JP3469235B2 - ナイフブレード - Google Patents

ナイフブレード

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JP3469235B2
JP3469235B2 JP50806592A JP50806592A JP3469235B2 JP 3469235 B2 JP3469235 B2 JP 3469235B2 JP 50806592 A JP50806592 A JP 50806592A JP 50806592 A JP50806592 A JP 50806592A JP 3469235 B2 JP3469235 B2 JP 3469235B2
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    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/18Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for knives, scythes, scissors, or like hand cutting tools
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B26HAND CUTTING TOOLS; CUTTING; SEVERING
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ナイフブレードの製造方法に関する。
金属物上に硬い表面を作ることによって金属物の表面
硬さ及び磨耗耐久性を向上できることが既に知られてい
る。したがって、適当な熱処理によって、炭化物や窒化
物を高める濃縮処理(enrich)、あるいは変態処理が施
された表面を生成することが知られる。また、浸炭法や
窒化法、化学的または物理的な真空メッキ、電気メッ
キ、プラズマ・アーク噴射、あるいは他の同等な処置に
よって、硬い表面コーティングを形成することが知られ
ている。
ナイフブレードの特にカッティングエッジに硬い表面
を形成する場合、ナイフブレードに通常使用されるブラ
ンクにおける極めて薄い部位と、カッティングエッジに
見られる鋭利な部位とが存在し、このため、上述した種
々の従来技術を実行することが困難となる。
仕上がったブレードに熱処理を施して濃縮処理や変態
処理された硬い表面層を形成する場合、刃材から脱炭等
が起き、ブレードの耐久力が不十分となる。また、仕上
がったブレードに表面コーティングを形成する場合に
は、ブレードにおけるカッティングエッジの表面に物質
が付着し、この付着層が、ブレードの鋭利さに重大な悪
影響を与える。
従来、熱拡散処理、及び炭化物または窒化物の真空メ
ッキのような処理法によって、ナイフブレードに硬い表
面を形成する試みがなされている。この場合、研磨や研
削を施してブランクを先細り処理することで、たがねの
カッティングエッジを形成したり、ブランクの一側面と
一直線にカッティングエッジを形成する。
一般的に認められたエッジテスト手法で、そのエッジ
をテストするとき、このようなナイフは、同様の構造で
何等の処理がなされていないものとの比較において、初
期の鋭利さやエッジの耐久力のいずれにおいても、格別
の改善が見られなかった。
本発明の目的は、そのブレードの素材(ブレード本
体)より硬い材料のカッティングエッジを備えたナイフ
ブレードを提供し、さらに、そのような硬いエッジを備
えたナイフブレードを製造する方法を提供し、そして、
従来のブレードと比較して、カッティング性能において
より優れた改善を行うことにある。
本発明に係るナイフブレードの製造方法は、V字型カ
ッティングエッジの第1の面(2)を形成し、ブランク
(1)の厚さ寸法の中央位置に第1の面(2)の上端縁
を位置決める第1の工程と、ブランク(1)の反対側に
V字型カッティングエッジの第2の面(4)を形成し、
V字型カッティングエッジをブランク(1)の厚さ寸法
の中央位置に設ける第2の工程とを有するナイフブレー
ド製造方法において、第1の面(2)の研削の後に、ブ
ランク(1)の外周面上に、少なくとも第1の面(2)
の前記上端縁を越えるまでブランク(1)の材料の表面
よりも硬い材料の面(3)を形成し、この硬い面(3)
の形成後に、V字型カッティングエッジの第2の面
(4)を研削することを特徴とする。
一部研削されたブランクの全体には硬い表面が形成さ
れるが、カッティングエッジのみに硬い表面を形成する
ためにブランクをシールドすることが好ましい。この場
合は、ナイフのブランクが部分的に研削された結果、濃
縮処理や変態処理もしくはコーティングされた幅の厚い
硬い表面がカッティングエッジとその端部表面に形成さ
れる。熱処理工程によって硬い表面を生成する場合に
は、ブレード本体の弱化が減少される。その後、第2の
