JP3462046B2 - 液面・界面位置検出装置および分液処理装置 - Google Patents

液面・界面位置検出装置および分液処理装置

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JP3462046B2 JP20688197A JP20688197A JP3462046B2 JP 3462046 B2 JP3462046 B2 JP 3462046B2 JP 20688197 A JP20688197 A JP 20688197A JP 20688197 A JP20688197 A JP 20688197A JP 3462046 B2 JP3462046 B2 JP 3462046B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層分離された相溶
しない2種類の溶液からなる溶液相の液面位置および界
面位置を検出する液面・界面位置検出装置、および上記
溶液相から各溶液を分離する分液処理装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、層分離された相溶しない2種
類の溶液からなる溶液相より各溶液を分離するための分
液処理は、例えば有機合成反応などにより得られる反応
液中から特定化合物を分離するための抽出処理などにお
いてよく行われ、かかる分液処理のために分液ロートが
よく使用されてきた。
【0003】この分液ロートを用いて分液処理を行う場
合、操作者は層分離した溶液相を目視してその液面およ
び2つの溶液層の界面を確認した後、確認した液面およ
び界面に基づいて、溶液相中の一方の溶液を分液ロート
から取り出し、必要に応じて分液ロートに残った他方の
溶液をさらに別の容器に取り出すことによって、両溶液
を分離している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、層分離され
た相溶性のない2種類の溶液からなる溶液相から分液ロ
ートを用いて各溶液を分離する場合には、溶液相の液面
位置および界面位置の確認、および各溶液の分離操作は
操作者自身によって行われていた。
【0005】したがって、分液ロートを用いる従来の分
液処理では、分液処理自体が操作者自身によって行われ
るので、正確に分液処理を行うには、操作者が分液ロー
トの操作に慣れる必要がある。つまり、分液ロートの操
作に慣れないと、溶液相中の各溶液の色が微妙に違う場
合には、界面の確認を正確に行うことが難しく、この結
果、溶液相中の溶液を正確に分離できない虞がある。
【0006】また、分液ロートは、操作が手動である点
で、従来からある有機合成反応を自動で行う装置におい
て使用しづらく、有機合成反応の自動化を困難なものと
するという問題がある。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、層分離された相溶しない
2種類の溶液からなる溶液相の液面位置および界面位置
の検出を自動的に行い、この液面位置および界面位置の
検出結果に基づいて、溶液の抜取り動作を自動的に行う
分液処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の液面・界面位
置検出装置は、上記の課題を解決するために、層分離さ
れた相溶しない2種類の溶液からなる溶液相を画像とし
て読み取る読取手段と、読み取った画像から上記溶液相
の液面位置および界面位置を検出する位置検出手段とを
備えたことを特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、位置検出手段は、上
記溶液相が上下層に分離された状態で読み取った画像か
ら、該溶液相の液面位置および界面位置を検出するよう
になっているので、液面位置および界面位置の検出動作
を自動的に行うことが可能となる。
【0010】このように、読取手段が読み取った溶液相
の画像から、液面位置と界面位置とを、位置検出手段に
よって自動的に検出することができるので、有機合成反
応を自動的に行う装置において、好適に使用することが
できる。これにより、有機合成反応を自動的に行う装置
の完全自動化を図ることができる。
【0011】上記位置検出手段による液面位置と界面位
置とを検出するには、例えば、請求項2記載の液面・界
面位置検出装置が挙げられる。即ち請求項2の液面・界
面位置検出装置は、上記の目的を達成するために、請求
項1の構成に加えて、上記位置検出手段が、層分離され
た相溶しない2種類の溶液からなる溶液相の液面位置お
よび界面位置を表す画像パターンを複数種類登録する画
像パターン登録部と、上記読取手段により読み取られた
画像に示される液面位置および界面位置を、上記画像パ
