JP3465374B2 - 車両用レーダ装置 - Google Patents

車両用レーダ装置

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JP3465374B2
JP3465374B2 JP24843894A JP24843894A JP3465374B2 JP 3465374 B2 JP3465374 B2 JP 3465374B2 JP 24843894 A JP24843894 A JP 24843894A JP 24843894 A JP24843894 A JP 24843894A JP 3465374 B2 JP3465374 B2 JP 3465374B2
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circuit
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孝彦 沖
雅弘 大西
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Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、先行車の存在とその
先行車までの距離とを自動的に検出する車両用レーダ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ある車両から前方にパルス状の信
号を放射し、その信号が前方の物標に反射して帰ってく
る方向からの信号を受信処理して先行車までの距離を自
動的に検出する車両用レーダ装置として、図36に示す
構成のものが知られている。この従来の車両用レーダ装
置は、電磁波、レーザ光などのパルス状の信号を周期的
に外部へ送出するパルス信号送信送信回路1と、この送
信送信回路1が送出する信号が物標に反射して来る方向
からの信号を連続的に受信してその信号強度に応じて2
値化する反射信号受信回路2とをレーダヘッド3に備え
ている。また、レーダヘッド3の反射信号受信回路2か
らの2値化信号を、送信回路1の信号送出タイミング後
の複数の時間を異ならせたサンプリング点毎にサンプリ
ングして加算する位相サンプリング回路4と、この位相
サンプリング回路4が得た各サンプリング点毎の加算値
を記憶する記憶回路5と、記憶回路5の記憶している各
サンプリング点毎の加算値を所定の閾値と比較し、閾値
を超える加算値を示すサンプリング点を見い出すことに
よってそのサンプリング点に対応する前方位置に先行車
両が存在すると判定し、その距離情報を出力する判定回
路6と、これらの各回路の動作を制御する制御回路7を
備えている。
【0003】このような従来の車両用レーダ装置では、
送信回路1によってパルス状の信号を周期的に外部へ出
力する。そして反射信号受信回路2が送出信号が物標に
反射して来る方向からの信号(この信号には反射信号の
みならず、その方向から入ってくる他の雑音も多く含ま
れている)を連続的に受信し、一定の信号レベルを超え
るか超えないかによって2値化した信号に変換して連続
的に出力する。そして位相サンプリング回路4が、送出
回路1の送出タイミング後の複数の時間を異ならせたサ
ンプリング点毎に2値化信号をサンプリングして0又は
1のサンプリング値を得て、これをサンプリング点毎に
加算していく。この位相サンプリング回路4の各サンプ
リング点毎の加算回数は送出回路1により一定の周期で
繰り返し送出されるパルス状の信号の所定の送出回数分
でり、その所定回数分のサンプリング加算処理が終了す
ると記憶回路5に各サンプリング点毎の加算値を記憶す
る。
【0004】そこで、判定回路6がサンプリング点毎の
加算値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部
の物標からの反射信号が存在するサンプリング点がある
か否かを判定し、物標からの反射信号が存在すると判定
する時にはさらに、送出回路1による信号送出後、所定
の閾値よりも大きい加算値を示すサンプリング点までの
時間内に送出信号が伝播する距離を算出し、外部の物標
までの距離を自動的に算定して表示装置(図示せず)に
表示することによって運転者に知らせる。
【0005】このような従来の車両用レーダ装置では、
前方検知距離を長くするためには送出信号の出力を大き
くし、また放射角度を狭くし、さらには受光感度を上げ
る必要があった。
【0006】しかしながら、このように送出信号の出力
を大きくし、また放射角度を狭くし、さらには受光感度
を上げれば、近距離の前方に割込車両が他車線から入っ
て来る場合、受信信号強度が過度に大きくなり、受信回
路やその後段の位相サンプリング回路がサチュレーショ
ンを起こし、正確に前方車両までの距離を計測できなく
なる恐れがある。
【0007】そこで、近距離側方からの割込車両などに
対応するためにパルス信号送信回路を近距離用に放射角
度が広いが強度がそれほど大きくないパルス信号を出力
し、遠距離用に放射角度が狭いが強度が大きいパルス信
号を出力するように近距離用、遠距離用2種類の送信回
路を同時に設け、前方の検知領域を広くする車両用レー
ダ装置も提案されている(特開昭61−149876号
公報)。
【0008】さらに、車間距離と反射波エネルギにより
送出信号出力をファジー推論する車両用レーダ装置も提
案されている(特開平2−90300号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の車両用レーダ装置では、送信回路の出力、また反
射信号受信回路の受信利得が初期設定されると自動的に
可変調整することができなかったために、その設定の仕
方によって近距離の測距においてサチュレーションが発
生したり、逆に遠距離の感度が十分に出ないことがあっ
た。
【0010】この発明はこのような従来の問題点が鑑み
てなされたもので、遠距離、近距離を問わず自動的にか
つ迅速に適正なSN比が得られるようにパルス信号出力
の自動調整、また受信利得の自動調整ができる車両用レ
ーダ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、パル
ス状の信号を周期的に外部へ送出する送出手段と、送出
手段が送出する信号が物標に反射して来る方向からの信
号を連続的に受信する受信手段と、受信手段が受信した
信号を2値化し、送出手段の信号送出タイミングからの
経過時間を異ならせた複数のサンプリング点毎に所定の
送出回数分ずつ加算する加算手段と、加算手段の各サン
プリング点の加算値を所定の閾値と比較し、その大小に
基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否かを
判定する判定手段と、所定の閾値よりも大きい加算値を
与えるサンプリング点に対応する距離を前方の物標まで
の距離として算出する距離算定手段とを備えて成る車両
用レーダ装置において、さらに、送出手段が送出する信
号出力の大小を制御する送出出力制御手段と、受信手段
の受信利得を制御する受信利得制御手段と、送出手段が
パルス状の信号の送出を所定回数より少ない、あらかじ
め設定した回数分だけ繰り返した初期の段階で加算手段
が得ている各サンプリング点の加算値を見てSN比の適
否を判定し、以後の送出出力制御手段の出力制御又は/
及び受信利得制御手段の受信利得制御を実行させるSN
比調整手段とを備えたものである。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の車両用レー
ダ装置において、送出手段が送出角度が狭く出力強度が
大きい遠距離用の信号を送出する遠距離用送出手段と、
送出角度が広く出力強度が小さい近距離用の信号を送出
する近距離用送出手段とを含み、SN比調整手段が加算
手段が得ている各サンプリング点の加算値を見て、近距
離用送出手段の信号到達距離レンジに対応する加算手段
の加算値がサチュレーションを起こしている場合に、遠
距離用送出手段の信号送出を停止させる制御を行う遠距
離信号送出停止手段を含むものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項2の車両用レー
ダ装置において、さらに、遠距離信号送出停止手段が遠
距離用送出手段の信号送出を停止させているときに、加
算手段の加算するサンプリング点を近距離用送出手段の
信号到達距離レンジに対応するものに制限するサンプリ
ング点数切替手段を備えたものである。
【0014】請求項4の発明は、パルス状の信号を周期
的に外部へ送出する送出手段と、送出手段が送出する信
号が物標に反射して来る方向からの信号を連続的に受信
する受信手段と、受信手段が受信した信号を2値化し、
送出手段の信号送出タイミングからの経過時間を異なら
せた複数のサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加
算する加算手段と、加算手段の各サンプリング点の加算
値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部の物
標からの反射信号が存在するか否かを判定する判定手段
と、所定の閾値よりも大きい加算値を与えるサンプリン
グ点に対応する距離を前方の物標までの距離として算出
する距離算定手段とを備えて成る車両用レーダ装置にお
いて、送出手段が送出角度が狭く出力強度が大きい遠距
離用の信号を送出する遠距離用送出手段と、送出角度が
広く出力強度が小さい近距離用の信号を送出する近距離
用送出手段とを含み、近距離用送出手段が主に右側前方
に信号を送出する右側信号送出手段と、主に左側前方に
信号を送出する左側信号送出手段とを含み、これらの右
側信号送出手段と左側信号送出手段とが交互に信号を送
出するようにし、加算手段が右側信号送出手段の信号送
出タイミングと左側信号送出手段の信号送出タイミング
とのそれぞれに対応して受信手段の受信した信号を加算
する右側信号加算手段と左側信号加算手段とを含み、判
定手段が右側加算手段と左側加算手段とのいずれか一方
のみに閾値を超える加算値を与えるサンプリング点を見
出すときに当該方向からの割込車両の存在を判定する割
込車判定手段を含むものである。
【0015】請求項5の発明は、請求項4の車両用レー
ダ装置において、さらに、当該装置の搭載車量の操舵方
向を検出する操舵方向検出手段と、右側信号送出手段と
左側信号送出手段のうち、操舵方向検出手段が検出する
操舵方向の送出手段のみを生かし、操舵方向と反対側の
送出手段の信号送出を停止する送出手段切替手段と備え
たものである。
【0016】請求項6の発明は、請求項5の車両用レー
ダ装置において、さらに、当該装置の搭載車両の操舵角
を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段が検出す
る操舵角を所定の基準角度と大小を比較する操舵角比較
手段と、操舵角比較手段が所定の基準角度よりも大きい
と判定するときに遠距離用送出手段の信号送出を停止さ
せる遠距離信号送出停止手段とを備えたものである。
【0017】請求項7の発明は、パルス状の信号を周期
的に外部へ送出する送出手段と、送出手段が送出する信
号が物標に反射して来る方向からの信号を連続的に受信
する受信手段と、受信手段が受信した信号を2値化し、
送出手段の信号送出タイミングからの経過時間を異なら
せた複数のサンプリング期間毎に所定の送出回数分ずつ
積分する積分手段と、積分手段の各サンプリング期間の
積分値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部
の物標からの反射信号が存在するか否かを判定する判定
手段と、所定の閾値よりも大きい積分値を与えるサンプ
リング期間に対応する距離を前方の物標までの距離とし
て算出する距離算定手段とを備えて成る車両用レーダ装
置において、さらに、送出手段が送出する信号出力の大
小を制御する送出出力制御手段と、受信手段の受信利得
を制御する受信利得制御手段と、送出手段がパルス状の
信号の送出を所定回数より少ない、あらかじめ設定した
回数分だけ繰り返した初期の段階で積分手段が得ている
各サンプリング期間の積分値を見てSN比の適否を判定
し、以後の送出出力制御手段の出力制御又は/及び受信
利得制御手段の受信利得制御を実行させるSN比調整手
段とを備えたものである。
【0018】請求項8の発明は、請求項7の車両用レー
ダ装置において、送出手段が送出角度が狭く出力強度が
大きい遠距離用の信号を送出する遠距離用送出手段と、
送出角度が広く出力強度が小さい近距離用の信号を送出
する近距離用送出手段とを含み、SN比調整手段が積分
手段が得ている各サンプリング期間の積分値を見て、近
距離用送出手段の信号到達距離レンジに対応する積分手
段の積分値がサチュレーションを起こしている場合に、
遠距離用送出手段の信号送出を停止させる制御を行う遠
距離信号送出停止手段を含むものである。
【0019】請求項9の発明は、請求項8の車両用レー
ダ装置において、さらに、遠距離信号送出停止手段が遠
距離用送出手段の信号送出を停止させているときに、積
分手段の積分するサンプリング期間を近距離用送出手段
の信号到達距離レンジに対応するものに制限するサンプ
リング期間数切替手段を備えたものである。
【0020】請求項10の発明は、パルス状の信号を周
期的に外部へ送出する送出手段と、送出手段が送出する
信号が物標に反射して来る方向からの信号を連続的に受
信する受信手段と、受信手段が受信した信号を2値化
し、送出手段の信号送出タイミングからの経過時間を異
ならせた複数のサンプリング期間毎に所定の送出回数分
ずつ積分する積分手段と、積分手段の各サンプリング期
間の積分値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて
外部の物標からの反射信号が存在するか否かを判定する
判定手段と、所定の閾値よりも大きい積分値を与えるサ
ンプリング期間に対応する距離を前方の物標までの距離
として算出する距離算定手段とを備えて成る車両用レー
ダ装置において、送出手段が送出角度が狭く出力強度が
大きい遠距離用の信号を送出する遠距離用送出手段と、
送出角度が広く出力強度が小さい近距離用の信号を送出
する近距離用送出手段とを含み、近距離用送出手段が主
に右側前方に信号を送出する右側信号送出手段と、主に
左側前方に信号を送出する左側信号送出手段とを含み、
これらの右側信号送出手段と左側信号送出手段とが交互
に信号を送出するようにし、積分手段が右側信号送出手
段の信号送出タイミングと左側信号送出手段の信号送出
タイミングとのそれぞれに対応して受信手段の受信した
信号を積分する右側信号積分手段と左側信号積分手段と
を含み、判定手段が右側積分手段と左側積分手段とのい
ずれか一方のみに閾値を超える積分値を与えるサンプリ
ング期間を見出すときに当該方向からの割込車両の存在
を判定する割込車判定手段を含むものである。
【0021】請求項11の発明は、請求項10の車両用
レーダ装置において、さらに、当該装置の搭載車量の操
舵方向を検出する操舵方向検出手段と、右側信号送出手
段と左側信号送出手段のうち、操舵方向検出手段が検出
する操舵方向の送出手段のみを生かし、操舵方向と反対
側の送出手段の信号送出を停止する送出手段切替手段と
備えたものである。
【0022】請求項12の発明は、請求項11の車両用
レーダ装置において、さらに、当該装置の搭載車両の操
舵角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段が検
出する操舵角を所定の基準角度と大小を比較する操舵角
比較手段と、操舵角比較手段が所定の基準角度よりも大
きいと判定するときに遠距離用送出手段の信号送出を停
止させる遠距離信号送出停止手段とを備えたものであ
る。
【0023】
【作用】請求項1の発明の車両用レーダ装置では、送出
手段がパルス状の信号を周期的に出力し、この送出手段
の出力する信号が物標に反射して帰ってくる方向からの
信号を受信手段によって連続的に受信する。
【0024】加算手段は、送出手段が最初の信号の送出
タイミングと同期して動作を開始し、受信手段が受信し
2値化した信号を時間を異ならせた複数のサンプリング
点毎に所定の送出回数分ずつ加算する。所定回数の加算
が完了すれば、判定手段が加算手段で得られた各サンプ
リング点の加算値を所定の閾値と比較し、その大小に基
づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否かを判
定し、所定の閾値よりも大きい加算値を与えるサンプリ
ング点があれば、距離算定手段がそのサンプリング点に
対応する距離を前方の物標までの距離として算出し、そ
の距離情報を出力する。
【0025】この一連の測距動作において、SN比調整
手段は加算手段が得る各サンプリング点の加算値を見て
SN比の適否を判定し、SN比が悪ければ送出出力制御
手段に出力上昇させ、又は/及び受信利得制御手段に受
信利得を上昇させ、SN比の改善を図る。他方、多くの
サンプリング点でのSN感度が高すぎるために加算値が
サチュレーションを起こしているような場合、SN比調
整手段は送出出力制御手段に出力低下させ、又は/及び
受信利得制御手段に受信利得を低下させ、SN比を適切
な値になるまで下げる制御を行う。
【0026】そしてこのSN比調整手段は、送出手段が
パルス状の信号を所定回数分よりも少ない初期の段階の
加算回数で加算手段が得ている各サンプリング点の加算
値を見てSN比の適否を判定し、以後の送出出力制御手
段の出力制御又は/及び受信利得制御手段の受信利得制
御を実行させる。
【0027】こうして、送出信号の出力又は/及び受信
利得の自動調整によって常に各サンプリング点毎に得ら
れる加算値が適切なSN比に維持されるようにして近距
