JP3462885B2 - 原子炉の出力測定装置およびその製造方法 - Google Patents

原子炉の出力測定装置およびその製造方法

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JP3462885B2
JP3462885B2 JP05093993A JP5093993A JP3462885B2 JP 3462885 B2 JP3462885 B2 JP 3462885B2 JP 05093993 A JP05093993 A JP 05093993A JP 5093993 A JP5093993 A JP 5093993A JP 3462885 B2 JP3462885 B2 JP 3462885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軽水炉等の原子炉の出力
測定装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の沸騰水型原子炉等の軽水炉におい
て、原子炉の出力測定は、炉内の中性子束を測定するこ
とで行なわれており、中性子のセンサとして炉内固定式
の核分裂電離箱である局所出力モニタ系(Local Power
Range Monitoring System 、以下、LPRMという。)
と、移動式の核分裂電離箱である移動式炉心内計装系
(Traversing Incore Probe System、以下、TIPとい
う。)との2種類に大別され、使用されている。
【0003】このうち、LPRMは炉内中性子との反応
物質としてウラン同位体を使用しており、炉内固定式で
あるため、LPRMの使用に伴ってウラン同位体が失わ
れ、中性子に対する感度が失われ、測定精度が低下する
おそれがある。また、原子炉の炉内設置箇所により中性
子束が異なるので、使用するに伴い個々の感度に大きな
差が生じてしまう。
【0004】このため、沸騰水型原子炉等の原子炉の運
転中にTIPを使用して中性子束に対するLPRMの感
度較正を行ない、LPRMの個々の感度差に対する較正
を行なっている。
【0005】LPRMの感度較正用にTIPを使用して
いるために、原子炉圧力容器の下方にTIPを原子炉内
で移動させるための大掛りな駆動機構が収納されてい
る。その上、この駆動機構のメインテナンスに手間が掛
かる他、炉内から引き出してTIPは放射化しており、
作業員の放射線被爆が問題になっている。
【0006】そこで、近年、TIPを廃止し、駆動機構
が不要でかつ感度劣化の少ない炉内固定式のセンサであ
るγサーモメータと呼ばれる原子炉の出力測定装置をL
PRMと併用し、TIPの代りに用いることが考案され
ている。
【0007】この原子炉の出力測定装置であるγサーモ
メータは放射線(γ線)による発熱量を検出するもの
で、センサ部のステンレスなどの炉内構造材が、炉内の
放射線(特にγ線)の吸収や非弾性散乱によってエネル
ギを吸収して発熱し、熱が外部の冷却材へ流出する際に
形成される温度分布を熱電対等により測定する。γサー
モメータは、核分裂電離箱と異なり、原理的には感度劣
化がない。
【0008】既存の原子炉の出力測定装置であるγサー
モメータのセンサ部の構造と内管の軸子方向の温度分
布、および熱電対とヒータ設置部の構造を図9〜図11
に示す。原子炉の出力測定装置は、このセンサ部を軸方
向に複数個有した細長い棒状の構造物である。
【0009】センサ構造は内管1と外管2による2重管
構造になっており、間に温度分布を大きくするために円
周方向に周回した空隙部3が断熱部として設けられてい
る。内管1から外管2への熱伝達は接触面を介して行な
われ、内管1の軸方向の温度分布は、センサの構造物が
発熱していない場合においては破線aのように平坦であ
るが、原子炉内の放射線により発熱した場合においては
実線bのように空隙中心部分で高くなる。
【0010】この原子炉の出力測定装置では、γ線の照
射を受けて内管1で発生した熱が、空隙の中心部分を境
に空隙部3を迂回して両方向に伝導し、外管2に伝達さ
れるためである。この空隙中心部分の他部分に対する温
度上昇分は発熱量、つまりセンサ近傍の放射線量に対応
しており、温度上昇分を測定することにより原子炉の出
力測定が可能になっている。
【0011】内管1の内部孔4には、この温度上昇分を
測定するために、センサ部の個数に対応した複数の熱電
対5と、センサの感度較正のためのヒータ6が内蔵され
ている。これらの熱電対5とヒータ6は図11に示すよ
うにいずれも絶縁被覆7a,7bと金属被覆8a,8b
