と同様の圧縮荷重/圧縮歪み曲線
を個々に求めた。なお、本測定は基本的に破壊検査であ
ることから、試験後の捲回体は電池の作製には使用する
ことができない。一方、作製条件を一定として作製され
た複数の捲回体は、基本的に同等の特性を示すことが確
認されている。従って、測定された圧縮荷重/圧縮歪み
曲線は、同一条件で作製された捲回体の有する代表値と
みなすことができる。
【0049】 そこで、次に、同一条件で作製した別の
捲回体(同ロットの捲回体)を電池ケースに収容して、
非水電解液を充填し、電池ケースを封止することで電池
を作製した。なお、非水電解液としてはECとDECの
等容量混合溶媒に電解質としてのLiPF6が1mol
/lの濃度となるように溶解した溶液を用いた。
【0050】 作製した電池を定電流−定電圧充電した
ところ、初回充電後の電池容量は全て約10Ahであっ
た。作製した電池の内部抵抗は、初回充電後の充電後の
電圧と、最初の放電開始直後での電圧差を、放電電流の
大きさで除することにより求めた。
【0051】 試験結果を図4に示す。図4は、作製し
た捲回体の初期弾性歪みと電池の内部抵抗との関係を示
したものであり、初期弾性歪みが2%以下の場合には、
内部抵抗はほぼ一定であり、しかも3mΩ未満の小さな
値に抑えられていることがわかる。一方、初期弾性歪み
が2%超では急激に内部抵抗が増大することが確認され
た。なお、各試料についての圧縮荷重/圧縮歪み曲線
は、図3と同様の挙動を示し、初期弾性歪みが2%以下
の試料では、当然に、圧縮荷重/圧縮歪み曲線の変曲点
が、圧縮歪み2%以下の範囲にあることが確認された。
【0052】
【発明の効果】 以上、本発明により、初期弾性歪みが
2%以下である捲回体を用いて電池を作製すれば、低内
部抵抗でしかも単電池毎の特性ばらつきが小さい電池
を、効率よく作製することが可能となる。こうして、本
発明は、生産効率の向上、生産コストの低下に著しく寄
与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リチウム二次電池に用いられる捲回型電極体
の概略の構造を示す斜視図である。
【図2】 捲回型電極体の圧縮荷重の印加による変形の
様子を示した説明図である。
【図3】 捲回型電極体の圧縮荷重/圧縮歪み曲線を示
した説明図である。
【図4】 実施例における初期弾性歪みの大きさと電池
の内部抵抗との関係を示した説明図である。
【符号の説明】
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパ
レータ、5…正極用集電タブ、6…負極用集電タブ、1
0…板状体、13…巻芯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−73921(JP,A) 特開 平10−302795(JP,A) 特開 平11−297361(JP,A) 特開 平11−283612(JP,A) 特開 平11−329504(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/00 - 4/62

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電基板表面に正極活物質層及び負極活
    物質層を形成してなる正極板及び負極板をセパレータを
    介して捲回してなる電極体を備え、非水電解液を用いた
    リチウム二次電池であって、 前記電極体の径方向に圧縮荷重を加えた場合における初
    期弾性歪みが2%以下で、内部抵抗が3mΩ未満で、か
    つ電池容量が2Ah以上であることを特徴とするリチウ
    ム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記正極板が、前記集電基板としてアル
    ミニウム箔を用い、前記正極活物質層を構成する正極活
    物質として立方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチ
    ウムを用いてなることを特徴とする請求項1記載のリチ
    ウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記マンガン酸リチウムにおけるLi/
    Mn比が0.5超であることを特徴とする請求項2記載
    のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記負極板が、前記集電基板として銅箔
    を用い、前記負極活物質層を構成する負極活物質として
    高黒鉛化炭素繊維を用いてなることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 電気自動車又はハイブリッド電気自動車
    の電源として用いられることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
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