JP3467072B2 - リグナン類縁体の製法 - Google Patents

リグナン類縁体の製法

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JP3467072B2 JP07701994A JP7701994A JP3467072B2 JP 3467072 B2 JP3467072 B2 JP 3467072B2 JP 07701994 A JP07701994 A JP 07701994A JP 7701994 A JP7701994 A JP 7701994A JP 3467072 B2 JP3467072 B2 JP 3467072B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はリグナン類縁体の新規な製造方法
に関する。より詳細には、本発明は、アルキルケトン鎖
を有するリグナン類縁体の製造方法であって、位置選択
的なマイケル付加反応を利用することを特徴とする効率
的なリグナン類縁体の製造方法及びその合成中間体に関
する。本発明方法により製造されるリグナン類縁体は動
脈硬化症、特にアテローム性動脈硬化症の処置に有用な
化合物であり、本出願人により種々の化合物が開示され
ている(特開平5−310634、WO93/0815
5)。
【0002】本発明は、式(II):
【化6】 [式中、R及びRは個別に低級アルコキシ基である
か、又はR及びRは一緒になってアルキレンジオキ
シ基を形成し、Rは低級アルコキシ基又は水素であ
り、R及びRは個別に低級アルキル基である]で示
されるラクトン化合物を塩基の存在下に式(III):
【化7】 [式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、シクロ
アルキル低級アルキル基、アラルキル基であり、R
低級アルキル基である]で示される不飽和ケトン化合物
と反応させ、得られた化合物を脱水することにより式
(I):
【化8】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R及びRは前
記の定義と同意義である]で示される化合物を製造する
方法を提供するものである。かかる方法によれば、目的
化合物を収率良く製造することができる。従って、本発
明の方法は大量合成に適した方法である。
【0003】Rの定義における「アルキル基」とは、
直鎖又は分枝鎖状のC1−C10アルキルを意味する。ま
た、「低級アルキル基」とは、直鎖又は分枝鎖状のC1
−C6アルキルを意味し、それにはメチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブ
チル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、2−エチル
ブチル等が例示される。「シクロアルキル基」とは、C
5−C7シクロアルキルを意味し、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチルが例示される。「シクロア
ルキル低級アルキル基」とは、前記定義した低級アルキ
ル基に、前記定義したシクロアルキルが置換したものを
意味し、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルエチル
等が例示される。「アラルキル基」とは、前記低級アル
キルにアリールが置換したものを意味し、例えばベンジ
ル、p−メトキシベンジル、フェニルエチル、フェニル
プロピル、ナフチルメチル等が挙げられる。「低級アル
コキシ基」とは、オキソに前記低級アルキルが置換した
ものを意味し、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等が例
示される。
【0004】R及びRにおける「アルキレンジオキ
シ」とは、C1−C3アルキレンジオキシを意味し、メチ
レンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ
がある。本製法は、特に、R1がC1−C6アルキル、C5
−C7シクロアルキル又はC5−C7シクロアルキルC1
6アルキル、R2、R3及びR4がメトキシ、R5、R6
びR7がメチルである化合物(I)の製法として好適で
ある。
【0005】本発明の製造方法は、詳細には以下の2工
程から構成される:
【化9】
【0006】第1工程は、ラクトン化合物(II)と不飽
和ケトン化合物(III)とを塩基存在下に反応させて化
合物(IV)を合成する工程である。第2工程は、化合物
(IV)を酸処理することにより脱水を行ない、目的とす
る化合物(I)を合成する工程である。
【0007】反応条件 第1工程で使用する化合物(II)及び化合物(III)の
使用割合は特に制限されないが、通常は、化合物(II
I)を化合物(II)に対して等量もしくは過剰量、好ま
しくは1:1〜1:2で使用する。使用する塩基として
は、通常用いられるジアルキル金属アミド類、例えば、
リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジシクロヘ
キシルアミドなど、また、ビス(トリアルキルシリル)金
属アミド類、例えば、リチウムビス(トリメチルシリル)
アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナト
リウムビス(トリエチルシリル)アミドなどを用いること
ができ、好ましくは、リチウムビス(トリメチルシリル)
アミドを用いる。反応溶媒は、例えば、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル
類、n−ヘキサン、n−ペンタンなどの炭化水素類、ベン
ゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン
などのハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルム
アミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのア
ミド類を単独で、又はそれらを混合して使用できる。好
ましい溶媒は、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、
N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリ
ックトリアミドである。本工程の反応は、通常、−10
0℃から100℃、好ましくは−80℃から室温にて、
数分から数時間で完結する。
【0008】第2工程で使用する酸としては無機酸又は
有機酸を使用でき、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢
酸、スルホン酸類(メタンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸など)、ルイス酸(三フッ化ホウ素、四塩化チ
タンなど)を用いることができ、好ましくは、三フッ化
ホウ素、メタンスルホン酸を用いる。使用量については
特に制限はないが、好ましくは1から2当量を用いる。
尚、R2=R3=R4=メトキシ、R5=R6=メチルであ
る化合物(II)及びR1=2−エチルブチル(CH2CH
Et2)、R7=メチルである化合物(III)は、新規化合
物である。反応溶媒は、ベンゼン、トルエンなどの芳香
族炭化水素類、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素
類、アセトニトリル等のニトリル類を使用する。本反応
は、通常、−70℃から100℃、好ましくは、−20
℃から室温にて、数分から数十時間で完結する。
【0009】本発明方法の原料物質であるラクトン化合
物(II)及び不飽和ケトン化合物(III)は既知の化合
物から例えば、以下の参考例に記載の方法により製造す
ることができる。以下に実施例及び参考例を記載し、本
発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明の限定
を意図するものではない。
【0010】化合物(II)の合成例 参考例 1 3-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,5,6-トリメトキシ-1(3
H)-イソベンゾフラノン:II-1 の合成 工程 1 (4,4-ジメチル-2-(3,4,5-トリメトキシフェニ
ル)-2-オキサゾリン :2 の合成) 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール 386 g (4.34 mol)
の乾燥塩化メチレン 1l 溶液に、氷冷下、3,4,5-トリメ
トキシベンゾイルクロリド (化合物1) 500 g(2.17 mo
l) の乾燥塩化メチレン 1 l 溶液を 2 時間で滴下す
る。滴下終了後、更に 1 時間撹拌した後、反応液をグ
ラスフィルターで濾過する。濾過物を、塩化メチレン 5
00 ml で洗浄し、濾過液と洗浄液を合わせ減圧濃縮す
る。残渣を、乾燥トルエン 900 ml および乾燥塩化メチ
レン 100 ml の混合溶媒に懸濁し、氷冷下、塩化チオニ
ル 206 ml (2.82 mmol) を滴下する。室温に戻しながら
更に 30 分間撹拌した後、再び氷冷し水 200 ml 及び水
酸化ナトリウム水溶液 (NaOH 560 g / 水 1.8 l) を加
えトルエンで抽出する。抽出液を、水、飽和食塩水で洗
浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮
した残渣を塩化メチレン− n- ヘキサン (200 ml - 2.0
l) より結晶化して目的とするオキサゾリン(化合物
2) を一番晶 495 g、二番晶 61 g 得る。総収量 556 g
(96.5 %, 化合物 1より)。 融点: 87〜89 ℃1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.39 (6H,s) 3.88 (3H,s) 3.91 (6
H,s) 4.10 (2H,s) 7.20 (2H,s).
