JP3467885B2 - ハードコートの形成方法 - Google Patents
ハードコートの形成方法Info
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- JP3467885B2 JP3467885B2 JP00508595A JP508595A JP3467885B2 JP 3467885 B2 JP3467885 B2 JP 3467885B2 JP 00508595 A JP00508595 A JP 00508595A JP 508595 A JP508595 A JP 508595A JP 3467885 B2 JP3467885 B2 JP 3467885B2
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Description
らに詳細には、プラスチック、木材、セメント、鉄、ス
テンレス、アルミニウム及びその他の金属、およびその
他の製品の表面に形成される耐擦傷性、透明性、耐熱
性、耐候性、密着性に優れたハードコートに関するもの
である。
コーティング用組成物として、特開昭53−2565号
公報、特開昭56−22365号公報、特開昭61−1
66824号公報などによりアルコキシシランの加水分
解物を用いた方法がある。また、オルガノアルコキシシ
ランとコロイド状シリカもしくはコロイド状アルミナを
主成分とするコーティング用組成物として、特公昭52
−39691号公報、特公昭53−5042号公報、特
開昭54−87736号公報、特開昭55−94971
号公報、特開昭56−99236号公報、特開昭59−
68377号公報などによる方法等が挙げられる。
た、アクリル系共重合体を硬化することによるコーティ
ング用組成物として、特開平3−47871号公報、特
開平3−54278号公報等によるものが挙げられる。
しかしながら、これらのコーティング用組成物は、得ら
れる塗膜の耐擦傷性、基材との密着性、溶液の保存安定
性が劣る等の難点があった。
み、本発明では耐擦傷性、透明性、耐熱性、耐候性、密
着性に優れたハードコートを提供することを目的とす
る。
解決するために鋭意検討の結果、特定のシリケートオリ
ゴマーとアルキルアルコキシシランとを特定比率で混合
し、加水分解反応させたものを用いることにより、上記
目的が達成できることを見出し、本発明に到達した。す
なわち、本発明の要旨は、(a)ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート共重合体、及び(b)有機溶剤を含有する組
成物(A)からなるプライマーを基材上に塗布し、
(c)下記一般式(I)で表され、かつ、モノマー含有
率が1重量%以下であるシリケートオリゴマー
数1〜6のアルキル基、アリール基を表す。)、(d)
下記一般式(II)で表されるアルキルアルコキシシラン
キル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、シクロア
ルキル基、R2 は水素原子、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基を表す。)、及び、(e)有機溶剤を
含有し、かつ、シリケートオリゴマーとアルキルアルコ
キシシランとの重量比((I)/(II))が1〜20で
ある混合物に、硬化触媒を添加して加水分解させて得ら
れる組成物(B)からなるオーバーコートを塗布してな
るハードコートに存する。
ハードコートは、組成物(A)からなるプライマーを基
材上に塗布し、その上に、組成物(B)からなるオーバ
ーコートを塗布してなるものである。プライマーとして
使用される組成物(A)は、(a)ヒドロキシ(メタ)
アクリレート共重合体、及び(b)有機溶剤を含有する
組成物である。組成物(A)の(a)ヒドロキシ(メ
タ)アクリレート共重合体とは、ヒドロキシメタクリレ
ートあるいはヒドロキシアクリレート成分を含むアクリ
ル系共重合体であれば特に限定されない。
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等を挙げることができる。ヒドロキ
シアクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等を挙げ
ることができる。本発明のヒドロキシ(メタ)アクリレ
ート共重合体は、メタクリル酸エステルまたはアクリル
酸エステルとの共重合体が好適に用いられ、これらは単
独で用いても併用してもよいが、併用する方が好まし
い。中でも、メタクリル酸エステル10〜90重量%、
アクリル酸エステル9〜70重量%、及び、ヒドロキシ
アクリレートあるいはヒドロキシメタクリレートからな
る群から選ばれる少なくとも1種1〜50重量%からな
る共重合体が好ましい。更にはメタクリル酸エステル2
0〜90重量%、アクリル酸エステル9〜65重量%、
及び、ヒドロキシアクリレートあるいはヒドロキシメタ
クリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種1〜
50重量%からなる共重合体が好ましく、特には、メタ
クリル酸エステル40〜80重量%、アクリル酸エステ
ル10〜50重量%、及び、ヒドロキシアクリレートあ
るいはヒドロキシメタクリレートからなる群から選ばれ
る少なくとも1種1〜50重量%からなる共重合体が好
適である。
