JP3462817B2 - 彫刻刀の刀研ぎ用治具 - Google Patents

彫刻刀の刀研ぎ用治具

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JP3462817B2
JP3462817B2 JP31396199A JP31396199A JP3462817B2 JP 3462817 B2 JP3462817 B2 JP 3462817B2 JP 31396199 A JP31396199 A JP 31396199A JP 31396199 A JP31396199 A JP 31396199A JP 3462817 B2 JP3462817 B2 JP 3462817B2
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恭一 田中
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株式会社マミ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木、象牙や金属な
どを彫り刻む彫刻刀を砥石で研磨する際に用いる刀研ぎ
用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】主に木を彫り刻む彫刻刀は、手で握る木
製の柄の先端に鋼製の刃軸を突出して固定し、刃軸の先
端に片刃の刃先を形成している。片刃の刃先は、刃軸に
対して平行する面がすくい面、傾斜する面が逃げ面にな
り、すくい面と逃げ面が先端で接して形成する稜線が切
れ刃になる。鋼製の刃軸は、熱処理を施して硬度を高
め、その後、先端を研磨加工して刃先を形成する。
【0003】彫刻刀は、使用していると、刃先の切れ刃
が磨耗して切れ味が悪くなる。すると、刃先の逃げ面を
砥石で研磨して、切れ味を回復させる。
【0004】彫刻刀を砥石で研磨する際、柄を手で握っ
て刃先の逃げ面を直方体形状の砥石の研磨面に擦り付け
ている間、刃先の逃げ面を砥石の研磨面に対して平行に
保持しなければならない。刃先の逃げ面が砥石の研磨面
に対して傾斜すると、逃げ面は、傾斜角度が変化した
り、平面が曲面になったりして、研磨前とは異なってし
まい、切れ刃の角度が変化する。切れ具合が変わってし
まう。
【0005】ところが、彫刻刀は、刃先の逃げ面が、狭
く、かつ、柄に対して傾斜しているので、彫刻刀を砥石
で研磨する間、彫刻刀の柄を手で握って刃先の逃げ面を
砥石の研磨面に対して平行に保持することは困難であ
る。彫刻刀は、研磨すると、切れ具合が変わってしまう
ことが多い。
【0006】そこで、本発明者は、彫刻刀の刀研ぎ用治
具を発明した。この刀研ぎ用治具は、ブロック形状の本
体に、基端面から先端側に、彫刻刀の刃軸を挿入する取
付孔を前後方向に貫通し、本体の先端面と下面の間の隅
角部を斜めに切り欠いて、刃軸の刃先の逃げ面即ち研磨
予定面と同様に傾斜した補助面を形成し、取付孔に挿入
した刃軸の刃先の研磨予定面を取付孔の先端開口に露出
すると、刃先の研磨予定面と刀研ぎ用治具の補助面が同
一の平面内に位置する構成にし、取付孔に挿入した刃軸
を、本体に螺合した止ねじによって押されるプランジャ
で取付孔の下面に押え付ける刃軸固定機構を設けてい
る。
【0007】この刀研ぎ用治具においては、取付孔に彫
刻刀の刃軸を挿入して刃軸の刃先の研磨予定面を取付孔
の先端開口に露出し、止ねじを締めて刃軸を取付孔に固
定し、刃軸の刃先の研磨予定面を補助面と同一の面内に
配置する。この状態で、刃先の研磨予定面を刀研ぎ用治
