JP3465306B2 - ポリアルキレンオキシド誘導体および製造方法 - Google Patents
ポリアルキレンオキシド誘導体および製造方法Info
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ルキレンオキシド誘導体およびその製造方法に関し、さ
らに詳しくは両末端に種類の異なる官能基を有するアル
キレンオキシド誘導体およびその製造方法に関する。
ポリエチレンオキシドは水溶性、非免疫原性といった特
性をもち、蛋白質や薬物などの生理活性物質の修飾剤と
しての利用をはじめ、生物学、医用工学分野への応用が
注目されている。
基、アミノ基、水酸基、メルカプト基など、さまざまな
官能基が存在する。このような蛋白質分子とポリエチレ
ンオキシドとを化学的に結合させる際には、どのような
官能基を選ぶか、どの程度結合させるかなどが、合成さ
れるポリエチレンオキシド蛋白質結合体の性質に大きな
影響を及ぼす。このため、修飾しようとする蛋白質の表
面に存在する官能基に応じて、ポリエチレンオキシド側
の官能基を選択する必要がある。
シドは、一方の末端にメトキシ基などの非反応性の基、
他方の末端に水酸基を有するもの、あるいは両末端に水
酸基を有するものが殆どであるが、水酸基は反応性に乏
しいので、上記のような蛋白質の修飾剤として利用する
には、反応性の点で満足できるものとは言い難い。
を有するポリエチレンオキシドの水酸基を他の反応性の
高い官能基に変換する試みが行われている(Synt
h.Commun.,22(16),2417−242
4(1992))。また、両末端に水酸基を有するポリ
エチレンオキシドを反応性の高い官能基で修飾する試み
も行われている(J.Bioact.Compat.P
olym.,5(2)227−231(1990))。
る蛋白質等の物質を選択的に結合させる場合には、両末
端に相異なる官能基を有するポリエチレンオキシドが必
要となる(DE4004296(1991))。しかし
ながら、上記のような両末端に水酸基を有するポリエチ
レンオキシドを修飾する方法では、未反応の水酸基末端
が残る可能性があり、また反応生成物は、両末端に同一
の官能基を有するものと、両末端に相異なる官能基を有
するものとの混合物として得られるため、カラムクロマ
トグラフィーなどでの精製が必要であり、収率や純度の
面で問題がある。
基で保護されたアミノ基のカリウム塩を用いて、エチレ
ンオキシドの重合を行った例がある(Bioconju
gate Chem.,3(4),275−276(1
992))。この方法では、α−アミノ−ω−ヒドロ−
ポリエチレンオキシドが選択的に得られているが、他の
相異なる官能基を選択的に導入した例はまだない。
レンオキシドは、蛋白質のシステイン残基の−SH基な
どとの反応性が高く修飾剤として有用であるが、これに
ついても、両末端にメルカプト基を有するもの(In
t.J.Pept.Res.,30(6),740−8
3(1987))、あるいは片末端のみにメルカプト基
を有するもの(Polymer Preprints,
32(1),154(1991))しか知られていな
い。
エチレンオキシド誘導体を選択的に製造する方法は確立
されていない。このため、両末端に反応性の高い相異な
る官能基を有するポリエチレンオキシドの選択的な製造
方法の確立が望まれている。
の末端にメルカプト基、他方の末端にメルカプト基以外
の反応性の高い官能基を有する新規かつ有用なポリアル
キレンオキシド誘導体、およびこのような誘導体の中間
体を提供することである。本発明の他の目的は、上記の
新規かつ有用なポリアルキレンオキシド誘導体を選択的
に、しかも容易に効率よく製造することができる製造方
法、および中間体の製造方法を提案することである。
レンオキシド誘導体およびその製造方法である。 〔1〕 下記一般式(1)で表される末端がメルカプト
基であるポリアルキレンオキシド誘導体。
素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキ
シアルキル基、アリール基、アリールアルキル基または
−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲン化アル
キル基、アリール基またはハロゲン化アリール基を示
す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一でも異な
っていてもよい。Aはアルキレン基、X1はカルボキシ
ル基またはアルデヒド基を示す。〕 〔2〕 下記一般式(2)で表されるポリアルキレンオ
キシド誘導体。
R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。R2はアシル基、アルキル基、
アリールアルキル基または置換アリールアルキル基、A
はアルキレン基、mが0の場合、X1は水素原子、mが
1の場合、X1は水酸基、カルボキシル基、アミノ基ま
たはアルデヒド基を示す。〕 〔3〕 一般式(3)
キル基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリール
アルキル基または−CH2OY(ここでYはアルキル
基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはハロゲン
化アリール基を示す。)を示す。〕で表されるエポキシ