面が研削されてV字型カッティングエッジが形成される
と、ブレード本体の疲労域の少なくとも一部が除去され
る。しかしながら、発明の重要な利点は、カッティング
エッジの全体に濃縮処理または変態処理またはコーティ
ング処理を施すことによって硬い表面が形成され、カッ
ティングエッジの背後には、垂直に、その先端で硬い表
面を支持するブレード本体がある点である。また、面コ
ーティングを形成する場合には、一部研削されたブレー
ドにコーティングを形成すると、ブランクの第1の面と
この第1の面のエッジに隣接するブランクの未処理部位
との間の交点部位で面コーティング材料の丸みが生じて
しまう。したがって、コーティングに続いて、V字型カ
ッティングエッジの第2の面を研削によって、コーティ
ングもしくは変態材料から全体的に形成されるカッティ
ングエッジのチップが取り残され、同時に、カッティン
グエッジを形成する材料上にカッティングエッジを設け
る第2の面の研削が行われる。そして、実質的に同様の
方法では、ブランク本体の材料は、材料のカッティング
面から形成された垂直エッジの背後に垂直に設置されて
いる。
ブランクを処理する場合、ブランクの本体材料の硬度
が減少しないように注意しなければならない。よって、
硬い材料をブランクに形成する際に、ブランクの温度を
200℃より低く維持しなければならない。
ブランクの材料は、炭素の含有量が0.16%から0.36%
の範囲で、さらに好ましくは12%から14%のクロム含有
量を有する、マルチンサイト系ステンレス鋼であること
が好ましい。ブランクの表面仕上げは特に重要ではない
が、過度に研磨しすぎず、また、過度に粗くない程度で
あることが好ましい。したがって、ブランクの表面仕上
げは、0.1RAから2.0RAの範囲であることが好ましい。ブ
ランクの硬さは46HRCから54HRCの範囲であることが好ま
しい。
最適な性能特性にとっては、カッティングエッジにお
ける濃縮処理や変態処理が施される表面の深さ、また
は、硬い表面コーティングが形成される厚さが、2.0μ
mから12.0μmの範囲であることが好ましい。さらに、
好ましくは、3μmから7μmの範囲であると良い。
ブランク上に形成されるカッティングエッジは、ブラ
ンク幅のほぼ中央にカッティングチップが位置する不連
続(discrete)のV字型カッティングエッジであること
が必要である。ブランクは、平行な両側面を有するブラ
ンク、もしくは、一方側もしくは両側に先細りのブラン
クである。
表面処理もしくはコーティングを施す前に、第1の面
を平面研削またはプランジ研削して形成し、その後、第
2の面を平面研削またはプランジ研削して形成する。し
かしながら、性能向上のために、他のエッジ形成が本発
明によって提供される。このエッジ形成は2つの研削工
程からなり、これによって、窪んだ状態に研削されるエ
ッジが形成される。このエッジ形成は、鋸歯状もしくは
波形状、或いは鋸歯と波形とが混合した状態にカッティ
ングエッジの第1の面を研削して形成する工程と、第2
の面を平面研削またはプランジ研削して形成する工程と
からなる。
特に、平面研削またはプランジ研削する場合には、V
字型カッティングエッジは14゜から30゜の角度を有して
いることが好ましい。さらに好ましくは、この角度が16
゜から22゜の範囲にあるのがよく、さらに、18゜から20
゜の範囲にある方が良い。
V字型カッティングエッジの第1の表面が鋸歯状に研
削される場合は、1mmあたり1.02〜0.5セレーション分の
鋸歯を備えていることが好ましく、さらに好ましくは、
1mmあたり0.64セレーションの鋸歯を備えているのが良
い。望ましくは、鋸歯の角度は、80゜から100゜の範
囲、好ましくは、90゜である方が良い。
V字型カッティングエッジの第1の面が波形状に研削
される場合、波形は、0.254〜31.75mmの範囲、むしろ、
4.064〜19.05mmの範囲の半径を有している方が良く、2
5.4〜2.54mmの範囲、むしろ、25.4〜5.08mmの範囲のピ
ッチを有している方が良い。
本発明の本質的な利点は、従来のブレードに比べて性
能が向上しているばかりでなく、第2の研削工程の次に
は、仕上げ研磨を除いて、他の工程が必要でない点であ
る。
図1ないし図4は、本発明の方法の手順を図式的に示
したものであり、図5は、本発明の製造方法によって作
られたブレードのカッティングエッジの部分を大きく拡
大して示したものである。
以下、本発明の一実施例を添付図面を参照しつつ説明
する。
図1ないし図4に示すように、まず最初に、ナイフブ
レード用ブランク1には、研削によってV字形カッティ
ングエッジの第1の面2が形成される。次いで、部分的
に研削されたブランク1には、適当な熱処理またはコー
ティング処理によって硬い面3が形成される。さらに、
この硬い面3が形成されたブランク1には、研削によっ