【0011】工程 2 (化合物 : II-1 の合成) 窒素気流下、-35〜-40 ℃ の冷媒で冷却した前記オキサ
ゾリン(化合物 2)335 g (1.26 mol) の乾燥 THF 1.7
l 溶液に、1.66 N n- ブチルリチウム−n- ヘキサン溶
液 800 ml (1.33 mol) を 1 時間 15 分かけて滴下す
る。滴下終了後 -20 〜 -35 ℃ にて更に 1 時間撹拌し
た後、-78 ℃ に冷却し、3,4-ジメトキシベンズアルデ
ヒド 231 g ( 1.39 mol, 1.10 eq.) の乾燥 THF 500 ml
溶液を滴下する。滴下終了後、氷水浴にかえ 1 時間撹
拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液 (400 ml) と水
(400 ml) を加え、酢酸エチルで抽出する。抽出液を、
水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
する。減圧濃縮した残渣を10 % 硫酸 1.4 l に溶解し 4
0 分間加熱還流する。反応液に氷を加え、析出晶を濾取
する。濾取した結晶を塩化メチレン 1.5 l に溶解し、
水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃
縮した残渣を、塩化メチレン−メタノールより再結晶し
て、目的とするラクトン II-1 を 390 g (85.7 %, 化合
物 2 より)得る。 融点: 141〜142 ℃1 H-NMR: δ (CDCl3) 3.52 (3H,s) 3.83 (3H,s) 3.89 (3
H,s) 3.92 (3H,s) 3.95 (3H,s) 6.32 (1H,s) 6.72 (1H,
s) 6.86 (2H,s) 7.21 (1H,s).
【0012】上記の反応は以下の反応式で表される。
【化10】
【0013】参考例 2 3-(3,4-ジメトキシフェニル)-5,6-メチレンジオキシ-1
(3H)-イソベンゾフラノン:II-2 の合成 工程 1 (2-(3,4-ジメトキシ-α-ヒドロキシベンジル)-
4,5-メチレンジオキシベンズアルデヒド エチレンジオ
キシアセタール : 4 の合成) i ) 2-ブロモ-4,5-メチレンジオキシベンズアルデヒド
(化合物3) 28.0 g (122 mmol) のベンゼン 250 ml 溶
液に、エチレングリコール 14 ml、p-トルエンスルホン
酸 465 mg を加え、ディーン・スターク管で脱水しなが
ら、3 時間加熱還流する。氷冷した反応液に、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。
抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧濃縮してアセタールの粗生成物を結
晶として 33.2 g 得る。このものは、精製することなく
次の反応に用いる。 ii ) 窒素気流下、前記得たアセタールの粗生成物 33.2
g の乾燥 THF 300 ml溶液に、 1.64 N n-ブチルリチウ
ム− n-ヘキサン溶液 80 ml (131 mmol) を、-78 ℃
に於て滴下する。同温で更に30 分間撹拌したのち、3,4
-ジメトキシベンズアルデヒド 20.3 g (122 mmol) の
乾燥 THF 85 ml 溶液を加え、更に30 分間撹拌する。反
応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチル
で抽出する。抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮した残渣を中圧
シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製 (SiO2; 600
g,酢酸エチル - n- ヘキサン = 1:2 〜 1:1) して、目
的とする化合物 4 を油状物質として 35.6 g (80.9 %,
化合物 3 より) 得る。1 H-NMR: δ (CD3OD) 3.77 (3H, s) 3.80 (3H, s) 3.90
〜 4.17 (4H, m) 5.91(1H, d, J = 1.2Hz) 5.93 (1H,
d, J = 1.2Hz) 5.97 (1H, s) 6.13 (1H, s) 6.85 (1H,
s) 6.87 (1H, s) 6.88 (1H, s) 6.98 (1H, s) 7.02 (1
H, s).
【0014】工程 2 (2-(3,4-ジメトキシ-α-アセトキ
シベンジル)-4,5-メチレンジオキシベンズアルデヒド :
5 の合成) i ) 窒素気流下、前記化合物 4 (35.6 g、98.3 mmo
l)、N,N-ジメチルアミノピリジン 360 mg 及びトリエチ
ルアミン 21 ml の乾燥 THF 170 ml 溶液に、氷冷下、
無水酢酸 12.1 ml (128 mmol) を加え、室温に戻しなが
ら 50 分間撹拌する。メタノール 4.4 ml を加え、 20
分間撹拌した反応液を減圧濃縮し、残渣に水を加え、酢
酸エチルで抽出する。抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し
て、目的とするアセタートの粗生成物を油状物質として
39.6 g 得る。このものは、精製することなく次の反応
に用いる。 ii ) 前記アセタートの粗生成物 39.6 g のアセトン 3
50 ml 溶液に、氷冷下、1 N 塩酸 35 ml を加え、室温
に戻しながら 1 時間撹拌する。反応液に飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液を加えて中和し、減圧濃縮した残渣に
水を加え、酢酸エチルで抽出する。抽出液を、水、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、
減圧濃縮して、目的とするアルデヒド 5 の粗生成物を
油状物質として 39.0 g 得る。このものは、精製するこ
となく次の反応に用いる。1 H-NMR: δ (CDCl3) 2.16 (3H, s) 3.85 (6H, s) 6.09
(2H, s) 6.80 〜 6.89(3H, m) 7.09
(1H, s) 7.32 (1H, s) 7.5
8 (1H, s).
【0015】工程 3 (化合物 : II-2 の合成) 前記アルデヒド 5 の粗生成物 39.0 g をメタノール 50
0 ml とジオキサン 250 ml の混合溶媒に溶解し、2-メ
チル-2-ブテン 130 ml を加える。次に、亜塩素酸ナト
リウム 44 g (486 mmol)とリン酸二水素ナトリウム二水
和物 57 g (365 mmol) の 250 ml 水溶液を加え、室温
で 20 分間撹拌する。反応液に、5 N 水酸化ナトリウム
水溶液 160 ml を加え、25 分間撹拌した後、6 N 塩酸
160 ml を加えて更に20 分間撹拌する。反応液に氷水を
加え、塩化メチレンで抽出する。抽出液を、水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮した残渣の粗結晶
をエーテルで洗浄し、更にメタノールより再結晶を行な
って目的とするラクトン II-2 を結晶として 27.0g (8
6.2 %, 化合物 4 より) 得る。 融点: 176 〜 178 ℃1 H-NMR: δ (CDCl3) 3.83 (3H, s) 3.89 (3H, s) 6.12
(2H, ABtype, J = 1.2Hz) 6.20 (1H, s) 6.66 (2H, d,
J = 1.2 Hz) 6.86 (1H, s) 6.87 (1H, s) 7.25 (1H,
s).