離から遠距離まで広い距離レンジで正確に測距動作でき
るように自動調整し、しかも、出力調整又は/及び受信
利得の自動調整を短時間のうちに効果的に行えるように
する。
【0028】請求項2の発明の車両用レーダ装置では、
請求項1の車両用レーダ装置において、送出手段の遠距
離用送出手段が送出角度が狭く出力強度が大きい遠距離
用の信号を送出し、近距離用送出手段が送出角度が広く
出力強度が小さい近距離用の信号を送出する。この遠距
離用、近距離用それぞれの送出手段の出力する信号が物
標に反射して帰ってくる方向からの信号を受信手段によ
って同時に連続的に受信する。
【0029】そして加算手段は、遠距離用、近距離用そ
れぞれの送出手段の最初の信号の送出タイミングと同期
して動作を開始し、受信手段が受信した信号を2値化
し、時間を異ならせた複数のサンプリング点毎に所定の
送出回数分ずつ加算する。所定回数の加算が完了すれ
ば、判定手段が加算手段で得られた各サンプリング点の
加算値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部
の物標からの反射信号が存在するか否かを判定し、所定
の閾値よりも大きい加算値を与えるサンプリング点があ
れば、距離算定手段がそのサンプリング点に対応する距
離を前方の物標までの距離として算出し、その距離情報
を出力する。
【0030】この一連の測距動作において、SN比調整
手段は初期の段階の少ない加算回数で加算手段が得てい
る各サンプリング点の加算値を見て、近距離用送出手段
の信号到達距離レンジに対応する加算手段の加算値がサ
チュレーションを起こしていると判定した場合に、遠距
離信号送出停止手段に遠距離用送出手段の信号送出を停
止させる制御を行わせ、以後の加算演算処理を近距離用
の信号のみに対して行うようにする。これによって、遠
距離用の強度の大きい送出信号を一気になくすことがで
きて、送出信号の出力の制御と受信信号の利得制御を段
階的に行う場合に比べてSN比の改善が迅速に行える。
【0031】請求項3の発明の車両用レーダ装置では、
請求項2の車両用レーダ装置において、さらに、遠距離
信号送出停止手段が遠距離用送出手段の信号送出を停止
させているときに、サンプリング点数切替手段が加算手
段の加算するサンプリング点を近距離レンジのものに制
限するように切替える。
【0032】請求項4の発明の車両用レーダ装置では、
送出手段がパルス状の信号を周期的に出力し、この送出
手段の出力する信号が物標に反射して帰ってくる方向か
らの信号を受信手段によって連続的に受信する。
【0033】加算手段は、送出手段が最初の信号の送出
タイミングと同期して動作を開始し、受信手段が受信し
た信号を2値化し、時間を異ならせた複数のサンプリン
グ点毎に所定の送出回数分ずつ加算する。所定回数の加
算が完了すれば、判定手段が加算手段で得られた各サン
プリング点の加算値を所定の閾値と比較し、その大小に
基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否かを
判定し、所定の閾値よりも大きい加算値を与えるサンプ
リング点があれば、距離算定手段がそのサンプリング点
に対応する距離を前方の物標までの距離として算出し、
その距離情報を出力する。
【0034】この一連の測距動作において、送出手段が
主に右側前方に信号を送出する右側信号送出手段と、主
に左側前方に信号を送出する左側信号送出手段とを含
み、これらの右側信号送出手段と左側信号送出手段とを
交互に信号を送出させ、加算手段の右側信号加算手段、
左側信号加算手段それぞれが右側信号送出手段の信号送
出タイミングと左側信号送出手段の信号送出タイミング
とのそれぞれに対応して受信手段の受信した信号を加算
させる。そして判定手段の割込車判定手段によって右側
加算手段と左側加算手段とのいずれか一方のみに閾値を
超える加算値を与えるサンプリング点を見出すときに当
該方向からの割込車両の存在を判定する。これによっ
て、近距離の前方に割込車両があったときにその割込車
両の検出と割込方向の判定とが迅速に行える。
【0035】請求項5の発明の車両用レーダ装置では、
さらに、当該装置の搭載車量の操舵方向を操舵方向検出
手段によって検出し、送出手段切替手段によって、右側
信号送出手段と左側信号送出手段のうち操舵方向検出手
段が検出する操舵方向の送出手段のみを生かし、操舵方
向と反対側の送出手段の信号送出を停止する送出手段の
切換制御を行う。
【0036】これによって、車両がカーブを曲がってい
る最中に前方の物標を検出しようとするときにカーブの
外側に存在するガードレールやその他の固定障害物を誤
って検出することを防ぐことができる。
【0037】請求項6の発明では、請求項5の車両用レ
ーダ装置において、さらに、当該装置の搭載車両の操舵
角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段が検出
する操舵角を所定の基準角度と大小を比較する操舵角比
較手段と、操舵角比較手段が所定の基準角度よりも大き
いと判定するときに遠距離用送出手段の信号送出を停止
させる遠距離信号送出停止手段とを備えることにより、
急カーブでは遠距離用送出手段の信号送出を停止し、遠
距離用送出手段の送出信号に対する反射信号を受信する
ようにした場合には確実にガードレールその他のカーブ
の外側に存在する固定障害物からの反射信号を受信する
ような状況でもその誤検出を防止し、確実に路上の物標
だけを検出することができる。
【0038】請求項7の発明の車両用レーダ装置では、
送出手段がパルス状の信号を周期的に出力し、この送出
手段の出力する信号が物標に反射して帰ってくる方向か
らの信号を受信手段によって連続的に受信する。
【0039】積分手段は、送出手段が最初の信号の送出
タイミングと同期して動作を開始し、受信手段が受信し
2値化した信号を時間を異ならせた複数のサンプリング
期間毎に所定の送出回数分ずつ積分する。所定回数の積
分が完了すれば、判定手段が積分手段で得られた各サン
プリング期間の積分値を所定の閾値と比較し、その大小
に基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否か
を判定し、所定の閾値よりも大きい積分値を与えるサン
プリング期間があれば、距離算定手段がそのサンプリン
グ期間に対応する距離を前方の物標までの距離として算
出し、その距離情報を出力する。
【0040】この一連の測距動作において、SN比調整
手段は積分手段が得る各サンプリング期間の積分値を見
てSN比の適否を判定し、SN比が悪ければ送出出力制
御手段に出力上昇させ、又は/及び受信利得制御手段に
受信利得を上昇させ、SN比の改善を図る。他方、多く
のサンプリング期間でのSN感度が高すぎるために積分
値がサチュレーションを起こしているような場合、SN
比調整手段は送出出力制御手段に出力低下させ、又は/
及び受信利得制御手段に受信利得を低下させ、SN比を
適切な値になるまで下げる制御を行う。
【0041】そしてこのSN比調整手段は、送出手段が
パルス状の信号を所定回数分よりも少ない初期の段階の
積分回数で積分手段が得ている各サンプリング期間の積
分値を見てSN比の適否を判定し、以後の送出出力制御
手段の出力制御又は/及び受信利得制御手段の受信利得
制御を実行させる。
【0042】こうして、送出信号の出力又は/及び受信
利得の自動調整によって常に各サンプリング期間毎に得
られる積分値が適切なSN比に維持されるようにして近
距離から遠距離まで広い距離レンジで正確に測距動作で
きるように自動調整し、しかも、出力調整又は/及び受
信利得の自動調整を短時間のうちに効果的に行えるよう
にする。
【0043】請求項8の発明の車両用レーダ装置では、
請求項7の車両用レーダ装置において、送出手段の遠距
離用送出手段が送出角度が狭く出力強度が大きい遠距離
用の信号を送出し、近距離用送出手段が送出角度が広く
出力強度が小さい近距離用の信号を送出する。この遠距
離用、近距離用それぞれの送出手段の出力する信号が物
標に反射して帰ってくる方向からの信号を受信手段によ
って同時に連続的に受信する。
【0044】そして積分手段は、遠距離用、近距離用そ
れぞれの送出手段の最初の信号の送出タイミングと同期
して動作を開始し、受信手段が受信し2値化した信号を
時間を異ならせた複数のサンプリング期間毎に所定の送
出回数分ずつ積分する。所定回数の積分が完了すれば、
判定手段が積分手段で得られた各サンプリング期間の積
分値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部の
物標からの反射信号が存在するか否かを判定し、所定の
閾値よりも大きい積分値を与えるサンプリング期間があ
れば、距離算定手段がそのサンプリング期間に対応する
距離を前方の物標までの距離として算出し、その距離情
報を出力する。
【0045】この一連の測距動作において、SN比調整
手段は初期の段階の少ない積分回数で積分手段が得てい
る各サンプリング期間の積分値を見て、近距離用送出手
段の信号到達距離レンジに対応する積分手段の積分値が
サチュレーションを起こしていると判定した場合に、遠
距離信号送出停止手段に遠距離用送出手段の信号送出を
停止させる制御を行わせ、以後の積分演算処理を近距離
用の信号のみに対して行うようにする。これによって、
遠距離用の強度の大きい送出信号を一気になくすことが
できて、送出信号の出力の制御と受信信号の利得制御を
段階的に行う場合に比べてSN比の改善が迅速に行え
る。
【0046】請求項9の発明の車両用レーダ装置では、
請求項8の車両用レーダ装置において、さらに、遠距離
信号送出停止手段が遠距離用送出手段の信号送出を停止
させているときに、サンプリング期間数切替手段が積分
手段の積分するサンプリング期間を近距離レンジに対応
するものだけに制限するように切替える。
【0047】請求項10の発明の車両用レーダ装置で
は、送出手段がパルス状の信号を周期的に出力し、この
送出手段の出力する信号が物標に反射して帰ってくる方
向からの信号を受信手段によって連続的に受信する。
【0048】積分手段は、送出手段が最初の信号の送出
タイミングと同期して動作を開始し、受信手段が受信し
2値化した信号を時間を異ならせた複数のサンプリング
期間毎に所定の送出回数分ずつ積分する。所定回数の積
分が完了すれば、判定手段が積分手段で得られた各サン
プリング期間の積分値を所定の閾値と比較し、その大小
に基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否か
を判定し、所定の閾値よりも大きい積分値を与えるサン
プリング期間があれば、距離算定手段がそのサンプリン
グ期間に対応する距離を前方の物標までの距離として算
出し、その距離情報を出力する。
【0049】この一連の測距動作において、送出手段が
主に右側前方に信号を送出する右側信号送出手段と、主
に左側前方に信号を送出する左側信号送出手段とを含
み、これらの右側信号送出手段と左側信号送出手段とが
交互に信号を送出させ、積分手段の右側信号積分手段、
左側信号積分手段それぞれが右側信号送出手段の信号送
出タイミングと左側信号送出手段の信号送出タイミング
とのそれぞれに対応して受信手段の受信した信号を積分
させる。そして判定手段の割込車判定手段によって右側
積分手段と左側積分手段とのいずれか一方のみに閾値を
超える積分値を与えるサンプリング期間を見出すときに
当該方向からの割込車両の存在を判定する。これによっ
て、近距離の前方に割込車両があったときにその割込車
両の検出と割込方向の判定とが迅速に行える。
【0050】請求項11の発明の車両用レーダ装置で
は、さらに、当該装置の搭載車量の操舵方向を操舵方向
検出手段によって検出し、送出手段切替手段によって、
右側信号送出手段と左側信号送出手段のうち操舵方向検
出手段が検出する操舵方向の送出手段のみを生かし、操
舵方向と反対側の送出手段の信号送出を停止する送出手
段の切換制御を行う。
【0051】これによって、車両がカーブを曲がってい
る最中に前方の物標を検出しようとするときにカーブの
外側に存在するガードレールやその他の固定障害物を誤
って検出することを防ぐことができる。
【0052】請求項12の発明では、請求項11の車両
用レーダ装置において、さらに、当該装置の搭載車両の
操舵角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段が
検出する操舵角を所定の基準角度と大小を比較する操舵
角比較手段と、操舵角比較手段が所定の基準角度よりも
大きいと判定するときに遠距離用送出手段の信号送出を
停止させる遠距離信号送出停止手段とを備えることによ
り、急カーブでは遠距離用送出手段の信号送出を停止
し、遠距離用送出手段の送出信号に対する反射信号を受
信するようにした場合には確実にガードレールその他の
カーブの外側に存在する固定障害物からの反射信号を受
信するような状況でもその誤検出を防止し、確実に路上
の物標だけを検出することができる。
【0053】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図1は請求項1の発明の一実施例の機能ブロック
図を示し、図2は特に信号処理部の機能ブロック図を示
している。この第1の実施例の車両用レーダ装置は、大
きく分けると、パルス状の光信号を周期的に前方に出力
し、またその光信号の反射方向から来る信号を連続的に
受信するレーダヘッド10と、レーダヘッド10に対し
て信号送出タイミング制御、受信信号のサンプリング制
御を行うロジック回路11と、受信信号のサンプリング
加算処理を行い、SN比の適否判定と測距演算処理を行
う信号処理部12と、信号処理部12で得た距離データ
を表示する表示装置13から構成されている。
【0054】そしてレーダヘッド10には、放射角度が
狭く、強度の大きいパルス状の光信号を出力する遠距離
用送光素子(以下、LDと略称することがある)14a
と放射角度が広く、強度がそれほど大きくないパルス状
の光信号を出力する近距離用送光素子(以下、SDと略
称することがある)14bを有する送信回路14と、こ
の送信回路14の送光素子14a,14b各々の出力を
調整するためにそれらに印加する電流を段階的に調整す
る送光出力調整回路15が設けられている。レーダヘッ
ド10にはまた、送信回路14が出力する光信号が前方
の物標に反射して戻って来る方向からの光信号を連続的
に受信する受光素子16と、この受光素子16が受信し
た光信号を増幅し、2値化して出力する利得可変増幅器
17が設けられている。
【0055】ロジック回路11には、一例として15M
Hzのクロック信号を発生するクロック18と、信号処
理部12からスタートパルスを受けて、クロック18の
クロック信号に基づき一定時間幅の送光駆動パルスを送
光素子14a,14bそれぞれに出力するトリガ回路1
9と、この送光駆動パルスをトリガにして、クロック1
8のクロック信号に基づき一定の高速周期のサンプリン
グパルスを発生し、また一定個数のサンプリングパルス
の発生後にエンドパルスを発生するサンプリングパルス
発生回路20と、このサンプリングパルス発生回路20
からのサンプリングクロックの1パルス毎にシフトし、
各サンプリング点毎に受光信号の2値化信号をサンプリ
ングするシフトレジスタ21が設けられている。
【0056】信号処理部12には、図2に詳しく示した
ように、サンプリングパルス発生回路20のエンドパル
スをカウントするカウンタ22と、同じくこのエンドパ
ルスの入力の度にシフトレジスタ21の各ビット毎のデ
ータを累積加算する加算回路23が設けられている。
【0057】信号処理部12にはまた、カウンタ22の
カウント値があらかじめ設定されている初期加算回数M
(ここでは、例えば1000回とする)に到達したとき
に加算回路23の各サンプリング点毎の加算値を読み出
し、初期加算回数であるM(=1000)で除して得ら
れる正規化値(この正規化値は0〜1の範囲の値であ
り、反射パルスが受信信号の中に含まれておらず、した
がって雑音ばかりであるときにはほぼ0.5の値を示
す)をあらかじめ設定した比較値と比較し、SN比の適
否を判定する初期加算値比較回路24と、この初期加算
値比較回路24がSN比の不適を判定したときに送光出
力調整回路15に出力制御信号を与え、また利得可変増
幅器17に利得制御信号を与えるレンジ切換指令回路2
5が設けられている。
【0058】信号処理部12にはさらに、カウンタ22
のカウント値があらかじめ設定されている正規の加算回
数N(ここでは、例えば8192回とする)に到達した
ときに加算回路23の各サンプリング点毎の加算値を読
み出し、その加算回数N(=8192)で除して得られ
る正規化値をあらかじめ設定されている閾値と比較する
比較回路26と、この比較回路26が閾値を超える値を
示すサンプリング点が複数点ある場合に所定の演算を行
ってピーク位置を求めるピーク検出回路27と、このピ
ーク検出回路27が出力するピーク位置から前方の物標
までの距離を算定して出力する距離算定回路28が設け
られている。
【0059】表示装置13は液晶ディスプレイなどで構
成される。
【0060】次に、図3〜図7に基づいて上記構成の車
両用レーダ装置の動作について説明する。外部からこの
車両用レーダ装置のスイッチ投入、あるいはリセット操
作によって測距動作のスタート指令が信号処理部12に
入力されることによって、距離算定回路28はロジック
回路11のトリガ回路19にスタートパルスを入力す
る。トリガ回路19はこのスタートパルスを受けると、
図3に示すように、一定サンプリング周期4μs毎に一
定の時間幅(これは後述するサンプリングパルス周期よ
りも広いもので、サンプリングパルス周期Δtを66.