が施された構造になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の原子炉の出力測
定装置においては、内管1の温度を正確に測定するため
には熱電対5の金属被覆7aが内管1に密着していなけ
ればならない。このようなセンサ構造の原子炉の出力測
定装置を製造する場合、熱電対5の金属被覆7aをろう
付けやはんだ付けにより内管1に密着させることができ
ないので、まず、内管1の内部孔4に絶縁被覆7a,7
bと金属被覆8a,8bを施した熱電対5とヒータ6挿
入した後に、内管1をかしめて熱電対5の金属被覆8a
と圧着させ、さらに外管2に挿入した後に、外管2をか
しめて内管1の外面に圧着させている。
【0013】このため、内管1のかしめが不充分で熱電
対5の金属被覆7aが内管1に密着しない場合には、正
確な温度測定ができなかったり、あるいは、内管1を強
くかしめ過ぎて、かしめた時に強い力が加わって、熱電
対5の絶縁被覆7aと金属被覆8aが変形して、断線や
絶縁不良等の故障の原因になる場合がある。
【0014】また、センサの感度較正時には、内蔵のヒ
ータ6を発熱させることにより内管1を加熱し、放射線
による発熱時に形成される温度分布に類似した温度分布
を内管1に形成させるが、従来の構造ではヒータ6の近
傍に熱電対5があって、熱電対5が過度に加熱されるお
それがあり、断線や絶縁不良等の故障の原因になる場合
がある。
【0015】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、製造が容易であり、しかも測定温度の精度が高
く、かつ断線や絶縁不良等の故障が少ない信頼性の高い
原子炉の出力測定装置およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原子炉の出
力測定装置は、上述した課題を解決するために、請求項
1に記載したように、金属製ロッド状のコア部材と、前
記コア部材を圧嵌する金属のカバーチューブと、前記コ
ア部材と前記カバーチューブとの間に、軸方向に間隔を
おいて形成された環状の空隙部と、前記コア部材の外面
に形成されるとともに、前記空隙部の底面とほぼ同一底
面をなすべく前記コア部材の軸方向に延設された導通溝
と、前記導通溝に沿って前記導通溝の底面に密着するよ
うに配設され、前記空隙部の温度分布を検出する温度セ
ンサとを有し、原子炉炉心部の温度分布を検出して原子
炉出力を測定するように設定されたものである。
【0017】また、本発明に係る原子炉の出力測定装置
は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載し
た内容に加えて、請求項2に記載したように、コア部材
の中心部に形成される内部孔にロッド状発熱体を圧嵌さ
せて固着する一方、コア部材の外面に周方向に凹設した
環状凹部を、軸方向に間隔をおいて複数箇所形成し、各
環状凹部間を軸方向に延びる放射状の導通溝で連通させ
たものであり、さらに、請求項3に記載したように、コ
ア部材はロッド状発熱体を絶縁被覆を介して覆う金属被
覆を兼ねるように構成したものである。
【0018】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る原子炉の出力測定装置の製造方法は、請求
項4に記載したように、金属製ロッド状のコア部材の外
面にその軸方向に沿って環状の空隙部を複数形成すると
ともに、前記空隙部の底面とほぼ同一底面をなすべく導
通溝を延設し、前記空隙部の温度を測定するための温度
センサを前記導通溝の底面に密着するように配設し、前
記コア部材に金属のカバーチューブを圧嵌する方法であ
る。
【0019】
【作用】本発明の原子炉の出力測定装置においては、金
属製ロッド状のコア部材とこのコア部材を圧嵌させるカ
バーチューブとの間に環状の空隙部を、軸方向に離間し
て複数箇所形成し、コア部材の外面に軸方向に延びる導
通溝を形成して温度センサを設置したセンサアッセンブ
リを構成したから、温度センサをコア部材の導通溝に密
着させて固着することが容易にでき、カバーチューブと
コア部材の間に環状空隙部と、コア部材に密着された温
度センサを有する原子炉の出力測定装置を簡単かつ容易
に製造できる。
【0020】この原子炉の出力測定装置はカバーチュー
ブとコア部材の間に環状空隙部とコア部材に密着した温
度センサとを備えたので、温度測定の精度が高く、かつ
断線や絶縁不良等の故障が少なく、信頼性の高いものと
なる。
【0021】また、コア部材の中心部に形成される内部
孔にロッド状発熱体を圧嵌させて固着させた場合、この
発熱体の発熱によりセンサアッセンブリの感度較正を行