ターン登録部に登録された画像パターンの中から近似し
て、この近似した値に基づいて求める位置算出部とで構
成されていることを特徴としている。
【0012】これにより、予め登録した画像パターンを
利用して、溶液相の液面位置および界面位置を近似した
後で、この近似値から正確な液面位置および界面位置を
検出するようになるので、位置検出を迅速且つ正確に行
うことができる。
【0013】請求項3の液面・界面位置検出装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1または2の構成に
加えて、層分離された相溶しない2種類の溶液からなる
溶液相が透明な容器に収納されると共に、上記溶液相の
液面および界面と交差する均一な幅のテープが該容器の
高さ方向に設けられ、上記読取手段は、上記テープを容
器背面側に配置した状態で、該容器に収納された溶液を
画像として読み取ることを特徴としている。
【0014】上記の構成によれば、請求項1または2の
作用に加えて、容器背面側に配置されたテープは、読取
手段によって容器内に収納された溶液相を透過した状態
で読み取られる。このとき、上記テープは、2層の溶液
を通して読み取られているので、各溶液の屈折率の違い
により、それぞれの層においてテープ幅が異なって見え
る。
【0015】このように、溶液の屈折率の違いを利用し
て、液面位置および界面位置を検出するようにすれば、
特に、2層に分離した各溶液の色が殆ど同じである場合
等のように、色の違いで界面位置が検出しづらい場合に
確実に検出され、より有効な検出方法となる。
【0016】請求項4の分液処理装置は、上記の課題を
解決するために、層分離された相溶しない2種類の溶液
からなる溶液相を画像として読み取る読取手段と、読み
取った画像から上記溶液相の液面位置および界面位置を
検出する位置検出手段と、上記検出手段による検出結果
に基づいて上下層の各溶液の量を求め、上下層の各溶液
のいずれか一方または両方を抜き取る溶液抜取手段とを
備えたことを特徴としている。
【0017】上記の構成によれば、位置検出手段は、層
分離された相溶しない2種類の溶液からなる溶液相の画
像から、液面位置と界面位置とを検出するようになって
いるので、液面位置および界面位置の検出動作を自動的
に行うことが可能となる。
【0018】そして、溶液抜取手段は、上記位置検出手
段による結果に基づいて、即ち位置検出手段によって検
出された液面位置および界面位置から、上下層の各溶液
量を算出し、上下層の各溶液のいずれか一方または両方
を抜き取るようになっているので、溶液の抜取りの自動
化を図ることができる。
【0019】このように、読取手段が読み取った溶液相
の画像から、液面位置と界面位置とを、位置検出手段に
よって自動的に検出し、さらにこの位置検出手段の検出
結果に基づいて、溶液相中の各溶液を自動的に抜き取る
ことができるので、有機合成反応を自動的に行う装置に
おいて、好適に使用することができる。これにより、有
機合成反応を自動的に行う装置の完全自動化を図ること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0021】本実施の形態に係る分液処理装置は、図1
に示すように、読取手段としてのCCD(charge couple
d device) カメラ1と、センサ本体2と、溶液抜取手段
としての液抜取装置3と、コンピュータ4とで構成され
ている。尚、上記分液処理装置のうち、液抜取装置3を
除く、CCDカメラ1、センサ本体2、コンピュータ4
で液面・界面位置検出装置を構成している。また、この
分液処理装置は、ロボットを用いた合成実験自動化シス
テムに用いられている。
【0022】上記CCDカメラ1は、合成実験自動化シ
ステム内に配置された検査台5の一端部側にジャッキ6
を介して載置されている。つまり、上記CCDカメラ1
は、ジャッキ6によって検査台5に対して垂直な方向、
即ち上下方向に移動させることができるようになってい
る。これにより、CCDカメラ1は、適切な位置で、観
察対象物を的確に読み取ることができる。
【0023】上記検査台5の他端部側には、蛍光板8が
該検査台5に対して垂直に載置され、この蛍光板8とC
CDカメラ1との間にサンプル瓶7が載置されている。
つまり、CCDカメラ1は、蛍光板8によって背面側か
ら照らされたサンプル瓶7を観察対象物である画像とし
て読み取るようになっている。
【0024】上記サンプル瓶7は、100ccのサンプ
ル管からなり、層分離された相溶しない2種類の溶液A
・Bからなる溶液相が収納されている。即ち、サンプル
瓶7には、2種類の溶液A・Bが2層に分離した状態で
収納されている。このサンプル瓶7は、ロボットが運搬