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることが
できる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ラウリル等を挙げることができる。かかる共重合体はラ
ジカル重合等により、容易に合成が可能である。
有機溶剤(1)としては、ヒドロキシ(メタ)アクリレ
ート共重合体を均一に溶解させうるものであれば良く、
特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ア
ルコール類、グリコール誘導体、炭化水素類、エステル
類、ケトン類、又はエーテル類を1種、または2種以上
混合して使用できる。
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、オク
タノール等が挙げられる。グリコール誘導体としてはエ
チレングリコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリ
コールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、ジアセトンアルコール、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル等が挙げられる。炭化水素類とし
ては、ベンゼン、ケロシン、トルエン、キシレン等が使
用でき、エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル
等が使用できる。ケトン類としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセ
トン等、エーテル類としては、エチルエーテル、ブチル
エーテル、ジオキサン、フラン、テトラヒドロフラン等
が使用できる。
キシ(メタ)アクリレート共重合体に対して重量で1〜
20倍程度が操作性の点で好ましい。また、本発明のプ
ライマーは、シリケートオリゴマーとアルキルアルコキ
シシランを加水分解させオーバーコーティングし、塗膜
を形成させた時に、硬化収縮し内部応力が生じ、塗膜の
ひびわれ等の問題を生じることを防ぐために、ヒドロキ
シ(メタ)アクリレート共重合体のガラス転移温度を適
当に設定することが望ましい。この目的に適う望ましい
ヒドロキシ(メタ)アクリレート共重合体のガラス転移
温度は−20℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃
であり、その範囲におさまるようにアクリル組成を選択
することが特に好ましい。−20℃よりもガラス転移温
度が低いとオーバーコートをコーティングしたものの耐
擦傷性が低下し、100℃よりも高いとオーバーコート
にヒビわれが発生するという問題が生じる。
がない場合はオーバーコートとの密着性が低下するとい
う問題が生じる。本発明のオーバーコートとして使用さ
れる組成物(B)とは、(c)シリケートオリゴマー、
(d)アルキルアルコキシシラン、(e)有機溶剤を含
有する混合物に、硬化触媒を添加して加水分解させて得
られる組成物である。本発明の組成物(B)に使用され
る(c)シリケートオリゴマーは下記一般式(I)で表
され、かつ、モノマー含有率が1重量%以下のものであ
る。
は、1から10、更に好ましくは1から6の整数であ
る。Rは炭素数1〜6のアルキル基、アリール基を表
し、アルキル基は直鎖であっても分岐であってもよい。
Rは好ましくは、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、また
はフェニル基である。シリケートオリゴマーとしては、
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、テトラフェノキシシラン等のシリケートモノマーの
25〜90%の加水分解生成物が挙げられる。ここで加
水分解の程度はシリケートモノマーに添加する水の量に
より調節することができ、シリケートモノマーの加水分
解可能な基を理論上100%加水分解可能な量すなわち
これらの基のモル数の1/2のモル数の水に対する実際
の水の割合で表す。
は、一般式(I)のn=0で表されるモノマーの含有率
は1重量%以下、好ましくは0.3重量%以下である。
モノマー含有量が1重量%を超えると、塗布液としての
保存安定性に欠け、保存中に増粘し、塗布工程で厚みが
均一な膜の塗布が困難となるほか、さらに増粘すると塗
膜の形成自体が困難になる。
特に限定されるものではないが、例えば、シリケートモ
ノマーとしてテトラメトキシシランを用いた場合、ケイ
素とメタノールの反応等で得られたテトラメトキシシラ
ンのモノマーに所定量の水を加えて酸触媒存在下で、副
生するメタノールを留去しながら通常、室温から100
℃で反応させる。この反応によりテトラメトキシシラン
は加水分解し、さらにこれにつづく縮合反応によりヒド
ロキシル基を分子中に2以上有する液状の分解物(平均
重合度2〜8、好ましくは3〜6)として得られる。加
水分解の程度は、使用する水の量により適宜調節するこ
とができるが、本発明においては通常25〜90%程
度、さらに好ましくは40〜80%程度から選ばれる。
オリゴマーにはモノマーが通常2〜10重量%程度含有
されている。そこで、さらにオリゴマーを煮沸し、モノ
マーを気化させ不活性ガスとともにモノマーを除去する
