JP3468205B2 - 圧電デバイスの周波数特性調整装置 - Google Patents
圧電デバイスの周波数特性調整装置Info
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Description
タ(MCF(モノリシック クリスタル フィルタ))
に代表される圧電デバイスの製造工程において、圧電デ
バイスの周波数特性を調整する周波数特性調整装置に係
る。特に、本発明は、圧電デバイスの画像認識を高精度
で行うための改良に関する。
動等を利用した水晶フィルタにおいては、一般には、水
晶板の一方の面に入力電極と出力電極とが所定のギャッ
プを存して形成されると共に、その他方の面にはこれら
電極と対向する位置に共通電極が形成されている。
の一つとして、電極形成後のその電極表面に、例えばA
gやAl等の材質からなる薄膜を蒸着させて、周波数特
性を調整するパーシャル工程がある。このパーシャル工
程は例えば特開平6−140861号公報に開示されて
いる。
着材料の蒸着位置を正確に得るために、水晶板上におけ
る電極位置をCCDカメラ等の撮像手段によって予め認
識しておき、それに基づいて蒸着材料の蒸着位置を決定
している。
おいて上記共通電極に対向してハロゲンランプ及びCC
Dカメラが設置され、共通電極に向かってハロゲンライ
トを照射しながら、その反射光をCCDカメラによって
捉えて電極位置を画像認識する。そして、この画像認識
情報に基づいて蒸着材料の蒸着位置を決定し、それ以外
の領域をパーシャルマスクによりマスキングする。この
状態で、蒸着源からの蒸着材料を共通電極上の所定位置
に蒸着させるようになっている。
従来の画像認識の手法では、電極の輪郭を明瞭に識別す
るには未だ不十分であった。つまり、電極とその背景と
のコントラストを十分に得ることができず、電極位置の
誤認識を引き起こしてしまう可能性があった。特に、ポ
リッシュ処理やディープエッチング処理が施されている
水晶板にあっては、結晶面が露出しているために略透明
となっており、その背景(水晶板が取り付けられるベー
ス側の回路パターン)までもがCCDカメラによって撮
像されてしまう。これでは、検出すべき電極の輪郭とそ
の背景の回路パターンとの識別が困難になり、パーシャ
ルマスクの位置ずれによるマスキング不良が発生し、蒸
着材料の蒸着位置にずれが生じる可能性がある。このた
め、水晶フィルタの不良品発生率を削減するには限界が
あった。また、このような位置ずれが生じる可能性のあ
る状態では、所望の周波数特性を有する水晶フィルタを
製造するために多数回のパーシャル工程を繰り返さねば
ならないといった製造効率の悪化も招いてしまう。
であり、その目的とするところは、圧電デバイスの製造
時にそのデバイス上の電極を画像認識するに際し、電極
とその背景とのコントラストを十分に得ることによって
電極の輪郭を明瞭に識別することができる圧電デバイス
の周波数特性調整装置を提供することにある。
上の電極を画像認識する際の照明光を特定の単色光に設
定し、それによって、撮像手段で撮像する際の電極と背
景とのコントラストが十分に得られるようにしたもので
ある。
面及び他方の面に電極がそれぞれ形成されている圧電デ
バイスを撮像して画像認識し、上記他方の面の電極に対
して蒸着材料の蒸着動作を行って周波数特性を調整する
圧電デバイスの周波数特性調整装置を前提とする。この
周波数特性調整装置に対し、1種類のLEDを光源と
し、上記基板の他方の面に向けて特定波長の単色光のみ
の照射を行う圧電デバイス認識用照明装置と、上記圧電
デバイスを基板の上記他方の面側から撮像する撮像手段
と、上記略透明の基板を透過して撮像手段により撮像さ
れた基板の一方の面の画像データに基づいて他方の面の
電極上での中心位置を算出する画像処理装置と、上記基
板の他方の面の電極上での中心位置データを用いて蒸着
材料の蒸着動作を制御する制御部とを備えさせている。
スに照射された特定波長の単色光は、圧電デバイスによ
り反射され、撮像手段によって撮像される。これによ
り、圧電デバイス上の例えば電極位置などが画像認識さ
れ、その後の処理(例えば周波数調整のためのパーシャ
ル処理)に利用される。そして、圧電デバイスに照射さ