しやすように、略円筒形状となっている。
【0025】上記CCDカメラ1の画素数は、例えば図
2に示すように、X軸方向は500画素、Y軸方向は4
80画素の合計24万画素であり、サンプル瓶7を読み
取った場合には、上層の溶液Aの液面7a、上層の溶液
Aと下層の溶液Bとの間に形成される界面7bを座標で
表すようになっている。ここで、サンプル瓶7は、円筒
状であるので、底面積を一定と考え、液面7aと界面7
bとの座標を高さのみで液面、界面の座標位置を表すも
のとする。これにより、液面7aおよび界面7bの座標
が分かれば、溶液Aおよび溶液Bの容量を容易に算出す
ることができる。ちなみに、液面7aのY座標はy1,
界面7bのY座標はy2で表す。
【0026】上記CCDカメラ1は、図1に示すよう
に、カメラコード9によってセンサ本体2に接続されて
おり、読み取った画像をセンサ本体2に転送するように
なっている。尚、センサ本体2の詳細は、後述する。
【0027】上記センサ本体2は、モニタケーブル10
によってモニタ11に接続されている。このモニタ11
は、上記CCDカメラ1で読み取った画像をリアルタイ
ムで表示するようになっている。
【0028】上記モニタ11は、9型の白黒モニタ(株
式会社キーエンス製,型式OP−26171)が使用さ
れ、CCDカメラ1で読み取った画像を白黒画像で表示
するようになっている。
【0029】また、センサ本体2は、第1RS−232
Cケーブル12によりコンピュータ4に接続されてお
り、CCDカメラ1で読み取ったデータをコンピュータ
4に送信するようになっている。尚、コンピュータ4の
詳細は、後述する。
【0030】コンピュータ4は、第2RS−232Cケ
ーブル13によって液抜取装置3が接続されており、所
定の処理を施されたデータを送信するようになってい
る。
【0031】上記液抜取装置3は、シリンジポンプ1
4、後述するニードル16を上下に駆動させるためのス
テッピングモータ(図示せず)、およびニードル16を
前後に移動させる駆動モータ(図示せず)が設けられて
おり、これらのポンプおよびモータはコンピュータ4か
らのデータに基づいて駆動制御されるようになってい
る。
【0032】シリンジポンプ14には、ニードル支持体
15を介してニードル16が接続されており、サンプル
瓶7に挿入されたニードル16から溶液を吸い上げるよ
うになっている。そして、駆動モータにより、ニードル
16はニードル支持体15を介して、矢印X・Y方向、
即ち前後方向に移動されると共に、ステッピングモータ
により、ニードル16を矢印Z・W方向、即ち上下方向
に移動されるようになっている。上記ニードル16は、
コンピュータ4からのデータに基づいて駆動される。こ
のニードル16の動作については後述する。
【0033】ここでは、サンプル瓶7の溶液A・Bのう
ち、先ず溶液Aを抜き取る状態を示している。ニードル
16は、サンプル瓶7内の溶液Aを抜取り、容量30c
cのサンプル管17に移動して、そこで溶液Aを排出す
る。尚、溶液Bを抜き取る場合には、ニードル16はサ
ンプル瓶7の底部まで降ろされるが、このとき撹拌に用
いたマグネチックスターラ18が邪魔をしないように、
該マグネッチクスターラ18はサンプル瓶7の側面に配
された磁石19によってサンプル瓶7の側面に移動、固
定された状態となっている。
【0034】ここで、上記センサ本体2およびコンピュ
ータ4について以下に説明する。
【0035】上記センサ本体2は、図3に示すように、
送受信管理部21と、液面・界面位置検出部22とで構
成されている。また、コンピュータ4は、送受信管理部
41と、ファイル登録部42と、信頼度判定部43と、
ピクセル/パルス変換部44とで構成されている。以上
のことから、上記センサ本体2とコンピュータ4とで、
層分離された相溶しない2種類の溶液からなる溶液相の
液面および界面の位置を検出する位置検出手段を構成し
ている。
【0036】まず、上記センサ本体2について説明する
と、上記送受信管理部21は、CCDカメラ1からの画
像データを受信し、その画像データをモニタ11に送信
する一方、液面・界面位置検出部(位置算出部)22に
送信するようになっている。
【0037】また、送受信管理部21は、コンピュータ
4からの分液イメージファイル(画像パターン)を受信
し、この分液イメージファイルを液面・界面位置検出部
22に送信すると共に、液面・界面位置検出部22から
送信されたデータをコンピュータ4の送受信管理部41
に送信するようになっている。ここで、送受信管理部4
1に送信されるデータは、液面・界面座標をピクセル単
位の値で示したデータである。
【0038】上記液面・界面位置検出部22は、送受信
管理部21から送信されたCCDカメラ1によって読み