具の補助面と一緒に砥石の研磨面に擦り付ける。する
と、彫刻刀の刃先の研磨予定面は、刀研ぎ用治具の補助
面によって砥石の研磨面に対して平行に保持され易く、
砥石の研磨面に対して傾斜し難い。刃先は、切れ刃の角
度が変化し難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】彫刻刀の刃軸は、熱処
理を施した後、刃先を研磨加工して形成するので、刃先
の寸法精度が高い。しかし、刃先以外の部分は、熱処理
後、研磨加工しないので、寸法精度が低い。刃軸の非刃
先部分においては、上面又は下面が刃先の上面又は下面
に対して平行せずに傾斜し、上面又は下面の左右方向が
刃先の左右方向に対して少し傾いていることがある。
【0009】上記のような彫刻刀の刀研ぎ用治具におい
ては、彫刻刀の刃軸を固定する際、プランジャを刃軸の
非刃先部分の上面に当て、刃軸の非刃先部分の下面を取
付孔の下面に押え付けるので、刃軸の非刃先部分におい
て上面又は下面の左右方向が刃先の左右方向に対して傾
いていると、刃先の左右方向が傾斜した状態で刃軸が取
付孔に固定され、刃先の研磨予定面が刀研ぎ用治具の補
助面と同一の平面内に配置されないことがある。
【0010】刃先の研磨予定面が刀研ぎ用治具の補助面
と同一の平面内に位置しないと、研磨予定面は、所望の
通りに研磨されず、研磨によって切れ刃の角度が変化す
る。切れ具合が変わってしまう。
【0011】上記のような彫刻刀の刀研ぎ用治具には、
刃先の左右方向が傾斜した状態で刃軸が固定されたとき
に刃軸の左右方向の傾きを修正する機構がない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、彫刻刀の刃軸
を挿入する取付孔を前後方向に貫通し、取付孔に挿入し
た刃軸の上面に当るプランジャを設け、プランジャの左
側を下降させるねじ機構と、プランジャの右側を下降さ
せるねじ機構を設け、側と右側のねじ機構を締め操作
して、取付孔に挿入した刃軸の下面を取付孔の合成樹脂
製下面に押え付ける刃軸固定機構であって、左側又は右
側のねじ機構の締め付け力を増減すると、刃軸の下面が
押え付けられた取付孔の合成樹脂製下面において左側又
は右側の変形量が増減し、取付孔に固定された刃軸の左
右方向の傾きが修正される刃軸固定機構を構成し、取付
孔の先端開口に露出する刃軸の刃先の研磨予定面と同一
の面内に位置する補助面を形成したことを特徴とする彫
刻刀の刀研ぎ用治具である。
【0013】
【発明の効果】本発明の彫刻刀の刀研ぎ用治具において
は、取付孔に彫刻刀の刃軸を挿入して刃軸の刃先の研磨
予定面を取付孔の先端開口に露出し、左右のねじ機構を
締め操作して刃軸を取付孔に固定し、刃軸の刃先の研磨
予定面を補助面と同一の面内に配置する。
【0014】刃先の左右方向が傾斜した状態で刃軸が固
定され、刃先の研磨予定面が補助面と同一の平面内に位
置しないときは、左側又は右側のねじ機構の締め付け力
を増減する。すると、刃軸の下面が押え付けられた取付
孔の合成樹脂製下面において左側又は右側の変形量が増
減し、取付孔に固定された刃軸の左右方向の傾きが修正
される。左右のねじ機構の締め付け力を調整して、刃先
の研磨予定面を補助面と同一の平面内に位置させる。
【0015】この状態で、刃先の研磨予定面を補助面と
一緒に砥石の研磨面に擦り付ける。すると、研磨の間、
彫刻刀の刃先の研磨予定面は、刀研ぎ用治具の補助面に
よって砥石の研磨面に対して平行に保持され易く、砥石
の研磨面に対して傾斜し難い。刃先は、切れ刃の角度が
変化し難い。
【0016】
【発明の実施の態様】[第1例(図1〜図7参照)]本