てV字形カッテングエッジの第2の面4が形成される。
本発明方法によれば、図5で示されるように、コーテ
ィング処理、浸炭や窒化等のように原子の含有量を高め
る濃縮処理、あるいは変態処理された表面を有する材料
から成るいわゆるカッティングチップ5を形成すること
ができる。このカッティングチップ5の背後にはブラン
クの本体材料が立ち上がる状態で位置されている。した
がって、前述したような所定のコーティング、濃縮、あ
るいは変態等の処理によって形成された表面は非常に硬
くなるが脆い構造となる。カッティングチップの下に位
置するブランクの本体材料は、そのカッティングチップ
を保持し、剃る、またはその他の通常の使用によって損
傷されることに対して、カッティングチップを保護す
る。あるいはその逆で、通常の使用中において損傷され
る場合もある。
本発明の他の利点は、表面硬化処理の後に研削により
硬い表面を削り落として第2の面4を形成するため、通
常の使用中において、露出した第2の面4が摩耗し、カ
ッテングエッジのすぐ背後に若干窪んだ面が形成される
ような状態となり、これによって、カッティングエッジ
の鋭さの維持と耐久性において注目すべき効果をもたら
すということである。
本発明によって作られたブレードの有効性を説明する
ため、比較対照となる2個のブレードと、本発明によっ
て作られた4つのブレードとを比較する試験を行なっ
た。第1の対照ブレードは、カッティングチップがブラ
ンクの幅方向のほぼ中央部に位置するV字形カッティン
グエッジを有した平行なブランクから作られ、そのカッ
ティングエッジの両側は平らで処理がなされていない。
また、第2の対照ブレードは、英国特許No.0220362の方
法によって作られる。つまり、この第2の対照ブレード
は一方側が平面研削され、他方側が切り刃を形成するよ
うな状態に研削されたV字形カッティングエッジを中央
部に有する平行なブランクである。
本発明によって作られたブレードは、上述したよう
に、平らなエッジ面としたものであるが、そのV字形の
片面を炭化バナジウムの拡散面としてあり、また、切り
刃を形成するような状態に研削されたV字形カッティン
グエッジの側に物理的な真空メッキ(vapour desposit
ion)によって炭化バナジウム(VC)のコーティングを
施したことを除けば、前記第2の対照ブレードにしたが
って形成してある。
この試験は、ホルダーに150枚のカードを積み重ねて
行われた。この場合、ホルダーは機械的なスライドに装
着されてカッティングエッジの最上部の位置に固定され
たブレード上に配置される。積み重ねられたカードの層
と、保持部と、スライドとの全静的重量は総計30Nであ
り、カードの層は50mm/secの一定速度で往復運動され
る。カードの層を端から端まで切断するのに必要なスト
ローク数を記録し、完全に切断されたらカードの層を取
り替える。カードの層を端から端まで切断するのに必要
なストローク数が250を越えると試験を終了させる。こ
のような試験の結果を以下に示す。
対照物の平らなエッジ 750枚のカードを切断 対照物の鋸状のエッジ 28800枚のカードを切断 VCが拡散された平らなエッジ 34400枚のカードを切断 VCが拡散された鋸状のエッジ 45900枚のカードを切断 P.D.V.VCの鋸状のエッジ 47400枚のカードを切断 この結果から分かるように、平らなエッジの対照物と
本発明にしたがって形成された平らなエッジのものとを
比べると、カッティング性能の大きな改善が見られる。
それ自信広く普及している鋸状のエッジの場合について
比較した場合でも、カッティング性能に充分な改善がみ
られる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B26B 1/00 - 11/00 B26B 23/00 - 29/04 B23P 5/00 - 17/06 B23P 23/00 - 25/00

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】V字型カッティングエッジの第1の面
    (2)を形成し、ブランク(1)の厚さ寸法の中央位置
    に第1の面(2)の上端縁を位置決める第1の工程と、
    ブランク(1)の反対側にV字型カッティングエッジの
    第2の面(4)を形成し、V字型カッティングエッジを
    ブランク(1)の厚さ寸法の中央位置に設ける第2の工
    程とを有するナイフブレード製造方法において、 第1の面(2)の研削の後に、ブランク(1)の外周面
    上に、少なくとも第1の面(2)の前記上端縁を越える
    までブランク(1)の材料の表面よりも硬い材料の面
    (3)を形成し、この硬い面(3)の形成後に、V字型
    カッティングエッジの第2の面(4)を研削することを
    特徴とするナイフブレード製造方法。
  2. 【請求項2】第1の面(2)の研削後に、ブランク