取られた画像データと、分液イメージファイルとに基づ
いて、CCDカメラ1の被写体であるサンプル瓶7にお
ける液面位置および界面位置座標を求め、この液面位置
および界面位置座標を再び送受信管理部21に送信する
ようになっている。尚、この液面・界面位置検出部22
の詳細については、後述する。
【0039】次に、コンピュータ4について説明する
と、上記送受信管理部41は、ファイル登録部42に登
録されている分液イメージファイルを読みだして、この
分液イメージファイルをセンサ本体2の送受信管理部2
1に送信する一方、液面・界面座標を要求する信号をセ
ンサ本体2の送受信管理部21に送信するようになって
いる。尚、送受信管理部41は、一つのサンプル瓶7に
おける画像データの液面・界面座標を検出する際に、液
面・界面座標の要求を複数回行う。この要求回数は、任
意に設定できるものとする。
【0040】そして、上記送受信管理部41は、センサ
本体2の送受信管理部21から送信された液面・界面座
標のデータを信頼度判定部43に送信するようになって
いる。
【0041】信頼度判定部43は、センサ本体2から送
受信管理部41に送信された液面・界面座標が、信頼で
きるものであるかを判定し、その信頼度を示す信号を再
び送受信管理部41に送信するようになっている。この
信頼度は、センサ本体2によって検出された液面・界面
の座標が、実際のサンプル瓶7において妥当な値である
か否かを判定した結果を表すものである。
【0042】また、送受信管理部41は、同一サンプル
瓶7内の溶液に対して、複数回の液面・界面座標の要求
を行うようになっている。この要求に伴って、信頼度判
定部43には、同一サンプル瓶7に対する複数回分の液
面・界面の座標データが入力されることになる。
【0043】そして、信頼度判定部43では、返信され
た同一サンプル瓶7内の溶液に対する液面・界面の座標
値が、所定の範囲内で所定の回数だけ繰り返された場合
に、そのデータは信頼できるものであると判定し、その
信号を出力するようになっている。尚、上記の範囲およ
び回数は、任意に設定できるものとする。
【0044】したがって、送受信管理部41は、信頼度
判定部43からの信頼度の信号が、信頼できるものであ
ることを示すものであれば、送受信管理部21から送信
された液面・界面の座標に相当するピクセル数に相当す
るデータ(ピクセルデータ)をピクセル/パルス変換部
44に送信する。
【0045】上記ピクセル/パルス変換部44は、送信
されたピクセルデータから、上述したニードル16を上
下動作させるためのステッピングモータのパルス数に変
換し、このパルス数に相当するデータ(パルスデータ)
を送受信管理部41に送信するようになっている。
【0046】そして、送受信管理部41は、ピクセル/
パルス変換部44から送信されたパルスデータを液抜取
装置3に送信する。
【0047】ここで、液面・界面位置の検出処理につい
て具体的に説明する。まず、ファイル登録部42につい
て以下に詳細に説明する。上記ファイル登録部42に
は、分液イメージファイルとして、図2に示すように、
サンプル瓶7の液面7a近傍の領域の液面領域Deと、
界面7b近傍の領域の界面領域Dkとが複数種類登録さ
れている。即ち、液面近傍領域のイメージと、界面近傍
領域のイメージとがファイル登録部42に登録されてい
る。
【0048】上記液面領域Deおよび界面領域Dkに対
応するデータには、サンプル瓶7と同じ大きさのサンプ
ル瓶に収納された2種類の溶液の液面の座標値y1およ
び界面の座標値y2、および溶液の全体の量と分液され
たときの各溶液の割合、各溶液の色等の情報が含まれて
いる。
【0049】そして、ファイル登録部42には、約16
0種類の分液イメージファイルが収納されており、これ
らを逐次送受信管理部41を介してセンサ本体2に送信
するようになっている。
【0050】尚、ファイル登録部42における分液イメ
ージファイルの登録数は、少なくとも2種類、即ち液面
領域Deのデータと、界面領域Dkのデータとがそれぞ
れ1つずつあれば良い。また、イメージファイルの登録
数が多くなりすぎると、液面・界面の位置検出処理のた
めの時間が長くなるので好ましくない。このため、ファ
イル登録部42における分液イメージファイルの登録数
は、合成反応の種類、即ち分離しようとする溶液の種類
や、処理時間等の関係によって適宜設定すれば良い。
【0051】次に、液面・界面位置検出部22について
詳細に説明する。尚、液面・界面位置検出部22は、液
面座標と界面座標とを別々の分液イメージファイルによ
って検出するが、便宜上、液面座標と界面座標とのどち
らにも当てはまる場合には、液面座標と界面座標とを特
定せずに、サンプル座標値と称して説明する。
【0052】上記液面・界面位置検出部22は、上記フ