【0016】上記の反応は以下の反応式で表される:
【化11】
【0017】化合物(III)は下記に示すように3通り
の方法によって製造することができる。 化合物(III)の合成例(第 1 法参考例 3 (E)-4-シクロヘキシル-4-オキソ-2-ブテン酸メチル:II
I-a の合成 工程 1 (3-シクロヘキシル-5-(メトキシカルボニル)-2
-イソオキサゾリン :8a の合成) i ) ヒドロキシルアミン・塩酸塩 154 g (2.20 mol)
と炭酸カリウム 166 g(1.20 mol) の 800 ml 水溶液
に、氷冷下、シクロヘキサンカルボキサアルデヒド(化
合物 6a) 224 g (2.00 mol) の 99% エタノール 133 ml
溶液を滴下する。滴下終了後室温に戻しながら 1 時間
20 分撹拌した後、酢酸エチル 900 mlで抽出す
る。抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄して目的とするオ
キシムの酢酸エチル溶液を得る。 ii ) 氷冷下、約 10% 次亜塩素酸ナトリウム水溶
液 3 l (約 4 mol) とトリエチルアミン 28 ml (200 mm
ol) の混合物に、激しく撹拌しながら、アクリル酸メチ
ル 220 ml (2.40 mol) を加えた前記オキシムの酢酸エ
チル溶液を 2 時間で滴下する。滴下終了後室温に戻し
ながら 1 時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出する。抽
出液を、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮して目的とするイソオキサゾ
リン(化合物 8a) の粗生成物を油状物質として 369 g
(88 %, 化合物 6a より) 得る。1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.10 〜 1.45 (5H, m) 1.48 〜 1.
90 (5H, m) 2.35 〜 2.50 (1H, m) 3.19 (1H, d, J =
8.2 Hz) 3.20 (1H, d, J = 9.4 Hz) 3.79 (3H,s) 4.96
(1H, dd, J = 8.2 Hz, 9.4 Hz).
【0018】工程 2 (化合物 III-a の合成) i ) 前記イソオキサゾリン(化合物 8a) の粗生成物 3
69 g をメタノール 1.5 l、水 316 ml、酢酸 474 ml の
混合溶媒に溶解し、10% パラジウム−炭素 11.1 g を加
えて水素雰囲気下、室温で 6 時間撹拌する。パラジウ
ム−炭素を濾別し、減圧濃縮した残渣に水を加え、酢酸
エチルで抽出する。抽出液を、水、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮して目的とするヒドロキシケ
トンの粗生成物を油状物質として280 g 得る。 ii ) 前記ヒドロキシケトンの粗生成物 280 g とトリ
エチルアミン 819 ml (5.89 mol) の乾燥酢酸エチル 1.
4 l 溶液に、氷冷下、塩化メタンスルホニル 163 ml
(2.10 mol) を 1 時間で滴下し、室温に戻しながら 1
時間撹拌する。反応液に氷水を加え、更に濃塩酸を加え
て酸性にし、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮した残渣を 80
% 含水メタノールより結晶化して目的とする不飽和ケト
エステル III-a を結晶として 158 g (62 %, 化合物 8a
より)得る。 融点: 53 〜 56 ℃1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.10 〜 1.50 (5H, m) 1.60 〜 2.
00 (5H, m) 2.50 〜 2.63 (1H, m) 3.81 (3H, s) 6.69
(1H, d, J = 15.6 Hz) 7.17 (1H, d, J = 15.6Hz).
【0019】参考例 4 (E)-6-エチル-4-オキソ-2-オクテン酸メチル:III-b の
合成 工程 1 (3-(2-エチルブチル)-5-(メトキシカルボニル)
-2-イソオキサゾリン: 8b の合成) i ) 窒素気流下、マグネシウム 61.7 g (2.54 mol) の
乾燥 THF 1 l 懸濁液に、反応液が穏やかに還流する様
に 1-ブロモ-2-エチルブタン(化合物 7b) 399g (2.42
mol) の乾燥 THF 650 ml 溶液を 2 時間かけて滴下す
る。滴下終了後室温に戻しながら 1.5 時間撹拌した
後、反応液を氷冷し 1-ホルミルピペリジン269 ml (2.4
2 mol) の乾燥 THF 450 ml 溶液を滴下する。更に、1
時間撹拌した後ヒドロキシルアミン・塩酸塩 202 g (2.
91mol) の水溶液 (300 ml) を加え、室温に戻しながら
1 時間 20 分撹拌を続ける。反応液をデカントし、残渣
をエーテルで洗浄し、有機層を合わせて、水、飽和食塩
水で洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧
濃縮して目的とするオキシムの粗生成物を油状物質とし
て 362 g 得る。このものは精製することなく次の反応
に用いる。 ii ) 氷冷下、約 10% 次亜塩素酸ナトリウム水溶液 2.
55 l (約 3.8 mol) 及び、アクリル酸メチル 306 ml
(3.39 mol) とトリエチルアミン 51 ml ( 363 mmol) の
トルエン 850 ml 溶液の混合物に、激しく撹拌しなが
ら、前記オキシムの粗生成物 362 g のトルエン 850 ml
溶液を滴下する。滴下終了後室温に戻しながら 2 時間
撹拌した後、反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出す
る。抽出液を、水、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧
濃縮した残渣を減圧蒸留して目的とするイソオキサゾリ
ン(化合物 8b) を油状物質として 255 g (49.5%, 化合
物 7b より) 得る。 沸点: 130〜135 ℃ (5 mmHg)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz) 0.89
(3H, t, J = 7.2 Hz) 1.27 〜 1.61 (5H, m) 2.32 (2H,
d, J = 7.0 Hz) 3.21 (2H, d, J = 9.0 Hz) 3.79 (3H,
s) 4.99 (2H, d, J = 9.0 Hz).
【0020】工程 2 (化合物 : III-b の合成) 参考例 3 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記イソオ
キサゾリン(化合物 8b) より目的とする不飽和ケトエ
ステル III-b を得る。 沸点: 85〜90 ℃ (0.5 mmHg)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.86 (6H, t, J = 7.2 Hz) 1.19
〜 1.50 (4H, m) 1.79〜 1.96 (1H, m) 2.54 (2H, d, J
= 6.6 Hz) 3.82 (3H, s) 6.67 (1H, d, J = 15.8 Hz)
7.09 (1H, d, J = 15.8 Hz).
【0021】参考例 5 (E)-5-エチル-4-オキソ-2-ヘプテン酸メチル:III-c の
合成 工程 1 (3-(1-エチルプロピル)-5-(メトキシカルボニ
ル)-2-イソオキサゾリン : 8c の合成) 参考例 3 の工程 1 と同様に反応を行ない、(2-エチル)
ブチルアルデヒド(化合物 6c)より目的とするイソオキ
サゾリン(化合物 8c) を得る。 沸点: 100 〜 110 ℃ (2 mmHg)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.88 (3H, t, J = 7.4 Hz) 0.89
(3H, t, J = 7.4 Hz) 1.33 〜 1.71 (4H, m) 2.36 〜
2.53 (1H, m) 3.13 (1H, d,J = 9.6 Hz) 3.14 (1H, d,
J = 7.8 Hz) 3.79 (3H, s) 4.99 (1H, dd, J = 9.6 Hz,
7.8 Hz).
【0022】工程 2 (化合物 : III-c の合成) 参考例 3 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記イソオ
キサゾリン(化合物 8c) より目的とする不飽和ケトエ
ステル III-c を得る。 沸点: 68 〜 72 ℃ (0.8 mmHg)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.86 (6H, t, J = 7.4 Hz) 1.42
〜 1.80 (4H, m) 2.51〜 2.70 (1H, m)
3.82 (3H, s) 6.72 (1H, d,
J = 15.8 Hz) 7.19 (1H,
d, J =15.8 Hz).