れた照明光は単色光であるため、色収差の影響を受ける
ことがなく、撮像手段による高精度の画像認識が可能と
なる。例えば電極とその背景の回路パターンとのコント
ラストが十分に得られ、この電極の輪郭が明瞭に撮像さ
れる。
3の解決手段が挙げられる。先ず、第2の解決手段で
は、上記第1の解決手段において、光源を青色LEDと
している。また、第3の解決手段では、上記第1の解決
手段において、光源を緑色LEDとしている。
の短い単色光で圧電デバイスを照明しながら撮像手段に
よる圧電デバイスの撮像が行われる。このため、撮像手
段における焦点の合わせ込みを良好に行うことができ、
撮像の解像度が向上して、より高精度の画像認識が可能
となる。
めの他の手段として以下の構成が挙げられる。つまり、
略透明の基板の一方の面及び他方の面に電極がそれぞれ
形成されている圧電デバイスを撮像して画像認識し、上
記他方の面の電極に対して蒸着材料の蒸着動作を行って
周波数特性を調整する圧電デバイスの周波数特性調整装
置を前提とする。この周波数特性調整装置に対し、光源
の照明光のうちの特定波長の単色光のみを透過させる光
フィルタを備え、この光フィルタを透過した単色光のみ
を上記基板の他方の面に向けて照射するよう構成された
圧電デバイス認識用照明装置と、上記圧電デバイスを基
板の上記他方の面側から撮像する撮像手段と、上記略透
明の基板を透過して撮像手段により撮像された基板の一
方の面の画像データに基づいて他方の面の電極上での中
心位置を算出する画像処理装置と、上記基板の他方の面
の電極上での中心位置データを用いて蒸着材料の蒸着動
作を制御する制御部とを備えさせている。
照射される照明光を単色光として得ることができ、色収
差の影響を受けることなしに高精度の画像認識が可能と
なる。
及び第6の解決手段が挙げられる。先ず、第5の解決手
段では、上記第4の解決手段において、光フィルタを、
青色単色光のみを透過させる青色フィルタとしている。
また、第6の解決手段では、上記第4の解決手段におい
て、光フィルタを、緑色単色光のみを透過させる緑色フ
ィルタとしている。
2及び第3の解決手段の場合と同様に、特に波長の短い
照明光で圧電デバイスを照明しながら撮像手段による圧
電デバイスの撮像が行われ、撮像の解像度が向上し、よ
り高精度の画像認識が可能となる。
照明光の照射手法を具体的に特定したものである。つま
り、上記第1〜第6のうち何れか一つの解決手段におい
て、特定波長の単色光を、圧電デバイスの外周囲の複数
方向から圧電デバイスに向けて照射するよう構成してい
る。つまり、所謂リングライトガイド等の手段を用いて
圧電デバイスに対する照明を行うようにしたものであ
る。
手段によって撮像するに際し、この圧電デバイスの影を
生じさせることがない。つまり、影の存在による画像の
誤認識を回避した状態で撮像手段による撮像が可能とな
る。その結果、上記照明光を特定の単色光にしたことに
よる作用と、影の存在を回避させたこととが相俟って更
に高精度の画像認識が可能になる。
して照射する照明光を改良することにより高精度の画像
認識を行うようにしたものであった。以下の第8の解決
手段は、圧電デバイスから反射されて撮像手段に入射さ
れる反射光を改良することにより高精度の画像認識を行
うようにしたものである。具体的には、略透明の基板の
一方の面及び他方の面に電極がそれぞれ形成されている
圧電デバイスを撮像して画像認識し、上記他方の面の電
極に対して蒸着材料の蒸着動作を行って周波数特性を調
整する圧電デバイスの周波数特性調整装置を前提とす
る。この周波数特性調整装置に対し、上記基板の他方の
面に向けて光を照射する照明手段と、上記照明手段から
圧電デバイスに照射された光の反射光を基板の上記他方
の面側から撮像する撮像手段と、上記撮像手段に入射さ
れる反射光のうちの特定波長の単色光のみを透過させる
光フィルタと、上記略透明の基板を透過して撮像手段に
より撮像された基板の一方の面の画像データに基づいて
他方の面の電極上での中心位置を算出する画像処理装置
と、上記基板の他方の面の電極上での中心位置データを
用いて蒸着材料の蒸着動作を制御する制御部とを備えさ
せている。
照射する照明手段としては従来のもの(例えばハロゲン
ランプ)を流用しながらも、上記第1の解決手段の場合
