JP3468751B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

モータ駆動装置

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JP3468751B2
JP3468751B2 JP2001007692A JP2001007692A JP3468751B2 JP 3468751 B2 JP3468751 B2 JP 3468751B2 JP 2001007692 A JP2001007692 A JP 2001007692A JP 2001007692 A JP2001007692 A JP 2001007692A JP 3468751 B2 JP3468751 B2 JP 3468751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はモータ駆動装置に
関し、特に、永久磁石が装着されたロータを有する同期
モータを駆動させるためのモータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題が社会的話題となり、省
エネルギー化が重要な関心事となっている。特に、モー
タの分野においては、省エネルギーの観点から、小型・
高効率・高出力のモータが切望されている。従来のモー
タの代表として誘電モータや磁石をロータ表面に装着し
たSPM(Surface Permanent Magnet)モータなどがあ
り、双方とも量産性に優れている。これに対し、従来と
異なる構造のモータが種々開発されているが、それらの
うち、永久磁石をロータ内部に埋込んでフレミングトル
クに加えてリラクタンストルクを利用することにより、
効率をさらに高めたIPM(Interior Permanent Magne
t)モータが注目されている(図2参照)。
【0003】このIPMモータでは、高透磁率材の鉄芯
または積層珪素鋼板で構成されている回転子31の内部
に永久磁石32が埋込まれている。このように構成する
ことにより、永久磁石32の中心と回転子31の中心と
を結ぶ方向であるd軸方向のインダクタンスLdと、d
軸に対して電気角で90°回転した方向であるq軸方向
のインダクタンスLqとの間に差が生じ、永久磁石32
によるフレミングトルクTmに加えてリラクタンストル
クTrが発生することになる。これらの関係について
は、「リラクタンストルクを要した回転器」(松井信行
他、T.EE Japan,Vol.114-D, No.9, 1994)において解析
がなされている。この文献によれば、フレミングトルク
TmとリラクタンストルクTrとの関係は、次式(1)
を満たす。
【0004】
【数1】
【0005】ただし、Pnは極対数、φaは鎖交磁束、
Ldはd軸方向のインダクタンス、Lqはq軸方向のイ
ンダクタンス、idはd軸方向の電流、iqはq軸方向
の電流、βは電流位相、iaは電流ベクトルの大きさで
ある。
【0006】図13は、電流位相βを変化させた場合の
フレミングトルクTm、リラクタンストルクTrおよび
総合トルクTdの変化を示す図である。図13に示され
るように、フレミングトルクTmは、電流位相βが90
°の時点で最大値を示し、90°を離れるとともに小さ
くなり、180°でゼロとなる。これに対し、リラクタ
ンストルクTrは、電流位相βが135°の時点で最大
値を示す。したがって、リラクタンストルクTrとフレ
ミングトルクTmとを合わせた総合トルクTtは、それ
ぞれのトルク比により変わるが、電流位相βが115°
付近で最大値を示す。したがって、リラクタンストルク
Trを有効に利用するIPMモータは、フレミングトル
クTmのみを用いて動作するSPMモータよりも、同一
電流において高トルクの出力が可能となる。
【0007】ところで、モータのトルクの大きさを決定
する要因として、モータ駆動制御方法が重要となる。従
来の電流駆動方法としては、120°矩形波駆動が一般
的である。この120°矩形波駆動方法とは、3相U,
V,W中の2相のコイルに対して電流を流し、120°
ごとに電流をつなぎ合わせて直流となるようにインバー
タを制御する方法である。120°矩形波駆動において
は、各相のコイルについてみれば通電休止期間があり、
その通電休止期間にロータ磁石の回転によりステータコ
イルに発生する誘起電圧を検出してロータ回転を制御し
ている。上述したリラクタンストルクTrを利用するI
PMモータにおいては、トルクを最大にするために通電
タイミングが重要となる。したがって、IPMモータに
対しては、120°矩形波駆動を行ない通電休止期間に
誘起電圧を検出してロータ位相を算出している。
【0008】これに対し、モータ効率を向上させるモー
タ駆動制御方法として、通電幅を電気角で180°に設
定した180°正弦波駆動方式がある。「ブラシレスD
Cモータ駆動制御方法およびその装置および電気機器
(国際公開番号WO95−27328)」は、永久磁石
の内部に埋込んだモータに対し、通電幅を電気角180
°に設定し、モータコイルの第1中心点電位とそのコイ
ルに電気的に並列となるブリッジ回路による第2中心点
電位との差に基づいて磁極位置を検出する手法を開示し
ている。
【0009】ここで、この文献に記載されているブラシ
レスDCモータ制御装置について説明する。図14は、
この文献に記載されているモータ制御装置の構成を概略
的に示す図である。図14において、直流電源71の端
子間に3対のスイッチングトランジスタ72〜77およ
び3対のダイオード78〜83でインバータ84を構成
し、各対のスイッチングトランジスタ72と73,74
と75,76と77同士の接続点電圧をブラシレスDC
モータ85のY結線された各相の固定子巻線86u,8
6v,86wにそれぞれ印加している。
【0010】また、各対のスイッチングトランジスタ7
2と73,74と75,76と77同士の接続点電圧を
Y結線された抵抗素子87u,87v,87wにもそれ
ぞれ印加している。さらに、固定子巻線86u,86
v,86wの中性点86dの電圧が抵抗素子88を介し
て演算増幅器89の反転入力端子に与えられ、Y結線さ
れた抵抗素子87u,87v,87wの中性点87dの
電圧が演算増幅器89の非反転入力端子に与えられてい
る。そして、演算増幅器89の出力端子と反転入力端子
との間に抵抗素子90を接続することにより、差動増幅