なうことができ、この較正時に熱電対等の温度センサを
過度に加熱することがなく、断線や絶縁不良等の故障が
少ない原子炉の出力測定装置が得られる。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る原子炉の出力測定装置の
一実施例について添付図面を参照して説明する。
【0023】図1は沸騰水型原子炉等の原子炉の出力測
定装置の概略図を示すものであり、この原子炉の出力測
定装置10は原子炉11の炉心部12に複数それぞれ設
置される。図示例では1つのみを代表的に示す。原子炉
の出力測定装置10は炉内固定式の核分裂電離箱として
の局所出力モニタ系(LPRM)13と、炉内固定式の
炉内出力較正用検出器を兼ねるロッド状のγサーモメー
タ14とを備える。LPRM13は従来のLPRMと異
ならないので説明を省略する。
【0024】また、γサーモメータ14は外径が例えば
10mm程度の細長い長尺ロッド状センサアッセンブリで
ある。このγサーモロータ14は炉内出力較正用に限定
されず、炉内出力測定用として用いてもよい。さらに、
γサーモメータ14は図1に示すように、LPRMスト
リング16内にLPRM13と一体的に設けても、別体
に形成し、単独で設けてもよい。
【0025】γサーモメータ14には原子炉炉心部12
の炉心有効高さHに対応する実感部を有し、この実感部
に複数、例えば8個のセンサ部15が軸方向に適宜間隔
をおいて列状に設けられる。γサーモメータ14は、図
2に示すように、外管としての被覆管であるカバーチュ
ーブ17内に、金属製ロッド状のコア部材としてのコア
チューブ18が内管の金属柱として圧嵌されて固着さ
れ、2重管構造のロッド状構造物に形成される。カバー
チューブ17およびコアチューブ18はステンレス鋼あ
るいはジルカロイ合金等の伝熱性に優れた金属材料で形
成される。
【0026】コアチューブ18の外面は周方向に凹設さ
れて環状の凹部20が形成され、この環状凹部20はカ
バーチューブ17の内面で被覆されて密封され、カバー
チューブ17との間に環状の空隙部21が形成される。
環状空隙部21はγ線サーモメータ14の実感部の軸方
向に適宜間隔をおいてセンサ部15の数だけ形成され、
断熱部を構成している。環状空隙部21にはアルゴンガ
ス等の不活性ガスが充填される。
【0027】コアチューブ18に形成される環状凹部2
0は隣り合う環状凹部20と導通溝23を介して連通さ
れる。導通溝23はコアチューブ18の軸方向に延び、
図3および図4に示すようにセンサ部15の数だけ放射
状に形成され、コアチューブ18の外周面に開口してい
る。
【0028】導通溝23には温度センサ25が設置され
る。この温度センサ25は図4に示すように、1組の差
動型熱電対26に絶縁被覆27と金属被覆28を施した
もので、この金属被覆28はコアチューブ18側にロー
付け等で固着される。このとき、熱電対26等の温度セ
ンサ25がコアチューブ18の導通溝23や環状凹部2
0の底部に良好に密着されるようにロー付けや半田付け
等で固着される。
【0029】また、コアチューブ18の中心部に軸方向
に形成される内部孔30にロッド状発熱体31が圧嵌さ
れ、固着される。発熱体31はロッド状ヒータ32に絶
縁被覆33および金属被覆33を施したものである。
【0030】次に、原子炉の出力測定装置を構成するγ
サーモメータ14の製造方法を説明する。
【0031】γサーモメータ14はγ線照射による発熱
を利用して炉出力を測定するものであり、このγサーモ
メータ14を製造する場合には、コアチューブ18の内
部孔にロッド状の発熱体31を圧嵌して固着した後、コ
アチューブ18の外側から環状凹部20と温度センサ2
5用の導通溝23を切削により形成する。
【0032】そして、コアチューブ18の環状凹部20
や導通溝23に温度センサ25である熱電対26を設置
し、この熱電対設置後に、環状凹部20に位置される測
定点である高温側接点Th部をロー付け等で固着すると
ともに、導通溝23に低温側接点Tc部をロー付け等で
固着する。温度センサ25をロー付け等で固着した後、
コアチューブ18にカバーチューブ17を外嵌させて圧
着する。
【0033】この場合、温度センサ25としての熱電対
26はコアチューブ18の環状凹部20や導通溝23に
ロー付け等で固着されており、一体的に密着されている
ので、熱伝導性が高まって変形が生じないので、絶縁不
良が生じにくくなり、図3(A)に示すThポイントや
図3(B)に示すTcポイントで正確に温度測定をする
ことができる。
【0034】また、熱電対26はロッド状発熱体31に
直接接触することがないので、発熱体31の使用時に熱