ことにより、モノマー含量が1重量%以下、好ましくは
0.3%重量以下にする。尚、テトラメトキシシラン以
外のシリケートの加水分解によりシリケートオリゴマー
を生成させる場合も、上記の方法に準じ、行うことがで
きる。本発明の(d)アルキルアルコキシシランは、下
記一般式(II)で表される。
くは、1または2である。R1 はアルキル基、アリール
基、ハロゲン化アルキル基、シクロアルキル基、R2 は
水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基
を表す。これらのアルキル基は直鎖であっても分岐であ
ってもよい。R1 及びR2 は好ましくは、炭素数1〜4
の直鎖アルキル基である。
限定はないが、好ましくはメチルトリメトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン等が挙げられ、更にはメチルトリメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、特にはメチルトリメトキシ
シランが好適である。
は、シリケートオリゴマーとアルキルアルコキシシラン
を均一に溶解させうるものであればよい。具体的にはメ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタ
ノール、あるいは2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノー
ル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−ブ
トキシエタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタ
ノール等が挙げられる。これらのアルコールはシルケー
トオリゴマーとアルコキシシランの加水分解物の溶解性
に優れている。これらの溶媒の中から1種類または2種
類以上を混合して用いる以外に、これらの溶媒に一般的
な他の溶媒を混合して用いてもよい。他の溶媒としては
具体的には、有機溶剤(1)の項で例示したエーテル
類、グリコール誘導体、ケトン類が挙げられる。
は、例えば、塩酸、酢酸、硝酸、ギ酸、硫酸、リン酸な
どの無機酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタ
ル酸、マレイン酸などの有機酸、ジブチルスズジラウリ
レート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジ
アセテート等の有機スズ化合物、テトラブトキシチタ
ン、ジイソプロポキシアセチルアセトナートチタン等の
有機チタン化合物、アルミニウムアセチルアセトナー
ト、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート
化合物等の有機アルミニウム化合物、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒が有効である。特に
は、アルミニウムアセチルアセトナート等の有機アルミ
ニウム化合物、ジブチルスズジラウリレート等の有機錫
化合物およびマレイン酸等の有機酸が有効であり、中で
も有機アルミニウム化合物、特にはアルミニウムアセチ
ルアセトナートが好ましい。
シシランの重量比(I)/(II)は1〜20の範囲であ
る。シリケートオリゴマーとアルキルアルコキシシラン
の重量比が1よりも小さいと、デーバー磨耗試験による
耐擦傷性が十分ではなく、20よりも大きいと加熱硬化
させた後に硬化収縮のため、プライマーとの密着性が低
下するという問題が生じ、好ましくない。
より具体的に説明する。プライマーは、(b)有機溶剤
に(a)ヒドロキシ(メタ)アクリレート共重合体樹脂
を溶解させる方法等により製造される。また、オーバー
コートの製造方法としては、(e)有機溶剤に(c)シ
リケートオリゴマーおよび(d)アルキルアルコキシシ
ランを添加し、硬化触媒を加えて公知の諸法により加水
分解反応を行う方法等が用いられる。
ライマーを基板上にコーティング後、乾燥して造膜する
が、この際18〜30℃の温度範囲内で30分間程度乾
燥させれば充分である。より低温下でも、より長時間乾
燥して一応膜が形成されれば充分である。その後、オー
バーコートをコーティングし、18〜30℃の温度範囲
内で30分程度乾燥させる等の手段で一応の膜を形成し
た後、より高温下で硬化させるのが効率的であるが、こ
の場合も例えば120℃、1時間で硬化させることによ
り優れた特性のハードコートが得られる。
間硬化すれば同様に優れたハードコートを形成すること
ができ、例えば100℃で1時間強、70℃で3〜4時
間程度で優れたハードコートを形成する。尚、一層高温
では短時間で硬化するが、ハードコートを施す基材の耐
熱性によって適宜選択すればよく、150℃以下での硬
化が実用的である。
トを適用できる基材としては、ポリカーボネート等のプ
ラスチック、木材、セメント、鉄、ステンレス、アルミ
ニウム及びその他の金属、等が挙げられる。本発明によ
って得られるハードコートは、対象物表面に刷毛、スピ
ンコートスプレー、ディッピング、ロール、グラビア印
刷法などの塗装手段を用いて形成することができる。こ
の時、形成する被膜のプライマーの膜厚は通常0.1〜
10μm程度が望ましい。また、トップコートの膜厚も
0.1μm〜10μm程度が望ましい。いずれかが0.