器91が構成されている。
【0011】ここで、固定子巻線86u,86v,86
wの中性点86dの電圧En0は、インバータ84の出
力波形とモータ誘起電圧波形に含まれる3n次高調波成
分(nは整数である)との和になる。一方、Y結線され
た抵抗素子87u,87v,87wの中性点87dの電
圧は、インバータ84の出力波形のみで決定される。し
たがって、中性点86dの電圧En0と中性点87dの
電圧との差を得ることにより、モータ誘起電圧波形に含
まれる3ng高調波成分を取出すことができる。
【0012】差動増幅器91の出力信号は、抵抗素子9
2およびキャパシタ93を含む積分器94と、演算増幅
器95を含むゼロクロスコンパレータ96によって磁極
位置検出信号に変換される。マイクロプロセッサ97
は、磁極位置検出信号に基づいて、ベース駆動回路98
を介してインバータ84のスイッチングトランジスタ7
2〜77を制御する。これにより、120°矩形波駆動
方式よりも効率の高い180°駆動方式が実現される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際のモータ
において、トルクに寄与する空隙部の空間磁束密度には
高次の高調波成分が重畳しているため、トルク波形も高
調波成分の影響を受けて凹凸を有する波形となる。これ
を概念的に示したのが図15である。図15において、
横軸は回転角を示し、縦軸はトルクおよび電流を無次元
化した値を示し、実線の曲線はIPMモータ1の正弦波
駆動時のコイル1相当りのトルク波形を示し、一点鎖線
の曲線は180°正弦波駆動におけるコイル1相当りの
駆動電流波形を示している。図15に示すように、実際
のトルク波形には高次の高調波成分が重畳されており、
正弦波と比較して凹凸がある。ところが駆動電流波形が
正弦波では凹凸状のトルクの小さなポイント、すなわち
凹の点にも大きな電流を通電しているため有効にトルク
を発生できず、結果として効率が悪くなるという問題が
あった。
【0014】それゆえに、この発明の主たる目的は、同
期モータを高い効率で駆動させることが可能なモータ駆
動装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係るモータ駆
動装置は、永久磁石が装着されたロータを有する同期モ
ータを駆動させるためのモータ駆動装置であって、同期
モータのコイルに駆動電流を流すための出力制御が可能
な電源と、同期モータのコイルに流れる電流を検出する
ための電流検出手段と、同期モータの回転数を検出する
ための回転数検出手段と、回転数検出手段によって検出
された回転数に基づいて同期モータの出力を算出する出
力算出手段と、同期モータの回転トルクに関連するモー
タ情報を発生するモータ情報発生手段と、モータ情報発
生手段からのモータ情報に基づいて、同期モータを高効
率で駆動させるための目標電流波形を生成する電流波形
生成手段と、電流検出手段によって検出された電流の波
形と電流波形生成手段で生成された電流波形とが一致す
るように電源の出力制御を行なうとともに、回転数検出
手段によって検出された回転数が所望の値になるように
電源の出力制御を行なう制御手段とを備えたものであ
る。ここで、モータ情報発生手段は、同期モータのコイ
ル1相当りのトルク波形と同期モータの出力との関係が
予め格納されたトルク波形格納手段を含み、モータ情報
は、出力算出手段によって算出された同期モータの出力
に応じてトルク波形格納手段から読出されたトルク波形
である。
【0016】好ましくは、さらに、同期モータの出力と
その出力において同期モータを高効率で駆動させるため
の駆動方法との関係が予め格納された駆動方法格納手段
を備え、制御手段は、さらに、出力算出手段によって算
出された同期モータの出力に応じて駆動方法格納手段か
ら読出された駆動方法で電源の出力制御を行なう。
【0017】また好ましくは、トルク波形は、同期モー
タの回転軸と負荷モータの回転軸とをトルク検出装置で
結合し、同期モータを駆動させてトルク検出装置で検出
したものである。
【0018】また、この発明に係る他のモータ駆動装置
は、永久磁石が装着されたロータを有する同期モータを
駆動させるためのモータ駆動装置であって、同期モータ
のコイルに駆動電流を流すための出力制御が可能な電源
と、同期モータのコイルに流れる電流を検出するための
電流検出手段と、同期モータの回転トルクに関連するモ
ータ情報を発生するモータ情報発生手段と、モータ情報
発生手段からのモータ情報に基づいて、同期モータを高
効率で駆動させるための目標電流波形を生成する電流波
形生成手段と、電流検出手段によって検出された電流の
波形と電流波形生成手段で生成された電流波形とが一致
するように電源の出力制御を行なう制御手段とを備えた
ものである。ここで、モータ情報発生手段は、同期モー
タのコイルの逆起電圧波形を検出する電圧波形検出手段
を含み、モータ情報は、電圧波形検出手段によって検出
された逆起電圧波形である。
【0019】また好ましくは、さらに、電源の出力電圧
と電流検出手段によって検出された電流との位相差を検
出する位相差検出手段を備え、制御手段は、さらに、位
相差検出手段によって検出された位相差が所望の値にな
るように電源の出力制御を行なう。
【0020】
【0021】また、この発明に係るさらに他のモータ駆
動装置は、永久磁石が装着されたロータを有する同期モ
ータを駆動させるためのモータ駆動装置であって、同期
モータのコイルに駆動電流を流すための出力制御が可能
な電源と、同期モータのコイルに流れる電流を検出する
ための電流検出手段と、同期モータの回転数を検出する
ための回転数検出手段と、同期モータの回転トルクに関
連するモータ情報を発生するモータ情報発生手段と、モ
ータ情報発生手段からのモータ情報に基づいて、同期モ
ータを高効率で駆動させるための目標電流波形を生成す
る電流波形生成手段と、電流検出手段によって検出され
た電流の波形と電流波形生成手段で生成された電流波形
とが一致するように電源の出力制御を行なうとともに、
回転数検出手段によって検出された回転数が所望の値に
なるように電源の出力制御を行なう制御手段とを備えた
ものである。ここで、モータ情報発生手段は、同期モー
タのコイル1相当りのトルク波形と同期モータの回転数
との関係が予め格納されたトルク波形格納手段を含み、
モータ情報は、回転数検出手段によって検出された回転
数に応じてトルク波形格納手段から読出されたトルク波