電対26が過度に過熱されることがなく、断線や絶縁不
良等の故障が生じにくくなる。
【0035】γサーモメータ14のコアチューブ18の
軸方向温度分布は、環状空隙部(環状凹部20)21が
断熱部として作用するので、従来例と同様であり、セン
サアッセンブリであるγサーモメータ14が発熱してい
ない場合には、破線aで示すように平坦であるが、原子
炉の運転により生じる炉心部21からのγ線の放射線に
より発熱した場合には、実線bで示すように表わされ、
断熱性を有する環状空隙部21で原子炉11の出力に応
じて高くなる。したがって、この温度上昇分を熱電対2
6等の温度センサ25を使用して測定することにより、
原子炉11の出力測定が可能である。
【0036】また、発熱体31であるヒータ32を発熱
することによりコアチューブ18を直接加熱すると、コ
アチューブ18には放射線(γ線)照射による発熱の場
合と類似した温度分布が形成され、熱電対26を過度に
加熱することなく、温度センサ25の感度較正を行なう
ことができる。
【0037】γサーモメータ14は放射線であるγ線に
よる発熱を熱電対26で測定することにより、γ線発熱
量と比例関係にある周辺燃料からの出力を測定するもの
であり、その測定原理は図5に示すように表わされる。
【0038】原子炉炉心部12に固定設置されたγサー
モメータ14周りの周辺燃料からのγ線照射によりγサ
ーモメータ14が加熱されると、断熱部である環状空隙
部21の内側に発生する熱は、断熱部が存在するために
断熱部の両端(軸方向)へ流れる。この軸方向の熱の流
れはセンサ部15内に軸方向温度分布を生じさせる。差
動型熱電対26で測定されるこの温度差はγ線発熱量に
比例すると共に、また周辺燃料の熱出力にも比例する。
したがって、γ線による発熱量を測定することにより、
γサーモメータ14周辺の燃料出力を求めることができ
る。
【0039】γサーモメータ14による測定信号は近似
的には次式で与えられる。
【0040】
【数1】
【0041】図6〜図8は本発明に係る原子炉の出力測
定装置の他の実施例を示すものである。
【0042】この実施例に示された原子炉の出力測定装
置であるγサーモメータは、金属製ロッド状のコア部材
40がロッド状発熱体41の金属被覆を構成するように
兼用させたものである。コア部材40はロッド状発熱体
41のヒータ43を絶縁被覆44を介して圧入固着して
おり、ヒータ43の金属被覆は厚肉構造に形成される。
【0043】ヒータ43の金属被覆を構成するコア部材
40は、外面に周方向に凹設された環状凹部45を図7
(A)に示すように有し、この環状凹部45はコア部材
40の軸方向に間隔をおいて複数個、センサ部の数に対
応して設けられる。コア部材40に形成される環状凹部
45間は、軸方向に延びる導通溝46により相互に連通
され、この導通溝46および環状凹部45内に温度セン
サ25が配置される。導通溝46は図7(B)に示すよ
うにコア部材40の外面に放射状に形成され、内部に収
容される温度センサ25の密着を容易にしており、温度
センサ25はコア部材40の環状凹部45および導通溝
46の溝底部にロー付けや半田付け等で一体的に密着さ
れる。
【0044】ヒータ43の金属被覆であるコア部材40
は金属製のカバーチューブ17に圧嵌されて固着され
る。他の構成は図2〜図4に示すようγサーモメータ1
4のセンサアッセンブリと異ならないので同じ符号を付
して説明を省略する。
【0045】このγサーモメータにおいても、原子炉内
の放射線によりセンサアッセンブリが発熱した場合や、
内蔵のヒータ32を発熱した場合には、ヒータ32の金
属被覆てあるコア部材40の環状の空隙部21での温度
が高くなり、一実施例で示したγサーモメータと同様の
効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る原子炉
の出力測定装置およびその製造方法においては、金属製
ロッド状のコア部材の外面にその軸方向に沿って環状の
空隙部を複数形成するとともに、前記空隙部の底面とほ
ぼ同一底面をなすべく導通溝を延設し、前記空隙部の温
度を測定するための温度センサを前記導通溝の底面に密
着するように配設し、前記コア部材を金属のカバーチュ
ーブで圧嵌させたから、温度センサをコア部材の導通溝
に密着させて固着することが容易にでき、熱伝導性が向
上して温度測定の感度ならびに精度を向上させることが
できるとともに、原子炉の出力測定装置を簡単かつ容易
に製造できる。
【0047】この原子炉の出力測定装置は金属のカバー
チューブと金属製ロッド状のコア部材との間に環状空隙
部を形成し、環状空隙部を構成するコア部材の環状凹部
