JP3468312B2 - アルカリホスファターゼの検出方法 - Google Patents

アルカリホスファターゼの検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリホスファター
ゼの電気化学的検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床診断分野において、被検試料中の検
出対象物質、例えば各種の抗原や抗体、ポリペプチド
類、ステロイド類、核酸などを測定することは、疾病の
診断及び治療の指針として日常的に汎用されている手段
である。具体的な方法としては、免疫比濁法、標識免疫
測定法やブロット法などがある。そのなかでも、酵素免
疫測定法や酵素標識プローブを用いた核酸のハイブリダ
イゼーションアッセイなどのように、酵素活性をマーカ
ーとして用いる方法は、精度が高く、しかも高感度に検
出対象物質を測定することができるので広く利用されて
いる。酵素活性を測定する方法には、分光学的測定法、
蛍光法や発光法などがある。分光学的測定法は、操作の
簡便性、迅速性から今日最も普及している方法である。
また、蛍光法や発光法も、分光学的測定法よりも高感度
な測定法として広く利用されている。しかし、これらの
測定法は、光学測定系に大がかりな装置を必要とするた
め、測定機器が全体として大型になりやすい。従って、
臨床検査室や研究室などのように、多量に検体処理をす
る場合でも、スペース上の問題が欠点となるが、特に患
者のベッドサイドで検査を行う場合や、臨床検査室を有
していない病院で緊急に測定結果を必要とする場合には
大きな障害となる。
【0003】これら光学的な測定法とは対照的に、電気
化学的な測定法は、測定装置が小型であるため、携帯も
容易で、簡易な測定法として注目されている。また、こ
の分野では、標識酵素としてアルカリホスファターゼが
よく利用されている。なぜなら、その酵素反応の加水分
解生成物が電気化学的に測定しやすいからである。アル
カリホスファターゼの電気化学的な測定法として、フェ
ニルホスフェイトやナフチルホスフェイト、アミノフェ
ニルホスフェイトなどを基質として用いた方法が既に報
告されている。いずれも、高感度に酵素反応生成物を測
定することを目的としたものであるが、以下のような欠
点がある。
【0004】すなわち、フェニルホスフェイトをアルカ
リホスファターゼの基質として用いた測定法(Clin.Che
m.,31,1546-1549,1985;特開平2−119799号公
報)では、酵素反応生成物であるフェノールを電極酸化
するために、+670mV(vs.Ag/AgCl電
極)又はそれ以上の高い電位を必要とする。このよう
に、測定電位が高い場合、測定試料中に含まれる多くの
物質がフェノールとともに酸化されてしまうため、これ
らの物質を何らかの方法、例えばカラムによる分離など
により予め除去しておく必要があった。また、1−ナフ
チルホスフェイトを基質として用いた場合、酵素反応生
成物である1−ナフトールを測定(特開平3−2165
47号公報)するのに必要な電位はAg/AgCl電極
に対し+300mVであるが、感度が低く、実用に供す
るには不十分である。
【0005】4−アミノフェニルホスフェイトをアルカ
リホスファターゼの基質として用いた場合(Anal.Bioch
em.,192,90-95,1991)、反応生成物である4 −アミノフ
ェノールを電極酸化するために必要な電位(vs.Ag
/AgCl電極)も+300mVと低い。しかし、4−
アミノフェニルホスフェイト自体が室温で非常に不安定
で急速に酸化・重合されるだけでなく、酵素反応生成物
である4−アミノフェノールも酸化されやすい。特に4
−アミノフェノールは、アルカリ性では不安定であるた
め、アルカリに至適pHをもつアルカリホスファターゼ
の基質としては不適切である。また、アミノフェノール
類をメディエータとした電気化学的測定法及びその効果
的な増感法も報告されている(特開平5−196601
号公報)。しかし、この方法でも、先に述べたような電
気化学的に不安定なアミノフェノールを用いているだけ
でなく、至適pHの異なる2種類の酵素を用いているた
めに操作が煩雑である。例えば、至適pHを10.0〜
10.5にもつアルカリホスファターゼを作用させて生
じたアミノフェノールを測定する際、その測定感度を増
