JP3462770B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents
光ファイバケーブルInfo
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Description
れる支持線を備えた光ファイバケーブルに関する。
部とケーブル本体部を連続的に結合した構造が知られて
いる。このような光ファイバケーブルとしては特開平1
0−115755号公報に記載されているものがある。
図4(a)はこの従来の光ファイバケーブルの一例の断
面図である。図中40は光ファイバケーブル、41は光
ファイバ心線、42は前記光ファイバテープ心線を集合
一体化する硬質樹脂被覆、43は41、42からなる光
ユニット、44は前記光ユニット43に密着して被覆さ
れたケーブル本体外被、45はケーブル本体部、46は
抗張力体、47は抗張力体外被、48は抗張力体46と
抗張力体外被47からなる支持線部、49はケーブル本
体部45と支持線部48を結合する首部である。図4
(b)は同光ファイバケーブルの側面図である。光ケー
ブル本体部45は支持線部48に対してたるみを有する
ように蛇行した状態で結合されており、布設時や強風時
に働く張力により光ファイバケーブル40が伸ばされた
場合に光ファイバ心線41に張力が加わりにくい様に構
成されている。この構造は、光ケーブル本体部45のた
るみ量が支持線部48に対して0.05%程度までの光
ファイバケーブルの設計に適用されていた。
伸びが加わる環境に適用する光ファイバケーブルを構成
するためには支持線部に対してケーブル本体部により大
きなたるみを与えねばならず、ケーブル本体部が支持線
部と首部でつながりながら短ピッチで蛇行する構造が必
要となるが、これは光伝送特性、製造性、美観の面から
好ましくない上、風を受ける面積が増加して風圧による
伸びが更に大きくなるといった問題を生じるため実用的
には光ケーブル本体のたるみ量が支持線に対して0.0
5%程度までの光ファイバケーブルの設計に制限されて
いた。
電柱の建設頻度を減らし、電柱への光ファイバケーブル
の引留め作業を軽減するため、光ファイバケーブルを引
留める電柱間隔をより広げることが望まれ、この際に負
荷されるより大きな張力に耐える光ファイバケーブルが
求められてきた。また、近年の光通信網の拡大と共に架
空に布設される光ファイバケーブルの量が増大するに連
れ、他のケーブルの配線作業時に梯子が掛けられたり、
布設環境が悪いため大きな張力を掛けて布設されたりす
る場合が増え、より大きな張力が加わった場合にも使用
できる光ファイバケーブルが必要とされてきた。
線に局所的な応力が加わることが無い様に光ファイバ心
線が硬質樹脂被覆内に接着しないように構成されてい
た。このため布設した光ファイバケーブルが伸ばされる
と、光ケーブル内に長手方向に自由に動ける状態で収容
された光ファイバ心線がケーブル本体外被に対して長手
方向に動いて、光ファイバ心線の端末がケーブル本体部
内に引込まれるという問題が生じていた。この場合には
光ファイバケーブルの接続を行う箇所において、接続の
ために必要な光ファイバ心線余長が引込まれてしまい接
続作業が困難になったり、接続された光ファイバ心線が
引き切られたり、また光ファイバ心線が小径に曲げられ
て損失が増加するといった問題があった。また、梯子が
けや布設作業の場合など短期的な張力が負荷された場合
には引込まれた光ファイバ心線が、張力解放後に戻ろう
とするが、移動した光ファイバ心線とその周囲の摩擦の
状態によって光ファイバ心線が局所的に固定され、戻れ
ずに座屈するといった問題があった。あるいは、このよ
うな張力変動により光ファイバ心線が光ファイバケーブ
ル内で長手方向に動いて行き、片側で引込み、他方で突
き出しが生じるといった問題があった。
線を集合してなるコアの周囲に紐を撚り合せて中空状の
ケーブル本体外被内に直線状に収容してなるケーブル本
体部を含む光ファイバケーブルであって、前記ケーブル
本体部は抗張力体を含む支持線部と長手方向に連続的に
結合され、前記紐の外側に外被が直接設けられ、前記紐
の一部と外被が接着しており、前記光ファイバケーブル