と同様の作用を得ることができ、撮像手段による高精度
の画像認識が可能となる。
体例として以下の第9及び第10の解決手段が挙げられ
る。先ず、第9の解決手段では、上記第8の解決手段に
おいて、光フィルタを、青色単色光のみを透過させる青
色フィルタとしている。また、第10の解決手段では、
上記第8の解決手段において、光フィルタを、緑色単色
光のみを透過させる緑色フィルタとしている。第11の
解決手段は、上記第1〜第10のうち何れか一つの解決
手段において、基板の一方の面及び他方の面にそれぞれ
引き出し電極が形成されており、画像処理装置が、基板
の一方の面に形成されている引き出し電極の角部を画像
認識し、この角部同士を繋いだ直線状の中央点が基板の
他方の面に形成された電極の中心位置であるとして求め
る構成としている。
射される反射光としては波長の短いもののみとなるた
め、上記第5及び第6の解決手段の場合と同様の作用に
より、撮像の解像度が向上し、より高精度の画像認識が
可能となる。
解決手段のうち何れか一つの解決手段において、基板
は、ポリッシュ処理またはディープエッチング処理が施
された水晶基板であって、この水晶基板の一方の面には
入力電極及び出力電極が所定のギャップを開けて形成さ
れており、他方の面には共通電極が形成されている。
ィルタに透過させて撮像手段に入射させるようにしたこ
とにより、水晶板における複屈折の影響を受けて偏光し
た反射光が光フィルタを透過することで、この複屈折の
影響を解消することができ、これによって、撮像手段に
よる画像認識動作が良好に行える。
に基づいて説明する。本形態では、圧電デバイスとして
MCF(モノリシック クリスタル フィルタ)を例に
挙げ、このMCFの製造ラインに本発明を適用した場合
について説明する。
るMCF10の製造工程の一つであるパーシャル工程部
分の構成図であって、機械的構成を表す模式図と電気的
構成を表すブロック図とを併記している。
ており、この真空装置1は、真空前室11、真空室12
及び真空後室13を備えている。これら各室11,1
2,13はそれぞれゲートバルブ14および15によっ
て仕切られている。また、これらの各室11,12,1
3を通じて、周波数調整すべきMCF10を保持するキ
ャリア21を移送するための移送装置2が配設されてい
る。
10は、素子Eと、この素子Eを収容保持する例えばセ
ラミックス製のベースRとを備えている。素子Eは、図
2にその電極パターンの模式図を示すように、水晶基板
Sの一方の面(図2においては裏面)にAg等の材料で
成る入力電極E1及び出力電極E2が所定のギャップG
を開けて形成され、他方の面(図2の手前側の面)に共
通電極E3が形成されている。また、水晶基板Sの各面
には引き出し電極E4,E5,E6が形成されており、
それぞれが各電極E1,E2,E3に個別に接続されて
いる。尚、本形態に係る水晶基板Sは、ポリッシュ処理
またはディープエッチング処理が施されている。このた
め、水晶基板Sは、結晶面が露出して略透明となってい
る。その結果、図2に示すように、水晶基板Sの裏面側
の引き出し電極E4,E5が表面側から視認できる状態
になっている。
参照)に収容され、このベースRの蓋が取り外されて共
通電極E3が下向きの開放側を向いて露呈した状態で、
MCF10がキャリア21に保持されている。尚、表面
実装型のベースRの底部には、素子Eの入出力電極E
1,E2及び共通電極E3をそれぞれ個別に外部に導出
するための図示しない外部導出部の回路パターンが形成
されている。
エリアA1と、真空後室13側の周波数調整エリアA2
の2つのエリアからなっている。画像処理エリアA1に
は、キャリア21に保持されたMCF10を撮像するた
めのCCDカメラ31が配置されている。このCCDカ
メラ31からの画像信号は、A−D変換器(図示せず)
によってデジタル化された後、真空装置1外に置かれた
画像処理装置3に取り込まれる。画像処理装置3では、
CCDカメラ31からの画像データに基づいて、各キャ
リア21に保持されたMCF10毎に、各電極E3,E
4,E5,E6の位置を画像認識し、これら電極E3,
E4,E5,E6の各位置情報を得る。そして、その情
報に基づき、各キャリア21に対するMCF10の搭載
状態(上下左右へのずれ、回転等)に係る情報を得て搭