【0023】参考例 6 (E)-5-メチル-4-オキソ-2-ヘキセン酸メチル:III-d の
合成 工程 1 (5-(メトキシカルボニル)-3-(1-メチルエチル)
-2-イソオキサゾリン :8d の合成) 参考例 3 の工程 1 と同様に反応を行ない、イソブチル
アルデヒド(化合物 6d) より目的とするイソオキサゾ
リン(化合物 8d) を得る。 沸点: 84 〜 88 ℃ (1 mmHg)1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.19 (6H, d, J = 7.0 Hz) 2.65
〜 2.82 (1H, m) 3.23(2H, d, J = 9.4 Hz) 3.80 (3H,
s) 4.99 (1H, t like, J = 9.4 Hz).
【0024】工程 2 (化合物 : III-d の合成) 参考例 3 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記イソオ
キサゾリン(化合物 8d) より目的とする不飽和ケトエ
ステル III-d を得る。 沸点: 76 〜 80 ℃ (6 mmHg)1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.16 (6H, d, J = 7.0 Hz) 2.76
〜 2.94 (1H, m) 3.82(3H, s) 6.74 (1H, d, J = 15.8
Hz) 7.20 (1H, d, J = 15.8 Hz).
【0025】前記参考例3〜参考例6までの各反応は以
下の反応式で表される。
【化12】
【0026】化合物(III)の合成例 (第 2 法参考例 7 (E)-4-シクロヘキシル-4-オキソ-2-ブテン酸メチル:II
I-a の合成 工程 1 ((±)-3-アセトキシ-3-(メトキシカルボニル)
プロピオン酸 : 10 の合成) DL - リンゴ酸(化合物 9) 201 g (1.50 mol )と塩化ア
セチル 750 ml の混合物を、室温下 68 時間、更に50
℃ で 2 時間撹拌する。減圧濃縮した反応液残渣に、ト
ルエン 300 ml を加えて再び減圧濃縮する操作を 2 回
行なった後、酸無水物をトルエン 100 ml を用いて結晶
化する。減圧下トルエンを留去した結晶性残渣に、氷冷
下、メタノール 1.50 l を加え、室温で 1 時間撹拌し
た後 、15時間放置する。減圧濃縮した反応液残渣に、
トルエン 300 ml を加えて、再び減圧濃縮する。トルエ
ン 150 ml を用いて濃縮残渣を結晶化させた後、石油エ
ーテルで洗浄して目的とするカルボン酸(化合物 10)
を結晶として 279 g (98 %)得る。 融点: 〜 63 ℃1 H-NMR: δ (CDCl3) 2.16 (3H, s), 2.96 (2H, d, J =
6.0 Hz), 3.78 (3H, s), 5.49 (1H, t, J = 6.0 Hz ).
【0027】工程 2 (化合物 III-a の合成) i ) 前記カルボン酸(化合物 10) 196 g (1.10 mol)
と塩化チオニル 196 ml(1.65 mol) の混合物を 30 ℃
で 30 分間、更に 50 ℃ で 1 時間撹拌する。減圧濃縮
した反応液残渣に、トルエン 250 ml を加えて再び減圧
濃縮する操作を2 回行なって、目的とする酸塩化物の粗
生成物を得る。このものは精製することなく次の反応に
用いる。 ii ) 窒素気流下、前記酸塩化物の粗生成物とヨウ化第
一銅 9.52 g (5.00 mmol) の乾燥 THF 1 l 懸濁液に、-
25 ℃ に於て、1.02 M シクロヘキシルマグネシウムブ
ロミド−THF 溶液 1.17 l (1.19 mol) を 2 時間 30 分
で滴下する。滴下終了後、更に 30 分間撹拌した後、1.
3 N 塩酸 1 l と氷を加えて反応を停止する。反応液を
酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、減圧濃縮して目的とするケトンの粗生成物を得る。
このものは精製することなく次の反応に用いる。 iii ) 前記ケトンの粗生成物の乾燥アセトニトリル 55
0 ml 溶液に、トリエチルアミン 230 ml (1.65 mol) を
加え、1 時間加熱還流する。氷冷した反応液に、1.3 N
塩酸 1 l と氷を加え、酢酸エチルで抽出する。抽出液
を飽和食塩水、で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥する。減圧濃縮した残渣に、石油エーテル 1 l を
加えて結晶化を行ない、得た結晶を更に、85% 含水メタ
ノールより再結晶を行なって目的とする不飽和ケトエス
テル III-a の結晶を 76.8 g得る。また、結晶母液と再
結晶母液を合わせて減圧蒸留した後、 85% 含水メタノ
ールより再結晶を行なって目的化合物を更に 32.5 g 得
る。総収量 109 g (51%, 化合物 10 より)。 融点: 56 〜 57 ℃1 H-NMRスペクトルは、参考例 3 で得た化合物のスペク
トルと一致した。
【0028】参考例 8 (E)-6-エチル-4-オキソ-2-オクテン酸メチル:III-b の
合成 参考例 7 の工程 2 と同様に反応を行ない、化合物 10
(参考例 7 の工程 1)及び (2-エチル)ブチルマグネシウ
ムブロミドより目的とする不飽和ケトエステル III-b
を得る。ここで得た化合物の物性は、参考例 4 で得た
化合物の物性と完全に一致した。
【0029】参考例 9 (E)-5-エチル-4-オキソ-2-ヘプテン酸メチル:III-c の
合成 参考例 7 の工程 2 と同様に反応を行ない、化合物 10
(参考例 7 の工程 1)及び (1-エチル)プロピルマグネシ
ウムブロミドより目的とする不飽和ケトエステル III-c
を得る。ここで得た化合物の物性は、参考例 5 で得た
化合物の物性と完全に一致した。
【0030】参考例 10 (E)-4-オキソ-2-ヘキセン酸メチル:III-e の合成 参考例 7 の工程 2 と同様に反応を行ない、化合物 10
(参考例 7 の工程 1)及びエチルマグネシウムブロミド
より目的とする不飽和ケトエステル III-e を得る。 沸点: 87 〜 90 ℃ (8 mmHg)1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.14 (3H, t, J = 7.2 Hz) 2.67
(2H, q, J = 7.2 Hz) 3.81 (3H, s) 6.69 (1H, d, J =
16.0 Hz) 7.09 (1H, d, J = 16.0 Hz).
【0031】前記参考例7〜参考例10までに記載した
各反応は以下の反応式で表される。
【化13】
【0032】化合物(III)の合成例 (第 3 法)参考例 11 (E)-6-エチル-4-オキソ-2-オクテン酸メチル:III-b の
合成 工程 1 ((E)-3-(メトキシカルボニル)アクロイルクロ
リド : 12 の合成) i ) 無水マレイン酸 300 g (3.06 mol) の乾燥トルエ
ン 900 ml 懸濁液に、メタノール 136 ml (3.37 mol)
及び塩化チオニル 3.0 ml を加え、2 時間加熱還流す
る。反応液を氷冷し析出した結晶を濾取して、目的化合
物の粗結晶を得る。このものを、THF (500 ml)−イソプ
ロピルエーテル (1 l) より再結晶して融点 145〜146
℃ の目的とするモノメチルエステルを 210 g (52.7 %)
得る。 ii ) 前記モノメチルエステル 97.5 g (750 mmol) の乾
燥ベンゼン 250 ml 懸濁液に塩化チオニル 82.2 ml (1.