に張力が働いた場合に前記紐の撚りが締まりコアの引き
抜き力が増加することを特徴とする光ファイバケーブル
である。
が伸び率0.2%となるような張力が働いたときの光フ
ァイバ心線の引込み量が30mm以下となることが望ま
しい。さらに、10m長の前記光ファイバケーブルが伸
び率0.2%となるような張力が働いた場合のコア引抜
き力が20N以上となるようにすると良い。
するための光ファイバケーブルの断面図である。図中1
0は光ファイバケーブル、11は光ファイバ心線、12
は光ファイバ心線11を積層したコア、13はコアの外
周に撚り合わされた紐、14は紐13の外周に被覆され
たケーブル本体外被、15はケーブル本体部、16は抗
張力体、17は抗張力体外被、18は抗張力体16と抗
張力体外被17からなる支持線部、19はケーブル本体
部15と支持線部18を結合する首部である。また20
は細径の鋼線である。紐13はコア12に巻付けられた
状態でその直上層に本体外被14が押し出し成形される
ためその一部が部分的に溶融状態のケーブル本体外被と
接触して接着し、ケーブル本体外被14に対して長手方
向に動かない。
力のかからない状態では緩衝層として光ファイバ心線1
1が直接ケーブル本体外被14と接触するのを防ぐ働き
をする。また、光ファイバケーブル10に張力が加わら
ない状態では光ファイバ心線11は紐13の中で径方
向、長手方向に摺動可能に保持されており、光ファイバ
ケーブル10が曲げられた場合には光ファイバ心線は径
方向にその位置を変えて、光ファイバ心線11に小径の
曲がりが生じるのを防ぐ。一方、光ファイバケーブル1
0に大きな張力働く条件では紐13はケーブル本体外被
14に部分的に固定されているため、光ファイバケーブ
ル10と一緒に伸ばされ、撚りが締まって中のコア12
を押える。このためコア12と紐13の間に働く摩擦力
は大きくなり、コア12の本体外被14に対する動きが
制限されるのである。
コア12を本体外被14から引抜くときに必要なコアの
引抜き力はコア12がどの程度ケーブル本体部15内で
動きやすいかで決まり、紐13の材質とケーブル本体部
15の内部空間への充填量、および撚りピッチにより決
まる。ここで使用できる紐13としては、ポリプロピレ
ンヤーン、ポリエチレンヤーンなどが価格と長期間の使
用中の化学的、機械的性質の安定性の点から有用であ
る。これらのヤーンはケーブル本体外被の材料であるポ
リエチレンやポリプロピレンと類似の化学的性質を備
え、かつほぼ同等の溶融温度を有するため、ケーブル本
体外被との接着が容易である。また大きな締め付け力が
必要な場合はケブラー(登録商標)などのポリアミド繊
維やナイロンなどを単独、あるいは前述のポリプロピレ
ンヤーンなどと混合して利用することができる。紐13
を螺旋状にコア12の周囲に撚り合わせたとしたときに
これらの関係を検討し、以下のように数式で表した。
10が伸ばされた状態での単位長当りのコア12の引抜
き力、F0は単位長当りの光ファイバケーブル10の張
力を加える前の引抜き力、μはコア12と紐13の摩擦
係数、aは紐13の層心径、pは緩衝性13の紐の撚り
ピッチ、dは紐13のデニール数で示した充填量、εを
光ファイバケーブル10の伸び率である。またKは紐1
3の材質に依存する定数である。この式から、最低2種
の試作品を製作して評価することで、未知の定数Kを求
めることができ、コアの引抜き力を所定の値にするため
の紐の量と撚り合わせピッチを知ることができる。
具体的な構造の一例を説明する。この光ファイバケーブ
ル10では、直径1.4mmの鋼線7本を撚り合わせて
抗張力体16とし、光ケーブル本体部15は首部19、
抗張力体外被17と一体に黒色ポリエチレンにより成形
した。このとき本体外被14は内径5mm、外径8mm
の円筒形とし、支持線部18の中心とケーブル本体部1
5の中心を結ぶケーブル軸上の本体外被14内に直径
0.72mmの細径鋼線20を2本埋め込んだ。これら
の細径鋼線20は光ファイバケーブルを押し出し成形し
たときに、本体外被が収縮するのを防ぐ働きをする。ケ
ーブル本体部15には、光ファイバ4心をテープ状に集
合一体化した光ファイバ心線11を6枚積層した幅1.
