JP3465385B2 - 軟水化装置 - Google Patents

軟水化装置

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JP3465385B2
JP3465385B2 JP31036794A JP31036794A JP3465385B2 JP 3465385 B2 JP3465385 B2 JP 3465385B2 JP 31036794 A JP31036794 A JP 31036794A JP 31036794 A JP31036794 A JP 31036794A JP 3465385 B2 JP3465385 B2 JP 3465385B2
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  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水道水,井戸水等の原
水中に含有されるカルシウムやマグネシウム等の硬度成
分を除去し、軟水を供給する軟水化装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、硬度成分を多量に含んだ原水は、
加熱により容易に炭酸カルシウム等の結晶であるスケー
ルを発生させ、このスケールがスチームやボイラー等の
配管内に堆積し、熱伝導や熱効率を妨げたり、配管を詰
まらせ流量を低下させたり、また風呂等で石鹸の泡立ち
を阻害し洗浄効果を低下させたりすること等が広く認識
されている。このため、原水中の硬度成分を除去する軟
水化技術を採用した軟水化装置が広く利用されている。
この軟水化技術を分類すると主に、化学薬品処理法,
イオン交換法,逆浸透膜法,電気透析法,蒸留
法の5種類に大別される。この内、化学薬品処理法や蒸
留法を採用した軟水化装置は処理設備やランニングコス
ト等の関係から主に工場等で適用され、また、電気透析
法は未だ開発途上の技術である。このため、軟水化技術
としては、イオン交換法や逆浸透膜法が最も普及してい
る。この内、イオン交換法とは、軟水化濾剤としてイオ
ン交換樹脂やイオン交換繊維,ゼオライト等のイオン交
換体が収納された軟水化処理タンク内に、原水給水口よ
り原水を流入させ、前述のイオン交換体と接触させなが
ら序々に連続的に軟水化させ、軟水吐水口で例外的な場
合を除いて完全な軟水を生成するものである。尚、軟水
化装置は、一般的に原水を軟水化処理タンク内を鉛直方
向に流動させている。また、軟水化装置は、原水の水流
方向を上から下への鉛直方向とした下流方式と、下から
上への鉛直方向とした上流方式の2通りが利用されてい
る。
【0003】以下に従来の下流方式の軟水化装置につい
て、図面を参照しながら説明する。図5は従来の下流方
式の軟水化装置を示す断面模式図である。1′は従来の
下流方式の軟水化装置、2は軟水化処理タンク、2a′
は軟水化処理タンク2の上面中央部に形成された水道や
井戸等から供給される原水を給水する原水給水口、2
b′は軟水化処理タンク2の下面中央部に形成された後
述するイオン交換樹脂層3により生成された軟水を吐水
する軟水吐水口、3は軟水化処理タンク2内に装填され
た原水中に含有されるカルシウムやマグネシウム等の硬
度成分を除去して軟水を生成するイオン交換樹脂層であ
り、矢印は通水方向を示す。尚、イオン交換樹脂層3を
形成するイオン交換樹脂としては、−SO3 Hや−SO
3 Na等を含有させたH型やNa型、またはこれらを混
合させた固体粒子状の強酸性陽イオン交換樹脂等が用い
られている。
【0004】以上のように構成された従来の下流方式の
軟水化装置1′について、以下その動作を説明する。ま
ず、水道や井戸等から供給された原水が、原水給水口2
a′から軟水化処理タンク2内に給水される。次に、イ
オン交換樹脂層3は、給水された原水の水流やイオン交
換樹脂の比重により軟水化処理タンク2内の下方に押し
付けられ、揺動の少ない固定されたカラム状に凝集化さ
れる。次に、給水された原水が、イオン交換樹脂層3内
を通過しながらイオン交換され、軟水吐水口2b′から
吐水される。
【0005】この際、イオン交換樹脂層3がカラム状に
凝集化される際に凝集斑が生じ、原水が、イオン交換樹
脂の凝集密度の小さいところを集中的に流れ、イオン交
