JP3465972B2 - 高所作業車 - Google Patents
高所作業車Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高所作業車に関する。す
なわち、作業台が昇降可能に組み付けられると共に、タ
イヤやクローラ等にて速度可変に前進,後進,旋回等さ
れる、自走式の高所作業車に関するものである。 【0002】 【従来の技術】このような高所作業車では、作業台が、
昇降機構にて昇降可能に組み付けられると共に、左右の
タイヤやクローラ等が走行装置にて駆動され、もって前
進,後進,左右旋回等の各種走行パターンにて、速度可
変に走行される。そして、この高所作業車の走行装置、
特に、倉庫,工場,その他屋内用の高所作業車における
低速走行用の走行装置としては、左右のタイヤやクロー
ラを油圧モータにて駆動させるものが、一般的に用いら
れている。図2は、このような従来の油圧式の走行装置
の油圧回路図である。そして、この図2の従来例の走行
装置1は、左右のタイヤやクローラにそれぞれ連結され
正逆回転可能な左右の油圧モータ2,3と、左右の油圧
モータ2,3をそれぞれ回転させる固定容量式の左右の
油圧ポンプ4,5と、油槽6,左油圧ポンプ4,左油圧
モータ2,油槽6間の左油圧配管7と、油槽6,右油圧
ポンプ5,右油圧モータ3,油槽6間の右油圧配管8
と、左右の油圧ポンプ4,5駆動用の定速直流式の電動
モータ9と、左油圧配管7に設けられたダブルソレノイ
ドバルブよりなる左電磁比例弁10と、右油圧配管8に
設けられたダブルソレノイドバルブよりなる右電磁比例
弁11と、からなっていた。 【0003】そして、この油圧式の走行装置1では、左
右のタイヤやクローラ等による前進,後進,旋回等の各
種走行パターンの選択や走行速度の変更は、操作部に設
けられた1本の走行レバーたるジョイスティックレバー
(図示せず)の操作により、実施されていた。すなわ
ち、全方位に傾倒可能なポテンショメータ付のジョイス
ティックレバーを傾倒操作することにより、左電磁比例
弁10と右電磁比例弁11を相互間で比例・対応する関
係で自動的に切換え、もって走行パターンの選択や、左
油圧モータ2や右油圧モータ3への流量の変更による走
行速度の変更が実施されていた。特に、屋内用の自走式
の高所作業車にあっては、作業台を上昇した状況下で
も、発進から(低速走行ではあるが)最高速度までスム
ーズにショックなく、徐々に比例的に走行速度を変更さ
せることが要請されているが、従来これは、ジョイステ
ィックレバーの傾倒角度にて左右の電磁比例弁10,1
1をコントロールし、もって左右の油圧ポンプ4,5か
ら定容量で吐出されてきた油の流量を、変更制御するこ
とにより実施されていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。このよ
うに、従来のこの種の高所作業車において、走行速度の
変更は、油圧式の走行装置1の左右の電磁比例弁10,
11をコントロールすることにより実施されていたが、
まず第1に、コスト面に問題が指摘されていた。すなわ
ち、比例・対応する関係で自動的に切換えられる左右の
電磁比例弁10,11や、これらを各々コントロールす
るのに必要な左右の定電流コントローラたるアンプ、そ
の他の電子制御部品等が、非常に高価であり、走行装置
1そして高所作業車のコスト面に問題が指摘されてい
た。 【0005】第2に、精度や調整面にも問題が指摘され
ていた。すなわち、左右の電磁比例弁10,11間の性
能のバラツキを防止し、相互間での自動的な比例・対応
関係を精度高く設定しておくことが、流量制御によるス
ムーズで比例的な走行速度変更のポイントとなるが、こ
のような電気的調整やチェックは、非常に複雑,微妙,
面倒である。そして、従来のこの種の高所作業車にあっ
ては、左右の電磁比例弁10,11を中心に走行装置1
全体について、このように複雑,微妙,面倒な電気的調
整やチェックを、製作時,出荷時,メインテナンス時に
行うことを要すると共に、これらを完全に実施すること
は極めて困難とされ、もって、性能のバラツキや精度面
に問題が指摘されることが多かった。 【0006】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、油圧
式の走行装置について、まず、電動モータの回転をチョ
ッパーにて徐々に増加,減少制御し、油圧ポンプの吐出
量を変化させて走行速度の変更を実施し、かつ、左右の
切換弁の切換により、各種走行パターンの選択を実施
し、これらがジョイスティックレバーにてコントロール
されること、を特徴とする。もって、本発明は、第1
に、走行装置のコスト面に優れると共に、第2に、走行
装置の精度や調整面にも優れた、高所作業車を提案する
ことを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この
高所作業車は、作業台が昇降機構にて昇降可能に組み付
けられると共に、タイヤやクローラ等の左右の走行手段
が走行装置にて駆動され、もって前進,後進,ピボット
ターン旋回,スピンターン旋回等の各種走行パターンに
て、速度可変に走行される。そして前記走行装置は、左
右の該走行手段にそれぞれ連結されこれを従動せしめる
正逆回転可能な左右の油圧モータと、左右の該油圧モー
タの回転用で固定容量式の油圧ポンプと、油槽,該油圧
ポンプ,該油圧モータ間の油圧配管と、該油圧配管の該
油圧ポンプと左右の該油圧モータ間に介装された左右の
切換弁と、該油圧ポンプの駆動用の電動モータと、を有
してなる。該電動モータは、定速式よりなると共に、チ
ョッパーの開閉時間変更にて、その回転数が零から最高
値まで徐々に比例的に増加,減少制御され、もって、該
電動モータの回転数の変化に基づき、該油圧ポンプの油
吐出量も徐々に比例的に増加,減少して、走行速度の変
更が実施される。左右の該切換弁は、一般的な電磁開閉
弁よりなり、その切換えにより、左右の油圧モータにつ
いて、同時に共に正回転させての前進、又は、同時に共
に逆回転させての後退、又は、いずれか一方を正回転又