1μm未満では十分な耐擦傷性が得られず、また10μ
mより厚いと膜にクラックが入りやすくなる。
するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実
施例により限定されるものではない。 <シリケートオリゴマーの合成> (1)シリケートオリゴマー(I)の合成 撹拌機と還流用コンデンサーおよび温度計をつけた50
0mlの3つ口フラスコにテトラメトキシシラン234
gとメタノール74gを加えて混合した後に、0.05
%塩酸22.2gを加え、液温65℃で2時間加水分解
反応を行った。ついでコンデンサーを抽出管に取替え、
液温が150℃になるまで昇温し、メタノールで抽出さ
せさらに150℃、3時間加熱し縮合を行った。この様
にしてテトラメトキシシラン部分加水分解物(シリケー
トオリゴマー(I))を得た。重合度は3〜6で一分子
中のヒドロキシ基は10以上であった。このテトラメト
キシシランオリゴマー中のモノマーの量は5重量%であ
った。
き、100〜150℃に加熱したジャケットで煮沸さ
せ、気化したモノマーを不活性ガスとともに系外に排出
し、モノマー量が0.2重量%であるテトラメトキシシ
ラン部分加水分解物(シリケートオリゴマー(II))を
得た。
lの4つ口フラスコを用い、メチルエチルケトン51
g、イソプロピルアルコール61gの混合溶媒中にメタ
クリル酸メチル28g(70重量%)、アクリル酸ブチ
ル10g(25重量%)、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート2g(5重量%)を加えた後、撹拌を行った。溶
液を65℃に昇温した後、2,2′−アゾビスイソブチ
ルニトリル0.61gをメチルエチルケトン5g中に溶
解させたものを滴下し、65℃で7時間撹拌を行った
後、さらに、2,2′−アゾビスイソブチルニトリル
0.61gをメチルエチルケトン5g中に溶解させたも
のを滴下し、65℃で7時間撹拌を行いプライマー用コ
ーティング溶液(I)の調製を行った。このヒドロキシ
アクリレート共重合体樹脂(I)のガラス転移温度は4
0℃であった。
I)の調製 メタクリル酸メチル32g(80重量%)、アクリル酸
ブチル6g(15重量%)、2−ヒドロキシエチルアク
リレート2g(5重量%)とした以外はプライマー用コ
ーティング溶液(I)の調製と同様の方法を行い、プラ
イマー用コーティング溶液(II)の調製を行った。固形
分であるヒドロキシアクリレート共重合体樹脂のガラス
転移温度は60℃であった。
I)の調製 窒素導入管、還流冷却器及び撹拌装置を備えた300m
lのセパラブルフラスコを用い、メチルエチルケトン3
6.7g中にメタクリル酸メチル24g(60重量
%)、アクリル酸エチル14g(35重量%)、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート2g(5重量%)を加えた
後、撹拌を行った。溶液を65℃に昇温した後、2,
2′−アゾビスイソブチルニトリル0.065gをメチ
ルエチルケトン5g中に溶解させたものを滴下し、65
℃で7時間撹拌を行った後、さらに2,2′−アゾビス
イソブチルニトリル0.065gをメチルエチルケトン
5g中に溶解させたものを滴下し、75℃で7時間撹拌
を行った。こうして得られた反応組成物溶液にメチルエ
チルケトン33.3g、イソプロピルアルコールを80
g添加して、プライマー用コーティング溶液(III)を得
た。固形分であるヒドロキシアクリレート共重合体樹脂
のガラス転移温度は41℃であった。
V)の調製 窒素導入管、還流冷却器及び撹拌装置を備えた300m
lの4つ口フラスコを用い、メチルエチルケトン51
g、イソプロピルアルコール61gの混合溶媒中にメタ
クリル酸メチル40gを加えた後、撹拌を行った。溶液
を65℃に昇温した後、2,2′−アゾビスイソブチル
ニトリル0.61gをメチルエチルケトン5g中に溶解
させたものを滴下し、65℃で7時間撹拌を行った後、