1mm、厚み2.4mmのコア12を中心にポリプロピ
レン製のヤーンからなる紐13をピッチ250mmで撚
り合わせ収容した。
討を行った。この種の光ファイバケーブルの張力に対す
る強度は支持線が負担し、支持線としては強度と経済性
の観点から高強度鋼線を抗張力体とするものが用いられ
る。このような高強度鋼線は0.2%以上伸ばされると
非回復性の塑性変形を生じるため、最大伸びが0.2%
以下となることが光ファイバケーブル設計上の条件であ
る。このような大きな伸びが加わる条件としては、甲種
風圧条件と呼ばれる光ファイバケーブルの着氷が生じた
状態で強風条件に置かれたときとケーブルの保守等のた
めに梯子掛けが成された場合が想定される。さらに電柱
間の距離が離れている場合に高速で光ファイバケーブル
を架渉しようとする場合にもこのような大きな張力が加
わる。このため、光ファイバケーブルの伸び率として最
大0.2%まで適合できれば十分な性能を備えるといえ
る。
法について説明する。まず、光ファイバ心線の引抜き力
は10m長の光ファイバケーブルを直線状に水平に置
き、光ファイバケーブルに外圧を掛けない状態で光ファ
イバ心線を積層したコアにバネバカリを繋ぎこれを介し
て全光ファイバ心線を同時に引抜く作業を行い、全長の
引抜き時に生じる最大張力として測定した。
からそれぞれ数10cmのコアが露出した状態とした所
定長の光ファイバケーブルを水平に直線状に置き、この
状態を初期状態として、この光ファイバケーブルの支持
線に張力を加えて0.2%伸ばしたときに両端の光ファ
イバ心線の引込み量を測定し、大きな方の値を引込み量
とした。光ファイバ心線の移動はケーブル本体外被と
紐、紐と光ファイバ心線の間に摩擦が働くことから、ケ
ーブル本体部から光ファイバ心線が取り出される光ファ
イバケーブルの被覆除去部付近で大きく、中間部に近づ
くほど小さくなる。長さの異なる光ファイバケーブルに
ついて全長を0.2%伸ばし端末の光ファイバ心線の引
込み量を測定した結果、光ファイバケーブルの長さが5
0mまでは引込み長が徐々に増加するが、50mを超え
ると引込み長はほぼ一定となることが明らかとなった。
そこで、引込み長の評価を行うには上記50mより十分
大きい80mの光ファイバケーブルを使用することにし
た。
の光ファイバ心線の引込み量が許容されるのかは従来知
られていなかった。光ファイバケーブルの接続点にはク
ロージャと呼ばれる接続函が置かれ、この内部には光フ
ァイバ心線の接続点とこの接続作業に用いた光ファイバ
心線の余長部が収容される。この接続函は特に架空設置
の場合は風圧により接続函を指示するメッセンジャーワ
イヤに大きな力がかかるのを避けるため、最小限の大き
さに設計するのが常である。そこで接続函は収容する光
ファイバケーブルから光ファイバ心線御接続に必要な最
小限の光ファイバ心線余長を取り出すことのできる長さ
として50cm長程度に作られる。また、余長収容部も
できるだけ小さく構成され、光ファイバ心線に伝送損失
増加と機械強度劣化が生じない最小径である直径30m
mのドラムに光ファイバ心線を巻き取る構造となってい
る。
れているAOクロージャを用いて、光ファイバ心線の引
込みが生じた時の1.55μm帯の伝送損失の増加の状
態を調べた。図3(a)はこの評価方法を示す図で、通
常の接続作業手順に従って、接続函30に光ファイバケ
ーブル10を固定し、この光ファイバケーブル10の接
続函30に導入した端から取り出される光ファイバ心線
33を接続函30の中央の余長収容部31内のドラム3
2に3周巻付けたうえで、端Aにおいて光ファイバ心線
33中の1心の光ファイバ39を波長1.55μmの光
源34に繋いだ。図中右側の光ファイバケーブル10の
接続函30に固定していない端から前記光ファイバ心線
33を取り出し、同光ファイバ心線33中の前記Aで光
源に接続した光ファイバ39の他端をBにおいて受光器
35に接続した。この光ファイバ心線33を光ファイバ
ケーブル10の受光器35側で他の積層された光ファイ
バ心線と一緒に所定長だけ引き出し、接続函30内の光
ファイバ心線33に引込みが生じた状態を模擬した。
果を図3(b)に示す。引込み量が30mmを超えると