は逆回転させると共に他方を停止させるピボットターン
旋回、又は、いずれか一方を正回転させると共に他方を
逆回転させるスピンターン旋回、等の各種走行パターン
の選択を実施する。かつ、ジョイスティックレバーが操
作部に設けられており、該ジョイスティックレバーは、
全方位に傾斜可能でポテンションメーター付であり、そ
の傾倒角度に対応して該チョッパーの開閉時間がコント
ロールされ、又、その傾倒方位に対応して左右の該切換
弁がそれぞれ切換えられること、を特徴とする。 【0008】 【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。この高所作業車では、タイヤやクロー
ラ等の左右の走行手段が、走行装置にて駆動されること
により、前進,後進,ピボットターン旋回,スピンター
ン旋回等の各種走行パターンにて、速度可変に走行され
る。そして走行時には、走行装置の電動モータが回転さ
れることにより、油圧ポンプが駆動され、もって左右の
油圧配管や切換弁を介し、左右の油圧モータが油圧にて
回転駆動されて、左右の走行手段が駆動される。その
際、前進,後進,ピボットターン旋回,スピンターン旋
回等の各種走行パターンの選択は、走行装置の左右の切
換弁の切換えにより実施される。又、走行速度の変更
は、走行装置の電動モータの回転をチョッパーにて制御
し、電動モータの回転数を変化させて、油圧ポンプの吐
出量を変化させることにより、左右の油圧モータの回転
駆動量を制御して実施される。そして、このような左右
の切換弁やチョッパーは、ジョイスティックレバーにて
コントロールされる。 【0009】さてそこで、この走行装置にあっては、第
1に、この高所作業車の走行装置は、従来の左右の電磁
比例弁に代え、左右の切換弁とチョッパーとを設けてな
る。すなわち、各種走行パターンの選択と走行速度の変
更とを実施していた従来の左右の電磁比例弁に代え、走
行パターン選択用に、左右の切換弁(一般的な電磁開閉
弁)を配すると共に、走行速度変更用に、電動モータに
チョッパーを付設してなる。このように、この走行装置
にあっては、高価な左右の電磁比例弁,その定電流コン
トローラ,その他の電子制御部品等を用いることなく、
比較的安価な切換弁やチョッパーが用いられている。 【0010】第2に、この高所作業車の走行装置は、こ
のように、各種走行パターンの選択を、左右の油圧配管
中の切換弁(一般的な電磁開閉弁)の切換にて実施する
と共に、走行速度の変更を、電動モータの回転をチョッ
パーにて制御することにより実施する。従って、製作,
出荷,メインテナンス時の調整やチェックに際し、この
ような切換弁やチョッパーは、その基本性能を確認する
だけでよく、複雑,微妙,面倒な電気的調整やチェック
は不要である。特に、この種従来例のように左右の電磁
比例弁を用いない分だけ、左右の性能のバラツキが減少
し、油圧ポンプや油圧モータの性能にのみ依存して、精
度の高い走行速度の変更が実現される。すなわち、電動
モータの回転数の変化,油圧ポンプの吐出量の変化等に
基づき、左右の油圧モータへの油の流量が極めてスムー
ズに変化するので、例えば作業台を上昇した状況下で
も、発進から最高速度までスムーズでショックがなく、
徐々に比例的に走行速度を変更させることができる。し
かも、このような切換弁やチョッパーは、ジョイスティ
ックレバーにてコントロールされる。 【0011】 【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1は本発明の実施例を示し、
その走行装置の油圧回路図である。図3は高所作業車の
1例の側面図、図4は高所作業車の他の例の側面概略図
である。 【0012】まず図3や図4により、高所作業車につい
て述べる。高所作業車は、作業台12が、昇降機構13
にて昇降可能に組み付けられると共に、タイヤ14やク
ローラ15等の左右の走行手段16が後述する走行装置
にて駆動され、もって前進,後進,旋回等の各種走行パ
ターンにて、速度可変に走行する。 【0013】このような高所作業車について、更に詳述
する。まず図3に示した高所作業車では、台車17上に
作業台12が、屈折式の昇降機構13にて垂直に昇降可
能に組み付けられている。この図3の昇降機構13は、
上ブーム18と下ブーム19が、上下のマウント20や
中間のブラケット21等を介し、台車17と作業台12
間に水平の軸にて枢着された構造よりなる。そして、伸
縮駆動されるリフト用のシリンダ22にて、上ブーム1
8と下ブーム19が同期連動して起伏され、もって作業
台12は、常時水平姿勢を維持しつつ、図示の上昇位置
と台車17上に降下した降下位置とに垂直に昇降動され
る。又この高所作業車は、走行手段16としてクローラ
15を用いてなり、クローラ15は、左右各々無端状を
なし、台車17の前後左右の駆動輪や従動輪間にそれぞ
れ掛け渡され、駆動輪が後述する走行装置にて駆動され
ることにより、走行される。 【0014】次に、図4に示した高所作業車では、台車
17上に作業台12が、マスト式の昇降機構13にて垂
直に昇降可能に組み付けられている。この図4の昇降機
構13は、上中下の各マスト23,24,25が台車1
7と作業台12間に配設され、上中下の各マスト23,
24,25は、相互間が筒状の入れ子式構造よりなり、
全体的に伸縮可能となっている。そして、伸縮駆動され
るリフト用のシリンダ26にて、上中のマスト23,2
4が下マスト25に対し繰り出し,伸長されると共に、
自重にて収納,短縮され、もって作業台12が、常時水
平姿勢を維持しつつ、図示の上昇位置と台車17上に降
下した降下位置とに、垂直に昇降動される。又この高所
作業車は、走行手段16としてタイヤ14を用いてな
り、タイヤ14は、台車17の前後左右の駆動輪や従動
輪よりなり、駆動輪が後述する走行装置にて駆動される
ことにより、この高所作業車は走行される。なお図3,
図4中27は、作業台12上に付設された操作部であ
る。 【0015】本発明が適用される高所作業車は、例えば
この図3や図4のようなものよりなるが、勿論これに限