換樹脂層3内にチャネリング現象が生じ易く、イオン交
換樹脂が局部的に劣化し、イオン交換樹脂の利用効率が
低いという問題点を有していた。
【0006】次に従来の上流方式の軟水化装置につい
て、図面を参照しながら説明する。図6は従来の上流方
式の軟水化装置を示す断面模式図である。2は軟水化処
理タンク、3はイオン交換樹脂層でありこれらは先の従
来例と同様なものであり同一の符号を付して説明を省略
する。従来の軟水化装置1″が先の従来例の軟水化装置
1′と異なるのは、原水給水口2aが軟水化処理タンク
2の下面中央部に形成され、かつ軟水吐水口2bが軟水
化処理タンク2の上面中央部に形成された点である。
尚、イオン交換樹脂の流失等を防止するために、原水給
水口2aや軟水吐水口2bには、イオン交換樹脂の粒径
より小さい孔径の孔部を有するネット等が配設されてい
る。
【0007】以上のように構成された従来の上流方式の
軟水化装置1″について、以下その動作を図面を参照し
ながら説明する。図7は従来の上流方式の軟水化装置の
原水の通水状態を示す断面模式図である。水道や井戸等
から原水が供給されると、イオン交換樹脂層3は、軟水
化処理タンク2内に給水された原水の水流によって対流
しながらイオン交換樹脂と接触し、イオン交換される。
【0008】ここで、原水が軟水化処理タンク2内に給
水される際、イオン交換樹脂層3が原水の水流によって
対流や撹拌等されてチャネリング現象は抑制されるもの
のイオン交換樹脂と原水の接触が均質に行われないため
イオン交換率が低いという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、以下のような問題点を有していた。すなわ
ち、 a,軟水化処理タンク内を流れる原水の水流方向が、上
から下への鉛直方向とされた場合、イオン交換樹脂層
が、原水の水流やこのイオン交換樹脂の比重によって軟
水化処理タンク内の下方に押し付けられ、揺動が少ない
カラム状に凝集化され易いため、原水が軟水化処理タン
ク内を通過する間における原水とイオン交換樹脂との接
触面積等が大きくなり、原水を効率よく軟水化すること
ができる。しかしながら、イオン交換樹脂層が揺動の少
ないカラム状に凝集化されるため、イオン交換樹脂層内
にチャネリング現象と称される局所的な原水の通り道が
できやすく、これにより、原水の通り道に接したイオン
交換樹脂のみが原水の軟水化に寄与することとなり、イ
オン交換樹脂層全体を遣い切る前に寿命に到達してしま
い、イオン交換樹脂層全体を交換する必要等が生じ、経
済性や信頼性に欠けるという問題点を有していた。ま
た、軟水化処理タンク内からイオン交換樹脂が流失する
こと等を防止するために、原水給水口側と軟水吐水口側
とから、軟水化処理タンク内に背圧をかける必要がある
等、制御が困難で、制御性に欠けるという問題点を有し
ていた。
【0010】b,そこで、軟水化処理タンク内を流れる
原水の水流方向を、下から上への鉛直方向とした場合、
イオン交換樹脂は、その比重が1.2前後と水の比重に
比較的近いことから、原水の水流によって、まず軟水化
処理タンク内の上方に浮かび上がった後、下方に降りる
というような対流の如き激しい揺動が生じ、チャネリン
グ現象は解消される。しかしながら、イオン交換樹脂層
が、揺動の少ないカラム状に凝集化されず、常に、対流
されているために、原水が軟水化処理タンク内を通過す
る間における原水とイオン交換樹脂との接触面積等が小
さく、この結果、原水の軟水化効率が悪く、すなわち、
硬度成分が完全に除去されず、信頼性に欠けるという問
題点を有していた。そこで、軟水化処理タンクの容積を
イオン交換樹脂層の体積の1.0倍以上1.1倍未満と
した場合、軟水化処理タンク内のイオン交換樹脂層を除
くスペースが小さいために、軟水化処理タンク内に原水
を給水したときは、軟水化処理タンク内を流れる原水の
水流方向を上から下への鉛直方向とした軟水化装置の場
合と同様、イオン交換樹脂層が撹拌されず、揺動の少な
いカラム状に凝集化されたまま、軟水化処理タンク内の
上方に押し付けられ、チャネリング現象が発生し易いと
いう問題点を有していた。また、軟水化処理タンク内へ
の原水の給水を止水したときは、やはり軟水化処理タン
ク内のイオン交換樹脂層を除くスペースが小さいため
に、イオン交換樹脂層がそのまま、すなわち揺動の少な