7nsとすると、その2倍の133ns幅とする)の送
光駆動パルスをレーダヘッド10に与える。
【0061】これを受けて、図3(1)に示すように遠
距離用送光素子14a、近距離用送光素子14bそれぞ
れがあらかじめ設定されている出力の光信号を送出パル
ス幅である前述の133nsの間、前方に向けて出力す
る。
【0062】受光素子16は光信号が前方の物標に反射
して戻ってくる方向からの光信号を連続的に受信してい
て、前方に先行車のような物標が存在し、送光パルスが
その物標に反射して戻ってきて受光素子16によって受
信されるならば、図3(2)に示すように、外部雑音に
混じってその物標までの距離に対応した時間遅れTdの
点に反射パルスが受信されることになる。
【0063】送光信号の出力と同時に、トリガ回路19
はサンプリングパルス発生回路20にトリガ信号を与
え、サンプリングパルス発生回路20は図3(3)に示
すような高速周期Δt(=66.7ns)のサンプリン
グパルスを一定個数n個ずつ、例えば0〜130mの範
囲を10m刻みで測距する場合にはn=14個のパルス
をシフトレジスタ21に出力する。
【0064】シフトレジスタ21はサンプリングパルス
発生回路20からのサンプリングパルスを受ける度に1
ビットずつシフトし、各ビット毎に対応するサンプリン
グ点の利得可変増幅器17から出力される2値化受光信
号が“0”であればそのまま、“1”であれば反転させ
る。そして1回のサンプリングが終了してエンドパルス
をサンプリングパルス発生回路20が出力すれば、信号
処理部12の加算回路23がこのエンドパルスを受けて
シフトレジスタ21の各ビットのデータを読み出し、各
ビット毎のデータをそれまでの累積値に加算していく加
算処理を行う。この加算処理はこの実施例では、819
2回繰り返されることになる。
【0065】信号処理部12のカウンタ22はサンプリ
ングパルス発生回路20からのエンドパルスをカウント
し、それがあらかじめ設定されている値である8192
に到達すると、比較回路26に1回の測距動作の完了信
号を通知し、比較回路26は加算回路23から図3
(4)に示すような各サンプリング点毎の加算データを
読み出してきて加算回数Nである8192で除して正規
化値を求め、これをあらかじめ設定されている閾値TH
と比較し、どのサンプリング点の正規化加算値が閾値T
Hを超えているかを判定する。この閾値THとしては、
各サンプリング点で雑音ばかりを検出するときにはその
2値化受光信号は“0”と“1”の確率が1/2ずつで
あるので、正規化加算値が0.5となるので、それより
も若干大きくした0.5+α(αとして、数%程度の上
乗せ値を設定する)に設定することができる。
【0066】次に、比較回路26の比較結果をピーク検
出回路27に出力し、ここでピーク位置の検出を行う。
ピーク位置の検出処理は、図3(5)に示すように、サ
ンプリング加算出力の最大値とその次に大きい値を示す
サンプリング点を見出し、それらのピーク点とその前後
のサンプリング点の加算値それぞれとを直線で結び、両
直線の交点を求め、その交点の時間的な位置を割り出し
て距離算定回路28に出力する。ここで、受光信号のピ
ークが急峻で、1カ所にしか閾値を超えるサンプリング
点がなければそのサンプリング点をピークの時間的な位
置として距離算定回路28に出力する。
【0067】距離算定回路28はピーク検出回路27か
ら与えられるピークの時間的な位置データを、送光素子
14a,14bから送光パルスが発射され、物標に反射
して戻ってくるまでにかかる時間と光信号速度との関係
から物標までの空間的な距離に換算し、その距離データ
を表示装置13に出力して測距結果を表示装置13によ
って表示し、運転者に知らせる。
【0068】この距離算定結果の出力と共に、距離算定
回路28はトリガ回路19へ新たにスタートパルスを出
力し、次の測距動作を開始させるようにする。
【0069】このような一連の測距動作において、この
発明の特徴である送光パルス出力の制御、また受光信号
の利得制御処理について説明する。図4のフローチャー
トに示すように、測距動作がスタートし、加算回路23
がサンプリング加算処理を繰り返し、カウンタ22がサ
ンプリングパルス発生回路20から出力されるエンドパ
ルスをカウントするが、初期加算値比較回路24はカウ
ンタ22のカウント値が初期比較実行値として設定され
ているM(ここでは、1000回に設定してある)に到
達すると(ステップS1)、加算回路23のそれまでの
サンプリング加算データを読み出してM(=1000)
で除して正規化し、各サンプリング点毎にあらかじめ設
定した下限比較値A(=0.5+β:βは上述のαと同
じく、0.5に対して数%とする)、上限比較値B(=
1−γ:γは1に対して数%〜10数%とする)それぞ
れと比較する。そして図6のグラフに示す状態のよう
に、サンプリング点X1,X2,…,Xnのいずれの正
規化加算値も下限比較値Aを超えない場合には送光パル
ス出力が不足し、あるいは受光利得が不足していると判
断してレンジ切換判定を行う(ステップS2,S3)。
【0070】レンジ切換指令回路25はレンジ切換指令
を初期加算値比較回路24から受けると、図5に示すフ
ローチャートに基づき、レンジ切換動作を実行する。こ
のレンジ切換動作は、遠距離用送光素子(LD)14a
が発光しているかどうかまず判定し(ステップS1
1)、LD14aが発光していればその信号出力を1段
階上昇させる送光出力調整信号を送光出力調整回路15
に与えてレンジ切換処理を終了する(ステップS1
2)。先のステップS11の判定でLD14aが発光し
ていない場合には、近距離用送光素子(SD)14bに
対してその信号出力を1段階上昇させる送光出力調整信
号を送光出力調整回路15に与え、又は利得可変増幅器
17に受光利得を1段階上昇させる指令を与えてレンジ
切換処理を終了する(ステップS13)。これによって
次回の測距動作では、図6に示すように特にピーク位置
のサンプリング点の正規化加算値が大きくなる。
【0071】図4に示すフローチャートのSN比適正判
定ステップS2において、逆に、図7に示す状態のよう
にサンプリング点X1,X2,…,Xnの正規化加算値
のいずれかが上限比較値Bを超える場合には送光パルス
出力が大きすぎ、あるいは受光利得が高すぎて加算値が
サチュレーションを起こしていると判断し、初期加算値
比較回路24からレンジ切換指令回路25にレンジ切換
指令を出力する(ステップS2,S3)。そしてこのレ
ンジ切換指令を受けると、レンジ切換指令回路25は、
同じようにLD14aが発光しているかどうか判定し
(ステップS11)、LD14aが発光していればその
信号出力を1段階低下させる送光出力調整信号を送光出
力調整回路15に与えてレンジ切換処理を終了する(ス
テップS12)。先のステップS11の判定でLD14
aが発光していない場合には、SD14bに対してその
信号出力を1段階低下させる送光出力調整信号を送光出
力調整回路15に与えるか、若しくは受光利得を1段階
低下させる指令を利得可変増幅器17に与えてレンジ切
換処理を終了する(S13)。これによって次回の測距
動作では、図7に示すように特にピーク位置のサンプリ
ング点の正規化加算値が小さくなる。
【0072】こうして距離レンジの1段階の自動調整が
終了した後、再び初期加算値比較回路24がトリガ回路
19にスタートパルスを出力して送光パルスの再出力を
開始させ(ステップS1)、上記のSN比の適否判定を
繰り返す(ステップS2)。
【0073】図6あるいは図7に示すように、1度の、
あるいは何度かの出力制御又は/及び利得制御の結果、
ステップS2の判定でSN比が適正なものとなれば、M
(=1000)回以降のサンプリング加算処理がN(=
8192)回まで継続され(ステップS4)、カウンタ
22がN回のエンドパルスの入力をカウントすれば、上
記の距離算定を実行し、その結果を表示装置13に表示
出力する(ステップS5,S6)。
【0074】こうして、この第1の実施例の車両用レー
ダ装置では、遠距離用送光素子、近距離用送光素子と2
つの測距レンジの送光素子をレーダヘッドに備えてい
て、得られる各サンプリング点のSN比が悪い場合、遠
距離用送光素子が使用されている場合にはその出力調整
を行い、近距離用送光素子が使用されている場合にはそ
の出力調整、又は可変利得増幅器の利得調整を行うこと
によってレンジ切換処理を行い、常に適正なSN比で測
距処理ができるようになるのである。
【0075】しかも、これらの出力/利得調整を初期加
算回数M(<正規の加算回数N)に達したときのSN比
を見て行うので、SN比調整が迅速に行えることにな
る。
【0076】なお、上記実施例では送光素子の出力調整
には送光素子に印加する電流を調整する方式を用い、ま
た受光利得の調整には受光信号の増幅器にAGC機能を
備えたものを用いているが、これに限定されることはな
く、送光系に赤外光フィルタを段階的に挿入したり、受
光系にシャッタを設けて受光量を段階的に調整する方式
を採用することもできる。さらに、受光素子の印加電圧
の調整、また受光信号の伝送系に可変減衰器を挿入する
方法も採用することができる。
【0077】次に、請求項2の発明の一実施例につい
て、図8に基づいて説明する。この第2の実施例の特徴
は、図2に示した第1の実施例の初期加算値比較回路2
4にいずれのサンプリング点でサチュレーションが生じ
ているかを特定する機能を付加し(これは、初期加算値
比較回路を実現するソフトウェアプログラムにこの機能
を追加することを意味する)、サチュレーションが発生
しているサンプリング点が近距離レンジである場合、レ
ンジ切換指令回路25に遠距離用送光素子の消灯指令を
出力させるようにした点にある。したがって、回路構成
は第1の実施例と共通であり、初期加算値比較回路24
が図8のフローチャートに基づく処理を実行するように
した点が異なるだけである。
【0078】この第2の実施例による測距動作は次のよ
うになる。初期加算値比較回路24がまず初期加算回数
Mとして1000回の加算結果を評価し、加算回路23
のそれまでのサンプリング加算データを読み出してM
(=1000)で除して正規化し、図6及び図7に示し
たように各サンプリング点毎にあらかじめ設定した下限
比較値A、上限比較値Bそれぞれと比較してSN比の適
否を判定する(ステップS21,S22)。
【0079】この判定においてSN比が適正であれば、
続く正規の加算数として設定したN回(=8192回)
までの加算処理を再開し(ステップS23)、カウンタ
22がN回のエンドパルスの入力をカウントすれば、上
記の距離算定を実行し、その結果を表示装置13に表示
出力する(ステップS24,S25)。
【0080】前述のSN比の適否の判定においてSN比
が不適であると判定された場合には(ステップS2
2)、いずれかのサンプリング点でサチュレーションが
発生していないかどうかを上限比較値Bとの比較におい
て実行する(ステップS26)。そしてサチュレーショ
ンが起こってないならば、いずれのサンプリング点の正
規化加算値も下限比較値Aを超えていないことになるの
で、レンジ切換処理を行う(ステップS30)。このレ
ンジ切換処理は、図5に示した第1の実施例と同じ処理
である。
【0081】一方、上限比較値Bを超えるサンプリング
点が見出され、サチュレーションが発生していると判定
すれば(ステップS26)、次に、そのサチュレーショ
ンの発生しているサンプリング点が近距離レンジに属す
るかどうかを判定する(ステップS27)。この近距離
レンジは、近距離用送光素子(SD)14bの信号到達
距離範囲として、例えば40mに設定することができ
る。
【0082】そして近距離レンジにおいてサチュレーシ
ョンの発生しているサンプリング点があれば、その点に
対応する位置に物標が存在するので、強度の強いLD1
4aが発光していればそれを消灯させることによって送
光信号強度を一気に低下させる指令をレンジ切換指令回
路25に出力し、このレンジ切換指令回路25がレーダ
ヘッド10の送光出力調整回路15にLD消灯指令を出
力し、LD14aを消灯させる(ステップS28,S2
9)。しかしながら、LD14aが発光していなければ
レンジ切換出力に移行する(ステップS28,S3
0)。このレンジ切換処理も、図5に示した第1の実施
例と同じ処理である。
【0083】この第2の実施例によれば、前方に反射物
標がない状態から急に近距離レンジに割込車が生じた状
況での反応性が改善できる。つまり、近距離レンジで割
込が発生すると、物標が近くにあるのでその物標からの
反射パルスが大きくなり、SN比が上限比較値Bを超え
ることになってレンジ切換が発生する。このレンジ切換
を何度も行うのでは時間がかかるが、LD14aを一気
に消灯させるならば、その出力が大きいものなのでその
消灯によって送光パルスの出力が一気に低下し、それだ
け反射パルスのレベルも急激に低下させることができ、
レンジ切換処理が少ない回数で済むことになり、それだ
け反応性が改善されるのである。
【0084】そしてこのことは、追突などの危険が多い
近距離前方に割込車両があったときにそれを迅速に検出
することができることになり、そのメリットは大きい。
【0085】次に、請求項3の発明の一実施例について
図9に基づいて説明する。この第3の実施例の特徴は、
第2の実施例においてさらに、初期加算値比較回路24
がレンジ切換処理を図5のフローチャートにしたがって
実行する代わりに、図9のフローチャートにしたがって
実行するようにした点にある。この機能の変更も、ソフ
トウェアプログラムを変更することによって実現され
る。したがって、回路構成は図1及び図2に示した第1
の実施例と共通である。
【0086】第3の実施例の測距動作について説明す
る。この第3の実施例の車両用レーダ装置は図8のフロ
ーチャートに基づく測距動作を行い、初期加算値比較回
路24が初期加算値比較処理においてレンジ切換処理に
移行した場合には(ステップS30)、図9に示すフロ
ーチャートを実行することになる。このレンジ切換処理
では、LD14aが発光しているかどうか判断し(ステ
ップS31)、LD14aが発光していれば遠距離点に
物標が存在する可能性があるので初期のサンプリング点
数n(ここでは、n=14としている)のすべての加算
値を使用する設定を行い、各サンプリング点の正規化加
算値のSN比が適切なものとなるようにLD14aの送
光出力調整指令をレンジ切換指令回路25に与え、レン
ジ切換処理を終了する(ステップS33)。
【0087】しかしながら、レンジ切換処理に入ったと
きに、LD14aが発光していなければ、近距離レンジ
に物標が存在する可能性があるので、近距離レンジに属
するサンプリング点の加算値の評価を行えばよいことに
なり、近距離レンジに属するサンプリング点m個(ここ
では、例えばm=5とすることができる)について加算
値評価するように比較回路26に制限指令を与え、同時
にレンジ切換指令回路25にSD14bに対する送光出
力の増減指令と利得可変増幅回路17に対する受光利得
増減指令を出力する(ステップS34,S35)。
【0088】レンジ切換指令回路25はこの指令を受け
てレーダヘッド10に送光出力増加指令、また受光利得
増加指令を出力する際にはそれらが最大出力指令、ある
いは最大利得指令に到達していないかどうか判断し(ス
テップS36)、最大になっていればSD14bだけの
出力では弱すぎると判断し、LD14aを点灯させる指
令を出力してレンジ切換処理を終了する(ステップS3
7)。
【0089】こうして、この第3の実施例によれば、加
算値のサチュレーションが近距離レンジのサンプリング
点において発生する場合、検出すべき反射物標が近距離