定されるものではない。例えば、図示の上下のブーム1
8,19や上中下のマスト23,24,25等よりなる
昇降機構13にて、作業台12を組み付けてなるタイプ
だけではなく、更に、正逆に回転可能なターンテーブル
を介し、昇降機構13そして作業台12を水平に旋回可
能に組み付けてなるタイプや、シリンダとピンの組み合
わせにより、作業台12を水平姿勢のまま(図3,図4
のように垂直方向ではなく)傾斜方向に昇降させるタイ
プのもの、その他の高所作業車にも適用可能である。
又、これらの高所作業車において、走行手段16として
は、タイヤ14やクローラ15が適宜選択的に使用され
る。 【0016】以下図1により、この高所作業車の走行装
置28について述べる。この走行装置28は、主に低速
走行用として用いられ、次の左右の油圧モータ2,3、
油圧ポンプ4,5、油圧配管7,8、切換弁29,3
0、電動モータ31等を有してなる。 【0017】すなわち、この走行装置28は、左右の走
行手段16にそれぞれ連結されこれを従動せしめる正逆
回転可能な左右の油圧モータ2,3と、左右の油圧モー
タ2,3の回転用で固定容量式の左右の油圧ポンプ4,
5と、油槽6,左右の油圧ポンプ4,5,左右の油圧モ
ータ2,3間にそれぞれ配された左右の油圧配管7,8
と、左右の油圧配管7,8について、左右の油圧ポンプ
4,5と油圧モータ2,3間にそれぞれ介装された左右
の切換弁29,30と、左右の油圧ポンプ4,5の駆動
用の電動モータ31と、を有してなる。そしてこの電動
モータ31は、定速式よりなると共にチョッパー32に
てその回転が制御され、もって、電動モータ31の回転
数の変化に基づき左右の油圧ポンプ4,5の吐出量が変
化して、走行速度の変更が実施されるようになってい
る。 【0018】このような走行装置28について、更に詳
述する。まず走行装置28の電動モータ31は、図示例
では定速直流式のものが用いられ、その電源33との間
に配されたチョッパー32にて、印加電圧が制御され回
転が制御されるようになっている。つまり、チョッパー
32の開閉時間を変えることにより、電動モータ31へ
の平均電圧(電力)が変更制御され、もって電動モータ
31の回転数が、零からその最高値まで徐々に比例的に
増加,減少するようになっている。そして、このような
チョッパー32の開閉時間は、操作部27に設けられ全
方位に傾斜可能なポテンショメータ付の1本のジョイス
ティックレバー34の傾倒角度に対応して、コントロー
ルされる。なお図示例では、このような電動モータ31
として定速直流式のものが用いられていたが、インバー
ター付の定速交流式のものを用いることも可能である。 【0019】次に、走行装置28の左右2連の油圧ポン
プ4,5は、固定容量式よりなり、このような電動モー
タ31にて駆動される。そして、前述した電動モータ3
1の回転数の変化に基づき、油の吐出量が、零からその
最大流量まで徐々に比例的に増加,減少するようになっ
ている。そして図示例では、油槽6,左油圧ポンプ4,
左切換弁29,左油圧モータ2,油槽6間に、左油圧配
管7が配され、又、油槽6,右油圧ポンプ5,右切換弁
30,右油圧モータ3,油槽6間に、右油圧配管8が配
されている。なお図示例の走行装置28では、このよう
に左右の油圧ポンプ4,5が用いられているが、これに
よらず、左右共通の1個の油圧ポンプを用い、これを電
動モータ31にて所定のごとく駆動すると共に、分流弁
を介し分岐された下流側に前述に準じた左右の油圧配管
7,8を接続するようにしてもよい。 【0020】次に、走行装置28の左右の油圧モータ
2,3は、それぞれ、前述した左右のタイヤ14やクロ
ーラ15等の走行手段16の駆動輪に連結され、これら
を従動せしめるようになっている。すなわち左油圧モー
タ2は、左側のタイヤ14やクローラ15等の走行手段
16の駆動,走行用として、これに連結され、又、右油
圧モータ3は、右側のタイヤ14やクローラ15等の走
行手段16の駆動,走行用として、これに連結されてい
る。そして、この左右の油圧モータ2,3は、正回転お
よび逆回転可能となっており、例えば、正回転では前進
用として回転し、逆に逆回転では後進用として回転す
る。 【0021】又、走行装置28の左右の切換弁29,3
0は、前進,後進,旋回等の各種走行パターンの選択用
として用いられる。すなわち、左右の油圧配管7,8に
それぞれ介装された切換弁29,30は、一般的な電磁
開閉弁よりなり、前述したジョイスティックレバー34
の傾倒方位に対応して、それぞれ切換えられる。つま
り、左油圧モータ2および右油圧モータ3を同時に共
に正回転させての前進、左油圧モータ2および右油圧
モータ3を同時に共に逆回転させての後進、左油圧モ
ータ2および右油圧モータ3のうち、いずれか一方を正
回転又は逆回転させると共に他方を停止させる旋回(ピ
ボットターン)、左油圧モータ2および右油圧モータ
3のうち、いずれか一方を正回転させると共に他方を逆
回転させる旋回(スピンターン)、等々の各種走行パタ
ーンが、この左右の切換弁29,30の切換えにより実
現される。 【0022】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。すなわち、この高所作
業車は図3,図4に示したように、タイヤ14やクロー
ラ15等の左右の走行手段16が、走行装置28にて駆
動されることにより、前進,後進,旋回等の各種走行パ
ターンにて、速度可変に走行される。もって、例えば倉
庫,工場,その他屋内の高所作業現場において、作業台
12が昇降機構13にて昇降され、作業員が作業台12
上から各種の高所作業を行う。そして走行時には、図1
に示した走行装置28の電動モータ31が回転されるこ
とにより、左右の油圧ポンプ4,5が駆動され、もって
左右の油圧配管7,8や切換弁29,30を介し、左右
の油圧モータ2,3が油圧にて回転駆動されて、タイヤ
14やクローラ15等の左右の走行手段16が駆動され
る。その際、前進,後進,旋回等の各種走行パターンの
選択は、走行装置28の左右の切換弁29,30の切換