載位置補正データとするとともに、その搭載状態におけ
る共通電極E3の画像上での中心位置を算出する。具体
的に、この共通電極E3の中心位置の算出は、入力電極
E1及び出力電極E2にそれぞれ繋がる引き出し電極E
4,E5の角部(図2における点C,C)を画像認識
し、この角部C,C同士を繋いだ直線上の中央点が共通
電極E3の中心位置であるとして求めている。これら搭
載位置補正データ及び中心位置のデータは、各MCF1
0毎に一旦メモリ32に格納され、後述する制御部8に
転送される。
理エリアA1には、CCDカメラ31に対向するMCF
10に対して照明用の光の照射を行う照明装置9が備え
られている。以下、この照明装置9の構成について説明
する。この照明装置9は、上記CCDカメラ31と一体
的に組み付けられている。図3は、CCDカメラ31及
びそれに一体的に組み付けられた照明装置9を示す平面
図(MCF10側から見た図)である。この図3に示す
ように、照明装置9は、CCDカメラ31の外周囲に円
環状に配置された複数個のLED91,91,…により
構成されている。本形態では円環状に12個のLED9
1,91,…が配列されている。このLED91,9
1,…の個数はこれに限るものではない。各LED9
1,91,…は青色に発行する所謂青色LEDである。
これら各LED91,91,…の点灯制御は、LED制
御部92(図1参照)によって行われる。
り、対向するMCF10に対して外周囲の複数方向から
の単色光としての青色光の照射が行われ、これによって
MCF10の影を発生させることなしにCCDカメラ3
1での撮像が行えるようになっている。そして、このよ
うに青色LEDを採用した場合、波長が比較的短い(4
50nm程度)の単色光をMCF10に照射することが
できるため、CCDカメラ31における焦点の合わせ込
みが良好に行え、撮像の解像度が向上して、高い精度で
電極E3,E4,E5,E6の画像認識を行うことがで
きる。また、照射される光は単色光(青色光)であるた
め、色収差に起因する水晶基板Sの複屈折の影響は殆ど
無く、これによっても高い精度での電極E3,E4,E
5,E6の画像認識が可能となる。この照明装置9とC
CDカメラ31とにより本発明に係る圧電デバイス認識
装置が構成されている。
位置決めされたキャリア21の下方に位置する蒸着源4
と、同じく蒸着位置Dに位置決めされたキャリア21に
保持された1つのMCF10に近接して対向配置される
パーシャルマスク5と、このパーシャルマスク5を水平
面上の2次元方向に移動させるためのマスク移動機構5
1と、パーシャルマスク5と蒸着源4との間に配置され
るシャッタ装置6とが配置されている。また、この周波
数調整エリアA2には、蒸着位置Dに位置決めされたキ
ャリア21に保持されているMCF10のベースRに形
成された外部導出端子を介して、入力電極E1、出力電
極E2及び共通電極E3を真空室12外に導出するため
の導出用回路7が設けられている。
めされたキャリア21に保持されているMCF10の入
力電極E1、出力電極E2及び共通電極E3を、真空室
12外の制御部8の制御下にある発振回路(もしくはネ
ットワークアナライザ)81に接続するための回路であ
り、この発振回路81により、蒸着位置D上のMCF1
0が駆動されるようになっている。
MCF10の周波数データに基づいて、MCF10の周
波数特性を求めると共に、その求められた周波数特性の
計測結果に従って、その特性が所要の周波数特性となる
ように、共通電極E3に蒸着すべき膜の厚さのデータ等
を算出するデータ処理部82のほか、駆動制御部83及
び蒸着制御部84を備えている。
の各種データと、メモリ32に記憶されている画像上で
の中心位置のデータ並びに搭載位置情報に係るデータを
用いて、周波数調整エリアA2のマスク移動機構51や
シャッタ装置6をはじめ、キャリア21の移送機構2等
を含めた装置全体の駆動部を制御する。また、蒸着制御
部84は、蒸着源4の駆動制御を行うものであり、蒸着
の開始/停止を制御する。
よるパーシャル動作を説明する。先ず、キャリア21に
保持された状態で、真空前室11からゲートバルブ14
を介して真空室12の画像処理エリアA1にMCF10
が搬入される。そして、このMCF10が照明装置9及