化合物を、一般式(4) R2−S-M+ (4) 〔式中、R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキ
ル基または置換アリールアルキル基、Mはアルカリ金属
を示す。〕で表されるメルカプト誘導体のアルカリ金属
塩を重合開始剤として重合して得られる一般式(5)
アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、アリール基、アリールアルキル基または−CH2
OY(ここでYはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、
アリール基またはハロゲン化アリール基を示す。)を示
す。各繰返単位中のR1同士は同一でも異なっていても
よい。R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル
基または置換アリールアルキル基、Mはアルカリ金属を
示す。〕で表される中間体を、酸処理することを特徴と
する一般式(5a)
アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、アリール基、アリールアルキル基または−CH2
OY(ここでYはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、
アリール基またはハロゲン化アリール基を示す。)を示
す。各繰返単位中のR1同士は同一でも異なっていても
よい。R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル
基または置換アリールアルキル基を示す。〕で表される
ポリアルキレンオキシド誘導体の製造方法。 〔4〕 一般式(3)で表されるエポキシ化合物を、前
記一般式(4)で表されるメルカプト誘導体のアルカリ
金属塩を重合開始剤として重合して得られる前記一般式
(5)で表される中間体を、化学修飾することを特徴と
する一般式(2a)
アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、アリール基、アリールアルキル基または−CH2
OY(ここでYはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、
アリール基またはハロゲン化アリール基を示す。)を示
す。各繰返単位中のR1同士は同一でも異なっていても
よい。R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル
基または置換アリールアルキル基、Aはアルキレン基、
X2はカルボキシル基、アミノ基またはアルデヒド基を
示す。〕で表されるポリアルキレンオキシド誘導体の製
造方法。 〔5〕 前記一般式(3)で表されるエポキシ化合物
を、前記一般式(4)で表されるメルカプト誘導体のア
ルカリ金属塩を重合開始剤として重合して得られる前記
一般式(5)で表される中間体を化学修飾して得られる
化合物を、酸またはアルカリ存在下に加水分解すること
を特徴とする前記一般式(1)で表されるポリアルキレ
ンオキシド誘導体の製造方法。 〔6〕 一般式(2b)
素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキ
シアルキル基、アリール基、アリールアルキル基または
−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲン化アル
キル基、アリール基またはハロゲン化アリール基を示
す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一でも異な
っていてもよい。R2はアシル基、アルキル基、アリー
ルアルキル基または置換アリールアルキル基、Aはアル
キレン基、 X 1 はカルボキシル基またはアルデヒド基を
示す。〕で表される化合物を、酸またはアルカリ存在下
に加水分解することを特徴とする一般式(1)
素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキ
シアルキル基、アリール基、アリールアルキル基または
−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲン化アル
キル基、アリール基またはハロゲン化アリール基を示
す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一でも異な
っていてもよい。Aはアルキレン基、 X 1 はカルボキシ
ル基またはアルデヒド基を示す。〕で表される末端がメ
ルカプト基であるポリアルキレンオキシド誘導体の製造
方法。
の有機基である。有機基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
アリル基等の炭素数1〜8のアルキル基;これらのアル
キル基の水素原子が塩素、フッ素、臭素またはヨウ素で
置換したハロゲン化アルキル基;前記アルキル基の水素
原子が水酸基で置換したヒドロキシアルキル基;フェニ
ル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチ
ル基等のアリールアルキル基;式−CH2OYのYが前
記アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはアリール
基、あるいは前記アリール基の水素原子が塩素、フッ