えにより実施され、又、走行速度の変更は、走行装置2
8の電動モータ31の回転をチョッパー32にて制御
し、電動モータ31の回転数を変化させて左右の油圧ポ
ンプ4,5の吐出量を変化させることにより、左右の油
圧モータ2,3の回転駆動量を制御して実施される。さ
てそこで、この高所作業車にあっては、次の第1,第2
のようになる。 【0023】第1に、この高所作業車の走行装置28
は、前述した従来例の走行装置1(図2参照)と同様
に、左右の油圧モータ2,3,油圧ポンプ4,5,油圧
配管7,8等を用いてなると共に、従来の左右の電磁比
例弁10,11に代え、左右の切換弁29,30とチョ
ッパー32とを設けてなる。すなわち、各種走行パター
ンの選択と走行速度の変更とを実施していた従来の左右
の電磁比例弁10,11に代え、走行パターン選択用
に、左右の切換弁29,30を配すると共に、走行速度
変更用に、電動モータ31にチョッパー32を付設して
なる。このように、この走行装置28にあっては、高価
な左右の電磁比例弁10,11,その定電流コントロー
ラ,その他の電子制御部品等を用いることなく、比較的
安価な切換弁29,30,チョッパー32等が用いられ
ている。 【0024】第2に、この高所作業車の走行装置28
は、このように、各種走行パターンの選択を、左右の油
圧配管7,8中の切換弁29,30の切換にて実施する
と共に、走行速度の変更を、電動モータ31の回転をチ
ョッパー32にて制御することにより実施する。従っ
て、製作,出荷,メインテナンス時の調整やチェックに
際し、このような切換弁29,30やチョッパー32
は、その基本性能を確認するだけでよく、複雑,微妙,
面倒な電気的調整やチェックは不要である。そして、こ
の走行装置28そして高所作業車にあっては、特に、前
述したこの種従来例のように左右の電磁比例弁10,1
1を用いない分だけ、左右の性能のバラツキが減少し、
左右の油圧ポンプ4,5や油圧モータ2,3の性能にの
み依存して、精度の高い走行速度の変更が実現される。
すなわち、電動モータ31の回転数の変化,左右の油圧
ポンプ4,5の吐出量の変化等に基づき、左右の油圧モ
ータ2,3への油の流量が極めてスムーズに変化するの
で、例えば作業台12を上昇した状況下でも、発進から
最高速度までスムーズでショックがなく、徐々に比例的
に走行速度を変更させることができる。 【0025】 【発明の効果】本発明に係る高所作業車は、以上説明し
たように、油圧式の走行装置について、まず、電動モー
タの回転をチョッパーにて徐々に増加,減少制御し、油
圧ポンプの吐出量を変化させて走行速度の変更を実施
し、かつ、左右の切換弁の切換により、各種走行パター
ンの選択を実施し、これらがジョイスティックレバーに
てコントロールされること、を特徴とする。そこで本発
明は、次の効果を発揮する。 【0026】第1に、走行装置のコスト面に優れてい
る。すなわち、前述したこの種従来例のように、非常な
高価な左右の電磁比例弁,定電流コントローラ,その他
の電子制御部品等は用いられず、これらに代え、比較的
安価な切換弁,チョッパー等を用いてなる。もって、こ
の走行装置そして高所作業車は、コスト面に優れてい
る。 【0027】第2に、しかも走行装置の精度や調整面に
も優れている。すなわち、前述したこの種従来例のよう
に、製作時,出荷時,メインテナンス時等に、極めて複
雑,微妙,面倒な電気的調整やチェックを、走行装置に
ついて行うことを要しない。すなわち、この走行装置そ
して高所作業車にあっては、製作,出荷,メインテナン
ス時の調整やチェックが簡単容易であると共に、性能の
バラツキがなく精度の高い走行速度の変更、例えば、作
業台を上昇した状況下でも、発進から最高速度までスム
ーズにショックがなく、徐々に比例的に走行速度を変更
させることが可能となる。このように、この種従来例に
存した問題点が一挙にすべて一掃される等、本発明の発
揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
なわち、作業台が昇降可能に組み付けられると共に、タ
イヤやクローラ等にて速度可変に前進,後進,旋回等さ
れる、自走式の高所作業車に関するものである。 【0002】 【従来の技術】このような高所作業車では、作業台が、
昇降機構にて昇降可能に組み付けられると共に、左右の
タイヤやクローラ等が走行装置にて駆動され、もって前
進,後進,左右旋回等の各種走行パターンにて、速度可
変に走行される。そして、この高所作業車の走行装置、
特に、倉庫,工場,その他屋内用の高所作業車における
低速走行用の走行装置としては、左右のタイヤやクロー
ラを油圧モータにて駆動させるものが、一般的に用いら
れている。図2は、このような従来の油圧式の走行装置
の油圧回路図である。そして、この図2の従来例の走行
装置1は、左右のタイヤやクローラにそれぞれ連結され
正逆回転可能な左右の油圧モータ2,3と、左右の油圧
モータ2,3をそれぞれ回転させる固定容量式の左右の
油圧ポンプ4,5と、油槽6,左油圧ポンプ4,左油圧
モータ2,油槽6間の左油圧配管7と、油槽6,右油圧
ポンプ5,右油圧モータ3,油槽6間の右油圧配管8
と、左右の油圧ポンプ4,5駆動用の定速直流式の電動
モータ9と、左油圧配管7に設けられたダブルソレノイ
ドバルブよりなる左電磁比例弁10と、右油圧配管8に
設けられたダブルソレノイドバルブよりなる右電磁比例
弁11と、からなっていた。 【0003】そして、この油圧式の走行装置1では、左
右のタイヤやクローラ等による前進,後進,旋回等の各
種走行パターンの選択や走行速度の変更は、操作部に設
けられた1本の走行レバーたるジョイスティックレバー
(図示せず)の操作により、実施されていた。すなわ
ち、全方位に傾倒可能なポテンショメータ付のジョイス
ティックレバーを傾倒操作することにより、左電磁比例
弁10と右電磁比例弁11を相互間で比例・対応する関
係で自動的に切換え、もって走行パターンの選択や、左
油圧モータ2や右油圧モータ3への流量の変更による走
行速度の変更が実施されていた。特に、屋内用の自走式