形である。
【0022】また好ましくは、さらに、同期モータの回
転数とその回転数において同期モータを高効率で駆動さ
せるための駆動方法との関係が予め格納された駆動方法
格納手段を備え、制御手段は、さらに、回転数検出手段
によって検出された回転数に応じて駆動方法格納手段か
ら読出された駆動方法で電源の出力制御を行なう。
【0023】
【0024】
【0025】また好ましくは、同期モータは3相コイル
を含み、3相コイルの中性点は接地されている。
【0026】また好ましくは、同期モータは、永久磁石
が内蔵されたロータを有するIPMモータである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一
または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さ
ない。
【0028】[実施の形態1]図1は、この発明の実施
の形態1によるIPMモータ1の駆動装置の構成を示す
回路ブロック図である。図1において、このモータ駆動
装置は、AC電源2と、AC電源2の出力電圧を直流電
圧に変換するAC/DCコンバータ回路3と、3対のI
GBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)5〜1
0および3対のダイオード11〜16を含み、AC/D
Cコンバータ回路3で生成された直流電圧に基づいて3
相交流電圧を生成しIPMモータ1の3相コイルに与え
るインバータ回路4と、IPMモータ1の1つのコイル
に流れる電流を検出するための電流センサ17と、イン
バータ回路4の3対のIGBT5〜10のベース電圧を
制御する制御部20とを備える。
【0029】制御部20は、コイル1相トルク波形格納
部21、目標電流波形算出部22、コイル電流検出部2
3、検出/目標電流比較部24、回転数/位置算出部2
5、目標回転数格納部26、回転数比較部27、コイル
電圧制御部28、およびPWM作成/各相分配部29を
含む。
【0030】コイル1相トルク波形格納部21には、I
PMモータ1の回転トルクに関連する情報としてコイル
1相当りのトルク波形が格納されている。目標電流波形
算出部22は、コイル1相トルク波形格納部21から読
出されたトルク波形に基づいて、IPMモータ1を最大
効率で駆動させるための理想的なコイル電流波形を算出
する。コイル電流検出部23は、IPMモータ1の駆動
時のコイル電流を電流センサ17を介して検出する。検
出/目標電流比較部24は、目標電流波形算出部22で
算出された目標電流波形とコイル電流検出部23で検出
された駆動時のコイル電流波形とを比較する。
【0031】回転数/位置算出部25は、電流センサ1
7から出力されたコイル電流情報に基づいて、IPMモ
ータ1の回転数および回転位置を検出または算出する。
目標回転数格納部26には、IPMモータ1の目標回転
数が格納されている。回転数比較部27は、回転数/位
置算出部25で検出または算出された回転数および回転
位置と目標回転数格納部26から読出された目標回転数
とを比較する。コイル電圧制御部28は、回転数比較部
27から出力される目標回転数情報および検出/目標電
流比較部24から出力される目標電流情報とに基づいて
目標回転数でかつ目標電流波形となるようにPWM作成
/各相分配部29に誤差補正電圧および通電位相補正情
報を与える。PWM作成/各相分配部29は、コイル電
圧制御部28から与えられた誤差補正電圧および通電位
相補正情報に基づいてインバータ回路4のスイッチング
トランジスタ5〜10のベースにPWM波形信号を与え
る。
【0032】制御部20は、マイクロコンピュータで構
成され、上述した構成部21〜29の機能をソフト的に
処理する。これらの処理に関連するプログラム内容は、
工場出荷時にROM(Read Only Memory)などのメモリ
に記憶させてもよいし、また、フラッシュRAMなどの
書換え可能なメモリに記憶させてプログラム内容を随
時、更新・修正などすることができるようにしてもよ
い。なお、これらに限定されず、制御部20を同様の処
理を行なうことが可能なハード手段で構成してもよい。
【0033】まず、AC電源2から出力される交流電圧
は、AC/DCコンバータ回路3で直流電圧に変換さ
れ、インバータ回路4へ与えられる。インバータ回路4
を構成するIGBT5〜10の各々は、PWM作成/各
相分配部29から出力されるPWM波形信号により所望
のデューティ比でスイッチングされる。これにより、I
PMモータ1の3相コイルに駆動電流が供給されてモー
タ1が駆動される。
【0034】コイル1相トルク波形格納部21には、コ
イル1相当りのトルク波形が予め格納されている。トル
ク波形は、事前に測定したモータトルクデータ測定値で
もよいし、数式で表現されるモータモデルから算出した
計算値でもよい。コイル1相トルク波形格納部21から
コイル1相当りのトルク波形が目標電流波形算出部22
に与えられ、目標電流波形算出部22によってIPMモ
ータ1を最大効率で駆動させるための最適コイル電流波
形が算出される。IPMモータ1の駆動時に電流センサ
17およびコイル電流検出部23を介して検出された実
際のコイル電流波形と上記最適コイル電流波形とが検出
/目標電流比較部24に入力され、検出/目標電流比較
部24からコイル電圧制御部28に所望の電流波形との
誤差信号が与えられる。
【0035】一方、回転数/位置算出部25では、電流
センサ17の出力信号に基づいてIPMモータ1の回転
数および回転位置が検出または算出される。なお、この
モータ駆動装置では、電流センサ17の出力信号に基づ
いてモータ回転数や回転位置情報を求めているが、モー
タ1のコイルの誘起電圧から算出してもよいし、回転検
出値を用いてもよいし、外部中心点検出回路を用いても
よいし、モータコイルのインダクタンスから算出しても
よい。
【0036】目標回転数格納部26から読出されたIP
Mモータ1の目標回転数と回転数/位置算出部25で算
出されたIPMモータ1の実際の回転数および回転位置
情報とが回転数比較部27に入力され、回転数や位置の
誤差情報が回転数比較部27からコイル電圧制御部28
に与えられる。コイル電圧制御部28は、これらの情報
に基づいて誤差補正電圧および通電位相補正情報を生成
してPWM作成/各相分配部29に与える。PWM作成
/各相分配部29は、電圧データにより、PWM波形信