びCCDカメラ31に対向する位置に達すると、照明装
置9の各青色LED91,91,…からの照明光がMC
F10に向けて照射されると共に、その画像がCCDカ
メラ31により撮像される。これにより、画像処理装置
3により画像認識され、キャリア21に対する搭載情報
に基づく搭載位置補正データが求められるとともに、共
通電極E3の画像上の中心位置が算出され、メモリ32
に格納される。このような撮像動作が連続搬送されるM
CF10,10,…に対して順に行われる。
キャリア21によって周波数調整エリアA2に移送さ
れ、1個ずつ蒸着位置D上に位置決めされた後、パーシ
ャルマスク5が位置決めされる。このパーシャルマスク
5の位置決めに際しては、メモリ32内のマスク5の開
口の位置情報と、同じくメモリ32内の個々のデバイス
Wの搭載位置補正データ、並びに画像上の中心位置が呼
び出され、画像上の中心位置を基準として位置決めされ
る。その位置決め後、シャッタ装置6が駆動制御され
て、共通電極E3の所定領域に対してマスク5の開口に
対応したパターンで、蒸着膜が形成される。この蒸着材
料(例えばAg)の蒸着動作時には、MCF10の電気
的特性をモニタリングしながら、蒸着源4からシャッタ
ー装置6及びマスク5を介して共通電極E3に対してパ
ーシャル蒸着が行われていく。
望の周波数特性を有するMCF10が得られ、周波数調
整動作を終了する。この動作が、各MCF10,10,
…に対して順に行われ、ゲートバルブ15を通過して真
空後室13に搬送されていく。
E3,E4,E5,E6を画像認識する際の照明光を複
数の青色LED91,91,…により得るようにしてい
る。つまり、照明光として、波長が比較的短い単色光の
みを採用している。このため、CCDカメラ31におけ
る焦点の合わせ込みが良好に行え、且つ色収差の影響を
受けることがなくCCDカメラ31による高精度の画像
認識が可能となる。その結果、電極E3,E4,E5,
E6とその背景であるベースRの回路パターンとのコン
トラストを十分に得ることができ、電極の輪郭を良好に
識別できてパーシャルマスク5の位置ずれが防止でき
る。これにより、蒸着材料の蒸着位置にずれを生じさせ
ることなしに、正確な位置への蒸着が可能となる。
は、照明装置9に複数個の青色LED91,91,…を
備えさせ、波長が450nm程度の単色光をMCF10
に照射するようにした。
数個の緑色LEDを備えさせ、波長が550nm程度の
単色光をMCF10に照射するようにしたものである。
各緑色LEDの配設状態は上述した実施形態1のものと
同様である(図3参照)。つまり、各緑色LEDをCC
Dカメラ31の外周囲に円環状に配置することにより照
明装置9を構成したものである。
の場合と同様に、照明光として波長が比較的短い単色光
のみを採用しているため、CCDカメラ31による高精
度の画像認識が可能となり、正確な位置への蒸着材料の
蒸着が可能となる。
形例である。その他の構成は上述した第1実施形態と同
様であるので、ここでは照明装置9についてのみ説明す
る。
略図である。本照明装置9は、光源ユニット93と照射
ユニット94とを備えている。
に光源ランプ93bが内蔵されている。この光源ランプ
93bとしては例えばハロゲンランプが採用されてい
る。また、この光源ユニット93には、光フィルタ93
cが内蔵されている。この光フィルタ93cは、上記ハ
ロゲンランプ93bからの発光のうち青色単色光のみを
透過させる青色フィルタである。
態に係る照明装置9と同様にCCDカメラ31の外周囲
に円環状に配置された複数個の発光部(図4では図示省
略)を備えている。この照射ユニット94は光源ユニッ
ト93と光ケーブル95により接続されており、ハロゲ
ンランプ93bからの発光が青色フィルタ93cを透過
し、光ケーブル95を経て各発光部からMCF10に向
かって照射される構成となっている。
周囲の複数方向からこのMCF10に向かって青色の単
色光が照射されることになる。このため、上記各実施形
態の場合と同様に、CCDカメラ31による高精度の画
像認識が可能となり、正確な位置への蒸着材料の蒸着が
可能となる。また、光源として、従来と同様のハロゲン
ランプを使用することが可能である。つまり、上記第1