の高所作業車にあっては、作業台を上昇した状況下で
も、発進から(低速走行ではあるが)最高速度までスム
ーズにショックなく、徐々に比例的に走行速度を変更さ
せることが要請されているが、従来これは、ジョイステ
ィックレバーの傾倒角度にて左右の電磁比例弁10,1
1をコントロールし、もって左右の油圧ポンプ4,5か
ら定容量で吐出されてきた油の流量を、変更制御するこ
とにより実施されていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。このよ
うに、従来のこの種の高所作業車において、走行速度の
変更は、油圧式の走行装置1の左右の電磁比例弁10,
11をコントロールすることにより実施されていたが、
まず第1に、コスト面に問題が指摘されていた。すなわ
ち、比例・対応する関係で自動的に切換えられる左右の
電磁比例弁10,11や、これらを各々コントロールす
るのに必要な左右の定電流コントローラたるアンプ、そ
の他の電子制御部品等が、非常に高価であり、走行装置
1そして高所作業車のコスト面に問題が指摘されてい
た。 【0005】第2に、精度や調整面にも問題が指摘され
ていた。すなわち、左右の電磁比例弁10,11間の性
能のバラツキを防止し、相互間での自動的な比例・対応
関係を精度高く設定しておくことが、流量制御によるス
ムーズで比例的な走行速度変更のポイントとなるが、こ
のような電気的調整やチェックは、非常に複雑,微妙,
面倒である。そして、従来のこの種の高所作業車にあっ
ては、左右の電磁比例弁10,11を中心に走行装置1
全体について、このように複雑,微妙,面倒な電気的調
整やチェックを、製作時,出荷時,メインテナンス時に
行うことを要すると共に、これらを完全に実施すること
は極めて困難とされ、もって、性能のバラツキや精度面
に問題が指摘されることが多かった。 【0006】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、油圧
式の走行装置について、まず、電動モータの回転をチョ
ッパーにて徐々に増加,減少制御し、油圧ポンプの吐出
量を変化させて走行速度の変更を実施し、かつ、左右の
切換弁の切換により、各種走行パターンの選択を実施
し、これらがジョイスティックレバーにてコントロール
されること、を特徴とする。もって、本発明は、第1
に、走行装置のコスト面に優れると共に、第2に、走行
装置の精度や調整面にも優れた、高所作業車を提案する
ことを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この
高所作業車は、作業台が昇降機構にて昇降可能に組み付
けられると共に、タイヤやクローラ等の左右の走行手段
が走行装置にて駆動され、もって前進,後進,ピボット
ターン旋回,スピンターン旋回等の各種走行パターンに
て、速度可変に走行される。そして前記走行装置は、左
右の該走行手段にそれぞれ連結されこれを従動せしめる
正逆回転可能な左右の油圧モータと、左右の該油圧モー
タの回転用で固定容量式の油圧ポンプと、油槽,該油圧
ポンプ,該油圧モータ間の油圧配管と、該油圧配管の該
油圧ポンプと左右の該油圧モータ間に介装された左右の
切換弁と、該油圧ポンプの駆動用の電動モータと、を有
してなる。該電動モータは、定速式よりなると共に、チ
ョッパーの開閉時間変更にて、その回転数が零から最高
値まで徐々に比例的に増加,減少制御され、もって、該
電動モータの回転数の変化に基づき、該油圧ポンプの油
吐出量も徐々に比例的に増加,減少して、走行速度の変
更が実施される。左右の該切換弁は、一般的な電磁開閉
弁よりなり、その切換えにより、左右の油圧モータにつ
いて、同時に共に正回転させての前進、又は、同時に共
に逆回転させての後退、又は、いずれか一方を正回転又
は逆回転させると共に他方を停止させるピボットターン
旋回、又は、いずれか一方を正回転させると共に他方を
逆回転させるスピンターン旋回、等の各種走行パターン
の選択を実施する。かつ、ジョイスティックレバーが操
作部に設けられており、該ジョイスティックレバーは、
全方位に傾斜可能でポテンションメーター付であり、そ
の傾倒角度に対応して該チョッパーの開閉時間がコント
ロールされ、又、その傾倒方位に対応して左右の該切換
弁がそれぞれ切換えられること、を特徴とする。 【0008】 【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。この高所作業車では、タイヤやクロー
ラ等の左右の走行手段が、走行装置にて駆動されること
により、前進,後進,ピボットターン旋回,スピンター
ン旋回等の各種走行パターンにて、速度可変に走行され
る。そして走行時には、走行装置の電動モータが回転さ
れることにより、油圧ポンプが駆動され、もって左右の
油圧配管や切換弁を介し、左右の油圧モータが油圧にて
回転駆動されて、左右の走行手段が駆動される。その
際、前進,後進,ピボットターン旋回,スピンターン旋
回等の各種走行パターンの選択は、走行装置の左右の切
換弁の切換えにより実施される。又、走行速度の変更
は、走行装置の電動モータの回転をチョッパーにて制御
し、電動モータの回転数を変化させて、油圧ポンプの吐
出量を変化させることにより、左右の油圧モータの回転
駆動量を制御して実施される。そして、このような左右
の切換弁やチョッパーは、ジョイスティックレバーにて
コントロールされる。 【0009】さてそこで、この走行装置にあっては、第
1に、この高所作業車の走行装置は、従来の左右の電磁
比例弁に代え、左右の切換弁とチョッパーとを設けてな
る。すなわち、各種走行パターンの選択と走行速度の変
更とを実施していた従来の左右の電磁比例弁に代え、走
行パターン選択用に、左右の切換弁(一般的な電磁開閉
弁)を配すると共に、走行速度変更用に、電動モータに
チョッパーを付設してなる。このように、この走行装置
にあっては、高価な左右の電磁比例弁,その定電流コン
トローラ,その他の電子制御部品等を用いることなく、
比較的安価な切換弁やチョッパーが用いられている。 【0010】第2に、この高所作業車の走行装置は、こ