レンジに存在すると予測することができるのでその測距
のためには近距離レンジの測距だけを行えばよいことに
なり、加算値の評価を近距離レンジのサンプリング点の
みに制限して行うようにしている。これにより、加算値
評価点数が少なくなり、それだけ短い時間で測距動作す
ることができるようになり、結果として近距離に存在す
る物標の測距が迅速に行えるようになる。
【0090】次に、請求項4の発明の一実施例を図10
〜図13に基づいて説明する。この第4の実施例の車両
用レーダ装置は、図10の回路図に示すように、レーダ
ヘッド10においてLD14aと共に、SDとして主と
して左側前方にパルス状の光信号を送光する左側近距離
用送光素子(以下、SDLと略称することがある)14
b−Lと、主として右側前方にパルス状の光信号を送光
する右側近距離用送光素子(以下、SDRと略称するこ
とがある)14b−Rとを備え、送光出力調整回路もL
D送光出力調整回路15aとSD送光出力調整回路15
bを備え、さらにSDL14b−LとSDR14b−R
との送光出力をN回のサンプリング処理を繰り返す毎に
交互に切替えるSD切替回路32を備えている。なお、
その他の構成要素については、図1に示した第1の実施
例と共通であり、同一の部分については同一の符号を付
して示してある。
【0091】また信号処理部12は図11に示す構成を
有している。すなわち、第1の実施例と同じようにサン
プリングパルス発生回路20のエンドパルスをカウント
するカウンタ22と、同じくこのエンドパルスの入力の
度にシフトレジスタ21の各ビット毎のデータを累積加
算する加算回路23が設けられている。信号処理部12
にはまた、カウンタ22のカウント値があらかじめ設定
されている初期加算回数M(=1000)回に到達した
ときに加算回路23の各サンプリング点毎の加算値を読
み出し、初期加算回数であるMで除して得られる正規化
値(この正規化値は0〜1の範囲の値であり、反射パル
スが受信信号の中に含まれておらず、したがって雑音ば
かりであるときにはほぼ0.5の値を示す)をあらかじ
め設定した比較値と比較し、SN比の適否を判定する初
期加算値比較回路24と、この初期加算値比較回路24
がSN比の不適を判定したときに送光出力調整回路15
に出力制御信号を与え、また利得可変増幅器17に利得
制御信号を与えるレンジ切換指令回路25が設けられて
いる。
【0092】信号処理部12にはさらに、カウンタ22
のカウント値があらかじめ設定されている正規の加算回
数N(=8192)回に到達したときに加算回路23の
各サンプリング点毎の加算値を読み出し、その加算回数
Nで除して得られる正規化値をあらかじめ設定されてい
る閾値と比較する比較回路26と、この比較回路26が
閾値を超える値を示すサンプリング点が複数点ある場合
に所定の演算を行ってピーク位置を求めるピーク検出回
路27と、このピーク検出回路27が出力するピーク位
置から前方の物標までの距離を算定して出力する距離算
定回路28と、この実施例の特徴部分として、SDL1
4b−LとSDR14b−Rとの送光を交互に切替える
指令をレーダヘッド10のSD切替回路32に与えるS
D切替指令回路29と、割込車両の判定を行う割込判定
回路30が設けられている。
【0093】次に、上記構成の第4の実施例の動作につ
いて図12及び図13を参照しながら説明する。第4の
実施例でも第1の実施例と同じように、外部からこの車
両用レーダ装置のスイッチ投入、あるいはリセット操作
によって測距動作のスタート指令が信号処理部12に入
力されることによって、距離算定回路28はロジック回
路11のトリガ回路19にスタートパルスを入力する。
トリガ回路19はこのスタートパルスを受けると、図3
及び図12(1)に示すように、一定サンプリング周期
4μs毎に一定の時間幅の送光駆動パルスをレーダヘッ
ド10に与え、このサンプリングを所定回数N回繰り返
して1回の測距動作を完了し、次の測距動作に移行す
る。
【0094】レーダヘッド10では、LD14aを図1
2(2)に示すようにスタートパルスを受けるたびに発
光させ、N回の発光を連続的に行う。これと共に、SD
L14b−LはSD切替指令回路29からの指令に基づ
いてSD切替回路32が指示する第1回目、第3回目、
第5回目、…の偶数回目の測距動作毎にN回のスタート
パルスの入力毎に発光し、逆にSDR14b−RはSD
切替指令回路29からの指令に基づいてSD切替回路3
2が指示する第2回目、第4回目、第6回目、…の奇数
回目の測距動作毎にN回のスタートパルスの入力毎に発
光させる。
【0095】受光素子16は第1の実施例と同じよう
に、光信号が前方の物標に反射して戻ってくる方向から
の光信号を連続的に受信し、図3(2)に示すように、
前方に先行車のような物標が存在するならば、それに反
射して戻ってくる反射パルスを外部雑音と共に受信す
る。
【0096】送光信号の出力と同時に、トリガ回路19
はサンプリングパルス発生回路20にトリガ信号を与
え、サンプリングパルス発生回路20は図3(3)に示
すような高速周期Δt(=66.7ns)のサンプリン
グパルスを一定個数nずつ、例えば0〜130mの範囲
を10m刻みで測距する場合にはn=14個のパルスを
シフトレジスタ21に出力する。
【0097】シフトレジスタ21はサンプリングパルス
発生回路20からのサンプリングパルスを受ける度に1
ビットずつシフトし、各ビット毎に対応するサンプリン
グ点の利得可変増幅器17から出力される2値化受光信
号が“0”であればそのまま、“1”であれば反転させ
る。そして1回のサンプリングが終了してエンドパルス
をサンプリングパルス発生回路20が出力すれば、信号
処理部12の加算回路23がこのエンドパルスを受けて
シフトレジスタ21の各ビットのデータを読み出し、各
ビット毎のデータをそれまでの累積値に加算していく加
算処理を行う。この加算処理はこの実施例では、SDL
14b−L、SDR14b−Rそれぞれの発光期間毎に
8192回ずつ交互に繰り返される。
【0098】信号処理部12のカウンタ22はサンプリ
ングパルス発生回路20からのエンドパルスをカウント
し、それがあらかじめ設定されている値である8192
に到達すると、比較回路26に1回の測距動作の完了信
号を通知し、比較回路26は加算回路23から図3
(4)に示すような各サンプリング点毎の加算データを
読み出してきて加算回数Nである8192で除して正規
化値を求め、これをあらかじめ設定されている閾値TH
と比較し、どのサンプリング点の正規化加算値が閾値T
Hを超えているかを判定する。
【0099】次に、比較回路26の比較結果をピーク検
出回路27に出力し、ここでピーク位置の検出を行う。
ピーク位置の検出処理は、図3(5)に示すように、サ
ンプリング加算出力の最大値とその次に大きい値を示す
サンプリング点を見出し、それらのピーク点とその前後
のサンプリング点の加算値それぞれとを直線で結び、両
直線の交点を求め、その交点の時間的な位置を割り出し
て距離算定回路28に出力する。ここで、受光信号のピ
ークが急峻で、1カ所にしか閾値を超えるサンプリング
点がなければそのサンプリング点をピークの時間的な位
置として距離算定回路28に出力する。
【0100】距離算定回路28はピーク検出回路27か
ら与えられるピークの時間的な位置データを、送光素子
14a,14bから送光パルスが発射され、物標に反射
して戻ってくるまでにかかる時間と光信号速度との関係
から物標までの空間的な距離に換算し、その距離データ
を表示装置13に出力して測距結果を表示装置13によ
って表示し、運転者に知らせる。
【0101】この距離算定結果の出力と共に、距離算定
回路28はトリガ回路19へ新たにスタートパルスを出
力し、次の右側、左側いずれか反対側のSDを発光させ
る測距動作を開始させるようにする。
【0102】このような一連の測距動作においても、第
1の実施例と同じように図4及び図5のフローチャート
に基づく送光パルス出力の制御、また受光信号の利得制
御処理を実行する。
【0103】次に、この第4の実施例による割込車両の
割込方位判定処理について、図13のフローチャートに
基づいて説明する。測距動作がスタートし、出力/利得
の調整が終了して適正なSN比で測距処理が行えるよう
になれば、LD14aは各測距動作毎に連続してN(=
8192)回ずつ発光させ、そしてSDL14b−Lと
SDR14b−Rとは測距動作毎に交互にN回ずつ発光
させ、それぞれの測距動作毎の加算回路23の正規化加
算値からピーク検出回路27と距離算定回路28によっ
て左側距離、右側距離それぞれを算定し、これらを割込
判定回路30に入力する(ステップS41〜S43)。
【0104】割込判定回路30では、これらの左側距
離、右側距離を比較し、例えば左側前方には反射物標が
存在せず、右側前方に反射物標を検出している場合には
右側からの割込車両有りと判定し、逆に右側前方には反
射物標が存在せず、左側前方に反射物標を検出している
場合には左側からの割込車両有りと判定し、それぞれの
割込車両の発見とその割込方位とを表示装置13に表示
させ、同時にその割込車両までの距離を表示させる(ス
テップS43,S44)。
【0105】しかしながら、ステップS43において、
両側で共に反射物標を検出している場合には先行車両が
存在していると判断し、距離算定回路28が出力する右
側、左側それぞれの距離算定結果を平均した値を測距結
果として表示装置13に表示させる(ステップS4
5)。
【0106】こうしてこの第4の実施例によれば、特に
注意を要する近距離レンジに割込車両が発生した場合
に、すばやくその割込と割込方位を検出して表示するこ
とができるようになる。
【0107】次に、請求項5及び請求項6の発明の共通
する実施例を図14〜図17に基づいて説明する。この
第5の実施例の車両用レーダ装置は、図14に示す回路
構成を有し、またその信号処理部12は図15に示す内
部構成であり、特徴とする点は、当該装置を搭載した車
両の操舵角を検出する舵角センサ33を新たな備え、ま
た信号処理部12がソフトウェアプログラムとして舵角
判定回路31を新たに備えたところにある。なお、その
他の構成要素については、図10及び図11に示した第
4の実施例と共通する部分について、同一の符号を付し
て示してある。
【0108】この第5の実施例では、当該車両の走行中
に舵角センサ33が常時、操舵角を検出して信号処理部
12の舵角判定回路31に入力している。そして舵角判
定回路31は、この操舵角検出信号から操舵方向を判定
すると共に、舵角の大小を判定し、その結果をレンジ切
換指令回路25及びSD切替判定回路29に与えるよう
になっている。
【0109】またレンジ切替回路25は第1〜第4の実
施例と同じく反射物標の存在レンジに応じてLDの発
光、消灯の切替制御指令を出力すると共に、舵角判定回
路31からの舵角が大きいとの入力があればLD14a
を消灯させる指令を出力するようになっている。またS
D切替判定回路29は、第4の実施例と同じくSDL1
4b−LとSDR14b−Rとの交互切替制御を行うと
共に、舵角判定回路31からの操舵方向の入力に応じて
SDL14b−LとSDR14b−Rとのいずれかを消
灯させる指令を出力するようになっている。
【0110】次に、上記構成の第5の実施例の車両用レ
ーダ装置の動作について説明する。この第5の実施例の
車両用レーダ装置にあっても第4の実施例のものと同じ
ように、初期加算値を評価して出力/利得調整を行う機
能、近距離レンジのサンプリング点にサチュレーション
が発生した場合にLD14aを消灯させる機能、このL
D14aを消灯させているときにサンプリング点数を近
距離レンジのものに制限する機能、左右からの割込車両
の検出機能をすべて備えている。
【0111】加えて、この第5の実施例では図16のフ
ローチャートに示すように、舵角判定回路31が舵角セ
ンサ33からの信号に基づいて、操舵がなされたかどう
か監視している(ステップS51)。
【0112】そしてハンドルの遊び角以上の操舵がなさ
れない場合には直進中であると判定し、測距動作をスタ
ートさせ、出力/利得の調整が終了して適正なSN比で
測距処理が行えるようになれば、LD14aは各測距動
作毎に連続してN回ずつ発光させ、そしてSDL14b
−LとSDR14b−Rとは測距動作毎に交互にN回ず
つ発光させ、それぞれの測距動作毎の加算回路23の正
規化加算値からピーク検出回路27と距離算定回路28
によって左側距離、右側距離それぞれを算定し、これら
を割込判定回路30に入力する(ステップS52〜S5
4)。
【0113】割込判定回路30では、これらの左側距
離、右側距離を比較し、例えば左側前方には反射物標が
存在せず、右側前方に反射物標を検出している場合には
右側からの割込車両有りと判定し、逆に右側前方には反
射物標が存在せず、左側前方に反射物標を検出している
場合には左側からの割込車両有りと判定し、それぞれの
割込車両の発見とその割込方位とを表示装置13に表示
させ、同時にその割込車両までの距離を表示させる(ス
テップS55,S56)。
【0114】しかしながら、ステップS54において、
両側で共に反射物標を検出している場合には先行車両が
存在していると判断し、距離算定回路28が出力する右
側、左側それぞれの距離算定結果を平均した値を測距結
果として表示装置13に表示させる(ステップS5
6)。
【0115】前述のステップ51の操舵判定において、
舵角センサ33からの信号によってハンドルの遊び角以
上の舵角が検出された場合には、舵角判定回路31は操
舵方向を判定する。そこでいま、説明の便宜のために、
図17に示すように右カーブのために右方向に操舵され
た場合について考慮すると、続いて、舵角が所定の比較
値よりも大きいかどうかを判定する(ステップS5
7)。これは、舵角が小さい場合は同図(a)に示すよ
うにカーブが緩やかであり、カーブが緩やかであればL
D14aを発光させておいても路側の固定障害物、例え
ばガードレールや建造物、崖斜面などを検出しないが、
舵角が大きい場合は同図(b)に示すようにカーブが急
であり、LD14aを発光させると路側の固定障害物を
検出してしまい、前方の路上の車両の測距ができなくな
る恐れがあり、このカーブの緩急によってLD14aの
発光、消灯を制御する必要があるためである。
【0116】そこで、舵角が所定角度よりも小さい場合
には、レンジ切替指令回路25にはLD消灯指令を出力
せず、SD切替判定回路29に操舵方向と反対側のS
D、つまり左側近距離用送光素子(SDL)14b−L
を消灯させる指令を出力し、これによってSD切替判定
回路29はレーダヘッド10のSD切替回路32にSD
L14b−Lを消灯する指令を出力し、図17(a)に
示すようにLD14aと右側の近距離用送光素子(SD
R)14b−Rとを発光させながら前方の測距を継続し
(ステップS58)、反射物標を検出したときには距離
算定を行い、その結果を表示する(ステップS56)。
【0117】ステップS57の舵角の大小判定におい
て、舵角が所定角度よりも大きい場合には、前述のよう
に路側の固定障害物を検出しないようにするために、舵
角判定回路31はレンジ切替指令回路25にLD14a
の消灯指令を与え、同時にSD切替判定回路29に左側
近距離用送光素子(SDL)14b−Lを消灯させる指
令を出力し、これによって図17(b)に示すように右
側の近距離用送光素子(SDR)14b−Rのみを発光
させながら前方の測距を継続し(ステップS59)、反
射物標を検出したときには距離算定を行い、その結果を
表示する(ステップS56)。
【0118】前述のステップS51の操舵方向の判定に
おいて左方向に操舵されたと判定した場合には、ステッ