    (1)の全体に、ブランクの材料よりも硬い面(3)が
    形成されることを特徴とする請求項1に記載のナイフブ
    レード製造方法。
  3. 【請求項3】ブランク(1)は、第1の面(2)の研削
    後に、シールされ、それによって、ブランクの硬い材料
    の面(3)の形成をブランク(1)の第1の面(2)
    と、その端部の残存表面に限定することを特徴とする請
    求項1に記載のナイフブレード製造方法。
  4. 【請求項4】ブランクの材料よりも硬い材料の面(3)
    は、熱処理工程によって形成されることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載のナイフブレード
    製造方法。
  5. 【請求項5】ブランクの材料よりも硬い材料の面(3)
    は、ブランク(1)の少なくとも第1の面(2)を濃縮
    処理または変態処理することによって形成されることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナ
    イフブレード製造方法。
  6. 【請求項6】ブランクの材料よりも硬い材料の面(3)
    は、少なくともブランク(1)の前記第1の面(2)を
    表面コーティングすることによって形成されることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナイ
    フブレード製造方法。
  7. 【請求項7】表面処理の間、ブランク(1)の温度が20
    0℃以下に維持されることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1項に記載のナイフブレード製造方法。
  8. 【請求項8】ブランク(1)の材料は、炭素含有量が0.
    16%から0.36%の範囲で、クロム含有量が12%から14%
    の範囲であるマルチンサイト系ステンレス鋼であること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
    ナイフブレード製造方法。
  9. 【請求項9】ブランク(1)上の表面仕上げは、0.1RA
    から2.0RAの範囲であることを特徴とする請求項1ない
    し8のいずれか1項に記載のナイフブレード製造方法。
  10. 【請求項10】ブランク(1)の硬さは、46HRCから54H
    RCの範囲であることを特徴とする請求項1ないし9のい
    ずれか1項に記載のナイフブレード製造方法。
  11. 【請求項11】濃縮処理や変態処理が施されるブランク
    (1)表面の深さ、または、硬い表面コーティングが形
    成される厚さが、2.0μmから12.0μmの範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載
    のナイフブレード製造方法。
  12. 【請求項12】濃縮処理や変態処理が施されるブランク
    (1)表面の深さ、または、硬い表面コーティングが形
    成される厚さが、3.0μmから7.0μmの範囲であること
    を特徴とする請求項11に記載のナイフブレード製造方
    法。
  13. 【請求項13】平行な両側面を有するブランク上に、V
    字型カッテングエッジが、中心に位置されて形成される
    ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記
    載のナイフブレード製造方法。
  14. 【請求項14】テーパー状の両側面を有するブランク上
    に、V字型カッティングエッジが、中心に位置されて形
    成されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか
    1項に記載のナイフブレード製造方法。
  15. 【請求項15】面(2,4)が、平面研削またはプランジ
    研削されることにより形成されることを特徴とする請求
    項1ないし14のいずれか1項に記載のナイフブレード製
    造方法。
  16. 【請求項16】第1の面(2)もしくは第2の面(4)
    が切刃形状に形成されることを特徴とする請求項1ない
    し15のいずれか1項に記載のナイフブレード製造方法。
  17. 【請求項17】面(2,4)の少なくとも一方が、窪んだ
    状態に研削されることを特徴とする請求項1ないし14の
    いずれか1項に記載のナイフブレード製造方法。
  18. 【請求項18】V字型カッテングエッジが、14゜から30
    ゜の角度をもつことを特徴とする請求項15に記載のナイ
    フブレード製造方法。
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