13 mol) 及び、DMF 1.0 ml を加え、70 ℃ で2.5 時間
撹拌する。反応液を減圧濃縮した残渣を、減圧蒸留して
目的とする酸塩化物(化合物 12) を油状物質として 9
5.3 g (85.3 %) 得る。 沸点: 72〜73 ℃ (15 mmHg)1 H-NMR: δ (CDCl3) 3.86 (3H,s) 6.99 (1H, ABtype, J
= 15.4 Hz) 7.00 (1H, ABtype, J = 15.4 Hz).
【0033】工程 2 (化合物 : III-b の合成) 窒素気流下、0.97 M (2-エチル)ブチルマグネシウムブ
ロミド−THF 溶液 860ml (837 mmol) に、氷冷下、1.15
M 塩化亜鉛−THF 溶液 728 ml (837 mmol) を55 分間
で滴下する。滴下終了後更に 50 分間撹拌した後、テト
ラキス (トリフェニルホスフィン) パラジウム 14.8 g
( 12.8 mmol) を加える。引き続き、前記酸塩化物 (化
合物 12) 95.3 g (639 mmol) の乾燥 THF 250 ml 溶液
を 1 時間50 分かけて滴下する。滴下終了後更に 30 分
間撹拌した後、3N 塩酸 (600 ml)を加え、酢酸エチルで
抽出する。抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮した残渣をエ
ーテル−n- ヘキサン混合溶媒 (エーテル:n−ヘキサン
=1:4) 200 ml に溶解し、シリカゲル (350 g)で濾過す
る。シリカゲルを上記混合溶媒 (1 l) で洗浄した後、
濾過液及び洗浄液を合わせて減圧濃縮する。残渣を減圧
蒸留して目的とする不飽和ケトエステルIII-b を油状物
質として 67.6 g (53.4 %) 得る。ここで得た化合物の
物性は、参考例 4 で得た化合物の物性と完全に一致し
た。
【0034】参考例11で説明した反応は以下の反応式
で表される。
【化14】
【0035】次に化合物(I)の製造方法を説明する。実施例 1 3-(シクロヘキサンカルボニル)-1-(3,4-ジメトキシフェ
ニル)-4-ヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)-6,7,8-ト
リメトキシナフタレン:I-1a の合成 工程 1 (3-(シクロヘキサンカルボニル)-1-(3,4-ジメ
トキシフェニル)-1,2-ジヒドロ-1,4-ジヒドロキシ-2-
(メトキシカルボニル)-6,7,8-トリメトキシナフタレン
: IV-1a の合成) 窒素気流下、(TMS)2NH 256 ml (1.15 mol) の乾燥 THF
1.15 l 溶液に、氷冷下 1.64 M n-BuLi - n-ヘキサン溶
液 700 ml (1.15 mol) を滴下する。ドライアイス−ア
セトン浴で冷却した反応液に、ラクトン II-1 (参考例
1) 207 g (575mmol) の乾燥 DMF 1.15 l 溶液を 1 時間
で滴下する。更に 45 分間撹拌した後、不飽和ケトエス
テル III-a (参考例 3) 134 g (684 mmol) の乾燥 THF
456 ml溶液を 45 分間かけて滴下する。滴下終了後、同
温にて 15 分間撹拌した後 0℃ まで昇温し、氷冷下 3
時間撹拌する。反応液に 2N 塩酸 1.8 l を加え、酢酸
エチルで抽出する。抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄し
た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮した
残渣をメタノール 1 l より結晶化し、目的とする化合
物 IV-1a の粗結晶を 180 g 得る。この結晶を更に塩化
メチレン−メタノールより再結晶を行ない、目的とする
化合物 IV-1a を 148 g 得る。また、濃縮した再結晶母
液を 2 回再結晶を行なって、更に 7.0 g の化合物 IV-
1a を得る。総収量 155 g (49%、化合物 II-1 より) 融点: 154 〜 155 ℃.1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.90 〜 1.83 (10H, m) 2.40 〜
2.58 (1H, m) 3.45 (3H, s) 3.67 (3H, s) 3.82 (3H,
s) 3.85 (3H, s) 3.93 (1H, s) 3.94 (3H, s) 3.99 (3
H, s) 5.75 (1H, s) 6.42 (1H, dd, J = 8.4 Hz, 2.4 H
z) 6.64 (1H, d, J= 8.4 Hz) 7.14 (1H, d, J = 2.4 H
z) 7.51 (1H, s).
【0036】工程 2 (化合物 : I-1a の合成) 窒素雰囲気下、前記化合物 IV-1a 155 g (279 mmol) の
乾燥塩化メチレン 750ml 溶液に、氷冷下、BF3・OEt2 4
4.8 ml (364 mmol) の乾燥塩化メチレン 90 ml溶液を 3
0 分間で滴下し、同温にて更に 50 分間撹拌する。反応
液に、トリエチルアミン 58.4 ml (420 mmol)を加え、
室温で 30 分間撹拌する。減圧濃縮した残渣に水を加
え、酢酸エチルで抽出する。抽出液を、1N 塩酸、水、
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
する。減圧濃縮した残渣をメタノール 500 ml より結晶
化し、得た結晶を更に塩化メチレン−メタノールより 2
回再結晶を行ない、目的とする化合物 I-1a を 140 g
(93 %) 得る。 融点 : 150 〜 151 ℃1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.15 〜 1.90 (10H, m) 2.70 〜
2.90 (1H, m) 3.24 (3H, s) 3.44 (3H, s) 3.86 (3H,
s) 3.89 (3H, s) 3.93 (3H, s) 4.03 (3H, s) 6.81 〜
6.87 (3H, m) 7.71 (1H, s) 13.99 (1H, s). IR: υ (Nujol) 1714, 1606, 1580, 1516, 1489, 1410,
1240, 1197, 1142, 1107, 1063, 1027, 1004 cm-1. 元素分析(C30H34O9): 計算値; C 66.90%, H 6.36% 測定値; C 66.92%, H 6.39%.