のように、各種走行パターンの選択を、左右の油圧配管
中の切換弁(一般的な電磁開閉弁)の切換にて実施する
と共に、走行速度の変更を、電動モータの回転をチョッ
パーにて制御することにより実施する。従って、製作,
出荷,メインテナンス時の調整やチェックに際し、この
ような切換弁やチョッパーは、その基本性能を確認する
だけでよく、複雑,微妙,面倒な電気的調整やチェック
は不要である。特に、この種従来例のように左右の電磁
比例弁を用いない分だけ、左右の性能のバラツキが減少
し、油圧ポンプや油圧モータの性能にのみ依存して、精
度の高い走行速度の変更が実現される。すなわち、電動
モータの回転数の変化,油圧ポンプの吐出量の変化等に
基づき、左右の油圧モータへの油の流量が極めてスムー
ズに変化するので、例えば作業台を上昇した状況下で
も、発進から最高速度までスムーズでショックがなく、
徐々に比例的に走行速度を変更させることができる。し
かも、このような切換弁やチョッパーは、ジョイスティ
ックレバーにてコントロールされる。 【0011】 【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1は本発明の実施例を示し、
その走行装置の油圧回路図である。図3は高所作業車の
1例の側面図、図4は高所作業車の他の例の側面概略図
である。 【0012】まず図3や図4により、高所作業車につい
て述べる。高所作業車は、作業台12が、昇降機構13
にて昇降可能に組み付けられると共に、タイヤ14やク
ローラ15等の左右の走行手段16が後述する走行装置
にて駆動され、もって前進,後進,旋回等の各種走行パ
ターンにて、速度可変に走行する。 【0013】このような高所作業車について、更に詳述
する。まず図3に示した高所作業車では、台車17上に
作業台12が、屈折式の昇降機構13にて垂直に昇降可
能に組み付けられている。この図3の昇降機構13は、
上ブーム18と下ブーム19が、上下のマウント20や
中間のブラケット21等を介し、台車17と作業台12
間に水平の軸にて枢着された構造よりなる。そして、伸
縮駆動されるリフト用のシリンダ22にて、上ブーム1
8と下ブーム19が同期連動して起伏され、もって作業
台12は、常時水平姿勢を維持しつつ、図示の上昇位置
と台車17上に降下した降下位置とに垂直に昇降動され
る。又この高所作業車は、走行手段16としてクローラ
15を用いてなり、クローラ15は、左右各々無端状を
なし、台車17の前後左右の駆動輪や従動輪間にそれぞ
れ掛け渡され、駆動輪が後述する走行装置にて駆動され
ることにより、走行される。 【0014】次に、図4に示した高所作業車では、台車
17上に作業台12が、マスト式の昇降機構13にて垂
直に昇降可能に組み付けられている。この図4の昇降機
構13は、上中下の各マスト23,24,25が台車1
7と作業台12間に配設され、上中下の各マスト23,
24,25は、相互間が筒状の入れ子式構造よりなり、
全体的に伸縮可能となっている。そして、伸縮駆動され
るリフト用のシリンダ26にて、上中のマスト23,2
4が下マスト25に対し繰り出し,伸長されると共に、
自重にて収納,短縮され、もって作業台12が、常時水
平姿勢を維持しつつ、図示の上昇位置と台車17上に降
下した降下位置とに、垂直に昇降動される。又この高所
作業車は、走行手段16としてタイヤ14を用いてな
り、タイヤ14は、台車17の前後左右の駆動輪や従動
輪よりなり、駆動輪が後述する走行装置にて駆動される
ことにより、この高所作業車は走行される。なお図3,
図4中27は、作業台12上に付設された操作部であ
る。 【0015】本発明が適用される高所作業車は、例えば
この図3や図4のようなものよりなるが、勿論これに限
定されるものではない。例えば、図示の上下のブーム1
8,19や上中下のマスト23,24,25等よりなる
昇降機構13にて、作業台12を組み付けてなるタイプ
だけではなく、更に、正逆に回転可能なターンテーブル
を介し、昇降機構13そして作業台12を水平に旋回可
能に組み付けてなるタイプや、シリンダとピンの組み合
わせにより、作業台12を水平姿勢のまま(図3,図4
のように垂直方向ではなく)傾斜方向に昇降させるタイ
プのもの、その他の高所作業車にも適用可能である。
又、これらの高所作業車において、走行手段16として
は、タイヤ14やクローラ15が適宜選択的に使用され
る。 【0016】以下図1により、この高所作業車の走行装
置28について述べる。この走行装置28は、主に低速
走行用として用いられ、次の左右の油圧モータ2,3、
油圧ポンプ4,5、油圧配管7,8、切換弁29,3
0、電動モータ31等を有してなる。 【0017】すなわち、この走行装置28は、左右の走
行手段16にそれぞれ連結されこれを従動せしめる正逆
回転可能な左右の油圧モータ2,3と、左右の油圧モー
タ2,3の回転用で固定容量式の左右の油圧ポンプ4,
5と、油槽6,左右の油圧ポンプ4,5,左右の油圧モ
ータ2,3間にそれぞれ配された左右の油圧配管7,8
と、左右の油圧配管7,8について、左右の油圧ポンプ
4,5と油圧モータ2,3間にそれぞれ介装された左右
の切換弁29,30と、左右の油圧ポンプ4,5の駆動
用の電動モータ31と、を有してなる。そしてこの電動
モータ31は、定速式よりなると共にチョッパー32に
てその回転が制御され、もって、電動モータ31の回転
数の変化に基づき左右の油圧ポンプ4,5の吐出量が変
化して、走行速度の変更が実施されるようになってい
る。 【0018】このような走行装置28について、更に詳
述する。まず走行装置28の電動モータ31は、図示例
では定速直流式のものが用いられ、その電源33との間
に配されたチョッパー32にて、印加電圧が制御され回
転が制御されるようになっている。つまり、チョッパー
32の開閉時間を変えることにより、電動モータ31へ
の平均電圧(電力)が変更制御され、もって電動モータ
31の回転数が、零からその最高値まで徐々に比例的に
増加,減少するようになっている。そして、このような