ァイル登録部42に登録されている分液イメージファイ
ルを基準に、実際にサンプル瓶7内に収納された溶液の
サンプル座標値を検出する。即ち、センサ本体2は、分
液イメージファイルに基づいて、サンプル座標値をサー
チする。
【0053】このとき、分液イメージファイルが、サン
プル座標値に近い、即ち予め設定した液面領域あるいは
界面領域の所定範囲内にあれば、該分液イメージファイ
ルに含まれる座標値y1あるいはy2に基づいてサンプ
ル座標値を正確に算出する。
【0054】また、分液イメージファイルが、サンプル
座標値から外れていれば、即ち予め設定した液面領域あ
るいは界面領域の所定範囲外にあれば、デタラメな数値
を算出する。
【0055】そして、液面・界面位置検出部22は、検
出した値を送受信管理部21を介してコンピュータ4に
送信する。
【0056】以上の動作を一つのサンプル瓶7につい
て、複数回繰り返し、検出したデータをその都度コンピ
ュータ4に送信する。
【0057】上記構成の分液処理装置における分液処理
の流れについて、図1、図4および図5を参照しながら
以下に説明する。
【0058】はじめに、液面・界面座標の検出処理につ
いて説明する。尚、CCDカメラ1によって読み取られ
る2層に分液した溶液相が収納されたサンプル瓶7を、
ターゲットサンプルと称する。
【0059】まず、図示しないロボットが、ターゲット
サンプルを、センサ本体2の前にセットする(S1)。
【0060】そして、コンピュータ4は、予め登録した
分液イメージファイルをセンサ本体2に送信する(S
2)。
【0061】続いて、センサ本体2は、ターゲットサン
プルの液面・界面をサーチする(S3)。即ち、センサ
本体2は、受信したイメージファイルを基準に、ターゲ
ットサンプルの液面・界面のパターンをサーチする。
【0062】次いで、コンピュータ4は、ターゲットサ
ンプルの液面・界面の座標値を要求する(S4)。ここ
で、一つのターゲットサンプルに対して、液面・界面の
座標値を要求をN(N>1)回行うこととする。
【0063】そして、センサ本体2は、液面・界面の座
標値をコンピュータ4に返信する(S5)。即ち、セン
サ本体2は、S5におけるコンピュータ4からの要求に
したがって、ターゲットサンプルの液面および界面の位
置を、該センサ本体2に接続されたモニタ11上の座標
値で表したデータとしてコンピュータ4に返信する。こ
のとき、センサ本体2からコンピュータ4に返信される
回数は、コンピュータ4がセンサ本体2に対して行う要
求回数Nと同じである。
【0064】次いで、コンピュータ4は、同一のターゲ
ットサンプルに対するセンサ本体2からの液面・界面の
座標値の返信回数n(n>1)が所定の回数、即ちN
(N>1)回行われたか否かを判定する(S6)。ここ
で、nがNに達していなければ、S4に移行する。
【0065】一方、S6でnがNに達していれば、コン
ピュータ4は、返信されたN個の座標値の全てが、予め
設定した値の範囲内に存在するか否かを判定する(S
7)。
【0066】S7で、N個の座標値の全てが、予め設定
した範囲内にあれば、再現性が良好であり、コンピュー
タ4に返信された座標値は信頼できると判断され、この
座標値に基づいて液抜取り処理が施される(S8)。こ
こで、上記の座標値は、コンピュータ4から送られた分
液イメージファイルを基準に、サーチして得られた値で
あり、センサ本体2の液面・界面位置検出部22によっ
て検出された値である。尚、上記液抜取り処理について
は、後述する。
【0067】一方、S7で、N個の座標値の全てが、予
め設定した範囲内になけばれ、再現性が良くないと判断
される。つまり、ターゲットファイルに対する分液イメ
ージファイルが適当なものでないと判断される。
【0068】この結果、コンピュータ4は、他の分液イ
メージファイルが登録されているか否かを判断する(S
9)。ここで、他の分液イメージファイルが登録されて
いると判断すれば、S3に移行して、その分液イメージ
ファイルに基づいて、ターゲットサンプルの液面・界面
をサーチする。
【0069】また、S9で、他の分液イメージファイル
が登録されていないと判断されれば、液抜取りを中止す
る(S10)。即ち、登録された何れの分液イメージフ
ァイルによっても、再現性のない値がでるのであれば、
界面が不明確であるとみなして、液抜取装置3による液
抜取り操作を行わないように、コンピュータ4は液抜取
装置3に中止の指示を出す。
【0070】次に、液抜取り処理の流れについて、図5
に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0071】先ず、図4に示すフローチャートのS7に
おいて得られた再現性の良い座標値からターゲットサン