素、臭素またはヨウ素で置換したハロゲン化アリール基
である基などがあげられる。本発明において、「アルキ
ル」、「アリールアルキル」という場合は、直鎖、分
岐、飽和、不飽和のものを含む。
基、トリメチレン基、テトラメチレン基、メチルエチレ
ン基、ジメチルエチレン基等の炭素数1〜6のアルキレ
ン基などである。一般式(1)のX1は、カルボキシル
基またはアルデヒド基である。一般式(1)のnは5〜
10000、好ましくは5〜2000である。
基のポリアルキレンオキシド誘導体の具体的なものとし
ては、次のようなものがあげられる。各式中nは5〜1
0000である。 H S−(CH2CH2O)n−CH2−COOH HS−(CH2CH2O)n−CH2CH2−COOH HS−(CH2CH2O)n−(CH2)4−COOH H S−(CH2CH2O)n−CH2−CHO HS−(CH2CH2O)n−CH2CH2−CHO
プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル
基;t−ブチル基等のアルキル基;ベンジル基、フェネ
チル基等のアリールアルキル基;p−メトキシベンジル
基、o−アセトキシベンジル基、p−アセトキシベンジ
ル基、p−ニトロベンジル基、ジフェニルメタン基、ト
リフェニルメタン基等の置換アリールアルキル基などが
あげられる。
は、それぞれ前記一般式(1)のものと同じである。一
般式(2)のポリアルキレンオキシド誘導体の具体的な
ものとしては次のようなものがあげられる。各式中、n
は5〜10000である。
のものと同じである。一般式(4)のMはカリウムまた
はナトリウム等のアルカリ金属であり、R2は前記一般
式(2)のものと同じである。一般式(5)、(5
a)、(2a)および(2b)のR1およびnは、それ
ぞれ前記一般式(1)のものと同じであり、R2は前記
一般式(2)のものと同じである。一般式(5)のMは
前記一般式(4)のものと同じである。一般式(2a)
のX2はカルボキシル基、アミノ基またはアルデヒド基
であり、Aは前記一般式(1)のものと同じである。
キシド誘導体は、一般式(4)で表されるメルカプト誘
導体のアルカリ金属塩を重合開始剤として用いて、一般
式(3)で表されるエポキシ化合物を重合することから
製造することができる。
具体的なものとしては、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシ
ペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキ
シヘプタン、スチレンオキシド、エピフルオロヒドリ
ン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシ
ドール、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジ
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−エポ
キシ−3−フェノキシプロパン、2−クロルエチルグリ
シジルエーテル、o−クロロフェニルグリシジルエーテ
ルなどがあげられる。これらは単独で、または2種以上
の混合物として用いられる。
的なものとしては、チオ酢酸、チオ安息香酸、tert
−ブチルメルカプタン、フェニルメタンチオール、p−
メトキシフェニルメタンチオール、o−アセトキシフェ
ニルメタンチオール、p−アセトキシフェニルメタンチ
オール、p−ニトロフェニルメタンチオール、ジフェニ
ルメタンチオールおよびトリフェニルメタンチオールな
どのメルカプト誘導体のカリウムまたはナトリウム塩な
どのアルカリ金属塩があげられる。これらの化合物は重
合開始剤として作用するため、すべてのポリマー末端に
存在することとなる。
ともできるが、有機溶媒に溶解させた溶液状態で添加す
るのが好ましい。このような有機溶媒としては活性水素
基を有さない有機溶媒であれば特に制限されず、例えば
ベンゼン、トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミドなどがあげられ
る。重合開始剤溶液の濃度としては、0.1〜90重量
%、好ましくは1.0〜50重量%とするのが望まし
い。
一般式(4)で表される重合開始剤との使用割合は、エ
ポキシ化合物:重合開始剤のモル比で通常1:10-5〜
1:0.5、好ましくは1:10-4〜1:0.2とする
のが望ましい。
または重合開始剤溶液とを、非溶媒中または有機溶媒中
で混合して行われる。有機溶媒は重合反応を妨害しない
ものであれば特に限定されず、例えばテトラヒドロフラ
ン、ベンゼン、トルエン、ジメチルスルホキシド、アセ
トニトリルなどがあげられる。重合反応は、封管ガラス
管中またはオートクレーブ中で行うのが好ましい。反応
溶液の濃度としては、0.1〜90重量%、好ましくは
1.0〜50重量%とするのが望ましい。反応条件は、
温度が0〜180℃、好ましくは10〜150℃、圧力
が通常8〜0kgf/cm2G、時間が通常0.5〜1
20時間とするのが望ましい。
ポキシ化合物を重合させることにより、一般式(5)で
表される第1の中間体となるポリアルキレンオキシド誘
導体が得られる。この第1の中間体を酸処理することに
より、一般式(2)においてmが0でX1が水素原子の
化合物、すなわち一般式(5a)で表されるω−末端が
水酸基のポリアルキレンオキシド誘導体が得られる。