チョッパー32の開閉時間は、操作部27に設けられ全
方位に傾斜可能なポテンショメータ付の1本のジョイス
ティックレバー34の傾倒角度に対応して、コントロー
ルされる。なお図示例では、このような電動モータ31
として定速直流式のものが用いられていたが、インバー
ター付の定速交流式のものを用いることも可能である。 【0019】次に、走行装置28の左右2連の油圧ポン
プ4,5は、固定容量式よりなり、このような電動モー
タ31にて駆動される。そして、前述した電動モータ3
1の回転数の変化に基づき、油の吐出量が、零からその
最大流量まで徐々に比例的に増加,減少するようになっ
ている。そして図示例では、油槽6,左油圧ポンプ4,
左切換弁29,左油圧モータ2,油槽6間に、左油圧配
管7が配され、又、油槽6,右油圧ポンプ5,右切換弁
30,右油圧モータ3,油槽6間に、右油圧配管8が配
されている。なお図示例の走行装置28では、このよう
に左右の油圧ポンプ4,5が用いられているが、これに
よらず、左右共通の1個の油圧ポンプを用い、これを電
動モータ31にて所定のごとく駆動すると共に、分流弁
を介し分岐された下流側に前述に準じた左右の油圧配管
7,8を接続するようにしてもよい。 【0020】次に、走行装置28の左右の油圧モータ
2,3は、それぞれ、前述した左右のタイヤ14やクロ
ーラ15等の走行手段16の駆動輪に連結され、これら
を従動せしめるようになっている。すなわち左油圧モー
タ2は、左側のタイヤ14やクローラ15等の走行手段
16の駆動,走行用として、これに連結され、又、右油
圧モータ3は、右側のタイヤ14やクローラ15等の走
行手段16の駆動,走行用として、これに連結されてい
る。そして、この左右の油圧モータ2,3は、正回転お
よび逆回転可能となっており、例えば、正回転では前進
用として回転し、逆に逆回転では後進用として回転す
る。 【0021】又、走行装置28の左右の切換弁29,3
0は、前進,後進,旋回等の各種走行パターンの選択用
として用いられる。すなわち、左右の油圧配管7,8に
それぞれ介装された切換弁29,30は、一般的な電磁
開閉弁よりなり、前述したジョイスティックレバー34
の傾倒方位に対応して、それぞれ切換えられる。つま
り、左油圧モータ2および右油圧モータ3を同時に共
に正回転させての前進、左油圧モータ2および右油圧
モータ3を同時に共に逆回転させての後進、左油圧モ
ータ2および右油圧モータ3のうち、いずれか一方を正
回転又は逆回転させると共に他方を停止させる旋回(ピ
ボットターン)、左油圧モータ2および右油圧モータ
3のうち、いずれか一方を正回転させると共に他方を逆
回転させる旋回(スピンターン)、等々の各種走行パタ
ーンが、この左右の切換弁29,30の切換えにより実
現される。 【0022】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。すなわち、この高所作
業車は図3,図4に示したように、タイヤ14やクロー
ラ15等の左右の走行手段16が、走行装置28にて駆
動されることにより、前進,後進,旋回等の各種走行パ
ターンにて、速度可変に走行される。もって、例えば倉
庫,工場,その他屋内の高所作業現場において、作業台
12が昇降機構13にて昇降され、作業員が作業台12
上から各種の高所作業を行う。そして走行時には、図1
に示した走行装置28の電動モータ31が回転されるこ
とにより、左右の油圧ポンプ4,5が駆動され、もって
左右の油圧配管7,8や切換弁29,30を介し、左右
の油圧モータ2,3が油圧にて回転駆動されて、タイヤ
14やクローラ15等の左右の走行手段16が駆動され
る。その際、前進,後進,旋回等の各種走行パターンの
選択は、走行装置28の左右の切換弁29,30の切換
えにより実施され、又、走行速度の変更は、走行装置2
8の電動モータ31の回転をチョッパー32にて制御
し、電動モータ31の回転数を変化させて左右の油圧ポ
ンプ4,5の吐出量を変化させることにより、左右の油
圧モータ2,3の回転駆動量を制御して実施される。さ
てそこで、この高所作業車にあっては、次の第1,第2
のようになる。 【0023】第1に、この高所作業車の走行装置28
は、前述した従来例の走行装置1(図2参照)と同様
に、左右の油圧モータ2,3,油圧ポンプ4,5,油圧
配管7,8等を用いてなると共に、従来の左右の電磁比
例弁10,11に代え、左右の切換弁29,30とチョ
ッパー32とを設けてなる。すなわち、各種走行パター
ンの選択と走行速度の変更とを実施していた従来の左右
の電磁比例弁10,11に代え、走行パターン選択用
に、左右の切換弁29,30を配すると共に、走行速度
変更用に、電動モータ31にチョッパー32を付設して
なる。このように、この走行装置28にあっては、高価
な左右の電磁比例弁10,11,その定電流コントロー
ラ,その他の電子制御部品等を用いることなく、比較的
安価な切換弁29,30,チョッパー32等が用いられ
ている。 【0024】第2に、この高所作業車の走行装置28
は、このように、各種走行パターンの選択を、左右の油
圧配管7,8中の切換弁29,30の切換にて実施する
と共に、走行速度の変更を、電動モータ31の回転をチ
ョッパー32にて制御することにより実施する。従っ
て、製作,出荷,メインテナンス時の調整やチェックに
際し、このような切換弁29,30やチョッパー32
は、その基本性能を確認するだけでよく、複雑,微妙,
面倒な電気的調整やチェックは不要である。そして、こ
の走行装置28そして高所作業車にあっては、特に、前
述したこの種従来例のように左右の電磁比例弁10,1
1を用いない分だけ、左右の性能のバラツキが減少し、
左右の油圧ポンプ4,5や油圧モータ2,3の性能にの
み依存して、精度の高い走行速度の変更が実現される。
すなわち、電動モータ31の回転数の変化,左右の油圧
ポンプ4,5の吐出量の変化等に基づき、左右の油圧モ
ータ2,3への油の流量が極めてスムーズに変化するの
で、例えば作業台12を上昇した状況下でも、発進から
最高速度までスムーズでショックがなく、徐々に比例的