例の刀研ぎ用治具は、主に木を彫り刻む平刀の彫刻刀用
である。
【0017】平刀の彫刻刀cは、図1〜図3に2点鎖線
で示すように、木製の柄1の先端に鋼製の横長長方形断
面の刃軸2を突出して固定し、刃軸2の先端に片刃の刃
先を形成している。片刃の刃先は、刃軸2の長さ方向に
対して、平行する上面をすくい面3、傾斜する下面を逃
げ面4にし、すくい面3と逃げ面4の稜線を、刃軸2の
幅方向に沿って配置して、切れ刃5にしている。逃げ面
4が研磨予定面である。刃軸2は、熱処理を施して硬度
を高め、その後、先端を研磨加工して刃先を形成する。
【0018】刀研ぎ用治具Sは、図4に示すように、ポ
リプロピレン、ナイロン、アクリルやポリエチレンのよ
うな合成樹脂製の本体11と蓋体21を主な部品として
いる。
【0019】ブロック形状の本体11は、図1〜図3に
実線と破線で示すように、基端面から先端側に、彫刻刀
の刃軸2を挿入する横長長方形断面の取付孔12を左右
方向中央位置に前後方向に貫通している。また、本体1
1は、先端面と下面の間の隅角部を斜めに切り欠いて、
彫刻刀の刃軸2の逃げ面4と同様に傾斜した補助面13
を形成している。補助面13の先端中央部には、取付孔
12の先端が開口している。
【0020】取付孔12に彫刻刀の刃軸2を挿入し、図
6に示すように、刃軸2の刃先の逃げ面4を取付孔12
の先端開口に配置して露出すると、刃先の逃げ面4が補
助面13と同一の平面内に位置する。
【0021】合成樹脂成形品の本体11は、図4と図5
(a)に示すように、上面と取付孔12の上面の間に、
長方形断面のプランジャ孔14を貫通し、上面のプラン
ジャ孔14開口中央部の左側部分と右側側部分にそれぞ
れ凹部15を形成している。左右の凹部15には、図2
と図5(a)に示すように、それぞれ、円筒形状の金属
製のナット16を上下方向に配置し、左右のナット16
の下部をそれぞれ凹部15内の丘部に埋め込んで固定し
ている。左右の凹部15内の丘部には、それぞれ、螺旋
ばね17を、その下部をナット16の突出上部に嵌合し
て載せ、左右の螺旋ばね17の上部をそれぞれナット1
6の上に突出している。
【0022】合成樹脂成形品の蓋体21は、図4と図5
(b)に示すように、周壁付き蓋板22の中央部下面に
箱構造のプランジャ23を突出し、蓋板22のプランジ
ャ23突出中央部の左側部分と右側側部分に、それぞ
れ、金属製の摘み付きボルト24を貫通し、左右のボル
ト24の摘みとねじ軸をそれぞれ蓋板22の上と下に突
出している。
【0023】本体11の上端には、図1と図2に示すよ
うに、蓋体21の周壁付き蓋板22を緩く被せ、蓋体2
1のプランジャ23を本体11のプランジャ孔14に挿
入している。蓋体21の左右のボルト24は、それぞ
れ、そのねじ軸を螺旋ばね17に挿入してナット16に
螺合している。左右の螺旋ばね17は、それぞれ、本体
11の凹部15内の丘部と蓋体21の蓋板22に挟まれ
て圧縮されている。
【0024】左側のナット16とボルト24は、蓋体2
1のプランジャ23の左側を下降させるねじ機構を構成
している。右側のナット16とボルト24は、蓋体21
のプランジャ23の右側を下降させるねじ機構を構成し
ている。
【0025】左右のねじ機構のボルト24を締めると、
左右のボルト24の摘みが蓋体21を押し、蓋体21が
螺旋ばね17に抗して下降し、図6に示すように、蓋体
21のプランジャ23下端が、本体11の取付孔12に
突出して、取付孔12に挿入した彫刻刀の刃軸2の上面
に当り、刃軸2と同一幅のプランジャ23が刃軸2の非
刃先部分の下面を取付孔12の下面に押し付け、刃軸2