余長収容部周囲の光ファイバ心線のたるみが失われて光
ファイバ心線がドラム等に押し付けられて伝送損失の増
加が生じ始め、引込み長が40mmを超えると損失増加
が0.05dBを超え顕著な損失増加を示した。この結
果から光ファイバ心線の引込み量が40mm以下である
ことが好ましく、さらに好ましくは引込み量が30mm
以下であるのが良いことがわかった。
の光ファイバ心線33を押込み、損失増加の発生を調べ
たところ、光ファイバ心線33の押込み量が30mm以
下では接続函30内で光ファイバ心線33がたるむこと
で押込まれた長さが吸収され、問題が生じないことがわ
かった。
らなる紐14の充填量を8000デニールから2800
0デニールまで変えて、コアの引抜き力の異なる光ファ
イバケーブルを4種試作した。これらの光ファイバケー
ブルに0.2%の伸びを与えた際のコアの引抜き力を前
述の方法により測定した。結果は式1の予測と良く一致
し、コアの引抜き力は紐の充填量に対し正比例の関係が
あるため、引抜き力の範囲を紐の充填量で制御すること
が可能である。
0m用いて、前述の方法で光ファイバケーブルの伸びを
0.2%とするように張力を負荷したときの光ファイバ
心線の引込み量を測定した。図2は紐の充填量と光ファ
イバケーブルの伸びが0.2%のときのコアの引抜き力
と光ファイバケーブルの伸びが0.2%のときの光ファ
イバ心線の引込み量の関係を示す図である。この結果か
らコアの引抜き力と光ファイバ心線の引込み量は正比例
と見なしてよい関係にあることがわかった。また、この
図から心線の光ファイバケーブルが0.2%伸ばされた
時の引込み長が30mm以下となるためには10m長の
光ファイバケーブルが0.2%伸ばされた状態でのコア
引抜き力が20N以上であることが必要であることがわ
かった。
対しケーブル本体部15がたるみなく結合した構造につ
いて説明したが、例えば図4に示した従来技術のごとく
支持線部18に対しケーブル本体部15がたるみをもっ
て結合した構造とすると光ファイバケーブルの伸び、す
なわち支持線の伸びに対するケーブル本体部の伸びが小
さくなるため、光ファイバケーブルに0.2%の伸びが
加わるときの光ファイバ心線の引込み量を30mm以下
とするために必要な紐の充填量は少なくて済み、製造性
に優れ経済的となる。このような構造も本願の実施の一
形態である。
の光ファイバケーブルによると、0.2%といった大き
な伸びが加わるような条件においても光ファイバ心線が
引込まれることによる接続部の断線や伝送損失の増加が
起きず、高い信頼性を確保できるという効果がある。こ
のため光ファイバケーブルの長距離電柱間の架渉や大き
な張力の働く高速牽引による布設が可能となる利点があ
る。また従来技術のように硬質樹脂被覆で光ファイバ心
線を被覆した場合と比較して、本体被覆を除去したとき
に容易に光ファイバ心線を取り出すことができ、接続や
端末処理作業に優れる。
バケーブルの断面図である。
ある。
量と伝送特性の関係を評価する方法を説明する図であ
り、図3(a)は評価設備の構成を示し、図3(b)は
これを用いた評価結果を示す。
る。
+p2))・ε・d
Claims (3)
- 【請求項1】 光ファイバ心線を集合してなるコアの周
囲に紐を撚り合せて中空状のケーブル本体外被内に直線
状に収容してなるケーブル本体部を含む光ファイバケー
ブルであって、前記ケーブル本体部は抗張力体を含む支
持線部と長手方向に連続的に結合され、前記紐の外側に
外被が直接設けられ、前記紐の一部と外被が接着してお
り、前記光ファイバケーブルに張力が働いた場合に前記
紐の撚りが締まりコアの引き抜き力が増加することを特
徴とする光ファイバケーブル。 - 【請求項2】 80m長の前記光ファイバケーブルに伸
び率0.2%となるような張力が働いたときの光ファイ
バ心線の引込み量が30mm以下となることを特徴とす
る請求項1に記載の光ファイバケーブル。 - 【請求項3】 10m長の前記光ファイバケーブルに伸
び率0.2%となるような張力が働いた場合のコア引抜
き力が20N以上となることを特徴とする請求項1に記
載の光ファイバケーブル。
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