プルの液面および界面のy座標を求める(S11)。即
ち、コンピュータ4は、座標値のうち、値の大きいもの
を液面のy座標(y1)とし、他方を界面のy座標(y
2)とみなす。
【0072】次に、上記の液面座標値y1と界面座標値
y2とから、各層の液量を求める(S12)。
【0073】続いて、上記の各y座標値をパルス数に変
換し、この信号をニードル16を上下動作させるステッ
ピングモータに送信する(S13)。
【0074】そして、液抜取装置3は、容器(サンプル
瓶7)内の溶液を抜き取る(S14)。即ち、液抜取装
置3に備えられたステッピングモータは、送信されたパ
ルス数に応じてニードル16を駆動させて、サンプル瓶
7内の上層あるいは下層を抜取り、別容器に移す。
【0075】上記の画像処理による溶液相の液面・界面
位置の検出、特に界面位置の検出は、主に、各溶液の色
の違いを分液イメージサンプルをもとにサーチすること
によって行っていたが、例えば溶液相内の各溶液の色の
違いが殆どない場合には、界面の検出を正確にできない
虞がある。
【0076】そこで、溶液の屈折率の違いを利用して、
溶液相の界面を検出する方法として、例えば図6に示す
ように、蛍光板8上に、サンプル瓶7の液面7aおよび
界面7bに垂直な均一な幅の色付きテープ51を配設
し、サンプル瓶7を通して色付きテープ51を見た場合
の屈折率の違いにより液面7aおよび界面7bを確認で
きるようにする方法がある。
【0077】図6では、サンプル瓶7内の溶液Aの屈折
率は空気の屈折率よりも小さいので、溶液Aを通して見
える色付きテープ51の幅は実際のものよりも狭くなっ
ている。一方、サンプル瓶7内の溶液Bの屈折率は空気
の屈折率よりも大きいので、溶液Bを通して見える色付
きテープ51の幅は実際のものよりも広くなっている。
【0078】このように、溶液相内の溶液の屈折率の違
いにより液面および界面を検出するようにすれば、溶液
相内の各溶液の色の違いが殆どないような場合におい
て、効果的であることが分かる。
【0079】なお、上記色付きテープ51は、サンプル
瓶7に収納される溶液の色と異なる色で着色されていれ
ば良く、特に限定すれるものではない。また、色付きテ
ープ51は、サンプル瓶7内の溶液相の液面7aおよび
界面7bに対して垂直に配置される必要はなく、各溶液
の屈折率の違いが分かる程度に、該液面7a・界面7b
に交差して配置されていれば良い。
【0080】上記の構成の分液処理装置では、CCDカ
メラ1が読み取った溶液相の画像から、サンプル瓶7に
おける液面7aと界面7bとを、自動的に検出すること
ができるので、有機合成反応を自動的に行う装置におい
て、好適に使用することができる。これにより、有機合
成反応を自動的に行う装置の完全自動化を図ることがで
きる。
【0081】また、サンプル瓶7の収納された溶液相の
液面7aと界面7bとを、ファイル登録部42に登録さ
れた分液イメージファイルの中から近似して、この近似
した値に基づいて求めるようになっているので、位置検
出を迅速且つ正確に行うことができる。
【0082】さらに、上記構成の分液処理装置の液抜取
装置3は、検出された液面7aおよび界面7bから、サ
ンプル瓶7内の溶液相中の上下層の各溶液量を算出し、
上下層の各溶液を抜き取るようになっているので、溶液
の抜取りの自動化を図ることができる。
【0083】上記の実施の形態での説明では、液面7a
および界面7bからサンプル瓶7内の溶液Aおよび溶液
Bの体積を算出し、この体積に基づいて、ニードル16
の駆動量が計算され、各溶液を抜き取るようになってい
た。この場合、サンプル瓶7の形状および大きさが常に
一定であることが必要である。
【0084】尚、上記の分液処理装置を利用して分液す
る方法としては、液面7aおよび界面7bからサンプル
瓶7内の溶液Aおよび溶液Bの体積を求めて溶液を抽出
する方法の他に、液面7aと界面7bの容器の底面から
の高さ情報により容器内の溶液を抽出する方法がある。
【0085】この方法では、サンプル瓶7の溶液相の液
面7aと界面7bの高さ情報から、ニードル16の駆動
を制御して溶液を抜き取るようになっている。このと
き、液面7aおよび界面7bの座標値は、常に検出さ
れ、この座標値を液抜取装置3に送信している。そし
て、液面7aの座標値が界面7bの座標値の所定の範囲
内まで到達すれば、サンプル瓶7内の上層の溶液Aの抜
取りを中断する。
【0086】このようにして、サンプル瓶7の溶液相の
液面7aと界面7bの高さ情報から、サンプル瓶7内の
溶液A・Bを分液するようになっている。
【0087】以上の方法によれば、サンプル瓶7の形状
を限定しなくても良く、広い範囲で本発明の分液処理装
置を適用することができる。
【0088】本実施の形態で用いたCCDカメラ1とし