幅させるために、NADHあるいはNADPHの共存下
で至適pHを8.5 にもつジアホラーゼを作用させるた
め、検出工程のみでも二段階の操作を行うことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、アルカ
リホスファターゼの電気化学的な測定法は、いずれの方
法においても、測定電位、測定感度、基質あるいは酵素
反応生成物の安定性など様々な問題点を抱えており、実
用には至っていなかった。本発明者らは、従来技術の欠
点を解消すべく種々研究を重ねたところ、アスコルビン
酸リン酸エステルの酸化電位が高いこと、また、この化
合物をアルカリホスファターゼの基質として用いた場合
の酵素反応生成物であるアスコルビン酸との酸化電位の
差が大きいことを利用すると、アルカリホスファターゼ
の優れた電気化学的測定方法を提供することができるこ
とを見出した。本発明は、こうした知見に基づくもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、アス
コルビン酸リン酸エステルを基質として用い、アスコル
ビン酸が酸化される電位又はアスコルビン酸と可逆的に
酸化還元を行う化合物が酸化される電位(但し、アスコ
ルビン酸リン酸エステルが酸化される電位範囲を除く)
を印加することを含む、アルカリホスファターゼの電気
化学的検出又は測定方法に関する。すなわち、本発明
は、電気化学的に安定なアスコルビン酸リン酸エステル
をアルカリホスファターゼの基質として用いることによ
り、測定電位が低く且つ高感度な電気化学的測定法を提
供するものである。
【0008】以下、本発明を詳述する。本発明方法で基
質として用いるアスコルビン酸リン酸エステルは、アス
コルビン酸の空気酸化を抑える手段として、アスコルビ
ン酸のエンジオール基をリン酸エステルで置換した化合
物である。合成が容易であり(Chem.Pharm.Bull.,17,38
1-386,1969)、しかも保存安定性が良好で、アルカリ性
の水溶液中で2カ月以上保存(4℃)しても何ら変化を
示さない。アスコルビン酸リン酸エステルは、この化合
物の有する抗壊血病活性や色素形成阻害作用により、従
来から化粧品に用いられている(ビタミン,41,387-398,
1970)。更に、食品加工分野においても食肉の発色剤
(日食工誌,18,247-252,1971)として用いられるなど、
多方面で利用されている。
【0009】この化合物をアルカリホスファターゼの基
質として用いた測定法も若干ではあるが報告されてい
る。現在までに報告されている測定法には、酵素反応に
よって生じたアスコルビン酸をルシゲニンと接触させ、
生じた光を測定する方法(特開平4−8299号公報)
や、同じく酵素反応によって生じたアスコルビン酸とル
シゲニンとを増感剤及び/又は増感助剤の存在下で接触
させる方法(特開平4−229197号公報)、また、
酵素反応によって生じたアスコルビン酸により金属を還
元し、この還元金属とキレート化合物を形成する色原体
との反応により生成した色素を測定する方法(特開平5
−99号公報)がある。上記のように、アスコルビン酸
リン酸エステルを用いたアルカリホスファターゼの測定
方法は、発光法及び比色法で報告されているのみに過ぎ
ず、電気化学的な測定法に使用した例は従来全く知られ
ていなかった。
【0010】アスコルビン酸リン酸エステルのサイクリ
ックボルタンメトリーを行ってボルタモグラムを作成す
れば明らかなように、アスコルビン酸リン酸エステルの
酸化電位はかなり高く、その酸化電位と、酵素反応によ
って生成するアスコルビン酸の酸化電位とには大きな差
があるので、アスコルビン酸リン酸エステルを基質とし
て用いることによりアルカリホスファターゼを電気化学
的に高感度で測定することができる。
【0011】本発明方法で用いられるアスコルビン酸リ
ン酸エステルとしては、アスコルビン酸−2−リン酸エ
ステル、アスコルビン酸−3−リン酸エステル、あるい
はそれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を挙
げることができ、それら化合物の1種又はそれ以上を組
み合わせて用いることができる。また、本発明方法で用
いるアルカリホスファターゼは、高等動物から微生物ま
でのいずれの由来でもよいが、好ましくは仔ウシ小腸由