いカラム状に凝集化されたまま、軟水化処理タンク内の
下方に降下するため、イオン交換樹脂層が撹拌されず、
一端チャネリング現象が生じると、このチャネリング現
象は解消されることがないという問題点を有していた。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、簡単な構造で、給水時にはイオン交換樹脂層を揺動
の少ないカラム状に凝集化させて、効率的に原水を軟水
化することができ、給水開始時や止水開始時にはイオン
交換樹脂層を撹拌させて、たとえ一時的にしろ給水時に
イオン交換樹脂層内に生じたチャネリング現象をも解消
させることができ、また、イオン交換樹脂層全体を活用
できるので、イオン交換樹脂の寿命まで効率よく使用す
ることができる経済性や信頼性,制御性に優れた軟水化
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の軟水化装置は、以下の構成を有している。す
なわち、請求項1に記載の軟水化装置は、下方に原水給
水口と上方に軟水吐水口とが形成された軟水化処理タン
クと、軟水化処理タンク内に装填されたイオン交換樹脂
層と、を備えた軟水化装置であって、軟水化処理タンク
内の原水給水口とイオン交換樹脂層との間に配設され、
イオン交換樹脂層のイオン交換樹脂の粒径より小さい孔
径の孔部を多数有する浮動板(支持されている浮動板を
除く)を備え、該浮動板の比重がイオン交換樹脂の比重
より大きく形成された構成を有している。
【0013】請求項2に記載の軟水化装置は、請求項1
において、軟水化処理タンクの容積が、イオン交換樹脂
層の体積の1.1倍以上とされている構成を有してい
る。
【0014】請求項3に記載の軟水化装置は、請求項1
又は2の内いずれか1において、軟水化処理タンクの内
径と浮動板の外径との差が、イオン交換樹脂層のイオン
交換樹脂の粒径より小さくされている構成を有してい
る。
【0015】請求項4に記載の軟水化装置は、請求項1
乃至3の内いずれか1において、浮動板の比重が、1.
2〜8.0である構成を有している。
【0016】
【0017】
【作用】この構成によって、軟水化処理タンク内の原水
給水口とイオン交換樹脂層との間に収納されたイオン交
換樹脂の粒径より小さい孔径の孔部を多数有する浮動板
を備えたことにより、軟水化処理タンク内に原水を給水
した際、原水の水流により浮動板を上方に押し上げ、こ
の結果、イオン交換樹脂層を軟水化処理タンク内の上方
に押し上げ、揺動の少ないカラム状に凝集化させること
ができる。また、浮動板に形成された孔部の孔径がイオ
ン交換樹脂の粒径より小さいことにより、イオン交換樹
脂が浮動板より下方へ脱落することを防止することがで
き、かつ給水された原水を拡散させ、この拡散させた原
水の水流を揺動の少ないカラム状に凝集化されたイオン
交換樹脂層内に均等にかつ万遍なく行き渡らせることが
できる。また、浮動板に多数の孔部が形成されているこ
とにより、原水の水流が妨げられることがない。さら
に、原水の給水が停止されると、浮動板はイオン交換樹
脂層より迅速に落下することができ、離れて落下するこ
とができる。したがって、イオン交換樹脂層が軟水化処
理タンク内の上方から下方に降下する際、軟水化処理タ
ンク内に貯留された原水が浮動板の孔部から噴流され、
この噴流によりイオン交換樹脂層が撹拌される。
【0018】また、軟水化処理タンクの容積が、イオン
交換樹脂層の体積の1.1倍以上とされていることによ
り、軟水化処理タンク内のイオン交換樹脂層を除くスペ
ースを、軟水化処理タンクの容積の0.1倍以上と広く
形成することができるので、軟水化処理タンク内へ原水
を給水するときや原水の給水を止水するときに、原水の
水流にともなってイオン交換樹脂層が上昇/下降する
際、このイオン交換樹脂層を原水の水流等により撹拌さ
せることができる。
【0019】また、軟水化処理タンクの内径と浮動板の
外径との差が、イオン交換樹脂層のイオン交換樹脂の粒
径より小さくされていることにより、イオン交換樹脂が
浮動板より下方へ脱落することを防止することができ
る。
【0020】また、浮動板の比重が、1.2〜8.0で
あることにより、浮動板が、イオン交換樹脂との比重差
によって、給水時はイオン交換樹脂層の上昇速度より遅
い速度で上昇し、止水時はイオン交換樹脂層の落下速度