に走行速度を変更させることができる。 【0025】 【発明の効果】本発明に係る高所作業車は、以上説明し
たように、油圧式の走行装置について、まず、電動モー
タの回転をチョッパーにて徐々に増加,減少制御し、油
圧ポンプの吐出量を変化させて走行速度の変更を実施
し、かつ、左右の切換弁の切換により、各種走行パター
ンの選択を実施し、これらがジョイスティックレバーに
てコントロールされること、を特徴とする。そこで本発
明は、次の効果を発揮する。 【0026】第1に、走行装置のコスト面に優れてい
る。すなわち、前述したこの種従来例のように、非常な
高価な左右の電磁比例弁,定電流コントローラ,その他
の電子制御部品等は用いられず、これらに代え、比較的
安価な切換弁,チョッパー等を用いてなる。もって、こ
の走行装置そして高所作業車は、コスト面に優れてい
る。 【0027】第2に、しかも走行装置の精度や調整面に
も優れている。すなわち、前述したこの種従来例のよう
に、製作時,出荷時,メインテナンス時等に、極めて複
雑,微妙,面倒な電気的調整やチェックを、走行装置に
ついて行うことを要しない。すなわち、この走行装置そ
して高所作業車にあっては、製作,出荷,メインテナン
ス時の調整やチェックが簡単容易であると共に、性能の
バラツキがなく精度の高い走行速度の変更、例えば、作
業台を上昇した状況下でも、発進から最高速度までスム
ーズにショックがなく、徐々に比例的に走行速度を変更
させることが可能となる。このように、この種従来例に
存した問題点が一挙にすべて一掃される等、本発明の発
揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業車の実施例を示し、その
走行装置の油圧回路図である。 【図2】この種従来例の走行装置の油圧回路図である。 【図3】高所作業車の1例を示す側面図である。 【図4】高所作業車の他の例を示す側面概略図である。 【符号の説明】 2 左油圧モータ 3 右油圧モータ 4 左油圧ポンプ 5 右油圧ポンプ 6 油槽 7 左油圧配管 8 右油圧配管 12 作業台 13 昇降機構 14 タイヤ 15 クローラ 16 走行手段 28 走行装置 29 左切換弁 30 右切換弁 31 電動モータ 32 チョッパー
走行装置の油圧回路図である。 【図2】この種従来例の走行装置の油圧回路図である。 【図3】高所作業車の1例を示す側面図である。 【図4】高所作業車の他の例を示す側面概略図である。 【符号の説明】 2 左油圧モータ 3 右油圧モータ 4 左油圧ポンプ 5 右油圧ポンプ 6 油槽 7 左油圧配管 8 右油圧配管 12 作業台 13 昇降機構 14 タイヤ 15 クローラ 16 走行手段 28 走行装置 29 左切換弁 30 右切換弁 31 電動モータ 32 チョッパー
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
B66F 9/24 B66F 9/24 W
11/04 11/04
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60K 17/10 - 17/12
B60K 7/00
B60P 3/14
B66F 9/22 - 9/24
B66F 11/04
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 作業台が昇降機構にて昇降可能に組み付
けられると共に、タイヤやクローラ等の左右の走行手段
が走行装置にて駆動され、もって前進,後進,ピボット
ターン旋回,スピンターン旋回等の各種走行パターンに
て、速度可変に走行される高所作業車であって、 前記走行装置は、左右の該走行手段にそれぞれ連結され
これを従動せしめる正逆回転可能な左右の油圧モータ
と、左右の該油圧モータの回転用で固定容量式の油圧ポ
ンプと、油槽,該油圧ポンプ,該油圧モータ間の油圧配
管と、該油圧配管の該油圧ポンプと左右の該油圧モータ
間に介装された左右の切換弁と、該油圧ポンプの駆動用
の電動モータと、を有してなり、 該電動モータは、定速式よりなると共に、チョッパーの
開閉時間変更にて、その回転数が零から最高値まで徐々
に比例的に増加,減少制御され、もって、該電動モータ
の回転数の変化に基づき、該油圧ポンプの油吐出量も徐
々に比例的に増加,減少して、走行速度の変更が実施さ
れ、 左右の該切換弁は、一般的な電磁開閉弁よりなり、その
切換えにより、左右の油圧モータについて、同時に共に
正回転させての前進、又は、同時に共に逆回転させての
後退、又は、いずれか一方を正回転又は逆回転させると
共に他方を停止させるピボットターン旋回、又は、いず
れか一方を正回転させると共に他方を逆回転させるスピ
ンターン旋回、等の各種走行パターンの選択を実施し、 かつ、ジョイスティックレバーが操作部に設けられてお
り、該ジョイスティックレバーは、全方位に傾斜可能で
ポテンションメーター付であり、その傾倒角度に対応し
て該チョッパーの開閉時間がコントロールされ、又、そ
の傾倒方位に対応して左右の該切換弁がそれぞれ切換え
られること、を特徴とする高所作業車。
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JP31922294A JP3465972B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 高所作業車 |
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CN109263466A (zh) * | 2018-08-29 | 2019-01-25 | 皇珈叉车(苏州)有限公司 | 一种越野剪叉高空作业平台的定量开式液驱系统 |
CN113104781B (zh) * | 2021-04-16 | 2022-09-16 | 湖南星邦智能装备股份有限公司 | 一种高空作业平台用液压控制系统及高空作业平台 |
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