プS60において舵角の大小を判定し、左カーブの緩急
に応じて上記と同じように緩カーブであればLD14a
と左側の近距離用送光素子(SDL)14b−Lとを発
光させた状態で測距を行い(ステップS61,S5
6)、逆に急カーブであれば左側の近距離用送光素子
(SDL)14b−Lのみを発光させた状態で測距を行
うように制御する(ステップS62,S56)。
【0119】こうして、この第5の実施例によれば、車
両がカーブを曲がっている最中に前方の反射物標を検出
しようとするときにカーブの外側に存在するガードレー
ルその他の固定障害物を誤って検出することがなく、カ
ーブ上でも前方の車両の測距を正しく行うことができる
ようになる。
【0120】なお、この第5の実施例ではカーブの緩急
に応じてLD14aの点灯、消灯の制御を行うようにし
たが、請求項5の発明の場合、回路構成、制御の簡略化
するためにこの機能を省略することもできる。
【0121】次に、請求項7の発明の実施例を図に基づ
いて詳説する。この第6の実施例の回路構成は図18〜
図21に示してあるが、図18に示すようにレーダ装置
は大きく分けて、外部の物標に向けて送光パルス信号を
所定周期で複数回繰り返し送出し、物標に反射して帰っ
てくる反射パルスを含む外部からの信号を受信し、増幅
後に2値化して2値化受信信号として出力するレーダヘ
ッド10´と、各回路の動作制御を行い、トリガ信号、
入力タイミング信号、出力タイミング信号等の制御信号
を出力するロジック回路11´と、この2値化受信信号
を複数のレンジブロック毎に積分し、その積分を所定の
N回繰り返す積分回路を含み、その積分回路のレンジブ
ロック毎の積分値を閾値と比較して閾値を超えるレンジ
ブロックがあれば、そのレンジブロックに対応する距離
を算定し、物標の有無及びその物標までの距離を測距デ
ータとして出力する信号処理部12´と、表示装置13
から構成されている。
【0122】そしてレーダヘッド10´は、図1に示し
た第1の実施例とほぼ同じ構成であり、ロジック回路1
1´から一定周期で所定回数分のトリガ信号を受けて、
各トリガ信号に同期してパルス状の送光信号を出力する
遠距離用送光素子(LD)14aと、近距離用送光素子
(SD)14bと、これらの送光素子14a,14bの
送光出力調整を行う送光出力調整回路15と、外部から
の光信号を受信する受光素子16と、雑音に埋もれた微
弱な反射パルスを検出するためにこの受光素子16の受
信信号を雑音も含めて増幅し、かつ増幅された受信信号
の瞬時値が所定の基準値、例えば0Vより大きいか小さ
いかを判別して2値化信号にして出力する利得可変増幅
器17から構成されていて、この利得可変増幅器17か
ら信号処理部12´に2値化受信信号が出力されるよう
になっている。
【0123】信号処理部12´は図19に示すような構
成であり、図2に示した第1の実施例の信号処理部12
において、加算回路23に代えて積分回路41を備え、
また初期加算値比較回路24に代えて初期積分値比較回
路42を備えた点が異なっている。その他の構成部分に
ついては、第1の実施例と共通しており、同一の符号を
付することにより詳しい説明は省略する。
【0124】信号処理部12´の積分回路41は図20
に示す構成であり、複数nのレンジブロック(サンプリ
ング期間)毎にN回繰り返して2値化受信信号をレンジ
ブロックΔtの時間幅ずつ積分するために、n個の入力
アナログスイッチ41a−1〜41a−nと、これらの
入力アナログスイッチ41a−1〜41a−n各々から
それらのオンタイムに入力される2値化受信信号を積分
するn個のRC積分器41b−1〜41b−nと、これ
らの積分器41b−1〜41b−n各々の積分値を出力
するn個の出力アナログスイッチ41c−1〜41c−
nから構成されている。入力アナログスイッチ41a−
1〜41a−n各々はロジック回路11からの入力タイ
ミング信号43によってオン/オフが切替えられ、また
出力アナログスイッチ41c−1〜41c−nはロジッ
ク回路11´からの出力タイミング信号44によってオ
ン/オフが切替えられるようになっている。
【0125】ロジック回路11´は図21に示すように
クロック45、このクロック45から出力されるクロッ
ク信号を取り込んでスタートパルスを出力し、1度の測
距動作で繰り返す積分回数を設定するスタートパルス発
生回路46、クロック信号を取り込み、かつスタートパ
ルス発生回路46からスタートパルスを受けてトリガ発
生時期を認識し、トリガ信号を送光素子14a,14b
に一定周期毎に出力するトリガ発生回路47及びクロッ
ク信号を取り込んで起動時期を認識する一方、スタート
パルス発生回路46の指令に応じてサンプリングの開始
時期及び終了時期を認識し、信号処理部12´のサンプ
リング動作を制御するサンプリングパルス発生回路48
を備えている。
【0126】ロジック回路11´はまた、サンプリング
パルス発生回路48からのサンプリングパルス信号、ト
リガ発生回路47からのトリガ信号を入力して積分回路
41に入力タイミング信号43を出力するnビットのシ
フトレジスタ49と、サンプリングパルス発生回路48
からのエンドパルス信号とサンプリングパルス信号を受
けて積分回路41に出力タイミング信号44を出力する
nビットのシフトレジスタ50を備えている。
【0127】図19に示す信号処理部12´の初期積分
値比較回路42は、カウンタ22のカウント値があらか
じめ設定されている初期積分回数M回(ここでは、例え
ば1000回とする)に到達したときに積分回路41の
各サンプリング期間毎の積分値を読み出し、レンジブロ
ックの飽和値S´で除して得られる正規化積分値(この
正規化値は0〜1の範囲の値であり、反射パルスが受信
信号の中に含まれておらず、したがって雑音ばかりであ
るときにはほぼ0.5の値を示す)をあらかじめ設定し
た比較値A´と比較し、SN比の適否を判定するもので
ある。
【0128】そして、信号処理部12´の比較回路26
は、カウンタ22のカウント値があらかじめ設定されて
いる正規の積分回数N回(ここでは、例えば8192回
とする)に到達したときに積分回路41の各レンジブロ
ック毎の積分値を読み出し、その飽和値S´で除して得
られる正規化積分値をあらかじめ設定されている閾値T
H´と比較する。
【0129】上記構成の第6の実施例の車両用レーダ装
置の動作について説明する。外部からこの車両用レーダ
装置のスイッチ投入、あるいはリセット操作によって測
距動作のスタート指令が信号処理部12´に入力される
ことによって、距離算定回路28はロジック回路11´
にスタート指令を入力し、スタートパルス発生回路46
はトリガ発生回路47にスタートパルスを入力する。ト
リガ発生回路47はこのスタートパルスを受けると、サ
ンプリング周期4μS´毎に一定の時間幅(これは後述
するサンプリングパルス周期Δtよりも広いもので、サ
ンプリングパルス周期Δtを66.7nS´とすると、
その2倍の133nS´幅をとする)の送光駆動パルス
をレーダヘッド10´に与える。
【0130】これを受けて、遠距離用送光素子(LD)
14a、近距離用送光素子(SD)14bそれぞれがあ
らかじめ設定されている出力の光信号を送出パルス幅で
ある前述の133nS´の間、前方に向けて出力する。
【0131】これと同時に受光素子16は送光信号と同
種の外部からの光信号に感応して連続的に受信し、その
受信信号を利得可変増幅器17に与えて雑音を含めた微
弱な信号を増幅し、さらに2値化受信信号に変換して信
号処理部12´に出力する。この際、受信信号が雑音ば
かりであれば2値“0”,“1”それぞれの出現確率は
0.5ずつであり、SN比に応じて上記の基準値より大
である確率が0.5から1の間に分布する。そしてSN
比と上記基準値より大である確率は1対1で対応する。
【0132】またロジック回路11´のサンプリングパ
ルス発生回路48は、入力タイミング信号43を送出す
るためのnビットシフトレジスタ49に対して、トリガ
発生回路47からの各トリガ信号の入力に同期してΔt
(例えば、66.7nS´)周期のn個(例えば、n=
14個)のサンプリングパルスを出力し、各サンプリン
グパルスの入力毎にQ1〜Qnの出力端子の“H”状態
を順繰りにシフトさせ、これを入力タイミング信号43
として積分回路41に与える。
【0133】そこで図22に示すように、積分回路41
の入力アナログスイッチ41A´−1〜41A´−n各
々は、入力タイミング信号43によって自スイッチに対
応する信号が“H”信号の時にオン動作し、“L”に切
り替わるとオフ動作して、オン状態の間、2値化受信信
号を積分器41B´−1〜41B´−nのうちの対応す
るレンジブロックの積分器に出力し、キャパシタによっ
て充電することによって2値化受信信号をサンプリング
期間Δtずつ積分する。
【0134】そしてn個の入力アナログスイッチ41A
´−1〜41A´−nについて1度ずつオン/オフ動作
を行い、1回の積分動作が完了すると、次のトリガ信号
と同期して次回の積分動作を繰り返し、以上の積分動作
をトリガ信号が繰り返し入力される所定回数、繰り返
す。
【0135】サンプリングパルス発生回路48はトリガ
信号の個数をカウントしていて、所定回数8192の積
分動作が完了するとエンドパルスを出力タイミング制御
用のnビットのシフトレジスタ50に出力すると、この
シフトレジスタ50はサンプリングパルス発生回路48
からの同じΔtの周期のサンプリングパルスを入力して
出力端子Q1〜Qn各々の“H”状態を順繰りにシフト
させ、これを出力タイミング信号44として積分回路4
1に与える。
【0136】積分回路41の出力アナログスイッチ41
c−1〜41−n各々は、出力タイミング信号44のう
ち自スイッチに対応する信号が“H”になった時にオン
動作し、“L”に切り替わるとオフ動作して、オン状態
の間に自スイッチに接続されている積分器の積分値を比
較回路26に順繰りに出力していく。
【0137】そして比較回路26では、n個のすべての
積分器41c−1〜41c−nの積分値を受け取ると、
これを積分器の飽和電圧値S´、例えば5Vを1として
正規化した後、雑音レベルを識別する所定の閾値TH´
を超えるレンジブロックがないかどうか走査する。
【0138】ここで正規化することによって、雑音のみ
の場合は0.5となり、物標による反射パルスが含まれ
ていればそのSN比に応じて0.5〜1の間に分布する
ことになる。そこで、図23に示すように、閾値TH´
を超える正規化積分値を示すレンジブロック(例えば#
iのレンジブロックとする。なお、図23において正規
化積分値を各レンジブロックの中央位置に対応させてプ
ロットしているが、これは各レンジブロックとの対応で
積分値を図示するために便宜的に中央位置にプロットし
て示しているのであって、実際に各レンジブロック毎の
中間位置の積分値を示しているものではない。つまり、
#1レンジブロックは0m、#2レンジブロックは10
m、#3レンジブロックは20m、…、#iレンジブロ
ックは(i−1)×10m、…のそれぞれの位置に対応
するサンプリング期間を示しているのである。以下、各
タイミングチャートにおいて同様。)が検出されれば、
距離算定回路28が送信タイミングからそのレンジブロ
ックで反射パルスを検出するまでの時間遅れτをτ=Δ
t×iによって求め、また1レンジブロック当たりに対
応する距離、例えば10m刻みであれば10mをiにか
けることによって物標までの距離を算定し、その距離デ
ータを表示装置13に出力して表示させる。
【0139】次に、比較回路26の比較結果において閾
値TH´を超えるレンジブロックが複数点にあれば、こ
れをピーク検出回路27に出力し、ここでピーク位置の
検出を行う。ピーク位置の検出処理は、図24に示すよ
うに、サンプリング積分出力の最大値A´1とその次に
大きい値A´2を示すレンジブロック#i+2 ,#i+1を
見出し、それらの点とその前後のレンジブロックの積分
値それぞれとを直線A´1,A´2で結び、両直線の交
点A´を求め、その交点の時間的な位置を割り出して距
離算定回路28に出力し、上記の方法で距離算定を行
い、表示装置13に出力する。
【0140】この距離算定結果の出力と共に、距離算定
回路28はスタートパルス発生回路46に新たにスター
ト指令を出力し、次の測距動作を開始させるようにす
る。
【0141】このような一連の測距動作において、この
発明の特徴である送光パルス出力の制御、また受光信号
の利得制御処理について説明する。図25のフローチャ
ートに示すように、測距動作がスタートし、積分回路4
1がサンプリング積分処理を繰り返し、カウンタ22が
サンプリングパルス発生回路48から出力されるエンド
パルスをカウントするが、初期積分値比較回路42はカ
ウンタ22のカウント値が初期比較実行値として設定さ
れているMに到達すると(ステップS´71)、積分回
路41のそれまでのサンプリング積分値を読み出して飽
和値S´で除して正規化し、各レンジブロック毎にあら
かじめ設定した下限比較値A´(=0.5+γ:γは上
述のαと同じく、0.5に対して数%とする)、上限比
較値B´(=1−δ:δは1に対して数%〜10数%と
する)それぞれと比較する。そして図26のグラフに示
す状態のように、レンジブロック#1,#2,…,#n
のいずれの正規化積分値も下限比較値A´を超えない場
合には送光パルス出力が不足し、あるいは受光利得が不
足していると判断してレンジ切換判定を行う(ステップ
S´72,S´73)。
【0142】レンジ切換指令回路25はレンジ切換指令
を初期積分値比較回路42から受けると、第1の実施例
と同様に図5に示すフローチャートに基づき、レンジ切
換動作を実行する。このレンジ切換動作は、遠距離用送
光素子(LD)14aが発光しているかどうかまず判定
し(ステップS´11)、LD14aが発光していれば
その信号出力を1段階上昇させる送光出力調整信号を送
光出力調整回路15に与えてレンジ切換処理を終了する
(ステップS´12)。先のステップS´11の判定で
LD14aが発光していない場合には、近距離用送光素
子(SD)14bに対してその信号出力を1段階上昇さ
せる送光出力調整信号を送光出力調整回路15に与え、
同時に利得可変増幅器17に受光利得を1段階上昇させ
る指令を与えてレンジ切換処理を終了する(ステップS
´13)。これによって次回の測距動作では、特にピー
ク位置のレンジブロックの正規化積分値が大きくなる。
【0143】図25に示すフローチャートのSN比適正
判定ステップS´72において、逆に、図27に示す状
態のようにレンジブロック#1,#2,…,#nの正規
化積分値のいずれかが上限比較値B´を超える場合には
送光パルス出力が大きすぎ、あるいは受光利得が高すぎ
て積分値がサチュレーションを起こしていると判断し、
初期積分値比較回路42からレンジ切換指令回路25に
レンジ切換指令を出力する(ステップS´72,S´7
3)。そしてこのレンジ切換指令を受けると、レンジ切
換指令回路25は、同じようにLD14aが発光してい
るかどうか判定し(図5におけるステップS´11)、
LD14aが発光していればその信号出力を1段階低下
させる送光出力調整信号を送光出力調整回路15に与え
てレンジ切換処理を終了する(図5におけるステップS
´12)。先のステップS´11の判定でLD14aが
発光していない場合には、SD14bに対してその信号
出力を1段階低下させる送光出力調整信号を送光出力調
整回路15に与えると共に、受光利得を1段階低下させ
る指令を利得可変増幅器17に与えてレンジ切換処理を
終了する(図5におけるS´13)。これによって次回
の測距動作では、特にピーク位置のレンジブロックの正
規化積分値が小さくなる。