来のものがよい。アスコルビン酸リン酸エステルを基質
としてアルカリホスファターゼの酵素活性測定をする場
合、アルカリホスファターゼが酵素活性を発現できる範
囲、例えば仔ウシ小腸由来のものであればpH8.5〜
11.0の緩衝液中で両者を接触させればよく、他に制
限はない。
【0012】本発明におけるアルカリホスファターゼの
酵素活性は、酵素反応生成物であるアスコルビン酸を電
極により直接酸化した時の電流値を求めることにより測
定することができる。しかしながら、電極あるいは緩衝
液の選定により溶存酸素などの影響を受ける場合には、
必要に応じて可逆的に酸化還元を行う化合物、例えば、
ヘキサシアノ鉄酸塩などを測定に用いて、アスコルビン
酸の酸化電流を間接的に測定することができる。すなわ
ち、アスコルビン酸で、例えばフェリシアン化カリウム
などの酸化体を還元し、生じた還元体、例えばフェロシ
アン化カリウムなどの酸化電流を測定してもよい。
【0013】酵素生成物であるアスコルビン酸をそのま
ま直接的に測定する場合、その測定電位(vs.Ag/
AgCl電極)は、+0〜+250mV、好ましくは+
50〜+200mVである。また、間接的に測定するた
めに、可逆的に酸化還元を行う化合物を測定に用いた場
合、その測定電位は用いた化合物により異なるが、例え
ば、ヘキサシアノ鉄酸塩を測定に用いた場合、必要な電
位(vs.Ag/AgCl電極)は+200〜+450
mV、好ましくは+250〜+400mVである。
【0014】本発明の前記電気化学的測定法を用いる
と、例えば生体試料中に存在する特定の微量成分の検出
方法において、標準物質に付した標識、すなわちアルカ
リホスファターゼからの信号を効率よく検出することが
できる。
【0015】標識を用いる特定物質の検出方法において
は、被検試料中に存在する検査対象物質に対して種々の
標準物質を用い、その標準物質に標識を付け、検査対象
物質と標準物質とが参加する各種の反応の後に、標識か
らの信号を検出して、検査対象物質の検出を行う。すな
わち、検査対象物質を含有する被検試料と、その検査対
象物質に親和性を有し複合体を形成することのできる標
準物質を用いた場合、被検試料と過剰量の標準物質を接
触させることにより、検査対象物質と標準物質は一定比
率で複合体を形成する。ここで形成した複合体量は、標
準物質が過剰量であることから、被検試料中に含まれて
いる検査対象物質量に相関している。従って、形成した
複合体量が分かれば、被検試料中の検査対象物質量又は
濃度を求めることができる。複合体量を求める方法は、
もし必要であれば、形成した複合体を既知の方法にて分
離し、その複合体の標準物質に付いている標識が発生す
る信号の強度、すなわち、標識に由来する酸化電流の強
度を測定することにより、検査対象物質の検出を行うこ
とができる。
【0016】本発明方法の場合には、具体的には、標識
(アルカリホスファターゼ)と基質(アスコルビン酸リ
ン酸エステル)との酵素反応生成物(アスコルビン酸)
の酸化電流を測定するか、又は酵素反応生成物(アスコ
ルビン酸)と相互作用をする化合物の酸化電流を測定す
る。
【0017】また、検査対象物質と化学的あるいは免疫
学的に同一又は類似の標準物質を用いた場合、検査対象
物質及び標準物質双方に親和性があり、複合体を形成す
ることのできる第3の物質が参加する反応を利用するこ
とができる。この場合には、被検試料と一定量の標準物
質及び第3の物質をそれぞれ接触させる。この工程によ
り、検査対象物質と第3の物質、標準物質と第3の物質
の複合体形成反応が競合し、被検試料中に含有する検査
対象物質の量に相関して、標準物質と第3の物質とで形
成する複合体の量は減少する。従って、この標準物質と
第3の物質とから形成された複合体量が分かれば、検査
対象物質中の検査対象物質量又は濃度を求めることがで
きる。複合体量を求める方法は、前記方法と同様に、標
準物質に付いている標識に由来した酸化電流を測定すれ
ばよい。
【0018】本発明方法において、検査対象物質が含ま
れる被検試料は、限定されるものではないが、特には生
体試料、例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液又は髄液
や、細胞又は組織抽出液などを挙げることができる。検
査対象物質も限定されるものではないが、例えば、各種