より速い速度で降下することができ、常に、イオン交換
樹脂層の撹拌スペースを持たせることができる。
【0021】
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例における軟水化装置
について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明
の一実施例における軟水化装置を示す断面正面図であ
り、図2は本発明の一実施例における軟水化装置の浮動
板を示す正面図である。2は軟水化処理タンク、2aは
原水給水口、2bは軟水吐水口、3はイオン交換樹脂層
であり、これらは従来例と同様なものであり同一の符号
を付して説明を省略する。従来例と異なるのは、本実施
例の軟水化装置1が、軟水化処理タンク2内の原水給水
口2aとイオン交換樹脂層3との間に、イオン交換樹脂
の粒径より小さい孔径の孔部4aを多数有する浮動板4
を備えた点と、軟水化処理タンク2の容積がイオン交換
樹脂層3の体積の1.1倍以上とされている点である。
尚、浮動板4の外径と軟水化処理タンク2の内径との差
は、イオン交換樹脂の粒径より小さくなるように形成さ
れている。
【0023】ここで、イオン交換樹脂としては、H型や
Na型、またはこれらを混合させた強酸性陽イオン交換
樹脂,キレート樹脂等が好適に用いられる。また、浮動
板4の比重は、1.2〜8.0とされるのが好ましい。
浮動板4が、軟水化処理タンク2内への原水の給水時に
は、イオン交換樹脂層3より遅く上昇し、また、給水の
止水時には、イオン交換樹脂層3より速く落下するの
で、イオン交換樹脂層3を撹拌させることができ、たと
え一時的にしろイオン交換樹脂層3内にチャネリング現
象が生じていても、この給水開始時や止水開始時の撹拌
によりイオン交換樹脂を均質化させることができるから
である。また、浮動板4とイオン交換樹脂の比重の差
が、1.0以上であると、前述の効果を更に顕著にする
ことができるので、好ましい。また、浮動板4として
は、ABS,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,ポリエ
チレン,ポリスチレン,ポリエーテルエーテルケトン,
メタクリル酸樹脂,アクリル樹脂,ポリオキシメチレ
ン,ウレタン樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレンテ
レフタレート等の合成樹脂又はこれらと無機フィラーの
複合体等が好適に用いられる。また、浮動板4は、軟水
化処理タンク2の内側形状と略同一に形成される。浮動
板4の外縁部は膨出状に形成されるのが好ましい。軟水
化処理タンク2内を上昇/下降する際、軟水化処理タン
ク2の内壁との摩擦抵抗が少なく、スムーズに上昇/下
降できるからである。また、浮動板4に形成された孔部
4aの形状等はとくに限定されるものではないが、通
常、円形状等が好適に用いられる。また、浮動板4は外
径と厚みの和が軟水化処理タンク2の内径よりも大きく
形成されているので、軟水化処理タンク2の内壁に沿っ
て傾斜したりすることなく上下動させることができる。
また、浮動板4における孔部4aの形成密度は、浮動板
4全体に渡って略同一とされるのが好ましい。イオン交
換樹脂層3内に原水を平均的に万遍なく供給でき、イオ
ン交換樹脂層3内にチャネリング現象が発生することを
抑制することができるからである。また、浮動板4の孔
部4aの開孔率は、原水の流動抵抗を小さくすることが
できるように、浮動板4の比重や孔部4aの形成数,孔
径等から適宜決定される。
【0024】以上のように構成された本実施例の軟水化
装置について、以下その動作について図面を参照しなが
ら説明する。図3は本発明の一実施例における給水時の
浮動板及びイオン交換樹脂層の挙動を示す断面模式図で
あり、図4は本発明の一実施例における軟水化処理タン
クの容積がイオン交換樹脂層の体積の1.1倍以上とさ
れたときの原水の通水状態を示す断面模式図である。図
3中A矢視するように、原水が、原水給水口2aから軟
水化処理タンク2内に給水されると、浮動板4は上方に
押し上げられる。また、浮動板4の孔部4aを通過した
原水は、孔部4aの径が小さいので流速を増し、その水
流によってイオン交換樹脂層3を撹拌しながら上方に吹
き上げられる。また、浮動板4は水流により上昇する