及び第2実施形態のような複数のLED91,91,…
を使用する必要なしに、同様の効果を得ることができ、
照明装置9全体としての構成の簡素化とコストの削減と
を図ることができる。
フィルタばかりでなく、ハロゲンランプからの発光のう
ち緑色単色光のみを透過させる緑色フィルタを採用して
もよい。
1の変形例である。その他の構成は上述した第1実施形
態と同様であるので、ここではCCDカメラ31につい
てのみ説明する。尚、本形態に係る真空装置1に採用さ
れる照明装置9は、従来と同様のものである。つまり、
光源としてハロゲンランプを使用し、このハロゲンラン
プからの照明光をMCF10に向けて照射するようにな
っている。尚、この光源の構成としては、上記各実施形
態のものと同様にCCDカメラ31の外周囲に円環状に
発光部を配置したものや、CCDカメラ31とは個別に
設置されたランプを使用してもよい。
示す概略図である。このCCDカメラ31には、MCF
10で反射されてCCDカメラ31に入射される反射光
のうちの青色単色光のみを透過させる光フィルタとして
の青色フィルタ33が内蔵されている。
画像認識に有益な特定周波数の単色光のみを選出してC
CDカメラ31に入射させることが可能になる。従っ
て、本形態の構成によっても、CCDカメラ31による
高精度の画像認識が可能となり、正確な位置への蒸着材
料の蒸着が可能となる。また、本形態においても、上記
第3実施形態の場合と同様に、従来と同様のハロゲンラ
ンプを使用することが可能であり、照明装置9全体とし
ての構成の簡素化とコストの削減とを図ることができ
る。
は、青色フィルタばかりでなく、MCF10からの反射
光のうち緑色単色光のみを透過させる緑色フィルタを採
用してもよい。
確認するために行った実験例及びその実験結果について
説明する。本実験例では、上述した第1、第2及び第3
実施形態における画像処理エリアA1でCCDカメラ3
1により得られた画像と、従来の画像処理エリア(ハロ
ゲンランプの照射を行うもの)でCCDカメラにより得
られた画像とを比較した。また、第1実施形態におい
て、青色LEDに代えて赤色LEDを採用した場合(波
長は650nm程度)における画像処理エリアA1でC
CDカメラ31により得られた画像をも参考のために取
得した。
(a)は第1実施形態に係るもの、(b)は従来のも
の、(c)は第2実施形態に係るもの、(d)は第3実
施形態に係るもの、(e)は赤色LEDを採用した場合
のものである。
の従来のものでは水晶基板S上の各電極と、背景である
ベース側の回路パターンとの両方が認識される状態にあ
り、電極と背景とのコントラストが十分に得られていな
い。このため、電極位置の誤認識を引き起こしてしまう
可能性が高いものとなっている。それに対し、本発明に
係る他の画像写真では、ベース側の回路パターンは殆ど
認識されず、電極と背景とのコントラストを十分に得る
ことができている。このため、電極位置の誤認識を引き
起こす可能性は従来のものに比べて極端に低減されてお
り、パーシャルマスクの位置ずれは生じ難く、蒸着材料
の蒸着位置にずれが生じる可能性も大幅に低減できるこ
とが判る。特に、波長の短い照明光を採用している第1
〜第3実施形態に係るものにあってはその効果が顕著で
ある。
発明を適用した場合について説明した。本発明は、この
種のデバイスに限定されるものではなく、水晶発振器の
周波数調整や、表面実装型ではない圧電振動デバイスに
も適用し得る。また、周波数調整動作(パーシャル工
程)に限らず、素子EをベースRに搭載した後に、各引
き出し電極E4,E5,E6をベースR上のパッドに接
着する際の導電性接着剤の塗布工程(所謂二次塗布工
程)における画像認識動作に本発明を適用することも可
能である。
しては青色または緑色を発光色とするものを採用し、光
フィルタとしても青色または緑色を透過するものを採用
した。本発明は、これに限らず、赤色や黄色などを発光
色や透過色とするものを採用することも可能である。但
し、本発明の効果を顕著に得るためにはできるだけ波長
の短い色のLEDや光フィルタを採用することが好まし
い。また、光源としては複数配列されたものに限らず、
1個の光源でMCF10を照明するようにしたものも本
発明の範疇である。