【0144】こうして距離レンジの1段階の自動調整が
終了した後、再び初期積分値比較回路42がトリガ回路
47にスタートパルスを出力して送光パルスの再出力を
開始させ(ステップS´71)、上記のSN比の適否判
定を繰り返す(ステップS´72)。
【0145】1度の、あるいは何度かの出力制御又は/
及び利得制御の結果、ステップS´72の判定でSN比
が適正なものとなれば、M(=1000)回以降のサン
プリング積分処理がN(=8192)回まで継続され
(ステップS´74)、カウンタ22がN回のエンドパ
ルスの入力をカウントすれば、上記の距離算定を実行
し、その結果を表示装置13に表示出力する(ステップ
S´75,S´76)。
【0146】こうして、この実施例の車両用レーダ装置
では、遠距離用送光素子、近距離用送光素子と2つの測
距レンジの送光素子をレーダヘッドに備えていて、得ら
れる各レンジブロックのSN比が悪い場合、遠距離用送
光素子が使用されている場合にはその出力調整を行い、
近距離用送光素子が使用されている場合にはその出力調
整と共に可変利得増幅器の利得調整も行うことによって
レンジ切換処理を行い、常に適正なSN比で測距処理が
できるようになるのである。
【0147】しかもこれらの出力/利得調整を初期積分
回数Mに達したときのSN比を見て行うので、SN比調
整が迅速に行えることになる。
【0148】なお、上記実施例では送光素子の出力調整
には送光素子に印加する電流を調整する方式を用い、ま
た受光利得の調整には受光信号の増幅器にA´GC機能
を備えたものを用いているが、これに限定されることは
なく、送光系に赤外光フィルタを段階的に挿入したり、
受光系にシャッタを設けて受光量を段階的に調整する方
式を採用することもできる。さらに、受光素子の印加電
圧の調整、また受光信号の伝送系に可変減衰器を挿入す
る方法も採用することができる。
【0149】次に、請求項8の発明の一実施例につい
て、図28に基づいて説明する。この第7の実施例の特
徴は、図19に示した第6の実施例の初期積分値比較回
路42にいずれのレンジブロックでサチュレーションが
生じているかを特定する機能を付加し(これは、初期積
分値比較回路を実現するソフトウェアプログラムにこの
機能を追加することを意味する)、サチュレーションが
発生しているサンプリング期間が近距離レンジである場
合、レンジ切換指令回路25に遠距離用送光素子の消灯
指令を出力させるようにした点にある。したがって、回
路構成は第6の実施例と共通であり、初期積分値比較回
路42が図28のフローチャートに基づく処理を実行す
るようにした点が異なるだけである。
【0150】この第7の実施例による測距動作は次のよ
うになる。初期積分値比較回路42がまず初期積分回数
M(=1000)回の積分結果を評価し、積分回路41
のそれまでのサンプリング積分値を読み出して飽和値S
´で除して正規化し、各レンジブロック毎にあらかじめ
設定した下限比較値A´、上限比較値B´それぞれと比
較してSN比の適否を判定する(ステップS´81,S
´82)。
【0151】この判定においてSN比が適正であれば、
続く正規の積分回数N(=8192)回までの積分処理
を再開し(ステップS´83)、カウンタ22がN回の
エンドパルスの入力をカウントすれば、上記の距離算定
を実行し、その結果を表示装置13に表示出力する(ス
テップS´84,S´85)。
【0152】前述のSN比の適否の判定においてSN比
が不適であると判定された場合には(ステップS´8
2)、いずれかのサンプリング期間でサチュレーション
が発生していないかどうかを上限比較値B´との比較に
おいて実行する(ステップS´86)。そしてサチュレ
ーションが起こってないならば、いずれのレンジブロッ
クの正規化積分値も下限比較値A´を超えていないこと
になるので、レンジ切換処理を行う(ステップS´9
0)。このレンジ切換処理は、図5に示した第1及び第
6の実施例と同じ処理である。
【0153】一方、上限比較値B´を超えるレンジブロ
ックが見出され、サチュレーションが発生していると判
定すれば(ステップS´86)、次に、そのサチュレー
ションの発生しているレンジブロックが近距離レンジに
属するかどうかを判定する(ステップS´87)。この
近距離レンジは、近距離用送光素子(SD)14bの信
号到達距離範囲として、例えば40mに設定することが
できる。
【0154】そして近距離レンジにおいてサチュレーシ
ョンの発生しているレンジブロックがあれば、その点に
おいて物標が存在するので、強度の強いLD14aが発
光していればそれを消灯させることによって送光信号強
度を一気に低下させる指令をレンジ切換指令回路25に
出力し、このレンジ切換指令回路25がレーダヘッド1
0の送光出力調整回路15にLD消灯指令を出力し、L
D14aを消灯させる(ステップS´88,S´8
9)。しかしながら、LD14aが発光していなければ
レンジ切換出力に移行する(ステップS´88,S´9
0)。このレンジ切換処理も、図5に示した第1及び第
6の実施例と同じ処理である。
【0155】この第7の実施例によれば、前方に反射物
標がない状態から急に近距離レンジに割込車が生じた状
況での反応性が改善できる。つまり、近距離レンジで割
込が発生すると、物標が近くにあるのでその物標からの
反射パルスが大きくなり、SN比が上限比較値B´を超
えることになってレンジ切換が発生する。このレンジ切
換を何度も行うのでは時間がかかるが、LD14aを一
気に消灯させるならば、その出力が大きいものなのでそ
の消灯によって送光パルスの出力が一気に低下し、それ
だけ反射パルスのレベルも急激に低下させることがで
き、レンジ切換処理が少ない回数で済むことになり、そ
れだけ反応性が改善されるのである。
【0156】そしてこのことは、追突などの危険が多い
の近距離前方に割込車両があったときであるが、それを
迅速に検出することができるようになり、そのメリット
は大きい。
【0157】次に、請求項9の発明の一実施例について
図29に基づいて説明する。この第8の実施例の特徴
は、上述した第7の実施例においてさらに、初期積分値
比較回路42がレンジ切換処理を図5のフローチャート
にしたがって実行する代わりに、図29のフローチャー
トにしたがって実行するようにした点にある。この機能
の変更も、ソフトウェアプログラムを変更することによ
って実現される。したがって、回路構成は図18〜図2
1に示した第6の実施例と共通である。
【0158】この第8の実施例の車両用レーダ装置は図
28のフローチャートに基づく測距動作を行い、初期積
分値比較回路42が初期積分値比較処理においてレンジ
切換処理に移行した場合には(ステップS´90)、図
29に示すフローチャートを実行することになる。
【0159】このレンジ切換処理では、LD14aが発
光しているかどうか判断し(ステップS´91)、LD
14aが発光していれば遠距離点に物標が存在する可能
性があるのでレンジブロック数n(=14)のすべての
積分値を使用する設定を行い、各レンジブロックの正規
化積分値のSN比が適切なものとなるようにLD14a
の送光出力調整指令をレンジ切換指令回路25に与え、
レンジ切換処理を終了する(ステップS´92,S´9
3)。
【0160】しかしながら、レンジ切換処理に入ったと
きに、LD14aが発光していなければ、近距離レンジ
に物標が存在する可能性があるので、近距離レンジに属
するレンジブロックの積分値の評価を行えばよいことに
なり、近距離レンジに属するレンジブロックm(=5)
個について積分値評価するように比較回路26に制限指
令を与え、同時にレンジ切換指令回路25にSD14b
に対する送光出力の増減指令と利得可変増幅回路17に
対する受光利得増減指令を出力する(ステップS´9
4,S´95)。
【0161】レンジ切換指令回路25はこの指令を受け
てレーダヘッド10に送光出力増加指令、また受光利得
増加指令を出力する際にはそれらが最大出力指令、ある
いは最大利得指令に到達していないかどうか判断し(ス
テップS´96)、最大になっていればSD14bだけ
の出力では弱すぎると判断し、LD14aを点灯させる
指令を出力してレンジ切換処理を終了する(ステップS
´97)。
【0162】こうして、この第8の実施例によれば、積
分値のサチュレーションが近距離レンジのレンジブロッ
クにおいて発生する場合、検出すべき反射物標が近距離
レンジに存在すると予測することができるので、その測
距のためには近距離レンジの測距だけを行えばよいこと
になる。そこで積分値の評価を近距離レンジのレンジブ
ロックのみに制限して行うようにすると積分値評価点数
が少なくなり、それだけ短い時間で測距動作することが
できるようになり、結果として近距離に存在する物標の
測距が迅速に行えるようになる。
【0163】次に、請求項10の発明の一実施例を図3
0〜図32及び図12に基づいて説明する。この第9の
実施例の車両用レーダ装置は、図30の回路図に示すよ
うに、レーダヘッド10´においてLD14aと共に、
SDとして主として左側前方にパルス状の光信号を送光
する左側近距離用送光素子(SDL)14b−Lと主と
して右側前方にパルス状の比較信号を送光する右側近距
離用送光素子(SDR)14b−Rとを備え、送光出力
調整回路もLD送光出力調整回路15aとSD送光出力
調整回路15bを備え、さらにSDL14b−LとSD
R14b−Rとの送光出力を各測距動作毎に交互に切替
えるSD切替回路32を備えている。なお、その他の構
成要素については、図18に示した第6の実施例と共通
であり、同一の部分については同一の符号を付して示し
てある。
【0164】また信号処理部12´は図31に示す構成
を有しており、大部分が図19に示した第6の実施例と
共通するが、この実施例の特徴部分として、SDL14
b−LとSDR14b−Rとの送光を交互に切替える指
令をレーダヘッド10´のSD切替回路32に与えるS
D切替指令回路29と、割込車両の判定を行う割込判定
回路30が設けられている。
【0165】次に、上記構成の第9の実施例の動作につ
いて図32のフローチャートを参照しながら説明する。
第9の実施例でも第6の実施例と同じように、外部から
この車両用レーダ装置のスイッチ投入、あるいはリセッ
ト操作によって測距動作のスタート指令が信号処理部1
2´に入力されることによって、距離算定回路28はロ
ジック回路11´のスタートパルス発生回路46にスタ
ート指令を入力し、スタートパルス発生回路46はトリ
ガ発生回路47にスタートパルスを入力する。トリガ発
生回路47はこのスタートパルスを受けると、一定サン
プリング周期4μS´毎に一定の時間幅の送光駆動パル
スをレーダヘッド10´に与え、このサンプリングを所
定回数N回、すなわち8192回繰り返して1回の測距
動作を完了し、次の測距動作に移行する。
【0166】レーダヘッド10´では、LD14aを図
12(2)に示すようにスタートパルスを受けるたびに
発光させ、N回の発光を連続的に行う。これと共に、S
DL14b−LはSD切替指令回路29からの指令に基
づいてSD切替回路32が指示する第1回目、第3回
目、第5回目、…の偶数回目の測距動作毎にN回のスタ
ートパルスの入力毎に発光し、逆にSDR14b−Rは
SD切替指令回路29からの指令に基づいてSD切替回
路32が指示する第2回目、第4回目、第6回目、…の
奇数回目の測距動作毎にN回のスタートパルスの入力毎
に発光させる。
【0167】受光素子16は第6の実施例と同じよう
に、光信号が前方の物標に反射して戻ってくる方向から
の光信号を連続的に受信し、図23(2)に示すよう
に、前方に先行車のような物標が存在するならば、それ
に反射して戻ってくる反射パルスを外部雑音と共に受信
する。
【0168】信号処理部12´のカウンタ22はサンプ
リングパルス発生回路48からのエンドパルスをカウン
トし、それがあらかじめ設定されている値であるN(=
8192)に到達すると、比較回路26に1回の測距動
作の完了信号を通知し、比較回路26は積分回路41か
ら図23(4)に示すような各レンジブロック毎の積分
値を読み出してきて所定の飽和値S´で除して正規化積
分値を求め、これをあらかじめ設定されている閾値TH
´と比較し、どのレンジブロックの正規化積分値が閾値
TH´を超えているかを判定する。
【0169】次に、比較回路26の比較結果をピーク検
出回路27に出力し、ここでピーク位置の検出を行う。
ピーク位置の検出処理は、第6の実施例と同様、図24
に示すものである。
【0170】距離算定回路28はピーク検出回路27か
ら与えられるピークの時間的な位置データを、送光素子
14a,14b−L又は14b−Rから送光パルスが発
射され、物標に反射して戻ってくるまでにかかる時間と
光信号速度との関係から物標までの空間的な距離に換算
し、その距離データを表示装置13に出力して測距結果
を表示装置13によって表示し、運転者に知らせる。
【0171】この距離算定結果の出力と共に、距離算定
回路28はスタートパルス発生回路46へ新たにスター
ト指令を出力し、次の右側、左側いずれか反対側のSD
を発光させる測距動作を開始させるようにする。
【0172】このような一連の測距動作においても、第
6の実施例と同じように図25及び図5のフローチャー
トに基づく送光パルス出力の制御、また受光信号の利得
制御処理を実行する。
【0173】次に、この第9の実施例による割込車両の
割込方位判定処理について、図32のフローチャートに
基づいて説明する。測距動作がスタートし、出力/利得
の調整が終了して適正なSN比で測距処理が行えるよう
になれば、LD14aは各測距動作毎に連続してN回ず
つ発光させ、そしてSDL14b−LとSDR14b−
Rとは測距動作毎に交互にN回ずつ発光させ、それぞれ
の測距動作毎の積分回路41の正規化積分値からピーク
検出回路27と距離算定回路28によって左側距離、右
側距離それぞれを算定し、これらを割込判定回路30に
入力する(ステップS´101〜S´103)。
【0174】割込判定回路30では、これらの左側距
離、右側距離を比較し、例えば左側前方には反射物標が
存在せず、右側前方に反射物標を検出している場合には
右側からの割込車両有りと判定し、逆に右側前方には反
射物標が存在せず、左側前方に反射物標を検出している
場合には左側からの割込車両有りと判定し、それぞれの
割込車両の発見とその割込方位とを表示装置13に表示
させ、同時にその割込車両までの距離を表示させる(ス
テップS´103,S´104)。
【0175】しかしながら、ステップS´103におい
て、両側で共に反射物標を検出している場合には先行車
両が存在していると判断し、距離算定回路28が出力す
る右側、左側それぞれの距離算定結果を平均した値を測
距結果として表示装置13に表示させる(ステップS´
105)。
【0176】こうしてこの第9の実施例によれば、特に
注意を要する近距離レンジに割込車両が発生した場合
に、すばやくその割込と割込方位を検出して表示するこ
とができるようになる。
【0177】次に、請求項11及び請求項12の発明の
共通する実施例を図33〜図35及び図17に基づいて
説明する。この第10の実施例の車両用レーダ装置は、
図33に示す回路構成を有し、またその信号処理部12
´は図34に示す内部構成であり、特徴とする点は、図
30及び図31に示した第9の実施例の回路に対してさ
らに、当該装置を搭載した車両の操舵角を検出する舵角
センサ33を新たな備え、また信号処理部12´がソフ
トウェアプログラムとして舵角判定回路31を新たに備
えたところにある。その他の構成要素については、図3
0及び図31に示した第9の実施例と共通する部分につ
いて、同一の符号を付して示してある。