アミノ基またはアルデヒド基のポリアルキレンオキシド
誘導体を得るには、一般式(5)で表される第1の中間
体を求電子試薬と反応させる方法、あるいは第1の中間
体または一般式(5a)で表される化合物を酸化等の方
法により直接化学変換する方法など、一般式(5)で表
される第1の中間体または一般式(5a)で表される化
合物を化学修飾することにより製造することができる。
キシル基に変換するには次のような方法が採用できる。
求電子試薬としてtert−ブチルブロモアセテート、
tert−ブチル−2−ブロモプロピオネート、ter
t−ブチル−3−ブロモブチレート、tert−ブチル
−4−ブロモバレラート、エチルブロモアセテート、エ
チル−2−ブロモプロピオネート、エチル−3−ブロモ
ブチレート、エチル−4−ブロモバレラートなどのハロ
ゲン化アルキルカルボン酸エステルを第1の中間体と反
応させた後、アルカリまたは酸存在下に加水分解を行う
方法によりカルボキシル基を導入できる。加水分解は後
述のR2−S末端からR2基を脱保護基化してメルカプト
基末端に変換する際に行う加水分解と同様にして行うこ
とができる。
付加させた後、加水分解する方法によりカルボキシル基
を導入できる。また、酸化クロム、クロム酸カリウムな
どの酸化剤を用いて一般式(5)で表される第1の中間
体または一般式(5a)で表される化合物を直接酸化す
る直接酸化法によってもカルボキシル基を導入できる。
基に変換するには次のような方法が採用できる。求電子
試薬として、N−(2−ブロモエチル)フタルイミド、
N−(3−ブロモプロピル)フタルイミドなどを反応さ
せた後、加水分解またはヒドラジンで処理することによ
りアミノ基を導入できる。加水分解は後述のR2−S末
端からR2基を脱保護基化してをメルカプト基末端に変
換する際に行う加水分解と同様にして行うことができ
る。また、チオニルクロライドなどでハロゲン化したポ
リアルキレンオキシドを、ナトリウムアジドなどを反応
させてアジド化した後還元することによっても、アミノ
基を導入できる。また、アクリロニトリルを付加させた
後、水素添加することによってもアミノ基を導入でき
る。
法が採用できる。求電子試薬としてブロモアセタールア
ルデヒドジエチルアセタール、ブロモアセタールアルデ
ヒドジメチルアセタール、クロロアセタールアルデヒド
ジエチルアセタール、クロロアセタールアルデヒドジメ
チルアセタールなどの化合物を反応させた後、酸または
アルカリで加水分解することによって、アルデヒド基を
導入することができる。また、ピリジン/酸化クロム等
の酸化剤を用いた直接酸化法によってもアルデヒド基を
導入することができる。
り、一般式(2)においてmが1の第2の中間体、すな
わち一般式(2a)で表されるポリアルキレンオキシド
誘導体が得られる。第2の中間体のR2−S末端からR2
基を脱保護基化してメルカプト基末端に変換するには、
アルカリまたは酸の存在下に加水分解することにより行
うことができる。
は水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたはtert−
ブトキシカリウムなどがあげられる。酸の試薬としては
塩酸、硫酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化水素
などがあげられる。
とにより、一般式(1)で表される一方の末端がメルカ
プト基、他方の末端が官能基であるポリアルキレンオキ
シド誘導体が選択的に得られる。反応終了後には、ジエ
チルエーテル、イソプロパノール、ヘキサン等のポリア
ルキレンオキシド誘導体を溶解しない液中に反応液を投
入することにより、沈殿物として目的とするポリアルキ
レンオキシド誘導体を単離することができる。このよう
にして得られたポリアルキレンオキシド誘導体は蛋白質
や薬物などの生理活性物質の修飾剤として利用でき、修
飾した生理活性物質に水溶性や非免疫原性などの特性を
付与することができる。
ト基、他方の末端にメルカプト基以外の反応性の高い官
能基を有する新規かつ有用なポリアルキレンオキシド誘
導体、およびこのような誘導体の中間体が得られる。
で表されるエポキシ化合物および一般式(4)で表され
るメルカプト誘導体のアルカリ金属塩を出発原料にし
て、上記ポリアルキレンオキシド誘導体の中間体を容易
に効率よくしかも選択的に製造できる。
ら目的とするポリアルキレンオキシド誘導体を容易に効
率よくしかも選択的に製造できる。
明するが、これらの実施例は本発明の範囲を何ら制限す
るものではない。 実施例1 −79℃のガラス重合管内のテトラヒドロフラン20m
lに6.64gのエチレンオキシド(0.15mol)
を溶解し、それに重合開始剤として2.5mmolのチ
オ酸酢カリウムを含むジメチルスルホキシド(DMS
O)溶液(0.50M)5.80mlを加えて、液体窒
素で凍結させ、真空で脱気し、封入した。20℃で3日
間攪拌して重合させた後、反応液を0℃のジエチルエー
テル500mlに滴下して再沈し、沈澱物を真空で乾燥
した。これに0.1mol/lの塩酸水溶液30mlを
加えて酸処理した後、前記と同様にジエチルエーテルで
再沈させてα−チオアセチル−ω−ヒドロ−ポリエチレ
ングリコールを得た(収量5.8g)。
グラフィーで分析したところ、ポリエチレンオキシドの
標準サンプルから求めた平均分子量は2400、重量平
均分子量/数平均分子量=1.1であった。この平均分
子量はエチレンオキシドとチオ酢酸カリウムの比から計