号のデューティ比を決定し、インバータ回路4に含まれ
るIGBT5〜10のベースへPWM波形信号を分配
し、IGBT5〜10の各々をスイッチングさせる。
【0037】以上のように構成されたモータ駆動装置に
おいて、最大効率を得るための最適電流波形について詳
細に説明する。IPMモータ1は、より高い効率を得る
ために、永久磁石32をロータ31内部に埋込んで、フ
レミングトルクに加えてリラクタンストルクを利用する
ものである。このIPMモータ1は、磁石32がロータ
31内部に埋込まれているため磁束密度の分布が滑らか
な正弦波にはなっておらず、印加電流との適合性に問題
があった。このトルク発生に寄与する磁束密度あるいは
トルク分布を、3次元の動的磁場シミュレーションによ
り確認した。
【0038】図2は、IPMモータ1の要部を示す断面
図である。図2において、ロータ31は、外形が円形に
打ち抜かれた高透磁率材の薄板を積層して構成されてい
る。そのためロータ31としては、円筒形状となってい
る。また、ロータ31には、円弧状の永久磁石32を挿
入するためのスリット33が設けられている。円弧状の
永久磁石32は、このIPMモータ1では4個配置され
ており、90°対では極性が反転するように配置されて
いる。永久磁石32およびスリット33の形状は、ロー
タ31の中心側と同心円の円弧形状に形成されている。
ロータ31の回転力は、回転軸34によって外部に伝達
される。ステータ35には所定本数のティース36が設
けられ、各ティース36にはステータ巻線37が巻回さ
れている。3相U,V,Wのコイルを構成するステータ
巻線37に交流電流が与えられると回転磁束が発生し、
回転磁束によってロータ31にフレミングトルクとリラ
クタンストルクが作用し、ロータ31が回転駆動され
る。永久磁石32の中心とロータ31の中心とを結ぶ線
がd軸であり、d軸を電気角で90°だけ回転させたの
がq軸である。
【0039】以上のように構成されたIPMモータ1に
おいて、1相のコイルに低電流を通電した際の発生トル
クを3次元の磁場シミュレーションで求めた結果を図3
に示す。図3において、横軸は電流の通電タイミングを
示し、縦軸はトルクを示している。3つの曲線は、それ
ぞれリラクタンストルクとマグネットトルクとそれらを
合わせた総合トルクとを示している。リラクタンストル
クを求めるときは、モータモデルにおいて永久磁石を空
気と仮定して透磁率を設定した。図3に示すように、実
際のリラクタンストルク、マグネットトルクは高次の高
調波成分を含んでいる。特にマグネットトルクは、内蔵
された4つの永久磁石の境界部における磁束の乱れによ
るトルク脈動が顕著である。
【0040】この実際(シミュレーション)のトルク波
形を考慮して、トルク波形と同一波形となるようなコイ
ル電圧を印加したときのモータ性能をシミュレーション
した。このコイル電流、コイル電圧およびシミュレーシ
ョン結果を図4に示す。図4において、横軸は回転角を
無次元化した値を示し、右側の縦軸はトルクを示し、左
側の縦軸は電流および電圧を無次元化した値を示してい
る。3つの曲線は、それぞれ印加電圧と、シミュレーシ
ョン結果であるコイル電流と、トルクとを示している。
このシミュレーション結果をまとめたのが次表1であ
る。
【0041】
【表1】
【0042】表1において、波形(A)は従来の駆動方
法の正弦波波形であり、波形(B)は本願の最適電流波
形である。また鉄損は磁束の時間変化により生ずる渦電
流損およびヒステリシス損とを含み、銅損はモータコイ
ル部で発生するジュール損とする。また効率は、モータ
出力と損失から計算される。表1に示すように、本願の
最適電流波形は、通常の正弦波波形と比較して、波形の
脈動があるため鉄損は微動するが、トルクが有効活用で
きるため、同一トルクを発生させるためのコイルへの印
加電流が減少し、結果として効率が向上する。
【0043】さらに望ましくは、図5に示すように、I
PMモータ1の3相コイル38a,38b,38cの中
性点38dを接地するとよい。これにより、3相コイル
38a〜38cの各々に独立して通電することが可能と
なり、より安定したモータ駆動を実現できる。
【0044】また、コイル1相当りのトルク波形を格納
するコイル1相コイル波形格納部21には、事前に測定
したモータトルクデータ測定値波形を格納してもよい。
トルク波形測定装置の一例を図6に示す。図6におい
て、このトルク波形測定装置は、負荷装置(外部モー
タ)41、トルク検出部42、負荷装置駆動部43、対
象モータデータ測定/駆動部44を備える。
【0045】対象モータ1のトルク測定時は、負荷装置
駆動部43によって外部モータ41を一定負荷状態で駆
動させるとともに、対象モータデータ測定/駆動部44
から対象モータ1に電力を供給してモータ1を駆動させ
る。ただし、モータ1と41の回転方法は逆にして外部
モータ41がブレーキトルクとなるように駆動する。こ
のとき、外部モータ41は脈動のない一定トルクを発生
するが、対象モータ1ではトルク脈動が発生するため、
結果的に対象モータ1のトルク脈動がトルク検出部42
で検出される。ここで、ステータコイルの1相分のトル
クは、トルク脈動を考慮するとsinおよびcosの級
数の和で表わされる。また、モータ1全体のトルクは、
1相分のトルク波形とそのトルク波形からπ/3、2π
/3ずつ位相のずれた2つのトルク波形(形状は同じ)
との和で表わされる。磁束密度分布から求めた1相のト
ルク波形と実際のトルク波形から求めた1相のトルク波
形とを比較し精度よく1相のトルク波形を求める。
【0046】このように、IPMモータ1の実際のトル
ク波形、すなわち実際の磁束密度やインダクタンスに適
合した電流波形となるようにコイル印加電圧を制御する
ことにより、印加電流を有効にモータトルクに変換する
ことができ、効率の向上を図ることが可能となる。
【0047】また、図7は、この実施の形態1の変更例
を示す回路ブロック図である。このモータ駆動装置の制
御部45が図1の制御部20と異なる点は、コイル1相
トルク波形格納部21の代わりに、IPMモータ1のコ
イル電圧情報をもとにコイル1相逆起電圧波形を検出す
る逆起電圧波形検出部46が設けられている点である。
目標電流波形算出部22は、逆起電圧波形検出部46で
検出されたコイル1相逆起電圧波形に基づいて、IPM
モータ1を最高効率で駆動させるための理想的なコイル