を本体11に固定する。
【0026】左右のねじ機構のボルト24を緩めると、
図1に示すように、蓋体21が螺旋ばね22の弾性力で
上昇し、プランジャ23の下端が取付孔12から引っ込
み、彫刻刀の刃軸2の固定が解除され、刃軸2が取付孔
12から抜出可能になる。
【0027】切れ刃5方向が水平左右方向から傾いて刃
先の左右方向が傾斜した状態で刃軸2が取付孔12に固
定され、刃先の逃げ面4が補助面13と同一の平面内に
位置しないときは、左側又は右側のねじ機構16、24
の締め付け力を増減する。すると、刃軸2の下面が押え
付けられた取付孔12の合成樹脂製下面において左側又
は右側の変形量が増減し、取付孔12に固定された刃軸
2の左右方向の傾きが修正される。左右のねじ機構1
6、24の締め付け力を調整して、刃先の逃げ面4を補
助面13と同一の平面内に位置させる。
【0028】即ち、プランジャ23とその左右のねじ機
構16、24によって、取付孔12に挿入した刃軸2の
左右方向の傾きを修正して刃軸2の下面を取付孔12の
合成樹脂製下面に押え付ける刃軸固定機構を構成してい
る。
【0029】彫刻刀を砥石で研磨する際、図6に示すよ
うに、彫刻刀cの刃軸2を刀研ぎ用治具Sの取付孔12
に挿入して、刃軸2の刃先の逃げ面4を取付孔12の先
端開口に配置し、左右のねじ機構のボルト24を締め
て、刃軸2を刀研ぎ用治具Sに固定し、刃先の逃げ面4
を補助面13と同一の平面内に位置させる。
【0030】この状態で、彫刻刀の柄1又は刀研ぎ用治
具Sを持って、図7に示すように、彫刻刀の刃先の逃げ
面4を刀研ぎ用治具の補助面13と一緒に直方体形状の
砥石wの研磨平面に擦り付ける。
【0031】すると、研磨の間、彫刻刀の刃先の逃げ面
4は、刀研ぎ用治具の補助面13によって砥石wの研磨
平面に対して平行に保持され、砥石wの研磨平面に対し
て傾斜しない。研磨後の逃げ面は、研磨前の逃げ面4と
平行になる。
【0032】本例の刀研ぎ用治具においては、本体11
に蓋体21を組み付けて簡単に組み立てることができ
る。また、左右のねじ機構16、24を緩め操作する
と、プランジャ23が上昇して取付孔12から引っ込む
ので、取付孔12に彫刻刀cの刃軸2を挿入する際、刃
軸2の切れ刃5がプランジャ23に衝突し難い。更に、
取付孔12に突出するプランジャ23が合成樹脂である
ので、刃軸2の切れ刃5がプランジャ23に衝突して
も、切れ刃5が破損し難い。
【0033】[第2例(図8〜図10参照)]本例の刀
研ぎ用治具は、主に木を彫り刻む印刀の彫刻刀用であ
る。
【0034】印刀の彫刻刀は、柄の先端に突出した横長
長方形断面の刃軸2の先端に片刃の刃先を形成してい
る。片刃の刃先は、図8と図10に2点鎖線で示すよう
に、刃軸2の長さ方向と幅方向の両方向に対して、平行
する上面をすくい面3、傾斜する下面を逃げ面4にして
いる。すくい面3と逃げ面4の稜線である切れ刃5は、
刃軸2の幅方向に対して傾斜している。逃げ面4が研磨
予定面である。
【0035】刀研ぎ用治具Sは、第1例におけるのと同
様に、本体11とその上端に被せる蓋体21を主な部品
としている。
【0036】ブロック形状の本体11は、図8〜図10
に実線と破線で示すように、基端面から先端側に、彫刻
刀の刃軸2を挿入する横長長方形断面の取付孔12を左
右方向中央位置に前後方向に貫通している。また、本体
11は、先端面と下面及び一方の側面との間の隅角部を
斜めに切り欠いて、彫刻刀の刃軸2の逃げ面4と同様に
傾斜した補助面13を形成している。補助面13の先端
中央部には、取付孔12の先端が開口している。
【0037】取付孔12に彫刻刀の刃軸2を挿入し、刃