さらに2,2′−アゾビスイソブチルニトリル0.61
gをメチルエチルケトン5g中に溶解させたものを滴下
し、65℃で7時間撹拌を行った。プライマー用コーテ
ィング溶液(IV)の調製を行った。固形分であるメタク
リル酸メチル樹脂のガラス転移温度は102℃であっ
た。
(V)の調製 窒素導入管、還流冷却器及び撹拌装置を備えた3000
mlのセパラブルフラスコを用い、テトラヒドロフラン
1425g中にメタクリル酸メチル164g(33.5
重量%)、アクリル酸エチル300g(61重量%)、
2−ヒドロキシエチルアクリレート27g(5.5重量
%)を加えた後、撹拌を行った。溶液を65℃に昇温し
た後、2,2′−アゾビスイソブチルニトリル7.5g
をテトラヒドロフラン75g中に溶解させたものを滴下
し、65℃で7時間撹拌を行った。テトラヒドロフラン
を留去した後、乾燥を行いアクリル系アルコール可溶性
樹脂を得た。
えた100mlの4つ口フラスコを用い、エタノール1
5g中にアクリル系アルコール可溶性樹脂を5g加え6
5℃で溶解させる。これにシリケートオリゴマー(II)
を5g添加する。この溶液に1NHClを0.95g加
え65℃で30分間撹拌し、プライマー用コーティング
溶液(V)の調製を行った。
メチルエチルケトン20gの混合溶液中にシリケートオ
リゴマー(II)を38g、メチルトリメトキシシラン2
gを添加する。この溶液に、水を7.4g加えた後、ア
ルミニウムアセチルアセトナート0.4gを加えオーバ
ーコート溶液(I)の調製を行った。
キシシラン4gとした以外はオーバーコート溶液(I)
と同様の方法で、オーバーコート溶液(II)の調製を行
った。 (3)オーバーコート溶液(III)の調製 200mlの4つ口フラスコを用いエタノール20g、
メチルエチルケトン20gの混合溶液中にシリケートオ
リゴマー(II)を20g、メチルトリメトキシシラン2
0gを添加する。この溶液に、水を7.6g加えた後、
アルミニウムアセチルアセトナート0.4gを加えオー
バーコート溶液(III)の調製を行った。
メトキシシラン26.7gとした以外はオーバーコート
溶液(III)と同様の方法で、オーバーコート溶液(IV)
の調製を行った。 (5)オーバーコート溶液(V)の調製 シリケートオリゴマー(II)の代わりに、シリケートオ
リゴマー(I)を使用した以外はオーバーコート溶液
(I)と同様の方法で、オーバーコート溶液(V)の調
製を行った。
(I)をポリカーボネート板(三菱化学(株)製、10
0mm×100mm×厚さ2mm)にスピンコーターを
用いて1000rpm×10秒の条件で塗布した後、2
3℃、30分で乾燥する。次に、上記のプライマーがコ
ーティングされたポリカーボネート板にオーバーコート
溶液(I)をスピンコーターを用いて1000rpm×
10秒の条件で塗布した後、20℃、30分で乾燥後1
20℃、1時間で硬化させた。
05に準拠して測定したところ、それぞれ、92%、
0.5%と良好な透明性を示した。また、傷つき度合い
をテストするために、テーバー式磨耗試験(磨耗輪CS
−10F、500g荷重、100回転)を行ったところ
ヘーズの変化は4%で耐擦傷性に優れていた。塗膜面の
ほぼ中央に直交する縦横11本ずつの平行線を1mmの
間隔で基板面に達するまで引いて1=の中に100個の
ます目ができるように碁盤目をつけた。セロハン粘着テ
ープ(商品名「セロテープ」ニチバン株式会社製品)を
碁盤目上に強くはりつけ、90度方向に急速にはがし、
塗膜剥離の有無を調べた。塗膜の剥離が起こらなかった
個数を調べると100/100で密着性も良好であっ
た。
用コーティング溶液(II)を使用し、オーバーコートと
してオーバーコート溶液(I)を使用した以外は実施例
1と同様の方法で、ハードコートを製造した。実施例1
と同様に全光線透過率、ヘーズを測定したところ、91
%、0.5%と良好な透明性を示した。(基材ポリカー
ボネート板厚み2mm) この塗膜を実施例1と同様な方法で傷つき度合いをテス
ト評価を行ったところ、ヘーズの変化は4%で耐擦傷性