と導通溝の底面に温度センサを密着させたので、密着さ
れる温度センサが環状凹部および導通溝の底面に沿った
まま直線状に延びて配設させることができ、温度センサ
の曲げを回避して、センサ変形に伴なうセンサ損傷確率
の低減を図ることができる一方、温度センサの断線や絶
縁不良等の故障が少なく、温度の測定精度の向上が図
れ、信頼性を向上させることができる。
【0048】また、コア部材の中心部に形成される内部
孔にロッド状発熱体を圧嵌させて固着させた場合、この
発熱体の発熱によりセンサアッセンブリの感度較正を行
なうことができ、この較正時に熱電対等の温度センサを
過度に加熱することがなく、断線や絶縁不良等の故障が
少ない原子炉の出力測定装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉の出力測定装置を示す原理
的な説明図。
【図2】本発明に係る原子炉の出力測定装置のセンサ部
の構造とコアチューブの軸方向温度分布を示す図。
【図3】(A)および(B)は図2のA−A線およびB
−B線に沿う平断面図。
【図4】図2の原子炉の出力測定装置の温度センサと発
熱体設置の構造を示す拡大図。
【図5】図1のA部を拡大したもので、原子炉の出力測
定装置のセンサ部の構造とコアチューブの軸方向温度分
布の測定原理を示す図。
【図6】本発明の他の実施例を示すセンサ部の構造図。
【図7】(A)および(B)は図6のA−A線およびB
−B線に沿う平断面図。
【図8】図6に示される原子炉の出力測定装置の温度セ
ンサと発熱体設置構造例を示す拡大図。
【図9】従来の原子炉の出力測定装置のセンサ部の構造
と内管の軸方向温度分布を示す図。
【図10】図9のX−X線に沿う平断面図。
【図11】図9の原子炉の出力測定装置の熱電対とヒー
タ設置部の溝をそれぞれ示す図。
【符号の説明】
10 原子炉の出力測定装置 11 原子炉 12 炉心部 13 LPRM 14 γサーモメータ(センサアッセンブリ) 15 センサ部 17 カバーチューブ 18 コアチューブ(コア部材) 20,45 環状凹部 21 環状空隙部 23,46 導通溝 25 温度センサ 26 熱電対 27,33,44 絶縁被覆 28,34 金属被覆 31 ロッド状発熱体 32,43 ヒータ 40 コア部材(金属被覆)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−218796(JP,A) 特開 昭59−108991(JP,A) 特開 昭57−149992(JP,A) 実開 平6−69894(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 17/10 GDB

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製ロッド状のコア部材と、 前記コア部材を圧嵌する金属のカバーチューブと、 前記コア部材と前記カバーチューブとの間に、軸方向に
    間隔をおいて形成された環状の空隙部と、 前記コア部材の外面に形成されるとともに、前記空隙部
    の底面とほぼ同一底面をなすべく前記コア部材の軸方向
    に延設された導通溝と、 前記導通溝に沿って前記導通溝の底面に密着するように
    配設され、前記空隙部の温度分布を検出する温度センサ
    とを有し、 原子炉炉心部の温度分布を検出して原子炉出力を測定す
    るように設定されたことを特徴とする原子炉の出力測定
    装置。
  2. 【請求項2】 コア部材の中心部に形成される内部孔に
    ロッド状発熱体を圧嵌させて固着する一方、コア部材の
    外面に周方向に凹設した環状凹部を、軸方向に間隔をお
    いて複数箇所形成し、各環状凹部間を軸方向に延びる放
    射状の導通溝で連通させた請求項1記載の原子炉の出力
    測定装置。
  3. 【請求項3】 コア部材はロッド状発熱体を絶縁被覆を
    介して覆う金属被覆を兼ねるように構成した請求項1ま
    たは2に記載の原子炉の出力測定装置。
  4. 【請求項4】 金属製ロッド状のコア部材の外面にその
    軸方向に沿って環状の空隙部を複数形成するとともに、
    前記空隙部の底面とほぼ同一底面をなすべく導通溝を延
    設し、 前記空隙部の温度を測定するための温度センサを前記導
    通溝の底面に密着するように配設し、 前記コア部材に金属のカバーチューブを圧嵌することを
    特徴とする原子炉の出力測定装置の製造方法。
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