軸2の刃先の逃げ面4を取付孔12の先端開口に配置し
て露出すると、刃先の逃げ面4が補助面13と同一の平
面内に位置する。
【0038】合成樹脂成形品の本体11と蓋体21に
は、第1例におけるのと同様に、蓋体21の下面に突出
したプランジャ23の左側を下降させるねじ機構16、
24と、プランジャ23の右側を下降させるねじ機構1
6、24を設けている。また、プランジャ23とその左
右のねじ機構16、24によって、取付孔12に挿入し
た刃軸2の左右方向の傾きを修正して刃軸2の下面を取
付孔12の下面に押え付ける刃軸固定機構を設けてい
る。
【0039】また、第1例におけるのと同様に、左右の
ねじ機構16、24を緩め操作すると、合成樹脂のプラ
ンジャ23を上昇させて取付孔12から引っ込める弾性
体の螺旋ばね17を設けている。その他の点は、第1例
におけるのと同様である。
【0040】[第3例(図11〜図14参照)]本例の
刀研ぎ用治具は、主に木を彫り刻む三角刀の彫刻刀用で
ある。
【0041】三角刀の彫刻刀cは、図11〜図13に2
点鎖線で示すように、柄1の先端に突出した等辺V字形
断面の刃軸2の先端に片刃の刃先を形成している。片刃
の刃先は、刃軸2の長さ方向即ち前後方向に対して平行
して刃軸2の幅方向即ち左右方向に対して傾斜する上面
ないし内面の左半分と右半分をすくい面3の左半分と右
半分にし、刃軸2の前後方向と左右方向の両方向に対し
て傾斜する下面ないし外面の左半分と右半分を逃げ面4
の左半分と右半分にしている。すくい面3と逃げ面4の
稜線である切れ刃5は、等辺V字形であり、刃軸2の上
下方向から前側に傾斜している。逃げ面4の左半分と右
半分が研磨予定面である。
【0042】刀研ぎ用治具Sは、第1例におけるのと同
様に、本体11とその上端に被せる蓋体21を主な部品
としている。
【0043】ブロック形状の本体11は、図11〜図1
3に実線と破線で示すように、基端面から先端側に、彫
刻刀の刃軸2を挿入する等辺逆三角形断面の取付孔12
を左右方向中央位置に前後方向に貫通している。取付孔
12は、左右の傾斜下面がなす角度を、刃軸2の左右の
傾斜下面ないし傾斜外面がなす角度より少し小さくして
いる。
【0044】本体11は、先端面と下面及び左側面との
間の隅角部を斜めに切り欠いて、刃軸2の逃げ面4の左
半分と同様に傾斜した左側補助面13を形成している。
また、先端面と下面及び右側面との間の隅角部を斜めに
切り欠いて、逃げ面4の右半分と同様に傾斜した右側補
助面13を形成している。左右の補助面13の交差先端
部には、取付孔12の先端が開口している。
【0045】取付孔12に彫刻刀の刃軸2を挿入し、図
14に示すように、刃軸2の刃先の逃げ面4を取付孔1
2の先端開口に配置して露出すると、刃先の逃げ面4の
左半分が左側補助面13と同一の平面内に位置すると共
に、刃先の逃げ面4の右半分が右側補助面13と同一の
平面内に位置する。
【0046】合成樹脂成形品の本体11と蓋体21に
は、第1例におけるのと同様に、蓋体21の下面に突出
したプランジャ23の左側を下降させるねじ機構16、
24と、プランジャ23の右側を下降させるねじ機構1
6、24を設けている。また、厚板形状のプランジャ2
3とその左右のねじ機構16、24によって、取付孔1
2に挿入した刃軸2の左右方向の傾きを修正して刃軸2
の下面を取付孔12の下面に押え付ける刃軸固定機構を
設けている。
【0047】彫刻刀を砥石で研磨する際、図14に示す
ように、彫刻刀cの刃軸2を刀研ぎ用治具Sの取付孔1
2に挿入して、刃軸2の刃先の逃げ面4を取付孔12の