電流波形を算出する。
【0048】この変更例では、IPMモータ1のコイル
の実際の逆起電圧波形を検出し、実際の磁束密度やイン
ダクタンスに適合した電流波形となるように印加電圧を
制御するので、簡易かつ有効に印加電流をモータトルク
に変換することができ、効率の向上を図ることができ
る。
【0049】[実施の形態2]図8は、この発明の実施
の形態2によるモータ駆動装置の構成を示す回路ブロッ
ク図である。図8において、このモータ駆動装置の制御
部50が図1の制御部20と異なる点は、目標位相差格
納部51、電圧/電流位相差検出部52および比較部5
3が追加され、コイル電圧制御部28がコイル電圧制御
部54で置換され、回転数/位置算出部25および回転
数比較部27が削除されている点である。
【0050】目標位相差格納部51には、コイル印加電
圧とコイル電流の目標位相差が格納されている。電圧/
電流位相差検出部52は、IPMモータ1のコイル印加
電圧とコイル電流検出部23で検出された駆動時のコイ
ル電流との位相差を検出する。比較部53は、目標位相
差格納部51から読出された目標位相差と電圧/電流位
相差検出部52で検出された位相差とを比較して電圧/
電流位相差情報を生成しコイル電圧制御部54に与え
る。コイル電圧制御部54は、目標回転数格納部51か
ら読出された目標回転数情報と比較部53からの電圧/
電流位相差情報とに基づいて、目標回転数でかつ目標電
流波形となるようにPWM作成/各相分配部29を介し
てコイル印加電圧を制御する。
【0051】この実施の形態2では、実施の形態1と同
じ効果が得られるほか、モータ1のロータ31の回転数
および位置検出作業が不要となる。
【0052】[実施の形態3]図9は、この発明の実施
の形態3によるモータ駆動装置の構成を示す回路ブロッ
ク図である。図9において、このモータ駆動装置の制御
部55が図1の制御部20と異なる点は、コイル1相ト
ルク波形格納部21が回転数−コイル1相トルク波形格
納部56で置換されている点である。回転数−コイル1
相トルク波形格納部56には、モータ1の回転数とコイ
ル1相トルク波形との関係を示す表が格納されている。
回転数/位置算出部25で算出されたモータ1の回転数
が回転数−コイル1相トルク波形格納部56に与えら
れ、その回転数に応じたトルク波形が回転数−コイル1
相トルク波形格納部56から読出されて目標電流波形算
出部22に与えられる。他の構成および動作は図1のモ
ータ駆動装置と同じである。
【0053】ここで、回転数とトルク波形の関係につい
て説明する。上述のように本願発明では、実際のトルク
波形や逆起電圧波形に適合した目標電流波形を設定し、
その目標電流波形となるように印加電圧を制御している
が、誘起電圧波形あるいはトルク波形は回転数により異
なる場合が多い。これは、逆起電圧に関する公知の次式
(2)からもわかる。
【0054】E=(Φ1−Φ2)/t…(2) ただし、Eは誘起電圧、Φ1,Φ2は磁束、tは時間であ
る。
【0055】式(2)から明らかなように、コイル逆起
電圧Eは磁束Φの時間的変化に依存するものであり、モ
ータの場合は回転数が高いほど逆起電圧Eが大きくな
る。また、印加電圧と逆起電圧の差がコイルに印加され
てコイル電流が流れ、トルクを発生する。したがって、
モータ1の回転数を検出してトルク波形や逆起電圧波形
に適合した目標電流波形を設定することが望ましい。
【0056】この実施の形態3では、回転数の影響を考
慮したIPMモータ1の実際のトルク波形、すなわち回
転数の影響を考慮した磁束密度やインダクタンスに適合
した電流波形となるように印加電圧を精緻に制御するの
で、印加電流を有効にモータトルクに変換することがで
き、一層の効率の向上を図ることが可能となる。
【0057】また、図10は、この実施の形態3の変更
例を示す回路ブロック図である。このモータ駆動装置の
制御部57が図9の制御部55と異なる点は、回転数−
コイル1相トルク波形格納部56が負荷トルク算出部5
8およびモータ出力−コイル1相トルク波形格納部59
で置換されている点である。負荷トルク算出部58は、
IPMモータ1のモータモデル式の回転数およびコイル
電流に基づいて負荷トルクを算出し、さらに、その算出
トルクと回転数に基づいてモータ出力を算出し、モータ
出力−コイル1相トルク波形格納部59に与える。負荷
トルクの算出方法については、トルクオブザーバ制御な
どに関する電気学会技術報告(737号)に記載されて
いる。モータ出力−コイル1相トルク波形格納部59
は、負荷トルク算出部58から与えられたモータ出力に
応じたコイル1相トルク波形を読出して目標電流波形算
出部22に与える。他の構成および動作は、図1のモー
タ駆動装置と同じである。
【0058】ここで、モータ出力とトルク波形について
説明する。上述のように、回転数によって実際のトルク
波形や逆起電圧波形が変化するが、さらに式(1)に示
すようにIPMモータ1のマグネットトルクは電流に比
例し、そのリラクタンストルクは電流の二乗に比例す
る。したがって、負荷トルクが小さいときすなわちコイ
ル電流の小さいときと負荷トルクが大きいときではトル
ク波形が異なるため、回転数と負荷トルクの両方のパラ
メータに適合した目標電流波形を設定し、その目標電流
波形となるように印加電圧を制御することが望ましい。
【0059】この変更例では、回転数と負荷トルクの影
響を考慮したIPMモータ1の実際のトルク波形、すな
わち回転数と負荷トルクの影響を考慮した磁束密度のイ
ンダクタンスに適合した電流波形となるように印加電圧
を精緻に制御するので、印加電流を有効にモータトルク
に変換することができ、さらに一層の効率の向上を図る
ことが可能となる。
【0060】[実施の形態4]図11は、この発明の実
施の形態4によるモータ駆動装置の構成を示す回路ブロ
ック図である。図11において、このモータ駆動装置の
制御部60が図9の制御部55と異なる点は、回転数/
効率格納部61、駆動方法選択部62および各駆動方法
対応部63が追加されている点である。回転数/効率格
納部61には、IPMモータ1の各回転数における効率
と駆動方法のデータが格納されている。駆動方法選択部
62は、回転数/効率格納部61のデータを参照し、I
PMモータ1の回転数に応じて最高効率となる駆動方法
を選択する。各駆動方法対応部63は、120°矩形波
駆動方法、180°正弦波駆動方法などを記憶してお