に優れていた。実施例1と同様に塗膜剥離試験を行なっ
たところ、100/100で密着性も良好であった。
用コーティング溶液(III)を使用し、オーバーコートと
してオーバーコート溶液(I)を使用した以外は実施例
1と同様の方法で、ハードコートを製造した。実施例1
と同様に全光線透過率、ヘーズを測定したところ、91
%、0.5%と良好な透明性を示した。この塗膜を実施
例1と同様な方法で傷つき度合いをテスト評価を行った
ところ、ヘーズの変化は3%で耐擦傷性に優れていた。
実施例1と同様に塗膜剥離試験を行なったところ、10
0/100で密着性も良好であった。
用コーティング溶液(I)を使用し、オーバーコートと
してオーバーコート溶液(II)を使用した以外は実施例
1と同様の方法で、ハードコートを製造した。実施例1
と同様に全光線透過率、ヘーズを測定したところ、94
%、0.4%と良好な透明性を示した。この塗膜を実施
例1と同様な方法で傷つき度合いをテスト評価を行った
ところ、ヘーズの変化は5%で耐擦傷性に優れていた。
実施例1と同様に塗膜剥離試験を行なったところ、10
0/100で密着性も良好であった。
用コーティング溶液(I)を使用し、オーバーコートと
してオーバーコート溶液(III)を使用した以外は実施例
1と同様の方法で、ハードコートを製造した。実施例1
と同様に全光線透過率、ヘーズを測定したところ、91
%、0.5%と良好な透明性を示したが、この塗膜を実
施例1と同様な方法で傷つき度合いをテスト評価を行っ
たところ、ヘーズの変化は7%で耐擦傷性に優れてい
た。実施例1と同様に塗膜剥離試験を行なったところ、
100/100で密着性も良好であった。
に、ポリメチルメタクリレート板(100mm×100
mm×2mm厚さ)を用いた以外は実施例1と同様な操
作を行なって、ハードコートを製造した。実施例1と同
様に全光線透過率、ヘーズを測定したところ、94%、
0.4%と良好な透明性を示した。この塗膜を実施例1
と同様な方法で傷つき度合いをテスト評価を行ったとこ
ろ、ヘーズの変化は3%で耐擦傷性に優れていた。実施
例1と同様に塗膜剥離試験を行なったところ、100/
100で密着性も良好であった。
に、ポリ塩化ビニル板(100mm×100mm×2m
m厚さ)を用いた以外は実施例1と同様な操作を行なっ
て、ハードコートを製造した。実施例1と同様に全光線
透過率、ヘーズを測定したところ、87%、0.7%と
良好な透明性を示した。この塗膜を実施例1と同様な方
法で傷つき度合いをテスト評価を行ったところ、ヘーズ
の変化は5%で耐擦傷性に優れていた。実施例1と同様
に塗膜剥離試験を行なったところ、100/100で密
着性も良好であった。
用コーティング溶液(IV)を使用し、オーバーコートと
してオーバーコート溶液(I)を使用した以外は実施例
1と同様の方法で、コーティングした後、乾燥、硬化を
行った。硬化後の塗膜にはヒビワレが生じた。
用コーティング溶液(I)を使用して、実施例1と同様
にコーティング、乾燥を行った。更に、オーバーコート
としてオーバーコート溶液(V)を調製したが、溶液の
調液後120日で増粘度が認められ、実施例1と同様の
条件でコーティングすることができなかった。
用コーティング溶液(I)を使用し、オーバーコートと
してオーバーコート溶液(IV)を使用した以外は実施例
1と同様の方法で、コーティングした後、乾燥、硬化を
行った。実施例1と同様に全光線透過率、ヘーズを測定
したところ、91%、0.5%と良好な透明性を示した
が、この塗膜を実施例1と同様な方法で傷つき度合いを
テスト評価を行ったところ、ヘーズの変化は15%で耐
擦傷性がやや低下していた。
用コーティング溶液(V)を使用し、オーバーコートと
してオーバーコート溶液(I)を使用した以外は実施例
1と同様の方法で、コーティングした後、乾燥、硬化を
行った。実施例1と同様に全光線透過率、ヘーズを測定
したところ、91%、0.5%と良好な透明性を示し
た。傷つき度合いをテストするために、テーバー式磨耗