【0037】実施例 2 1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(3-エチル-1-オキソペ
ンチル)-4-ヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)-6,7,8-
トリメトキシナフタレン:I-1b の合成 工程 1 (1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(3-エチル-1-
オキソペンチル)-1,2-ジヒドロ-1,4-ジヒドロキシ-2-
(メトキシカルボニル)-6,7,8-トリメトキシナフタレン
: IV-1b の合成) 窒素気流下、1.0 M LiN(TMS)2 - THF 溶液 1 l (1.0 mo
l, 2.0 eq.) に、-78℃ においてラクトン II-1 (参考
例 1) 180 g (0.50 mol) の乾燥塩化メチレン500 ml 溶
液を 1 時間かけて滴下する。更に 40 分間撹拌した
後、不飽和ケトエステル III-b (参考例 4) 109 g (0.5
5 mol, 1.1 eq.) の乾燥 THF 300 ml 溶液を 40 分間か
けて滴下する。滴下終了後、0 ℃ まで昇温し、氷冷下
3 時間撹拌した反応液に氷と 2N 塩酸 1 l を加え、酢
酸エチルで抽出する。抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧濃縮し
た残渣をメタノール 700 ml より結晶化し、得た結晶を
更にメタノール 600 ml で 2回再結晶を行ない、目的と
する化合物 IV-1b を 194 g (70 %) 得る。 融点: 132 〜 133 ℃1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.65 (3H, t, J = 7.2Hz) 0.69 (3
H, t, J = 7.2Hz) 0.80 〜 1.29 (5H, m) 2.03 (1H, d
d, J = 14.0 Hz, 7.0 Hz) 2.31 (1H, dd, J = 14.0 Hz,
6.4 Hz) 3.40 (3H, s) 3.67 (3H, s) 3.81 (3H, s) 3.
86 (3H, s) 3.88(1H, s) 3.94 (3H, s) 3.99 (3H, s)
5.73 (1H, s) 6.43 (1H, dd, J = 8.4 Hz, 2.2 Hz) 6.6
4 (1H, d, J = 8.4 Hz) 7.14 (1H, d, J = 2.2 Hz) 7.5
4 (1H, s).
【0038】工程 2 (化合物 : I-1b の合成) 実施例 1 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記化
合物 IV-1b より目的とする化合物 I-1b を得る。 融点 : 128.5 〜 129.5 ℃ (塩化メチレン−メタノー
ル)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.83 (6H, t, J = 7 Hz) 1.20 〜
1.42 (4H, m) 1.96 〜2.12 (1H, m) 2.73 (2H, d, J =
6Hz) 3.25 (3H, s) 3.44 (3H, s) 3.86 (3H,s) 3.89 (3
H, s) 3.93 (3H, s) 4.04 (3H, s) 6.78 〜 6.90 (3H,
m) 7.73 (1H,s) 14.38 (1H, s) IR: υ (CHCl3) 2968, 1729, 1606, 1576, 1514, 1489,
1464, 1412, 1139, 1064, 1028 cm-1 元素分析 (C30H36O9): 計算値; C 66.65%, H 6.71% 測定値; C 66.72%, H 6.69%.
【0039】実施例 3 1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(2-エチル-1-オキソブ
チル)-4-ヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)-6,7,8-ト
リメトキシナフタレン:I-1c の合成 工程 1 (1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(2-エチル-1-
オキソブチル)-1,2-ジヒドロ-1,4-ジヒドロキシ-2-(メ
トキシカルボニル)-6,7,8-トリメトキシナフタレン : I
V-1c の合成) 実施例 1 の工程 1 と同様に反応を行ない、ラクトン I
I-1 (参考例 1) 及び不飽和ケトエステル III-c (参考
例 5) より目的とする化合物 IV-1c を得る。 融点: 154.5 〜 156 ℃ (塩化メチレン−メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.19 (3H, t, J = 7.4 Hz) 0.75
(3H, t, J = 7.4 Hz) 1.13 〜 1.72 (4H, m) 2.35〜 2.
51 (1H, m) 3.42 (3H, s) 3.65 (3H, s) 3.79 (3H, s)
3.86 (3H, s) 3.94 (3H, s) 3.96 (1H, s) 3.99 (3H,
s) 5.76 (1H, s)6.42 (1H, dd, J = 8.4 Hz, 2.2 Hz)
6.64 (1H, d, J = 8.4 Hz) 7.14 (1H, d,J = 2.2 Hz)
7.56 (1H, s).
【0040】工程 2 (化合物 : I-1c の合成) 実施例 1 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記化
合物 IV-1c より目的とする化合物 I-1c を得る。 融点 : 113 〜 115 ℃ (アセトン−n-ヘキサン)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.82 (3H, t, J = 8 Hz) 0.83 (3
H, t, J = 8 Hz) 1.42〜 1.60 (2H, m) 1.64 〜 1.81
(2H, m) 2.78 〜 2.90 (1H, m) 3.24 (3H, s) 3.42 (3
H, s) 3.86 (3H, s) 3.89 (3H, s) 3.93 (3H, s) 4.03
(3H, s) 6.81 〜6.87 (3H, m) 7.72 (1H, s) 14.18 (1
H, s) IR: υ (CHCl3) 1730, 1606, 1575, 1523, 1490, 1463,
1412, 1137, 1062, 1029 cm-1 元素分析(C29H34O9): 計算値 C 66.14%, H 6.51%; 測定値 C 66.09%, H 6.64%.
【0041】実施例 4 1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-ヒドロキシ-2-(メトキ
シカルボニル)-3-(2-メチル-1-オキソプロピル)-6,7,8-
トリメトキシナフタレン:I-1d の合成 工程 1 (1-(3,4-ジメトキシフェニル)-1,2-ジヒドロ-
1,4-ジヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)-3-(2-メチ
ル-1-オキソプロピル)-6,7,8-トリメトキシナフタレン
: IV-1d の合成) 実施例 1 の工程 1 と同様に反応を行ない、ラクトン I
I-1 (参考例 1) 及び不飽和ケトエステル III-d (参考
例 6) より目的とする化合物 IV-1d を得る。 融点: 155 〜 156 ℃ (塩化メチレン−メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.67 (3H, d, J = 7.0 Hz) 1.04
(3H, d, J = 6.8 Hz) 2.73 〜 2.88 (1H, m) 3.43 (3H,
s) 3.67 (3H, s) 3.81 (3H, s) 3.86 (3H, s)3.91 (1
H, s) 3.94 (3H, s) 3.99 (3H, s) 5.74 (1H, s) 6.44
(1H, dd, J = 8.4 Hz, 2.0 Hz) 6.65 (1H, d, J = 8.4
Hz) 7.14 (1H, d, J = 2.0 Hz) 7.52 (1H, s).
【0042】工程 2 (化合物 : I-1d の合成) 実施例 1 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記化
合物 IV-1d より目的とする化合物 I-1d を得る。 融点 : 108 〜 110 ℃ (90 % 含水メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.15 (3H, d, J = 7 Hz) 1.16 (3
H, d, J = 7 Hz) 3.09〜 3.20 (1H, m) 3.24 (3H, s)
3.43 (3H, s) 3.86 (3H, s) 3.89 (3H, s) 3.93(3H, s)
4.03 (3H, s) 6.79 〜 6.90 (3H, m) 7.71 (1H, s) 1
3.76 (1H, s)IR: υ (nujol) 1724, 1604, 1579, 1510,
1410, 1195, 1133, 1104, 1024, 988, 959, 843 cm-1 元素分析(C27H30O9) : 計算値; C 65.05%, H 6.07% 測定値; C 65.16%, H 6.08%.