り、駆動方法選択部62によって選択された駆動方法に
応じた信号をコイル電圧制御部28に与える。コイル電
圧制御部28は、各駆動方法対応部63からの信号に従
ってPWM再生−各相分配部29を介してインバータ回
路4を制御する。
【0061】ここで、回転数と効率および駆動方法の関
係について説明する。上述のように、効率は、渦電流損
やヒステリシス損である鉄損、コイル部の銅損などによ
り決定される。一般的に鉄損は、渦電流損とヒステリシ
ス損とに分類でき、これらの関係については、「回転機
鉄損の性質とその低減方法」(開道他モータ技術シンポ
ジウムA−2−3−1、A−2−3−17)において次
式(3)で表わされている。
【0062】
【数2】
【0063】ただし、Weは渦電流損、Whはヒステリ
シス損、wは駆動周波数、Bveは磁束密度、ρFeは電
気低効率、dは密度、kは補正係数、Bmは磁束密度ピ
ーク、μsは透過透磁率、tは板厚である。
【0064】上式(3)より、渦電流損は駆動周波数お
よび磁束密度の二乗に比例し、ヒステリシス損は駆動周
波数に比例し磁束密度の二乗に比例する。ところで表1
に示すようにトルクに応じた電流波形では磁束変化が正
弦波駆動より大きくなる傾向にある。さらに回転数が高
くなると鉄損が増大し、銅損の低減分よりも大きくなる
と正弦波駆動より効率が悪くなる回転域が存在する。し
たがって、回転数に応じて駆動方法を選択する方法が望
ましい。また、回転数と最適な駆動方法の関係について
は、事前に測定する方法が好適である。
【0065】この実施の形態4では、回転数の影響を考
慮したIPMモータ1のトルク波形、すなわち回転数の
影響を考慮した磁束密度やインダクタンスに適合した電
流波形となるように印加電圧を精緻に制御し、さらに回
転数に応じて最高効率となる駆動方法を選択するので、
印加電流を有効にモータトルクに変換することができ、
一層の効率の向上を図ることが可能となる。
【0066】また、図12は、この実施の形態4の変更
例を示す回路ブロック図である。図12において、この
モータ駆動装置の制御部65が図11の制御部60と異
なる点は、負荷トルク算出部58が追加され、回転数/
効率格納部61および回転数−コルク1相トルク波形格
納部56がモータ出力/効率データ格納部66およびモ
ータ出力−コイル1相トルク波形格納部59でそれぞれ
置換されている点である。負荷トルク算出部58は、回
転数/位置算出部25で算出されたモータ1の回転数に
基づいてモータ出力を算出し駆動方法選択部62および
モータ出力−コイル1相トルク波形格納部59に与え
る。モータ出力/効率データ格納部66には、各モータ
出力における効率と駆動方法のデータが格納されてい
る。駆動方法選択部62は、モータ出力/効率データ格
納部66のデータを参照し、モータ出力に応じて最高効
率を得ることが可能な駆動方法を選択する。他の構成お
よび動作は図11のモータ駆動装置と同じである。
【0067】この変更例では、回転数と負荷トルクの影
響を考慮したIPMモータ1の実際のトルク波形、すな
わち回転数と負荷トルクの影響を考慮した磁束密度やイ
ンダクタンスに適合した電流波形となるようにコイル印
加電圧を精緻に制御し、さらに回転数に応じて最高効率
となる駆動方法を選択するので、印加電流を有効にモー
タトルクに変換することができ、一層の効率の向上を図
ることが可能となる。
【0068】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0069】
【発明の効果】以上のように、この発明に係るモータ駆
動装置では、同期モータのコイルに駆動電流を流すため
の出力制御が可能な電源と、同期モータのコイルに流れ
る電流を検出するための電流検出手段と、同期モータの
回転数を検出するための回転数検出手段と、回転数検出
手段によって検出された回転数に基づいて同期モータの
出力を算出する出力算出手段と、同期モータの回転トル
クに関連するモータ情報を発生するモータ情報発生手段
と、モータ情報発生手段からのモータ情報に基づいて、
同期モータを高効率で駆動させるための目標電流波形を
生成する電流波形生成手段と、電流検出手段によって検
出された電流の波形と電流波形生成手段で生成された電
流波形とが一致するように電源の出力制御を行なうとと
もに、回転数検出手段によって検出された回転数が所望
の値になるように電源の出力制御を行なう制御手段とが
設けられ、モータ情報発生手段は、同期モータのコイル
1相当りのトルク波形と同期モータの出力との関係が予
め格納されたトルク波形格納手段を含み、モータ情報
は、出力算出手段によって算出された同期モータの出力
に応じてトルク波形格納手段から読出されたトルク波形
である。したがって、同期モータの回転トルクに応じた
電流波形でコイルを駆動できるので、無駄な電流が消費
されるのを防止することができ、高い効率が得られる。
【0070】好ましくは、さらに、同期モータの出力と
その出力において同期モータを高効率で駆動させるため
の駆動方法との関係が予め格納された駆動方法格納手段
を備え、制御手段は、さらに、出力算出手段によって算
出された同期モータの出力に応じて駆動方法格納手段か
ら読出された駆動方法で電源の出力制御を行なう。この
場合は、駆動方法格納手段からモータ出力に応じて読出
された駆動方法で電源が制御される。
【0071】また好ましくは、トルク波形は、同期モー
タの回転軸と負荷モータの回転軸とをトルク検出装置で
結合し、同期モータを駆動させてトルク検出装置で検出
したものである。この場合は、トルク波形を容易に生成
できる。
【0072】また、この発明に係る他のモータ駆動装置
では、同期モータのコイルに駆動電流を流すための出力
制御が可能な電源と、同期モータのコイルに流れる電流
を検出するための電流検出手段と、同期モータの回転ト
ルクに関連するモータ情報を発生するモータ情報発生手
段と、モータ情報発生手段からのモータ情報に基づい
て、同期モータを高効率で駆動させるための目標電流波
形を生成する電流波形生成手段と、電流検出手段によっ
て検出された電流の波形と電流波形生成手段で生成され
た電流波形とが一致するように電源の出力制御を行なう
制御手段とが設けられ、モータ情報発生手段は、同期モ
ータのコイルの逆起電圧波形を検出する電圧波形検出手
段を含み、モータ情報は、電圧波形検出手段によって検
出された逆起電圧波形である。したがって、同期モータ