試験を行ったところ、ヘーズの変化は4%で耐擦傷性に
優れていた。「セロテープ」剥離テストでは50/10
0であった。
性、耐候性及び密着性に優れたハードコートを得る。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記組成物(A)を基材上に塗布し、そ
の上に、下記組成物(B)を塗布することを特徴とする
ハードコートの形成方法。 組成物(A):(a)ガラス転移温度が−20℃〜10
0℃であるヒドロキシ(メタ)アクリレート共重合体、
及び(b)有機溶剤を含有する組成物 組成物(B):(c)下記一般式(I)で表され、か
つ、モノマー含有率が1重量%以下であるシリケートオ
リゴマー 【数1】 (RO)3−Si−(O−Si(OR)2)n−OR (I) (式中、nは1から20の整数、Rは炭素数1〜6のア
ルキル基、アリール基を表す。但し、−ORの一部は−
OHとなっていてもよい。) (d)、下記一般式(II)で表されるアルキルアルコキ
シシラン 【数2】(R1)m−Si(OR2)4-m (II) (式中、mは1から3の整数、R1はアルキル基、アリ
ール基、ハロゲン化アルキル基又はシクロアルキル基を
表し、R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基
又はアリール基を表す。)及び、 (e)有機溶剤を含有し、かつシリケートオリゴマーと
アルキルアルコキシシランとの重量比((I)/(I
I))が1〜20である混合物に、硬化触媒を添加して
加水分解させて得られる組成物 - 【請求項2】 組成物(A)が、ガラス転移温度が20
〜80℃であるヒドロキシ(メタ)アクリレート共重合
体及び有機溶剤を含有する組成物であることを特徴とす
る請求項1記載のハードコートの形成方法。 - 【請求項3】 組成物(A)が、メタクリル酸エステル
10〜90重量%、アクリル酸エステル9〜70重量
%、並びにヒドロキシアクリレート及びヒドロキシメタ
クリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種1〜
50重量%からなるヒドロキシ(メタ)アクリレート共
重合体、並びに有機溶剤を含有する組成物であることを
特徴とする請求項1又は2記載のハードコートの形成方
法。 - 【請求項4】 組成物(B)のシリケートオリゴマー
が、モノマー含有率0 .3重量%以下のものであること
を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハー
ドコートの形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00508595A JP3467885B2 (ja) | 1995-01-17 | 1995-01-17 | ハードコートの形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|
JPH08192097A JPH08192097A (ja) | 1996-07-30 |
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JP6425461B2 (ja) * | 2014-08-27 | 2018-11-21 | 日本合成化学工業株式会社 | アクリル系樹脂組成物、およびコーティング剤 |
KR20210150199A (ko) * | 2020-06-03 | 2021-12-10 | 동우 화인켐 주식회사 | 이접착층 형성용 조성물 및 이를 이용한 하드코팅 필름 |
-
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- 1995-01-17 JP JP00508595A patent/JP3467885B2/ja not_active Expired - Fee Related
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