【0178】この第10の実施例では、当該車両の走行
中に舵角センサ33が常時、操舵角を検出して信号処理
部12´の舵角判定回路31に入力している。そして舵
角判定回路31は、この操舵角検出信号から操舵方向を
判定すると共に、舵角の大小を判定し、その結果をレン
ジ切換指令回路25及びSD切替判定回路29に与える
ようになっている。
【0179】またレンジ切替回路25は第6〜第9の実
施例と同じく反射物標の存在レンジに応じてLD14a
の発光、消灯の切替制御指令を出力すると共に、舵角判
定回路31からの舵角が大きいとの入力があればLD1
4aを消灯させる指令を出力するようになっている。ま
たSD切替判定回路29は、第9の実施例と同じくSD
L14b−LとSDR14b−Rとの交互切替制御を行
うと共に、舵角判定回路31からの操舵方向の入力に応
じてSDL14b−LとSDR14b−Rとのいずれか
を消灯させる指令を出力するようになっている。
【0180】次に、上記構成の第10の実施例の車両用
レーダ装置の動作について説明する。この第10の実施
例の車両用レーダ装置にあっても第9の実施例のものと
同じように、初期積分値を評価して出力/利得調整を行
う機能、近距離レンジのサンプリング期間にサチュレー
ションが発生した場合にLD14aを消灯させる機能、
このLD14aを消灯させているときにサンプリング期
間数を近距離レンジのものに制限する機能、左右からの
割込車両の検出機能をすべて備えている。
【0181】加えて、この第10の実施例では図35の
フローチャートに示すように、舵角判定回路31が舵角
センサ33からの信号に基づいて、操舵がなされたかど
うか監視している(ステップS´111)。
【0182】そしてハンドルの遊び角以上の操舵がなさ
れない場合には直進中であると判定し、測距動作をスタ
ートさせ、出力/利得の調整が終了して適正なSN比で
測距処理が行えるようになれば、LD14aは各測距動
作毎に連続してN回ずつ発光させ、そしてSDL14b
−LとSDR14b−Rとは測距動作毎に交互にN回ず
つ発光させ、それぞれの測距動作毎の積分回路41の正
規化積分値からピーク検出回路27と距離算定回路28
によって左側距離、右側距離それぞれを算定し、これら
を割込判定回路30に入力する(ステップS´112〜
S´114)。
【0183】割込判定回路30では、これらの左側距
離、右側距離を比較し、例えば左側前方には反射物標が
存在せず、右側前方に反射物標を検出している場合には
右側からの割込車両有りと判定し、逆に右側前方には反
射物標が存在せず、左側前方に反射物標を検出している
場合には左側からの割込車両有りと判定し、それぞれの
割込車両の発見とその割込方位とを表示装置13に表示
させ、同時にその割込車両までの距離を表示させる(ス
テップS´115,S´116)。
【0184】しかしながら、ステップS´114におい
て、両側で共に反射物標を検出している場合には先行車
両が存在していると判断し、距離算定回路28が出力す
る右側、左側それぞれの距離算定結果を平均した値を測
距結果として表示装置13に表示させる(ステップS´
116)。
【0185】前述のステップ111の操舵判定におい
て、舵角センサ33からの信号によってハンドルの遊び
角以上の舵角が検出された場合には、舵角判定回路31
は操舵方向を判定する。そこでいま、説明の便宜のため
に、図17に示すように右カーブのために右方向に操舵
された場合について考慮すると、続いて、舵角が所定の
比較値よりも大きいかどうかを判定する(ステップS´
117)。これは、舵角が小さい場合は同図(A´)に
示すようにカーブが緩やかであり、カーブが緩やかであ
ればLD14aを発光させておいても路側の固定障害
物、例えばガードレールや建造物、崖斜面などを検出し
ないが、舵角が大きい場合は同図(B´)に示すように
カーブが急であり、LD14aを発光させると路側の固
定障害物を検出してしまい、前方の路上の車両の測距が
できなくなる恐れがあり、このカーブの緩急によってL
D14aの発光、消灯を制御する必要があるためであ
る。
【0186】そこで、舵角が所定角度よりも小さい場合
には、レンジ切替指令回路25にはLD消灯指令を出力
せず、SD切替判定回路29に操舵方向と反対側のS
D、つまり左側近距離用送光素子(SDL)14b−L
を消灯させる指令を出力し、これによってSD切替判定
回路29はレーダヘッド10のSD切替回路32にSD
L14b−Lを消灯する指令を出力し、図17(A´)
に示すようにLD14aと右側の近距離用送光素子(S
DR)14b−Rとを発光させながら前方の測距を継続
し(ステップS´118)、反射物標を検出したときに
は距離算定を行い、その結果を表示する(ステップS´
116)。
【0187】ステップS´117の舵角の大小判定にお
いて、舵角が所定角度よりも大きい場合には、前述のよ
うに路側の固定障害物を検出しないようにはするため
に、舵角判定回路31はレンジ切替指令回路25にLD
14aの消灯指令を与え、同時にSD切替判定回路29
に左側近距離用送光素子(SDL)14b−Lを消灯さ
せる指令を出力し、これによって図17(B´)に示す
ように右側の近距離用送光素子(SDR)14b−Rの
みを発光させながら前方の測距を継続し(ステップS´
119)、反射物標を検出したときには距離算定を行
い、その結果を表示する(ステップS´116)。
【0188】前述のステップS´111の操舵方向の判
定において左方向に操舵されたと判定した場合には、ス
テップS´120において舵角の大小を判定し、左カー
ブの緩急に応じて上記と同じように緩カーブであればL
D14aと左側の近距離用送光素子(SDL)14b−
Lとを発光させた状態で測距を行い(ステップS´12
1,S´116)、逆に急カーブであれば左側の近距離
用送光素子(SDL)14b−Lのみを発光させた状態
で測距を行うように制御する(ステップS´122,S
´116)。
【0189】こうして、この第10の実施例によれば、
車両がカーブを曲がっている最中に前方の反射物標を検
出しようとするときにカーブの外側に存在するガードレ
ールその他の固定障害物を誤って検出することがなく、
カーブ上でも前方の車両の測距を正しく行うことができ
るようになる。
【0190】なお、この第10の実施例ではカーブの緩
急に応じてLD14aの点灯、消灯の制御を行うように
したが、請求項11の発明の場合、回路構成、制御の簡
略化するためにこの機能を省略することもできる。
【0191】なお、上記のすべての実施例において加算
回数、積分回数として例示したN,Mやサンプリング点
数あるいはレンジブロック数n,mは実際に応じて任意
に設定することができる数値であり、特に限定されるも
のではない。
【0192】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、SN比調整手
段が加算手段で得る各サンプリング点の加算値を見てS
N比の適否を判定し、SN比が悪ければ送出出力制御手
段に出力上昇させ、又は/及び受信利得制御手段に受信
利得上昇させ、SN比の改善を図るようにしているが、
このSN比調整手段は、送出手段がパルス状の信号を所
定回数分よりも少ない初期の段階の加算回数で加算手段
が得ている各サンプリング点の加算値を見てSN比の適
否を判定し、以後の送出出力制御手段の出力制御又は/
及び受信利得制御手段の受信利得制御を実行させるよう
にしているので、送出信号の出力又は/及び受信利得の
自動調整によって常に各サンプリング点毎に得られる加
算値が適切なSN比に維持されるようにして近距離から
遠距離まで広い距離レンジで正確に測距動作できるよう
に自動調整し、しかも、出力調整又は/及び受信利得の
自動調整を短時間のうちに効果的に行える。
【0193】請求項2の発明によれば、SN比調整手段
が初期の段階の少ない加算回数で加算手段が得ている各
サンプリング点の加算値を見て、近距離用送出手段の信
号到達距離レンジに対応する加算手段の加算値がサチュ
レーションを起こしていると判定した場合に、遠距離信
号送出停止手段に遠距離用送出手段の信号送出を停止さ
せる制御を行わせ、以後の加算演算処理を近距離用の信
号のみに対して行うようにしているので、遠距離用の強
度の大きい送出信号を一気になくすことができて、送出
信号の出力の制御と受信信号の利得制御を段階的な行う
場合に比べて近距離レンジでのSN比の改善が迅速に行
える。
【0194】請求項3の発明によれば、請求項2の車両
用レーダ装置において、さらに、遠距離信号送出停止手
段が遠距離用送出手段の信号送出を停止させているとき
に、サンプリング点数切替手段が加算手段の加算するサ
ンプリング点を近距離レンジのものに制限するように切
替えるようにしているので、測距データとして近距離レ
ンジの少ないサンプリング点の加算データに基づいて距
離算定することができ、測距時間をさらに短くすること
ができる。
【0195】請求項4の発明によれば、送出手段が主に
右側前方に信号を送出する右側信号送出手段と、主に左
側前方に信号を送出する左側信号送出手段とを含み、こ
れらの右側信号送出手段と左側信号送出手段とに交互に
信号を送出させ、加算手段の右側信号加算手段、左側信
号加算手段それぞれが右側信号送出手段の信号送出タイ
ミングと左側信号送出手段の信号送出タイミングとのそ
れぞれに対応して受信手段の受信した信号を加算させ、
割込車判定手段によって右側加算手段と左側加算手段と
のいずれか一方のみに閾値を超える加算値を与えるサン
プリング点を見出すときに当該方向からの割込車両の存
在を判定するようにしているので、近距離の前方に割込
車両があったときにその割込車両の検出と割込方向の判
定とが迅速に行える。
【0196】請求項5の発明によれば、当該装置の搭載
車両の操舵方向を操舵方向検出手段によって検出し、送
出手段切替手段によって右側信号送出手段と左側信号送
出手段のうち操舵方向検出手段が検出する操舵方向の送
出手段のみを生かし、操舵方向と反対側の送出手段の信
号送出を停止する送出手段の切換制御を行うようにして
いるので、車両がカーブを曲がっている最中に前方の物
標を検出しようとするときにカーブの外側に存在するガ
ードレールやその他の固定障害物を誤って検出すること
を防ぐことができ、カーブ走行中でも前方車両の測距を
正しく行うことができる。
【0197】請求項6の発明によれば、請求項5の車両
用レーダ装置において、さらに、当該装置の搭載車両の
操舵角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段が
検出する操舵角を所定の基準角度と大小を比較する操舵
角比較手段と、操舵角比較手段が前記所定の基準角度よ
りも大きいと判定するときに遠距離用送出手段の信号送
出を停止させる遠距離信号送出停止手段とを備えている
ので、急カーブでは遠距離用送出手段の信号送出を停止
し、ガードレールその他のカーブの外側に存在する固定
障害物の誤検出を防止し、確実に前方車両の測距を行う
ことができる。
【0198】請求項7の発明によれば、SN比調整手段
が積分手段で得る各サンプリング期間の積分値を見てS
N比の適否を判定し、SN比が悪ければ送出出力制御手
段に出力上昇させ、又は/及び受信利得制御手段に受信
利得上昇させ、SN比の改善を図るようにしているが、
このSN比調整手段は、送出手段がパルス状の信号を所
定回数分よりも少ない初期の段階の積分回数で積分手段
が得ている各サンプリング点の積分値を見てSN比の適
否を判定し、以後の送出出力制御手段の出力制御又は/
及び受信利得制御手段の受信利得制御を実行させるよう
にしているので、送出信号の出力又は/及び受信利得の
自動調整によって常に各サンプリング期間毎に得られる
積分値が適切なSN比に維持されるようにして近距離か
ら遠距離まで広い距離レンジで正確に測距動作できるよ
うに自動調整し、しかも、出力調整又は/及び受信利得
の自動調整を短時間のうちに効果的に行える。
【0199】請求項8の発明によれば、SN比調整手段
が初期の段階の少ない積分回数で積分手段が得ている各
サンプリング期間の積分値を見て、近距離用送出手段の
信号到達距離レンジに対応する積分手段の積分値がサチ
ュレーションを起こしていると判定した場合に、遠距離
信号送出停止手段に遠距離用送出手段の信号送出を停止
させる制御を行わせ、以後の積分演算処理を近距離用の
信号のみに対して行うようにしているので、遠距離用の
強度の大きい送出信号を一気になくすことができて、送
出信号の出力の制御と受信信号の利得制御を段階的な行
う場合に比べて近距離レンジでのSN比の改善が迅速に
行える。
【0200】請求項9の発明によれば、請求項8の車両
用レーダ装置において、さらに、遠距離信号送出停止手
段が遠距離用送出手段の信号送出を停止させているとき
に、サンプリング期間切替手段が積分手段の積分するサ
ンプリング期間を近距離レンジのものに制限するように
切替えるようにしているので、測距データとして近距離
レンジの少ないサンプリング期間の積分値に基づいて距
離算定することができ、測距時間をさらに短くすること
ができる。
【0201】請求項10の発明によれば、送出手段が主
に右側前方に信号を送出する右側信号送出手段と、主に
左側前方に信号を送出する左側信号送出手段とを含み、
これらの右側信号送出手段と左側信号送出手段とに交互
に信号を送出させ、積分手段の右側信号積分手段、左側
信号積分手段それぞれが右側信号送出手段の信号送出タ
イミングと左側信号送出手段の信号送出タイミングとの
それぞれに対応して受信手段の受信した信号を積分さ
せ、割込車判定手段によって右側積分手段と左側積分手
段とのいずれか一方のみに閾値を超える積分値を与える
サンプリング期間を見出すときに当該方向からの割込車
両の存在を判定するようにしているので、近距離の前方
に割込車両があったときにその割込車両の検出と割込方
向の判定とが迅速に行える。
【0202】請求項11の発明によれば、当該装置の搭
載車両の操舵方向を操舵方向検出手段によって検出し、
送出手段切替手段によって右側信号送出手段と左側信号
送出手段のうち操舵方向検出手段が検出する操舵方向の
送出手段のみを生かし、操舵方向と反対側の送出手段の
信号送出を停止する送出手段の切換制御を行うようにし
ているので、車両がカーブを曲がっている最中に前方の
物標を検出しようとするときにカーブの外側に存在する
ガードレールやその他の固定障害物を誤って検出するこ
とを防ぐことができ、カーブ走行中でも前方車両の測距
を正しく行うことができる。
【0203】請求項12の発明によれば、請求項11の
車両用レーダ装置において、さらに、当該装置の搭載車
両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手
段が検出する操舵角を所定の基準角度と大小を比較する
操舵角比較手段と、操舵角比較手段が前記所定の基準角
度よりも大きいと判定するときに遠距離用送出手段の信
号送出を停止させる遠距離信号送出停止手段とを備えて
いるので、急カーブでは遠距離用送出手段の信号送出を
停止し、ガードレールその他のカーブの外側に存在する
固定障害物の誤検出を防止し、確実に前方車両の測距を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例の回路ブロック図。
【図2】上記実施例における信号処理部の内部ブロック
図。
【図3】上記実施例における各部の信号波形を示す波形
図。
【図4】上記実施例における測距処理を示すフローチャ
ート。
【図5】上記実施例におけるレンジ切換処理を示すフロ
ーチャート。
【図6】上記実施例における送光出力/受光利得の増加