算される分子量2500に極めて近いものであることか
ら、重合開始剤あたり1本のポリマー鎖が設計どおり得
られていることがわかる。
通りである。13 C−NMR(CDCl3)δ(ppm):30.5,
36.2,61.1,71.2,195.2
(0.04mol)を1mmolのベンジルメルカプタ
ンのカリウム塩(PhCH2S-K+)によりテトラヒド
ロフラン/DMSO溶液20ml中、20℃で3日間重
合させた。この反応液を0℃のジエチルエーテル500
mlに滴下して再沈し、沈殿物を真空乾燥させた。これ
に0.1mol/lの塩酸水溶液20mlを加えて酸処
理した後、前記と同様にジエチルエーテル中で再沈させ
てα−チオベンジル−ω−ヒドロ−ポリエチレングリコ
ールを得た。これを実施例1と同様のゲルろ過タイプの
高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、平均分
子量1800、重量平均分子量/数平均分子量=1.1
であった。
通りである。13 C−NMR(CDCl3)δ(ppm):30.5,
61.1,71.2,128.0
リエチレングリコールに、tert−ブトキシカリウム
10mmolおよび水2mlを含むDMSO溶液20m
lを添加し、20℃で5時間反応させて加水分解させた
後、500mlのジエチルエーテルに滴下して再沈し、
沈殿物を真空乾燥させてα−メルカプト−ω−ヒドロ−
ポリエチレングリコールを得た。これを実施例1と同様
のゲルろ過タイプの高速液体クロマトグラフィーで分析
したところ、平均分子量2500、重量平均分子量/数
平均分子量=1.1であった。
通りである。13 C−NMR(CDCl3)δ(ppm):25.0,
61.3,70.3,71.4
(0.04mol)を1mmolのチオ酢酸カリウムに
よりテトラヒドロフラン20ml中、20℃で3日間重
合させた。この反応液にtert−ブチルブロモアセテ
ート1mmolを含むDMSO溶液を添加し、さらに室
温で24時間反応させた後、500mlのジエチルエー
テルに滴下して再沈し、これを真空乾燥させた。この化
合物をtert−ブトキシカリウム20mmolおよび
水2mlを含むDMSO溶液20mlに加え、20℃で
5時間反応させて両末端を加水分解させた後、500m
lのジエチルエーテルに滴下して再沈し、乾燥すること
により、α−メルカプト−ω−カルボキシルメチルポリ
エチレングリコールを得ることができた。これを実施例
1と同様のゲルろ過タイプの高速液体クロマトグラフィ
ーで分析したところ、平均分子量1800、重量平均分
子量/数平均分子量=1.1であった。
通りである。13 C−NMR(CDCl3)δ(ppm):25.0,
61.8,68.8、70.3,71.5、172.4
(0.08mol)を1mmolのチオ酢酸カリウムに
よりテトラヒドロフラン20ml中、20℃で3日間重
合させた。この反応液に、N−(2−ブロモエチル)フ
タルイミド1mmolを含むテトラヒドロフラン溶液を
添加し、さらに室温で24時間反応させた後、500m
lのジエチルエーテルに滴下して再沈し、これを真空乾
燥させた。この化合物をtert−ブトキシカリウム2
0mmolおよび水2mlを含むDMSO溶液20ml
に加え、20℃で5時間反応させて両末端を加水分解さ
せた後、500mlのジエチルエーテルに滴下して再沈
し、乾燥することにより、α−メルカプト−ω−2−ア
ミノエチルポリエチレングリコールを得ることができ
た。これを実施例1と同様のゲルろ過タイプの高速液体
クロマトグラフィーで分析したところ、平均分子量35
00、重量平均分子量/数平均分子量=1.1であっ
た。
である。13 C−NMR(CDCl3)δ(ppm):25.2,
48.5,54.2、61.8,70.3、71.5
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される末端がメル
カプト基であるポリアルキレンオキシド誘導体。 【化1】 〔式中、nは5〜10000の整数、mは1、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 Aはアルキレン基、 X1はカルボキシル基またはアルデヒド基を示す。〕 - 【請求項2】 下記一般式(2)で表されるポリアルキ
レンオキシド誘導体。 【化2】 〔式中、nは5〜10000の整数、mは0または1、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル基また
は置換アリールアルキル基、 Aはアルキレン基、 mが0の場合、X1は水素原子、mが1の場合、X1は水
酸基、カルボキシル基、アミノ基またはアルデヒド基を
示す。〕 - 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アル
キル基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリール
アルキル基または−CH2OY(ここでYはアルキル
基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはハロゲン
化アリール基を示す。)を示す。〕で表されるエポキシ
化合物を、一般式(4) R2−S-M+ (4) 〔式中、R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキ
ル基または置換アリールアルキル基、 Mはアルカリ金属を示す。〕で表されるメルカプト誘導
体のアルカリ金属塩を重合開始剤として重合して得られ
る一般式(5) 【化4】 〔式中、nは5〜10000の整数、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル基また
は置換アリールアルキル基、 Mはアルカリ金属を示す。〕で表される中間体を、酸処
理することを特徴とする一般式(5a) 【化5】 〔式中、nは5〜10000の整数、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル基また
は置換アリールアルキル基を示す。〕で表されるポリア
ルキレンオキシド誘導体の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(3) 【化6】 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アル
キル基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリール
アルキル基または−CH2OY(ここでYはアルキル
基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはハロゲン
化アリール基を示す。)を示す。〕で表されるエポキシ
化合物を、一般式(4) R2−S-M+ (4) 〔式中、R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキ
ル基または置換アリールアルキル基、 Mはアルカリ金属を示す。〕で表されるメルカプト誘導
体のアルカリ金属塩を重合開始剤として重合して得られ
る一般式(5) 【化7】 〔式中、nは5〜10000の整数、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル基また
は置換アリールアルキル基、 Mはアルカリ金属を示す。〕で表される中間体を、化学
修飾することを特徴とする一般式(2a) 【化8】 〔式中、nは5〜10000の整数、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル基また
は置換アリールアルキル基、 Aはアルキレン基、 X2はカルボキシル基、アミノ基またはアルデヒド基を
示す。〕で表されるポリアルキレンオキシド誘導体の製
造方法。 - 【請求項5】 一般式(3) 【化9】 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アル
キル基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリール
アルキル基または−CH2OY(ここでYはアルキル
基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはハロゲン
化アリール基を示す。)を示す。〕で表されるエポキシ
化合物を、一般式(4) R2−S-M+ (4) 〔式中、R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキ
ル基または置換アリールアルキル基、 Mはアルカリ金属を示す。〕で表されるメルカプト誘導
体のアルカリ金属塩を重合開始剤として重合して得られ
る一般式(5) 【化10】 〔式中、nは5〜10000の整数、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル基また
は置換アリールアルキル基、 Mはアルカリ金属を示す。〕で表される中間体を化学修
飾して得られる化合物を、酸またはアルカリ存在下に加
水分解することを特徴とする一般式(1) 【化11】 〔式中、nは5〜10000の整数、mは1、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 Aはアルキレン基、 X1はカルボキシル基またはアルデヒド基を示す。〕で
表されるポリアルキレンオキシド誘導体の製造方法。 - 【請求項6】 一般式(2b) 【化12】 〔式中、nは5〜10000の整数、mは1、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 R2はアシル基、アルキル基、アリールアルキル基また
は置換アリールアルキル基、 Aはアルキレン基、 X 1 はカ ルボキシル基またはアルデヒド基を示す。〕で
表される化合物を、酸またはアルカリ存在下に加水分解
することを特徴とする一般式(1) 【化13】 〔式中、nは5〜10000の整数、mは1、 R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、
ヒドロキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基または−CH2OY(ここでYはアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール
基を示す。)を示す。各繰返単位中のR1同士は同一で
も異なっていてもよい。 Aはアルキレン基、 X 1 はカ ルボキシル基またはアルデヒド基を示す。〕で
表される末端がメルカプト基であるポリアルキレンオキ
シド誘導体の製造方法。
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