【0043】実施例 5 1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-ヒドロキシ-2-(メトキ
シカルボニル)-3-(1-オキソプロピル)-6,7,8-トリメト
キシナフタレン:I-1e の合成 工程 1 (1-(3,4-ジメトキシフェニル)-1,2-ジヒドロ-
1,4-ジヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)-3-(1-オキ
ソプロピル)-6,7,8-トリメトキシナフタレン :IV-1e の
合成) 実施例 2 の工程 1 と同様に反応を行ない、ラクトン I
I-1 (参考例 1) 及び不飽和ケトエステル III-e (参考
例 10) より目的とする化合物 IV-1e を得る。 融点: 143 〜 145 ℃ (メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.89 (3H, t, J = 7.4 Hz) 2.31
(2H, q, J = 7.4 Hz) 3.41 (3H, s) 3.68 (3H, s) 3.82
(3H, s) 3.86 (3H, s) 3.87 (1H, s) 3.94 (3H, s) 3.
99 (3H, s) 5.73 (1H, s) 6.44 (1H, dd, J = 8.4 Hz,
2.2 Hz) 6.65 (1H, d, J = 8.4 Hz) 7.12 (1H, d, J =
2.2 Hz) 7.51 (1H, s).
【0044】工程 2 (化合物 : I-1e の合成) 実施例 1 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記化合物
IV-1e より目的とする化合物 I-1e を得る。 融点 : 145 〜 146 ℃ (酢酸エチル−ジイソプロピル
エーテル)1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.18 (3H, t, J = 7.2 Hz) 2.81
〜 2.91 (2H, m) 3.25(3H, s) 3.45 (3H, s) 3.86 (3H,
s) 3.89 (3H, s) 3.93 (3H, s) 4.03 (3H, s)6.80 〜
6.85 (3H, m) 7.74 (1H, s) 14.60 (1H, s) IR: υ (nujol) 1730, 1604, 1577, 1202, 1117, 1023
cm-1 元素分析 (C26H28O9) : 計算値; C 64.46%, H 5.83% 測定値; C 64.53%, H 5.80%.
【0045】実施例 6 3-(シクロヘキサンカルボニル)-1-(3,4-ジメトキシフェ
ニル)-4-ヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)-6,7-メチ
レンジオキシナフタレン:I-2a の合成 工程 1 (3-(シクロヘキサンカルボニル)-1-(3,4-ジメ
トキシフェニル)-1,2-ジヒドロ-1,4-ジヒドロキシ-2-
(メトキシカルボニル)-6,7-メチレンジオキシナフタレ
ン : IV-2a の合成) 実施例 1 の工程 1 と同様に反応を行ない、ラクトン I
I-2 (参考例 2) 及び不飽和ケトエステル III-a (参考
例 3) より目的とする化合物 IV-2a を得る。 融点: 193 〜 195 ℃ (塩化メチレン-メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.90 〜 1.88 (10H, m) 2.39 〜
2.57 (1H, m) 3.65 (3H, s) 3.80 (3H, s) 3.82 (3H,
s) 4.02 (1H, s) 4.96 (1H, br. s) 6.07 (2H, s) 6.33
(1H, dd, J = 8.4 Hz, 2.2 Hz) 6.62 (1H, d, J = 8.4
Hz) 6.98 (1H, d, J = 2.2 Hz) 7.20 (1H, s) 7.45 (1
H, s).
【0046】工程 2 (化合物 : I-2a の合成) 実施例 1 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記化合物
IV-2a より目的とする化合物 I-2a を得る。 融点 : 177 〜 178 ℃ (塩化メチレン-メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.06 〜 1.92 (10H, m) 2.70 〜
2.88 (1H, m) 3.52 (3H, s) 3.86 (3H, s) 3.96 (3H,
s) 6.06 (2H, s) 6.77 (1H, s) 6.79 (1H, d, J= 2.0 H
z) 6.82 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 2.0 Hz) 6.94 (1H, d,
J = 8.0 Hz) 7.79 (1H, s) 13.74 (1H, s). IR: υ (CHCl3) 1724, 1618, 1583, 1514, 1450, 1241,
1169, 1039 cm-1. 元素分析 (C28H28O8): 計算値; C 68.28%, H 5.73% 測定値; C 68.05%, H 5.77%.
【0047】実施例 7 1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(3-エチル-1-オキソペ
ンチル)-4-ヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)-6,7-メ
チレンジオキシナフタレン:I-2b の合成 工程 1 (3-(3-エチル-1-オキソペンチル)-1-(3,4-ジメ
トキシフェニル)-1,2-ジヒドロ-1,4-ジヒドロキシ-2-
(メトキシカルボニル)-6,7-メチレンジオキシナフタレ
ン : IV-2b の合成) 実施例 2 の工程 1 と同様に反応を行ない、ラクトン I
I-2 (参考例 2) 及び不飽和ケトエステル III-b (参考
例 4) より目的とする化合物 IV-2b を得る。 融点: 144.5 〜 146.5 ℃ (メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.60 〜 1.41 (11H, m) 2.13 (1H,
dd, J = 14.2 Hz, 7.0 Hz) 2.28 (1H, dd, J = 14.2 H
z, 7.0 Hz) 3.66 (3H, s) 3.80 (3H, s) 3.82(3H, s)
3.90 (1H, s) 4.88 (1H, s) 6.07 (2H, s) 6.39 (1H, d
d, J = 8.4 Hz,2.2 Hz) 6.63 (1H, d, J = 8.4 Hz) 6.9
8 (1H, d, J = 2.2 Hz) 7.18 (1H, s)7.48 (1H, s).
【0048】工程 2 (化合物 : I-2b の合成) 実施例 1 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記化合物
IV-2b より目的とする化合物 I-2b を得る。 融点 : 126 〜 128 ℃ (メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.83 (6H, t, J = 7.3 Hz) 1.20
〜 1.42 (4H, m) 1.96〜 2.16 (1H, m) 2.73 (2H, d, J
= 6.6 Hz) 3.51 (3H, s) 3.86 (3H, s) 3.96(3H, s)
6.06 (2H, s) 6.72 〜 6.98 (4H, m) 7.81 (1H, s) 14.
17 (1H, s) IR: υ (CHCl3) 1730, 1623, 1610, 1586, 1517, 146
3, 1242, 1176, 1043 cm-1 元素分析 (C28H30O8): 計算値; C 68.00%, H 6.11% 測定値; C 67.88%, H 6.15%.
【0049】実施例 8 1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-ヒドロキシ-2-(メトキ
シカルボニル)-6,7-メチレンジオキシ-3-(1-オキソプロ
ピル)ナフタレン:I-2e の合成 工程 1 (1-(3,4-ジメトキシフェニル)-1,2-ジヒドロ-
1,4-ジヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)-6,7-メチレ
ンジオキシ-3-(1-オキソプロピル)ナフタレン: IV-2e
の合成) 実施例 2 の工程 1 と同様に反応を行ない、ラクトン I
I-2 (参考例 2) 及び不飽和ケトエステル III-e (参考
例 10) より目的とする化合物 IV-2e を得る。 融点: 138 〜 140 ℃ (メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 0.93 (3H, t, J = 7.4 Hz) 2.21
〜 2.50 (2H, m) 3.66(3H, s) 3.82 (6H, s) 3.94 (1H,
s) 4.86 (1H, br. s) 6.08 (2H, s) 6.42 (1H, dd, J
= 8.4 Hz, 2.2 Hz) 6.65 (1H, d, J = 8.4 Hz) 6.93 (1
H, d, J = 2.2Hz) 7.20 (1H, s) 7.45 (1H, s).