が、傾斜することなく、かつ、イオン交換樹脂が浮動板
4と軟水化処理タンク2の内壁との隙間から下方に落下
することがない。浮動板4の比重がイオン交換樹脂の比
重より大きくされ、かつ、軟水化処理タンク2の容積が
イオン交換樹脂層3の体積の1.1倍以上とされている
ので、すなわち、軟水化処理タンク2内のイオン交換樹
脂層3を除くスペースが広く形成されているために、図
4中E矢視するように、イオン交換樹脂層3は、撹拌さ
れながら軟水化処理タンク2内の上方に上昇することが
できる。次に、浮動板4が原水の水流により上方に押し
上げられ、イオン交換樹脂層3が、軟水化処理タンク2
内の上方で揺動の少ないカラム状に凝集化される。イオ
ン交換樹脂層3全体が浮動板4より上方に存在するの
で、イオン交換樹脂層3全体を原水の軟水化に寄与させ
ることができる。次に、原水給水口2aからの原水の給
水が停止されると、軟水化処理タンク2内の上方に押し
付けられた浮動板4とイオン交換樹脂層3は、次第に軟
水化処理タンク2の下方に降下する。ここで、浮動板4
の比重がイオン交換樹脂より大きくされ、また、浮動板
4に多数の孔部4aが形成されているので、原水の流動
抵抗を小さくでき、さらに、軟水化処理タンク2の容積
がイオン交換樹脂層3の体積の1.1倍以上とされてい
るので、浮動板4はイオン交換樹脂層3より迅速に落下
することができ、すなわち、浮動板4とイオン交換樹脂
層3とが離れて落下することができる。したがって、イ
オン交換樹脂層3が軟水化処理タンク2内の上方から下
方に降下する際、図4に示すように、軟水化処理タンク
2内に貯留された原水が浮動板4の孔部4aから噴流さ
れ、この噴流によりイオン交換樹脂層3が撹拌され、た
とえ一次的にしろ給水時にイオン交換樹脂層3内にチャ
ネリング現象が生じていても、降下時の撹拌によりイオ
ン交換樹脂を均質化できる。
【0025】以上のように本実施例によれば、軟水化濾
剤としてイオン交換樹脂を用い、軟水化処理タンクの下
面に原水給水口と上面に軟水吐水口とを形成した、すな
わち、軟水化処理タンク内の原水の水流方向を下から上
への鉛直方向としたので、イオン交換樹脂層にチャネリ
ング現象が生じ難い。また、軟水化処理タンク内の原水
給水口とイオン交換樹脂層との間にイオン交換樹脂の粒
径より小さい孔径の孔部を多数有する浮動板を収納させ
たので、原水給水時、水流によるこの浮動板の上昇によ
りイオン交換樹脂を上方に押し上げることができ、イオ
ン交換樹脂層を揺動の少ないカラム状に凝集化すること
ができる。更に、浮動板に形成された孔部により給水さ
れた原水でイオン交換樹脂を拡散させ、この拡散され均
質化されてカラム状に凝集化されたイオン交換樹脂層内
でイオン交換を行うので、イオン交換樹脂の性能を10
0%活用することができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の軟水化装置によれ
ば、以下の優れた効果を奏する。すなわち、 (1)下方に原水給水口と上方に軟水吐水口とが形成さ
れた軟水化処理タンクと、軟水化処理タンク内に装填さ
れたイオン交換樹脂層と、を備えた軟水化装置であっ
て、軟水化処理タンク内の原水給水口とイオン交換樹脂
層との間に配設され、イオン交換樹脂層のイオン交換樹
脂の粒径より小さい孔径の孔部を多数有する浮動板を備
えたので、軟水化処理タンク内に原水を給水するとき、
原水の水流によりこの浮動板を上昇させながら浮動板の
孔部から原水を噴出させてイオン交換樹脂層を吹き上
げ、イオン交換樹脂を撹拌しながらカラム状に凝集化さ
せることができる。この結果、イオン交換樹脂層全体を
原水の軟水化に寄与させることができ、原水の軟水化効
率を向上させ、硬度成分を完全に除去させることができ
る。また、浮動板に形成された孔部の孔径をイオン交換
樹脂の粒径より小さくしたので、イオン交換樹脂が浮動
板より下方に落下することがなく、常に、イオン交換樹
脂を浮動板より上方にすることができ、原水の軟水化に
イオン交換樹脂層全体を寄与させることができる。した
がって、イオン交換樹脂の寿命までイオン交換樹脂層全
体を使用でき、イオン交換樹脂の部分劣化を防止し耐久
性を著しく向上させることができる軟水化装置を実現す
ることができるものである。
【0027】(2)軟水化処理タンクの容積が、イオン