先端開口に配置し、左右のねじ機構のボルト24を締め
て、刃軸2の左右の傾斜下面を取付孔12の左右の傾斜
下面に押し付け、刃軸2を刀研ぎ用治具Sに固定し、取
付孔12の先端開口の左側部に露出した刃軸2の刃先の
逃げ面4の左半分を左側補助面13と同一の平面内に位
置させると共に、取付孔12の先端開口の右側部に露出
した刃先の逃げ面4の右半分を右側補助面13と同一の
平面内に位置させる。
【0048】この状態で、彫刻刀の柄1又は刀研ぎ用治
具Sを持って、彫刻刀の刃先の逃げ面4の左半分を刀研
ぎ用治具の左側補助面13と一緒に砥石の研磨平面に擦
り付ける。また、彫刻刀の刃先の逃げ面4の右半分を刀
研ぎ用治具の右側補助面13と一緒に砥石の研磨平面に
擦り付ける。
【0049】その他の点は、第1例におけるのと同様で
ある。なお、取付孔12の断面形状は、等辺逆三角形で
なくても、プランジャ23で下側に押される等辺V字形
断面の刃軸2の左右傾斜下面を支えることのできる形状
であればよい。
【0050】[第4例(図15〜図19参照)]本例の
刀研ぎ用治具は、主に木を彫り刻む丸刀の彫刻刀用であ
る。
【0051】丸刀の彫刻刀cは、図15〜図17に2点
鎖線で示すように、柄1の先端に突出した刃軸2の先端
に片刃の刃先を形成している。刃軸2の断面は、下側に
膨らんだ円弧形状である。片刃の刃先は、刃軸2の前後
方向に対して平行する円筒面の上面ないし内面をすくい
面3にし、刃軸2の前後方向に対して傾斜する円筒面の
下面ないし外面を逃げ面4にしている。すくい面3と逃
げ面4の稜線である切れ刃5は、下側に膨らんだ円弧形
であり、刃軸2の上下方向から前側に傾斜している。円
筒面の逃げ面4が研磨予定面である。
【0052】刀研ぎ用治具Sは、第1例におけるのと同
様に、本体11とその上端に被せる蓋体21を主な部品
としている。
【0053】ブロック形状の本体11は、図13〜図1
6に実線と破線で示すように、基端面から先端側に、彫
刻刀の刃軸2を挿入する取付孔12を左右方向中央位置
に前後方向に貫通している。取付孔12の断面は、下側
に膨らんだ弓形状である。
【0054】本体11は、先端面と下面及び左側面との
間の隅角部を斜めに切り欠いて、左側斜面31を形成し
ている。また、先端面と下面及び右側面との間の隅角部
を斜めに切り欠いて、右側斜面31を形成している。左
側斜面31と右側斜面31の稜線部を刃軸2の逃げ面4
と同様な円弧形に丸めて、刃軸2の逃げ面4と同様に傾
斜した円筒面の補助面13を形成している。補助面13
の先端部には、取付孔12の先端が開口している。
【0055】取付孔12に彫刻刀の刃軸2を挿入し、図
18に示すように、刃軸2の刃先の逃げ面4を取付孔1
2の先端開口に配置して露出すると、刃先の逃げ面4が
補助面13と同一の円筒面内に位置する。
【0056】合成樹脂成形品の本体11と蓋体21に
は、第1例におけるのと同様に、蓋体21の下面に突出
したプランジャ23の左側を下降させるねじ機構16、
24と、プランジャ23の右側を下降させるねじ機構1
6、24を設けている。また、プランジャ23とその左
右のねじ機構16、24によって、取付孔12に挿入し
た刃軸2の左右方向の傾きを修正して刃軸2の下面を取
付孔12の下面に押え付ける刃軸固定機構を設けてい
る。
【0057】なお、丸刀の彫刻刀用の砥石wは、図19
に示すように、上面に弓形断面の溝を前後方向に貫通し
て設けて、彫刻刀の刃先の逃げ面4と同様な研磨円筒面
32を形成している。
【0058】彫刻刀を砥石で研磨する際、図18に示す
ように、彫刻刀の刃軸2を刀研ぎ用治具の取付孔12に