タンパク質、多糖類、脂質又は核酸を挙げることがで
き、より具体的には、フィブリノーゲン、アルブミン、
AFP、CRP、HBs抗体、HIV抗体、HTLV抗
体、ホルモンなどや、抗てんかん薬及びジコギシンなど
の各種薬剤などを挙げることができる。また、検査対象
物質の核酸には、特定の塩基配列を有するDNA断片な
ども含まれる。また、標識、例えば、アルカリホスファ
ターゼを付ける被標識物質としては、検査対象物質、相
補的DNAなどである。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:アスコルビン酸リン酸エステルのサイクリッ
クボルタンメトリー (1)使用したサイクリックボルタンメトリー装置は以
下の構成からなる。 電解セル:ガラス製セル(容量:5 ml) 作用電極:グラッシーカーボン電極(直径3mm) 対極:白金電極 参照電極:Ag/AgCl電極 ファンクションジェネレーター:HB104〔北斗電工
(株)〕 ポテンシオスタット:HA501〔北斗電工(株)〕 記録計:X−YレコーダーF35〔理研電子(株)〕 (2)サイクリックボルタンメトリーの操作 10mMのL−アスコルビン酸リン酸エステル・マグネ
シウム塩と0. 1MNaClを含む0. 1M炭酸緩衝液
(pH10. 0)について、上記装置で常法により、2
5℃及び掃引速度50mV/秒(−500mVより正方
向に掃引)の条件下でサイクリックボルタンメトリーを
行い、ボルタモグラムを作成した。結果を図1に示す。
L−アスコルビン酸リン酸エステル・マグネシウム塩の
酸化電流は、+550mV以上の電位をかけた場合に流
れることが分かる。
【0020】実施例2:アスコルビン酸リン酸エステル
にアルカリホスファターゼを作用させた時のサイクリッ
クボルタンメトリー 10mMのL−アスコルビン酸リン酸エステル・マグネ
シウム塩と0. 1MのNaClを含む0. 1M炭酸緩衝
液(pH10. 0)50mlに0. 1mg/mlのアル
カリホスファターゼを0.1ml加え、25℃にて酵素
反応を行った。実施例1で使用したサイクリックボルタ
ンメトリー装置を用いて常法により、25℃及び掃引速
度50mV/秒(−400mVより正方向に掃引)の条
件下で10分毎にサイクリックボルタンメトリーを行
い、ボルタモグラムを作成した。結果を図2に示す。図
2から明らかなように、酵素反応時間に比例して、生じ
たL−アスコルビン酸の酸化電流値が増加していること
が分かる。
【0021】実施例3:フロー法を利用したアルカリホ
スファターゼの測定 (1)使用した測定装置は以下の構成からなる。 サンプルインジェクター:Σ80〔(有)IRICA〕 (サンプルルーフは20μl 容のものを使用した。) アンペロメーター:Σ875〔(有)IRICA〕 (測定電位はAg/AgCl電極に対し+200mVと
した。) 作用電極:白金電極 ポンプ:Σ871〔(有)IRICA〕 (流速は0. 4ml/分とした。) 記録計:HITACHI 058〔(株)日立製作所〕 キャリヤー:0. 1M−NaClを含む0. 1M炭酸緩
衝液(pH10. 0) ポンプとアンペロメーターの間にダンパー(自家製)を
つなぎ、フロー法でカラムなしで測定を行った。ピーク
電流値は、ピーク高さを用いて測定した。 (2)測定方法 各種濃度のアルカリホスファターゼ溶液10μlを10
mMのL−アスコルビン酸リン酸エステル・マグネシウ
ム塩と0. 1MのNaClを含む0. 1M炭酸緩衝液
(pH10. 0)1mlに添加した。25℃で5分間反
応させた後、上記測定装置を用い、酵素反応溶液の電流
値を測定した。結果を図3に示す。図3から明らかなよ
うに、アルカリホスファターゼ濃度に比例して生じたア
スコルビン酸の電流値は増加している。また、本実施例
の結果から本発明方法によるアルカリホスファターゼの
検出限界は、7×10-18 molであることが分かっ
た。
【0022】実施例4:アルカリホスファターゼ標識抗
体を用いたヒトα−フェトプロテインの測定 ポリスチレンビーズ〔直径6. 35mm:積水化学工業
(株)〕1個に対し、抗ヒトα−フェトプロテイン抗体
〔抗ヒトAFP抗体:(株)ヤトロン〕溶液0. 5ml
を加え、37℃で1. 5時間振とうした後、生理食塩水
で3回洗浄した。ヒトAFPコントロール溶液〔(株)
日本バイオテスト社〕を0. 1%ウシアルブミンと0.