の回転トルクに応じた電流波形でコイルを駆動できるの
で、無駄な電流が消費されるのを防止することができ、
高い効率が得られる。
【0073】また好ましくは、電源の出力電圧と電流検
出手段によって検出された電流との位相差を検出する位
相差検出手段を備え、制御手段は、さらに、位相差検出
手段によって検出された位相差が所望の値になるように
電源の出力制御を行なう。この場合は、モータの回転数
を検出することなく、所望の回転数でモータを駆動させ
ることができる。
【0074】
【0075】また、この発明に係るさらに他のモータ駆
動装置では、同期モータのコイルに駆動電流を流すため
の出力制御が可能な電源と、同期モータのコイルに流れ
る電流を検出するための電流検出手段と、同期モータの
回転数を検出するための回転数検出手段と、同期モータ
の回転トルクに関連するモータ情報を発生するモータ情
報発生手段と、モータ情報発生手段からのモータ情報に
基づいて、同期モータを高効率で駆動させるための目標
電流波形を生成する電流波形生成手段と、電流検出手段
によって検出された電流の波形と電流波形生成手段で生
成された電流波形とが一致するように電源の出力制御を
行なうとともに、回転数検出手段によって検出された回
転数が所望の値になるように電源の出力制御を行なう制
御手段とが設けられ、モータ情報発生手段は、同期モー
タのコイル1相当りのトルク波形と同期モータの回転数
との関係が予め格納されたトルク波形格納手段を含み、
モータ情報は、回転数検出手段によって検出された回転
数に応じてトルク波形格納手段から読出されたトルク波
形である。したがって、同期モータの回転トルクに応じ
た電流波形でコイルを駆動できるので、無駄な電流が消
費されるのを防止することができ、高い効率が得られ
る。
【0076】また好ましくは、さらに、同期モータの回
転数とその回転数において同期モータを高効率で駆動さ
せるための駆動方法との関係が予め格納された駆動方法
格納手段を備え、制御手段は、さらに、回転数検出手段
によって検出された回転数に応じて駆動方法格納手段か
ら読出された駆動方法で電源の出力制御を行なう。この
場合は、駆動方法格納手段から回転数に応じて読出され
た駆動方法で電源が制御される。
【0077】
【0078】
【0079】また好ましくは、同期モータは3相コイル
を含み、3相コイルの中性点は接地されている。この場
合は、各コイルを独立に制御することができるので、3
相間の干渉もなく、モータを高効率で駆動できる。
【0080】また好ましくは、同期モータは、永久磁石
が内蔵されたロータを有するIPMモータである。この
場合は、特に高い効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるモータ駆動装
置の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】 図1に示したIPMモータの要部を示す断面
図である。
【図3】 図1および図2に示したIPMモータのトル
ク波形を説明するための図である。
【図4】 図1に示したモータ駆動装置についてのシミ
ュレーション結果を示す図である。
【図5】 この実施の形態1の変更例を示す図である。
【図6】 IPMモータ1のトルク波形を生成するため
の装置を示すブロック図である。
【図7】 この実施の形態1の他の変更例を示す回路ブ
ロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態2によるモータ駆動装
置の構成を示す回路ブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態3によるモータ駆動装
置の構成を示す回路ブロック図である。
【図10】 この実施の形態3の変更例を示す回路ブロ
ック図である。
【図11】 この発明の実施の形態4によるモータ駆動
装置の構成を示す回路ブロック図である。
【図12】 この実施の形態4の変更例を示す回路ブロ
ック図である。
【図13】 IPMモータのトルクを説明するための図
である。
【図14】 従来のモータ制御装置の構成を示す回路ブ
ロック図である。
【図15】 従来のモータ駆動装置の問題点を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 IPMモータ、2 AC電源、3 AC/DCコン
バータ回路、4,84インバータ回路、5〜10 IG
BT、11〜16,78〜83 ダイオード、17 電
流センサ、20,45,50,55,57,60,65
制御部、21 コイル1相トルク波形格納部、22
目標電流波形算出部、23 コイル電流検出部、24
検出/目標電流比較部、25 回転数/位置算出部、2
6 目標回転数格納部、27 回転数比較部、28,5
4 コイル電圧制御部、29PWM作成/各相分配部、
31 ロータ、32 永久磁石、33 スリット、34
回転軸、35 ステータ、36 ティース、37 ス
テータ巻線、38u,38v,38w,86u,86
v,86w コイル、38d,86d,87d中性点、
41 負荷装置、42 トルク検出部、43 負荷装置
駆動部、44対象モータデータ測定/駆動部、46 逆
起電圧波形検出部、51 目標位相差格納部、52 電
圧/電流位相差検出部、53 比較部、56 回転数−
コイル1相トルク波形格納部、58 負荷トルク算出
部、59 モータ出力−コイル1相トルク波形格納部、
61 回転数/効率格納部、62 駆動方法選択部、6
3各駆動方法対応部、66 モータ出力/効率データ格
納部、71 直流電源、72〜77 スイッチングトラ
ンジスタ、85 ブラシレスDCモータ、87u,87
v,87w,88,90,92 抵抗素子、89,95
演算増幅器、91 差動増幅器、93 キャパシタ、
94 積分器、96 ゼロクロスコンパレータ、97
マイクロプロセッサ、98 ベース駆動回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02P 6/16 H02P 6/02 341N (56)参考文献 特開 平11−55986(JP,A) 特開 平3−178590(JP,A) 特開 昭64−50793(JP,A) 国際公開95/027328(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/06 H02P 6/16