挿入して、刃軸2の刃先の逃げ面4を取付孔12の先端
開口に配置し、左右のねじ機構のボルト24を締めて、
刃軸2の下面を取付孔12の下面に押し付け、刃軸2を
刀研ぎ用治具Sに固定し、取付孔12の先端開口に露出
する刃軸2の刃先の逃げ面4を刀研ぎ用治具の補助面1
3と同一の円筒面内に位置させる。
【0059】この状態で、彫刻刀の柄1又は刀研ぎ用治
具Sを持って、彫刻刀の刃先の逃げ面4を刀研ぎ用治具
の補助面13と一緒に砥石wの研磨円筒面32に擦り付
ける。
【0060】その他の点は、第1例におけるのと同様で
ある。なお、取付孔12の断面形状は、弓形状でなくて
も、プランジャ23で下側に押される刃軸2の円筒面の
下面を支えることのできる形状であればよい。例えば、
等辺逆三角形にしてもよい。
【0061】[第5例(図20と図21参照)]本例の
刀研ぎ用治具は、主に木を彫り刻む丸すくい刀の彫刻刀
用である。
【0062】丸すくい刀の彫刻刀cは、図20と図21
に2点鎖線で示すように、第4例における丸刀の彫刻刀
において、刃軸2を湾曲して刃軸2の刃先側を上側に少
し持ち上げている。彫刻刀の長さ方向に対して傾斜する
円筒面の逃げ面4が研磨予定面である。
【0063】刀研ぎ用治具Sは、第4例におけるのと同
様に、本体11とその上端に被せる蓋体21を主な部品
としている。
【0064】ブロック形状の本体11は、図20と図2
1に実線で示すように、基端面から先端側に、彫刻刀の
少し湾曲した刃軸2を挿入する取付孔12を刃軸2と同
様に湾曲して左右方向中央位置に前後方向に貫通してい
る。また、本体11は、第4例におけるのと同様に、刃
軸2の逃げ面4と同様に傾斜した円筒面の補助面13を
形成している。補助面13の先端部には、取付孔12の
先端が開口している。
【0065】取付孔12に彫刻刀の刃軸2を挿入し、図
20に示すように、刃軸2の刃先の逃げ面4を取付孔1
2の先端開口に配置して露出すると、刃先の逃げ面4が
補助面13と同一の円筒面内に位置する。
【0066】合成樹脂成形品の本体11と蓋体21に
は、第4例におけるのと同様に、蓋体21の下面に突出
したプランジャ23の左側を下降させるねじ機構16、
24と、プランジャ23の右側を下降させるねじ機構1
6、24を設けている。また、プランジャ23とその左
右のねじ機構16、24によって、取付孔12に挿入し
た刃軸2の左右方向の傾きを修正して刃軸2の下面を取
付孔12の下面に押え付ける刃軸固定機構を設けてい
る。
【0067】プランジャ23は、下面が刃軸2と同様に
湾曲している。その他の点は、第4例におけるのと同様
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の第1例における彫刻刀(平
刀)の刀研ぎ用治具の中央縦断側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】同刀研ぎ用治具の底面図。
【図4】同刀研ぎ用治具の本体と蓋体を上下に分離した
状態の中央縦断側面図。
【図5】同刀研ぎ用治具の本体と蓋体の図であり、
(a)は本体の平面図、(b)は蓋体の底面図。
【図6】同刀研ぎ用治具に彫刻刀の刃軸を固定した状態
の中央縦断側面図。
【図7】同刀研ぎ用治具に固定した彫刻刀の刃先の逃げ
面を砥石で研磨する状態の中央縦断側面図。
【図8】第2例における彫刻刀(印刀)の刀研ぎ用治具
の中央縦断側面図であって図10のC−C線断面図。
【図9】図8のB−B線断面図。
【図10】同刀研ぎ用治具の底面図。
【図11】第3例における彫刻刀(三角刀)の刀研ぎ用
治具の中央縦断側面図。
【図12】図11のD−D線断面図。