ては、株式会社キーエンス製の型式CV−C1を用い、
センサ本体2としては、株式会社キーエンス製の型式C
V−100を用いた。また、本分液処理装置の制御プロ
グラムは、例えばOS(operating system) としてWI
NDOWS(登録商標)95上で動作するように作成し
た。それゆえ、コンピュータ4としては、WINDOW
S(登録商標)95が動作するコンピュータであれば良
い。しかしながら、本願発明は、上記OSに限定され
ず、他のOSにも適用できる。
【0089】尚、本発明は、本実施の形態における種々
の構成に限定されないものとする。
【0090】
【発明の効果】請求項1の発明の液面・界面位置検出装
置は、以上のように、層分離された相溶しない2種類の
溶液からなる溶液相を画像として読み取る読取手段と、
読み取った画像から上記溶液相の液面位置および界面位
置を検出する位置検出手段とを備えた構成である。
【0091】それゆえ、位置検出手段は、溶液相を上下
層に分離した状態で読み取られた画像から該溶液相の液
面位置と界面位置とを検出するようになっているので、
液面位置および界面位置の検出動作の自動化が可能とな
る。
【0092】しかも、読取手段が読み取った溶液相の画
像から液面位置と界面位置とを位置検出手段によって自
動的に検出することができるので、有機合成反応を自動
的に行う装置において、好適に使用することができる。
【0093】これにより、有機合成反応を自動的に行う
装置の完全な自動化を図ることができるという効果を奏
する。
【0094】上記位置検出手段による液面位置と界面位
置とを検出するには、例えば、請求項2の発明の液面・
界面位置検出装置が挙げられる。
【0095】即ち請求項2の発明の液面・界面位置検出
装置は、以上のように、請求項1の構成に加えて、位置
検出手段は、層分離された相溶しない2種類の溶液から
なる溶液相の液面位置および界面位置を表す画像パター
ンを複数種類登録する画像パターン登録部と、上記読取
手段により読み取られた画像に示される液面位置および
界面位置を、上記画像パターン登録部に登録された画像
パターンの中から近似して、この近似した値に基づいて
求める位置算出部とからなる構成である。
【0096】これにより、予め登録した画像パターンを
利用して、溶液相の液面および界面を近似した後でこの
近似値から正確な液面位置および界面位置を検出するよ
うになるので、位置検出を迅速且つ正確に行うことがで
きるという効果を奏する。
【0097】請求項3の発明の液面・界面位置検出装置
は、以上のように、請求項1または2の構成に加えて、
層分離された相溶しない2種類の溶液からなる溶液相が
透明な容器に収納されると共に、上記溶液相の界面と交
差する均一な幅のテープが該容器の高さ方向に設けら
れ、上記読取手段は、上記テープを容器背面側に配置し
た状態で、該容器に収納された溶液を画像として読み取
る構成である。
【0098】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、溶液の屈折率の違いを利用して液面位置
および界面位置を検出するようにすれば、特に、2層に
分離した溶液の色が殆ど同じである場合等のように、色
の違いで界面位置が検出しづらい場合において、有効な
検出方法となり得るという効果を奏する。
【0099】請求項4の発明の分液処理装置は、以上の
ように、層分離された相溶しない2種類の溶液からなる
溶液相を画像として読み取る読取手段と、読み取った画
像から上記溶液相の液面位置および界面位置を検出する
位置検出手段と、上記検出手段による検出結果に基づい
て、上下層の各溶液の量を求め、上下層の各溶液のいず
れか一方または両方を抜き取る溶液抜取手段とを備えた
構成である。
【0100】それゆえ、読取手段が読み取った溶液相の
画像から該溶液相の液面位置と界面位置とを位置検出手
段によって自動的に検出し、さらにこの位置検出手段の
検出結果に基づいて溶液相中から各溶液を自動的に抜き
取ることができるので、有機合成反応を自動的に行う装
置において、好適に使用することができる。これによ
り、有機合成反応を自動的に行う装置の完全自動化を図
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分液処理装置を用いたシステムの概略
構成図である。
【図2】上記システムに備えられているモニタに映し出
されたサンプル瓶の画素配置を示す説明図である。
【図3】図1に示す分液処理装置の概略構成ブロック図
である。
【図4】図1に示す分液処理装置によって行われる分液
処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4に示す分液処理のうち、液抜取り処理のサ
ブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図1に示す分液処理装置において、溶液相の液
面および界面を各溶液の屈折率の違いにより検出する場
合の説明図である。
【符号の説明】
1 CCDカメラ(読取手段) 2 センサ本体(位置検出手段) 3 液抜取装置(溶液抜取手段) 4 コンピュータ(位置検出手段) 7 サンプル瓶(容器) 22 液面・界面位置検出部(位置算出部) 42 ファイル登録部(画像パターン登録部) 51 色付きテープ(テープ)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−133687(JP,A) 特開 平9−145453(JP,A) 特開 平8−43173(JP,A) 特開 平5−340670(JP,A) 特開 平8−94412(JP,A) 実開 平7−5030(JP,U) 実公 平6−22191(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 23/28 B01D 17/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な容器に収納された層分離された相溶
    しない2種類の溶液からなる溶液相を画像として読み
    取る読取手段と、 読み取った画像から上記溶液相の液面位置および界面位
    置を検出する位置検出手段とを備え 上記容器背面側には、上記容器に収納される溶液の色と
    異なる色で着色された均一な幅のテープが、上記溶液相
    の液面および界面と交差して上記容器の高さ方向に設け
    られ、 上記読取手段は、上記テープを容器背面側に配置した状
    態で、該容器の溶液相を画像として読み取り、 上記位置検出手段は、上記画像において、上記溶液相を
    通して読み取られたテープ幅の違いにより上記溶液相の
    液面位置および界面位置を検出する ことを特徴とする液
    面・界面位置検出装置。
  2. 【請求項2】透明な容器に収納された層分離された相溶
    しない2種類の溶液からなる溶液相を、画像として読み
    取る読取手段と、 読み取った画像から上記溶液相の液面位置および界面位
    置を検出する位置検出手段と、 上記位置検出手段による検出結果に基づいて、上記容器
    内の上下層の各溶液のいずれか一方または両方を抜き取
    る溶液抜取手段とを備え、 上記容器背面側には、上記容器に収納される溶液の色と
    異なる色で着色された均一な幅のテープが、上記溶液相
    の液面および界面と交差して上記容器の高さ方向に設け
    られ、 上記読取手段は、上記テープを容器背面側に配置した状
    態で、該容器の溶液相を画像として読み取り、 上記位置検出手段は、上記画像において、上記溶液相を
    通して読み取られたテープ幅の違いにより上記溶液相の
    液面位置および界面位置を検出し、 上記溶液抜取手段は、上記位置検出手段により検出され
    た液面位置および界面 位置から、上記容器内の上下層の
    各溶液の体積を求め、この体積に基づいて、上記容器内
    の上下層の各溶液のいずれか一方または両方を抜き取る
    ことを特徴とする分液処理装置。
  3. 【請求項3】透明な容器に収納された層分離された相溶
    しない2種類の溶液からなる溶液相を、画像として読み
    取る読取手段と、 読み取った画像から上記溶液相の液面位置および界面位
    置を検出する位置検出手段と、 上記位置検出手段による検出結果に基づいて、上記容器
    内の上下層の各溶液のいずれか一方または両方を抜き取
    る溶液抜取手段とを備え、 上記容器背面側には、上記容器に収納される溶液の色と
    異なる色で着色された均一な幅のテープが、上記溶液相
    の液面および界面と交差して上記容器の高さ方向に設け
    られ、 上記読取手段は、上記テープを容器背面側に配置した状
    態で、該容器の溶液相を画像として読み取り、 上記位置検出手段は、上記画像において、上記溶液相を
    通して読み取られたテープ幅の違いにより上記溶液相の
    液面位置および界面位置の座標を常に検出してこの座標
    値を上記溶液抜取手段に送信し、 上記溶液抜取手段は、上記位置検出手段により常に検出
    される上記溶液相の液面位置と界面位置の容器の底面か
    らの高さ情報により、上記容器内の上下層の各溶液のい
    ずれか一方または両方を抜き取ることを特徴とする分液
    処理装置。
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