て水晶基板Sを使用したデバイスの製造に本発明を適用
した場合について説明した。本発明は、これに限らず、
タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ホウ酸リチウ
ムなどの圧電材料を使用したデバイスの製造に適用する
ことも可能である。
は、Agに限るものではなく、AlやAu等種々の材料
を採用することが可能である。
態としても上述したもの(図3に示すもの)に限らな
い。例えば、LED91,91,…を同心円上に複数の
円環状に配列したり、四角形状に配列した形態を採用す
るなど種々の形態が適用可能である。
を調整可能として、より高い精度の画像認識が可能な光
量を自動または手動により選出できるようにしてもよ
い。
しても、真空蒸着法に限らず、スパッタリング蒸着法や
電子ビーム蒸着法を採用することも可能である。
ザミリング法などにおける画像認識動作にも適用するこ
とが可能である。
ような効果が発揮される。
電デバイスを撮像するための照明光として特定波長の単
色光のみを使用している。また、請求項8記載の発明で
は、圧電デバイスからの反射光のうち特定波長の単色光
のみを撮像手段に入射させている。このため、色収差の
影響を受けることなしに撮像手段による高精度の画像認
識が可能となる。その結果、例えば、パーシャル工程に
おいて電極の画像認識を行う場合にあっては、その電極
とその背景とのコントラストを十分に得ることができ、
電極の輪郭を良好に識別できてパーシャルマスクの位置
ずれが防止できる。これにより、蒸着材料の蒸着位置に
ずれを生じさせることなしに、正確な位置への蒸着が可
能となり、圧電デバイスの不良品発生率を削減できると
共に、製造効率の向上を図ることができる。
発明では、上記特定波長の単色光として青色または緑色
を採用している。このように特に波長の短い単色光を使
用したことにより、撮像手段における焦点の合わせ込み
を良好に行うことができ、撮像の解像度が向上して、よ
り高精度の画像認識が可能となる。
光を、圧電デバイスの外周囲の複数方向から圧電デバイ
スに向けて照射するようにしている。このため、圧電デ
バイスの影がない状態での撮像が可能になる。その結
果、影の存在による画像の誤認識を回避でき、撮像手段
による更なる高精度の画像認識が可能になる。
晶振動デバイスとしている。このため、水晶板の複屈折
の影響を殆どなくした状態で、撮像を行うことができ
る。つまり、本発明は、特に、この複屈折の影響が懸念
される水晶振動デバイスの撮像においては有効なもので
ある。
図である。
す模式図である。
る。
る。
である。
Claims (12)
- 【請求項1】 略透明の基板の一方の面及び他方の面に
電極がそれぞれ形成されている圧電デバイスを撮像して
画像認識し、上記他方の面の電極に対して蒸着材料の蒸
着動作を行って周波数特性を調整する圧電デバイスの周
波数特性調整装置において、 1種類のLEDを光源とし、上記基板の他方の面に向け
て特定波長の単色光のみの照射を行う圧電デバイス認識
用照明装置と、 上記圧電デバイスを基板の上記他方の面側から撮像する
撮像手段と、 上記略透明の基板を透過して撮像手段により撮像された
基板の一方の面の画像データに基づいて他方の面の電極
上での中心位置を算出する画像処理装置と、 上記基板の他方の面の電極上での中心位置データを用い
て蒸着材料の蒸着動作を制御する制御部とを備えている
ことを特徴とする圧電デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の圧電デバイスの周波数特
性調整装置において、圧電デバイス認識用照明装置の 光源は青色LEDである
ことを特徴とする圧電デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の圧電デバイスの周波数特
性調整装置において、圧電デバイス認識用照明装置の 光源は緑色LEDである
ことを特徴とする圧電デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項4】 略透明の基板の一方の面及び他方の面に
電極がそれぞれ形成されている圧電デバイスを撮像して
画像認識し、上記他方の面の電極に対して蒸着材料の蒸
着動作を行って周波数特性を調整する圧電デバイスの周