【図13】同刀研ぎ用治具の底面図。
【図14】同刀研ぎ用治具に彫刻刀の刃軸を固定した状
態の中央縦断側面図。
【図15】第4例における彫刻刀(丸刀)の刀研ぎ用治
具の中央縦断側面図。
【図16】図15のE−E線断面図。
【図17】同刀研ぎ用治具の底面図。
【図18】同刀研ぎ用治具に彫刻刀の刃軸を固定した状
態の中央縦断側面図。
【図19】彫刻刀(丸刀)用の砥石の斜視図。
【図20】第5例における彫刻刀(丸すくい刀)の刀研
ぎ用治具の中央縦断側面図。
【図21】図20のF−F線断面図。
【符号の説明】
c 彫刻刀 2 刃軸 4 逃げ面、研磨予定面 S 刀研ぎ用治具 11 合成樹脂成形品の本体 12 取付孔 13 補助面 14 プランジャ孔 16、24 ねじ機構 17 螺旋ばね、弾性体 21 合成樹脂成形品の蓋体 23 合成樹脂のプランジャ 16、23、24 刃軸固定機構

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 彫刻刀の刃軸を挿入する取付孔を前後方
    向に貫通し、取付孔に挿入した刃軸の上面に当るプラン
    ジャを設け、プランジャの左側を下降させるねじ機構
    と、プランジャの右側を下降させるねじ機構を設け、 側と右側のねじ機構を締め操作して、取付孔に挿入し
    た刃軸の下面を取付孔の合成樹脂製下面に押え付ける刃
    軸固定機構であって、左側又は右側のねじ機構の締め付
    け力を増減すると、刃軸の下面が押え付けられた取付孔
    の合成樹脂製下面において左側又は右側の変形量が増減
    し、取付孔に固定された刃軸の左右方向の傾きが修正さ
    れる刃軸固定機構を構成し、 取付孔の先端開口に露出する刃軸の刃先の研磨予定面と
    同一の面内に位置する補助面を形成したことを特徴とす
    る彫刻刀の刀研ぎ用治具。
  2. 【請求項2】 本体に、彫刻刀の刃軸を挿入する取付孔
    を前後方向に貫通し、本体の上面と取付孔の上面の間に
    プランジャ孔を貫通し、本体の上端に、プランジャを下
    面に突出した蓋体を被せ、蓋体のプランジャを本体のプ
    ランジャ孔に挿入し、プランジャが、取付孔に挿入した
    刃軸の上面に当る構成にし、本体と蓋体に、プランジャ
    の左側を下降させるねじ機構と、プランジャの右側を下
    降させるねじ機構を設け、 側と右側のねじ機構を締め操作して、取付孔に挿入し
    た刃軸の下面を取付孔の合成樹脂製下面に押え付ける刃
    軸固定機構であって、左側又は右側のねじ機構の締め付
    け力を増減すると、刃軸の下面が押え付けられた取付孔
    の合成樹脂製下面において左側又は右側の変形量が増減
    し、取付孔に固定された刃軸の左右方向の傾きが修正さ
    れる刃軸固定機構を構成し、 取付孔の先端開口に露出する刃軸の刃先の研磨予定面と
    同一の面内に位置する補助面を本体の下面側に形成した
    ことを特徴とする彫刻刀の刀研ぎ用治具。
  3. 【請求項3】 取付孔に突出するプランジャを合成樹脂
    にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の彫刻刀
    の刀研ぎ用治具。
  4. 【請求項4】 ねじ機構を緩め操作すると、プランジャ
    が上昇して取付孔から引っ込む構成にしたことを特徴と
    する請求項1、2又は3に記載の彫刻刀の刀研ぎ用治
    具。
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