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石が装着されたロータを有する同
    期モータを駆動させるためのモータ駆動装置であって、 前記同期モータのコイルに駆動電流を流すための出力制
    御が可能な電源、 前記同期モータのコイルに流れる電流を検出するための
    電流検出手段、前記同期モータの回転数を検出するための回転数検出手
    段、 前記回転数検出手段によって検出された回転数に基づい
    て前記同期モータの出力を算出する出力算出手段、 前記同期モータの回転トルクに関連するモータ情報を発
    生するモータ情報発生手段、 前記モータ情報発生手段からのモータ情報に基づいて、
    前記同期モータを高効率で駆動させるための目標電流波
    形を生成する電流波形生成手段、および前記電流検出手
    段によって検出された電流の波形と前記電流波形生成手
    段で生成された電流波形とが一致するように前記電源の
    出力制御を行なうとともに、前記回転数検出手段によっ
    て検出された回転数が所望の値になるように前記電源の
    出力制御を行なう制御手段を備え 前記モータ情報発生手段は、前記同期モータのコイル1
    相当りのトルク波形と前記同期モータの出力との関係が
    予め格納されたトルク波形格納手段を含み、 前記モータ情報は、前記出力算出手段によって算出され
    た同期モータの出力に応じて前記トルク波形格納手段か
    ら読出されたトルク波形である 、モータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記同期モータの出力とその出
    力において前記同期モータを高効率で駆動させるための
    駆動方法との関係が予め格納された駆動方法格納手段を
    備え、 前記制御手段は、さらに、前記出力算出手段によって算
    出された前記同期モータの出力に応じて前記駆動方法格
    納手段から読出された駆動方法で前記電源の出力制御を
    行なう 、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記トルク波形は、前記同期モータの回
    転軸と負荷モータの回転軸とをトルク検出装置で結合
    し、前記同期モータを駆動させて前記トルク検出装置で
    検出したものである、請求項1または請求項2に記載の
    モータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 永久磁石が装着されたロータを有する同
    期モータを駆動させるためのモータ駆動装置であって、 前記同期モータのコイルに駆動電流を流すための出力制
    御が可能な電源、 前記同期モータのコイルに流れる電流を検出するための
    電流検出手段、 前記同期モータの回転トルクに関連するモータ情報を発
    生するモータ情報発生手段、 前記モータ情報発生手段からのモータ情報に基づいて、
    前記同期モータを高効率で駆動させるための目標電流波
    形を生成する電流波形生成手段、および 前記電流検出手
    段によって検出された電流の波形と前記電流波形生成手
    段で生成された電流波形とが一致するように前記電源の
    出力制御を行なう制御手段を備え、 前記モータ情報発生手段は、前記同期モータのコイルの
    逆起電圧波形を検出する電圧波形検出手段を含み、 前記モータ情報は、前記電圧波形検出手段によって検出
    された逆起電圧波形である、モータ駆動装置。
  5. 【請求項5】 さらに、前記電源の出力電圧と前記電流
    検出手段によって検出された電流との位相差を検出する
    位相差検出手段を備え、 前記制御手段は、さらに、前記位相差検出手段によって
    検出された位相差が所望の値になるように前記電源の出
    力制御を行なう、請求項に記載のモータ駆動装置。
  6. 【請求項6】 永久磁石が装着されたロータを有する同
    期モータを駆動させるためのモータ駆動装置であって、 前記同期モータのコイルに駆動電流を流すための出力制
    御が可能な電源、 前記同期モータのコイルに流れる電流を検出するための
    電流検出手段、 前記同期モータの回転数を検出するための回転数検出手
    段、 前記同期モータの回転トルクに関連するモータ情報を発
    生するモータ情報発生手段、 前記モータ情報発生手段からのモータ情報に基づいて、
    前記同期モータを高効率で駆動させるための目標電流波
    形を生成する電流波形生成手段、および 前記電流検出手
    段によって検出された電流の波形と前記電流波形生成手
    段で生成された電流波形とが一致するように前記電源の
    出力制御を行なうとともに、前記回転数検出手段によっ
    て検出された回転数が所望の値になるように前記電源の
    出力制御を行なう制御手段を備え、 前記モータ情報発生手段は、前記同期モータのコイル1
    相当りのトルク波形と前記同期モータの回転数との関係
    が予め格納されたトルク波形格納手段を含み、 前記モータ情報は、前記回転数検出手段によって検出さ
    れた回転数に応じて前記トルク波形格納手段から読出さ
    れたトルク波形である、モータ駆動装置。
  7. 【請求項7】 さらに、前記同期モータの回転数とその
    回転数において前記同期モータを高効率で駆動させるた
    めの駆動方法との関係が予め格納された駆動方法格納手
    段を備え、 前記制御手段は、さらに、前記回転数検出手段によって
    検出された回転数に応じて前記駆動方法格納手段から読
    出された駆動方法で前記電源の出力制御を行なう、請求
    に記載のモータ駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記同期モータは3相コイルを含み、 前記3相コイルの中性点は接地されている、請求項1か
    ら請求項のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記同期モータは、永久磁石が内蔵され
    たロータを有するIPMモータである、請求項1から請
    求項のいずれかに記載のモータ駆動装置。
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