交換樹脂層の体積の1.1倍以上とされている場合、軟
水化処理タンク内のイオン交換樹脂を除いたスペースを
広く形成することができるので、軟水化処理タンク内へ
原水を給水するときや給水を止水するときに、原水の水
流にともなってイオン交換樹脂層が上昇/下降する際、
このイオン交換樹脂層を浮動板の孔部から噴出する水流
により撹拌させることができ、たとえ一時的にイオン交
換樹脂層内にチャネリング現象が生じたとしても原水の
給水時や止水時にイオン交換樹脂層を撹拌させ、イオン
交換樹脂層を均質化できる。したがって、イオン交換樹
脂の寿命を延命化することができ、かつ軟水化効率を上
昇することができ、経済性や信頼性に優れた軟水化装置
を実現することができるものである。
【0028】(3)軟水化処理タンクの内径と浮動板の
外径との差が、イオン交換樹脂層のイオン交換樹脂の粒
径より小さくされている場合、イオン交換樹脂が浮動板
より下方に落下することがなく、常に、イオン交換樹脂
層を浮動板より上方にすることができ、原水の軟水化に
イオン交換樹脂層全体を寄与させることができ、給水時
にイオン交換樹脂層全体を揺動の少ないカラム状に凝集
化して効率的に原水を軟水化することができ、また、イ
オン交換樹脂の寿命までイオン交換樹脂層全体を使用で
き、経済性や信頼性,量産性に優れた軟水化装置を実現
できるものである。
【0029】(4)浮動板の比重が、1.2〜8.0で
ある場合、軟水化処理タンク内に原水を給水するときは
イオン交換樹脂層より遅い速度で上昇させ、原水の給水
を止水するときはイオン交換樹脂層より速い速度で降下
させることができ、常に、イオン交換樹脂層の揺動スペ
ースを持たせることができるので、イオン交換樹脂層を
撹拌させることができ、たとえチャネリング現象が生じ
ても確実にイオン交換樹脂を均質化させることができる
経済性や信頼性に優れた軟水化装置を実現することがで
きるものである。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における軟水化装置を示す断
面正面図
【図2】本発明の一実施例における軟水化装置の浮動板
を示す正面図
【図3】本発明の一実施例における給水時の浮動板及び
イオン交換樹脂層の挙動を示す断面模式図
【図4】本発明の一実施例における軟水化処理タンクの
容積がイオン交換樹脂層の体積の1.1倍以上とされた
ときの原水の通水状態を示す断面模式図
【図5】従来の下流方式の軟水化装置を示す断面模式図
【図6】従来の上流方式の軟水化装置を示す断面模式図
【図7】従来の上流方式の軟水化装置の原水の通水状態
を示す断面模式図
【符号の説明】
1,1′,1″ 軟水化装置 2 軟水化処理タンク 2a,2a′ 原水給水口 2b,2b′ 軟水吐水口 3 イオン交換樹脂層 4 浮動板 4a 孔部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下方に原水給水口と上方に軟水吐水口とが
    形成された軟水化処理タンクと、前記軟水化処理タンク
    内に装填されたイオン交換樹脂層と、を備えた軟水化装
    置であって、前記軟水化処理タンク内の前記原水給水口
    と前記イオン交換樹脂層との間に配設され、前記イオン
    交換樹脂層のイオン交換樹脂の粒径より小さい孔径の孔
    部を多数有する浮動板(支持されている浮動板を除く)
    を備え、該浮動板の比重が前記イオン交換樹脂の比重よ
    り大きく形成されていることを特徴とする軟水化装置。
  2. 【請求項2】前記軟水化処理タンクの容積が、前記イオ
    ン交換樹脂層の体積の1.1倍以上とされていることを
    特徴とする請求項1に記載の軟水化装置。
  3. 【請求項3】前記軟水化処理タンクの内径と前記浮動板
    の外径との差が、前記イオン交換樹脂層の前記イオン交
    換樹脂の粒径より小さくされていることを特徴とする請
    求項1又は2の内いずれか1に記載の軟水化装置。
  4. 【請求項4】前記浮動板の比重が、1.2〜8.0であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記
    載の軟水化装置。
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