15M−NaClを含む10mMリン酸緩衝液(pH
7. 0)(以下、BSA溶液ともいう)で希釈し、AF
Pとして25pg/ml〜100ng/mlの希釈溶液
を調製した。各希釈溶液400μlに対し、前記操作に
より調製した抗体感作ビーズを1個加え、37℃で1時
間静置した後、生理食塩水で2回洗浄した。そこにアル
カリホスファターゼ標識抗ヒトAFP抗体溶液400μ
lを加え、37℃で1時間静置した後、生理食塩水で3
回洗浄した。処理したビーズを新しい容器に移し、基質
溶液として10mMのL−アスコルビン酸リン酸エステ
ル・マグネシウム塩と0. 1MのNaClを含む0. 1
M炭酸緩衝液(pH10. 0)0. 5mlを加え、15
分間室温で酵素反応させた。実施例3で使用した測定装
置を用い、前記の酵素反応液の電流値を測定した。結果
を図4に示す。本実施例の結果から、本発明方法により
50pg/mlのAFPが検出可能なことが分かった。
【0023】
【発明の効果】本発明方法によれば、基質溶液の保存安
定性が良好であり、酵素反応生成物の測定電位も低く、
且つ高感度にアルカリホスファターゼを電気化学的に検
出することができるため、従来法の問題点を一挙に解決
することができる。この検出方法を応用して、被検試料
中の検出対象物質を測定する場合、例えば、アルカリホ
スファターゼを標識酵素として測定に用いることによ
り、極めて有効な検出手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アスコルビン酸リン酸エステルのサイクリック
ボルタモグラムである。
【図2】アスコルビン酸リン酸エステルにアルカリホス
ファターゼを作用させた場合の経時変化を示す、サイク
リックボルタモグラムである。
【図3】アルカリホスファターゼ濃度と酵素反応によっ
て生成したアスコルビン酸の酸化電流値との関係を示す
グラフである。
【図4】アルカリホスファターゼ標識抗体を用い、AF
Pを測定した場合の検量線である。
フロントページの続き (72)発明者 相澤 益男 東京都杉並区天沼2−19−14 (56)参考文献 特開 平4−8299(JP,A) 特開 平4−229197(JP,A) 特開 平5−99(JP,A) 特開 平6−109693(JP,A) 特開 平6−78795(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 - 27/49 C12Q 1/00 - 3/00 G01N 33/48 - 33/98 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスコルビン酸リン酸エステルを基質と
    して用い、アスコルビン酸が酸化される電位又はアスコ
    ルビン酸と可逆的に酸化還元を行う化合物が酸化される
    電位(但し、アスコルビン酸リン酸エステルが酸化され
    る電位範囲を除く)を印加することを含む、アルカリホ
    スファターゼの電気化学的検出又は測定方法。
  2. 【請求項2】 基質として用いられるアスコルビン酸リ
    ン酸エステルが、アスコルビン酸−2−リン酸エステル
    又はアスコルビン酸−3−リン酸エステル、あるいはそ
    れらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である、
    請求項1に記載の方法。
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