調整を示す波形図。
【図7】上記実施例における送光出力/受光利得の減少
調整を示す波形図。
【図8】請求項2の発明の一実施例の測距処理を示すフ
ローチャート。
【図9】請求項3の発明の一実施例のレンジ切替処理を
示すフローチャート。
【図10】請求項4の発明の一実施例の回路ブロック
図。
【図11】上記実施例の信号処理部の機能ブロック図。
【図12】上記実施例の送光素子の送光動作を示すタイ
ミングチャート。
【図13】上記実施例の割込判定処理を示すフローチャ
ート。
【図14】請求項5及び請求項6の発明の共通する実施
例の回路ブロック図。
【図15】上記実施例の信号処理部の機能ブロック図。
【図16】上記実施例の操舵判定処理を示すフローチャ
ート。
【図17】上記実施例の操舵判定処理の説明図。
【図18】請求項7の発明の一実施例の回路ブロック
図。
【図19】上記実施例の信号処理部の機能ブロック図。
【図20】上記実施例の積分回路の回路図。
【図21】上記実施例のロジック回路のブロック図。
【図22】上記実施例の積分回路の積分動作を示すタイ
ミングチャート。
【図23】上記実施例の各部の波形図。
【図24】上記実施例のピーク検出回路の動作を示す波
形図。
【図25】上記実施例の測距処理のフローチャート。
【図26】上記実施例の送光出力/受光利得の増加調整
を示す波形図。
【図27】上記実施例の送光出力/受光利得の減少調整
を示す波形図。
【図28】請求項8の発明の一実施例の測距処理のフロ
ーチャート。
【図29】請求項9の発明の一実施例のレンジ切替処理
のフローチャート。
【図30】請求項10の発明の一実施例の回路ブロック
図。
【図31】上記実施例の信号処理部の機能ブロック図。
【図32】上記実施例の割込判定処理のフローチャー
ト。
【図33】請求項11及び請求項12の発明の共通する
実施例の回路ブロック図。
【図34】上記実施例の信号処理部の機能ブロック図。
【図35】上記実施例の操舵判定処理のフローチャー
ト。
【図36】従来例の回路ブロック図。
【符号の説明】
10,10´ レーダヘッド 11,11´ ロジック回路 12,12´ 信号処理部 13 表示装置 14 送信回路 14a 遠距離用送光素子(LD) 14b 近距離用送光素子(SD) 14b−L 左側近距離用送光素子(SDL) 14b−R 右側近距離用送光素子(SDR) 15 送光出力調整回路 15a LD送光出力調整回路 15b SD送光出力調整回路 16 受光素子 17 利得可変増幅器 18 クロック 19 トリガ回路 20 サンプリングパルス発生回路 21 シフトレジスタ 22 カウンタ 23 加算回路 24 初期加算値比較回路 25 レンジ切換指令回路 26 比較回路 27 ピーク検出回路 28 距離算定回路 29 SD切替判定回路 30 割込判定回路 31 舵角判定回路 32 SD切替回路 33 舵角センサ 41 積分回路 42 初期積分値比較回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01S 7/34 G01S 13/93 Z 13/93 G08G 1/16 C G08G 1/16 G01S 17/88 A (56)参考文献 特開 平8−86874(JP,A) 特開 平8−86858(JP,A) 特開 平7−98374(JP,A) 特公 平6−36027(JP,B2) 特許3147675(JP,B2) 特許3214250(JP,B2) 特許2853578(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 17/88 B60R 21/00 621 G08G 1/16

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス状の信号を周期的に外部へ送出す
    る送出手段と、前記送出手段が送出する信号が物標に反
    射して来る方向からの信号を連続的に受信する受信手段
    と、前記受信手段が受信した信号を2値化し、前記送出
    手段の信号送出タイミングからの経過時間を異ならせた
    複数のサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加算す
    る加算手段と、前記加算手段の前記各サンプリング点の
    加算値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部
    の物標からの反射信号が存在するか否かを判定する判定
    手段と、前記所定の閾値よりも大きい加算値を与えるサ
    ンプリング点に対応する距離を前方の物標までの距離と
    して算出する距離算定手段とを備えて成る車両用レーダ
    装置において、さらに、 前記送出手段が送出する信号出力の大小を制御する送出
    出力制御手段と、 前記受信手段の受信利得を制御する受信利得制御手段
    と、 前記送出手段がパルス状の信号の送出を前記所定回数よ
    り少ない、あらかじめ設定した回数分だけ繰り返した初
    期の段階で前記加算手段が得ている各サンプリング点の
    加算値を見てSN比の適否を判定し、以後の前記送出出
    力制御手段の出力制御又は/及び受信利得制御手段の受
    信利得制御を実行させるSN比調整手段とを備えて成る
    車両用レーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記送出手段が送出角度が狭く出力強度
    が大きい遠距離用の信号を送出する遠距離用送出手段
    と、送出角度が広く出力強度が小さいい近距離用の信号
    を送出する近距離用送出手段とを含み、前記SN比調整
    手段が前記加算手段が得ている各サンプリング点の加算
    値を見て、前記近距離用送出手段の信号到達距離レンジ
    に対応する加算手段の加算値がサチュレーションを起こ
    している場合に、前記遠距離用送出手段の信号送出を停
    止させる制御を行う遠距離信号送出停止手段を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の車両用レーダ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両用レーダ装置におい
    て、さらに、 前記遠距離信号送出停止手段が前記遠距離用送出手段の
    信号送出を停止させているときに、前記加算手段の加算
    するサンプリング点を前記近距離用送出手段の信号到達
    距離レンジに対応するものに制限するサンプリング点数
    切替手段を備えて成る車両用レーダ装置。
  4. 【請求項4】 パルス状の信号を周期的に外部へ送出す
    る送出手段と、前記送出手段が送出する信号が物標に反
    射して来る方向からの信号を連続的に受信する受信手段
    と、前記受信手段が受信した信号を2値化し、前記送出
    手段の信号送出タイミングからの経過時間を異ならせた
    複数のサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加算す
    る加算手段と、前記加算手段の前記各サンプリング点の
    加算値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部
    の物標からの反射信号が存在するか否かを判定する判定
    手段と、前記所定の閾値よりも大きい加算値を与えるサ
    ンプリング点に対応する距離を前方の物標までの距離と
    して算出する距離算定手段とを備えて成る車両用レーダ
    装置において、 前記送出手段が送出角度が狭く出力強度が大きい遠距離
    用の信号を送出する遠距離用送出手段と、送出角度が広
    く出力強度が小さい近距離用の信号を送出する近距離用
    送出手段とを含み、 前記近距離用送出手段が主に右側前方に信号を送出する
    右側信号送出手段と、主に左側前方に信号を送出する左
    側信号送出手段とを含み、これらの右側信号送出手段と
    左側信号送出手段とが交互に信号を送出するようにし、 前記加算手段が前記右側信号送出手段の信号送出タイミ
    ングと左側信号送出手段の信号送出タイミングとのそれ
    ぞれに対応して前記受信手段の受信した信号を加算する
    右側信号加算手段と左側信号加算手段とを含み、 前記判定手段が前記右側加算手段と左側加算手段とのい
    ずれか一方のみに閾値を超える加算値を与えるサンプリ
    ング点を見出すときに当該方向からの割込車両の存在を
    判定する割込車判定手段を含んで成ることを特徴とする
    車両用レーダ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の車両用レーダ装置におい
    て、さらに、 当該装置の搭載車量の操舵方向を検出する操舵方向検出
    手段と、 前記右側信号送出手段と左側信号送出手段のうち、前記
    操舵方向検出手段が検出する操舵方向の送出手段のみを
    生かし、操舵方向と反対側の送出手段の信号送出を停止
    する送出手段切替手段とを備えて成る車両用レーダ装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の車両用レーダ装置におい
    て、さらに、当該装置の搭載車両の操舵角を検出する操
    舵角検出手段と、 前記操舵角検出手段が検出する操舵角を所定の基準角度
    と大小を比較する操舵角比較手段と、 前記操舵角比較手段が前記所定の基準角度よりも大きい
    と判定するときに前記遠距離用送出手段の信号送出を停
    止させる遠距離信号送出停止手段とを備えて成る車両用
    レーダ装置。
  7. 【請求項7】 パルス状の信号を周期的に外部へ送出す
    る送出手段と、前記送出手段が送出する信号が物標に反
    射して来る方向からの信号を連続的に受信する受信手段
    と、前記受信手段が受信した信号を2値化し、前記送出
    手段の信号送出タイミングからの経過時間を異ならせた
    複数のサンプリング期間毎に所定の送出回数分ずつ積分
    する積分手段と、前記積分手段の前記各サンプリング期
    間の積分値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて
    外部の物標からの反射信号が存在するか否かを判定する
    判定手段と、前記所定の閾値よりも大きい積分値を与え
    るサンプリング期間に対応する距離を前方の物標までの
    距離として算出する距離算定手段とを備えて成る車両用
    レーダ装置において、さらに、 前記送出手段が送出する信号出力の大小を制御する送出
    出力制御手段と、 前記受信手段の受信利得を制御する受信利得制御手段
    と、 前記送出手段がパルス状の信号の送出を前記所定回数よ
    り少ない、あらかじめ設定した回数分だけ繰り返した初
    期の段階で前記積分手段が得ている各サンプリング期間
    の積分値を見てSN比の適否を判定し、以後の前記送出
    出力制御手段の出力制御又は/及び受信利得制御手段の
    受信利得制御を実行させるSN比調整手段とを備えて成
    る車両用レーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記送出手段が送出角度が狭く出力強度
    が大きい遠距離用の信号を送出する遠距離用送出手段
    と、送出角度が広く出力強度が小さい近距離用の信号を
    送出する近距離用送出手段とを含み、前記SN比調整手
    段が前記積分手段が得ている各サンプリング期間の積分
    値を見て、前記近距離用送出手段の信号到達距離レンジ
    に対応する積分手段の積分値がサチュレーションを起こ
    している場合に、前記遠距離用送出手段の信号送出を停
    止させる制御を行う遠距離信号送出停止手段を含むこと
    を特徴とする請求項7記載の車両用レーダ装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の車両用レーダ装置におい
    て、さらに、 前記遠距離信号送出停止手段が前記遠距離用送出手段の
    信号送出を停止させているときに、前記積分手段の積分
    するサンプリング期間を前記近距離用送出手段の信号到
    達距離レンジに対応するものに制限するサンプリング期
    間数切替手段を備えて成る車両用レーダ装置。
  10. 【請求項10】 パルス状の信号を周期的に外部へ送出
    する送出手段と、前記送出手段が送出する信号が物標に
    反射して来る方向からの信号を連続的に受信する受信手
    段と、前記受信手段が受信した信号を2値化し、前記送
    出手段の信号送出タイミングからの経過時間を異ならせ
    た複数のサンプリング期間毎に所定の送出回数分ずつ積
    分する積分手段と、前記積分手段の前記各サンプリング
    期間の積分値を所定の閾値と比較し、その大小に基づい
    て外部の物標からの反射信号が存在するか否かを判定す
    る判定手段と、前記所定の閾値よりも大きい積分値を与
    えるサンプリング期間に対応する距離を前方の物標まで
    の距離として算出する距離算定手段とを備えて成る車両
    用レーダ装置において、 前記送出手段が送出角度が狭く出力強度が大きい遠距離
    用の信号を送出する遠距離用送出手段と、送出角度が広
    く出力強度が小さい近距離用の信号を送出する近距離用
    送出手段とを含み、 前記近距離用送出手段が主に右側前方に信号を送出する
    右側信号送出手段と、主に左側前方に信号を送出する左
    側信号送出手段とを含み、これらの右側信号送出手段と
    左側信号送出手段とが交互に信号を送出するようにし、 前記積分手段が前記右側信号送出手段の信号送出タイミ
    ングと左側信号送出手段の信号送出タイミングとのそれ
    ぞれに対応して前記受信手段の受信した信号を積分する
    右側信号積分手段と左側信号積分手段とを含み、 前記判定手段が前記右側積分手段と左側積分手段とのい
    ずれか一方のみに閾値を超える積分値を与えるサンプリ
    ング期間を見出すときに当該方向からの割込車両の存在
    を判定する割込車判定手段を含んで成ることを特徴とす
    る車両用レーダ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の車両用レーダ装置に
    おいて、さらに、 当該装置の搭載車量の操舵方向を検出する操舵方向検出
    手段と、 前記右側信号送出手段と左側信号送出手段のうち、前記
    操舵方向検出手段が検出する操舵方向の送出手段のみを
    生かし、操舵方向と反対側の送出手段の信号送出を停止
    する送出手段切替手段とを備えて成る車両用レーダ装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の車両用レーダ装置に
    おいて、さらに、当該装置の搭載車両の操舵角を検出す
    る操舵角検出手段と、 前記操舵角検出手段が検出する操舵角を所定の基準角度
    と大小を比較する操舵角比較手段と、 前記操舵角比較手段が前記所定の基準角度よりも大きい
    と判定するときに前記遠距離用送出手段の信号送出を停
    止させる遠距離信号送出停止手段とを備えて成る車両用
    レーダ装置。
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