波数特性調整装置において、 光源の照明光のうちの特定波長の単色光のみを透過させ
る光フィルタを備え、この光フィルタを透過した単色光
のみを上記基板の他方の面に向けて照射するよう構成さ
れた圧電デバイス認識用照明装置と、 上記圧電デバイスを基板の上記他方の面側から撮像する
撮像手段と、 上記略透明の基板を透過して撮像手段により撮像された
基板の一方の面の画像データに基づいて他方の面の電極
上での中心位置を算出する画像処理装置と、 上記基板の他方の面の電極上での中心位置データを用い
て蒸着材料の蒸着動作を制御する制御部とを備えている
ことを特徴とする圧電デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項5】 請求項4記載の圧電デバイスの周波数特
性調整装置において、圧電デバイス認識用照明装置の 光フィルタは、青色単色
光のみを透過させる青色フィルタであることを特徴とす
る圧電デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項6】 請求項4記載の圧電デバイスの周波数特
性調整装置において、圧電デバイス認識用照明装置の 光フィルタは、緑色単色
光のみを透過させる緑色フィルタであることを特徴とす
る圧電デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項7】 請求項1〜6のうち何れか一つに記載の
圧電デバイスの周波数特性調整装置において、圧電デバイス認識用照明装置は、 特定波長の単色光を、
圧電デバイスの外周囲の複数方向から圧電デバイスに向
けて照射するよう構成されていることを特徴とする圧電
デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項8】 略透明の基板の一方の面及び他方の面に
電極がそれぞれ形成されている圧電デバイスを撮像して
画像認識し、上記他方の面の電極に対して蒸着材料の蒸
着動作を行って周波数特性を調整する圧電デバイスの周
波数特性調整装置において、 上記基板の他方の面に向けて 光を照射する照明手段と、 上記照明手段から圧電デバイスに照射された光の反射光
を基板の上記他方の面側から撮像する撮像手段と、 上記撮像手段に入射される反射光のうちの特定波長の単
色光のみを透過させる光フィルタと、 上記略透明の基板を透過して撮像手段により撮像された
基板の一方の面の画像データに基づいて他方の面の電極
上での中心位置を算出する画像処理装置と、 上記基板の他方の面の電極上での中心位置データを用い
て蒸着材料の蒸着動作を制御する制御部とを備えている
ことを特徴とする圧電デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項9】 請求項8記載の圧電デバイスの周波数特
性調整装置において、 光フィルタは、青色単色光のみを透過させる青色フィル
タであることを特徴とする圧電デバイスの周波数特性調
整装置。 - 【請求項10】 請求項8記載の圧電デバイスの周波数
特性調整装置において、 光フィルタは、緑色単色光のみを透過させる緑色フィル
タであることを特徴とする圧電デバイスの周波数特性調
整装置。 - 【請求項11】 請求項1〜10のうち何れか一つに記
載の圧電デバイスの周波数特性調整装置において、 基板の一方の面及び他方の面にはそれぞれ引き出し電極
が形成されており、 画像処理装置は、基板の一方の面に形成されている引き
出し電極の角部を画像認識し、この角部同士を繋いだ直
線状の中央点が基板の他方の面に形成された電極の中心
位置であるとして求める構成とされていることを特徴と
する圧電デバイスの周波数特性調整装置。 - 【請求項12】 請求項1〜11のうち何れか一つに記
載の圧電デバイスの周波数特性調整装置において、 基板は、ポリッシュ処理またはディープエッチング処理
が施された水晶基板であって、 この水晶基板の一方の面には入力電極及び出力電極が所
定のギャップを開けて形成されており、他方の面には共
通電極が形成されていることを特徴とする圧電デバイス
の周波数特性調整装置。
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