【0050】工程 2 (化合物 : I-2e の合成) 実施例 1 の工程 2 と同様に反応を行ない、前記化合物
IV-2e より目的とする化合物 I-2e を得る。 融点 : 169 〜 170 ℃ (塩化メチレン-メタノール)1 H-NMR: δ (CDCl3) 1.19 (3H, t, J = 7.2 Hz) 2.81
〜 2.91 (2H, m) 3.52(3H, s) 3.86 (3H, s) 3.95 (3H,
s) 6.06 (2H, s) 6.72 (1H, s) 6.79 〜 6.92(3H, m)
7.81 (1H, s) 14.36 (1H, s). IR: υ (CHCl3) 1724, 1619, 1582, 1459, 1175, 103
8, 1025 cm-1 元素分析 (C2422): 計算値; C 65.75%, H 5.06% 測定値; C 65.55%, H 5.14%.
【0051】実施例 9 メタンスルホン酸を脱水剤として用いる、実施例2にて
製造される化合物I-1bの合成 (化合物:I-1bの合成)実施例 2 の工程 1 にて製造さ
れた化合物IV-1b 5.58 g(10.0 mmol)の乾燥アセトニ
トリル 23 ml 懸濁液に、メタンスルホン酸 1.15 g を
加え、室温で1時間15分撹拌する。反応液に水 24 ml
を加え、氷冷下、30分間撹拌し、析出した結晶を濾
取する。得た結晶をアセトン−メタノールより2回再結
晶して目的とする化合物I-1b を 5.04g(93%)得る。 融点: 128 〜 129 ℃ その他の物性は、実施例 2 にて製造したものとすべて
一致した。
【0052】前記実施例で説明した化合物は以下の表の
ようにまとめることができる:
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】次に、各試験例を示す。実施例1及び実施
例2により得られた化合物について試験した。試験例1 LDLの酸化変性に対する抑制作用 (試験および評価方法)プロシーディングス オブ ザ ナ
ショナル アカデミー オブ サイエンシズ ユーエスエイ
(Proc.Natl.Acad,Sci,USA)の第84巻、59
28頁(1987年)に記載の北らの方法に従って、以下
のように行った。まず、0.5%コレステロール含有飼
料を3週間摂取させたニュージーランドホワイトウサギ
の血液よりLDLを分離し、リン酸緩衝化生理食塩水溶
液(最終LDL濃度0.2mg蛋白質/ml)を調製した。こ
れに、各被験化合物のエタノール溶液を加えた後、更に
硫酸銅(最終Cu2+濃度0.5μM)を加えて37℃で24
時間インキュベートした。インキュベーション後の各溶
液について、過酸化脂質含量をチオバルビツール酸反応
物質(TBA反応物質)として測定し、化合物濃度とLD
L酸化変性抑制率の回帰直線から50%抑制濃度(IC
50)を求めた。尚、TBA反応物質の定量は、インキュ
ベーション後の溶液からタンパク質を除いた上澄み液中
のTBA反応物質を、TBA法により測定した。結果を
以下の表3に示す。本発明の方法によって得られる化合
物のIC50は10μM以下であり、従ってLDLに対し
て強い抗酸化作用を有していると言える。
【0055】試験例2 コレステロール低下作用 (試験および評価方法)ICR系雄性マウス(体重30〜
40g)に、被験化合物を0.12%添加(対照群は無添
加)した1%コレステロール及び0.5%コール酸ナトリ
ウム含有飼料を7日間自由摂取させた後、採血し、血清
の総コレステロール量をクリニカル ケミストリー(Cli
n.Chem.)の第20巻、第470頁(1974年)に記載の
アライン(Allain)の方法により測定した。また、VLD
LコレステロールおよびLDLコレステロールの総量
は、総コレステロール量から、HDLコレステロール量
を差し引いて算出した。HDLコレステロール量は、ク
リニカル ケミストリー(Clin.Chem.)の第24巻、第2
180頁(1978年)に記載のアッシュ(Ash)とヘンツ
シェル(Hentschel)らの方法に従って測定した。
【0056】被験化合物のコレステロール低下作用は、
次式により求めたコレステロール低下率により評価し
た。
【数1】 結果を以下の表3に示す。
【表3】 実施例 LDL酸化抑制 総コレステロール (VLDL+LDL)コレステロ 番号 IC50(μM) 低下率(%) ール低下率(%) 1 0.46 22 61 2 0.40 35 72 いずれの化合物も、(VLDL+LDL)コレステロール
の優れた低下作用を有しかつHDLコレステロールの減
少を示さなかったことから、本発明により得られる化合
物は強力な選択的コレステロール低下作用を有すると言
える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 純夫 兵庫県神戸市東灘区魚崎北町5丁目7− 20−904 (72)発明者 岩倉 彦三 兵庫県神戸市垂水区塩屋北町1丁目17− 2 (56)参考文献 特開 平2−28177(JP,A) 特開 昭64−56641(JP,A) 特開 昭63−222141(JP,A) Synthesis, (1986) N o.5 p.378−p.379 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/26 C07C 67/343 C07C 66/738 C07C 69/94 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(II): 【化1】 [式中、R及びRは個別に低級アルコキシ基である
    か、又はR及びRは一緒になってアルキレンジオキ
    シ基を形成し、 Rは低級アルコキシ基又は水素であり、 R及びRは個別に低級アルキル基である] で示されるラクトン化合物を塩基の存在下に式(II
    I): 【化2】 [式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、シクロ
    アルキル低級アルキル基、又はアラルキル基であり、 Rは低級アルキル基である] で示される不飽和ケトン化合物と反応させ、得られた化
    合物を脱水することにより式(I): 【化3】 [式中、R、R、R、R、R、R及びR
    は前記の定義と同意義である] で示される化合物を製造する方法。
  2. 【請求項2】 RがC−Cアルキル、C−C
    シクロアルキル、又はC−CシクロアルキルC
    アルキルである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 R、R及びRがメトキシであり、
    、R及びRがメチルである請求項1又は請求項
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 Rがシクロヘキシル、2−エチルブチ
    ル、1−エチルプロピル、i−プロピル、又はエチルで
    ある請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 式(II): 【化4】 [式中、R及びRは個別に低級アルコキシ基である
    か、又はR及びRは一緒になってアルキレンジオキ
    シ基を形成し、 Rは低級アルコキシ基又は水素であり、 R及びRは個別に低級アルキル基である] で示される化合物。
  6. 【請求項6】 R=R=R=メトキシ、R=R
    =メチルである請求項5に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 式(III): 【化5】 [式中、Rは2−エチルブチル、シクロアルキル基
    (但し、ノルボルニル基およびアダマントイル基を除
    く)、シクロアルキル低級アルキル基、又はアラルキル
    基であり、 Rは低級アルキル基である] で示される化合物。
  8. 【請求項8】 R=2−エチルブチル、R=メチル
    である請求項7に記載の化合物。
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